JP2944262B2 - 薄板連続鋳造のスタート法。 - Google Patents

薄板連続鋳造のスタート法。

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JP2944262B2 JP16748191A JP16748191A JP2944262B2 JP 2944262 B2 JP2944262 B2 JP 2944262B2 JP 16748191 A JP16748191 A JP 16748191A JP 16748191 A JP16748191 A JP 16748191A JP 2944262 B2 JP2944262 B2 JP 2944262B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,双ロール方式の薄板連
続鋳造装置を使用して金属薄板を製造するさいの鋳造ス
タート法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,溶鋼等の金属溶湯から最終形状に
近い厚みをもつ薄板に直接的に製造する方法が注目され
ており,この連続鋳造法のひとつとして双ロール方式の
連続鋳造法がある。双ロール方式の連続鋳造法では,溶
鋼がロール円周面と接している円周方向の接触長さに応
じて冷却凝固するので,目標板厚に応じてロール円周面
に溶鋼が接触する時間を制御する必要があり,このため
には適正な深さの湯溜り(溶鋼プール)を円周面上に常
時形成させておくことが必須条件となる。
【0003】そこで,回転を停止した双ロール上に注湯
して適正な深さの湯溜りを形成させてから双ロールを回
転して鋳造を開始するようにし,この鋳造開始を円滑に
行なうためのダミープレート(栓)を予めロール間隙に
挿入しておくことが種々提案されている。
【0004】例えば,実公昭62-27316号公報は,ロール
接点から頂点までの溶湯接触面をなだらかな曲線とし,
且つその長さを冷却ロールの溶湯接触面の長さとほぼ同
一に設定したスタータ栓を開示し, 特開昭63-224847号
公報では溶湯接触面の先端部に高融点材料の線材又は帯
材を取り付けたダミーバーを提案している。また特開平
1-228650号公報では,冷却ロール対の間隙に挿入される
先端部に冷却ロールのそれぞれの周面に沿った易溶融性
金属箔を取り付けたダミーシートを提案している。いず
れにしても,これらは形成される湯溜り内に一部または
全部が挿入されるものであり,これらが装着された鋳造
スタート時点では双ロールの回転は一般に停止される。
【0005】この双ロール方式の連続鋳造のスタート法
として, 特開昭63-290654号公報では,鋳造開始時にお
いて目標鋳造速度以下でロール対を予め回転させながら
注湯を開始する回転スタート法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】サイドダムとロール円
周面とで湯溜りを形成する方式の双ロール式連鋳機にお
いて,鋳造開始にあたって,湯溜り内で溶鋼プールを形
成させた後にロールの回転を開始する場合には,回転を
停止したロール間に溶鋼を供給することになるので, こ
の停止の間にロール円周面上で凝固したシエルが, 目標
とする鋳片厚み以上の,つまり設定したロール間ギャッ
プの値以上の厚い凝固シエルが両ロール表面上で形成さ
れることが多く,このために,過大な荷重が発生し,ロ
ール回転用モータの能力を越えてしまってトリップ, 鋳
造停止の原因となる,目標とする鋳片厚みより厚い鋳片
が鋳造される,鋳片の幅広がりにより溶鋼プールを保持
するための設けられているサイドダムを損傷する,など
の問題がある。
【0007】また, 鋳造開始時に予め目標鋳造速度以下
でロール対を回転させながら注湯を開始する場合には,
ロール上に適正な湯溜りを形成させるのに時間がかか
る。つまり初期鋳片の形成に時間がかかるため,ロール
間隙を通過する未凝固の溶湯量が増加したり,形状不良
の鋳片頭部が形成されたりして,製品歩留低下の原因と
なるという問題がある。
【0008】本発明は,このような双ロール連続鋳造法
における鋳造開始時の諸問題を解決することを目的とし
たものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は,互いに反対方
向に回転する一対の内部冷却ロールを平行に対向配置
し,かつこのロール対の両側部にサイドダムを配置した
うえ,このサイドダムとロール対の円周面で囲われる空
間に連続的に注湯しながら,ロール対の円周面で形成す
る凝固殻をロール対の間隙で圧着しつつ薄板に直接鋳造
する薄板連続鋳造法において,ロール対の最狭隙部より
も厚みが大きい間隙閉塞部材を,鋳造方向と逆の方向か
らロール対の表面と摺接するようにロール対の間隙にあ
てがったうえ,ロール対を回転させながら前記の空間に
注湯を開始することを特徴とする。そのさい,注湯を開
始するときのロール対の回転速度は,鋳造開始後の平常
鋳造時の回転速度よりも遅くしておく。また,使用する
間隙閉塞部材の少なくともロール円周面と摺接する曲面
部は,その材質をロール対の表面材質より軟質なもので
形成する。
【0010】〔発明の詳述〕図1と図2は,双ロール式
連鋳機によって本発明を実施するさいの注湯スタート時
の状況を示している。双ロール式連鋳機は,周知のよう
に,互いに反対方向に回転する一対の内部冷却ロール1
a,1bを軸を平行にして対向配置し, このロール対1a,1b
の両側部に一対のサイドダム2を配置したうえ,このサ
イドダム2とロール1a,1bの円周面で囲まれる空間に注
湯ノズル3から連続的に注湯し,ロール対1a,1bの両円
周面で形成する凝固シエルを最狭隙部で圧着しながら薄
板に直接鋳造するものであるが,本発明によれば,その
鋳造スタート時において,図1に示したように,ロール
対1a,1bを回転させた状態で注湯ノズル3から注湯を開
始する。そのさい,ロール対の最狭隙部よりも厚みが大
きい間隙閉塞部材4を,鋳造方向と逆の方向からロール
対の表面と摺接するようにロール対の間隙にあてがって
おく。
【0011】この間隙閉塞部材4は,図3に示したよう
に,ロール対1a,1bの両円周面と面接触する曲面部5a,5b
を有している。この曲面部5a,5bはロール対1a,1bの円周
面と実質的に同じ曲率半径をもつ面であり,回転してい
るロール対1a,1bの表面と或る大きさの面積をもって隙
間なく摺接する。この間隙閉塞部材4が図1のように鋳
造方向とは反対の方向からロール間隙部にあてがわれる
ことから,その摺接部は湯溜りが形成される鋳造空間と
は最狭隙部を挟んで反対側となり,注入される溶湯と直
接的には接しない。最も好ましい態様では,間隙閉塞部
材4の上縁6の形状をロール対1a,1bの最狭隙部での隙
間開口形状に対応する形状とする。
【0012】このような形状の間隙閉塞部材4によっ
て,ロール対1a,1bの間隙はロール回転状態でも図1に
示したように閉塞される。本発明では回転ロールと摺接
しながら閉塞されるので,間隙閉塞部材4の少なくとも
曲面部5a,5bの材料をロール対の表面材質より軟質な材
料で形成しておく。具体的には易削性の耐火物あるいは
耐熱性ウール材料等を使用する。間隙閉塞部材4の全体
をこのような材質で構成することもできる。
【0013】ロール対1a,1bを回転させ且つ間隙閉塞部
材4をあてがった状態で図1のように注湯ノズル3から
の注湯を開始するが,そのさいのロール回転速度は,そ
の後の平常鋳造時の回転速度よりも遅くしておく。注湯
の開始にともない鋳造空間に溶湯が滞留し,その湯面が
上昇するが,ロール対1a,1bがゆっくり回転しているこ
とから,ロール対1a,1bの両円周面上で形成される両凝
固シエルも徐々に発達し,これがロール対1a,1bの最狭
隙部の厚み相当にまで発達すると,最狭隙部を通過する
さいに間隙閉塞部材4を鋳造方向に押し出す。この状態
を図2に図解的に示した。
【0014】図2のように,間隙閉塞部材4が押し出さ
れる状態では前述のように凝固シエル7a,7bは相当の厚
みを有し, 湯溜り8の湯面も平常運転の目標位置近くま
で上昇しており,この段階でロール対1a,1bの回転速度
を平常運転の回転速度に制御する。初期鋳片9によって
押し出される間隙閉塞部材4は,薄板がピンチロールに
噛み込まれる前に初期鋳片9の頭部から外される。また
初期鋳片9の押圧によって自然に破壊するような材質で
間隙閉塞部材4を構成しておくこともできる。
【0015】このように,本発明法によれば,薄板と接
合されるダミー材料とは異なり,薄板と別の材料からな
る間隙閉塞部材を用いてロールを回転させながら鋳造を
スタートするものである。回転するロールと面的に摺接
しても間隙閉塞部材の材質がロール表面材質より軟質な
もの或いは被削性を有するものを使用することによっ
て,摩擦で間隙閉塞部材が破損したりロール表面が損傷
したりすることが防止される。
【0016】
【実施例】ロール径 560mm, ロール幅 600mmの内部水冷
式双ロール連鋳機によってSUS304のステンレス溶鋼を,
鋳造温度1520℃, 最狭隙部のロールギャップ3mm, 目標
鋳造速度 17m/minの鋳造条件で薄板に鋳造するさいに,
鋳造スタート時において,図3に示したような形状のカ
オウール材質の間隙閉塞部材4を図1のようにセット
し,ロール対1a,1bを回転速度10m/minで回転させた状態
で注湯ノズル3から注湯を開始した。注湯開始から初期
鋳片形成までの所要時間は約5secであり,間隙閉塞部材
4はこの初期鋳片によって下方に押し出された。その後
は,目標鋳造速度 17m/minにロール対1a,1bの回転速度
を制御した。
【0017】このように,ロールを回転させながら鋳造
をスタートさせる場合でも,本発明法によれば初期鋳片
形成に要する時間が極めて短く,また初期鋳片の形状が
良好であり,異常な荷重の発生もなく安定した鋳造を行
なうことができることが確認された。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように,本発明に従う薄板
連続鋳造のスタート法は,ロールを回転させながら注湯
を開始するものであるが,初期鋳片の形成時間を短縮せ
しめることができ,また初期鋳片の形成を円滑に且つ安
定的に行わせしめることができるので,従来のダミース
トリップやバーを用いる場合のような過大な荷重の発生
に伴う鋳片厚みの変動やサイドダムの破損などの問題が
解消され,薄板鋳片の鋳造操業の安定に大きな効果をも
たらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従う注湯スタート時の状態を示す双
ロール式連鋳機の略断面図である。
【図2】 本発明に従う注湯スタート法において注湯開
始から若干時間が経過した状態を示す図1同様の略断面
図である。
【図3】 本発明で使用する間隙閉塞部材の例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1a,1b 内部冷却ロール対 2 サイドダム 3 注湯ノズル 4 間隙閉塞部材 5a,5b 間隙閉塞部材の曲面部 6 間隙閉塞部材の上縁 7a,7b 凝固シエル 8 湯溜り 9 初期鋳片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/06 330

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに反対方向に回転する一対の内部冷
    却ロールを平行に対向配置し,かつこのロール対の両側
    部にサイドダムを配置したうえ,このサイドダムとロー
    ル対の円周面で囲われる空間に連続的に注湯しながら,
    ロール対の円周面で形成する凝固殻をロール対の間隙で
    圧着しつつ薄板に直接鋳造する薄板連続鋳造法におい
    て,ロール対の最狭隙部よりも厚みが大きい間隙閉塞部
    材を鋳造方向と逆の方向からロール対の表面と摺接する
    ようにロール対の間隙にあてがったうえ,ロール対を回
    転させながら前記の空間に注湯を開始することを特徴と
    する薄板連続鋳造のスタート法。
  2. 【請求項2】 注湯を開始するときのロール対の回転
    は,鋳造開始後の平常鋳造時の回転よりも速度が遅い回
    転である請求項1に記載のスタート法。
  3. 【請求項3】 間隙閉塞部材は,ロール対の両円周面と
    面接触する曲面部を有し,この曲面部の材料がロール対
    の表面材質より軟質な材料からなる請求項1または2に
    記載のスタート法。
  4. 【請求項4】 間隙閉塞部材は,ロール対表面で形成さ
    れた初期鋳片が該ロール対の回転によって鋳造方向に移
    動するさいに,この初期鋳片の移動によって鋳造方向に
    押し出される請求項1,2または3に記載のスタート
    法。
  5. 【請求項5】 間隙閉塞部材は,鋳造された初期鋳片の
    先端から分離される請求項1,2,3または4に記載の
    スタート法。
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