JP2946500B2 - 複数クレーンの駆動制御方法 - Google Patents

複数クレーンの駆動制御方法

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JP2946500B2 JP32566993A JP32566993A JP2946500B2 JP 2946500 B2 JP2946500 B2 JP 2946500B2 JP 32566993 A JP32566993 A JP 32566993A JP 32566993 A JP32566993 A JP 32566993A JP 2946500 B2 JP2946500 B2 JP 2946500B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定レール上を駆動さ
れ、移動可能領域が重複する複数クレーンを制御する方
法に関し、さらに詳細には、所定のアルゴリズムにより
複数クレーンの稼働効率を高くする複数クレーンの駆動
制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】FA工場内で使用される自動化されたク
レーンは、例えば自重が50〜70トン、被搬送物が5
〜25トンあり、走行中の慣性力が大きいため、緊急停
止をかけた場合に、停止するまでにクレーンは15〜2
0m程度走行する。そのため、クレーン同士の干渉を回
避するため、クレーンは所定の領域毎に単独で使用され
ていることが多かった。しかし、単独クレーンでは、物
流システムの搬送要求を迅速に処理仕切れない場合があ
り、同一の領域で複数クレーンを同時に使用することが
強く要望されていた。
【0003】従来、複数クレーンを同時に使用する場
合、干渉領域を互いの移動可能領域のうちの限られた範
囲に固定し、一方のクレーンが干渉領域に入った場合に
は、他のクレーンが、干渉領域に入ることを禁止する制
御が行われている。この方法によれば、干渉領域内での
複数クレーンの同時運転はできないが、退避動作を行う
必要がないため、複数クレーンの駆動制御方法をきわめ
てシンプルにすることが可能である。さらに、特開昭6
2−185604号公報では、2台のクレーンの各移動
経路端部が互いに重なり合う場合に、両クレーンに干渉
ゾーンに侵入したことを検出する検出器等を取り付け
て、衝突を回避する干渉防止装置が提案されている。
【0004】一方、従来のように、複数クレーンの干渉
ゾーンを狭い範囲に限っていたのでは、片方のクレーン
が発生する要求動作をこなし切れないでいるときに、他
方のクレーンが要求動作がなくて休んでいるという状態
が発生し、きわめて搬送効率が悪い。それを防止するた
めに、移動可能領域のより大きい範囲を重複させて干渉
領域とすることが考えられる。このとき、従来の制御方
法を採用すると、一方のクレーンが動作しているとき
に、他方のクレーンは退避状態となってしまうため、ク
レーンの同時運転の時間はほとんど無く、搬送効率が悪
い。
【0005】従来の制御方法による場合の具体的な例を
図25及び図26に基づいて説明する。2台の天井クレ
ーンCL1、CL2により、被搬送物であるコイルCを
保管するポジションYDとコイルCを使用するプレスマ
シンPRとの間でコイルCを搬送するシステムである。
クレーン1号機CL1が、プレスマシンPR1にあるコ
イルCをポジションYD2へ返却する動作命令を受けて
移動中に、クレーン2号機CL2にポジションYD1に
あるコイルCをプレスマシンPR2に供給する動作命令
を決定した場合を考える。このとき、クレーン2号機C
L2を移動させるとクレーン1号機CL1と干渉するた
め、クレーン2号機CL2を待ち状態とする必要があ
る。
【0006】従来の方法を順を追って説明する。はじめ
に、クレーン1号機CL1は、プレスマシンPR1にあ
るコイルを把持する(ステップ1)。クレーン1号機C
L1は、ポジションYD2まで移動して、把持したコイ
ルをポジションYD2返却する。この間、クレーン2号
機CL2は、引き続き待ち状態にある(ステップ2)。
クレーン1号機CL1は、返却動作完了後クレーン2号
機CL2との干渉を避けるために、ヤードYの左端まで
退避する(ステップ3)。クレーン2号機CL2は、ク
レーン1号機CL1の退避を確認した後、干渉が回避さ
れたので一連の供給動作を開始する。すなわち、ポジシ
ョンYD1の位置に移動してコイルCを把持し(ステッ
プ4)、その後プレスマシンPR2に移動して、把持し
ているコイルCをプレスマシンPR2に供給する(ステ
ップ5)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
複数クレーンの駆動方法には以下のような問題があっ
た。(1)複数クレーンの一方が作業している場合、そ
のクレーンが把持、供給、移動等一連の動作を終了する
まで、干渉する恐れのある他のクレーンが待ち状態とさ
れるため、クレーンの待ち時間が長くなり、製造工程か
ら要求された搬送を完了する時間も長くかかっていた。
すなわち、例えば、一方のクレーンの最終移動と同時に
他方のクレーンの移動を開始しても、干渉が発生する可
能性が全くない場合でさえ、一方のクレーンの動作が完
全に終了するまで、他方のクレーンを待機させていたた
め、無駄な待ち時間が発生していたのである。また、一
方のクレーンが一旦作業を開始すると、その作業途中で
他方のクレーンに優先度の高い要求が入った場合でも、
一方のクレーンの作業終了まで、他方のクレーンが待機
させられているため、製造工程の要求に迅速に対応する
ことができない場合があった。
【0008】(2)複数クレーンを同時に、かつ優先度
の高い作業を優先的に行おうとする場合、次のような課
題がある。すなわち第一に、一方のクレーンが優先度の
最も低い要求を実行中に、他のクレーンに次々に要求が
入った場合、該一方のクレーンが長時間待機させられて
しまう。そうすると、複数クレーンが同時に作業する時
間が短くなり、全体の搬送効率が悪くなる。第二に、ク
レーンの移動途中に遮断機等の障害物がある場合は、先
行するクレーンが障害物の手前で停止することにより干
渉が発生する可能性があり、それを防止するため、先行
するクレーンの移動信号内に障害物がある場合は、先行
するクレーンが障害物を越えるまで、後続するクレーン
を待機させている。このような待機状態は、全体の搬送
効率を悪くする。
【0009】第三に、通常は、複数クレーンの各々に主
担当エリアを設けている。お互いが主担当エリア内で作
業している場合は、干渉が発生する可能性がないため、
迅速に各クレーンの作業を行わせることができるからで
ある。そして、クレーンが他のクレーンの主担当エリア
内にある場合、干渉の発生する可能性が高くなる。第四
に、各クレーンの作業内容が異なる場合がある。すなわ
ち、主担当エリア内に重要度の高いプレスマシンを有す
るクレーン、または作業量の多いクレーンがある。該ク
レーンを他のクレーンと同一に作業させていたのでは、
重要度の高い要求があったときに、迅速に対応できない
可能性がある。
【0010】第五に、要求動作の種類(供給、返却、入
庫、出庫)の間で優先度がある場合がある。例えば、プ
レスマシンの作業を中断させないことが製造工程の効率
を悪くしないために必要とされる。第六に、通常の工程
とは異なる要求順位が発生した場合に、特定のクレーン
を優先的に自動運転する必要がある。第七に、製造工程
に変化が生じた場合等に、複数クレーンの制御のアルゴ
リズム自体は変更せずに、優先度だけを変更することが
必要となる。
【0011】(3)通常ならば複数クレーンを同時に移
動させても干渉が発生する可能性がない場合でも、クレ
ーンの移動途中に遮断機等の障害物があるときは、先行
するクレーンが障害物の手前で停止するため、干渉が発
生する可能性がある。これを防止するため、先行するク
レーンの移動信号内に障害物がある場合は、先行するク
レーンが障害物を越えるまで、後続するクレーンを待機
させることが必要とされる。
【0012】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、干渉を防止しながら複数クレー
ンを重複する動作範囲でできるだけ同時に、かつ優先度
の高い順に駆動可能な複数クレーンの駆動制御方法を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題(1)を解決す
るために、本発明の複数クレーンの駆動制御方法は、固
定されたレールの上を移動し、各々の移動領域が重複す
る複数クレーンを駆動する複数クレーンの駆動制御方法
であって、以下の特徴を有している。複数クレーンを同
時に移動させる場合を考えると、個別のクレーンで発生
する可能性のある全ての移動の組み合せをいくつかの移
動パターンに分類することができる。複数クレーンの駆
動制御方法は、始めに、各々のクレーンに対して要求動
作信号が発生したときに、要求動作信号より、各々のク
レーンに対する移動信号を決定する。そして、複数クレ
ーンを各々の移動信号に従って同時に駆動させたとき
に、クレーン同士の干渉が発生する可能性があるパター
ンの場合は、複数クレーンの各々について、クレーンが
要求動作を行うにあたって必要となる1または2以上の
優先駆動要因に、予め定められた重み係数を乗じて得ら
れる数値を合計した優先度合値を算出して、各々のクレ
ーンの優先度合値を比較し、最大優先度合値を有するク
レーンを優先的に移動する。
【0014】ここで、課題の(2)に記載される第一の
課題を解決するために、優先駆動要因として、各クレー
ンが非優先と判断されて待機状態とされた回数を採用し
ている。また、(2)の第二の課題を解決するために、
優先駆動要因として、クレーンの移動可能領域内に設定
された通路用に設けられ、クレーンが通過する時に通路
を遮断する遮断機を、クレーンが通過することの有無を
採用している。また、(2)の第三の課題を解決するた
めに、優先駆動要因として、クレーンが現在主担当エリ
アにあるか否かの判定を採用している。また、(2)の
第四の課題を解決するために、優先駆動要因として、特
定のクレーンの優先指定を採用している。また、(2)
の第五の課題を解決するために、優先駆動要因として、
要求動作信号の要求内容の種別を採用している。また、
(2)の第六の課題を解決するために、優先駆動要因と
して、特定の要求の優先指定を採用している。また、
(2)の第七の課題を解決するために、重み係数を可変
としている。
【0015】また、課題の(3)を解決するために、複
数クレーンを移動信号に従って同時に駆動させても、ク
レーン同士の干渉が発生する可能性が無いパターンの場
合であっても、移動信号が複数クレーンを同じ方向に移
動させる内容であって、先行するクレーンが、クレーン
の移動停止または徐行を要求する障害物を通過する移動
信号が与えられている時は、先行クレーンが前記障害物
を通過するまで、後行クレーンの移動を禁止している。
【0016】また、複数クレーン制御装置は、課題の
(1)を解決するために、(1)発生した要求動作信号
に基づいて、複数クレーンを動作させるにあたって必要
となる優先駆動要因の有無を検出する工程、(2)優先
駆動要因毎に予め定められた重み係数を、前記各優先駆
動要因に乗じた数値を合計した優先度合値を算出する工
程、(3)各クレーン毎に算出された優先度合値を比較
して、最大優先度合値を有するクレーンを制御するクレ
ーン制御装置に対して、優先的にクレーン移動信号を送
信する工程を順次行って複数クレーンの駆動制御を行っ
ている。
【0017】
【作用】本発明の複数クレーンの駆動制御方法の作用に
ついて説明する。複数クレーン制御装置には、クレーン
に対する要求動作信号が複数のスケジュール登録端末か
ら随時入力され登録される。一方、複数クレーン制御装
置は、クレーンの作業により変化するものを含めて全て
の被搬送物のヤード内での位置および被搬送物の状態を
記憶している。そして、複数クレーン制御装置は、複数
クレーンを駆動させて、登録された要求動作信号を処理
する。
【0018】このとき、複数クレーンに同時に動作信号
が発生する場合がある。それらの動作信号により、その
まま複数クレーンを動作させると、干渉が発生する可能
性が高い。クレーン同士の干渉を避けるために、本発明
の複数クレーンの駆動制御方法は、以下の方法により複
数クレーンを駆動している。すなわち、本方法の特徴的
な部分は、複数クレーン制御装置が、複数クレーンに発
生した要求動作信号により、各クレーンの移動信号を分
析して、各々の移動信号の組み合せが、予め考えていた
干渉パターンに合致するか否かを判定し、干渉しないと
判定した場合は、複数クレーンを同時駆動し、干渉パタ
ーンに合致すると判定した場合は、複数クレーンの各々
の優先度合値を演算して優先度合値の高いクレーンを優
先的に駆動していることである。ここで、複数クレーン
制御装置は、クレーン制御装置にクレーン移動信号を送
信することにより、各クレーンを駆動している。
【0019】この優先度合値の演算方法に使用する優先
駆動要因の例としては、次の項目が重要である。 (1)待ち回数による優先度・・・待ち回数の多いクレ
ーンCLに高い得点を与える。特定のクレーンCLが待
ち続けることがなくなり、2台のクレーンCLを同時に
移動させる機会を多くすることができる。 (2)クレーンCLの現在位置による優先度・・・各ク
レーンをできるだけ早く主担当エリアに戻すために高い
得点を与える。複数クレーンを各々の主担当エリアにお
く方が干渉の発生が少ないからである。
【0020】(3)クレーンCL自体の優先度・・・各
クレーンの作業内容が異なる場合であって、その作業内
容の間で優先度がある場合、優先させたいクレーンCL
に高い得点を与える。主担当エリア内に重要度の高いプ
レスマシンを有するクレーン、または作業量の多いクレ
ーンを先行して駆動することができる。 (4)要求動作の種類による優先度・・・要求動作の種
類(供給、返却、入庫、出庫)の間で優先度がある場
合、優先順位の高い要求動作を受けているクレーンに高
い得点を与える。 (5)要求に対する優先指定・・・スケジュール登録端
末からの要求登録時に、作業者が優先指定できるように
しておき、その優先指定のある要求動作を受けているク
レーンに高い得点を与える。通常の工程とは異なる要求
順位が発生した場合に必要となる。
【0021】優先駆動要因の各項目の得点に対して重み
が決められている。各項目と各々の重みとを乗じた数値
を合計した値が優先度合値である。そして、優先度合値
の高いクレーンを優先的に駆動している。この重みは、
スケジュール登録端末より作業者が変更することが可能
である。それにより、現場のニーズにすばやく対応させ
るためである。一方、通常ならば、同時に駆動しても干
渉が発生しないと考えられるケースでも、クレーンの移
動途中に遮断機等の障害物がある場合は、先行するクレ
ーンが障害物の手前で停止することがあり、干渉が発生
する可能性がある。それを防止するため、先行するクレ
ーンの移動信号内に障害物がある場合は、先行するクレ
ーンが障害物を越えるまで、後続するクレーンを待機さ
せている。
【0022】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例である複数
クレーンの駆動制御方法を図面に基づいて詳細に説明す
る。はじめに、複数クレーンの駆動制御方法が実施され
るコイルヤードの全体構成を説明する。図19にコイル
ヤードの平面図を示し、図20にコイルヤードの一部を
透過して見た斜視図を示す。コイルヤードは、第一ヤー
ドY1と第二ヤードY2の2つの建屋に分離されてい
る。第一ヤードY1と第二ヤードY2の間には、トラッ
クTRが出入りしてコイルCの積み卸し作業を行うコイ
ル荷卸場Nがある。コイル荷卸場Nの奥に、クレーンC
Lが第一ヤードY1と第二ヤードY2の間を移動すると
きに、クレーンCLの直下を無人化するための遮断機S
Hが設けられている。第一ヤードY1および第二ヤード
Y2の側面には、各々5台のプレスマシンPRが設置さ
れ、プレスマシンPRには、クレーンCLとコイルCの
受取り、受渡しをするためのコイルカーが設けられてい
る。
【0023】第一ヤードY1および第二ヤードY2の全
域にわたって、図示しない一対の固定レールがプレスマ
シンPRの列に対して平行に配設されている。そして、
2台の天井クレーンCL1,CL2は、固定レール上
に、移動可能に設置されている。クレーン1号機CL1
の動作エリアを図19の矢印WE1で示し、クレーン2
号機CL2の動作エリアを矢印WE2で示す。従って、
クレーン1号機CL1とクレーン2号機CL2の移動可
能領域が重複する干渉エリアは、矢印KEで示すように
なる。クレーンCLの動作エリアで干渉エリアよりはみ
出している領域は、各々のクレーンCLのメンテナンス
ゾーンである。
【0024】クレーンCLの構成を図18で説明する。
クレーンガータ11が天井に固設されたレールの上を移
動可能に付設されている。クレーンガータ11に設置さ
れたガイドの上をクレーンガータ11の長手方向に沿っ
て平行移動可能に、クレーンクラブ12が付設されてい
る。クレーンクラブ12には、ワイヤ14を介してクレ
ーントング13が吊り下げられている。クレーントング
13は、一対のトング爪13aを備えている。トング爪
13aをコイルCの中空孔Caに差し込むことにより、
クレーントング13はコイルCを把持する。本実施例で
使用しているコイルCの最大重量は、約25トンであ
り、クレーンCLの自重は約60トンである。従って、
クレーンCLが高速移動中に緊急停止をかけた場合、ク
レーンCLは約15m移動してからでないと停止できな
い。
【0025】次に、クレーンCLの制御装置について図
10に基づいて説明する。制御装置は、図中点線で分け
ているように、自動クレーン本体を制御するための制御
装置群と、システム全体の運行を管理するための制御装
置群に分類される。クレーンCL本体の制御は、クレー
ンCLの上に各々載置された機上制御盤21および地上
に設置された各々のクレーン地上制御盤23により行わ
れる。機上制御盤21とクレーン地上制御盤23とは、
各々の光通信機22で光情報28により通信される。ク
レーン地上制御盤23は、シーケンサ24を介してシー
ケンサリンク27により、自動クレーンのシステムを制
御する複数クレーン制御装置である運行管理ホストコン
ピュータ25およびスケジュール登録端末26と接続し
ている。
【0026】次に、上記各制御装置有する主な制御機能
について説明する。機上制御盤21は、 (1)クレーンガータ11を固定レールに沿って走行さ
せる。また、クレーンクラブ12をクレーンガータ11
に沿って横行させる。また、クレーントング13の巻き
上げ巻下げを行う。このとき、各々の駆動モータをイン
バーター制御方式により、段階的な加減速制御を行っ
て、コイルCを把持したクレーンCLに急激な衝撃を与
えないようにしている。 (2)クレーントング13をクレーンクラブ12に対し
て旋回させる。また、トング爪13aの開閉を行う。 (3)エンコーダパルスカウント方式によりクレーンC
Lの位置座標検出を行う。 (4)ロードセル方式により把持したコイルCの重量を
計測する。また、コイルCのサイズデータを計測する。
【0027】クレーン地上制御盤23は、 (1)運行管理ホストコンピュータ25から、移動、把
持、設置指令を受けて、機上制御盤21に対して光通信
により、走行、横行、巻き上げ巻下げ制御を行う。ま
た、クレーントング13の旋回、およびトング爪13a
の開閉制御を行う。 (2)機上制御盤21が計測したデータを運行管理ホス
トコンピュータ25に転送する。クレーンCL異常時に
運行管理ホストコンピュータ25へ異常内容を報告す
る。
【0028】運行管理ホストコンピュータ25は、 (1)スケジュール登録端末26からの入力を受け付け
て、要求スケジュールを作成する。 (2)入庫、出庫、供給、返却、移動等の要求スケジュ
ールを分析して、移動、把持、設置、荷卸等のクレーン
CLの動作信号を作成する。 (3)複数クレーンCLを同時に動作させる必要がある
場合、複数クレーンCLの干渉防止制御を含む最適運行
パターンを作成する。 (4)コイルC等の資材情報を管理する。 (5)ヤードY内のコイルCの配置情報を管理する。 (6)クレーンCLの動作履歴、異常履歴を管理する。
【0029】以上説明した運行管理ホストコンピュータ
25とクレーン地上制御盤23との間の通信内容を整理
して、表1に示す。
【表1】 すなわち、運行管理ホストコンピュータ25からクレー
ン地上制御盤23に対しては、移動コマンドとして開始
座標および終了座標が、把持コマンドとして開始座標お
よびコイルサイズが、設置コマンドとして開始座標が送
信される。一方、クレーン地上制御盤23から運行管理
ホストコンピュータ25に対しては、計測コマンドとし
てコイルサイズおよびコイル重量が送信される。
【0030】上記説明した設備を有するシステムにおい
て、クレーンCLがコイルCの入庫、出庫、供給、返却
を行う基本作用について説明する。基本作用の一覧表を
表2に示す。
【表2】 クレーンCLの基本動作は、表2に示すように、行き動
作と帰り動作とに分解できる。第一に、コイル荷卸場N
に停車したトラックTRから、コイルCを第一ヤードY
1へ入庫する作業を図20により説明する。このときの
クレーンCLの動作の流れは、行き動作である<移動−
無線荷卸>および帰り動作である<移動−設置>から構
成される。すなわち、第二ヤードY2のWTで待機して
いたクレーンCLは、コイル荷卸場Nまで移動する。次
に、作業者がトラックTRの荷台に積まれたコイルCの
状態を確認しながら、無線でクレーンCLを制御してコ
イルCを把持し、トラックTRから荷卸する。次に、コ
イルCを把持したまま、第一ヤードY1のポジションY
D1まで移動する。そして、ポジションYD1へコイル
Cを設置する。
【0031】第二に、コイル荷卸場Nに停車したトラッ
クTRへ、コイルCを第一ヤードY1から出庫する作業
を図21により説明する。このときのクレーンCLの動
作の流れは、行き動作である<移動−把持>および帰り
動作である<移動−無線荷卸>から構成される。すなわ
ち、第一ヤードY1のWTで待機していたクレーンCL
に移動信号が与えられ、ポジションYD1まで移動す
る。次に、クレーンCLがコイルCを把持する。次に、
クレーンCLは、コイルCを把持したままコイル荷卸場
Nまで移動する。次に、作業者がトラックTRの荷台の
状態を確認しながら、無線でクレーンCLを制御してコ
イルCをトラックTRへ荷卸する。
【0032】第三に、ポジションYD2にあるコイルC
をプレスマシンPR1に供給する作業を図22により説
明する。このときのクレーンCLの動作の流れは、行き
動作である<移動−把持>および帰り動作である<移動
−設置>から構成される。すなわち、第一ヤードY1の
WTで待機していたクレーンCLに移動信号が与えら
れ、ポジションYD2まで移動する。次に、クレーンC
LがコイルCを把持する。次に、クレーンCLは、コイ
ルCを把持したままプレスマシンPR1まで移動する。
次に、クレーンCLは、プレスマシンPR1にコイルC
を設置する。
【0033】第四に、プレスマシンPR1にあるコイル
CをポジションYD2に返却する作業を図23により説
明する。このときのクレーンCLの動作の流れは、行き
動作である<移動−把持>および帰り動作である<移動
−設置>から構成される。すなわち、第一ヤードY1の
WTで待機していたクレーンCLに移動信号が与えら
れ、プレスマシンPR1まで移動する。次に、クレーン
CLがコイルCを把持する。次に、クレーンCLは、コ
イルCを把持したままポジションYD2まで移動する。
次に、クレーンCLは、ポジションYD2にコイルCを
設置する。
【0034】ここで、2台のクレーンCLが干渉する可
能性がない場合には、2台のクレーンCLを同時に動作
させる方法が考えられる。一方、複数クレーンを同時に
動作させる方法として、要求動作を分類して複数の要求
動作を同時に行っても干渉が発生しない組み合せをスケ
ジューリングするバッチ型スケジューリングを行うこと
も可能であるが、バッチ型スケジューリングでは、全体
としてクレーンの待ち時間が長くなり、また、緊急を要
する要求動作が速やかに行われない問題がある。そのた
め、予測に基づくバッチ型スケジューリングではなく、
オンライン・リアルタイム型のスケジューリングを行う
必要がある。
【0035】また、本実施例では、各要求がスケジュー
ルに登録された段階では、「クレーンがどこに移動して
コイルCを把持し、次にどこに移動しコイルを設置する
か」は判明しない。というのは、コイルCの配置状況は
2台のクレーンCLが要求をこなす毎に変化するため、
スケジュールから任意の要求が取り出された段階で初め
て、どのコイルCを把持すべきか決定できるからであ
る。また次ぎに、コイルCを把持してコイルCのサイズ
や重量を計測して初めて、どこにコイルCを設置すべき
か決定できるからである。従って、2台のクレーンCL
Fを効率よく稼働させるためには、常にリアルタイム制
御を行う必要がある。
【0036】次に、本発明の主要部である2台のクレー
ンの駆動制御方法について、詳細に説明する。2台のク
レーンCLの移動動作を分析すると、A〜Dまでの4つ
のパターンに分類できることがわかる。図11にパター
ンAを示す。パターンAは、自クレーンCL1が他方の
クレーンCL2に向かって移動要望を受け、相手のクレ
ーンCL2が待機中で停止している場合である。パター
ンAは、さらに(1)自クレーンCL1の移動範囲に他
方のクレーンCL2が存在しない場合、(2)自クレー
ンCL1の移動範囲に他方のクレーンCL2が存在する
場合がある。パターンAの場合、(1)では干渉が発生
せず、(2)では干渉が発生する。パターンBは、図1
2に示すように、自クレーンCL1が他方のクレーンC
L2と反対の方向に移動要望を受け、相手のクレーンC
L2が待機中で停止している場合である。パターンBの
場合、干渉が発生することは無い。
【0037】パターンCは、図13に示すように、自ク
レーンCL1が他方のクレーンCL2に向かって移動要
望を受け、相手のクレーンCL2も他方のクレーンCL
1に向かって移動中かまたは移動要望を受けた場合であ
る。パターンCは、さらに(1)両クレーンCLの移動
範囲が全く干渉しない場合、(2)両クレーンCLの移
動範囲の一部が干渉する場合、(3)両クレーンCLの
移動範囲が干渉し、かつ自クレーンCL1の移動範囲に
他方クレーンCL2がある場合、(4)両クレーンCL
の移動範囲が干渉し、かつ両クレーンCLの移動範囲に
他方クレーンCLがある場合がある。パターンCの場
合、(1)では干渉が発生せず、(2)、(3)および
(4)では干渉が発生する。パターンCの場合は、自ク
レーンCL1と相手クレーンCL2とを入れ替えた場合
も同様である。
【0038】パターンDは、図14に示すように、自ク
レーンCL1が他方クレーンCL2に向かって移動要望
を受け、相手クレーンCL2が他方クレーンCL1と逆
方向に移動中かまたは移動要望を受けた場合である。パ
ターンCは、さらに(1)両クレーンが干渉しない場
合、(2)自クレーンCL1の移動範囲に相手クレーン
CL2があるが、相手クレーンCL2の移動範囲のうち
自クレーンCL1の移動範囲内入らない範囲がある場
合、(3)自クレーンCL1の移動範囲に相手クレーン
CL2があるが、相手クレーンCL2の全移動範囲が自
クレーンCL1の移動範囲内にある場合がある。パター
ンDの場合、(1)では干渉が発生せず、(2)および
(3)では干渉が発生する。パターンDの場合は、自ク
レーンCL1と相手クレーンCL2とを入れ替えた場合
も同様である。
【0039】パターンA〜Dまでのうち、2台のクレー
ンCLが干渉するパターンのみを抽出すると、図15に
示すように、6つのパターンに分類できる。ここで、パ
ターン1がパターンA(2)に対応し、パターン2がパ
ターンD(2)に対応し、パターン3がパターンC
(2)に対応し、パターン4がパターンC(4)に対応
し、パターン5がパターンC(3)に対応し、パターン
6がパターンD(3)に対応している。パターン2,
3,4の場合には、明らかにどちらかのクレーンCLを
優先的に移動させる必要がある。
【0040】パターン2,6の場合には、クレーン1号
機CL1とクレーン2号機CL2とを同時に移動させた
いところであるが、本実施例のように、干渉領域の中に
遮断機SHがある場合は問題となる。パターン2で問題
となる場合について、図16を用いて説明する。単純化
するために、共に第一ヤードY1に位置するクレーン1
号機CL1とクレーン2号機CL2とに同時に移動要求
があった場合を仮定する。クレーンCLの速度は、加減
速状態を含めてほとんど同じである。第一ヤードY1の
WT2の位置にあったクレーン2号機CL2は、第二ヤ
ードY2のポジションYD2の位置にあるコイルCを把
持するために、ポジションYD2に移動する指令を受け
移動を開始する。同時に、第一ヤードY1のWT1の位
置にあったクレーン1号機CL1は、第二ヤードY2の
ポジションYD1の位置にあるコイルCを把持するため
に、ポジションYD1に移動する指令を受け移動を開始
する。
【0041】しかし、本実施例の場合、第一ヤードY1
から第二ヤードY2に移動するためには、遮断機SHを
通過することが必要である。遮断機SHは、常時は人等
が通行できるように開いた状態であり、クレーンCLが
上を通過する場合に、クレーンCLの直下に人がいない
ようにするため閉じられる。ここで、人が遮断機SH内
を通行している場合等を配慮して、クレーンCLの通過
要求を受けてから遮断機SHが完全に閉じるまでには、
一定の時間がかかる。遮断機SHが閉じる前にクレーン
2号機CL2が遮断機SHに移動してきた場合、クレー
ン2号機CL2は、遮断機SH手前で待機するように制
御される。従って例えば、待機しているクレーン2号機
CL2に後続するクレーン1号機CL1が追突する可能
性がある。また、遮断機SHが開いて、クレーン2号機
CL2がゆっくりとスタートを開始したときに、後ろか
ら高速で走行するクレーン1号機CL1に追突される危
険性も存在する。
【0042】その危険を回避するために、パターン2の
場合でも、先行するクレーンCLが障害物となる遮断機
SHを通過する必要がある場合には、まず先行するクレ
ーンCLのみを移動させ、そのクレーンCLが障害物を
越えた後で、後続クレーンCLの移動を開始するように
制御する必要がある。すなわち、図16の例の場合は、
はじめに、クレーン2号機CL2のみを第二ヤードY2
のポジションYD2まで移動させる。クレーン2号機C
L2は、遮断機SHの手前で遮断機SHが閉まりきるま
での間、一時停止する。このとき、クレーン1号機CL
1は停止しているので、クレーン1号機CL1がクレー
ン2号機CL2に追突することがない。クレーン2号機
CL2が遮断機SHを越えるとすぐに、クレーン1号機
CL1は移動を開始する。
【0043】また、パターン1,2,4,5,6の場合
には、優先的に移動させるクレーンCLによっては、優
先クレーンCLを移動させる前に他方のクレーンCLを
退避させることが必要となる場合もある。このとき、従
来のように、常に他方のクレーンCLを一番端まで移動
させ、その移動の確認を待ってから、優先クレーンCL
の移動を開始していたのでは、効率が悪い。そこで、本
実施例では、他方のクレーンCLの退避する距離を短く
する工夫をしている。すなわち、図17に示すように、
星印で示す退避ポイントWPを一定の間隔で設定してお
いて、他方のクレーンCLの退避する距離を短くしてい
る。例えば、WT1にあるクレーン1号機CL1がポジ
ションYD1に移動する指令を受け、クレーン2号機C
L2がWT2にある場合、はじめに、クレーン2号機C
L2を退避する必要がある。このとき、クレーン1号機
CL1の移動先であるポジションYD1から所定値L以
上離れたうちで、最もポジションYD1に近い退避ポイ
ントWP1を選択し、クレーン2号機CL2を退避ポイ
ントWP1に退避させる。その後、クレーン1号機CL
1をポジションYD1に移動させる。これにより、クレ
ーン2号機CL2の退避に要する時間を短縮できる。
【0044】次に、上記説明した移動パターンに基づい
て2台のクレーンCLを駆動する制御方法を具体的に説
明する。2台のクレーンの駆動制御方法の基本的なアル
ゴリズムを図1に示す。このアルゴリズムは、運行管理
ホストコンピュータ25で実行される。はじめに、運行
管理ホストコンピュータ25は、スケジュール登録端末
26から供給、返却、入庫および出庫の登録を受ける
(S1)。このとき、同時に供給、返却、入庫または出
庫する必要コイルの情報が入力される。本実施例では、
供給に関しては、プレスマシンPRのスケジュール登録
端末26より、必要なコイルCの種類およびプレスマシ
ンPRの番号が入力される。また、返却に関しては、プ
レスマシンPRの番号が入力される。また、入庫に関し
ては、コイル荷卸場Nのスケジュール登録端末26よ
り、コイルCに添付されたバーコードデータが入力され
る。また、出庫に関しては、コイルCのポジションYD
が入力される。
【0045】次に、2台のクレーンCLの各々の動作ス
ケジュールを決定する(S2)。このステップは、
(1)要求スケジュールが無い状態から、新規要求が発
生した場合、(2)どちらかのクレーンの行き動作また
は帰り動作が完了した場合、(3)遮断機SHの通過後
に動作決定処理が必要であるときに遮断機SHの横断完
了信号が入力した場合に実行される。このステップで
は、現時点において要求を全て完了していないクレーン
CLも有り得るので、スケジュールから新規要求を何れ
のクレーンCLに割り振るかを始めに判定する。割り振
れるクレーンCLがあれば、新規要求をそのクレーンC
Lに登録し、割り振れるクレーンCLがなければ無処理
でぬける。
【0046】このスケジュールの割り振りは、両クレー
ンCLの負荷が均等になるように以下のようにしてい
る。 (1)第一ヤードY1側のプレスマシンPRからの供給
または返却要求は、クレーン1号機CL1に割り振る。 (2)第二ヤードY2側のプレスマシンPRからの供給
または返却要求は、クレーン2号機CL2に割り振る。 (3)第一ヤードY1側にあるコイルCの出庫要求はク
レーン1号機CL1に割り振る。 (4)第二ヤードY2側にあるコイルCの出庫要求はク
レーン2号機CL2に割り振る。 (5)入庫要求はクレーン2号機CL2に割り振る。入
庫要求をクレーン2号機CL2に割り振っているのは、
本実施例では、第一ヤードY1のプレスマシンPRの要
求頻度が、第二ヤードY2のプレスマシンPRの要求頻
度より高いからである。
【0047】次に、登録された要求に基づいて、クレー
ン1号機CL1およびクレーン2号機CL2の各々に対
する基本動作パターンを作成する。すなわち、供給、返
却、入庫および出庫の要求に対して、図20〜図23で
説明したように基本作用を決定する(S3)。このステ
ップは、クレーン1号機CL1とクレーン2号機CL2
とで非同期的に進行される。例えば、クレーン1号機C
L1に対して返却要求がきた場合、返却の基本作用であ
る<移動−把持>−<移動−設置>を作成する(S3
a)。また、クレーン2号機CL2に対して供給供給が
きた場合、供給の基本作用である<移動−把持>−<移
動−設置>を作成する(S3b)。
【0048】基本動作パターンは、通常2つの移動を含
んでいる。ここで、干渉が問題となるのは、移動動作を
行うときであり、はじめに、前半の移動指令に基づい
て、クレーンCLを移動する始点と終点である<FRO
M−TO>を決定する。すなわち、移動元と移動先の番
地およびコイル情報をセットする。供給の場合を表3に
示す。
【表3】 供給の行き動作の場合、クレーンCLの現在位置の座
標、把持すべきコイルCを決定しそのコイルCの設置さ
れている座標、把持を開始する座標、および把持すべき
コイルCのサイズをセットする。供給の帰り動作の場
合、クレーンCLの現在位置の座標、対象となるプレス
マシンPRの座標、およびコイルCを設置する座標をセ
ットする。
【0049】返却の場合を表4に示す。
【表4】 返却の行き動作の場合、クレーンCLの現在位置の座
標、対象となるプレスマシンPRの座標、把持を開始す
る座標、および把持すべきコイルCの幅をセットする。
コイルCの幅情報は、クレーントング13がコイルCを
把持するときに必要な情報である。返却の帰り動作の場
合、クレーンCLの現在位置の座標、把持したコイルC
に基づき設置する場所を決定しその設置場所の座標をセ
ットする。
【0050】入庫の場合を表5に示す。
【表5】 入庫の行き動作の場合、クレーンCLの現在位置の座
標、コイル荷卸場Nの座標をセットする。次に、コイル
荷卸場Nに設置されたスケジュール登録端末26から無
線運転切り替え指示が入力すると、クレーンCLの制御
を自動モードから無線モードに切り替える。これによ
り、作業者が無線によりクレーンCLを制御可能とな
り、作業者は、トラックTRに搭載されているコイルC
をクレーンCLに把持させる。その後、スケジュール登
録端末26から荷卸完了指示を入力する。この入力によ
り、クレーンCLの制御が無線モードから自動モードに
切り替えられる。入庫の帰り動作の場合、クレーンCL
の現在位置の座標、把持したコイルCに基づき設置する
場所を決定しその設置場所の座標をセットする。
【0051】出庫の場合を表6に示す。
【表6】 出庫の行き動作の場合、クレーンCLの現在位置の座
標、出庫要求のあったコイルCの置かれている座標、お
よび把持すべきコイルCのサイズをセットする。出庫の
帰り動作の場合、クレーンCLの現在位置の座標、コイ
ル荷卸場Nの座標をセットする。次に、コイル荷卸場N
に設置されたスケジュール登録端末26から無線運転切
り替え指示が入力すると、クレーンCLの制御を自動モ
ードから無線モードに切り替える。これにより、作業者
が無線によりクレーンCLを制御可能となり、作業者
は、クレーンCLに把持されているコイルCをトラック
TRに搭載する。その後、スケジュール登録端末26か
ら荷卸完了指示を入力する。この入力により、クレーン
CLの制御が無線モードから自動モードに切り替えられ
る。
【0052】次に、クレーン1号機CL1とクレーン2
号機CL2の<FROM−TO>情報に基づいて、干渉
制御を行う(S5)。干渉制御の詳細については、後で
詳細に説明する。次に、干渉制御に基づいて、クレーン
1号機CL1およびクレーン2号機CL2に対して、コ
マンドを発行する(S6)。コマンド発行の方法の詳細
について、後で詳細に説明する。このコマンドに従っ
て、クレーン地上制御盤23は、機上制御盤21を介し
て、クレーン1号機CL1およびクレーン2号機CL2
を移動され、各々コイルCの把持等の作業を行わせる。
機上制御盤21は、コイルCの重量およびサイズデータ
を計測し、クレーン地上制御盤23を介して、運行管理
ホストコンピュータ25にそのデータを伝送する。ま
た、機上制御盤21は、移動および把持等の作業が完了
した信号を、クレーン地上制御盤23を介して運行管理
ホストコンピュータ25に伝送する。
【0053】次に、各基本動作パターンの後半移動指令
に基づいて、クレーンCLを移動する始点と終点である
<FROM−TO>を決定する。<FROM−TO>
は、前に説明したので、ここでは説明を省略する。次
に、クレーン1号機CL1とクレーン2号機CL2の<
FROM−TO>情報に基づいて、干渉制御を行う(S
8)。干渉制御の詳細については、後で詳細に説明す
る。
【0054】次に、干渉制御に基づいて、クレーン1号
機CL1およびクレーン2号機CL2に対して、コマン
ドを発行する(S9)。コマンド発行の方法の詳細につ
いて、後で詳細に説明する。このコマンドに従って、ク
レーン地上制御盤23は、機上制御盤21を介して、ク
レーン1号機CL1およびクレーン2号機CL2を移動
させ、各々コイルCの設置等の作業を行わせる。このと
き、機上制御盤21は、コイルCの重量およびサイズデ
ータを計測し、クレーン地上制御盤23を介して、運行
管理ホストコンピュータ25にそのデータを伝送する。
また、機上制御盤21は、移動および設置等の作業が完
了した信号を、クレーン地上制御盤23を介して運行管
理ホストコンピュータ25に伝送する。次に、運行管理
ホストコンピュータ25は、ヤード内のコイルC配置を
記憶するヤードマップ、およびコイルCのコイルサイズ
・重量の更新を行う(S10)。
【0055】次に、本発明の主要部である干渉制御につ
いて説明する。S5およびS8で行われる干渉制御は同
じ内容である。図15の6つの干渉パターンに示される
干渉が発生する場合、以下の詳細アルゴリズムにしたが
って、退避動作および待ち動作が作成され、最終的に次
動作指示発行の許可を与えている。また、干渉が発生し
ない場合は、両クレーンCLに動作指示発行の許可が与
えられる。図2にパターン1の場合の干渉制御アルゴリ
ズムを示す。すなわち、図15において、クレーン1号
機CL1が移動中であり、クレーン2号機CL2の次動
作を決定する場合は、ありえない状況である。すなわ
ち、クレーン2号機CL2は、クレーン1号機CL1の
移動範囲にあって、クレーン1号機CL1が移動するこ
とにより、クレーン2号機CL2と干渉する。このよう
な動作は、許可されることがないからである。
【0056】従って、パターン1が発生するのは、クレ
ーン1号機CL1がこれから動作する場合のみである
(S11)。この場合、クレーン1号機CL1を移動さ
せる前に、クレーン2号機CL2を退避させる必要があ
る。そこで、クレーン2号機CL2の退避移動が遮断機
SHを通過するか否かを判断する(S12)。YESの
場合、クレーン2号機CL2が遮断機SH通過後に再び
動作決定処理プログラムがキックされるようにセットす
る(S13)。次に、クレーン2号機CL2の退避ポイ
ントを決定する(S14)。ここで、クレーン2号機C
L2の退避ポイントは、図17で説明したように、クレ
ーン1号機CL1の移動先であるポジションYD1から
所定値L以上離れたうちで、最もポジションYD1に近
い退避ポイントWP1をクレーン2号機CL2の退避ポ
イントとして決定する。そして、クレーン2号機CL2
に対して退避ポイントWP1への移動指示を発行する
(S15)。また、S12がNOの場合、クレーン2号
機CL2の退避ポイントを上記と同様に決定し(S1
6)、クレーン1号機CL1とクレーン2号機CL2と
に対して、同時に次移動指示発行を許可する(S1
7)。
【0057】S15のときのクレーンCLの移動をL1
1に示す。すなわち、クレーン2号機CL2が退避する
ときに遮断機SHを通過する場合は、クレーン2号機C
L2のみを先に移動させている。S17のときのクレー
ンCLの移動をL12に示す。すなわち、クレーン2号
機CL2が退避するときに遮断機SHを通過しない場合
は、クレーン1号機CL1とクレーン2号機CL2とを
同時に移動させている。図2のフローチャートによれ
ば、一方のクレーンCLを移動させるときに他方のクレ
ーンCLを退避させる必要がある場合に、他方のクレー
ンCLが遮断機SHを通過するか否かにより、動作パタ
ーンを分けているので、干渉が発生しないときのみ、両
クレーンCLを同時駆動でき、クレーンCLの稼働効率
を高くすることができる。
【0058】図3にパターン2の場合の干渉制御アルゴ
リズムを示す。すなわち、図15において、クレーン1
号機CL1が移動中であり、クレーン2号機CL2の次
動作を決定する場合は、ありえない状況である。すなわ
ち、クレーン2号機CL2は、クレーン1号機CL1の
移動範囲にあって、クレーン1号機CL1が移動するこ
とにより、クレーン2号機CL2と干渉する。このよう
な動作は、許可されることがないからである。従って、
パターン2が発生するのは、クレーン1号機CL1がこ
れから動作する場合のみである(S21)。この場合、
クレーン2号機CL2は、移動中であるか、または移動
命令を受けた状態である。次に、クレーン2号機CL2
の移動が遮断機SHを通過するか否かを判断する(S2
2)。YESの場合、クレーン2号機CL2が遮断機S
H通過後に再び動作決定処理プログラムがキックされる
ようにセットする(S23)。そして、クレーン2号機
CL2に対して移動指示を発行する(S24)。また、
S22がNOの場合、クレーン1号機CL1とクレーン
2号機CL2とに対して、同時に次移動指示発行を許可
する(S25)。
【0059】S24のときのクレーンCLの移動をL2
1に示す。すなわち、クレーン2号機CL2が移動する
ときに遮断機SHを通過する場合は、クレーン2号機C
L2のみを先に移動させている。S22のときのクレー
ンCLの移動をL22に示す。すなわち、クレーン2号
機CL2が移動するときに遮断機SHを通過しない場合
は、クレーン1号機CL1とクレーン2号機CL2とを
同時に移動させている。図3のフローチャートによれ
ば、両クレーンCLを同じ方向に移動させる場合に、先
行するクレーンCLが遮断機SHを通過するか否かによ
り、動作パターンを分けているので、干渉が発生しない
ときには、両クレーンCLを同時駆動でき、クレーンC
Lの稼働効率を高くすることができる。
【0060】図4にパターン3の場合の干渉制御アルゴ
リズムを示す。すなわち、図15において、次動作を決
定すべき自クレーンCLが待機中であり、かつ相手のク
レーンCLが移動中か否か判断する。YESの場合、自
クレーンCLは待ち動作とし発行許可無しとして、待ち
回数をインクリメントする(S32)。また、S31が
NOの場合、優先判定処理を行ない、優先して移動させ
るクレーンCLを決定する(S33)。優先判定処理に
ついては、後で詳細に説明する。次に、非優先クレーン
CLを待ち動作とし発行許可無しとして、待ち回数をイ
ンクリメントする(S34)。次に、優先クレーンCL
のみに次移動指示を許可する(S35)。
【0061】S32のときに自クレーンCLがクレーン
1号機CL1の場合のクレーンCLの移動をL31に示
す。すなわち、クレーン1号機CL1を待ち動作とし、
クレーン2号機CL2を移動させる。S32のときに自
クレーンCLがクレーン2号機CL2の場合のクレーン
CLの移動をL32に示す。すなわち、クレーン2号機
CL2を待ち動作とし、クレーン1号機CL1を移動さ
せる。S35のときの優先クレーンCLがクレーン2号
機CL2の場合のクレーンCLの移動をL33に示す。
すなわち、クレーン1号機CL1を待ち動作とし、クレ
ーン2号機CL2を移動させる。S35のときの優先ク
レーンCLがクレーン1号機CL1の場合のクレーンC
Lの移動をL34に示す。すなわち、クレーン2号機C
L2を待ち動作とし、クレーン1号機CL1を移動させ
る。図4のフローチャートによれば、両クレーンCLを
お互いの方向に移動させる場合に、一方のクレーンCL
が移動中か否かにより動作パターンを分け、さらにそう
でない場合に、優先判定処理を行っているので、優先度
合値の高いクレーンCLを優先的に駆動できるため、シ
ステム全体の効率を高めることができる。
【0062】ここで、優先判定処理について、本実施例
で採用している優先判定の判定要素と優先判定決定手法
を順に説明する。判定要素としては、次の5項目を取り
上げている。 (1)待ち回数による優先度・・・待ち回数の多いクレ
ーンCLに高い得点を与える。これにより、特定のクレ
ーンCLが待ち続けることがなくなり、2台のクレーン
CLを同時に移動させる機会を多くすることができる。 (2)クレーンCLの現在位置による優先度・・・クレ
ーン1号機CL1が第二ヤードY2に入っている場合、
またはクレーン2号機CL2が第一ヤードY1に入って
いる場合、できるだけ早く主担当エリアに戻すために高
い得点を与える。本実施例では、ヤードが2つに別れて
いるため、両クレーンCLを各々のヤードに分けておく
方が干渉の発生が少ないからである。
【0063】(3)クレーンCL自体の優先度・・・ク
レーン1号機CL1の作業内容とクレーン2号機CL2
の作業内容とが異なる場合であって、その作業内容の間
で優先度がある場合、優先させたいクレーンCLに高い
得点を与える。例えば、本実施例では、第一ヤードY1
に設置されたプレスマシンPRは重要部品を製造してお
り、重要度が高い。かつ、第一ヤードY1にあるプレス
マシンPRはコイルCの交換頻度が高いため、クレーン
1号機CL1の稼働回数は、クレーン2号機CL2の稼
働回数より多い。そのため、クレーン1号機CL1にク
レーン2号機CL2よりも高い得点を与えている。
【0064】(4)要求動作の種類による優先度・・・
要求動作の種類(供給、返却、入庫、出庫)の間には優
先度がある。本実施例では、入庫を100とすると、供
給は70、返却は40、出庫は10の得点としている。
その理由は、入庫作業は、作業として作業者による無線
荷卸があり、1台のトラックTRが通常4つのコイルC
を運送してくるため作業時間がかかる。したがって、作
業者がコイル荷卸場Nにいる時間を短くするためには、
入庫の優先度を高くする必要があるからである。それと
比較して、コイルCは使い切りであり、出庫作業の頻度
は低く、出庫する場合でも1つのコイルCを出庫するの
みであり、作業時間はあまりかからないからである。一
方、プレスマシンPRの稼働を第一に考えれば、供給の
優先度を返却の優先度より高くする必要があるからであ
る。
【0065】(5)要求に対する優先指定・・・スケジ
ュール登録端末26からの要求登録時に、作業者が優先
指定できるようにしておき、その優先指定のある要求動
作を受けているクレーンCLに高い得点を与える。通常
の工程とは異なる要求順位が発生した場合に必要とな
る。例えば、プレスマシンPRの作業者が要求動作信号
を入力するのを忘れて、コイルC切れが発生する恐れが
あるときに、緊急に供給動作を必要とするからである。
【0066】以上の5項目について、各々の項目Pmnに
対して重みWmが決められている。項目Pmnと各々の重
みWmとを乗じた数値を合計した値が優先度合値であ
る。
【表7】 すなわち、表7に示すように、クレーンCLの優先度合
値は、P1n*W1+P2n*W2+P3n*W3+P4n*W4+
P5n*W5となる。この優先度合値をクレーン1号機C
L1およびクレーン2号機CL2に対して計算して、合
計得点の高い方のクレーンCLを優先クレーンとしてい
る。
【0067】この重みWmは、スケジュール登録端末2
6より作業者が変更することが可能である。それによ
り、現場のニーズにすばやく対応させるためである。し
かし、本実施例の駆動方法においても、重みWmを変化
させることにより、複数のアウトプットが変化するた
め、作業者が一つの要因にのみ着目して重みWmを変化
させたときに、他のアウトプットが大きく悪化してシス
テム全体として効率が悪くなる恐れがある。本実施例で
は、それを回避するために、スケジュール登録端末26
により重みWmが変更された場合に、プレスマシンPR
の供給待ち時間、入庫所用時間、出庫所用時間、2台の
クレーンCLが同時に駆動されていた時間、クレーンC
Lの待ち時間、クレーンCLの退避時間等を、設計時に
設定した標準作業スケジュールに基づいて計算して、プ
リントアウトしている。また、重みWmを変更する前の
1日と重みWmを変更した後の1日とで上記評価値を計
算してプリントアウトしている。これらのプリントアウ
トにより、重みWmの変更がシステムに与えた影響を把
握することができ、システム全体として評価することが
可能となっている。
【0068】図5にパターン4の場合の干渉制御アルゴ
リズムを示す。すなわち、図15において、クレーン1
号機CL1が移動中でクレーン2号機CL2の次動作を
決定する場合、またはクレーン2号機CL2が移動中で
クレーン1号機CL1の次動作を決定する場合は、あり
えない状況である。すなわち、両クレーン号機CL共
に、他のクレーンCLの移動範囲にあって、どちらかの
クレーンCLが移動することにより干渉する。このよう
な動作は、許可されることがないからである。従って、
パターン4が発生するのは、両クレーンCLがこれから
動作する場合のみである(S41)。
【0069】S41がNOの場合、優先判定処理を行な
い、優先して移動させるクレーンCLを決定する(S4
2)。優先判定処理は、前と同じである。次に、非優先
クレーンCLの退避ポイントを決定する(S43)。次
に、非優先クレーンCLを退避移動させたときに、遮断
機SHを通過するか否かを判定する(S44)。YES
の場合、非優先クレーンCLが遮断機SH通過後に再び
動作決定処理プログラムがキックされるようにセットす
る(S45)。そして、非優先クレーンCLのみに対し
て退避ポイントへの移動指示発行を許可する(S2
4)。S44がNOの場合、非優先クレーンCLへの退
避ポイントへの移動指示発行を許可し、同時に優先クレ
ーンCLには次移動指示発行を許可する。
【0070】S46のときに優先クレーンCLがクレー
ン2号機CL2の場合のクレーンCLの移動をL41に
示す。すなわち、クレーン2号機CL2を待ち動作と
し、クレーン1号機CL1を退避ポイントまで移動させ
る。そして、クレーン1号機CL1が遮断機SHを通過
した後、クレーン2号機CL2に次動作を行わせる。S
46のときに優先クレーンCLがクレーン1号機CL1
の場合のクレーンCLの移動をL42に示す。すなわ
ち、クレーン1号機CL1を待ち動作とし、クレーン2
号機CL2を退避ポイントまで移動させる。そして、ク
レーン2号機CL2が遮断機SHを通過した後、クレー
ン1号機CL1に次動作を行わせる。
【0071】S47のときに優先クレーンCLがクレー
ン2号機CL2の場合のクレーンCLの移動をL43に
示す。すなわち、クレーン1号機CL1を退避ポイント
まで移動させ、同時に、クレーン2号機CL2を移動さ
せる。S47のときの優先クレーンCLがクレーン1号
機CL1の場合のクレーンCLの移動をL44に示す。
すなわち、クレーン2号機CL2を退避ポイントまで移
動させ、同時に、クレーン1号機CL1を移動させる。
図5のフローチャートによれば、両クレーンCLをお互
いの方向に移動させる場合に、優先判定処理を行ない、
かつ非優先クレーンCLが遮断機SHを通過するか否か
により動作パターンを変化させているので、優先度合値
の高いクレーンCLを優先的に駆動でき、かつ干渉の可
能性がない場合は2台のクレーンCLを同時に駆動して
いるため、システム全体の効率を高めることができる。
【0072】図6にパターン5の場合の干渉制御アルゴ
リズムを示す。すなわち、図15において、クレーン1
号機CL1が移動中でクレーン2号機CL2の次動作を
決定する場合は、ありえない状況である(S51)。す
なわち、クレーン1号機CL1の移動範囲にクレーン2
号機CL2があって、クレーン1号機CL1が移動する
ことによりクレーン2号機CL2と干渉する。このよう
な動作は、許可されることがないからである。従って、
パターン5が発生するのは、クレーン1号機CL1がこ
れから動作する場合のみであり、クレーン2号機CL2
は移動中か、または停止中である(S52)。
【0073】S52がYESの場合、クレーン1号機C
L1は待ち動作とし発行を許可せず、待ち回数をインク
リメントする(S53)。S52がNOの場合、優先判
定処理を行ない、優先して移動させるクレーンCLを決
定する(S54)。優先判定処理は、前と同じである。
次に、優先クレーンCLがクレーン2号機CL2である
か否かを判定する(S55)。YESの場合、クレーン
1号機CL1を待ち動作とし移動指示発行を許可せず、
待ち回数をインクリメントする(S56)。次に、クレ
ーン2号機CL2のみ次移動指示発行を許可する(S5
7)。S55がNOの場合、クレーン2号機CL2を退
避させるための退避ポイントを決定する(S58)。そ
して、クレーン2号機CL2の退避移動が遮断機SHを
通過するか否かを判断する(S59)。YESの場合、
クレーン2号機CL2が遮断機SH通過後に、再び動作
決定処理プログラムがキックされるようにセットする
(S60)。そして、クレーン2号機CL2のみに対し
て退避ポイントへの移動指示発行を許可する(S6
1)。S59がNOの場合、クレーン2号機CL2への
退避ポイントへの移動指示発行を許可し、同時にクレー
ン1号機CL1には次移動指示発行を許可する。
【0074】S57のときのクレーンCLの移動をL5
1に示す。すなわち、クレーン1号機CL1を待ち動作
とし、クレーン2号機CL2を移動させる。S61のと
きのクレーンCLの移動をL52に示す。すなわち、ク
レーン1号機CL1を待ち動作とし、クレーン2号機C
L2を退避ポイントまで移動させる。そして、クレーン
2号機CL2が遮断機SHを通過した後、クレーン1号
機CL1に次動作を行わせる。S62のときのクレーン
CLの移動をL53に示す。すなわち、クレーン2号機
CL2を退避ポイントまで移動させ、同時に、クレーン
1号機CL1を移動させる。
【0075】図6のフローチャートによれば、両クレー
ンCLをお互いの方向に移動させる場合に、クレーン2
号機CL2が移動中か否かによりパターンを分け、クレ
ーン2号機CL2が停止中の場合に優先判定処理を行な
い、かつ優先クレーンCLがクレーン2号機CL2か否
かにより動作パターンを変化させ、さらに、クレーン2
号機CL2の退避移動時に遮断機SHを通過するか否か
により動作パターンを変化させているので、優先度合値
の高いクレーンCLを優先的に駆動でき、かつ干渉の可
能性がない場合は2台のクレーンCLを同時に駆動する
ことができる。
【0076】図7にパターン6の場合の干渉制御アルゴ
リズムを示す。すなわち、図15において、クレーン1
号機CL1が移動中でクレーン2号機CL2の次動作を
決定する場合は、ありえない状況である(S71)。す
なわち、クレーン1号機CL1の移動範囲にクレーン2
号機CL2があって、クレーン1号機CL1が移動する
ことによりクレーン2号機CL2と干渉する。このよう
な動作は、許可されることがないからである。従って、
パターン6が発生するのは、クレーン1号機CL1がこ
れから動作する場合のみであり、クレーン2号機CL2
は移動中か、または停止中である(S72)。
【0077】S72がYESの場合、クレーン1号機C
L1は待ち動作とし発行を許可せず、待ち回数をインク
リメントする(S73)。S72がNOの場合、優先判
定処理を行ない、優先して移動させるクレーンCLを決
定する(S74)。優先判定処理は、前と同じである。
次に、優先クレーンCLがクレーン2号機CL2である
か否かを判定する(S75)。YESの場合、クレーン
1号機CL1を待ち動作とし移動指示発行を許可せず、
待ち回数をインクリメントする(S76)。次に、クレ
ーン2号機CL2のみ次移動指示発行を許可する(S7
7)。S75がNOの場合、クレーン2号機CL2を退
避させるための退避ポイントを決定する(S78)。そ
して、クレーン2号機CL2の退避移動が遮断機SHを
通過するか否かを判断する(S79)。YESの場合、
クレーン2号機CL2が遮断機SH通過後に、再び動作
決定処理プログラムがキックされるようにセットする
(S80)。そして、クレーン2号機CL2のみに対し
て退避ポイントへの移動指示発行を許可する(S8
1)。S79がNOの場合、クレーン2号機CL2への
退避ポイントへの移動指示発行を許可し、同時にクレー
ン1号機CL1には次移動指示発行を許可する。
【0078】S77のときのクレーンCLの移動をL6
1に示す。すなわち、クレーン1号機CL1を待ち動作
とし、クレーン2号機CL2を移動させる。S81のと
きのクレーンCLの移動をL62に示す。すなわち、ク
レーン1号機CL1を待ち動作とし、クレーン2号機C
L2を退避ポイントまで移動させる。そして、クレーン
2号機CL2が遮断機SHを通過した後、クレーン1号
機CL1に次動作を行わせる。S82のときのクレーン
CLの移動をL63に示す。すなわち、クレーン2号機
CL2を退避ポイントまで移動させ、同時に、クレーン
1号機CL1を移動させる。
【0079】図7のフローチャートによれば、両クレー
ンCLを同じ方向に移動させる場合に、クレーン2号機
CL2が移動中か否かによりパターンを分け、クレーン
2号機CL2が停止中の場合に優先判定処理を行ない、
かつ優先クレーンCLがクレーン2号機CL2か否かに
より動作パターンを変化させ、さらに、クレーン2号機
CL2の退避移動時に遮断機SHを通過するか否かによ
り動作パターンを変化させているので、優先度合値の高
いクレーンCLを優先的に駆動でき、かつ干渉の可能性
がない場合は2台のクレーンCLを同時に駆動すること
ができる。
【0080】次に、図1のS6およびS9で実行される
コマンドの発行処理の方法について説明する。干渉制御
(S5,S8)で許可された行き動作または帰り動作か
ら、動作コマンドを各々のクレーン地上制御盤23へ発
行する。ここで、入庫の行き動作または出庫の帰り動作
の指示を発行する場合は、無線荷卸が必要となるため、
図8の処理となり、それ以外は、図9の処理となる。入
庫の行き動作または出庫の帰り動作について説明する。
はじめに、干渉制御の許可に基づいて移動コマンドを作
成し、各クレーンCLのクレーン地上制御盤23に対し
て発行する(S91)。次に、コイル荷卸場Nにあるス
ケジュール登録端末26から無線運転切り替え指示が入
力されるまで待機する(S92)。
【0081】無線運転切換え指示が入力されると、荷卸
コマンドを作成し、クレーン地上制御盤23に対して発
行する(S93)。これにより、クレーンCLの制御が
自動運転モードから手動運転である無線モードへ切り替
えられ、作業者が無線によりクレーンCLを駆動して、
トラックTRへのコイルCの積み込み、またはトラック
TRからのコイルCの荷卸作業を行う。そして、無線に
よる積み込みまたは荷卸作業が完了した後、作業者はス
ケジュール登録端末26より荷卸完了信号を入力する。
運行管理ホストコンピュータ25は、コイル荷卸場Nに
あるスケジュール登録端末26からの荷卸完了信号を受
信すると(S94,YES)、クレーン地上制御盤23
に対して荷卸完了確認信号を出力して、クレーンCL駆
動を無線モードから自動モードへ切り替える(S9
5)。これにより、コマンド処理が終了する。
【0082】次に、入庫の行き動作および出庫の帰り動
作以外の動作コマンドの発行について説明する。干渉制
御の許可に基づいて、移動+把持コマンドまたは移動+
設置コマンドを作成し、クレーン地上制御盤23に対し
て発行する(S101)。これにより、コマンド処理が
終了する。
【0083】以上説明した複数クレーンの駆動制御方法
を、従来技術で説明した図26に適用した場合について
図24に基づいて説明する。2台の天井クレーンCL
1,CL2により、被搬送物であるコイルCを保管する
ポジションYDとコイルCを使用するプレスマシンPR
との間でコイルCを搬送するシステムである。クレーン
1号機CL1が、プレスマシンPR1にあるコイルをポ
ジションYD2へ返却する動作命令を受けて移動中に、
クレーン2号機CL2にポジションYD1にあるコイル
をプレスマシンPR2に供給する動作命令を決定した場
合を考える。ここで、クレーン2号機CL2の優先度合
値が、クレーン1号機CL1の優先度合値より大きい場
合を説明する。
【0084】はじめに、クレーン1号機CL1は、プレ
スマシンPR1にあるコイルを把持する(ステップ
1)。このとき、クレーン2号機CL2は待ち状態にあ
る。次に、クレーン2号機CL2の優先度合値が、クレ
ーン1号機CL1の優先度合値よりも大きいので、クレ
ーン1号機CL1を退避させると同時に、クレーン2号
機CL2をコイルC位置まで移動する(ステップ2)。
クレーン1号機CL1は、退避ポイントで待ち状態とな
り、クレーン2号機CL2は、コイルC位置まで移動し
た後、コイルCを把持する(ステップ2’)。クレーン
2号機CL2は、コイル設置場所に移動する。同時に、
クレーン1号機CL1もコイル設置場所へ移動する(ス
テップ3)。このように、本実施例の複数クレーンの駆
動制御方法によれば、2台のクレーンをできるだけ同時
に移動させているので、図25で説明した従来の方法と
比較して2ステップ動作を短縮でき、同じ動作をするの
に必要な時間を大幅に短縮することができる。
【0085】以上詳細に説明したように、本実施例の複
数クレーンの駆動制御方法によれば、複数クレーン制御
装置が、複数クレーンに発生した要求動作信号により、
各クレーンが移動すべき<FROM−TO>を分析し
て、各々の<FROM−TO>の組み合せが、予め考え
ていた干渉パターンに合致するか否かを判定し、干渉し
ないと判定した場合は、2台のクレーンを同時駆動し、
干渉パターンに合致すると判定した場合は、2台のクレ
ーンの各々の優先度合値を演算して優先度合値の高いク
レーンを優先的に駆動しているので、2台のクレーンC
Lを同時に駆動する時間を多く取ることができるため、
システムの効率を高くすることができる。
【0086】また、優先度合値の要素として、待ち回数
による優先度を採用しているので、特定のクレーンCL
が待ち続けることがなくなり、2台のクレーンCLを同
時に移動させる機会を多くすることができる。また、優
先度合値の要素として、クレーンCLの現在位置による
優先度を採用しているので、クレーン1号機CL1を第
一ヤードY1に、クレーン2号機CL2を第二ヤードY
2にと分けておく時間を長くすることができるため、干
渉の発生を少なくすることができる。
【0087】また、優先度合値の要素として、クレーン
CL自体の優先度を採用しているので、クレーン2号機
CL2と比較して作業量の多いクレーン1号機CL1を
先行して駆動できるため、両クレーンCLを同時に駆動
する時間を多く取ることができる。また、優先度合値の
要素として、要求動作(供給、返却、入庫、出庫)の種
類による優先度を採用しているので、要求動作の重要度
に合わせてクレーンCLを駆動することが可能である。
例えば、入庫を最優先としているので、作業者がコイル
荷卸場にいる時間を短くすることができる。一方、供給
の優先度を返却の優先度より高くしているので、プレス
マシンの稼働効率を高くすることができる。また、優先
度合値の要素として、スケジュール登録端末からの要求
登録時に、作業者による優先指定を採用しているので、
通常の工程とは異なる要求順位が発生した場合に、それ
に合わせて作業者が任意の要求を他に優先させて行わせ
ることができる。
【0088】また、優先駆動要因の各項目の得点に対し
て重みが決められており、その重みを、スケジュール登
録端末より作業者が変更することが可能であるので、現
場のニーズにすばやく対応させることができる。ここ
で、スケジュール登録端末26により重みWmが変更さ
れた場合に、プレスマシンPRの供給待ち時間、入庫所
用時間、出庫所用時間、2台のクレーンCLが同時に駆
動されていた時間、クレーンCLの待ち時間、クレーン
CLの退避時間等を、設計時に設定した標準作業スケジ
ュールに基づいて計算して、プリントアウトし、また重
みWmを変更する前の1日と重みWmを変更した後の1日
とで上記評価値を計算してプリントアウトしているの
で、重みWmの変更がシステムに与えた影響を把握する
ことができるため、作業者が一つの要因にのみ着目して
重みWmを変化させたときに、他のアウトプットが大き
く悪化してシステム全体として効率が悪くなるのが防止
される。
【0089】また、同時に駆動しても干渉が発生しない
と考えられるケースでも、先行するクレーンCLの<F
ROM−TO>内に遮断機SHがある場合は、先行する
クレーンCLが遮断機SHを越えるまで、後続するクレ
ーンCLを待機させているので、先行するクレーンCL
が遮断機SHで停止しても後続クレーンCLが衝突する
ことが回避できる。
【0090】本発明の実施例は、上記実施例に限ること
なく、色々な応用が可能である。本実施例では、2台の
クレーンCLについて説明したが、3台以上のクレーン
CLを駆動させる場合も、干渉の基本パターンは同じで
あり、本実施例のアルゴリズムを適用することが可能で
ある。また、本実施例では、天井クレーンの場合を説明
したが、自動倉庫等において使用される地上走行型の大
型クレーンの場合でも同様である。本実施例では、優先
度合値の要素として、5つの項目全てを利用している
が、対象となるシステムに応じて、そのうちの1つまた
は2以上の組み合せを利用してもよい。また、対象とな
るシステムの特殊事情により、他の要素を採用してもよ
い。
【0091】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の複数クレーンの駆動制御方法は、複数クレーンを
同時に移動させる場合の組み合せをいくつかの移動パタ
ーンに分類し、クレーンに対して要求動作信号が発生し
たときに、要求動作信号より、各々のクレーンに対する
移動信号を決定し、複数クレーンを各々の移動信号に従
って同時に駆動させたときに、クレーン同士の干渉が発
生する可能性があるパターンの場合は、複数クレーンの
各々について、クレーンが要求動作を行うにあたって必
要となる1または2以上の優先駆動要因に、予め定めら
れた重み係数を乗じて得られる数値を合計した優先度合
値を算出して、各々のクレーンの優先度合値を比較し、
最大優先度合値を有するクレーンを優先的に移動してい
るので、複数クレーンを同時に駆動することができ、製
造工程への材料の搬送効率を高め、製造工程からの要求
に迅速に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数クレーンの駆動制御方法の全体を示すフロ
ーチャートである。
【図2】干渉パターン1の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図3】干渉パターン2の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図4】干渉パターン3の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図5】干渉パターン4の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図6】干渉パターン5の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図7】干渉パターン6の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図8】入庫の行き動作と出庫の帰り動作のコマンドの
発行処理を示すフローチャートである。
【図9】その他の場合のコマンドの発行処理を示すフロ
ーチャートである。
【図10】複数クレーン制御装置全体の構成を示すブロ
ック図である。
【図11】2台のクレーンの基本動作パターンAを示す
説明図である。
【図12】2台のクレーンの基本動作パターンBを示す
説明図である。
【図13】2台のクレーンの基本動作パターンCを示す
説明図である。
【図14】2台のクレーンの基本動作パターンDを示す
説明図である。
【図15】干渉パターンを示す説明図である。
【図16】先行するクレーンが遮断機を通過する場合の
説明図である。
【図17】クレーンの退避ポイントを説明するための説
明図である。
【図18】ヤードの構成を示す透過斜視図である。
【図19】ヤードの全体を示すレイアウト図である。
【図20】入庫時のクレーンの動作を示す説明図であ
る。
【図21】出庫時のクレーンの動作を示す説明図であ
る。
【図22】コイル供給時のクレーンの動作を示す説明図
である。
【図23】コイル返却時のクレーンの動作を示す説明図
である。
【図24】複数クレーンの駆動制御方法の効果を示す説
明図である。
【図25】従来の複数クレーンの駆動制御方法を示す第
1説明図である。
【図26】従来の複数クレーンの駆動制御方法を示す第
2説明図である。
【符号の説明】
11 クレーンガータ 12 クレーンクラブ 13 クレーントング 23 クレーン地上制御盤 25 運行管理ホストコンピュータ 26 スケジュール登録端末 C コイル CL1 クレーン1号機 CL2 クレーン2号機 N コイル荷卸場 SH 遮断機 Y1 第一ヤード Y2 第二ヤード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66C 15/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定レール上を移動し、各々の移動可能
    領域が重複する複数クレーンを駆動する複数クレーンの
    駆動制御方法において、 複数クレーンを同時に移動させるときに発生する可能性
    のある移動パターンを分類し、 各々のクレーンに対して要求動作信号が発生したとき
    に、要求動作信号より移動信号を決定し 数クレーンを移動信号に従って同時に駆動させたとき
    に、クレーン同士の干渉が発生する可能性があるパター
    ンの場合は、複数クレーンの各々について、クレーンが
    要求動作を行うにあたって必要となる1または2以上の
    優先駆動要因毎に、予め定められた重み係数を乗じて得
    られる数値を合計した優先度合値を算出して、各々のク
    レーンの優先度合値を比較し、最大優先度合値を有する
    クレーンを優先的に移動することを特徴とする複数クレ
    ーンの駆動制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する方法において、 前記優先駆動要因は、各クレーンが非優先と判断されて
    待機状態とされた回数を含むことを特徴とする複数クレ
    ーンの駆動制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載する方法において、 前記優先駆動要因は、クレーンの移動可能領域内に設定
    された通路用に設けられ、クレーンが通過する時に通路
    を遮断する遮断機を、クレーンが通過することの有無を
    含むことを特徴とする複数クレーンの駆動制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載する方法において、 前記優先駆動要因は、クレーンが現在主担当エリアにあ
    るか否かの判定を含むことを特徴とする複数クレーンの
    駆動制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載する方法において、 前記優先駆動要因は、特定のクレーンの優先指定を含む
    ことを特徴とする複数クレーンの駆動制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載する方法において、 前記優先駆動要因は、前記要求動作信号の要求内容の種
    別を含むことを特徴とする複数クレーンの駆動制御方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載する方法において、 前記優先駆動要因は、特定の要求の優先指定を含むこと
    を特徴とする複数クレーンの駆動制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載する方法において、 前記重み係数が、可変であることを特徴とする複数クレ
    ーンの駆動制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載する方法において、複数
    クレーンを移動信号に従って同時に駆動させても、クレ
    ーン同士の干渉が発生する可能性がないパターンの場合
    は、移動信号に従って複数クレーンを同時に駆動するこ
    とを特徴とする複数クレーンの駆動制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載する方法において、 複数クレーンを移動信号に従って同時に駆動させても、
    クレーン同士の干渉が発生する可能性が無いパターンの
    場合であっても、 前記移動信号が複数クレーンを同じ方向に移動させる内
    容であって、先行するクレーンが、クレーンの移動停止
    または徐行を要求する障害物を通過する移動信号が与え
    られている時は、先行クレーンが前記障害物を通過する
    まで、後行クレーンの移動を禁止することを特徴とする
    複数クレーンの駆動制御方法。
  11. 【請求項11】 固定レール上を移動し、各々の移動可
    能領域が重複する複数クレーンを駆動する複数クレーン
    の駆動制御方法において、 前記複数クレーンを制御する複数クレーン制御装置が、 (1)発生した要求動作信号に基づいて、複数クレーン
    を動作させるにあたって必要となる優先駆動要因の有無
    を検出する工程、 (2)前記優先駆動要因毎に予め定められた重み係数
    を、前記各優先駆動要因に乗じた数値を合計した優先度
    合値を算出する工程、 (3)各クレーン毎に算出された優先度合値を比較し
    て、最大優先度合値を有するクレーンを制御するクレー
    ン制御装置に対して、優先的にクレーン移動信号を送信
    する工程を行うことを特徴とする複数クレーンの駆動制
    御方法。
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