JP2943200B2 - 透光性Mg―Al―O―N焼結体 - Google Patents
透光性Mg―Al―O―N焼結体Info
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- JP2943200B2 JP2943200B2 JP2009861A JP986190A JP2943200B2 JP 2943200 B2 JP2943200 B2 JP 2943200B2 JP 2009861 A JP2009861 A JP 2009861A JP 986190 A JP986190 A JP 986190A JP 2943200 B2 JP2943200 B2 JP 2943200B2
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- alon
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた透光性と強度とを兼ね備えたセラミ
ツクス系の焼結体からなる新しい透光性材料に関する。
ツクス系の焼結体からなる新しい透光性材料に関する。
セラミツクス系の透光性材料としては、粒界散乱が起
こりにくい立方晶の結晶粒子からなる焼結体が優れてお
り、従来から多様な透光性焼結体が開発されている。
こりにくい立方晶の結晶粒子からなる焼結体が優れてお
り、従来から多様な透光性焼結体が開発されている。
かかる透光性材料の中で、中赤外領域(波長2〜4μ
m)での透過率に優れた焼結体として、スピネル(MgAl
2O4)焼結体及び酸窒化アルミニウム(AlON)焼結体が
知られている。
m)での透過率に優れた焼結体として、スピネル(MgAl
2O4)焼結体及び酸窒化アルミニウム(AlON)焼結体が
知られている。
MgAl2O4焼結体は、常圧焼結では十分な透光性を得る
のが極めて困難であるが、焼結助剤を用いなくても約15
00℃で緻密化し、比較的容易に理論密度に近い焼結体が
得られる等、焼結性に優れている特徴がある。更に、ホ
ツトプレス法やHIP法の適用により透光性の高い焼結体
が得られる。しかし、MgAl2O4焼結体の曲げ強度は約180
MPaであり(SPIE,vol.505,1984,p15)、赤外透過窓など
の強度を要求される用途に用いるには極めて不十分であ
つた。
のが極めて困難であるが、焼結助剤を用いなくても約15
00℃で緻密化し、比較的容易に理論密度に近い焼結体が
得られる等、焼結性に優れている特徴がある。更に、ホ
ツトプレス法やHIP法の適用により透光性の高い焼結体
が得られる。しかし、MgAl2O4焼結体の曲げ強度は約180
MPaであり(SPIE,vol.505,1984,p15)、赤外透過窓など
の強度を要求される用途に用いるには極めて不十分であ
つた。
一方、AlON焼結体は前記MgAl2O4焼結体のほぼ二倍に
相当する約300MPaの曲げ強度を有する。しかしながら、
AlON焼結体は一般に難焼結性であつて、通常Y2O3などの
希土類酸化物を焼結助剤として添加し、1900℃以上の高
温で焼結することにより初めて緻密化が可能である。従
つて、製造コストが高くなるばかりか、焼結助剤の添加
により特定波長の吸収が生じる可能性があるなどの欠点
があつた。
相当する約300MPaの曲げ強度を有する。しかしながら、
AlON焼結体は一般に難焼結性であつて、通常Y2O3などの
希土類酸化物を焼結助剤として添加し、1900℃以上の高
温で焼結することにより初めて緻密化が可能である。従
つて、製造コストが高くなるばかりか、焼結助剤の添加
により特定波長の吸収が生じる可能性があるなどの欠点
があつた。
本発明はかかる従来の事情に鑑み、焼結が容易であつ
て、中赤外領域に優れた透光性を有すると同時に、赤外
透過窓材などとして利用出来る高強度な焼結体からなる
新規な透光性材料を提供することを目的とする。
て、中赤外領域に優れた透光性を有すると同時に、赤外
透過窓材などとして利用出来る高強度な焼結体からなる
新規な透光性材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は新規な透光性材料
として、Mg、Al、O及びNを主成分とする立方晶の結晶
粒子からなる透光性Mg−Al−O−N焼結体を提供する。
として、Mg、Al、O及びNを主成分とする立方晶の結晶
粒子からなる透光性Mg−Al−O−N焼結体を提供する。
本発明者等は、AlON焼結体の難焼結体とMgAl2O4焼結
体の強度不足を云う夫々の欠点を解決するため検討を重
ね、新規な透光性Mg−Al−O−N焼結体を開発するに至
つたものである。
体の強度不足を云う夫々の欠点を解決するため検討を重
ね、新規な透光性Mg−Al−O−N焼結体を開発するに至
つたものである。
Mg−Al−O−N焼結体は、Mg、Al、O及びNを含む粉
末を1400℃以上の非酸化性雰囲気で焼結することによつ
て製造できるが、特定の比率でMg、Al、O及びNを含む
粉末を用いることによつて結晶粒子が立方晶となり、優
れた透光性を示すようになる。焼結体が立方晶となるM
g、Al、O及びNの組成範囲は、Mg−Al−O−N系擬4
元状態図である添付図面の点A、B、C、Dを結ぶ直線
で囲まれる範囲内(斜線部分)である。尚、上記各点で
の組成(モル比)は、A(Al2O3:AlN=78:22)、B(Al
2O3:MgO=40:60)、C(Al2O3:MgO=60:40)及びD(Al
2O3:AlN=56:44)である。
末を1400℃以上の非酸化性雰囲気で焼結することによつ
て製造できるが、特定の比率でMg、Al、O及びNを含む
粉末を用いることによつて結晶粒子が立方晶となり、優
れた透光性を示すようになる。焼結体が立方晶となるM
g、Al、O及びNの組成範囲は、Mg−Al−O−N系擬4
元状態図である添付図面の点A、B、C、Dを結ぶ直線
で囲まれる範囲内(斜線部分)である。尚、上記各点で
の組成(モル比)は、A(Al2O3:AlN=78:22)、B(Al
2O3:MgO=40:60)、C(Al2O3:MgO=60:40)及びD(Al
2O3:AlN=56:44)である。
かかる透光性Mg−Al−O−N焼結体の製造に用いる原
料粉末としては、MgO、Al2O3、MgAl2O4、AlN、AlONなど
があり、これら粉末を混合して用いても組成さえ適切で
あれば立方晶の焼結体を得ることが出来るが、十分な均
一性を得るためには特定組成に生成したMg−Al−O−N
固溶体の粉末を用いることが好ましい。又、良好な焼結
性を得るため、これら原料粉末の平均粒径は0.5μm以
下が好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。
料粉末としては、MgO、Al2O3、MgAl2O4、AlN、AlONなど
があり、これら粉末を混合して用いても組成さえ適切で
あれば立方晶の焼結体を得ることが出来るが、十分な均
一性を得るためには特定組成に生成したMg−Al−O−N
固溶体の粉末を用いることが好ましい。又、良好な焼結
性を得るため、これら原料粉末の平均粒径は0.5μm以
下が好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。
尚、Mg−Al−O−N焼結体は焼結性が良いので焼結助
剤を添加する必要はない。勿論、焼結助剤を添加すれば
更に焼結性の向上が見られるが、有害な吸収が生じるこ
とがあるので焼結助剤の添加には注意を要する。
剤を添加する必要はない。勿論、焼結助剤を添加すれば
更に焼結性の向上が見られるが、有害な吸収が生じるこ
とがあるので焼結助剤の添加には注意を要する。
又、高い透光性を得るためには、空孔が残存しないよ
うに焼結時の昇温速度を低く抑えると共に、キープ温度
も必要最低限度とし且つキープ時間を長くすることが望
ましい。更に、ホツトプレス法やHIP法を適用すること
により、透光性が極めて高い焼結体を得ることが可能で
ある。
うに焼結時の昇温速度を低く抑えると共に、キープ温度
も必要最低限度とし且つキープ時間を長くすることが望
ましい。更に、ホツトプレス法やHIP法を適用すること
により、透光性が極めて高い焼結体を得ることが可能で
ある。
このようにして得られるMg−Al−O−N焼結体は、波
長2〜4μmの中赤外領域における透過率がAlON焼結体
やMgAl2O4焼結体と同等であり、しかも強度はMgAl2O4焼
結体より高くAION焼結体と同等又はそれ以上である。
長2〜4μmの中赤外領域における透過率がAlON焼結体
やMgAl2O4焼結体と同等であり、しかも強度はMgAl2O4焼
結体より高くAION焼結体と同等又はそれ以上である。
平均粒径0.3μmのMgAl2O4粉末と、平均粒径0.4μm
の立方晶AlON粉末とを下表に示す比率で配合し、ボール
ミルを用いエタノールを溶媒として24時間混合した。更
に有機バインダーを混合してプレス成形した後、大気中
600℃で2時間加熱して有機バインダーを分解除去し
た。この成形体を1気圧の窒素雰囲気中において1800℃
で6時間焼結してMg−Al−O−N焼結体を得た。
の立方晶AlON粉末とを下表に示す比率で配合し、ボール
ミルを用いエタノールを溶媒として24時間混合した。更
に有機バインダーを混合してプレス成形した後、大気中
600℃で2時間加熱して有機バインダーを分解除去し
た。この成形体を1気圧の窒素雰囲気中において1800℃
で6時間焼結してMg−Al−O−N焼結体を得た。
得られたMg−Al−O−N焼結体の表面を研磨し、密度
と曲げ強度を測定し、更に試料厚さ2mmでの波長3μm
の中赤外光の透過率を測定した。
と曲げ強度を測定し、更に試料厚さ2mmでの波長3μm
の中赤外光の透過率を測定した。
得られた結果を下表に示した。
各焼結体の結晶構造をX線解析で調査したところ、試
料6では僅かに3Y2O3・5Al2O3(YAG)のピークが観察さ
れたが、他は全て立方晶であつた。又、その格子定数は
AlONとMgAl2O4の間で配合比にほぼ対応した値であつ
た。
料6では僅かに3Y2O3・5Al2O3(YAG)のピークが観察さ
れたが、他は全て立方晶であつた。又、その格子定数は
AlONとMgAl2O4の間で配合比にほぼ対応した値であつ
た。
本発明によれば、焼結助剤を用いなくても緻密化出来
る優れた焼結性を有し、中赤外領域における透過率がAl
ON焼結体やMgAl2O4焼結体と同等であり、しかも強度はM
gAl2O4焼結体より高くAlON焼結体と同等又はそれ以上で
ある、新規な透過性Mg−Al−O−N焼結体を提供するこ
とが出来る。
る優れた焼結性を有し、中赤外領域における透過率がAl
ON焼結体やMgAl2O4焼結体と同等であり、しかも強度はM
gAl2O4焼結体より高くAlON焼結体と同等又はそれ以上で
ある、新規な透過性Mg−Al−O−N焼結体を提供するこ
とが出来る。
本発明の透光性Mg−Al−O−N焼結体は、強度を要求
される光学用途、特に赤外透過窓材として有用である。
される光学用途、特に赤外透過窓材として有用である。
図面はMg−Al−O−N系擬4元状態図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/58 301
Claims (1)
- 【請求項1】Mg、Al、O及びNを主成分とする立方晶の
結晶粒子からなる透光性Mg−Al−O−N焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009861A JP2943200B2 (ja) | 1990-01-19 | 1990-01-19 | 透光性Mg―Al―O―N焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009861A JP2943200B2 (ja) | 1990-01-19 | 1990-01-19 | 透光性Mg―Al―O―N焼結体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03215365A JPH03215365A (ja) | 1991-09-20 |
JP2943200B2 true JP2943200B2 (ja) | 1999-08-30 |
Family
ID=11731922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009861A Expired - Fee Related JP2943200B2 (ja) | 1990-01-19 | 1990-01-19 | 透光性Mg―Al―O―N焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2943200B2 (ja) |
-
1990
- 1990-01-19 JP JP2009861A patent/JP2943200B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03215365A (ja) | 1991-09-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |