JPH0136986Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、中空杭の軸孔内に挿入したオーガス
クリユー等の掘細ロツド部材により縦孔を掘削し
つつ中空杭を建込んでいく杭建込機における杭保
持装置の改良に関する。

従来、マストに昇降自在に吊支された駆動部の
下部にチヤツクを含む杭保持装置を固定し、上記
杭保持装置に中空杭の上端を着脱自在に把持させ
て垂下すると共に、上記中空杭内に回転自在に挿
入したオーガスクリユーの上端を上記駆動部の出
力軸に着脱自在に接続したオーガスクリユー型杭
建込機が一般に知られている。しかし、この従来
機の杭及びオーガスクリユーの継足作業において
は、クレーンで吊つた新な中空杭内に別のクレー
ンで吊つた新なオーガスクリユーを挿入し、つい
でこの新な中空杭とオーガスクリユーを駆動部の
直下に運んで、先行の中空杭及びオーガスクリユ
ーとの継足し及び新なオーガスクリユーと駆動出
力軸との接続を行うのであるが、これら中空杭内
へのオーガスクリユーの挿入、オーガスクリユー
及び中空杭の継足し及び接続の作業がはなはだ面
倒で危険を伴うものであり、継足作業の能率低下
を招いていた。

本考案は、杭及びオーガスクリユー等掘削ロツ
ド部材の継足作業を安全で能率的に行うことので
きる杭建込機におけるスライド式杭保持装置を提
供することを目的とするもので、その特徴は杭上
端を着脱自在に把持する杭保持装置を駆動部出力
軸直下の中心位置から駆動部の外側へ進退自在に
移動できるようにすると共に該杭保持装置を駆動
部に対し相対的に上下移動できるようにしたとこ
ろにある。

以下オーガスクリユー型杭建込機の杭保持装置
に実施した図面を参照してその詳細を説明する。

第１図において、ベースマシン１の前端部に垂
直状態で装着されたリーダマスト２の前面にガイ
ドレール３，３を設け、該ガイドレールにモータ
及び減速機を含む駆動部４をスライド金具６を介
して上下摺動自在に係合すると共にトツプシーブ
ブロツク２１から下したワイヤ５により昇降自在
に吊支し、この駆動部４に杭保持装置７をその上
下移動手段を介して連結吊支してある。

杭保持装置７の構造は次のようである。第２〜
５図において、フレーム８が、スライド金具９を
介して上記ガイドレール３，３に上下摺動自在に
係合されると共に、杭保持装置上下移動手段の一
例として上記駆動部４の左右側面に連結された油
圧シリンダ１０，１０のラム１１，１１下端に連
結されており、このフレーム８は左右両側に断面
コ字状の案内レール１２，１２を設けた前方開放
のコ字状枠体で、該案内レール１２，１２内に矩
形状のスライド板１３が前後へ摺動自在に支持さ
れている。上記スライド板１３の案内レール１
２，１２と接する面にボール等のコロを介在させ
て摺動を円滑にさせることもよい。

上記スライド板１３は、そのほぼ中央部に両端
開口の案内筒１４を垂直に貫通固定し、該案内筒
１４の下端に中空杭Ｐの上端を着脱自在に把持す
るチヤツク１５を設けてあり、又第５図示のよう
に上記フレーム８の左右両側部内において油圧シ
リンダ１６，１６の一端を該フレーム８の後壁に
連結し、該シリンダのラム１７，１７先端をスラ
イド板１３の前部に連結し、これら油圧シリンダ
の進退駆動によりスライド板１３が前後に進退
し、前進時に案内筒１４が第３図に鎖線で示すよ
うに駆動部４よりも前方へ移動し、後退時に案内
筒１４の中心を駆動部４の出力軸１８の中心線ｌ
上にくるようにしてある。Ｓはらせん状のスクリ
ユー羽根を有するオーガスクリユーで、案内筒１
４及び中空杭Ｐ内に回転自在に挿通された状態で
上端を駆動部出力軸１８に着脱自在に接続されて
いる。

１９，１９は掘削ロツド部材保持ピンで、第
３，４図示のように、スライド板１３の上面に突
設した柱２０，２０に上記案内筒１４の開口上端
面上で揺動するように支持されている。この場合
保持ピン１９，１９を地上から揺動操作する操作
手段を設けておくとよい。

本装置の作用を中空杭及びオーガスクリユー継
足作業と共に説明する。スライド板１３を後退さ
せた第１図の状態でオーガスクリユーＳの回転に
より掘削を行いつつ中空杭Ｐを建込んでいく。中
空杭Ｐの全長を建込んだ時一旦駆動部４を停止し
た後、チヤツク１５を先行の中空杭Ｐから外すと
共に先行のオーガスクリユーＳと出力軸１８を分
離する。次に、ワイヤ５を巻上げて駆動部４及び
杭保持装置７をマスト上端まで上昇させ、ついで
油圧シリンダ１６，１６の進出駆動によりスライ
ド板１３を前方へ押し出す。そこで、第６ａ図示
のように、新な中空杭P₁を別のクレーンにより
ワイヤＷで吊つてチヤツク１５の下に運び、そし
て新中空杭P₁の上端をチヤツク１５に把持させ
る。

次に、第６ｂ図示のように新なオーガスクリユ
ーS₁をクレーンによりワイヤＷで吊つて案内筒１
４の上方に運び、ついで案内筒１４内及び中空杭
P₁内に降下挿入する。この場合、案内筒１４が
駆動部４の前方に張り出しているから、オーガス
クリユーS₁を案内筒１４の真上に支障なく位置さ
せることができ、それにより中空杭P₁内に円滑
に挿入できる。

次に、第６ｃ図示のように保持ピン１９，１９
を案内筒１４の開口上端にさし渡してオーガスク
リユーS₁のスクリユー羽根間に係止し、それによ
りオーガスクリユーS₁を落下不能に保持する。こ
の状態で、スライド板１３を後退させて中空杭
P₁及びオーガスクリユーS₁を出力軸１８下の中
心線ｌ上におき、そして杭保持装置上下移動用油
圧シリンダ１０，１０の進退駆動によりオーガス
クリユーS₁の上端の高さを調整しつつ該オーガス
クリユー上端を出力軸１８に接続し、その後保持
ピン１９，１９を外す。

次に、油圧シリンダ１０，１０の後退駆動によ
り中空杭P₁を上方へ移動させた後、ワイヤ５を
ゆるめて中空杭P₁及びオーガスクリユーS₁を
徐々に降下させて該オーガスクリユーS₁の下端を
先行のオーガスクリユーＳの上端に継足し、つい
で油圧シリンダ１０，１０の進出駆動により中空
杭P₁を降下させて該中空杭P₁の下端を先行中空
杭Ｐの上端に継足す。

第７図の他の実施例は、杭保持装置上下移動手
段としてトツプシーブブロツク２１から別途垂下
したワイヤ１０ａにフレーム８を連結して杭保持
装置７を駆動部４と独立に移動できるようにし、
他の構造は上例と実質的に同一とした例である。

なお、本考案を装備する杭建込機において、掘
削ロツド部材がその上端部分にスクリユー羽根を
もたないものである場合は第４図の掘削ロツド部
材保持ピン１９に代え、一対の挟持部材で掘削ロ
ツド部材を着脱自在に挟持する等の該ロツド部材
を落下不能に保持する他の適宜の保持手段を使用
すること勿論である。

この考案の杭建込機におけるスライド式杭保持
装置によれば、案内筒を駆動部より前方へ進出さ
せた後該案内筒のチヤツクに新な中空杭の上端を
把持させておけば、新なオーガスクリユー等の掘
削ロツド部材をクレーンで吊つて上記新な中空杭
内に簡単に挿入することができ、ついで上記案内
筒を後退させると新な中空杭及び掘削ロツド部材
を駆動部の出力軸直下におくことができると共
に、上下移動手段により杭保持装置を駆動部に対
し相対的に適宜上下に移動させることにより新な
掘削ロツド部材と駆動部出力軸との接続、新な掘
削ロツド部材及び中空杭と先行の掘削ロツド部材
及び中空杭との継足しの各作業が容易に行うこと
ができ、しかも作業の安全も得られるようにな
り、継足作業の能率向上を実現することができる
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は杭建込
機の一部省略側面図、第２図は杭保持装置部分の
一部縦断拡大正面図、第３図は同上一部縦断拡大
側面図、第４図は第３図の−断面図、第５図
は第３図の−断面図、第６ａ，６ｂ，６ｃ図
は作用及び操作を示す略線図、第７図は他の実施
例を示す要部の側面図である。 ２……リーダマスト、４……駆動部、７……杭
保持装置、８……フレーム、１０……杭保持装置
上下移動用油圧シリンダ、１０ａ……杭保持装置
上下移動用ワイヤ、１５……チヤツク、１８……
出力軸、Ｓ……オーガスクリユー、Ｐ……中空
杭。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 マストに昇降駆動自在に吊支され且掘削ロツド
   部材の上端を着脱自在に接続される駆動部の下位
   において、杭保持装置がマストに上下移動手段に
   より上記駆動部に対し相対的に上下移動できるよ
   うに支持され、 上記杭保持装置は、該装置フレームに両端開口
   の案内筒を垂直状態で前後へ進退自在に装着する
   と共に、該案内筒の下端に中空杭の上端を着脱自
   在に把持するチヤツクを設け、上記案内筒が進退
   時に上記駆動部の出力軸直下位置及び駆動部より
   前方へ張出した位置に移動する関係にある、 杭建込機におけるスライド式杭保持装置。