JPH06209904A - 内視鏡 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により、内視鏡像の向きを変えず
に観察方向を変換したり、観察方向を変えずに内視鏡像
の傾きを補正する。 【構成】 内視鏡１は、挿入部４の先端部６に対物レン
ズ７を有し、内部に撮像ユニット部３を挿入可能な細長
の挿入孔１３を設ける一方、基端部に撮像ユニット部３
を回転自在かつ着脱自在に固定可能な着脱部１５を有す
る外套管２と、外套管２の挿入孔１３内に挿入可能に構
成され、先端部に外套管の対物レンズ７より導かれた像
を撮像する固体撮像装置２１を設けた細長の挿入部１２
を有し、基端部の撮像ユニット部本体１４が外套管２の
着脱部１５に回転自在に固定される撮像ユニット部３と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、経皮的に腹腔内の観察
や処置を行う際に用いる内視鏡に関し、特に細長の挿入
部の先端部に撮像素子を備えた内視鏡に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、体腔内等へ細長の挿入部を挿
入して被検部位の観察や各種処置を行うことのできる内
視鏡装置が広く用いられている。

【０００３】一般に体腔内の臓器等の観察や処置を行う
内視鏡は、特開昭６２−９６９２２号公報に示されるよ
うに、スコープ先端の対物レンズの後方に配設された固
体撮像素子により対物レンズで取り込んだ被写体画像を
電気信号に変換するようになっており、この電気信号を
電気コードを介してビデオプロセッサに導き、ビデオプ
ロセッサにおいて映像信号処理してＴＶモニタに内視鏡
像を表示させるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述のような挿入部の
先端に固体撮像素子を設けた内視鏡は、内視鏡本体を回
転させると固体撮像素子も内視鏡と一体で回転して、モ
ニタ上の内視鏡像が回転して傾いたり逆さまになってし
まうため、臓器等の観察の際の重力方向の把握や処置具
の動きの把握がしづらいという不具合がある。

【０００５】特に、斜視型や側視型の内視鏡では、モニ
タ上の内視鏡像が傾いたときに、内視鏡を回転させて内
視鏡像の傾きを補正しようとすると観察方向が変わって
しまい、目的部位を観察できなくなる。

【０００６】このため、内視鏡像の傾きを補正すること
をあきらめ、常に術者が内視鏡像の上下左右を頭の中で
考えながらモニタを見る必要があり、観察しづらかった
り、処置等を誤る恐れがあった。

【０００７】また、米国特許 4,699,463号公報や 5,08
8,819号公報には、内視鏡の光学系等を回転可能とし、
視野方向を変換する手段を設けた内視鏡が提案されてい
るが、このような構成では視野方向変換手段の構造が複
雑となり、装置の大型化，操作の煩雑化が生じてしま
う。

【０００８】本発明は、これらの事情に鑑みてなされた
もので、簡単な構成により、内視鏡像の向きを変えずに
観察方向を変換したり、観察方向を変えずに内視鏡像の
傾きを補正することが可能な内視鏡を提供することを目
的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明による内視鏡は、
先端部に対物レンズを有し、内部に撮像ユニット部を挿
入可能な細長の挿入孔を設ける一方、基端部に前記撮像
ユニット部を回転自在かつ着脱自在に固定可能な着脱部
を有する外套管部と、前記外套管部の挿入孔内に挿入可
能に構成され、先端部に前記外套管部の対物レンズより
導かれた像を撮像する撮像素子を設けた細長の挿入部を
有し、前記外套管部の着脱部に回転自在に固定される撮
像ユニット部とを備えたものである。

【００１０】

【作用】外套管部と撮像ユニット部とを回転自在かつ着
脱自在に設けることにより、外套管部と撮像ユニット部
とが相対的に回転可能となる。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図１は本発明の一実施例に係る内視鏡の構成を示
す断面説明図である。

【００１２】本実施例の内視鏡１は、細長の外套管２
と、外套管２内に挿入される撮像ユニット部３とを含ん
で構成されている。外套管２は、体腔内等に挿入される
細長の外套管挿入部４と、挿入部４より太径の外套管本
体５とを有しており、内部に撮像ユニット部３を挿入可
能な挿入孔１３が設けられている。

【００１３】外套管挿入部４の先端部６には、外套管挿
入部４の中心軸に対して一定の傾きをなす方向（図１中
矢印で示す）を向く対物レンズ７が設けられている。ま
た、外套管挿入部４内には、ライトガイド９が設けら
れ、外套管２基端部の外套管本体５から先端部６まで挿
通されている。ライトガイド先端部１０は、対物レンズ
７の向く方向に傾けられ、対物レンズで観察する部分に
照明光を照射して照明できるようになっている。

【００１４】この外套管２には、外套管本体５の手元側
から挿入孔１３に撮像ユニット部３の細長の挿入部１２
が挿入されるようになっており、外套管本体５の基端
部、すなわち挿入孔１３の開口部には着脱部１５が設け
られ、撮像ユニット部本体１４が固定されるようになっ
ている。着脱部１５には、Ｏリング１６が設けられ、撮
像ユニット部本体１４を着脱部１５に組み付けたとき、
撮像ユニット部本体１４が外套管２に対して自由に回転
し、かつ水密性，気密性を保つことができるようになっ
ている。

【００１５】また、挿入孔１３の先端部１７には、撮像
ユニット部３の挿入部先端面１８が突き当たり、対物レ
ンズ７の後端面１９と撮像ユニット部３の挿入部先端面
１８との距離を一定に保つための段差２０が設けられて
いる。

【００１６】一方、撮像ユニット部の挿入部１２の先端
内部には、対物レンズで取り込んだ像を電気信号に変換
するための固体撮像装置２１が配設されている。固体撮
像装置２１には、信号ケーブル２２が接続されており、
この信号ケーブル２２によって固体撮像装置２１の駆動
信号や固体撮像装置２１で電気信号に変換された映像信
号の送受が行われるようになっている。撮像ユニット部
本体１４の後端部にはカメラコード２３が接続されてお
り、内部に信号ケーブル２２が挿通し、図示しないビデ
オプロセッサに接続されるようになっている。なお、こ
のカメラコード２３は、撮像ユニット部本体１４に対し
て着脱自在にして、内視鏡１の保守，保管等を容易にで
きるようにしても良い。

【００１７】以上のように構成された外套管の製造工程
の一例について図２（ａ）〜（ｃ）を参照して説明す
る。

【００１８】まず、図２（ａ）に示すように、外套管挿
入部４を真っ直ぐの棒状に形成し、ファイババンドルよ
りなるライトガイド９を先端まで真っ直ぐに挿入すると
共に、挿入孔１３を形成する。ここで、外套管挿入部４
の材質は、例えば熱可塑性の樹脂で構成されているもの
とする。

【００１９】その後、図２（ｂ）に示すように、外套管
挿入部４の先端部６に熱を加えて観察したい方向に曲げ
ることにより、外套管の先端部６におけるライトガイド
先端部１０を一緒に観察したい方向に傾けることができ
る。

【００２０】さらにその後、図２（ｃ）に示すように、
外套管先端面６１をライトガイド９と一緒に観察したい
方向に対して垂直となるように研磨し、外套管挿入部４
の先端部６内に挿入孔１３と連通するように対物レンズ
を配設するための空間６２をあけ、その中に対物レンズ
を固定する。

【００２１】このように製造することにより、外套管の
構造を簡単にすることができ、組み立てを容易にできる
と共に、安価に構成することが可能となる。

【００２２】以上のように、外套管２に対して撮像ユニ
ット部３を着脱自在かつ回転自在に設けることによっ
て、撮像ユニット部３を一定の位置に保持して外套管２
を回転することにより、得られる内視鏡像の向きを一定
に保ったまま観察方向を変換することが可能となる。ま
た、外套管２を一定の方向に保持して撮像ユニット部３
を回転することにより、観察方向を一定に保ったままモ
ニタ上に表示される内視鏡像を回転して内視鏡像の傾き
を補正することも可能となる。あるいは、観察中に視野
方向を変えながら内視鏡像の傾きを任意に調整すること
も可能となる。

【００２３】以降に外套管の他の構成例を示す。

【００２４】図３は外套管の第２の例を示す断面説明図
である。第２の例の外套管２５は、前述のものと同様に
細長の外套管挿入部２６と、挿入部２６より太径の外套
管本体２７とを有しており、内部に撮像ユニット部３を
挿入可能になっている。

【００２５】外套管２５の先端部２８には、ノズル２９
が設けられており、外套管挿入部２６内に設けられた送
水，送気の少なくとも一方を行うためのチャンネル３１
に連通している。チャンネル３１は、外套管本体２７に
設けられたチャンネル開口部３０で開口している。その
他は図１の外套管２と同様に構成されており、説明を省
略する。

【００２６】チャンネル開口部３０に外部の送水手段あ
るいは送気手段を接続し、送水手段あるいは送気手段か
らの送水あるいは送気をチャンネル開口部３０からチャ
ンネル３１を経てノズル２９に送り込むことにより、外
套管２５の先端部２８の対物レンズの表面３２に洗浄用
の水あるいはガスを吹き付けて表面に付着した水滴や汚
れを落とすことができる。

【００２７】図４は外套管の第３の例を示す断面説明図
である。この第３の例では、対物レンズの向き（図４中
矢印で示す）が異なる複数の外套管３５ａ，３５ｂを備
え、それぞれの外套管３５ａ，３５ｂに共通の形状，寸
法の挿入孔３６と着脱部３７とを設けている。このよう
に構成することにより、視野方向の異なる複数の外套管
３５ａ，３５ｂに同一の撮像ユニット部３を挿入するこ
とができ、複数の外套管に対して撮像ユニット部３を共
通に使用できる。すなわち、視野方向の異なる内視鏡を
安価に構成することが可能となる。

【００２８】なお、視野方向だけでなく、視野方向，画
角など光学性能の異なる複数の外套管を用意しておき、
観察部位などに応じて一つの撮像ユニット部に対して外
套管を交換することができる。また、外套管が破損した
場合なども容易に交換することが可能である。

【００２９】また、それぞれの外套管を安価に製作し、
予め滅菌しておくことにより、外套管を１回限りの使い
捨てとして多数用意しておくことが可能になり、同一の
撮像ユニット部に対していつでも新しく清潔な外套管を
使用することができる。すなわち、外套管を撮像ユニッ
ト部の滅菌カバーとして使用できる。

【００３０】図５は外套管の第４の例を示す断面説明図
である。第４の例の外套管４０は、前述のものと同様に
細長の外套管挿入部４１と、挿入部４１より太径の外套
管本体４２とを有しており、内部に撮像ユニット部３を
挿入可能になっている。

【００３１】外套管本体４２の後端部には、ライトガイ
ドケーブル４３および光源接続コネクタ４４が一体的に
連設されている。そして、外套管挿入部４１，ライトガ
イドケーブル４３，光源接続コネクタ４４内を一束のフ
ァイバ束からなるライトガイド４５が挿通されている。
その他は図１の外套管２と同様に構成されている。

【００３２】このように、外套管４０にライトガイドケ
ーブル４３を一体的に設けることにより、途中に接続部
の無い一束のライトガイド４５で光源の光を外套管先端
４６まで導くことができるため、照明光の損失を防いで
効率よく照明することができる。

【００３３】図６は外套管の第５の例を示す断面説明図
である。第５の例の外套管５０は、前述のものと同様に
細長の外套管挿入部５１と、挿入部５１より太径の外套
管本体５２とを有しており、内部に撮像ユニット部３を
挿入可能になっている。また、第４の例と同様に、外套
管本体５２の後端部に、ライトガイドケーブル５３およ
び光源接続コネクタ５４が一体的に連設され、外套管挿
入部５１，ライトガイドケーブル５３，光源接続コネク
タ５４内に一束のファイバ束からなるライトガイド５５
が挿通されている。

【００３４】また、外套管本体５２の後端部には、外套
管５０に挿入する撮像ユニット部３および図示しないビ
デオプロセッサに接続するためのカメラコード２３を覆
うことのできる柔軟なカバー部５６が延設されている。
その他は図１の外套管２と同様に構成されている。

【００３５】このようなカバー部５６を有する外套管５
０を安価に製作し、あらかじめ滅菌しておくことによ
り、１回限りの使い捨てとして多数用意することが可能
になり、撮像ユニット部を滅菌していない場合でも、滅
菌された新しい外套管を撮像ユニット部およびカメラコ
ード全体を覆うように装着することで、直ちに手術に使
用することが可能になる。

【００３６】図７は外套管の第６の例を示す説明図であ
り、図７（ａ）は軸方向断面図、図７（ｂ）は（ａ）に
おけるＡ−Ａ線断面図である。

【００３７】第６の例の外套管７０は、前述のものと同
様に細長の外套管挿入部７１と、挿入部７１より太径の
外套管本体７２とを有しており、内部に撮像ユニット部
３を挿入可能になっている。

【００３８】また、第２の例と同様に、外套管７０の先
端部７３には、ノズル７４が設けられており、外套管挿
入部７１内に設けられた送気を行うためのチャンネル７
６に連通している。チャンネル７６は、外套管本体７２
に設けられたチャンネル開口部７５で開口している。

【００３９】第６の例では、チャンネル７６には分岐部
７７が設けられており、この分岐部７７よりチャンネル
７６とは別に撮像ユニット部３の挿入部１２の先端と対
物レンズの後端との間の空間７８に連通する送気路７９
が設けられている。そして、図７（ｂ）に示すように、
撮像ユニット部の先端と対物レンズ後端との間の空間７
８から外套管７０の外周に連通する開口部８０が設けら
れている。その他は図１の外套管２と同様に構成されて
いる。

【００４０】このように、外套管７０にチャンネル７６
および送気路７９を設け、内視鏡を使用する際に撮像ユ
ニット部先端面８１と対物レンズ後端面８２とにガスを
吹き付けることにより、撮像面および対物レンズの曇り
の除去や防止が可能となる。

【００４１】図８は外套管の第７の例を示す断面説明図
である。第７の例の外套管８５は、前述のものと同様に
細長の外套管挿入部８６と、挿入部８６より太径の外套
管本体８７とを有しており、内部に撮像ユニット部３を
挿入可能になっている。

【００４２】第７の例では、外套管８５の先端部８８に
は、ノズル８９が設けられており、撮像ユニット部３の
挿入部１２の先端と対物レンズの後端との間の空間９１
に連通している。この撮像ユニット部の先端と対物レン
ズ後端との間の空間９１は、外套管本体８７に設けられ
たチャンネル開口部９０に連通しており、チャンネル開
口部９０，空間９１を経てノズル８９まで送気路９２が
形成されている。

【００４３】このように、外套管８５に送気路９２を設
け、内視鏡を使用する際に外套管先端の対物レンズ表面
９３に送気すると同時に撮像ユニット部先端面９４およ
び対物レンズ後端面９５にガスを吹き付けることによ
り、撮像面および対物レンズの曇りの除去や防止が可能
となる。

【００４４】図９は第８の例の外套管先端部の構成を示
す断面説明図である。第８の例の外套管１００は、細長
の外套管挿入部１０１内に設けられる挿入孔１０２の先
端部において、挿入される撮像ユニット部の先端と対物
レンズ後端との間の空間１０３の一部に吸湿材１０４が
配設されている。

【００４５】このように、撮像ユニット部の先端と対物
レンズ後端との間の空間１０３に吸湿材１０４を設ける
ことによって、この空間内の湿気を吸収し、内視鏡使用
中の撮像ユニット部先端面と対物レンズ後端面の曇りの
除去や防止が可能となる。

【００４６】以上のように構成された外套管と、この外
套管に対して着脱自在かつ回転自在の撮像ユニット部と
を設け、外套管と撮像ユニット部とを相対的に回転させ
ることによって、内視鏡像の向きを変えずに観察方向を
変換することが可能になり、また、観察方向を変えずに
モニタ上に表示される内視鏡像を回転して内視鏡像の傾
きを補正することも可能となる。

【００４７】なお、前述の実施例においては、固体撮像
装置は挿入部の軸に対して垂直に配置したものを示した
が、これに限らず、挿入部軸に対して斜めにあるいは挿
入部軸と平行に配置しても良い。

【００４８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、簡
単な構成により、内視鏡像の向きを変えずに観察方向を
変換したり、観察方向を変えずに内視鏡像の傾きを補正
することが可能となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る内視鏡の構成を示す断
面説明図

【図２】外套管の製造工程の一例を示す説明図

【図３】外套管の第２の例を示す断面説明図

【図４】外套管の第３の例を示す断面説明図

【図５】外套管の第４の例を示す断面説明図

【図６】外套管の第５の例を示す断面説明図

【図７】外套管の第６の例を示す説明図であり、（ａ）
は軸方向断面図、（ｂ）は（ａ）におけるＡ−Ａ線断面
図

【図８】外套管の第７の例を示す断面説明図

【図９】第８の例の外套管先端部の構成を示す断面説明
図

【符号の説明】 １…内視鏡 ２…外套管 ３…撮像ユニット部 ４…外套管挿入部 ５…外套管本体 ７…対物レンズ １２…撮像ユニット部挿入部 １３…挿入孔 １４…撮像ユニット部本体 １５…着脱部 １６…Ｏリング ２１…固体撮像装置 ２３…カメラコード

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端部に対物レンズを有し、内部に撮像
   ユニット部を挿入可能な細長の挿入孔を設ける一方、基
   端部に前記撮像ユニット部を回転自在かつ着脱自在に固
   定可能な着脱部を有する外套管部と、 前記外套管部の挿入孔内に挿入可能に構成され、先端部
   に前記外套管部の対物レンズより導かれた像を撮像する
   撮像素子を設けた細長の挿入部を有し、前記外套管部の
   着脱部に回転自在に固定される撮像ユニット部と、 を備えたことを特徴とする内視鏡。