JP2947378B2 - 抗ピル性編地の製造法 - Google Patents

抗ピル性編地の製造法

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JP2947378B2
JP2947378B2 JP28047291A JP28047291A JP2947378B2 JP 2947378 B2 JP2947378 B2 JP 2947378B2 JP 28047291 A JP28047291 A JP 28047291A JP 28047291 A JP28047291 A JP 28047291A JP 2947378 B2 JP2947378 B2 JP 2947378B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗ピル性編地、特にスポ
ーツ用途、等に好適な編地に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル/綿混糸使いの編地
は、綿の混率が重量比率で30〜65%程度のものでそ
のピリング性能は1級程度(JIS−L−1076A,
ICI法5hr)であった。そこで、抗ピル性能を向上
させる手段としてポリエステルの結節強力を低下させた
り、編地表面を樹脂で被覆されたりする方法がとられて
いるが、編地の強力が著しく低下したり、風合いが粗硬
になったり、更に耐洗濯性にも劣るといった欠点があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の編
地の問題点に鑑み、編地の強力を低下させず、且つ風合
いも損なうことなくピリング性能に優れた編地を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、単糸繊度
1.0〜2.5denのポリエステル系短繊維と綿繊維
とを綿繊維の混率が全体の75〜90重量%となる構成
比率で撚係数が3.0〜4.5の範囲で混紡し、次いで
編成後毛焼加工することを特徴とする抗ピル性編地の製
造法。
【0005】本発明におけるポリエステル系短繊維と綿
繊維の混率は10〜25重量%/75〜90重量%であ
る。綿繊維の混率が75重量%未満では毛焼加工時にポ
リエステル系短繊維が溶融し、風合いが粗硬になると共
に布帛の汚れが起き易くなり好ましくない。又、綿繊維
の混率が90重量%を超えると紡績性が低下し、紡績糸
の均斉が悪くなり緯段や染斑が発生し、好ましくない。
更に繰返し洗濯での寸法安定性に劣り、風合いが粗硬に
なる。好ましくは綿繊維の混率は80〜90重量%であ
る。
【0006】上記紡績糸のうちポリエステル系短繊維の
単糸繊度は1.0〜2.5denものものが選ばれる。
1.0den未満であれば布帛が汚れ易く、ピリングも
発生し易いので好ましくない。2.5denを超えても
ピリングが発生し易く、風合いも粗硬になり好ましくな
い。好ましくは1.5〜2.0denである。
【0007】前記ポリエステル/綿混紡績糸は3.0〜
4.5の範囲の撚係数K(=撚数/インチ)の撚がかけ
られる。撚係数が3.0未満であれば糸強力が低下し、
編地強力も低下し毛羽発生が生じ易くピリングが発生し
易くなる。又、撚係数が4.5を超えると糸のトルクが
強くなり布帛の斜向が発生したり風合いが硬くなったり
し、好ましくない。撚係数は3.5〜4.0が特に好ま
しい。
【0008】前記紡績糸を主たる編成糸として編成す
る。編組織は特に限定しないがスムース組織、天竺、ダ
ブルフェース等が好ましい。又、その目付量は180〜
260g/m2 が好ましい。次いで上記編地を毛焼加工
に供するが、毛焼加工条件は水冷ローラ付きのガスバー
ナで表面の毛羽を焼けば良い(例 山東鉄工製サンジェ
ット毛焼機)。
【実施例】
【0009】繊度2.0dのポリエステル短繊維20%
と綿80%の構成比率(重量%)の混紡率(撚係数3.
6)30′S /1の編み糸を30インチ口径24ゲージ
の両面丸編機でスムース組織の編地を編成した。また比
較のため上記の綿の比率を100%,70%と50%に
夫々変えて実施例と同様条件で紡績して編み糸を作り同
様に編成した。これらの編地を通常のガスバーナで毛焼
加工したものとしないものを夫々下記条件で漂白加工し
た、条件を表1に示す。 (漂白条件) 過酸化水素(50%) 8g/l 苛性ソーダ(50%) 5g/l サンモールCLF(精称剤、日華化学) 2g/l ネオレートPLL−3000(安定化剤、日華化学) 1g/l 95℃ × 60分 ↓ 60℃ × 30分 湯洗い ↓ サンソフターFX(柔軟剤、日華化学) 5g/l 40℃ × 20分 ↓ 100℃で乾燥 ↓ 150℃ × 1分 仕上セット
【0010】
【表1】
【0011】上記の実施例および比較例1−3の編地に
ついてピリング(JIS・L−1076 A法)防汚
性、くり返し洗濯による(JIS・L−1018H法)
収縮率と風合変化(5人のパネラーによるハンドテス
ト)を評価した。その結果を表2に示す
【0012】
【表2】
【0013】* T タテ W ヨコ ** 風合変化 ○ 変化殆んどなし △ 少し硬くなる × かなり硬くなる 上記の表2で明らかなように、本発明における実施例は
ピリング性、防汚性に優れ且つくり返し洗濯によっても
寸法変化が小さく風合の変化もない比較例−1の綿10
0%製品はくり返し洗濯で寸法変化が大きく風合と硬く
なる。比較例−2,3はエステル短繊維の構成比率が高
いため、防汚性に欠けるため着用中汚れ易くピリング性
も低く外観が著しく低下する。毛焼加工するとエステル
短繊維が溶融するため風合が粗硬となる。(実施例のも
のは毛焼加工でエステル短繊維の含有率が低いので綿繊
維に保護され部分的熱収縮を起し風合を変えずに繊維の
収束性を高める結果ピリング性が良くなる。)
【0014】比較例4 実施例の編地を毛焼加工せずに漂白処理した。 ピリング :1−2級 防汚性 :3級 洗濯収縮率:1回(T×W)3.5%×4.4% 10回(T×W)4.2%×5.3% 洗濯前後の風合変化:前 ○,10回後 △
【0015】比較例5,6 繊度0.8den(比較例5)及び3.2den(比較
例6)のポリエステル短織を使用する他は実施例と同法
にて編地を作成した。結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】
【発明の効果】本発明によると、風合いが良好な抗ピル
性に優れた編地を提供することを可能とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06C 9/00 D01F 6/62 302 D02G 3/04 D02J 3/16 D04B 1/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸繊度1.0〜2.5denのポリエ
    ステル系短繊維と綿繊維とを綿繊維の混率が全体の75
    〜90重量%となる構成比率で撚係数が3.0〜4.5
    の範囲で混紡し、次いで編成後毛焼加工することを特徴
    とする抗ピル性編地の製造法。
JP28047291A 1991-09-30 1991-09-30 抗ピル性編地の製造法 Expired - Fee Related JP2947378B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010281002A (ja) * 2009-06-03 2010-12-16 Fujibo Holdings Inc 接触冷感に優れた編地及び該編地を用いてなる接触冷感肌着

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JP2010281002A (ja) * 2009-06-03 2010-12-16 Fujibo Holdings Inc 接触冷感に優れた編地及び該編地を用いてなる接触冷感肌着

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