JP2946883B2 - 酢酸エチルの精製方法 - Google Patents
酢酸エチルの精製方法Info
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Description
応させて得られる酢酸エチルを含む反応生成ガスから未
反応エチレンと生成物である酢酸エチルを分離する方法
に関する。
酢酸を気相下で反応させて酢酸エチルを製造することは
特許出願済(特願平2−258233他)であるが、反
応後の精製に関して、即ち、反応生成ガス中の未反応エ
チレンと反応生成物である酢酸エチルを工業化水準で分
離する方法は、未解決のままである。
にはエチレン、及び酢酸エチルの他に、未反応酢酸、及
び触媒の活性維持のため添加された水が含まれている。
反応生成ガスから上記の凝縮成分である酢酸エチル、酢
酸、及び水を除去し、未反応エチレンの回収を行う際の
代表的な精製方法は、反応生成ガスを多段階で冷却し、
冷却により生じた凝縮成分を分離し、未凝縮成分である
エチレンを回収する方法である。
実質的な温度によって冷却することで、酢酸エチルを凝
縮させようとする場合、供給組成における蒸気分圧分に
相当する酢酸エチルは、分離されずにエチレンに同伴す
る。この時、この未反応エチレンは反応器に循環供給さ
れ反応原料として再使用されるが、同伴した酢酸エチル
が反応器に供給されると、触媒の活性への負担の原因と
なり、未来の触媒性能が発揮できなくなる。
は、即ち、回収エチレン中の酢酸エチル濃度をおおまか
には0.1%程度まで分離するには、仮に冷却だけに頼
ると、−15℃〜−5℃までに冷却せねばならず、この
時、冷媒を必要とし、また、凝縮成分へのエチレンの溶
解量が増加する等の問題が生じる。本発明は、上記の問
題解決のため、前記反応生成ガスより、エチレンと酢酸
エチレンを性能よく分離除去するものである。
エチレン及び酢酸を気相で反応させて得られる酢酸エチ
ルを含む反応生成ガスから酢酸エチルを分離回収する方
法において、反応帯から出て来る前記の反応生成ガスを
吸収塔に導入し、酢酸と向流接触させることによって反
応生成ガス中の酢酸エチルを酢酸に吸収させ、酢酸エチ
ルを吸収した酢酸を塔底より抜き出し、塔頂からは酢酸
エチルが充分に除去された未反応ガスであるエチレンを
回収する方法である。
溶性が良く、また、吸収塔上部より飛沫同伴して反応器
に供給されても、もともと反応原料成分であり、何等触
媒活性に影響を与えるものでない。さらに、吸収塔後、
凝縮液を蒸留操作により精製する場合、酢酸エチルに比
べ酢酸は、沸点が50.0℃ほど高く、容易に分離精製
できる利点を有している。酢酸以外の吸収溶媒として、
酢酸エチルと相溶性が良く、かつ、酢酸エチルより蒸気
圧が低い性質を持つ物質であるプロピオン酸、ブチル
酸、酢酸プロピル及び酢酸ブチルなどが挙げられるが、
これらの吸収溶媒を使用した場合、吸収塔上部より微量
ながらも回収エチレンに飛沫同伴すると、確実に触媒性
能の低下をもたらすことになり、また、吸収塔後にもと
もと反応生成系に含まれていた酢酸とこれらの溶媒とを
分離するための工程を設ける必要になるため吸収溶媒と
して使用するのは得策ではない。
ある。発明の方法を図1に従って説明する。反応器を出
た反応生成ガスは吸収塔1の底部より反応生成ガス供給
管2により導入される前に、冷却水を用いて実際的な温
度約30℃まで冷却される。この際、手に入る冷却水の
温度が低ければ、反応生成ガスの冷却温度は低い程よ
い。冷却温度が低い程、吸収塔に導入される酢酸エチル
の蒸気量は減少し、より効率的な吸収操作が行われる。
吸収塔1の構造は棚段塔、充填塔及びスプレー塔であっ
てもよく、塔底部には、吸収熱除去の為の、外部熱交換
器を設けても構わない。
した酢酸が得られるが、この塔底液5を蒸留(図示せ
ず)し、酢酸エチルと酢酸を分離精製すると、高沸であ
る酢酸は冷却の後、吸収塔1へ吸収溶媒3として、循環
再使用することが可能であるが、この場合、反応生成ガ
ス中に含まれていた水は前記蒸留によって、一部は酢酸
とともに高沸側に分離される。従って、蒸留分離後の酢
酸を吸収塔1へ、吸収溶媒として再循環した場合、水と
の混合組成で供給されるわけであるが、水のみは吸収溶
媒として、不適である。このため、吸収溶媒中の水の含
有量を減らすことが望ましい。
は反応生成ガスと同様に、約30℃に冷却された後、吸
収溶媒供給管3より吸収塔1の上部より導入され、吸収
塔内では、反応生成ガスと吸収液が向流接触することに
よって、気体状態の酢酸エチルは酢酸溶媒に吸収され塔
の上部に移動するに従って、しだいに減少し、最終段で
の気液平衡の関係が酢酸エチルの分離性能となり塔頂4
より酢酸エチルが除去された未反応エチレンガスである
反応ガスが回収され、反応器(図示せず)に再循環供給
される。
吸収した循環液には、微量のエチレンが溶解している。
このエチレンは後の凝縮液の蒸留過程でイナートとし
て、再度、吸収塔に循環供給(図示せず)させる事によ
って、反応ガス中の未反応エチレンはすべて吸収塔塔頂
部より回収されることもできる。
吸収塔装置を用いた。表1に示す反応生成ガス100重
量部の組成2のガスを温度30℃で吸収塔下部に供給
し、また吸収塔上部より吸収溶媒である30.02重量
部の組成3の酢酸を温度30℃で供給し、両者を向流接
触させると、塔頂より80.07重量部の組成4からな
る塔頂蒸気の精製ガスが得られた。この際、精製ガス中
の酢酸エチル濃度は0.02 mol%であった。一方、塔
底より、49.94重量部の組成5の塔底液が得られ
た。
で、吸収溶媒液の組成だけを変えた場合、各部所での組
成は表2のようになった。
で、さらに、吸収溶媒液の組成だけを変えた場合、各部
所での組成は表3のようになった。
応原料として反応器に再循環供給された回収エチレンに
同伴した酢酸エチルの触媒活性に及ぼす影響を調べた。
触媒調整法及び基本反応条件は特願平2−258233
に準じた。触媒としてリンタングステン酸のセシウム塩
の存在下、反応温度150℃、常圧下で表4に示す反応
器入口ガス組成で反応を行わせた。物質収支から、反応
器入口での酢酸エチル濃度は吸収塔塔頂における酢酸エ
チル濃度と、ほぼ等しくなる。反応器入口のガス組成及
び反応結果を表4に示す。
の低下はみられない。
い、さらに原料中の酢酸エチル濃度を変えた。反応器入
口のガス組成及び反応結果を表5に示す。
0.2 mol%含まれると触媒活性が低下するので、可能
な限り酢酸エチルは未反応エチレンを回収し、循環再使
用するので減じるのが望ましく、実際上は0.1 mol%
以下が好ましい。
媒を使用せずに、容易にエチレンを分離回収することが
可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】 触媒の存在下、エチレンと酢酸を気相で
反応させて得られる酢酸エチルを含む反応生成ガスか
ら、未反応エチレンと酢酸エチルを分離する際に、反応
帯から出てくる前記反応生成ガスを吸収塔に導入し、酢
酸または、水を含んだ酢酸と向流接触させ、反応生成ガ
ス中の酢酸エチルを酢酸に吸収させ、吸収塔塔頂より、
酢酸エチルが充分に除去された未反応エチレンを回収
し、一方、吸収塔塔底より、酢酸エチルを分離回収する
方法において、吸収塔で使用する単位時間あたりの酢酸
の使用量(モル)が、吸収塔に導入する単位時間あたり
の反応生成ガス中の酢酸エチルの量(モル)に対して、
酢酸(モル)/酢酸エチル(モル)が10以下であるこ
とを特徴とする、エチレン及び酢酸エチルの分離回収方
法。 - 【請求項2】 吸収塔で使用する単位時間あたりの酢酸
の使用量(モル)が、吸収塔に導入する単位時間あたり
の反応生成ガス中の酢酸エチルの量(モル)に対して、
酢酸(モル)/酢酸エチル(モル)=1〜5の範囲であ
ることを特徴とする、請求項1記載のエチレン及び酢酸
エチルの分離回収方法。 - 【請求項3】 吸収塔で使用する単位時間あたりの酢酸
の使用量(モル)が、吸収塔に導入する単位時間あたり
の反応生成ガス中の酢酸エチルの量(モル)に対して、
酢酸(モル)/酢酸エチル(モル)=1〜3の範囲であ
ることを特徴とする、請求項1記載のエチレン及び酢酸
エチルの分離回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30054791A JP2946883B2 (ja) | 1991-11-15 | 1991-11-15 | 酢酸エチルの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP30054791A JP2946883B2 (ja) | 1991-11-15 | 1991-11-15 | 酢酸エチルの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140036A JPH05140036A (ja) | 1993-06-08 |
JP2946883B2 true JP2946883B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=17886144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30054791A Expired - Lifetime JP2946883B2 (ja) | 1991-11-15 | 1991-11-15 | 酢酸エチルの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2946883B2 (ja) |
Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
CN102350076A (zh) * | 2011-08-03 | 2012-02-15 | 江门谦信化工发展有限公司 | 一种乙酸乙酯生产中的精馏塔节能改造系统 |
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CN105732378B (zh) * | 2014-12-08 | 2018-09-07 | 厦门伟捷化工工程有限公司 | 一种有机含水混合物进行脱水提纯的方法 |
-
1991
- 1991-11-15 JP JP30054791A patent/JP2946883B2/ja not_active Expired - Lifetime
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