JP2945031B2 - 超音波内視鏡 - Google Patents

超音波内視鏡

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JP2945031B2 JP1192710A JP19271089A JP2945031B2 JP 2945031 B2 JP2945031 B2 JP 2945031B2 JP 1192710 A JP1192710 A JP 1192710A JP 19271089 A JP19271089 A JP 19271089A JP 2945031 B2 JP2945031 B2 JP 2945031B2
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健児 廣岡
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超音波断層像を得るとともに光学的観察像
を得ることのできる超音波内視鏡に関するものである。
〔従来の技術〕
体腔内に挿入する挿入部内先端に超音波探触子を挿入
部軸を軸芯に回転自在に設け、手元操作部から延在する
フレキシブルシャフト等を介して回動させ、挿入部外周
のほぼ全周方向にわたり超音波走査をする内視鏡は周知
である。そして、この種の内視鏡は挿入部先端に光学的
観察窓を設け、挿入部を挿入する際に挿入方向を確認し
たり、被検体の光学的観察を行うようにしている。
例えば、特開昭61−168337号公報には先端キャップの
内部に超音波を送受信する超音波探触子をベアリング等
を介して回転自在に設け、さらに超音波探触子を覆う先
端キャップ等から成る超音波送受信窓の後端近傍に側視
または前方斜視の観察窓を設けたものが開示されてい
る。
また、本出願人が既に提案しているものには挿入部先
端に超音波探触子22および超音波送受信窓23を設け、こ
れらと挿入部軸方向に平行に直視の観察光学系24を並設
した内容が開示してある(第10図A,B)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、特開昭61−168337号公報のものは挿入
部外周のほぼ360゜の広範囲にわたり、超音波走査をし
て超音波画像を得ることができるようにしてあるが、観
察窓を介しての光学的観察は側視または前方斜視である
ため、前方視野の確保ができず挿入部を食道、大腸等の
管腔臓器内へ挿入する場合は狭窄部や静脈瘤等の出血し
易い部位があるとこれらの粘膜や病変を損傷してしまう
おそれがあった。また、大腸のような屈曲部の多い管腔
の深部まで続く臓器内へ挿入部を挿入する場合、挿入方
向を確認することが困難であった。
一方、本出願人が既に提案しているものは前方の視野
確保はできるものの、観察光学系24、チャンネル25が障
害となって超音波走査ができない部分が生じ超音波画像
26に欠落部分27が生じてしまうという不具合がある(第
10図C)。これを解決して管腔臓器内の病変をくまなく
スクリーニングするには、挿入部を挿入部軸を軸芯に回
転させながら挿入する必要があるが、このために多くの
時間を要するとともに大腸の深部のような箇所では挿入
部を回転させること自体が困難で、被検者の受ける苦痛
も大となる不具合がある。
本発明は、上記不具合を解決すべく提案されるもの
で、管腔臓器内への挿入部の挿入を安全、確実に行うと
ともに、挿入部外周の360゜全周にわたる超音波画像を
得ることができる超音波内視鏡を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明は、上記目的を達成するため、この発明に係る
超音波内視鏡は、体腔内挿入部の先端内部に設けられ、
前記体腔内挿入部の中心軸に対して直交する方向でかつ
前記挿入部外周の全周方向にわたり超音波ビームを放射
する超音波探触子と、この超音波探触子の後端近傍に互
いの死角を補うように配設され、前記超音波探触子から
の超音波ビームの放射範囲を含む前方斜めの視野方向を
有する少なくとも第1および第2の前方斜視光学系と、
これら少なくとも第1および第2の前方斜視光学系によ
る光学像を、共通の画面上にそれぞれの視野方向と同じ
側に表示する表示手段と、を具備することを特徴とする
ものである。
このように、超音波探触子からの超音波ビームの放射
範囲を含む前方斜めの視野方向を有する少なくとも第1
および第2の前方斜視光学系を互いの死角を補うように
配設して、それらの光学像を表示手段により共通の画面
上にそれぞれの視野方向と同じ側に表示することによ
り、直視に近い状態で挿入部の挿入方向の視野を確保で
きると共に、超音波ビームの放射範囲を観察することが
可能となる。
〔実施例〕
第1図は、本発明の第1実施例を示すメカニカルラジ
アルスキャン方式の超音波内視鏡の全体図である。超音
波内視鏡は、スイッチ部1、操作部2、挿入部3、ビデ
オプロセッサに接続するユニバーサルコード4、超音波
観測装置に接続する電気ケーブルコード5を有する。挿
入部3は、可撓部6、湾曲部7、先端部8から成り、こ
の挿入部3および操作部2内を延在して固体撮像素子駆
動ケーブル、ライトガイド、鉗子チャンネル等が設けら
れている。また、操作部2にはアングルノブ9を設けて
あり、これを操作することによって湾曲部7を湾曲させ
て、先端部8の向きを変えられるようになっている。
第2図は、先端部8近傍の拡大図である。先端部8
は、基部10が先端硬質部11よりやや大径の円筒形状であ
り、細径の先端硬質部11は超音波送受信窓12を有してお
り、その内部には超音波探触子13を設けている。超音波
探触子13、矢印A方向に回転可能に支持されており、超
音波送受信窓12からB方向360゜全周にわたり、超音波
を放射するようにしてある。
先端硬質部11の後端と基部10の前端との間は外周全体
にわたり、V字状溝を形成し基部10側の溝形成面には2
つの対物光学系14、15を基部10の直径線上に位置する内
視鏡アップ側、ダウン側の180゜対象位置に設けてい
る。そして、対物光学系14の視野角θ、対物光学系15
の視野角θのそれぞれの範囲は、図示の通り、超音波
探触子13からの超音波ビームの放射範囲を含む前方斜め
方向の視野範囲で、先端硬質部11が入ってしまう。2つ
の対物光学系14、15には先端硬質部11により欠落する部
分を予め覆うように、ほぼ半円状のマスクを設けてい
る。このように形成している本実施例では、対物光学系
14、15それぞれからの視野方向は前方斜視方向であり、
それぞれの視野範囲には超音波ビームの放射範囲を含み
先端硬質部11が除かれている。しかも、2つの対物光学
系14、15によって内視鏡アップ側、ダウン側を広範囲に
同時に観察できるので、挿入部の挿入方向を広範囲に視
認できる。
対物光学系14、15から取り込まれた光学情報は先端硬
質部11内のCCD(固体撮像素子)等を経由して、ビデオ
プロセッサに取り込まれ、画像処理をした後CRTモニタ
に光学像として映出される。第3図Aは、光学像の状態
を示したものである。CRTモニタ16上の上部の像は対物
光学系14を介してのものであり、下部の像は対物光学系
15を介してのものである。
所定の体腔内位置にまで、挿入部を挿入したところで
超音波探触子13を駆動して超音波送受信窓12から超音波
ビームを被検体に向けて放射し、反射ビームを受信して
信号を送り、超音波観察装置でメカニカルラジアルスキ
ャンによる360゜全周方向の超音波断層像をCRTモニタに
映出する。第3図Bは、超音波断層像の状態を示したも
のである。
第4図は、本発明の第2実施例に係る先端部近傍の拡
大図である。第1実施例と対応する個所には同一符号を
付した(以下の実施例についても同様)。本実施例で
は、対物光学系14、15の視野角θ3はそれぞれ図示
の通り、超音波探触子13からの超音波ビームの放射範囲
を含む前方斜め方向の視野範囲であり、先端硬質部11は
視野角の範囲には入ってこないようになっている。した
がって、第1実施例と同様にしてCCD等を経由してビデ
オプロセッサに取り込み、画像処理をしてCRTモニタ18
に映出すると第5図Aに示すようになる。一方、超音波
探触子13を駆動することによる超音波断層像も、所定の
方法によりCRT19上に映出可能であることも第1実施例
と同様だが、第5図Bのように同一CRTモニタ上に映出
して観察することも効果的である。この場合、オリエン
テーションがつけやすくなり、術者の疲労軽減に役立つ
こととなろう。
第6図は、本発明の第3実施例に係る先端部近傍を示
した拡大図である。本実施例では、対物光学系を内視鏡
のアップ側、ダウン側、ライト側、レフト側とそれぞれ
90゜づつずらして4か所に設けている。それぞれの対物
光学系は、超音波探触子13からの超音波ビームの放射範
囲を含む前方斜め方向の視野範囲であるが、それぞれの
視野範囲には先端硬質部11が入ってしまうので、第1実
施例と同様に予め視野角内の欠落部分を覆うように、扇
状のマスクを対物光学系に設けている。
第7図は、本実施例によってCRTモニタ上に映出され
た光学像を示したものである。このようにして前記各実
施例の場合より、一層死角の少ない光学的観察ができる
ので、挿入部の挿入性の向上、緻密な疾患発見が可能と
なる。
第8図は、本発明の第4実施例に係る先端部近傍の拡
大図である。本実施例では、対物光学系を第3実施例の
ように先端部の基部10の先端面に90゜づつずらして4か
所設けているが、それぞれの視野角θ5等の範囲に
は先端硬質部11は入ってこないようになっているので、
第9図に示すCRTモニタ21上には欠落部のない4個の光
学像が映出される。したがって、第3実施例と同様に死
角の少ない超音波ビームの放射範囲を含む光学的観察が
可能となる。
本発明は、以上の実施例に限定されるものではなく、
幾多の変更、変形が可能である。例えば、対物光学系の
数は3個あるいは5個以上というように用途に応じて、
適宜の数とすることができる。また、対物光学系の種類
も一種に限定されず異種の組み合わせであってもよい。
また、先端部内に設ける超音波探触子はメカニカルラジ
アルスキャン方式のものに限定されず、短冊状の小型の
超音波振動子の挿入部軸芯に沿って全周に配して、ほぼ
360゜の走査範囲を有する電子ラジアル方式あるいは電
子コンベックス方式のものであってもよい。
〔発明の効果〕
以上のごとく、本発明によれば、複数個の対物光学系
をそれぞれの死角を補いながら挿入部の挿入方向を観察
できるように、先端部に設けているので、直視に近いオ
リエンテーションが得られ体腔内への挿入時の安全性を
確保できる。しかも、超音波ビームの放射範囲を観察し
ながら360゜全周の超音波断層像を得ることができるの
で、検査時間の短縮が図られ被検者の苦痛の軽減化を図
ることができる。さらに、超音波探触子よりも先端部に
光学系を配置する必要がなく、放射範囲の観察と挿入の
際の観察とを同じ複数の前方斜視光学系により行うこと
ができるので、挿入先端部を小型かつ細径化できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1実施例に係る超音波内視鏡の全
体図、 第2図は、同先端部近傍の拡大図、 第3図A、Bは、CRTモニタ上の画像図、 第4図は、本発明の第2実施例に係る先端部近傍の拡大
図、 第5図A、Bは、CRTモニタ上の画像図、 第6図は、本発明の第3実施例に係る先端部近傍の拡大
図、 第7図は、CRTモニタ上の画像図、 第8図は、本発明の第4実施例に係る先端部近傍の拡大
図、 第9図は、CRTモニタ上の画像図、 第10図A、B、Cは、従来例に係る先端部近傍図、正面
図、CRTモニタ上の画像図である。 12……超音波送受信窓 13……超音波探触子 14……対物光学系 15……対物光学系

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体腔内挿入部の先端内部に設けられ、前記
    体腔内挿入部の中心軸に対して直交する方向でかつ前記
    挿入部外周の全周方向にわたり超音波ビームを放射する
    超音波探触子と、 この超音波探触子の後端近傍に互いの死角を補うように
    配設され、前記超音波探触子からの超音波ビームの放射
    範囲を含む前方斜めの視野方向を有する少なくとも第1
    および第2の前方斜視光学系と、 これら少なくとも第1および第2の前方斜視光学系によ
    る光学像を、共通の画面上にそれぞれの視野方向と同じ
    側に表示する表示手段と、 を具備することを特徴とする超音波内視鏡。
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