JP2948207B1 - 航空機動安定試験装置 - Google Patents

航空機動安定試験装置

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JP2948207B1 JP15008298A JP15008298A JP2948207B1 JP 2948207 B1 JP2948207 B1 JP 2948207B1 JP 15008298 A JP15008298 A JP 15008298A JP 15008298 A JP15008298 A JP 15008298A JP 2948207 B1 JP2948207 B1 JP 2948207B1
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Abstract

【要約】 【課題】 ピッチ運動またはヨー運動に関する動安定微
係数を正確に求めることができる航空機動安定試験装置
を提供すること。 【解決手段】 航空機模型96に運動を与えるための駆
動用モータ16と、航空機模型96内に配設された立体
カムユニット22と、立体カムユニット22を支持する
ためのスティング20と、スティング20内に回転自在
に支持された駆動軸24とを具備する航空機動安定試験
装置。立体カムユニット22の立体カム36は駆動軸2
4を介して駆動用モータ16に駆動連結され、立体カム
ユニット22の揺動部材38は航空機模型96に取付け
られ、駆動用モータ16からの駆動力は駆動軸24およ
び立体カムユニット22を介して航空機模型96に伝達
され、かくして航空機模型96にピッチ運動またはヨー
運動が付与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機の動的安定
性能を風洞実験で把握するときに用いる航空機動安定試
験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機を設計するに際し、動安定微係数
を求めるために、航空機模型を用いて風洞実験が行われ
る。この風洞実験に用いる航空機動安定試験装置とし
て、たとえば特開平3−37542号公報に開示された
ものが知られている。この公知の動安定試験装置は、航
空機模型に運動を与えるための駆動源と、ヒンジを中心
として揺動自在に支持された加振用スティングと、加振
用スティングの一端部に取付けられた航空機模型と、加
振用スティングの他端部と駆動源の出力部との間に介在
された上下動連結機構とを備えている。上下動連結機構
は、駆動源の出力軸に駆動連結された回転円板と、この
回転円板に偏心して設けられたカムフォロアと、加振用
スティングの他端部に設けられた移動部材とを備え、こ
の移動部材が上下方向に移動自在に支持されている。移
動部材には横方向に延びる細長いスリットが形成され、
このスリットにカムフォロアが移動自在に受入れられて
いる。
【0003】このような動安定試験装置では、駆動源が
駆動されると、回転円板は所定方向に回転駆動され、こ
れによってカムフォロアも一体的に偏心して回動され
る。かくすると、このカムフォロアの移動によって移動
部材が上下方向に移動され、加振用スティングはヒンジ
を中心として上下方向に揺動され、かくして航空機模型
にピッチ運動を付与することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
知の動安定試験装置には、次のとおりの解決すべき問題
が存在する。すなわち、この動安定試験装置では、航空
機模型の揺動中心がこの模型の外側に位置する加振用ス
ティングの揺動中心、すなわちヒンジであるため、航空
機模型胴体内の機体重心位置まわりの運動を航空機模型
に与えることができず、このことに起因して風洞実験に
おける動安定微係数を正確に求めることができない。ま
た、移動部材を上下移動させるために、細長いスリット
を有する移動部材と、このスリットに受入れられた偏心
カムフォロアとによるカム機構を用いているので、カム
フォロアとスリットとの間にいわゆるガタが存在し、こ
のガタに起因して航空機模型を正確に移動させることが
できない。
【0005】本発明の目的は、ピッチ運動またはヨー運
動に関する動安定微係数を正確に求めることができる航
空機動安定試験装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、風洞試験用航
空機模型に所定の運動を与える航空機動安定試験装置に
おいて、前記航空機模型に運動を与えるための駆動源
と、前記航空機模型内に配設された立体カムユニット
と、前記立体カムユニットを支持するためのスティング
と、前記スティング内に回転自在に支持された駆動軸と
を具備し、前記立体カムユニットは、前記スティングに
取付けられるユニットハウジングと、前記駆動軸の軸線
に対し実質上平行に延びる第1の軸線を中心として前記
ユニットハウジングに回転自在に支持され、前記駆動軸
を介して前記駆動源に駆動連結される入力部である立体
カムと、前記第1の軸線に対して実質上垂直な上下方向
に延びる第2の軸線を中心として前記ユニットハウジン
グに旋回自在に支持され、出力部である揺動部材と、前
記揺動部材に設けられ、前記立体カムに形成されたカム
溝に移動自在に受入れられる従動部材とを具備し、前記
航空機模型には、前記立体カム、前記従動部材および前
記揺動部材の作用によってヨー運動が付与されることを
特徴とする航空機動安定試験装置である。
【0007】本発明に従えば、航空機模型内に立体カム
ユニットが設けられ、この立体カムユニットによって航
空機模型にピッチ運動またはヨー運動が付与されるの
で、航空機模型の運動は立体カムの配置部位を中心とし
た揺動運動となる。それ故に、航空機模型の揺動中心は
航空機模型内に位置し、これにより航空機模型の揺動運
動が実際の運動状態により近いものとなり、かくしてピ
ッチ運動またはヨー運動に関する動安定微係数を正確に
求めることができる。
【0008】
【0009】本発明に従えば、立体カムユニットは、第
1の軸線を中心として回転自在に支持された立体カム
と、上下方向に延びる第2の軸線を中心として回転自在
に支持された揺動部材と、揺動部材に設けられた従動部
材とを備え、この従動部材が立体カムのカム溝に移動自
在に受入れられている。そして、立体カムは立体カムユ
ニットの入力部を構成し、揺動部材は立体カムユニット
の出力部を構成するので、第1の軸線を中心とする立体
カムの回転運動が従動部材の作用によって第2の軸線を
中心とする揺動部材の揺動運動に変換され、かくして揺
動部材に取付けられた航空機模型に第2の軸線を中心と
するヨー運動を付与することができる。また、ばね部材
等を用いることなく従動部材を立体カムのカム溝に沿っ
て確実に移動することができ、立体カムユニットの小型
化が達成される。
【0010】また本発明は、風洞試験用航空機模型に所
定の運動を与える航空機動安定試験装置において、前記
航空機模型に運動を与えるための駆動源と、前記航空機
模型内に配設された立体カムユニットと、前記立体カム
ユニットを支持するためのスティングと、前記スティン
グ内に回転自在に支持された駆動軸とを具備し、前記立
体カムユニットは、前記スティングに取付けられるユニ
ットハウジングと、前記駆動軸の軸線に対し実質上平行
に延びる第1の軸線を中心として前記ユニットハウジン
グに回転自在に支持され、前記駆動軸を介して前記駆動
源に駆動連結される入力部である立体カムと、前記第1
の軸線に対して実質上垂直な横方向に延びる第2の軸線
を中心として前記ユニットハウジングに旋回自在に支持
され、出力部である揺動部材と、前記揺動部材に設けら
れ、前記立体カムに形成されたカム溝に移動自在に受入
れられる従動部材とを具備し、前記航空機模型には、前
記立体カム、前記従動部材および前記揺動部材の作用に
よってピッチ運動が付与されることを特徴とする。
【0011】本発明に従えば、立体カムユニットは、第
1の軸線を中心として回転自在に支持された立体カム
と、横方向に延びる第2の軸線を中心として回転自在に
支持された揺動部材と、揺動部材に設けられた従動部材
とを備え、この従動部材が立体カムのカム溝に移動自在
に受入れられている。そして、立体カムは立体カムユニ
ットの入力部を構成し、揺動部材は立体カムユニットの
出力部を構成するので、第1の軸線を中心とする立体カ
ムの回転運動が従動部材の作用によって第2の軸線を中
心とする揺動部材の揺動運動に変換され、かくして揺動
部材に取付けられた航空機模型に第2の軸線を中心とす
るピッチ運動を付与することができる。また、ばね部材
等を用いることなく従動部材を立体カムのカム溝に沿っ
て確実に移動することができ、立体カムユニットの小型
化が達成される。
【0012】本発明は、前記立体カムユニットにおける
前記第1の軸線と前記第2の軸線との交点は、前記航空
機模型の重心と実質上一致することを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、立体カムユニットの第1
の軸線と第2の軸線との交点は航空機模型の重心と実質
上一致しているので、立体カムユニットによって付与さ
れる揺動運動(ヨー運動またはピッチ運動)は、航空機
模型の実質上重心を中心とした運動となり、これによっ
てこの重心を中心とする揺動運動を航空機模型に付与す
ることができる。
【0014】さらに本発明は、前記揺動部材は前記立体
カムを囲むように設けられ、前記揺動部材の対向する部
位にそれぞれ前記従動部材が設けられ、前記従動部材が
前記立体カムの前記カム溝に移動自在に受入れられ、前
記立体カムおよび一対の前記従動部材によって前記揺動
部材が所要のとおりに従動されることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、揺動部材の対向する部位
に従動部材が設けられ、これら従動部材が立体カムのカ
ム溝に受入れられているので、各従動部材に作用する負
荷の低減を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に従う航空機動安定試験装置の一実施形態について説
明する。図1は、本発明に従う動安定試験装置の要部を
一部断面で示す断面図であり、図2は、図1の動安定試
験装置の立体カムユニットを示す斜視図であり、図3
は、立体カムユニットの側面図であり、図4は、図3に
おけるIV−IV線による断面図であり、図5は、図3
におけるV−V線による断面図である。
【0017】主として図1を参照して、航空機動安定性
能の風洞試験を行うための風洞2にはスティング支持装
置4が設けられ、スティング支持装置4にスティングポ
ッド6が所要のとおりに取付けられ、このスティングポ
ッド6に動安定試験装置8が取付けられている。動安定
試験装置8は、スティングポッド6に支持された主ハウ
ジング10と、主ハウジング10の先端部に取付ねじ1
2によって装着された副ハウジング14とを有し、主ハ
ウジング10内に、駆動源を構成する駆動用モータ16
が設けられ、副ハウジング14内に、駆動用モータ16
の回転数を減速する減速機18が設けられている。駆動
用モータ16の出力部は減速機18の入力部に駆動連結
されている。
【0018】動安定試験装置8は、また、スティング2
0および立体カムユニット22を備えている。スティン
グ20は中空スリーブ部材から構成され、その一端部
(図1において右端部)が取付ねじ23によって副ハウ
ジング14の先端部に取付けられている。このスティン
グ20の内部には、駆動用モータ16からの駆動力を伝
達するための駆動軸24が配設されている。駆動軸24
の一端部近傍は、スティング20の一端部に装着された
軸受26を介して回転自在に支持され、その他端部近傍
は、スティング20の他端部に装着された軸受28を介
して回転自在に支持されている。駆動軸24の一端部は
軸受26から突出しており、この一端突出部が上記減速
機18の出力部に駆動連結されている。また、駆動軸2
4の他端部は軸受28から突出しており、この他端突出
部に、立体カムユニット22の入力部が駆動連結され
る。
【0019】立体カムユニット22はスティング20の
他端部に取付けられている。図1とともに図2〜図5を
参照して、立体カムユニット22はユニットハウジング
32を有し、このユニットハウジング32が取付ねじ3
4によってスティング20の他端部に固定されている。
立体カムユニット22は、この実施形態では、立体カム
36と、この立体カム36によって揺動される揺動部材
38とを備えている。立体カム36は球面カムから構成
され、その外周面には、所定形状のカム溝40が形成さ
れている。この立体カム36の両端部(図1,図3およ
び図4において左右方向の両端部)には、軸部42,4
4が設けられ、かかる軸部42,44が軸受46,48
を介して回転自在に支持されている。軸受46,48に
よって支持される立体カム36の回転軸線50(第1の
軸線を構成する)は、図4に示すとおり、駆動軸24の
中心軸線52と実質上合致し、この中心軸線52の実質
上延長線上に位置している。立体カム36の軸部42に
は収容凹部54が形成され、この収容凹部54に駆動軸
24の他端部が挿入され、キー部材55を介して駆動軸
24と立体カム36とが駆動連結されている。
【0020】揺動部材38は立体カム36を囲むように
して設けられている。この実施形態では、ユニットハウ
ジング32の右部71および左部73(図2では省略)
にはそれぞれ軸受58,60が装着され、かかる軸受5
8,60に揺動部材38が揺動自在に装着されている。
図示の揺動部材38は、立体カム36の上方に配設され
た第1部材62と、立体カム36の下方に配設された第
2部材64とを有し、第1部材62および第2部材64
が立体カム36の両側に配設された支持接続部材66,
68を介して接続されている。一方の支持接続部材66
には軸部70が一体的に形成され、この軸部70が軸受
58を介してユニットハウジング32の右部71に回転
自在に支持されている。また、他方の支持接続部材68
には軸部72が一体的に形成され、この軸部72が軸受
60を介してユニットハウジング32の左部73に回転
自在に支持されている。支持接続部材66の軸部70お
よび支持接続部材68の軸部72は回転軸線50に対し
て実質上垂直な横方向に延びており、したがってこれら
の軸部70,72の中心軸線は、上記回転軸線50に対
して実質上垂直な横方向に延びる揺動部材38の揺動軸
線74(第2の軸線を構成する)を構成し、揺動部材3
8はこの揺動軸線74を中心として矢印76,78(図
2)で示す方向に揺動される。揺動部材38の揺動軸線
74と立体カム36の回転軸線50とは、立体カム36
の実質上中心、換言すると立体カムユニット22の実質
上中心にて交差している。
【0021】この実施形態では、揺動部材38の第1部
材62にはナット78によって短軸80が固定されてい
る。短軸80の先端部は下方に立体カム36に向けて内
側に延び、その先端部には円筒状のカムフォロア82が
固定されている。また、第2部材64にはナット84に
よって短軸86が固定され、この短軸86の先端部は上
方に立体カム36に向けて内側に延び、その先端部には
円筒状のカムフォロア88が設けられている。カムフォ
ロア82および88は、揺動軸線74を対称軸線として
上下方向に対向して配置され、これらカムフォロア8
2,88が立体カム36のカム溝40にこれに沿って移
動自在に受入れられている。このように構成されている
ので、短軸80,86およびカムフォロア82,88は
立体カム36のカム溝40に受入れられて移動する従動
部材を構成し、このように従動部材を対向して配置する
ことによって各従動部材、すなわち短軸80,86およ
びカムフォロア82,88に作用する荷重を低減するこ
とができる。
【0022】この立体カムユニット22では、容易に理
解される如く、立体カム36が立体カムユニット22の
入力部として機能し、駆動軸24からの駆動力はこの立
体カム36に伝達され、また揺動部材38が立体カムユ
ニット22の出力部として機能し、立体カムユニット2
2からの駆動力は揺動部材38から航空機模型96(図
1)に伝達される。なお、この実施形態では、立体カム
36を球面カムから構成しているが、それ以外の立体カ
ム、たとえば円筒カム、太鼓カム、インデックスカム、
バレルカム、つつみ形カム等から構成することができ
る。なお、揺動部材38の揺動範囲が大きい場合、揺動
部材38の所望の揺動運動を許容するために球面カムを
用いるのが望ましい。
【0023】第1および第2部材62,64の一端部
は、図1〜図3において左方にユニットハウジング32
を越えて延びており、これら一端部間に取付部材90が
取付けられている。この取付部材90に固定ピン92等
によって空力荷重測定用センサ94が取付けられ、この
空力荷重測定用センサ94に、風洞試験に用いられる航
空機模型96が取付けられる。このように航空機模型9
6を取付けると、立体カムユニット22は航空機模型9
6の内部収容され、スティング20は航空機模型96の
後方に向けて延び、前方からの風に対してスティング2
0等が障害となることが防止される。このような航空機
模型96は、風洞実験によって設計の際の動安定部係数
を求めるために用いられる。
【0024】このような動安定試験装置8では、風洞実
験の際、駆動用モータ16が所定方向に回転駆動され
る。かくすると、駆動用モータ16からの駆動力が減速
機18を介して駆動軸24に伝達され、この駆動軸24
を介して立体カムユニット22の立体カム36に伝達さ
れる。かく立体カム36が回転駆動されると、その回転
によって従動部材の一部としてのカムフォロア82,8
8が立体カム36のカム溝40に沿って移動され、カム
フォロア82,88のかかる移動によって揺動部材38
が軸部70,72、すなわち揺動軸線74を中心として
矢印76,78(図2)で示す方向に所定角度範囲、た
とえば±1〜3度程度の角度範囲に渡って揺動運動され
る。かくして、取付部材90および空力荷重測定用セン
サ94を介して航空機模型96が横方向に延びる揺動軸
線74を中心として上下方向に揺動され、駆動用モータ
16によって航空機模型96にピッチ運動を付与するこ
とができ、その結果、空力荷重測定センサ94の検出信
号を利用してピッチ運動に関する動安定微係数を求める
ことができる。なお、航空機模型96の揺動運動の範囲
は、立体カム36のカム溝の形状を変えることによって
所望のとおりに設定することができる。
【0025】この実施形態では、図1から理解されると
おり、立体カムユニット22は航空機模型96内に配置
されているので、立体カムユニット22によって付与さ
れるピッチ運動の揺動中心は航空機模型96内に位置
し、したがって航空機模型96のピッチ運動がより実際
の運動状態に近いものとなり、上記動安定微係数を正確
に求めることができる。この実施形態では、特に、航空
機模型96内に配設された立体カムユニット22におけ
る回転軸線50(航空機模型96の前後方向に延びてい
る)と揺動軸線74との交点が航空機模型96の重心を
実質上通るように構成されている。それ故に、立体カム
ユニット22によって付与されるピッチ運動は、航空機
模型96の重心を通り横方向に延びる軸線を中心とする
ピッチ運動となり、換言すると、現実のピッチ運動とほ
ぼ同一の運動となり、上記動安定微係数を一層正確に求
めることができる。
【0026】このような航空機動安定試験装置8では、
立体カムユニット22の取付状態を変えることによっ
て、航空機模型96にヨー運動を付与することができ
る。すなわち、上述した実施形態では、第1および第2
部材60,62が上下方向に配置されるように立体カム
ユニット22をスティング20に取付け、これによって
揺動部材38を横方向に延びる揺動軸線74を中心とし
て上下方向に揺動自在としている。このような取付状態
に代えて、たとえば、第1および第2部材60,62が
横方向に配置されるように立体カムユニット22をステ
ィング20に取付けることによって、揺動部材38の揺
動軸線74は、上記回転軸線50に対して実質上垂直な
上下方向に延びるようになり、したがって航空機模型9
6には上下方向に延びる揺動軸線74を中心として横方
向のヨー運動が付与される。
【0027】このようにして取付けた場合でも、図示し
ていないが、容易に力される如く、立体カムユニット2
2は航空機模型96内に配置され、それ故に、立体カム
ユニット22によって付与されるヨー運動の揺動中心は
航空機模型96内に位置し、したがって航空機模型96
のヨー運動もより実際の運動状態に近いものとなり、上
記動安定微係数を正確に求めることができる。この場合
でも、航空機模型96内に配設された立体カムユニット
22の回転軸線50(航空機模型96の前後方向に延び
ているる)と上下方向に延びる揺動軸線74との交点が
航空機模型96の重心を実質上通るように構成される。
それ故に、立体カムユニット22によって付与されるヨ
ー運動は、航空機模型96の重心を通る上下方向の軸線
を中心とするヨー運動となり、換言すると、現実のヨー
運動とほぼ同一の運動となり、上記動安定微係数を一層
正確に求めることができる。
【0028】以上、本発明に従う航空機動安定試験装置
の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施
形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱す
ることなく種々の変形、修正が可能である。
【0029】たとえば、図示の実施形態では、駆動用モ
ータ16によって駆動される駆動軸24と立体カムユニ
ット22の立体カム36とがキー部材55を介して駆動
連結されているが、これに代えて、たとえば歯車列等を
介して相互に駆動連結するようにすることもできる。
【0030】また、たとえば、図示の実施形態では、駆
動用モータ16と駆動軸24との間に減速機18を介在
させているが、駆動用モータ16によって駆動軸24を
所望のとおりに回転駆動することができる場合、この減
速機18を省略することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の航空機動安定試
験装置によれば、航空機模型内に立体カムユニットが設
けられ、この立体カムユニットによって航空機模型にピ
ッチ運動またはヨー運動が付与されるので、航空機模型
の運動は立体カムの配置部位を中心とした揺動運動とな
る。それ故に、航空機模型の揺動中心は航空機模型内に
位置し、これにより航空機模型の揺動運動が実際の運動
状態により近いものとなり、かくしてピッチ運動または
ヨー運動に関する動安定微係数を正確に求めることがで
きる。
【0032】また、立体カムユニットは、第1の軸線を
中心として回転自在に支持された立体カムと、上下方向
に延びる第2の軸線を中心として回転自在に支持された
揺動部材と、揺動部材に設けられた従動部材とを備え、
この従動部材が立体カムのカム溝に移動自在に受入れら
れている。そして、立体カムは立体カムユニットの入力
部を構成し、揺動部材は立体カムユニットの出力部を構
成するので、第1の軸線を中心とする立体カムの回転運
動が従動部材の作用によって第2の軸線を中心とする揺
動部材の揺動運動に変換され、かくして揺動部材に取付
けられた航空機模型に第2の軸線を中心とするヨー運動
を付与することができる。また、ばね部材等を用いるこ
となく従動部材を立体カムのカム溝に沿って確実に移動
することができ、立体カムユニットの小型化が達成され
る。
【0033】また本発明の請求項2記載の航空機動安定
試験装置によれば、立体カムユニットは、第1の軸線を
中心として回転自在に支持された立体カムと、横方向に
延びる第2の軸線を中心として回転自在に支持された揺
動部材と、揺動部材に設けられた従動部材とを備え、こ
の従動部材が立体カムのカム溝に移動自在に受入れられ
ている。そして、立体カムは立体カムユニットの入力部
を構成し、揺動部材は立体カムユニットの出力部を構成
するので、第1の軸線を中心とする立体カムの回転運動
が従動部材の作用によって第2の軸線を中心とする揺動
部材の揺動運動に変換され、かくして揺動部材に取付け
られた航空機模型に第2の軸線を中心とするピッチ運動
を付与することができる。また、ばね部材等を用いるこ
となく従動部材を立体カムのカム溝に沿って確実に移動
することができ、立体カムユニットの小型化が達成され
る。
【0034】また本発明の請求項3記載の航空機動安定
試験装置によれば、立体カムユニットの第1の軸線と第
2の軸線との交点は航空機模型の重心と実質上一致して
いるので、立体カムユニットによって付与される揺動運
動(ヨー運動またはピッチ運動)は、航空機模型の実質
上重心を中心とした運動となり、これによってこの重心
を中心とする揺動運動を航空機模型に付与することがで
きる。
【0035】さらに本発明の請求項4記載の航空機動安
定試験装置によれば、揺動部材の対向する部位に従動部
材が設けられ、これら従動部材が立体カムのカム溝に受
入れられているので、各従動部材に作用する負荷の低減
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う動安定試験装置の要部を一部断面
で示す断面図である。
【図2】図1の動安定試験装置の立体カムユニットを示
す斜視図である。
【図3】立体カムユニットの側面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線による断面図であ
る。
【図5】図3におけるV−V線による断面図である。
【符号の説明】
2 風洞 4 スティング支持装置 8 動安定試験装置 16 駆動用モータ 20 スティング 24 駆動軸 22 立体カムユニット 32 ユニットハウジング 36 立体カム 38 揺動部材 40 カム溝 62 第1部材 64 第2部材 80,86 短軸 82,88 カムフォロア 96 航空機模型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志子田 繁一 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 中嶋 勝己 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 八木 栄一 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 米本 浩一 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (72)発明者 大垣 正信 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (56)参考文献 特開 平4−89543(JP,A) 特開 平10−115572(JP,A) 特開 平3−37542(JP,A) 特開 昭61−175541(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 9/00 - 9/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風洞試験用航空機模型に所定の運動を与
    える航空機動安定試験装置において、 前記航空機模型に運動を与えるための駆動源と、前記航
    空機模型内に配設された立体カムユニットと、前記立体
    カムユニットを支持するためのスティングと、前記ステ
    ィング内に回転自在に支持された駆動軸とを具備し、 前記立体カムユニットは、 前記スティングに取付けられるユニットハウジングと、 前記駆動軸の軸線に対し実質上平行に延びる第1の軸線
    を中心として前記ユニットハウジングに回転自在に支持
    され、前記駆動軸を介して前記駆動源に駆動連結される
    入力部である立体カムと、 前記第1の軸線に対して実質上垂直な上下方向に延びる
    第2の軸線を中心として前記ユニットハウジングに旋回
    自在に支持され、出力部である揺動部材と、 前記揺動部材に設けられ、前記立体カムに形成されたカ
    ム溝に移動自在に受入れられる従動部材とを具備し、 前記航空機模型には、前記立体カム、前記従動部材およ
    び前記揺動部材の作用によってヨー運動が付与されるこ
    とを特徴とする航空機動安定試験装置。
  2. 【請求項2】 風洞試験用航空機模型に所定の運動を与
    える航空機動安定試験装置において、 前記航空機模型に運動を与えるための駆動源と、前記航
    空機模型内に配設された立体カムユニットと、前記立体
    カムユニットを支持するためのスティングと、前記ステ
    ィング内に回転自在に支持された駆動軸とを具備し、 前記立体カムユニットは、 前記スティングに取付けられるユニットハウジングと、 前記駆動軸の軸線に対し実質上平行に延びる第1の軸線
    を中心として前記ユニットハウジングに回転自在に支持
    され、前記駆動軸を介して前記駆動源に駆動連結される
    入力部である立体カムと、 前記第1の軸線に対して実質上垂直な横方向に延びる第
    2の軸線を中心として前記ユニットハウジングに旋回自
    在に支持され、出力部である揺動部材と、 前記揺動部材に設けられ、前記立体カムに形成されたカ
    ム溝に移動自在に受入れられる従動部材とを具備し、 前記航空機模型には、前記立体カム、前記従動部材およ
    び前記揺動部材の作用によってピッチ運動が付与される
    ことを特徴とする請求項1記載の航空機動安定試験装
    置。
  3. 【請求項3】 前記立体カムユニットにおける前記第1
    の軸線と前記第2の軸線との交点は、前記航空機模型の
    重心と実質上一致することを特徴とする請求項1または
    2記載の航空機動安定試験装置。
  4. 【請求項4】 前記揺動部材は前記立体カムを囲むよう
    に設けられ、前記揺動部材の対向する部位にそれぞれ前
    記従動部材が設けられ、前記従動部材が前記立体カムの
    前記カム溝に移動自在に受入れられ、前記立体カムおよ
    び一対の前記従動部材によって前記揺動部材が所要のと
    おりに従動されることを特徴とする請求項1または2記
    載の航空機動安定試験装置。
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