JP2941526B2 - 高誘電性ポリマー組成物 - Google Patents
高誘電性ポリマー組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高誘電性ポリマー組成
物、更に詳しくは、有機電子材料である有機分散形エレ
クトロルミネッセンス(EL)用バインダーやフィルムコ
ンデンサ誘電材料として有用で、特に高い比誘電率を有
し、かつ耐吸湿性に優れたポリマーから成る組成物に関
する。
物、更に詳しくは、有機電子材料である有機分散形エレ
クトロルミネッセンス(EL)用バインダーやフィルムコ
ンデンサ誘電材料として有用で、特に高い比誘電率を有
し、かつ耐吸湿性に優れたポリマーから成る組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】有機電子
材料の、たとえばEL用バインダーは、高誘電性、長寿
命化のための低吸湿性、電気的特性値の温度による不変
性(耐熱性)、蛍光体や電極面との高い接着性といった特
性を有することが要求されている。一方、こうした中
で、EL用バインダーに用いられる有機ポリマーとし
て、特に比誘電率を上げるのに有効な、双極子能率の高
いシアノ基を導入した高誘電性ポリマーが注目されつつ
あり、現在に至っている。ところで、たとえば、ポリビ
ニルアルコールやセルロース類(グルコース環含有セル
ロース、ヒドロキシエチルセルロースなど)のシアノエ
チル化物が知られているが、これらのポリマーは立体障
害等によりシアノ基の導入率に限界があり、分子内に遊
離ヒドロキシル基(活性水素)が残存して吸湿性の問題が
残る。さらに、ポリマー設計に制限がある。
材料の、たとえばEL用バインダーは、高誘電性、長寿
命化のための低吸湿性、電気的特性値の温度による不変
性(耐熱性)、蛍光体や電極面との高い接着性といった特
性を有することが要求されている。一方、こうした中
で、EL用バインダーに用いられる有機ポリマーとし
て、特に比誘電率を上げるのに有効な、双極子能率の高
いシアノ基を導入した高誘電性ポリマーが注目されつつ
あり、現在に至っている。ところで、たとえば、ポリビ
ニルアルコールやセルロース類(グルコース環含有セル
ロース、ヒドロキシエチルセルロースなど)のシアノエ
チル化物が知られているが、これらのポリマーは立体障
害等によりシアノ基の導入率に限界があり、分子内に遊
離ヒドロキシル基(活性水素)が残存して吸湿性の問題が
残る。さらに、ポリマー設計に制限がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い比誘
電率を有し、かつ残存遊離ヒドロキシル基の無い耐吸湿
性に優れた高誘電性ポリマーについて鋭意研究を進めた
ところ、特定のシアノエチル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマー単独またはこれに共重合モノマーを併用
して成るポリマーが、所期目的のポリマーに適合するこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
電率を有し、かつ残存遊離ヒドロキシル基の無い耐吸湿
性に優れた高誘電性ポリマーについて鋭意研究を進めた
ところ、特定のシアノエチル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマー単独またはこれに共重合モノマーを併用
して成るポリマーが、所期目的のポリマーに適合するこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0004】すなわち、本発明は、(m+1)価のポリ
ヒドロキシル化合物1モルにmモルのアクリロニトリル
をマイケル付加反応して得られるシアノエチル化合物
と、1モルの(メタ)アクリル酸とのエステル化反応で得
られる、式:
ヒドロキシル化合物1モルにmモルのアクリロニトリル
をマイケル付加反応して得られるシアノエチル化合物
と、1モルの(メタ)アクリル酸とのエステル化反応で得
られる、式:
【化2】 (式中、mは2または3、R1はHまたはCH3、およびR
2はアミノ基を有することもある直鎖もしくは分枝鎖ア
ルキレン基である)で示されるシアノエチル基含有(メ
タ)アクリル酸エステルモノマー(以下、シアノエチルモ
ノマーと称す)および必要に応じて共重合モノマーのポ
リマー(以下、シアノエチルポリマーと称す)から成るこ
とを特徴とする高誘電性ポリマー組成物を提供するもの
である。但し、上記共重合モノマーから式:
2はアミノ基を有することもある直鎖もしくは分枝鎖ア
ルキレン基である)で示されるシアノエチル基含有(メ
タ)アクリル酸エステルモノマー(以下、シアノエチルモ
ノマーと称す)および必要に応じて共重合モノマーのポ
リマー(以下、シアノエチルポリマーと称す)から成るこ
とを特徴とする高誘電性ポリマー組成物を提供するもの
である。但し、上記共重合モノマーから式:
【化10】 (式中、R3はHまたはCH3、R4は単結合またはアル
キレン基もしくはエステル基、およびXは芳香族炭化水
素基、脂環族炭化水素基、アミド基、環状アミド基、N
−置換アミド基またはフッ素化アルキル基であり、但
し、R3がHおよびR4が単結合のとき、Xはフェニル基
ではない)で示される共重合モノマーを除く。
キレン基もしくはエステル基、およびXは芳香族炭化水
素基、脂環族炭化水素基、アミド基、環状アミド基、N
−置換アミド基またはフッ素化アルキル基であり、但
し、R3がHおよびR4が単結合のとき、Xはフェニル基
ではない)で示される共重合モノマーを除く。
【0005】なお、本明細書を通じて、「(メタ)アクリ
ル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を指称す
る。
ル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を指称す
る。
【0006】本発明で用いるシアノエチルモノマーは、
以下の手順に従って製造することができる。すなわち、
先ず、式:
以下の手順に従って製造することができる。すなわち、
先ず、式:
【化3】 の(m+1)価のポリヒドロキシル化合物1モルにmモ
ルのアクリロニトリルを、通常酸またはアルカリ触媒の
存在下、20〜100℃、1〜48時間の条件でマイケ
ル付加反応して、式:
ルのアクリロニトリルを、通常酸またはアルカリ触媒の
存在下、20〜100℃、1〜48時間の条件でマイケ
ル付加反応して、式:
【化4】 のシアノエチル化合物を得る。
【0007】上記ポリヒドロキシル化合物としては、た
とえばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、
ペンタエリトリット等が挙げられ、特にグリセリンやペ
ンタエリトリットが好ましい。
とえばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、
ペンタエリトリット等が挙げられ、特にグリセリンやペ
ンタエリトリットが好ましい。
【0008】次に、上記シアノエチル化合物の残存ヒド
ロキシル基に対して、1モルの(メタ)アクリル酸を、通
常酸触媒の存在下、50〜150℃、4〜48時間の条
件でエステル化反応(脱水反応)させることにより、残存
ヒドロキシル基の無い、シアノエチルモノマーが得られ
る。
ロキシル基に対して、1モルの(メタ)アクリル酸を、通
常酸触媒の存在下、50〜150℃、4〜48時間の条
件でエステル化反応(脱水反応)させることにより、残存
ヒドロキシル基の無い、シアノエチルモノマーが得られ
る。
【0009】本発明において、上記シアノエチルモノマ
ーに対し必要に応じて併用しうる共重合モノマーとして
は、たとえばアクリル酸エステル(たとえばメチルアク
リレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレー
トなど)、メタクリル酸エステル(たとえばメチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシ
ルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレー
ト、2−エトキシエチルメタクリレートなど)、無水マ
レイン酸、4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無
水物、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、ス
チレン、フマル酸ジエステル類(フマル酸ジエチル、フ
マル酸ジブチル、フマル酸ジプロピルなど)、ハロゲン
化ビニル類(塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化エチ
レン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニレンなど)、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサティック酸ビニル
(シェル化学製、ベオバ)、アクリロニトリル、ビニルピ
リジン、ブタジエン等が挙げられる。
ーに対し必要に応じて併用しうる共重合モノマーとして
は、たとえばアクリル酸エステル(たとえばメチルアク
リレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレー
トなど)、メタクリル酸エステル(たとえばメチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシ
ルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレー
ト、2−エトキシエチルメタクリレートなど)、無水マ
レイン酸、4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無
水物、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、ス
チレン、フマル酸ジエステル類(フマル酸ジエチル、フ
マル酸ジブチル、フマル酸ジプロピルなど)、ハロゲン
化ビニル類(塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化エチ
レン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニレンなど)、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサティック酸ビニル
(シェル化学製、ベオバ)、アクリロニトリル、ビニルピ
リジン、ブタジエン等が挙げられる。
【0010】これらの共重合モノマーは、シアノエチル
ポリマーの機械的強度やガラス転移点(Tg)、その他各
種物性の調整に応じて、かつ高誘電特性を疎害しない量
で、通常、シアノエチルモノマー100部(重量部、以
下同様)に対し100部以下、好ましくは50部以下の
範囲で使用されてよい。100部を越える使用量では、
シアノエチルポリマーの比誘電率の低下を招く傾向にあ
る。
ポリマーの機械的強度やガラス転移点(Tg)、その他各
種物性の調整に応じて、かつ高誘電特性を疎害しない量
で、通常、シアノエチルモノマー100部(重量部、以
下同様)に対し100部以下、好ましくは50部以下の
範囲で使用されてよい。100部を越える使用量では、
シアノエチルポリマーの比誘電率の低下を招く傾向にあ
る。
【0011】本発明におけるシアノエチルポリマーは、
シアノエチルモノマーおよび必要に応じて共重合モノマ
ーを、通常の重合方法に従って、たとえば重合開始剤お
よび要すれば連鎖移動剤の存在下、塊状重合、溶液重
合、光重合等に付すことにより製造することができる。
シアノエチルモノマーおよび必要に応じて共重合モノマ
ーを、通常の重合方法に従って、たとえば重合開始剤お
よび要すれば連鎖移動剤の存在下、塊状重合、溶液重
合、光重合等に付すことにより製造することができる。
【0012】上記重合開始剤としては、たとえば過酸化
物系(ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハ
イドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジ
アシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキ
シジカーボネートなど)やアゾ系[2,2'−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2'−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾ
ビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−
[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、
2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバ
レロニトリルなど]が挙げられる。使用量は通常、シア
ノエチルモノマー100部に対し0.1〜5部、好まし
くは0.1〜1部の範囲で選定すればよい。使用量が必
要以上に多いと、シアノエチルポリマーの分子量が低下
したり、あるいは未反応不純物として残存し電気特性に
悪影響を及ぼす傾向にある。
物系(ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハ
イドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジ
アシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキ
シジカーボネートなど)やアゾ系[2,2'−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2'−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾ
ビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−
[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、
2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバ
レロニトリルなど]が挙げられる。使用量は通常、シア
ノエチルモノマー100部に対し0.1〜5部、好まし
くは0.1〜1部の範囲で選定すればよい。使用量が必
要以上に多いと、シアノエチルポリマーの分子量が低下
したり、あるいは未反応不純物として残存し電気特性に
悪影響を及ぼす傾向にある。
【0013】上記連鎖移動剤としては、通常汎用されて
いるメルカプタン類(たとえばn−ブチルメルカプタン、
オクチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ベンジ
ルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン等の脂肪
族、芳香族、脂環族のもの)が挙げられる。使用量は通
常、シアノエチルモノマー100部に対し5部以下、好
ましくは1部以下の範囲で選定すればよい。この場合も
必要以上の使用量では、重合開始剤と同様な問題が生じ
る傾向にある。
いるメルカプタン類(たとえばn−ブチルメルカプタン、
オクチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ベンジ
ルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン等の脂肪
族、芳香族、脂環族のもの)が挙げられる。使用量は通
常、シアノエチルモノマー100部に対し5部以下、好
ましくは1部以下の範囲で選定すればよい。この場合も
必要以上の使用量では、重合開始剤と同様な問題が生じ
る傾向にある。
【0014】本発明に係る高誘電性ポリマー組成物は、
上記シアノエチルポリマー、さらに必要に応じて通常の
UV硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、熱可塑性
樹脂組成物などの樹脂、充填剤、染顔料、その常用添加
剤等を適量配合した系で構成される。
上記シアノエチルポリマー、さらに必要に応じて通常の
UV硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、熱可塑性
樹脂組成物などの樹脂、充填剤、染顔料、その常用添加
剤等を適量配合した系で構成される。
【0015】
【発明の効果】以上の構成から成る本発明組成物は、シ
アノエチルポリマーにおけるポリヒドロキシル化合物の
ヒドロキシル基数の増大によってシアノ基の導入率を高
めることができ、一般に比誘電率>15を有し、かつT
gの調整および残存ヒドロキシル基の低減により、ポリ
マー設計の自由度アップおよび電気特性の向上を図るこ
とができる。用途としては、EL素子の絶縁層、発光層
のバインダーやフィルムコンデンサ誘電材料への適用が
挙げられる。
アノエチルポリマーにおけるポリヒドロキシル化合物の
ヒドロキシル基数の増大によってシアノ基の導入率を高
めることができ、一般に比誘電率>15を有し、かつT
gの調整および残存ヒドロキシル基の低減により、ポリ
マー設計の自由度アップおよび電気特性の向上を図るこ
とができる。用途としては、EL素子の絶縁層、発光層
のバインダーやフィルムコンデンサ誘電材料への適用が
挙げられる。
【0016】
【実施例】次に製造例、実施例および比較例を挙げて、
本発明を具体的に説明する。 製造例1 (1)シアノエチルモノマーの製造 ペンタエリトリット136.15g(1モル)に4%水酸化
ナトリウム溶液188gを加え、4ッ口フラスコ中で撹
拌する。これにアクリロニトリル164.1g(3モル)を
滴下し、反応温度を40〜45℃に調節しながらマイケ
ル付加反応を完結させる。得られるシアノエチル化合物
にアクリル酸680g、p−トルエンスルホン酸36.7
g、さらに重合禁止剤としてハイドロキノン2.7gを加
え、1リットルベンゼン中で還流下エステル化反応を行
った後、過剰のアクリル酸を水洗除去してシアノエチル
モノマーを得る。該シアノエチルモノマーについて、I
R分析(日本分光工業(株)製、IR−810使用、35
50〜3200cm-1におけるOH消滅および2260〜
2240cm-1におけるCN吸収)による構造決定および
NMR分析によるプロトン数により同定確認を行った。
本発明を具体的に説明する。 製造例1 (1)シアノエチルモノマーの製造 ペンタエリトリット136.15g(1モル)に4%水酸化
ナトリウム溶液188gを加え、4ッ口フラスコ中で撹
拌する。これにアクリロニトリル164.1g(3モル)を
滴下し、反応温度を40〜45℃に調節しながらマイケ
ル付加反応を完結させる。得られるシアノエチル化合物
にアクリル酸680g、p−トルエンスルホン酸36.7
g、さらに重合禁止剤としてハイドロキノン2.7gを加
え、1リットルベンゼン中で還流下エステル化反応を行
った後、過剰のアクリル酸を水洗除去してシアノエチル
モノマーを得る。該シアノエチルモノマーについて、I
R分析(日本分光工業(株)製、IR−810使用、35
50〜3200cm-1におけるOH消滅および2260〜
2240cm-1におけるCN吸収)による構造決定および
NMR分析によるプロトン数により同定確認を行った。
【0017】(2)シアノエチルポリマーの製造 上記(1)のシアノエチルモノマー100gに2,2'−ア
ゾビスイソブチロニトリル1gおよびラウリルメルカプ
タン0.5gを加えた後、50%アセトニトリル溶液に調
整し、窒素気流下、80℃で2時間重合させて、シアノ
エチルポリマーを得る。該シアノエチルポリマーは、分
子量6000(GPC換算)のトルエンに不溶な粘稠物で
あった。
ゾビスイソブチロニトリル1gおよびラウリルメルカプ
タン0.5gを加えた後、50%アセトニトリル溶液に調
整し、窒素気流下、80℃で2時間重合させて、シアノ
エチルポリマーを得る。該シアノエチルポリマーは、分
子量6000(GPC換算)のトルエンに不溶な粘稠物で
あった。
【0018】(3)誘電特性 上記(2)のシアノエチルポリマーを、直径40mmの2枚
の平滑なアルミニウム板(200μ間隔)中に満たし、L
CZメータ(エヌエフ回路ブロック製:2322)を用い
静電容量を測定後、次式により比誘電率を求めたとこ
ろ、20℃、1KHzで比誘電率23の高誘電体である
ことを確認できた。
の平滑なアルミニウム板(200μ間隔)中に満たし、L
CZメータ(エヌエフ回路ブロック製:2322)を用い
静電容量を測定後、次式により比誘電率を求めたとこ
ろ、20℃、1KHzで比誘電率23の高誘電体である
ことを確認できた。
【数1】
【0019】実施例1 製造例1/(1)で得たシアノエチルモノマー50gおよ
びメチルアクリレート50gに2,2'−アゾビスイソブ
チロニトリル1gおよびラウリルメルカプタン0.5gを
加えた後、50%アセトニトリル溶液に調整し、窒素気
流下、80℃で2時間重合させて、シアノエチルポリマ
ーを得る。該シアノエチルポリマーは、トルエンに不溶
な分子量15000(GPC換算)の固形状であった。こ
のシアノエチルポリマーを50%DMF溶液に調整した
後、平滑なアルミニウム板上で200μにキャストして
150℃で4時間乾燥後、アルミニウム蒸着を施して電
極とし、製造例1/(3)と同様に比誘電率(20℃、1
KHz)を求めたところ、20であった。
びメチルアクリレート50gに2,2'−アゾビスイソブ
チロニトリル1gおよびラウリルメルカプタン0.5gを
加えた後、50%アセトニトリル溶液に調整し、窒素気
流下、80℃で2時間重合させて、シアノエチルポリマ
ーを得る。該シアノエチルポリマーは、トルエンに不溶
な分子量15000(GPC換算)の固形状であった。こ
のシアノエチルポリマーを50%DMF溶液に調整した
後、平滑なアルミニウム板上で200μにキャストして
150℃で4時間乾燥後、アルミニウム蒸着を施して電
極とし、製造例1/(3)と同様に比誘電率(20℃、1
KHz)を求めたところ、20であった。
【0020】比較例1 メチルアクリレート100gに2,2'−アゾビスイソブ
チロニトリル1gおよびラウリルメルカプタン0.5gを
加えた後、50%アセトニトリル溶液に調整し、窒素気
流下、80℃で2時間重合させる。得られるポリメチル
アクリレートは分子量12000(GPC換算)の半固形
状であった。実施例1の場合と同様にして比誘電率(2
0℃、1KHz)を求めたところ、3.2であった。
チロニトリル1gおよびラウリルメルカプタン0.5gを
加えた後、50%アセトニトリル溶液に調整し、窒素気
流下、80℃で2時間重合させる。得られるポリメチル
アクリレートは分子量12000(GPC換算)の半固形
状であった。実施例1の場合と同様にして比誘電率(2
0℃、1KHz)を求めたところ、3.2であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−252215(JP,A) 特開 平5−86137(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 20/10 - 20/36 C08F 120/10 - 120/36 C08F 220/10 - 220/36 CA(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 式: 【化1】 (式中、mは2または3、R1はHまたはCH3、およびR
2はアミノ基を有することもある直鎖もしくは分枝鎖ア
ルキレン基である)で示されるシアノエチル基含有(メ
タ)アクリル酸エステルモノマーおよび必要に応じて共
重合モノマー〔但し、式: 【化9】 (式中、R3はHまたはCH3、R4は単結合またはアル
キレン基もしくはエステル基、およびXは芳香族炭化水
素基、脂環族炭化水素基、アミド基、環状アミド基、N
−置換アミド基またはフッ素化アルキル基であり、但
し、R3がHおよびR4が単結合のとき、Xはフェニル基
ではない)で示される共重合モノマーを除く〕のポリマ
ーから成ることを特徴とする高誘電性ポリマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31057891A JP2941526B2 (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 高誘電性ポリマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31057891A JP2941526B2 (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 高誘電性ポリマー組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140234A JPH05140234A (ja) | 1993-06-08 |
JP2941526B2 true JP2941526B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=18006926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31057891A Expired - Fee Related JP2941526B2 (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 高誘電性ポリマー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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JP2863400B2 (ja) * | 1993-03-11 | 1999-03-03 | サンスター技研株式会社 | 高誘電性ポリマー |
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KR101923058B1 (ko) * | 2012-04-30 | 2019-02-20 | 김영진 | 고유전 고분자 복합 조성물 및 이를 이용한 에너지 저장 소자 |
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