JP2943567B2 - 管内形状検査装置 - Google Patents

管内形状検査装置

Info

Publication number
JP2943567B2
JP2943567B2 JP5174017A JP17401793A JP2943567B2 JP 2943567 B2 JP2943567 B2 JP 2943567B2 JP 5174017 A JP5174017 A JP 5174017A JP 17401793 A JP17401793 A JP 17401793A JP 2943567 B2 JP2943567 B2 JP 2943567B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
echo
signal
echo signal
shape
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5174017A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0727551A (ja
Inventor
幸理 飯塚
秀和 堀籠
章 村山
晋 中沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kokan Ltd filed Critical Nippon Kokan Ltd
Priority to JP5174017A priority Critical patent/JP2943567B2/ja
Publication of JPH0727551A publication Critical patent/JPH0727551A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2943567B2 publication Critical patent/JP2943567B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Landscapes

  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば製鉄工場等におけ
る電縫管の製造ラインにおいて、管体の内周面に露出し
ている溶接部の形状(ビート形状)を外周面から超音波
を用いて検査する管内形状検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電縫管は、帯状の鋼板を走行しな
がら丸めていって、管軸方向に沿う鋼板どうしの突き合
わせ部を連続的に電縫溶接することによって製造され
る。したがって、溶接したままであると、製造された電
縫管の外周面及び内周面に凹凸を有する溶接部が露出す
るので、この溶接部の盛り上がった部分、すなわち溶接
ビードをビート切削機で切断して、溶接部の表面を平ら
にする工程が必要となる。
【0003】この場合、溶接ビードを残さないような切
削することが製造製品の品質上非常に重要なことであ
る。そこで、電縫管の製造ラインにおいては、ビード切
削機における溶接ビードの切削状況を検知して、その切
削状況をビード切削機に帰還させて、外周面及び内周面
の溶接部がより平坦になるよにビード切削機の切削動作
を制御している。
【0004】外周面に露出した溶接部の溶接ビードの切
削状況は目視やカメラ等の光学手法を用いて比較的簡単
に把握できる。しかし、内周面に露出した溶接部の溶接
ビードの切削状況は簡単に把握できない。
【0005】この内周面に露出した溶接部の凹凸状態を
外部から検出する代表的な手法として、現在まで以下に
示す3種類が提唱されている。 (1) 接触方式(実開昭58−24062号公報) この接触方式においては、溶接部位置手前側から溶接部
位置後方側に向けて長く突出させたロッドの先端に取付
けられた内周側カッターの近傍に、内面形状を検知する
接触センサを併設して、露出した溶接部の凹凸状態を検
出する。 (2) 超音波厚さ計方式(特開昭56−35057号公
報) この超音波厚さ計方式においては、図13(a)に示す
ように、管体1の外周面に垂直型探触子2を取付けて、
超音波を管体1に対して垂直方向(半径方向)に入射さ
せて管体1の厚みtを測定する。そして、厚みtを測定
しながら、垂直型探触子2を周方向Dに移動させる。す
ると、図13(b)に示すように、内周面に溶接部3に
起因する凹凸部3aが存在すれば、厚みtの変化として
現れる。 (3) 超音波アレイ探触子方式(特開平2−11411
4号公報) この超音波アレイ探触子方式においては、図14(a)
に示すように、管体1の外周面における溶接部3を挟ん
だ対向位置に一対のアレイ探触子4a,4bを配設して
いる。そして、一方のアレイ探触子4aを構成する各振
動子を順番に加振して超音波パルスを入射させながら、
他方のアレイ探触子4aの各振動子を同期させながら走
査することによって、送信側の各振動子からの超音波を
受信した振動子を特定することによって、該当超音波の
内周面における反射位置を検出する。これを双方のアレ
イ探触子4a,4bから実施することによって、内周面
に露出した溶接部の凹凸を把握する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た(1) 〜(3) の各手法においてもまだ解消すべき次のよ
うな課題があった。先ず、接触方式(1) においては、接
触センサを管体1内に挿入する必要があるので、小径サ
イズの管体1に適用が困難である。また、溶接時に発生
するピットや切り屑によって接触センサが汚損しやす
く、測定精度や信頼性が低下する懸念がある。
【0007】次に、超音波厚さ計方式(2) においては、
超音波厚さ計を用いるためには、探触子2と管体1との
間に水等を介在させる必要がある。しかし、ビード切削
機の近傍においては、溶接されたばかりの溶接部3の温
度は300℃以上であるので、接触子2を音響接触させ
ることは不可能である。
【0008】この対策として水を大量に使用すると、溶
接部3が急冷されるので、その組織が変化し、管体1の
材質品質が低下する。また、探触子2をビード切削機か
ら管体1の軸方向に遠く離れた位置に配設すると、溶接
部3の周方向位置が変動(捩じれる)ことがあるので、
この手法も採用できない。
【0009】また、超音波アレイ探触子方式(3) におい
ては、図14(b)に示すように、内周面の溶接部の形
状が傾斜していると、超音波が透過しないので、受信側
のアレイ探触子において該当超音波を検出できない問題
が生じる。また、この手法においては、多くのチャンネ
ルを有したアレイ探触子4a,4b及び多チャンネルの
超音波送送受信部が必要になるので、装置全体の製造費
が大幅に上昇する懸念がある。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、一対の斜角探触子のみを用いることによっ
て、小径サイズの管体の適用が可能であり、かつビード
切削機の近傍に設置可能であり、かつ低い製造費用でも
って、内周面における溶接部の形状を確実にかつ正確に
検出できる管内形状検査装置を提供することを目的す
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明の管内形状検査装置においては、管体の外周面
上における溶接部を挟んだ対向位置に配設され、内周面
に露出した溶接部方向へ超音波パルスを送波し反射波を
受波する一対の斜角探触子と、各斜角探触子に対して一
定周期で送信パルスを印加しかつエコー信号を受信する
一対の超音波送受信部と、受信されたエコー信号を複数
周期に亘って平均化する一対の同期加算平均化手段と、
平均化されたエコー信号における互いに異なる測定期間
を指定する複数のゲート手段と、指定された測定期間に
含まれる内周面の溶接部に起因するエコーを検出する複
数のエコー検出手段と、検出され各エコーに基づいて内
周面の溶接形状を特定する内面形状特定部とを備えてい
る。
【0012】また、請求項2の発明においては、内面形
状特定部は、各エコー検出手段におけるエコー検出有無
情報の組合せに基づいて溶接形状の種類を判定する溶接
形状種類判定手段を有している。
【0013】さらに、請求項3の発明においては、内面
形状特定部に対して、上述した溶接形状種類判定手段に
加えて、各エコー検出手段にて検出されたエコーのエコ
ー高さより溶接形状の半径方向寸法を算出する半径方向
寸法算出手段を付加している。
【0014】さらに、請求項4の発明においては、上述
した溶接形状種類判定手段及び半径方向寸法算出手段に
加えて、各エコー検出手段は検出したエコーまでの超音
波パルスのビーム路程を検出するビーム路程検出手段を
有し、かつ、内面形状特定部に、検出された各ビーム路
程より溶接形状の周方向寸法を算出する周方向寸法算出
手段を付加している。
【0015】また、請求項5の発明においては、同期加
算平均化手段を、超音波送受信部にて受信されたエコー
信号をデジタルのエコー信号に変換するA/D変換手段
と、A/D変換手段から順次出力されるエコー信号を常
に最新の所定個数記憶する第1の信号メモリと、加算さ
れた1個の加算エコー信号を記憶する第2の信号メモリ
と、第1の信号メモリにおける最新のエコー信号から規
定個数先に書込まれれたエコー信号を読出す信号読出手
段と、A/D変換手段から順次出力されるエコー信号と
第2の信号メモリから読出された加算エコー信号とを加
算する加算部と、加算部から出力された加算エコー信号
から信号読出手段にて読出された1個のエコー信号を減
算する減算部と、減算部から出力された加算エコー信号
を第2の信号メモリへ新たな加算エコー信号として書込
む加算エコー信号更新手段と、減算部から出力された加
算エコー信号を除算して平均化されたエコー信号を得る
除算部と、平均化されたエコー信号をアナログのエコー
信号に変換するD/A変換手段とで構成している。
【0016】
【作用】このように構成された管内形状検査装置の動作
原理(作用)を説明する。各斜角探触子は管体の外周面
における溶接部を挟んだ対向位置に配設されている。そ
して、各斜角探触子は超音波パルスを管体に垂直(半径
方向)でなく、内周面に露出した溶接部方向に向かって
一定の指向角度を有して送波する。したがって、内周面
に露出した溶接部に全く凹凸が存在しなければ、送波し
た超音波パルスの反射波は受波しない。よって、この場
合、この斜角探触子に接続された超音波送受信部から出
力されるエコー信号にはエコーが含まれない。内周面に
露出した溶接部に凹凸が存在すれば、斜角探触子はこの
溶接部の形状における斜角探触子に対向する部分で反射
されたエコーを受波する。
【0017】同様に、この溶接部の反対側に配設された
斜角探触子においても前記内周面の溶接部に自己の斜角
探触子に対向する部分が存在すれば、この部分からのエ
コーを受波する。
【0018】内周面に露出した一つの溶接部の形状にお
いても、超音波パルスの入射方向が異なるので、溶接部
に凹凸が存在すれは、必ずいずれか一方の斜角探触子に
対向する傾斜面ができ、溶接形状の各斜角探触子に対向
する傾斜面に対応する各エコーがそれぞれの斜角探触子
にて受波される。
【0019】また、各超音波送受信部で受信された各エ
コー信号を複数の測定期間に分割すれば、各測定期間が
溶接形状のどの部分に対応するかが一義的に定まる。し
たがって、各エコー信号における各測定期間のエコーを
検出することによって、溶接形状がある程度特定でき
る。
【0020】さらに、同期加算平均化手段を用いること
によって、超音波送受信部から出力されるエコー信号の
S/Nを上昇させている。すなわち、例えば管体を軸方
向に移動させながらオンライン検査する場合に、超音波
送受信部に起因する電気雑音や管体の材料の結晶粒界や
表面構造に起因する雑音を除去できる。
【0021】また、凹凸を有する同一種類の溶接形状は
管体の軸方向に一定長以上継続し、欠陥は溶接形状に比
較して短いので、エコー信号を平均化することによっ
て、欠陥に起因するエコーの割合を小さくして、溶接形
状に起因するエコーのみを高いS/Nで検出できる。
【0022】請求項2の発明においては、内周面に露出
している溶接部に一つの傾斜面が存在した場合に、この
傾斜面に対向する斜角探触子のみにエコーが受波され、
この傾斜面に対向しない斜角探触子にはエコーは受波さ
れない。一方、各ゲート手段によって、各測定期間毎に
該当測定期間にエコーが検出されると、該当エコーは溶
接部における概略の発生位置範囲が特定される。
【0023】したがって、溶接部に一つの傾斜面が存在
すると、この傾斜面の傾斜方向と溶接部内の概略の位置
が特定される。その結果、各エコー検出手段におけるエ
コー検出有無の組合わせに応じて、いずれの方向に傾斜
している傾斜面を有するか等の溶接形状の種類を特定で
きる。
【0024】請求項3の発明においては、超音波パルス
は一定の指向角を有して管体内を伝播するので、対向す
る傾斜面の面積が広くなれば、反射される超音波パルス
のエネルギーも大きくなる。よって、ある特定の斜角探
触子のある特定の測定時間に検出されたエコーのエコー
高さ(信号レベル)は、対向する傾斜面の面積すなわ
ち、内周面の溶接形状の半径方向寸法に対応する。
【0025】請求項4の発明においては、各計測時間に
おいて検出されたエコーの超音波パルスのビーム路程
は、該当超音波パルスを送波した斜角探触子からエコー
に対応する傾斜面までの距離に対応する。斜角探触子の
位置は既知であるので、内周面における溶接形状の該当
傾斜面の位置が特定される。よって、溶接形状の周方向
寸法が算出可能である。
【0026】したがって、この請求項4の発明によっ
て、検査対象の内周面における溶接形状の種類、半径方
向寸法、周方向寸法が特定される。また、請求項5の発
明においては、同期加算平均化手段をデジタル処理で実
現しているので、時間遅れなく高速に平均化処理が可能
である。
【0027】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は実施例の管内形状検査装置の概略構成を示す
ブロック図である。例えば電縫管等の管体5は図示しな
い搬送機構によって、紙面に直交する軸方向に搬送され
ながら、溶接部6の外周面の露出部分6a及び内周面の
露出部分6bが図示しないビード切削機で切削される。
【0028】このビード切削機の排出口近傍に切削済み
の管体5の内周面の溶接部6の露出部分6b(溶接ビー
ド)の溶接形状を検査する管内形状検査装置が配設され
ている。図示するように、管体5の外周面上の溶接部6
を挟んだ対向位置に一対の斜角探触子7a,7bが配設
されている。具体的には、各斜角探触子7a,7bは管
体5の外周面に対して局部水浸接触法で取付けられてい
る。各斜角探触子7a,7b内の各振動子8a,8bは
超音波パルスPa,Pbの伝播方向が溶接部6の内周面
の中心位置を通過するように角度調整されている。
【0029】各斜角探触子7a,7bには、同一構成の
超音波送受信部9a,9bから一定周期T0 で送信パル
スが印加され、この送信パルスが各振動子8a,8bに
印加されることによって、超音波パルスPa,Pbが管
体5内へ入射される。各斜角探触子7a,7bは、管体
5内に欠陥が存在したり、内周面の溶接部6に凹凸が存
在すると、これ等で反射されたエコーを各振動子8a,
8bで受波してエコー信号a,bとして対応する各超音
波送受信部9a,9bヘ送出する。
【0030】すなわち、各超音波パルスPa,Pbは、
図2(a)に示すように角度θの指向性を有しており、
この角度θ内に広がって伝播する。したがって、内周面
における露出部分6bの溶接形状の各斜角探触子7a,
7bに対向する各傾斜面からの反射波(エコー)を受波
する。したがって、各斜角探触子7a,7bから出力さ
れる各エコー信号a,bには手前側の傾斜面からのエコ
ーと奥側の傾斜面からのエコーとの2つのエコー又はそ
れ以上のエコーが含まれる。
【0031】なお、実施例装置においては、斜角探触子
7a,7bの各振動子8a,8bは、8×9mm2 の面
積を有し、かつ5MHzの振動周波数を有する。また、屈
折角度は45度である。
【0032】また、各超音波送受信部9a,9bから各
斜角探触子7a,7bへ送出される送信パルスの周期T
0 は1msであり、各斜角探触子7a,7bから管体5
内へ入射される超音波パルスPa,Pbが互いに干渉し
ないように、0.5msだけ位相をずらせている。
【0033】さらに、検査対象の管体5は外径が219.1
mmで厚みtが8.2 mmの電縫管である。そして、この管体
5は搬送機構によって、1m/sの速度で軸方向に搬送
されている。その結果、各斜角探触子7a,7bから管
体5内へ入射される超音波パルスPa,Pbの管体5に
対する軸方向入射密度は1mm/sとなる。
【0034】各超音波送受信部9a,9bは受信したエ
コー信号a,bを次の同期加算平均化回路10a,10
bへ送出する。同期加算平均化回路10a,10bは受
信したエコー信号a.bを例えばNa周期分加算して平
均化する。平均化された各エコー信号a1 ,b1 はそれ
ぞれ2個のゲート回路11a,11b,11c,11d
へ入力される。
【0035】各超音波送受信部9a,9bから出力され
るエコー信号a,bは図3に示すように、送信パルスc
に同期する表面エコー(Sエコー)と露出部分6bの溶
接形状に起因するエコーとが含まれるが、ゲート回路1
1aは、左側の斜角探触子7aからのエコー信号a1
うち、図2(a)に示すように、溶接部6の溶接中心か
ら手前側、すなわち露出部分6bの溶接形状の斜角探触
子7a側(手前側)の傾斜面に起因するエコーのみを含
む測定期間TGAのみ通過させる。具体的には送信パルス
cの送出時刻から時間T1 経過後に測定期間TGAのみゲ
ートを開く。
【0036】また、ゲート回路11bは、同左側の斜角
探触子7aからのエコー信号a1 のうち、図2(a)に
示すように、溶接部6の溶接中心から奥側、すなわち露
出部分6bの形状の斜角探触子7b側(右側)の傾斜面
に起因するエコーのみを含む測定期間TGBのみ通過させ
る。具体的には送信パルスcの送出時刻から時間T2
過後に測定期間TGBのみゲートを開く。
【0037】なお、右側の斜角探触子7bからのエコー
信号b1 の通過時間を制御する各ゲート回路11c,1
1dは前記ケード回路11a,11bと同一測定期間T
GA,TGBを有する。
【0038】実施例装置においては、各ゲート回路11
a〜11dは例えばアナログスイッチ等を用いて構成さ
れている。そして、前述した形状の管体5及び各斜角探
触子7a,7bを採用した場合においては、超音波パル
スPa,Pbの管体5に対する入射点から内周面の溶接
中心までの距離は12.1mmであり、管体5内を伝播する超
音波パルスPa,Pbの音速を3230m/s とすると、超音
波パルスPa,Pbが入射点から内周面の溶接中心まで
伝播するのに要する時間は7.492 μsである。よって、
手前側の各エコーを抽出する各ゲート回路11a,11
cの測定期間は3.5 〜7.4 μsの時間範囲に設定し、奥
側の各エコーを抽出する各ゲート回路11b,11dの
測定期間は7.5 〜11.5μsの時間範囲に設定している。
【0039】ここで、各エコー信号a,bの信号波形と
内周面における露出部6bの溶接形状との関係を図2及
び図3を用いて説明する。図2(a)(b)(c)
(d)はそれそれ内周面における露出部6bの異なる溶
接形状に対して斜角探触子7aから超音波パルスPaが
伝播された状態を示す。そして、図3(a)(b)
(c)(d)は図2(a)(b)(c)(d)の状態に
対応するエコー信号aの各波形を示す。
【0040】例えば、図2(a)においては、超音波パ
ルスPaは露出部6bの溶接形状の右側(奥側)の傾斜
面のみで反射されるので、図3(a)に示すようにエコ
ー信号aにはゲート回路11bのみにエコーが現れる。
【0041】また、図2(b)においては、超音波パル
スPaは露出部6bの溶接形状の右側の傾斜面及び左側
の傾斜面で反射されるので、図3(b)に示すようにエ
コー信号aには両方のゲート回路11a.11bにエコ
ーが現れる。
【0042】さらに、図2(c)においては、超音波パ
ルスPaは露出部6bの溶接形状の左側(手前側)の傾
斜面のみで反射されるので、図3(c)に示すようにエ
コー信号aにはゲート回路11aのみにエコーが現れ
る。
【0043】また、図2(d)に示すよように、露出部
6bの溶接形状が平坦で内周面と一致している場合にお
いては、斜角探触子7aに対向する傾斜面が存在しない
ので、図3(d)に示すように、エコー信号aには全く
エコーは現れない。
【0044】他方の斜角探触子7bから送波される超音
波パルスPbに対しても同様に露出部6bの溶接形状に
応じて、エコー信号bに現れるエコーの位置が変化す
る。したがって、各エコー信号a,bにおけるエコーの
有無及びエコー位置が決まれば、内周面における溶接部
6の露出部6bの溶接形状が定まる。
【0045】各ゲート回路11a,11b,11c,1
1dで時間抽出された各エコー信号a2 .a3 ,b2
3 はそれぞれエコー検出回路12a,12b,12
c,12dへ送出される。各エコー検出回路12a〜1
2dは例えばピークホールド回路と比較回路とで構成さ
れている。そして、各エコー検出回路12a〜12d
は、それそれ入力した各測定期間TGA,TGB分のエコー
信号a2 〜b3 に予め定められた閥値を越えるエコーが
含まれるか否かを検出し、エコー有無情報と含まれる場
合はエコー高さEを測定して内面形状特定部13へ送出
する。
【0046】内面形状特定部13は、コンピュータ等の
一種の情報処理装置で構成されており、各エコー検出回
路12a〜12dから送出されるエコー有無情報の組合
せ及び各エコー高さEに基づいて露出部分6bの溶接形
状の種類を判定し、溶接形状の半径方向寸法dを算出す
る。
【0047】具体的には、内面形状特定部13内に、図
6に示す組合せテーブル14が記憶されている。この組
合せテーブル14内には、各エコー検出回路12a〜1
2dにおける各エコー検出有無情報の1番から9番まで
の各組合せに対して、前述した内周面の溶接形状が記憶
されている。
【0048】例えば全部のエコー検出部12a〜12d
にて全くエコーを検出しない1番の組合せに対しては、
平坦な溶接形状(内周面に等しい)が記憶されている。
また、エコー検出部12b,12dにてエコーが検出さ
れる図7に示す2番目の組合せの場合は、内周面に対し
て矩形状に突出した溶接形状が記憶されている。
【0049】さらに、エコー検出部12a,12cにて
エコーが検出される3番目の組合せの場合は、図示する
ように内周面に対して矩形状に陥没した溶接形状が記憶
されている。
【0050】また、図8に示すように、エコー検出部1
2dのみにてエコーが検出される8番目の組合せの場合
は、図示するように内周面に対して楔形状に突出した溶
接形状が記憶されている。
【0051】したがって、内面形状特定部13は、各エ
コー検出部12a〜12dから各エコー検出有無情報を
受領すると、組合せテーブル14内から該当する組合せ
を検索して、この組合せに対応する溶接形状の種類を判
定して、例えばCRT表示装置にそのパータンを表示出
力いる。
【0052】次に、内面形状特定部13が各エコー検出
部12a〜12dから受領したエコー高さEを用いて先
に判定した露出部6bの溶接形状の半径方向寸法dを算
出する手順を図9を用いて説明する。図9(a)に示す
溶接形状を有する場合は、斜角探触子7aで検出された
エコー信号aには、溶接形状の左側の傾斜面で反射され
たエコー15L と右側傾斜面で反射されたエコー15R
との2つのエコーが含まれる。
【0053】それぞれのエコー15L ,15R のエコー
高さ(振幅)EL ,ER は、前述したように各傾斜面の
面積に比例するので、最終的に各傾斜面の半径方向寸法
L.dR に対応した値となる。したがって、各エコー
検出回路12a,12bで得られた各エコー高さEL
R に実験的に求められた乗数を乗算して、溶接形状の
各半径方向寸法dL .dR を算出する。算出された各寸
法は前記溶接形状のパータンに寸法を付加した形式でC
RT表示装置に表示出力する。
【0054】図9(c)は、予め既知のビード高さd
(半径方向寸法)を有した複数の溶接形状に対してエコ
ー信号aのエコー高さEを測定した場合における実測値
である。図示するように、ビード高さd(半径方向寸
法)はエコー高さEにほぼ直線比例していることが実証
された。
【0055】次に、各同期加算平均化回路10a,10
bの詳細構成及び動作を図4及び図5を用いて説明す
る。図4は同期加算平均化回路10aの概略構成を示す
ブロック図である。図1の超音波送受信部9aから入力
されアナログのエコー信号aはA/D変換器16におい
て所定のサンプリング周波数fR でデジタルのエコー信
号aD に変換されたのち、FIFO(先入れ先出)型レ
ジスタ17へ一旦格納される。
【0056】このFIFO型レジスタ17から同一サン
プリング周波数fR で順次読出されるエコー信号aD
構成するNM (=1024)個の8ビット(n=8)構
成の各データは第1の信号メモリ18へ書込まれると共
に、デジタル加算処理を行う加算器19に入力される。
【0057】第1の信号メモリ18は、図示するよう
に、エコー信号aD を記憶する256個の領域18aが
形成されている。したがって、各領域18aはNM (=
1024)個のアドレスを有し、各アドレスには8ビッ
トの各データが記憶可能である。この第1の信号メモリ
18に対する前記エコー信号aD を構成する各データの
書込アドレスWA1 は第1の書込アドレスカウンタ20
aで指定される。また、この第1の信号メモリ28に記
憶されているエコー信号aD を読出す場合の読出アドレ
スRA1 は第1の読出アドレスカウンタ20bで指定さ
れる。各カウンタ30a,30bは前記サンプリング周
波数fR と同一の周波数を有するクロック信号ckで駆
動される。
【0058】さらに、第1の読出読出アドレスカウンタ
20bの読出アドレスRA1 は第1の書込アドレスカウ
ンタ20aの書込アドレスWA1 に対して領域18aの
平均回数Na倍だけ遅れた(小さい)値になるように初
期設定されている。
【0059】RA1 =WA1 −NM ・Na =WA1 −1024・Na すなわち、入力された各エコー信号aD の各データはク
ロック信号ckに同期して増加する書込アドレスWA1
の指定する各アドレスに順番に格納されていく。同時
に、Na回前にこの第1の信号メモリ18に記憶された
エコー信号aD の同一波形位置の各データがこの書込動
作に同期して読出される。
【0060】なお、書込アドレスWA1 及び読出アドレ
スRA1 は第1の信号メモリ18の最終アドレスまで達
すると、先頭のアドレスに戻る。この第1の信号メモリ
18から読出されたNa回前のエコー信号aD の各デー
タは次のデジタル減算処理を行う減算器21に入力され
る。
【0061】また、第2の信号メモリ22は加算された
1個のエコー信号aD 、すなわち加算エコー信号aD1
構成する記憶するためのN(=1024)個のアドレス
を有し、各アドレスには16ビットの各テータが記憶可
能である。この第2の信号メモリ22には、前記減算器
21から出力された加算エコー信号の各データが順次書
込まれる。さらに、この第2の信号メモリ22から読出
された加算エコー信号aD1は前記加算器19へ入力され
る。
【0062】減算器21からの加算エコー信号の各デー
タの書込アドレスWA2 は第2の書込アドレスカウンタ
23aで指定される。また、加算器19へ送出する加算
エコー信号aD1の各データの読出アドレスRA2 は第2
の読出アドレスカウンタ23bで指定される。各カウン
タ20a,20bは前記クロック信号ckで駆動され
る。さらに、クロック信号dに同期して、前記4個の各
アドレスカウンタ20a,20b,23a,23bがエ
コー信号aD の波形信号上における同一位置、すなわち
各領域18a及び第2の信号メモリ22内の1〜102
4のなかの同一アドレスを指定するように初期設定され
ている。
【0063】加算器19は第2の信号メモリ32から読
出された加算エコー信号aD1を構成する16ビット構成
の各データと、入力されたエコー信号aD を構成する8
ビット構成の各データとを加算して、それぞれ16ビッ
ト構成のデータからなる加算エコー信号を減算器21へ
送出する。
【0064】減算器21は、加算器19から入力された
加算エコー信号の16ビット構成の各データから第1の
信号メモリ18から読出されたエコー信号の8ビット構
成の各データを減算する。そして、減算された16ビッ
ト構成のデータからなる加算エコー信号を第2の信号メ
モリ22へ送出すると共に、除算器24へ送出する。
【0065】除算器24は、例えばビットシフターで構
成されており、加算エコー信号を平均回数Naで除算し
て、平均化されたエコー信号aD2として次のFIFO型
レジスタ25へ書込む。FIFO型レジスタ25は書込
まれた平均化されたエコー信号aD2の1024個の各デ
ータを前記サンプリング周波数fR で順番に読出してD
/A変換器26へ送出する。D/A変換器26はFIF
O型レジスタ25から読出されたデジタルのエコー信号
D2を平均化されたアナログのエコー信号a1に変換し
て、第1図の各ゲート回路11a.11bへ送出する。
【0066】このように構成された同期加算平均回路1
0aの動作を説明する。最初、エコー信号aD が全く入
力していない初期状態においては、第1の信号メモリ1
8の各領域18a及び第2の信号メモリ22には全くエ
コー信号aD の各データは記憶されていない。
【0067】そして、FIFO型レジスタ17から第1
回目のエコー信号aD が入力すると、第1の信号メモリ
18の先頭の領域18aに記憶される。同時に、第2の
信号メモリ22に記憶される。すなわち、最初は第2の
信号メモリ22及び第1の信号メモリ18の読出アドレ
スRA1 が指定する領域18aの各アドレスには何も記
憶されていないので、入力したエコー信号aD は加算器
19及び減算器21を素通りして第2の信号メモリ22
に格納される。
【0068】第2回目のエコー信号aD が入力すると、
加算器19は今回のエコー信号と前回(1回目)のエコ
ー信号とを加算して、加算エコー信号を作成する。しか
し、平均回数Na>2の場合は、まだ、第1の信号メモ
リ18の読出アドレスRA1が指定する領域18aの各
アドレスに何も記憶されていないので、加算エコー信号
は減算器21を素通りして第2の信号メモリ22に格納
される。
【0069】このように、平均回数Na個のエコー信号
D が入力されるまでは、第2の信号メモリ22にエコ
ー信号が順次加算されていく。そして、平均回数Na以
上のエコー信号aD が入力されると、新規に入力したエ
コー信号aD からNa個前に入力したエコー信号が読出
されて減算器21へ送出される。
【0070】すなわち、第2の信号メモリ22に記憶さ
れている加算エコー信号aD1は新規のエコー信号aD
入力されると、この新規のエコー信号aD が加算され、
Na個前のエコー信号aD が減算される。したがって、
第2の信号メモリ22は常時最新のNa個のエコー信号
を加算した加算エコー信号aD1を記憶する。
【0071】よって、除算器24からは、最新のNa個
のエコー信号を平均化したエコー信号aD2が出力され
る。そして、この同期加算平均化回路10aから平均化
したアナログのエコー信号a1 が出力される。
【0072】なお、他方のエコー信号bを平均化する同
期加算平均化回路10bも上述したエコー信号aに対す
る同期加算平均化回路10aと同一構成である。このよ
うな構成の同期加算平均化回路10a,10bを採用す
ることによって、超音波送受信部9a,9bからから出
力される各エコー信号a,bのS/Nが上昇する。すな
わち、例えば管体5を軸方向に移動させながらオンライ
ン検査する場合に、超音波送受信部に起因する電気雑音
や管体5の材料の結晶粒界や表面構造に起因する雑音を
除去できる。
【0073】また、前述したように管体5が、鋼板を走
行させながら丸め、その突き合わせ部を連続溶接して製
造された電縫管においては、溶接部6が管体5の軸方向
に沿って形成されるので、例えば図2(a)(b)
(c)に示すような内周面の同一種類の溶接形状は管体
5の軸方向に一定長以上継続する。しかし、前記溶接に
関係しない一般的な欠陥は上述した溶接部形に比較して
短い。
【0074】したがって、エコー信号a,bを平均化す
ることによって、欠陥に起因するエコーの割合を小さく
して、溶接部形に起因するエコーをのみを高いS/Nで
検出できる。
【0075】図5は平均回数Naを4に設定した場合に
おける、同期加算平均化回路10aへ入力前の各エコー
信号aの波形と、同期加算平均化回路10aにて平均化
されたエコー信号a1 の波形との比較を示す実測図であ
る、図示するように、平均化されたエコー信号a1 にお
けるエコーのS/Nが大幅に向上していることが理解で
きる。
【0076】なお、平均回数Naは、第1の書込アドレ
スカウンタ20a及び第1の読出アドレスカウンタ20
bのカウント値WA1 ,RA1 の関係を適宜設定するこ
とによって簡単に変更できる。
【0077】なお、実施例装置においては、この各同期
加算平均化回路10a,10bにおけるエコー信号a,
bの平均回数Naは、溶接に起因しない欠陥の軸方向長
さ等を考慮して、Na=128回に設定している。
【0078】このことは、管体5の走行速度が1m/s
で超音波パルスPa,Pbのc送波周期T0 が1msで
あるから、管体5における軸方向の128mm分の平均
に相当する。この程度の平均回数でも、内周面の溶接部
6の溶接形状は殆ど変化しないで、得られるエコー信号
a,bに含まれるエコー高さEは減少しない。
【0079】これに対して、管体5における欠陥の軸方
向長さは、長くても20mm程度である。したがって、
128mmの長さに亘って平均化すると、この欠陥に起
因するエコー高さの平均値が大幅に低下する。すなわ
ち、エコー信号a,bから欠陥に起因するエコーを除去
でき、溶接形状に起因するエコーのみを高いS/Nで抽
出できる。特に、電気性雑音に対しては、S/Nを12
1/2 (約21dB)向上させることができるため、溶
接部のわずかな段差を検出できる。
【0080】図10は本発明の他の実施例に係わる管内
形状検査装置の概略構成を示すブロック図である。図1
に示す実施例装置と同一部分には同一符号が付してあ
る。したがって、重複する部分の詳細説明は省略されて
いる。
【0081】この実施例装置においては、ゲート回路1
1aから出力されたエコー信号a2はエコー高さ検出回
路41a及びビーム路程検出回路42aへ入力される。
同様に、ゲート路11bから出力されたエコー信号a3
はエコー高さ検出回路41b及びビーム路程検出回路4
2bへ入力される。
【0082】さらに、ゲート回路11cから出力された
エコー信号b2 はエコー高さ検出回路41c及びビーム
路程検出回路42cへ入力される。ゲート回路11dか
ら出力されたエコー信号b3 はエコー高さ検出回路41
d及びビーム路程検出回路42dへ入力される。
【0083】各エコー高さ検出回路41a〜41dは入
力したエコー信号a2 ,a3 ,b2,b3 に閥値以上の
エコーが含まれるか否かを判断して、含まれる場合はそ
のエコーの高さEを測定して、次の内面形状特定部43
へ送出する。また、各ビーム路程検出回路42a〜42
dは、図11に示すように、入力したエコー信号a2
3 ,b2 ,b3 にエコーが含まれていた場合に、エコ
ーa,bの管体5に対する超音波パルスPa,Pbの入
射時刻からエコーの立上がり時刻までの時間Ta,Tb
を測定して、超音波パルスPa,Pbのビーム路程L
1 ,L2 を算出する。算出したビーム路程L1 ,L2
次の内面形状特定部43へ送出される。
【0084】したがって、上記各エコー高さ検出回路4
1a〜41d及び各ビーム路程検出回路42a〜42d
はエコー検出回路を構成する。次に、内面形状特定部4
3の動作を図11及び図12を用いて説明する。
【0085】先ず、内面形状特定部43は各エコー高さ
検出回路41a〜41dから受領したエコー検出有無情
報の組合わせ基づいて前述した組合せテーブル14から
溶接形状の種類を特定する。次に、各エコー高さ検出回
路41a〜41dから受領した各エコー高さEから溶接
形状の各半径方向寸法dを算出する。
【0086】さらに、内面形状特定部43は各ビーム路
程検出回路42a〜42dから受領した各ビーム路程L
から溶接形状の周方向寸法Lsを算出する。すなわち、
図12に示すように、エコーが生じた傾斜面は、超音波
パルスPa,Pbの入射点を中心にビーム路程Lの半径
の円弧と管体5の内周面の交点に存在すると見なすこと
が可能である。各斜角探触子7a,7bと溶接部6の中
心線との間の距離及び管体5の厚みtは既知であるの
で、前記傾斜面の位置、すなわち周方向位置が特定され
る。溶接波形の両端に存在する傾斜面の位置が特定され
れば、溶接波形の周方向寸法Lsが算出される。
【0087】例えば、図12に示す2番目の組合わせ種
類に対応する矩形状の溶接形状の場合は、各エコー信号
a,bは図11に示すように、エコー信号a3 ,b3
みにそれぞれエコーが存在する。そして、各エコー高さ
R ,EL が、溶接形状の両端位置における半径方向寸
法dR ,dL となる。また、各エコーにおける各ビーム
路程L1 ,L2 から溶接波形の周方向寸法Lsが算出さ
れる。
【0088】そして、判定された溶接波形のパターン及
び算出された半径方向の各寸法dR,dL 及び周方向の
寸法Lsが図示しないCRT表示装置にグラフィク表示
する。
【0089】このように構成された管内形状検査装置で
あれば、管体5の内周面における溶接形状の種類(パー
タン)のみならず、この溶接形状の各寸法も把握でき
る。したがって、この定量データをビード切削機に帰還
させることにより、ビード切削機がより緻密に制御で
き、管体5の内周面に存在する溶接に起因する僅かな凹
凸も見逃さずにより平坦にヒード切削できる。よって、
製造された管体5の歩留まり及び品質を向上できる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明の管内形状検
査装置によれば、一対の斜角探触子を溶接部を挟んだ対
向位置に配設して、内周面に露出した溶接部に対して超
音波パルスを送波し、露出した凹凸に起因するエコーを
受波している。そして、エコー信号に含まれるエコーの
位置,エコー高さ、ビーム路程等を用いて溶接形状のパ
ータン(種類),寸法等を検査している。
【0091】したがって、小径サイズの管体への適用が
可能であり、かつビード切削機の近傍に設置可能であ
り、かつ低い製造費用でもって、内周面における溶接部
の形状を確実にかつ正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる管内形状検査装置
の概略構成を示すブロック図。
【図2】 溶接作業に起因して管体の内周面に生じる溶
接形状及び各溶接形状にて超音波パルスが反射される状
態を示す模式図。
【図3】 同実施例装置におけるエコー信号とゲート回
路の測定期間との関係を示す図。
【図4】 同実施例装置に組込まれた同期加算平均化回
路の概略構成を示すプロック図。
【図5】 同同期加算平均化回路の平均化動作を示すエ
コー波形図。
【図6】 同実施例装置内に記憶された組合せテーブル
を示す図。
【図7】 溶接形状とエコー信号波形との関係を示す
図。
【図8】 同じく溶接形状とエコー信号波形との関係を
示す図。
【図9】 同実施例装置における溶接形状の半径方向寸
法の測定原理及び実測値を示す図。
【図10】 本発明の他の実施例に係わる管内形状検査
装置の概略構成を示すブロック図。
【図11】 同実施例装置にて測定されたエコー信号波
形図。
【図12】 同実施例装置における溶接形状の周方向寸
法の測定原理を示す図。
【図13】 従来の管内形状測定手法を示す模式図。
【図14】 同じく従来の管内形状測定手法を示す模式
図。
【符号の説明】
5…管体.6…溶接部、7a,7b…斜角探触子、9
a,9b…超音波送受信部、10a,10b…同期加算
平均回路、11a〜11d…ゲート回路、12a〜12
d…エコー検出回路、13,43…内面形状特定部、1
4…組合せテーブル、16…A/D変換器、17,25
…FIFO型レジスタ、18…第1の信号メモリ、19
…加算器、21…減算器、22…第2の信号メモリ、2
6…D/A変換器、41a〜41d…エコー高さ検出回
路、42a〜42d…エコー高さ検出回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中沢 晋 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−164540(JP,A) 特開 平4−151553(JP,A) 特開 昭63−281045(JP,A) 特開 昭59−28612(JP,A) 特開 昭62−70706(JP,A) 特開 昭54−80183(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 17/00 - 17/04 G01N 29/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管体の外周面上における溶接部を挟んだ
    対向位置に配設され、内周面に露出した溶接部方向へ超
    音波パルスを送波し反射波を受波する一対の斜角探触子
    と、この各斜角探触子に対して一定周期で送信パルスを
    印加しかつエコー信号を受信する一対の超音波送受信部
    と、この受信されたエコー信号を複数周期に亘って平均
    化する一対の同期加算平均化手段と、この平均化された
    エコー信号における互いに異なる測定期間を指定する複
    数のゲート手段と、この指定された測定期間に含まれる
    前記内周面の溶接部に起因するエコーを検出する複数の
    エコー検出手段と、この検出され各エコーに基づいて内
    周面の溶接形状を特定する内面形状特定部とを備えた管
    内形状検査装置。
  2. 【請求項2】 前記内面形状特定部は、前記各エコー検
    出手段におけるエコー検出有無情報の組合せに基づいて
    前記溶接形状の種類を判定する溶接形状種類判定手段を
    有することを特徴とする請求項1記載の管内形状検査装
    置。
  3. 【請求項3】 前記内面形状特定部は、前記各エコー検
    出手段にて検出されたエコーのエコー高さより前記溶接
    形状の半径方向寸法を算出する半径方向寸法算出手段を
    有することを特徴とする請求項2記載の管内形状検査装
    置。
  4. 【請求項4】 前記各エコー検出手段は検出したエコー
    までの前記超音波パルスのビーム路程を検出するビーム
    路程検出手段を有し、 前記内面形状特定部は、前記検出された各ビーム路程よ
    り前記溶接形状の周方向寸法を算出する周方向寸法算出
    手段を有することを特徴とする請求項3記載の管内形状
    検査装置。
  5. 【請求項5】 前記同期加算平均化手段は、前記超音波
    送受信部にて受信されたエコー信号をデジタルのエコー
    信号に変換するA/D変換手段と、このA/D変換手段
    から順次出力されるエコー信号を常に最新の所定個数記
    憶する第1の信号メモリと、加算された1個の加算エコ
    ー信号を記憶する第2の信号メモリと、前記第1の信号
    メモリにおける最新のエコー信号から規定個数先に書込
    まれれたエコー信号を読出す信号読出手段と、前記A/
    D変換手段から順次出力されるエコー信号と前記第2の
    信号メモリから読出された加算エコー信号とを加算する
    加算部と、この加算部から出力された加算エコー信号か
    ら前記信号読出手段にて読出された1個のエコー信号を
    減算する減算部と、この減算部から出力された加算エコ
    ー信号を前記第2の信号メモリへ新たな加算エコー信号
    として書込む加算エコー信号更新手段と、前記減算部か
    ら出力された加算エコー信号を除算して平均化されたエ
    コー信号を得る除算部と、この平均化されたエコー信号
    をアナログのエコー信号に変換するD/A変換手段とで
    構成されたことを特徴とする請求項1記載の管内形状検
    査装置。
JP5174017A 1993-07-14 1993-07-14 管内形状検査装置 Expired - Lifetime JP2943567B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5174017A JP2943567B2 (ja) 1993-07-14 1993-07-14 管内形状検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5174017A JP2943567B2 (ja) 1993-07-14 1993-07-14 管内形状検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0727551A JPH0727551A (ja) 1995-01-27
JP2943567B2 true JP2943567B2 (ja) 1999-08-30

Family

ID=15971190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5174017A Expired - Lifetime JP2943567B2 (ja) 1993-07-14 1993-07-14 管内形状検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2943567B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9335305B2 (en) * 2011-01-06 2016-05-10 The Lubrizol Corporation Ultrasonic measurement
WO2013076850A1 (ja) * 2011-11-24 2013-05-30 トヨタ自動車株式会社 溶接溶け込み深さ検査方法
JPWO2013076850A1 (ja) * 2011-11-24 2015-04-27 トヨタ自動車株式会社 溶接溶け込み深さ検査方法
CN111373254B (zh) 2017-12-12 2023-05-09 日本制铁株式会社 缺陷检测装置、缺陷检测方法以及程序

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0727551A (ja) 1995-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11183446A (ja) 溶接部の超音波探傷方法および装置
JPH04265853A (ja) 管のid傷とod傷を識別するための傷深度識別方法及び装置
JP3299655B2 (ja) 多層構造体の検査のための超音波探傷装置及びその超音波探傷方法
JP2003004710A (ja) 肉盛管の検査方法
JP2002213936A (ja) 材料厚さの非接触測定方法及び装置
JP2943567B2 (ja) 管内形状検査装置
JP2009058238A (ja) 欠陥検査方法および装置
JP3446009B2 (ja) 鋼管の超音波探傷方法及びその装置
CN103207240B (zh) 一种斜探头超声场纵向声压分布的测量方法
JPH07333201A (ja) 配管の超音波探傷方法
JPS60125513A (ja) 超音波による塗膜上からの板厚測定装置
JP2002071332A (ja) クラッド鋼合わせ材厚さ測定用探触子
JP2002277447A (ja) 超音波探傷方法および装置
JP3707473B2 (ja) 鋼管の超音波探傷方法及びその装置
CN218567265U (zh) 一种用于检测焊缝横向裂纹的装置
JP2004085478A (ja) 超音波式探傷方法及び装置
JP4143527B2 (ja) 薄板超音波探傷装置
JP2001153850A (ja) 超音波探傷画像表示方法及び超音波探傷画像表示装置
JPH1038862A (ja) 鉄損値評価方法及びその装置
JPS5831871B2 (ja) 超音波探傷方法
JPS61176850A (ja) スポツト溶接部の良否判定方法
JP3023642B2 (ja) 溶接式管継手における差し込み深さ測定方法
JP2000266732A (ja) 鋼管の超音波探傷方法および探傷装置
CA1067614A (en) Pulse-echo method and system for testing wall thicknesses
JP4549512B2 (ja) 超音波探傷装置および方法