JP2943084B2 - 可変ポンプ・モータのロッカーカム傾転装置 - Google Patents

可変ポンプ・モータのロッカーカム傾転装置

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JP2943084B2 JP3145313A JP14531391A JP2943084B2 JP 2943084 B2 JP2943084 B2 JP 2943084B2 JP 3145313 A JP3145313 A JP 3145313A JP 14531391 A JP14531391 A JP 14531391A JP 2943084 B2 JP2943084 B2 JP 2943084B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロッカーカムを揺動し
て、吐出量、つまり容量を可変とする可変ポンプ・モー
タのロッカーカムを傾転する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】可変ポンプ・モータは、ハウジング内に
軸とともに回転自在に支承したシリンダーブロックのシ
リンダー孔にピストンを嵌挿してシリンダー室を構成
し、そのピストンをハウジングに支承したロッカーカム
に沿って摺動するピストンシューに連結し、前記シリン
ダー室を弁板に形成した略半円形の第1・第2ポートを
経て油圧源とタンクとに略180度回転する毎に交互に
連通するようにし、シリンダーブロックの回転によりピ
ストンが伸縮して吐出し、吸込みをくりかえすようにな
り、ロッカーカムを傾転してその角度を変更することで
ピストンのストロークが変化して、吐出量を可変とする
ものである。前述のロッカーカムを傾転する装置として
は、例えば実開昭62−169268号公報に示すもの
が知られている。つまり、図1に示すように弁板aにお
ける第1ポートbと第2ポートcとの中間の上死点側に
制御ポートdを形成し、この制御ポートdを2位置切換
弁eで第1・第2ポートb、cの高圧側のポートとタン
クfに連通制御し、制御ポートdに高圧油を供給すると
ピストンのモーメント着力点A1 がロッカーカム傾転中
心gより上死点寄りとなってロッカーカムを傾転し、制
御ポートdをタンクfに連通するとピストンのモーメン
ト着力点A1 がロッカーカム傾転中心gよりやや下死点
寄りとなってロッカーカムが元の位置に傾転復帰するよ
うになる。図2に示す例は制御ポートdを上死点側と下
死点側にそれぞれ形成し、その制御ポートdに2位置切
換弁eで高圧油を供給するようにし、上死点側の制御ポ
ートdに高圧油を供給すればピストンのモーメント着力
点A1 がロッカーカム傾転中心gより上死点寄りとな
り、下死点側の制御ポートdに高圧油を供給すればピス
トンのモーメント着略点A1 がロッカーカム傾転中心g
より下死点寄りとなり、これによってロッカーカムを上
死点側、下死点側に傾転するようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者のものであると、
制御ポートdをタンクfに連通した時にロッカーカムに
作用する傾転力が弱くロッカーカムの傾転速度が遅く応
答性が悪くなる。後者のものであると、ロッカーカムに
作用する傾転力がどちらの場合にも多くなるが、走行に
限らないモータ等として用いた場合に、高圧側ポートが
正転時と逆転時で逆になるため、正転と逆転で制御ポー
トへ導かれる高圧位置が逆転し、ロッカーカムが不安定
となりモータとしては使えない。かつ、両者のものであ
ると、切換弁eを切換えるための信号を可変ポンプ・モ
ータの外部から入力しているので、信号入力手段、例え
ば電気配線、パイロット配管やスイッチ、バルブなどが
必要となってコスト高となるし、電気配線、バルブ操作
部と可変ポンプ・モータとに接続しなければならず、そ
の作業が面倒であると共に、パワーショベルの走行モー
タとして用いる場合にはスイベルジョイントにパイロッ
トポートを必要とする。
【0004】そこで、本発明は前述の課題を解決できる
ようにした可変ポンプ・モータのロッカーカム傾転装置
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】弁板における第
1・第2ポートの中間の上死点側、下死点側に制御ポー
トをそれぞれ形成し、その第1・第2ポートにおける高
圧側の高圧油を切換弁で一方の制御ポートに供給するよ
うにし、その切換弁をバネ力と第1・第2ポートの高圧
側の高圧油の圧力で切換えるようにしたもの。
【0006】
【作 用】ロッカーカムをどちらかに傾転する場合で
も大きな傾転力が作用すると共に、高圧となるポートが
反対となっても同一の制御ポートに高圧油を供給でき、
他方の制御ポートは、高圧となるポートが反対となって
も、ケースドレン側につながるし、切換えるための電気
配線、パイロット配管や切換え用のスイッチ、バルブな
どが不要となる。
【0007】
【実 施 例】図3に示すように、ケース1と端板2よ
り成るハウジング3内にシリンダーブロック4が回転自
在に配設され、このシリンダーブロック4の回転中心の
スプライン孔5にスプライン嵌合連結した軸6の一端部
がケース1の底部1aの孔7に軸受8で支承され、その
軸6の他端部は端板2の盲穴9に軸受10で支承されて
軸6とともにシリンダーブロック4が回転動するように
構成してある。前記シリンダー4にはシリンダー孔11
内にピストン12が嵌挿されてシリンダー室13を構成
し、このシリンダー室13はポート14を経て弁板15
に形成した略半円形の第1ポート、第2ポート(図示せ
ず)に略180度回転するごとに交互に開口し、各ピス
トン12に揺動自在に連結したピストンシュー16はシ
ューリテーナ17でロッカーカム18の前面に押しつけ
られている。ロッカーカム18は軸6が貫通する孔30
を有し、その後面31には角度の異なる第1・第2スト
ッパ面32,33と円弧面34が形成され、その円弧面
34がケース1の底壁1aに形成した円弧状ガイド凹溝
35に揺動自在に嵌合し、ロッカーカム18が上死点側
に傾転して第1ストッパー面32がケース1の底壁1a
の前面、つまりストッパー36に当るとロッカーカム1
8の前面37の角度が大きくなり、ロッカーカム18が
下死点側に傾転して第2ストッパー面33がストッパー
36に当るとロッカーカム18の前面37の角度が小さ
くなるようにしてある。図4に示すように、弁板15の
第1ポート40と第2ポート41の中間における上死点
側と下死点側に制御ポート42がそれぞれ形成され、そ
の第1・第2ポート40,41には油圧ポンプ43の吐
出圧油が操作弁44、ブレーキ弁45を経て供給制御さ
れ、その第1・第2ポート40,41の高圧油がシャト
ル弁46で検出されて切換弁47でどちらか一方の制御
ポート42に供給される。該切換弁47は前記端板2内
に設けられてバネ48で第1位置Aに保持され、受圧部
49にパイロット圧油が供給されると第2位置Bに切換
るパイロット式弁となり、その受圧部49には前記シャ
トル弁46で検出した高圧油が供給され、その高圧油の
圧力が設定圧力以上となると第2位置Bとなるようにし
てある。
【0008】次に作動を説明する。可変ポンプ・モータ
の負荷が小さく高圧ポートの圧力が低い時には受圧部4
9に供給されるパイロット圧油の圧力が設定圧より低く
切換弁47はバネ48で第1位置Aとなる。切換弁47
が第1位置Aとなると高圧油が下死点側の制御ポート4
2に供給され、上死点側の制御ポート42はケースドレ
ン側に連通されてピストンのモーメント着力点A1 がロ
ッカーカム中心15aより下死点寄りとなってロッカー
カム18に下死点寄り傾転力が作用して第2ストッパー
面33がストッパー36に当って前面37の角度が小さ
くなってロッカーカム18の傾転角度が小さくなり、ピ
ストン12のストロークが短くなるからシリンダーブロ
ック4が1回転するのに必要とする流量が少なくなって
軸6が高速回転する。前述の状態で可変ポンプ・モータ
の負荷が高くなって高圧ポートの圧力が高くなるとシャ
トル弁46で検出した高圧油の圧力が高くなって受圧部
49に供給されるパイロット圧油の圧力が設定圧より高
くなり、切換弁47が第2位置Bとなる。切換弁47が
第2位置Bの時には高圧油が上死点側の制御ポート42
に供給され、下死点側の制御ポート42はケースドレン
側に連通されてピストンのモーメント着力点A1 がロッ
カーカム傾転中心15aよりも上死点寄りとなり、ロッ
カーカム18に上死点寄りの傾転力が作用して第1スト
ッパー面32がストッパー36に当って前面37の角度
が大きくなってロッカーカム18の傾転角度が大となっ
てピストン12のストロークが長くなるからシリンダー
ブロック4が1回転するのに必要とする流量が多くなっ
て軸6は低速回転となる。
【0009】次に変形例を説明する。図5に示すよう
に、切換弁47の受圧部49に接続したパイロット回路
50にスローリターン弁51を設けてある。このように
すれば、受圧部49にパイロット圧油がゆっくりと供給
されてゆっくりと上昇するから、切換弁47は第1位置
Aから第2位置Bにはゆっくりと切換り、受圧部49内
のパイロット圧油は迅速に低下するから切換弁47は第
2位置Bから第1位置Aに迅速に切換わる。したがっ
て、ロッカーカムを傾転して高速回転状態から低速回転
状態にゆっくりと切換えて、その時のショックを軽減で
きるし、キャビテーションを防止でき、低速回転状態か
ら高速回転状態に迅速に切換えて操作性、加速性を向上
できる。図6に示すように、切換弁47に第2の受圧部
52を設け、この第2の受圧部52をパイロット路53
で上死点側の制御ポート42に接続した回路54に接続
してある。このようにすれば、切換弁47が第2位置B
の時に上死点側の制御ポート42に供給された高圧油の
一部が第2受圧部52に供給されるから、切換弁47を
第2位置Bに押す力が大きくなり、第2位置Bから第1
位置Aへの切換圧が低圧となり、第1位置Aから第2位
置Bへの切換圧が高圧となるため、モータ容量変更によ
り負荷圧が変動し、高速・低速のハンチングが防止でき
る。
【0010】
【発明の効果】上死点側と下死点側に制御ポート42を
形成し、その一方の制御ポート42に高圧油を供給する
ことでロッカーカム18を傾転させるので、ロッカーカ
ム18をどちらかに傾転させる場合でもロッカーカム1
8に作用する傾転力が大きくなって傾転速度が速くなる
から応答性が向上する。第1・第2ポート40,41の
高圧側の高圧油を制御ポート42に供給するので、高圧
となるポートが逆となっても常に同一の制御ポート42
に高圧油が供給されてロッカーカム18が傾転せずに安
定する。切換弁47はバネ48を検出した高圧油の圧力
で切換えられるから、外部から切換信号を入力しなくと
も良く、電気配線、パイロット配管やスイッチ・バルブ
などが不要となってコストを安くできるし、それらの接
続作業が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の説明図である。
【図2】他の従来例の説明図である。
【図3】本発明の可変ポンプ・モータの断面図である。
【図4】ロッカーカム傾転装置の説明図である。
【図5】ロッカーカム傾転装置の変形例の説明図であ
る。
【図6】ロッカーカム傾転装置の変形例の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 ケース、4 シリンダーブロック、6 軸、11
シリンダー孔、12ピストン、13 シリンダー室、1
5 弁板、16 ピストンシュー、17 シューリテー
ナ、18 ロッカーカム、40 第1ポート、41 第
2ポート、42 制御ポート、47 切換弁、48 バ
ネ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース1内にシリンダーブロック4を軸
    6とともに回転自在に支承し、そのシリンダーブロック
    4のシリンダー孔11内にピストン12を嵌挿してシリ
    ンダー室13を構成し、そのシリンダー室13を弁板1
    5の第1ポート40と第2ポート41に順次連通し、前
    記ピストン12に連結したピストンシュー16をロッカ
    ーカム18の前面に沿って摺動自在にシューリテーナ1
    7で押し付けた可変ポンプ・モータにおいて、 前記弁板15における第1ポート40と第2ポート41
    の中間における上死点側と下死点側とに制御ポート42
    をそれぞれ形成し、前記第1ポート40と第2ポート4
    1における高圧側の高圧油をシャトル弁を介して導き、
    ケースドレン側と高圧油を制御ポート42に選択的に供
    給する切換弁47を設け、 該切換弁47をバネ48で第1位置Aに保持し、検出し
    た高圧油の圧力が設定圧以上となると第2位置Bとなる
    ものとしたことを特徴とする可動ポンプ・モータのロッ
    カーカム傾転装置。
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