JP5326177B2 - ポータブルコーン貫入試験装置 - Google Patents
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ところで、貫入試験の1つの方式としてポータブルコーン貫入試験がある。ポータブルコーン貫入試験は、断面積6.45平方cm2、先端角30度のコーンを人力により地盤中に押し込んだ際の押し込み力を測定し、その押し込み力に基づいてコーン貫入抵抗値qcを求めるものである。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、人手を要せずにポータブルコーン貫入試験を行え、測定結果のばらつきをなくす上で有利なポータブルコーン貫入試験装置を提供することにある。
また本発明のポータブルコーン貫入試験装置は、細長の枠状を呈するフレームと、前記フレームの長手方向の一端に、該一端から前記フレームの外側に突出するようにその軸心を前記フレームの長手方向に平行させて取着された油圧シリンダと、前記フレームの内側に臨む前記油圧シリンダのピストンロッドと、前記フレームの内側でかつ前記ピストンロッドの軸心の両側で前記軸心に平行して延在しそれらの両端が前記フレームの長手方向の両端に取着された2本のガイドシャフトと、記ピストンロッドの先端に取着されるとともに前記2本のガイドシャフトに滑動可能に結合された第1のスライダーと、前記フレームの内側で前記ピストンロッドと同軸上に配設され、その長手方向の一端が前記フレームの長手方向の他端の軸受に滑動可能に結合されたコーン取り付けロッドと、前記コーン取り付けロッドの長手方向の一端に取着されたコーンと、前記コーン取り付けロッドの長手方向の他端に取着されるとともに前記2本のガイドシャフトに滑動可能に結合された第2のスライダーと、前記第1のスライダーが前記第2のスライダーに対向する箇所に設けられた第1の突き当て部材と、前記第2のスライダーが前記第1の突き当て部材に対向する箇所に設けられた第2の突き当て部材と、前記第1のスライダーと前記第2のスライダーとが前記2本のガイドシャフトに沿って一体的に移動し、かつ、前記第1の突き当て部材と前記第2の突き当て部材とが互いに所定距離以上離れないように前記第1のスライダーと前記第2のスライダーとを連結する連結部と、前記第1の突き当て部材と前記第2の突き当て部材との間に配置されたロードセルと、前記フレームに対する前記コーン取り付けロッドの前記長手方向の移動量を検出して検出信号を出力する移動量検出器とを備え、前記ロードセルは、前記ピストンロッドが伸張する際に、前記第1の突き当て部材と第2の突き当て部材とにより挟まれることにより、前記コーンを地盤中に押し込む方向の荷重のみを検出して検出信号を出力し、前記ピストンロッドが縮小する際に、前記第1の突き当て部材と前記第2の突き当て部材とが前記所定距離未満の距離で離間することを特徴とする。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は第1の実施の形態のポータブルコーン貫入試験装置の構成を示す正面図、図2は図1のA矢視図である。
ポータブルコーン貫入試験装置10Aは、遠隔操作が可能な重機などのベースマシンに搭載され、あるいは専用のアタッチメントを介してベースマシンのアームなどに取り付けられて用いられる。
ポータブルコーン貫入試験装置10Aは、フレーム12、ガイドシャフト14、第1のスライダー16、第2のスライダー18、コーン取り付けロッド20、コーン22、油圧シリンダ24、連結部25、ロードセル26、移動量検出器28などを含んで構成されている。
フレーム12は、高さ方向に沿って延在し幅方向に間隔をおいて互いに対向する2つの側板1202と、2つの側板1202の上部、下部、中間部の3箇所をそれぞれ連結する上部連結板1204、下部連結板1206、中間部連結板1208などを備え、細長の枠状を呈している。
すなわち、フレーム12は、互いに対向する一対の短辺部と一対の長辺部とからなる長方形枠状を呈している。
また、2つの側板1202の下端は、下部連結板1206の下面よりも下方に位置している。
すなわち、フレーム12の前記一対の長辺部は、前記一方の短辺部よりもそれら長辺部の延在方向に沿って突出する突出端1210を有している。
すなわち、2本のガイドシャフト14は、フレーム12の内側でかつピストンロッド2404(油圧シリンダ24)の軸心の両側で前記軸心に平行して延在しそれらの両端がフレーム12の長手方向の両端に取着されている。
本実施の形態では、油圧供給源としてポータブルコーン貫入試験装置10Aを取り付けたベースマシンの油圧を利用しているが、油圧供給源は、ポータブルコーン貫入試験装置10A専用の油圧源を用いるようにしてもよい。
油圧シリンダ24は、ピストンロッド2404の軸心がガイドシャフト14と平行するように配置され、ピストンロッド2404の軸心は、フレーム12の前記一対の短辺部の中央を通るように延在している。
連結プレート1604の幅方向の中央部はピストンロッド2404の先端に連結されている。
したがって、第1のスライダー16は、2本のガイドシャフト14に滑動可能に結合されると共にピストンロッド2404に連結されピストンロッド2404の伸縮動に連動してフレーム12の長手方向に沿って移動する。
第2のスライダー18は、2本のガイドシャフト14にそれぞれ滑動可能に結合されるスライド部1802と、両スライド部1802を連結する連結プレート1804とを含んで構成されている。
コーン取り付けロッド20の上端は、第2のスライダー18の連結プレート1804の幅方向の中央部に連結されている。
また、油圧シリンダ24の縮小状態で、コーン取り付けロッド20の下端は、下部連結板1206の幅方向中央に設けられた軸受1212によってスライド可能に支持されている。
すなわち、軸受1212は、フレーム12の前記一対の短辺部のうちの一方の短辺部の中央に取着されている。
第2のスライダー18の連結プレート1804の上面には、コーン取り付けロッド20の軸心と同軸上に円盤状または矩形板状の突き当て部材1810が設けられている。
連結部25は、第1のスライダー16と第2のスライダー18とが2本のガイドシャフト14に沿って一体的に移動するように、第1のスライダー16と第2のスライダー18とを連結している。
本実施の形態では、連結部25は、第1のスライダー16の連結プレート1604と第2のスライダー18の連結プレート1804とを連結しており、突き当て部材1610、1810を含んで構成されている。
ロードセル26は、連結部25に設けられ連結部25に対して前記長手方向に加わる荷重を検出して検出信号を出力するものである。
本実施の形態では、ロードセル26は、突き当て部材1610に臨む突き当て部材1810の上面箇所に設けられ、突き当て部材1610と突き当て部材1810は互いに所定距離以上離れないように連結されている。
したがって、ロードセル26は、突き当て部材1610と突き当て部材1810との間に挟まれており、油圧シリンダ24のピストンロッド2404が伸張する際に、連結プレート1604、連結部25、連結プレート1804、コーン取り付けロッド20を介してコーン22に作用する荷重、言い換えるとコーン22を地盤中に押し込む押し込み力のみを測定するように配置されている。
本実施の形態では、ロードセル26の計測範囲は0N乃至2943Nである。なお、ロードセル26として従来公知のさまざまな市販品が使用可能であり、用いるロードセル26の仕様に応じて取り付け方も異なる。例えば、互いに所定距離以上離れないように連結された突き当て部材1610と突き当て部材1810の間にロードセル26が配置されたものも市販されており、この場合には突き当て部材1610を連結プレート1604の下面に取り付け、突き当て部材1810を連結プレート1804の上面に取り付ければよい。
本実施の形態では、移動量検出器28は、上部連結板1204に支持されたローラと、そのローラに巻回され端部が第1のスライダー16に連結されたワイヤーと、前記ローラの回転量を検出する検出部とを含んで構成されている。すなわち、移動量検出器28は、第1のスライダー16の移動量をワイヤーの繰り出し量として検出するワイヤー式エンコーダで構成されており、その計測範囲は0cm乃至100cmである。
なお、移動量検出器28はワイヤー式エンコーダに限定されるものではなく、第1のスライダー16のフレーム12に対する移動量を検出できるものであればよく、例えば、磁気式あるいは光電式のリニアエンコーダ、あるいは、レーザー光線を測定対象物に照射して反射させその反射光を受光センサで受光して測定対象物の移動量(変位量)を測定する光学式変位センサを用いてもよいが、実施の形態の構造にすると、環境の影響を受けにくくより確実に第1のスライダー16のフレーム12に対する移動量を検出する上で、また、コストダウンを図る上で有利となる。
なお、油圧シリンダ24の軸心、すなわち、ピストンロッド2404の軸心とコーン取り付けロッド20の軸心およびコーン22の軸心は同一直線上(本実施の形態では同一鉛直線上)に位置している。
すなわち、ピストンロッド2404の縮小状態で、コーン22はフレーム12の前記一方の短辺部からフレーム12の外側に突出し、ピストンロッド2404の軸心方向において、コーン22の先端は、突出端1210の先端とほぼ同じ位置に位置するかあるいは突出端1210の先端よりも前記一方の短辺部寄りに位置している。
本実施の形態では、コーン22の断面積は6.45cm2であり、先端部は頂角が30度の円錐形状を呈している。
また、油圧供給部から油圧シリンダ24に供給される油圧ラインは14Mpa、油圧シリンダ24の内径はφ32mmである。
また、コーン22の貫入速度は、地盤工学会基準の試験法に準じ1cm/秒とし、最大貫入力は、人間の体重を想定し100kg程度とした。
計測システム100は、ポータブルコーン貫入試験装置10Aに加え、アナログ入力ボード102と、カウンタ入力ボード104と、それらアナログ入力ボード102およびカウンタ入力ボード104が組み込まれた計測用のパーソナルコンピュータ106などを含んで構成されている。
アナログ入力ボード102は、ロードセル26から供給されるアナログ信号である検出信号をA/D変換して押し込み力のデータD1を生成するものである。
カウンタ入力ボード104は、移動量検出器28から供給されるデジタル信号である検出信号を計数してコーン22の貫入量のデータD2を生成するものである。
アナログ入力ボード102とロードセル26との間、および、カウンタ入力ボード104と移動量検出器28との間で信号を伝達する信号線は、例えば、有線、あるいは、無線、あるいは、有線および無線を組み合わせたものである。
パーソナルコンピュータ106は、各ボード102、104から供給される押し込み力のデータD1、貫入量のデータD2を、所定のデータ処理ソフトによって処理することで計測データ108を生成し、その計測データ108を表形式やグラフ形式として、ディスプレイに表示し、あるいは、プリンタを用いて印刷出力する。
計測データ108は、具体的には、押し込み力D1に基づいて計算されたコーン貫入抵抗qc(kN/m2)と、貫入量のデータD2(貫入深度d(cm))であり、例えば、図4に示すように、縦軸に貫入深度dを、横軸にコーン貫入抵抗qcをとった線図の形式で出力される。
図4において、符号1−R、2−R、3−Rは本実施の形態のポータブルコーン貫入試験装置10Aによって計測された測定データを示し、符号1−M、2−M、3−Mは作業者が従来のポータブルコーン貫入試験器を用いて計測した測定データを示す。
図4から明らかなように、ポータブルコーン貫入試験装置10Aは、従来のポータブルコーン貫入試験器を用いた場合に比較して、より浅い貫入深度からより深い貫入深度にわたって、よりきめ細かい測定データを得ることができ有利である。
まずポータブルコーン貫入試験装置10Aを搭載したベースマシンを遠隔操作することで、試験を行うべき地盤上にポータブルコーン貫入試験装置10Aおよびベースマシンを設置する。
すなわち、2つの側板1202の下端を地盤の表面に当て付け、フレーム12(コーン取り付けロッド20)が地盤の表面に対して直交するようにポータブルコーン貫入試験装置10Aを載置する。
この際、コーン取り付けロッド20およびコーン22は上方限界位置に位置しており、したがって、コーン22の先端は地盤の表面とほぼ同じ位置か、地盤の表面より僅かに上方に離間した位置に位置している。
ここで、ベースマシンを遠隔操作することで、油圧供給源から油圧シリンダ24にシリンダロッド2404を伸張させるように油圧を給排し、シリンダロッド2404を一定速度で伸張させる。
これにより、コーン取り付けロッド20の先端が下部連結板1206から下方に突出され、コーン22が前記一定速度で地盤内部に押し込まれる。
コーン22が地盤内部に押し込まれている間、ロードセル26および移動量検出器28から検出された検出信号がアナログ入力ボード102、カウンタ入力ボード104に供給され、これにより、パーソナルコンピュータ106によって計測データ108が算出され、図4に示すような計測結果が出力される。
コーン22の貫入深度が1mに到達したならば(もしくは貫入不能となった場合には)、油圧シリンダ24にシリンダロッド2404を縮小させるように油圧を給排し、シリンダロッド2404を縮小させ、コーン22を上方限界位置に戻す。
図5はポータブルコーン貫入試験装置10Aの遠隔操作を行うシステムの概略構成図である。
このシステムでは、ベースマシン(作業車)から離れた場所から、ポータブル貫入試験装置10Aを搭載した作業車を遠隔操作する。
作業車から離れた場所には、前記の計測用のパーソナルコンピュータ106の他に、通信部110、制御部112、ディスプレイ114、制御ユニット116が設けられている。
作業車には、通信部120、制御部122、カメラ124、油圧供給源126、油圧シリンダ128、インターフェース130、走行部132が設けられており、作業車のアームにはポータブルコーン貫入試験装置10Aが取り付けられている。
なお、作業車から離れた場所は、建物内の作業事務所であってもよいし、移動車内であってもよいし、あるいは、単なる場所であってもよく、この場合には、作業者が計測用のパーソナルコンピュータ106、通信部110、制御部112、ディスプレイ114、制御ユニット116などを携帯していればよい。
制御部112は、通信部110を介して受信した検出信号を前記のアナログ入力ボード102、カウンタ入力ボード104を介して計測用のパーソナルコンピュータ106に与える。また、通信部110を介して受信した映像信号をディスプレイ114に供給することでディスプレイ114に監視用の画像を表示させる。
制御ユニット116は、操作レバーや操作スイッチなどの操作部材を有し、それら操作部材に対してなされた操作に応じて、作業車の走行、停止などの遠隔制御、ポータブルコーン貫入試験装置10Aの遠隔制御(油圧シリンダ24に対する油圧の給排)を行うための制御指令を生成し、それら制御指令は、制御部112、通信部110を介して作業車の通信部120に送信される。
カメラ124は、作業者の近傍やポータブルコーン貫入試験装置10A近傍の状況を撮影して映像信号を生成して制御部122に供給し、制御部122は前記映像信号を通信部120を介して作業車から離れた場所の通信部110に送信する。
ロードセル26、移動量検出器28の検出信号はインターフェース130を介して制御部122に供給され、制御部122は前記検出信号を通信部120を介して作業車から離れた場所の通信部110に送信する。
そして、無線回線を介して作業車から離れた場所に送信される検出信号に基づいて計測用のパーソナルコンピュータ106で計測データ108を生成し出力することができる。
また、連結部25は、2本のガイドシャフト14に滑動可能に結合された第1、第2のスライダー16、18で挟まれた箇所であり、連結部25は、シリンダロッド2404の軸心沿った荷重のみが加わる箇所であるため、言い換えると、コーン取り付けロッド20の軸心方向に沿った荷重のみが加わる箇所であるため、この連結部25にロードセル26を設けることで、コーン22を地盤中に押し込む押し込み力の検出を正確に行う上で有利となる。
次に第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、コーンの貫入深度を2mに拡大した点が第1の実施の形態と異なっている。
図6は第2の実施の形態のポータブルコーン貫入試験装置10の構成を示す正面図、図7は図6のA矢視図、図8は図7のBB線矢視図、図9は図8のCC線矢視図である。
図6、図7に示すように、フレーム32は、幅と奥行きとそれら幅、奥行きよりも大きい寸法の高さを有する細長の長方形枠状を呈している。
すなわち、フレーム32は、高さ方向に沿って延在し幅方向に間隔をおいて互いに対向する2つの側板3202と、2つの側板3202の上部、下部、中間部をそれぞれ連結する上部連結板3204、下部連結板3206、中間部連結板3208などを備えている。
言い換えると、フレーム32は、互いに対向する一対の短辺部と一対の長辺部とからなる長方形枠状を呈し、フレーム32の高さ方向は前記長辺部の長手方向である。
また、2つの側板3202の下端は、下部連結板3206の下面よりも下方に位置している。
すなわち、フレーム32の前記一対の長辺部は、前記一方の短辺部よりもそれら長辺部の延在方向に沿って突出する突出端3210を有している。
すなわち、2本のガイドシャフト34は、フレーム32の内側でかつピストンロッド4404(油圧シリンダ44)の軸心に平行して延在しそれらの両端がフレーム32の長手方向の両端に取着されている。
油圧シリンダ44は、フレーム32の内側の奥行き方向の一方の半部かつフレーム32の高さ方向の上半部に、その軸心をフレーム32の高さ方向に平行させて取着され、本実施の形態では、油圧シリンダ44は、シリンダ本体4402の上端と下端が上部連結板3604と中間連結板3608とにそれぞれ取着されている。すなわち、本実施の形態では、シリンダ本体4402はフレーム32の高さのほぼ1/2の寸法で延在している。
油圧シリンダ44のピストンロッド4404の先端の箇所でフレーム32の幅方向の両側の箇所にそれぞれコーン進出用スプロケット50とコーン後退用第1スプロケット52とが回転可能に設けられている。
したがって、第1のスライダー36は、2本のガイドシャフト34に滑動可能に結合されると共にピストンロッド4404に連結されピストンロッド4404の伸縮動に連動してフレーム32の長手方向に沿って移動する。
第2のスライダー38は、2本のガイドシャフト34にそれぞれ滑動可能に結合されるスライド部3802と、両スライド部3802を連結する連結プレート3804とを含んで構成されている。
コーン取り付けロッド40の上端は、第2のスライダー38の連結プレート3804の幅方向の中央部に連結されている。
また、コーン取り付けロッド40の下端は、フレーム32の長手方向の他端、すなわち、下部連結板3206に設けられた軸受3232によって滑動可能に支持されている。
コーン42は、下部連結板3206の下面側でその先端が下方に向くようにコーン取り付けロッド40の長手方向の一端である下端に一体的に固定されている。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、コーン42の断面積は6.45cm2であり、先端部は頂角が30度の円錐形状を呈している。
第2のスライダー38の連結プレート3804の上面には、コーン取り付けロッド40の軸心と同軸上に円盤状または矩形板状の突き当て部材1810が設けられている。
連結部45は、第1のスライダー36と第2のスライダー38とが2本のガイドシャフト44に沿って一体的に移動するように、第1のスライダー36と第2のスライダー38とを連結している。
本実施の形態では、連結部45は、第1のスライダー36の連結プレート3604と第2のスライダー38の連結プレート3804とを連結しており、突き当て部材3610、3810を含んで構成されている。
ロードセル46は、連結部45に設けられ連結部45に対して前記長手方向に加わる荷重を検出して検出信号を出力するものである。
本実施の形態では、ロードセル46は、突き当て部材3610に臨む突き当て部材3810の上面箇所に設けられ、突き当て部材3610と突き当て部材3810は互いに所定距離以上離れないように連結されている。
したがって、ロードセル46は、突き当て部材3610と突き当て部材3810との間に挟まれており、油圧シリンダ44のピストンロッド4404が伸張する際に、連結プレート3604、連結部45、連結プレート3804、コーン取り付けロッド40を介してコーン42に作用する荷重、言い換えるとコーン42を地盤中に押し込む押し込み力のみを測定するように配置されている。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、ロードセル46の計測範囲は0N乃至2943Nであり、ロードセル26として従来公知のさまざまな市販品が使用可能であり、用いるロードセル26の仕様に応じて取り付け方も異なる。
本実施の形態では、移動量検出器48は、上部連結板3204に支持されたローラと、そのローラに巻回され端部が第1のスライダー36に連結されたワイヤーと、前記ローラの回転量を検出する検出部とを含んで構成されている。すなわち、移動量検出器48は、第1のスライダー36の移動量をワイヤーの繰り出し量として検出するワイヤー式エンコーダで構成されており、その計測範囲は0cm乃至200cmである。
なお、移動量検出器48は第1の実施の形態の移動量検出器28と同様に、ワイヤー式エンコーダに限定されるものではないが、実施の形態の構造にすると、環境の影響を受けにくくより確実に第1のスライダー36のフレーム32に対する移動量を検出する上で、また、コストダウンを図る上で有利となる。
図8に示すように、コーン進出用連結手段54は、コーン進出用スプロケット50と、フレーム32の長手方向の他端(上端)に取着されコーン進出用スプロケット50に掛装されて第1のスライダー36に取着されたコーン進出用チェーン58とを含んで構成されている。
図8、図9に示すように、コーン後退用連結手段56は、コーン後退用第1スプロケット52と、フレーム32の長手方向の一端(下端)に取着されたコーン後退用第2スプロケット60と、フレーム32の長手方向の他端(上端)に取着されたコーン後退用第3スプロケット62と、フレーム32の長手方向の一端(下端)に取着されコーン後退用第1スプロケット52、コーン後退用第2スプロケット60、コーン後退用第3スプロケット62に掛装されて第1のスライダーに取着されたコーン後退用チェーン64とを含んで構成されている。
したがって、ピストンロッド4404が伸張すると、コーン進出用連結手段54により第1のスライダー36が、ピストンロッド4404の2倍のストロークで下方に移動し、コーン取り付けロッド40およびコーン42が、ピストンロッド4404の2倍のストロークで下方に移動する。
また、ピストンロッド4404が伸張した状態から縮小すると、コーン後退用連結手段56により第1のスライダー36が、ピストンロッド4404の2倍のストロークで上方に移動し、コーン取り付けロッド40およびコーン42が、ピストンロッド4404の2倍のストロークで上方に移動する。
そして、ピストンロッド4404の縮小状態でコーン42は最も上方に位置する上方限界位置となり、この上方限界位置でコーン42の先端は側板3202の下端とほぼ同じ位置に位置し、あるいは、側板3202の下端よりも僅かに上方に位置している。
また、油圧供給部から油圧シリンダ44に供給される油圧ラインは第1の実施の形態と同様に14Mpa、油圧シリンダ44の内径はφ32mmであり、コーン42の貫入速度は、地盤工学会基準の試験法に準じ1cm/秒とし、最大貫入力は、人間の体重を想定し100kg程度とした。
なお、ポータブルコーン貫入試験装置10Bを用いた計測システム、および、遠隔操作を行うためのシステムはそれぞれ図3、図5に示した第1の実施の形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
まずポータブルコーン貫入試験装置10Bを搭載したベースマシンを遠隔操作することで、試験を行うべき地盤上にポータブルコーン貫入試験装置10Bおよびベースマシンを設置する。
すなわち、2つの側板3202の下端を地盤の表面に当て付け、フレーム32(コーン取り付けロッド40)が地盤の表面に対して直交するようにポータブルコーン貫入試験装置10Bを載置する。
この際、コーン取り付けロッド40およびコーン42は上方限界位置に位置しており、したがって、コーン42の先端は地盤の表面とほぼ同じ位置か、地盤の表面より僅かに上方に離間した位置に位置している。
ここで、ベースマシンを遠隔操作することで、油圧供給源から油圧シリンダ44にシリンダロッド4404を伸張させるように油圧を給排し、シリンダロッド4404を一定速度で伸張させる。
これにより、コーン取り付けロッド40の先端が、シリンダロッド4404の移動量の2倍のストロークで下部連結板3206から下方に突出され、コーン42が前記一定速度で地盤内部に押し込まれる。
コーン42が地盤内部に押し込まれている間、ロードセル46および移動量検出器48から検出された検出信号がアナログ入力ボード102、カウンタ入力ボード104に供給され、これにより、パーソナルコンピュータ106によって計測データ108が算出され、図4に示すような計測結果が出力される。
コーン42の貫入深度が2mに到達したならば(もしくは貫入不能となった場合には)、油圧シリンダ44にシリンダロッド4404を縮小させるように油圧を給排し、シリンダロッド4404を縮小させ、コーン42を上方限界位置に戻す。
さらに、油圧シリンダ44のシリンダロッド4404の移動量の2倍のストロークでコーン取り付けロッド40を移動させることができるので、ポータブルコーン貫入試験装置10Bの高さを抑制しつつコーン44の貫入深度を大きく確保でき、ポータブルコーン貫入試験装置10Bの運用および保管を容易に行うことができ有利となる。
例えば、ポータブルコーン貫入試験装置を搭載した遠隔操縦可能なベースマシンにGPS衛星からGPS電波を受信して測位データを生成するGPS受信機を設け、そのGPS受信機で得られた測位データを、ポータブルコーン貫入試験装置の計測データと同じように、無線回線を用いて現場(ベースマシン)から離れた場所で受信するように構成することができる。
この場合、ベースマシン側から送信された測位データに基づいてポータブルコーン貫入試験装置の位置をリアルタイムにかつ正確に得ることができるため、ベースマシンの移動を自動制御する上で有利となる。その際、ポータブルコーン貫入試験装置の油圧シリンダに対する油圧の給排を自動制御することもできる。
この際、ベースマシンに設けた遠隔操作カメラで撮影した計測対象となる地盤の画像データを無線回線を介してベースマシンから離れた場所で受信して監視するなど任意である。
また、ベースマシンから前記離れた場所に送信されたポータブルコーン貫入試験装置の計測データや測位データに基づいて計測地点の地盤強度マップを作成することができる。
また、ベースマシンから前記離れた場所に送信されたポータブルコーン貫入試験装置の計測データや測位データを、インターネットを介して他のシステムやサーバーに送信して利用することもできる。
また、ポータブルコーン貫入試験装置を鉛直にセットする姿勢制御装置を取り付けることも可能である。
Claims (6)
- 細長の枠状を呈するフレームと、
前記フレームに、その軸心を前記フレームの長手方向に平行させて取着された油圧シリンダと、
前記フレームの内側で前記フレームの長手方向に平行して延在しそれらの両端が前記フレームの長手方向の両端に取着された2本のガイドシャフトと、
前記2本のガイドシャフトに滑動可能に結合されると共に前記油圧シリンダのピストンロッドに連結され前記ピストンロッドの伸縮動に連動して前記フレームの長手方向に沿って移動する第1のスライダーと、
前記フレームの内側で前記2本のガイドシャフトの間で前記フレームの長手方向に延在し、その長手方向の一端が前記フレームの長手方向の他端の軸受に滑動可能に結合されたコーン取り付けロッドと、
前記コーン取り付けロッドの長手方向の一端に取着されたコーンと、
前記コーン取り付けロッドの長手方向の他端に取着されるとともに前記2本のガイドシャフトに滑動可能に結合された第2のスライダーと、
前記第1のスライダーが前記第2のスライダーに対向する箇所に設けられた第1の突き当て部材と、
前記第2のスライダーが前記第1の突き当て部材に対向する箇所に設けられた第2の突き当て部材と、
前記第1のスライダーと前記第2のスライダーとが前記2本のガイドシャフトに沿って一体的に移動し、かつ、前記第1の突き当て部材と前記第2の突き当て部材とが互いに所定距離以上離れないように前記第1のスライダーと前記第2のスライダーとを連結する連結部と、
前記第1の突き当て部材と前記第2の突き当て部材との間に配置されたロードセルと、
前記フレームに対する前記コーン取り付けロッドの前記長手方向の移動量を検出して検出信号を出力する移動量検出器とを備え、
前記ロードセルは、前記ピストンロッドが伸張する際に、前記第1の突き当て部材と第2の突き当て部材とにより挟まれることにより、前記コーンを地盤中に押し込む方向の荷重のみを検出して検出信号を出力し、前記ピストンロッドが縮小する際に、前記第1の突き当て部材と前記第2の突き当て部材とが前記所定距離未満の距離で離間する、
ことを特徴とするポータブルコーン貫入試験装置。 - 前記フレームは、互いに対向する一対の短辺部と一対の長辺部とからなる長方形枠状を呈し、
前記軸受は前記一対の短辺部のうちの一方の短辺部に設けられ、
前記一対の長辺部は、前記一方の短辺部よりもそれら長辺部の延在方向に沿って突出する突出端を有し、
前記ピストンロッドの縮小状態で、前記コーンは前記一方の短辺部から前記フレームの外側に突出し、前記コーンの先端は、前記フレームの長手方向において前記突出端の先端とほぼ同じ位置に位置するかあるいは前記突出端の先端よりも前記一方の短辺部寄りに位置している、
ことを特徴とする請求項1記載のポータブルコーン貫入試験装置。 - 細長の枠状を呈するフレームと、
前記フレームの長手方向の一端に、該一端から前記フレームの外側に突出するようにその軸心を前記フレームの長手方向に平行させて取着された油圧シリンダと、
前記フレームの内側に臨む前記油圧シリンダのピストンロッドと、
前記フレームの内側でかつ前記ピストンロッドの軸心の両側で前記軸心に平行して延在しそれらの両端が前記フレームの長手方向の両端に取着された2本のガイドシャフトと、
前記ピストンロッドの先端に取着されるとともに前記2本のガイドシャフトに滑動可能に結合された第1のスライダーと、
前記フレームの内側で前記ピストンロッドと同軸上に配設され、その長手方向の一端が前記フレームの長手方向の他端の軸受に滑動可能に結合されたコーン取り付けロッドと、
前記コーン取り付けロッドの長手方向の一端に取着されたコーンと、
前記コーン取り付けロッドの長手方向の他端に取着されるとともに前記2本のガイドシャフトに滑動可能に結合された第2のスライダーと、
前記第1のスライダーが前記第2のスライダーに対向する箇所に設けられた第1の突き当て部材と、
前記第2のスライダーが前記第1の突き当て部材に対向する箇所に設けられた第2の突き当て部材と、
前記第1のスライダーと前記第2のスライダーとが前記2本のガイドシャフトに沿って一体的に移動し、かつ、前記第1の突き当て部材と前記第2の突き当て部材とが互いに所定距離以上離れないように前記第1のスライダーと前記第2のスライダーとを連結する連結部と、
前記第1の突き当て部材と前記第2の突き当て部材との間に配置されたロードセルと、
前記フレームに対する前記コーン取り付けロッドの前記長手方向の移動量を検出して検出信号を出力する移動量検出器とを備え、
前記ロードセルは、前記ピストンロッドが伸張する際に、前記第1の突き当て部材と第2の突き当て部材とにより挟まれることにより、前記コーンを地盤中に押し込む方向の荷重のみを検出して検出信号を出力し、前記ピストンロッドが縮小する際に、前記第1の突き当て部材と前記第2の突き当て部材とが前記所定距離未満の距離で離間する、
ことを特徴とするポータブルコーン貫入試験装置。 - 前記フレームは、互いに対向する一対の短辺部と一対の長辺部とからなる長方形枠状を呈し、
前記ピストンロッドの軸心は、前記一対の短辺部の中央を通るように延在し、
前記軸受は、前記一対の短辺部のうちの一方の短辺部の中央に取着され、
前記一対の長辺部は、前記一方の短辺部よりもそれら長辺部の延在方向に沿って突出する突出端を有し、
前記ピストンロッドの縮小状態で、前記コーンは前記一方の短辺部から前記フレームの外側に突出し、前記ピストンロッドの軸心方向において、前記コーンの先端は、前記突出端の先端とほぼ同じ位置に位置するかあるいは前記突出端の先端よりも前記一方の短辺部寄りに位置している、
ことを特徴とする請求項3記載のポータブルコーン貫入試験装置。 - 前記油圧シリンダは、前記一対の短辺部のうちの他方の短辺部の中央に、前記フレームの外側に突出するように取着され、
前記移動量検出器は、前記他方の短辺部に支持されたローラと、前記ローラに巻回され端部が前記第1のスライダーに連結されたワイヤーと、前記ローラの回転量を検出する検出部とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項4記載のポータブルコーン貫入試験装置。 - 前記第1のスライダーは、前記2本のガイドシャフトにそれぞれ滑動可能に結合されるスライド部と、前記両スライド部を連結する連結プレートとを含んで構成され、
前記ピストンロッドの先端は前記連結プレートの中央部に取着され、
前記第2のスライダーは、前記2本のガイドシャフトにそれぞれ滑動可能に結合されるスライド部と、前記両スライド部を連結する連結プレートとを含んで構成され、
前記コーン取り付けロッドの端部は前記連結プレートの中央部に取着され、
前記連結部は、前記第1のスライダーの前記連結プレートと前記第2のスライダーの前記連結プレートとを連結している、
ことを特徴とする請求項3記載のポータブルコーン貫入試験装置。
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