JP2948471B2 - セルラーゼを添加した家畜の飼料 - Google Patents
セルラーゼを添加した家畜の飼料Info
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Description
菌の生産するセルラーゼ(特公昭60−43954)を
添加した飼料並びに該飼料を投与することにより、家畜
の発育や飼料要求率を改善する方法に関するものであ
る。
して、セルラーゼを飼料に添加することが行われている
が、該セルラーゼとして、これまではトリコデルマ属菌
およびアスペルギルス属菌起源のものが主に用いられて
いる。
いられているトリコデルマ属菌およびアスペルギルス属
菌起源のものは、天然セルロースに対する分解力が十分
でなかったり、またはセルロースを完全にグルコースま
でに分解することができず、セロビオースやセロオリゴ
糖を多量に生成するなどの問題がある。そのため、これ
らのセルラーゼを飼料に添加した場合、セルロースを分
解することはできても、飼料中の栄養成分の利用効率の
改善は十分とは言えなかった。
ロースに対する分解力が優れ、かつグルコースへの糖化
能力の強いセルラーゼ生産菌を求めていたところ、アク
レモニウム属菌の生産するセルラーゼ(以下、アクレモ
ニウムセルラーゼまたはACCと略記することがあ
る。)が極めて糖化性の優れた酵素であることを認め
た。このセルラーゼは結晶性セルロースに対する分解力
が強く、β−グルコシダーゼ活性が従来良く知られてい
るセルラーゼ、例えばトリコデルマ・レーゼイ等のセル
ラーゼに比べて著しく強いため、セルロースをほとんど
完全にグルコースにまで分解できる。したがって、この
アクレモニウムセルラーゼを飼料に添加することによっ
て、飼料中の栄養成分の有効利用をさらに促進し、家畜
の体重増加量や飼料要求率を改善することが可能となっ
た。
レモニウム属菌の生産するセルラーゼを添加したことを
特徴とする飼料並びに該セルラーゼを添加した飼料を家
畜に投与することにより、家畜の発育や飼料要求率を改
善する方法に関する。
は、上記したように、結晶性セルロースに対する分解力
が強く、飼料中のセルロースをほとんど完全にグルコー
スにまで分解することができる。アクレモニウムセルラ
ーゼは、例えば特公昭60−43954号公報に記載さ
れた方法に従いアクレモニウム・セルロリティカス(Acr
emonium cellulolyticus)(FERM BP-685)を用いて製造す
ることができる。この際、該微生物を培養後、培養物を
遠心分離等の固−液分離操作により除菌して得られた上
清液を、必要に応じてさらに限外濾過法等により濃縮
し、スプレードライ法などにより水分を除去すれば、粉
末製剤とすることができる。なお、スプレードライの際
に上清濾過液に乳糖、澱粉、澱粉の部分分解物またはグ
ルコースなどを単独で、もしくは適宜組み合わせて添加
することにより、プロセス収率の改善や得られた粉末製
剤の物性、例えば溶解性や安定性の改善を図ることがで
きる。
なく、例えば上記の粉末製剤をそのまま用いることも可
能であるが、小麦粉などを賦形剤にして混ぜやすい製剤
としたものを用いても良い。ここで、賦形剤としては他
にコーンミール、大豆粉、澱粉、澱粉の部分分解物、グ
ルコース、乳糖、米ぬか、ふすま等を単独で、あるいは
2種類以上を組み合わせて用いることができる。
量は、動物の種類、飼料の種類などによっても異なる
が、通常は50〜70mg/kg体重/日、好ましくは
100〜120mg/kg体重/日である。例えば実施
例で示したウィスターラットを用いた試験では、飼料中
0.05重量%以上の濃度が望ましい。また、添加時期や
期間については制限がなく、飼養期間の全期間を通じて
可能である。なお、豚や鶏とラットの成長や消化率は類
似しているといわれている(畜産試験場研究報告、第1
4号、63〜67頁、昭和47年7月;日本畜産学会
報、第52巻、第6号:459〜466頁:昭和56年
6月等)ので、飼養期間を考慮すれば上記実施例中の添
加濃度より低い量でも前述した効果を期待できる。
あり、例えば牛、馬、豚、鶏、山羊、羊、ウサギなどで
ある。
て、3頭の雄のウィスターラットに対し、アクレモニウ
ムセルラーゼ1000mg/kgを水に懸濁して強制経
口投与し、急性毒性試験を行ったところ、全例生存し、
臨床的な変化は特に認められなかったことから、安全性
は高いと言える。
る。 製造例1 セルロース4%、バクトペプトン1%、硝酸カリウム0.
6%、尿素0.2%、塩化カリウム0.16%、硫酸マグネ
シウム0.12%、リン酸1カリウム1.2%、硫酸亜鉛0.
001%、硫酸マンガン0.001%及び硫酸銅0.001
%を含む培地(pH4.0)20mlを200ml容三角
フラスコに入れ、常法により殺菌後、アクレモニウム・
セルロリティカス(FERM BP-685) を接種し、30℃で6
日間通気培養した。培養終了後、培養物を遠心分離して
上清液を得た。この上清液のアビセラーゼ活性は3.1単
位/ml、CMCアーゼ活性は26.3単位/ml及びβ
−グルコシダーゼ活性は13.8単位/mlであった。
6%、尿素0.2%、塩化カリウム0.16%、硫酸マグネ
シウム0.12%、リン酸1カリウム1.2%、硫酸亜鉛0.
001%、硫酸マンガン0.001%及び硫酸銅0.001
%を含む培地(pH4.0)20mlを200ml容三角
フラスコに入れ、常法により殺菌後、トリコデルマ・リ
セーの変異株を接種し、28℃で7日間通気培養した。
培養終了後、培養物を遠心分離して上清液を得た。この
上清液のアビセラーゼ活性は10.3単位/ml、CMC
アーゼ活性は96.2単位/ml及びセロビアーゼ活性は
236.2単位/mlであった。
ーゼを添加した豚用飼料(とうもろこし,いり小麦,小
麦粉,ふすま,大豆油かす等を原料としたもので、その
成分は粗蛋白質14.6%,粗脂肪3.6%,粗繊維
3.0%,粗灰分3.8%,カルシウム0.74%,リ
ン0.65%,可消化性粗蛋白質11.4%,総可消化
養分量76.1%,可消化エネルギー335Cal/1
00gである)5gを、250mlバッフルに秤とり脱イ
オン水20ml及び塩酸1滴を加え(約pH5.8)、42
℃、7時間、200rpmの条件で振とうした。振とう終
了後、15000rpmで10分間遠心分離し、その上清
を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、濾液
を試料溶液とした。この試料溶液について分析した。な
お、測定項目(測定方法)は溶出した還元糖量(DNS
法)、グルコース量(グルコースバイオセンサー)及び
全窒素量(セミミクロケルダール法)である。結果は第
1表に示した。トリコデルマセルラーゼと比較すると、
アクレモニウムセルラーゼにおいては、還元糖では0.
2%添加で2.2倍、2.0%添加では2.5倍、グル
コースではそれぞれ2.5倍、4.4倍、全窒素ではど
ちらの濃度でも1.3倍であった。
リコデルマセルラーゼに比べ、アクレモニウムセルラー
ゼは飼料中のセルロースの分解をさらに促進し、還元糖
や特にグルコースの溶出量を高め、それにつれて全窒素
の溶出量をも増加させることが判った。このことはアク
レモニウムセルラーゼの飼料への添加は、従来のトリコ
デルマセルラーゼに比べて飼料栄養成分のうちの糖質は
勿論、窒素源の有効利用をも促す可能性があることを示
すものである。
分け、1群は無添加対照群、2群はアクレモニウムセル
ラーゼ0.05%添加群、3群はアクレモニウムセルラー
ゼ0.2%添加群とした。飼料は試験用の豚用飼料を用い
た。投与期間、観察期間とも3週間とし、体重、飼料摂
取量を測定し、体重増加量及び飼料要求率を算出した。
体重増加量の平均値と飼料要求率の平均値及びそれらの
改善率について得た結果を第2表に示した。
量依存性は認められなかったが、アクレモニウムセルラ
ーゼ添加群において良好であり、無添加群とACC 0.05
%添加群との間に有意差が認められた(p<0.05)。この
ときの改善率は10%前後であった。また、飼料要求率
では用量依存的に改善が認められた。無添加群とACC0.
2%添加群との間及び無添加群とACC 0.05%添加群と
の間にそれぞれP<0.01、P<0.05で有意差が認められた。
このときの改善率はそれぞれ6.3%、5.5%と良好であ
った。これらのことから、アクレモニウムセルラーゼを
飼料に添加することにより、体重増加の促進を期待でき
るとともに、飼料要求率をも改善できることが判った。
なお、改善率は、(無添加群との差/無添加群の値)×
100(%)より算出した。また、飼料要求率は、21
日間の飼料摂取量(g)/体重増加量(g)より算出し
た。トリコデルマセルラーゼを用いた同様な試験では、
体重増加においては2%程度の改善が認められたが、飼
料要求率では特に改善が認められず、両指標ともに有意
差は認められなかった。
産するセルラーゼ(特公昭60−43954)を添加し
た飼料が提供され、この飼料を家畜に投与することによ
って、家畜の発育や飼料要求率を改善することができ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 アクレモニウム属菌の生産するセルラー
ゼを添加したことを特徴とする飼料。 - 【請求項2】 アクレモニウム属菌の生産するセルラー
ゼを添加した飼料を家畜に投与することにより、家畜の
発育や飼料要求率を改善する方法。
Priority Applications (2)
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EP95104751A EP0674843A1 (en) | 1994-03-31 | 1995-03-30 | A feed for domestic animals containing cellulase |
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JP6083769A JP2948471B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | セルラーゼを添加した家畜の飼料 |
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---|---|---|---|
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-
1994
- 1994-03-31 JP JP6083769A patent/JP2948471B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1995
- 1995-03-30 EP EP95104751A patent/EP0674843A1/en not_active Ceased
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JP2001231465A (ja) * | 2000-02-24 | 2001-08-28 | Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti | 反芻動物の飼料用酵素剤 |
WO2001062103A1 (fr) * | 2000-02-24 | 2001-08-30 | Meiji Seika Kaisha, Ltd. | Préparations aux enzymes pour l'alimentation des ruminants |
JP4536861B2 (ja) * | 2000-02-24 | 2010-09-01 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 反芻動物の飼料用酵素剤 |
Also Published As
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---|---|
JPH07264994A (ja) | 1995-10-17 |
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