JP2946502B2 - 地盤貫入抵抗測定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地中に測定用のロ
ッドを貫入し、ロッドの貫入抵抗を計測する地盤貫入抵
抗測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の地盤貫入抵抗測定装置は、車両の
荷台に一対のガイド杆を立設し、このガイド杆に検査ロ
ッドを取付けるスライドフレームを上下動自在に設けて
いる。また、ガイド杆の上端部に油圧シリンダを固定す
る天板を架設し、この油圧シリンダのピストンロッドに
前記スライドフレームを吊設している。そして、油圧シ
リンダのピストンロッドを伸延させてスライドフレーム
をガイド杆に沿わせて垂直に降下させ、スライドフレー
ムに取付けた検査ロッドを地中に貫入させることによっ
て、検査ロッドの貫入抵抗を計測するように構成してい
る。

【０００３】ところで、地中に貫入させる検査ロッド
は、地中深く貫入させることから、通常は、複数本の検
査ロッドを継ぎ合わせて所定の深さまで検査ロッドを地
中に貫入するようにしている。したがって、一本の探査
ロッドを地中に貫入し、スライドフレームから探査ロッ
ドを取り外した後、油圧シリンダを縮退させ、地中に貫
入した検査ロッドの先端に新たな検査ロッドを継ぎ足
し、その継ぎ足した検査ロッドをスライドフレームに取
り付け、以後、同様な手順を繰り返して複数本の検査ロ
ッドを継ぎ合わせるようにしている。このため、継ぎ足
す検査ロッドが短いと、測定時に検査ロッドの継ぎ足し
作業が増えてしまうため、測定作業の効率化を図るため
には、なるべく長い検査ロッドを用いたほうが好ましい
が、長尺な検査ロッドを地中に貫入するためには、検査
ロッドを貫入する油圧シリンダのストロークを、少なく
とも検査ロッドより長く設定し、かつ、油圧シリンダで
駆動するスライドフレームを案内するためのガイド杆も
同様に長く形成する必要がある。しかし、従来の地盤貫
入抵抗測定装置においては、ガイド杆の上端部に油圧シ
リンダを一体的に固定することから、スライドフレーム
からさらに油圧シリンダが突出し、これらスライドフレ
ーム及び油圧シリンダとからなる検査ロッドの昇降機構
の全高が大きくなってしまう。このため、測定現場に向
かう走行時などにおいてガイド杆から突出する油圧シリ
ンダが極めて邪魔となってしまうという問題がある。ま
た、ガイド杆は、作業車の荷台に起伏自在に軸支するこ
とで、走行時などにおいてコンパクトに倒すことも可能
となるが、この場合、スライドフレームと油圧シリンダ
の全長が長い従来の地盤貫入抵抗測定装置では、ガイド
杆を起伏させる作業を一人で行うことが不可能となり、
最低でも二人の作業者を必要とするなど、ガイド杆の起
伏作業が煩雑で効率的な計測作業が行えないとう課題が
生じる。

【０００４】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、未使用時に油圧シリンダをコンパクトに
格納してガイド杆を簡単に起伏することができる地盤貫
入抵抗測定装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、作業
車の荷台に立設する一対のガイド杆と、このガイド杆に
沿って上下動するスライドフレームと、このスライドフ
レームに取り付ける検査ロッドと、前記スライドフレー
ムに連結して検査ロッドを地盤に貫入させる昇降用シリ
ンダとを備えた地盤貫入抵抗測定装置において、前記ス
ライドフレームの上方側に前記昇降用シリンダを固定す
る取付板を設け、この取付板を前記ガイド杆に沿わせて
昇降自在に取付け、かつ、前記取付板を前記ガイド杆の
ほぼ上限位置に位置決め固定する固定手段を設けたもの
である。

【０００６】請求項１の発明の構成により、地中の探査
を行う際、油圧シリンダの取付板をガイド杆に沿わせて
上昇させ、固定手段によりガイド杆に対して取付板を位
置決め固定した状態で油圧シリンダを作動させ、そのピ
ストンロッドを伸延させることによって、スライドフレ
ームをガイド杆に沿わせて降下させ、地中の所定の深さ
まで検査ロッドを貫入することによって、その貫入抵抗
を測定する。この後、油圧シリンダを縮退させて検査ロ
ッドを引き抜くとともに、ガイド杆に取り付けた固定手
段を取り外すことによって、油圧シリンダの取付板を下
方にスライドさせることができるから、油圧シリンダを
ガイド杆の間に位置させてコンパクトに格納できる。

【０００７】

【発明の実施形態】以下、本発明の一実施例を添付図面
を参照して説明する。図１〜図４に示すように、クロー
ラなどの自走式作業車１の荷台２上に枠状の架台３が固
定され、この架台３に左右一対のガイド杆４，４を起伏
自在に軸支する。これらガイド杆４，４の上端には天板
５が架設されるとともに、ガイド杆４，４の内面には、
概ね菱形のスライドフレーム６が摺動自在に嵌合してい
る。さらに、スライドフレーム６と天板５との間に介在
する取付板７に、前記ガイド杆４，４に嵌合する左右一
対のガイド孔８，８を設け、この両ガイド孔８，８をガ
イド杆４，４に挿入嵌合することによって前記取付板７
をガイド杆４，４に沿って昇降自在に案内している。ま
た、前記取付板７の上面には前記スライドフレーム６を
昇降する油圧シリンダ９が固定され、この油圧シリンダ
９のピストンロッド９Ａに前記スライドフレーム６を吊
設し、ピストンロッド９Ａの伸縮により前記スライドフ
レーム６をガイド杆４，４に沿って昇降させている。な
お、前記ガイド杆４，４に架設する天板５には前記油圧
シリンダ９の貫通孔11が形成され、一方、スライドフレ
ーム６の下面側には、先端にコーン12を有する検査ロッ
ド13が着脱自在に組み付けられている。15は固定手段と
しての着脱自在なクランプであり、前記ガイド杆４，４
に組み付けて前記油圧シリンダ９の取付板７と当接させ
ることにより取付板７を位置決め固定する。16は前記ガ
イド杆４，４を起立させた状態で固定する支持アームで
あり、左右のガイド杆４，４に両側に位置してガイド杆
４，４の前後に起伏自在に軸支され、この保持板16に先
端側に形成する切欠溝16Ａを前記ガイド杆４，４にねじ
込んだ固定ボルト17に挿入し、その固定ボルト17のハン
ドル18を締め付けることによって支持アーム16をガイド
杆４，４に連結してガイド杆４，４を起立保持するよう
にしている。20はガイド杆４，４を倒した際、ガイド杆
４，４を支える受板であり、この受板20はガイド杆４，
４と離間して前記荷台３に立設されており、前記ガイド
杆４，４と前記油圧シリンダ９と対応するＵ字型の切欠
溝21を有し、ガイド杆４，４を倒した際、ガイド杆４，
４と油圧シリンダ９が切欠溝21に嵌まり、ガイド杆４，
４を傾斜させた状態で保持する。22は油圧ポンプ（図示
せず）などを内蔵する油圧駆動部である。

【０００８】次に本実施例の作用について説明する。自
走式作業車１を測定現場まで走行させるが、このとき、
油圧シリンダ９の取付板７は降下させておく。さらに、
荷台２に軸支したガイド杆４，４は受板20側に倒してガ
イド杆４，４と油圧シリンダ９を切欠溝21に嵌め入れる
ことによってガイド杆４，４と油圧シリンダ９を保持す
る。そして、探査を開始する際、ガイド杆４，４を起こ
し、ガイド杆４，４の固定ボルト17に支持アーム16の先
端側に形成する切欠溝16Ａを挿入した後、ハンドル18を
締め付けることによってガイド杆４，４を起立保持させ
る。このようにしてガイド杆４，４を起立させてから、
油圧シリンダ９をガイド杆４，４のほぼ上限位置まで引
き上げる。このとき、ガイド杆４，４のスライドフレー
ム６と当接するようにして架台３上に当て木（図示せ
ず）を載せた状態で、油圧シリンダ９のピストンロッド
９Ａを伸延させ、ピストンロッド９Ａに連結したスライ
ドフレーム６を当て木に突き当てることによってピスト
ンロッド９Ａの伸延に伴って油圧シリンダ９を固定した
取付板７がガイド杆４，４に沿って上昇するため、簡単
に油圧シリンダ９をガイド杆４，４の上方側に位置させ
ることができる。このとき、油圧シリンダ９は天板５の
貫通孔11を貫通して上昇することになる。そして、取付
板７がガイド杆４，４の天板５に当接した状態で油圧シ
リンダ９を停止させるとともに、ガイド杆４，４にクラ
ンプ15を組み付ける。このクランプ15は取付板７の下面
側に当接するように固定する。このようにしてガイド杆
４，４に油圧シリンダ９の取付板７を固定した後、油圧
シリンダ９を縮退させてスライドフレーム６をガイド杆
４，４に沿わせて上昇させてから、スライドフレーム６
に検査ロッド13を取付ける。そして、油圧シリンダ９を
作動させてピストンロッド９Ａを伸延させることによっ
て、スライドフレーム６をガイド杆４，４に沿わせて垂
直に降下させ、スライドフレーム６に固定した検査ロッ
ド13を地中に貫入させる。このとき、地中に貫入する検
査ロッド13は探査する地中の深さに応じて順次継ぎ足
す。つまり、検査ロッド13を地中に貫入した後、スライ
ドフレーム６から地中に貫入した検査ロッド13を取り外
して油圧シリンダ９により、一旦スライドフレーム６を
上昇させ、貫入した検査ロッド13に延長用の検査ロッド
13を連結し、その新たに継ぎ足した検査ロッド13をスラ
イドフレーム６に取り付けて油圧シリンダ９によって地
中に貫入する。以後、同様な手順で検査ロッド13を継ぎ
足して所定の深さまで検査ロッド13を貫入する。そし
て、この検査ロッド13の貫入抵抗をデータとして測定す
る。このようにして測定が終了すると、油圧シリンダ９
を縮退させて検査ロッド13を引き抜くが、このとき、取
付板７には検査ロッド13の引抜力と逆方向の反力によ
り、下側に引張力が加わるが、取付板７は、ガイド杆
４，４に固定したクランプ15によって支持され、ガイド
杆４，４に位置決め固定されているから、取付板７が下
方側に移動することはない。そして、地中に貫入した複
数本の検査ロッド13を、貫入時とは逆の手順で順次引き
抜く。この検査ロッド13の引き抜き作業が終了した後、
ガイド杆４，４に取り付けたクランプ15を取り外すこと
によって、油圧シリンダ９の取付板７がガイド杆４，４
に自由にスライドすることが可能となるため、取付板７
を下方にスライドさせれば、ガイド杆４，４の間に油圧
シリンダ９を配置でき、未使用時において油圧シリンダ
９がスライドフレーム６をスライド案内するガイド杆
４，４から突出することはない。

【０００９】したがって、未使用時に油圧シリンダ９を
下方にスライドさせて油圧シリンダ９をガイド杆４，４
の間にコンパクトに格納することができ、ガイド杆４，
４からさらに油圧シリンダ９が突出しないため、検査ロ
ッド13を昇降させるためのガイド杆４，４及び油圧シリ
ンダ９の全高を抑えることができ、作業車１の走行時な
どにおいてガイド杆４，４及び油圧シリンダ９が邪魔に
ならず取扱が簡単であるとともに、従来は最低でも二人
に行っていたガイド杆４，４の起伏作業を一人でも簡単
に行うことが可能となり、省力化を図ることができる。

【００１０】以上、本発明の一実施例について詳述した
が、本発明は、前記一実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であ
る。例えば、ガイド杆を起伏自在に軸支した例を示した
が、ガイド杆を固定的に立設してもよい。また、クロー
ラなどの自走式の車体に搭載させた例を示したが、これ
に限定されるものではなく、地盤貫入抵抗測定装置の基
本的構造は適宜選定すればよい。また、油圧シリンダの
取付板の固定手段としてくクランプを設けた例を示した
が、ガイド杆に出没自在な係合突部を内蔵し、この係合
突部を必要に応じてガイド杆を突出させて取付板を位置
決めするようにしてもよい。

【００１１】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、作業車の
荷台に立設する一対のガイド杆と、このガイド杆に沿っ
て上下動するスライドフレームと、このスライドフレー
ムに取り付ける検査ロッドと、前記スライドフレームに
連結して検査ロッドを地盤に貫入させる昇降用シリンダ
とを備えた地盤貫入抵抗測定装置において、前記スライ
ドフレームの上方側に前記昇降用シリンダを固定する取
付板を設け、この取付板を前記ガイド杆に沿わせて昇降
自在に取付け、かつ、前記取付板を前記ガイド杆のほぼ
上限位置に位置決め固定する固定手段を設けたものであ
るから、検査ロッドを貫入する油圧シリンダをコンパク
トに格納してガイド杆の起伏作業を一人でも簡単に行う
ことが可能となり、地中探査作業の省力化を図ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す地盤貫入抵抗測定装置
の正面図である。

【図２】同上油圧シリンダの格納状態を示す地盤貫入抵
抗測定装置の正面図である。

【図３】同上地盤貫入抵抗測定装置の側面図である。

【図４】同上地盤貫入抵抗測定装置の斜視図である。

【符号の説明】

１ 作業車 ２ 荷台 ４ ガイド杆 ６ スライドフレーム ７ 取付板 ９ 油圧シリンダ 15 クランプ（固定手段）

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業車の荷台に立設する一対のガイド杆
   と、このガイド杆に沿って上下動するスライドフレーム
   と、このスライドフレームに取り付ける検査ロッドと、
   前記スライドフレームに連結して検査ロッドを地盤に貫
   入させる昇降用シリンダとを備えた地盤貫入抵抗測定装
   置において、前記スライドフレームの上方側に前記昇降
   用シリンダを固定する取付板を設け、この取付板を前記
   ガイド杆に沿わせて昇降自在に取付け、かつ、前記取付
   板を前記ガイド杆のほぼ上限位置に位置決め固定する固
   定手段を設けたことを特徴とする地盤貫入抵抗測定装
   置。