JP2940966B2 - オレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィンの重合方法

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JP2940966B2 JP34091789A JP34091789A JP2940966B2 JP 2940966 B2 JP2940966 B2 JP 2940966B2 JP 34091789 A JP34091789 A JP 34091789A JP 34091789 A JP34091789 A JP 34091789A JP 2940966 B2 JP2940966 B2 JP 2940966B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、オレフィンの重合方法に関し、さらに詳し
くは優れた重合活性を有し、しかも分子量分布が広く、
成形性に優れたオレフィン(共)重合体を与えることが
できるようなオレフィンの重合方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来からα−オレフィン重合体たとえばエチレン重合
体またはエチレン・α−オレフィン共重合体を製造する
ための触媒として、チタン化合物と有機アルミニウムと
からなるチタン系触媒あるいはバナジウム化合物と有機
アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒が知ら
れている。
一方、新しいチーグラー型オレフィン重合触媒とし
て、ジルコニウム化合物およびアルミノオキサンからな
る触媒を用いたエチレン・α−オレフィン共重合体の製
造方法が最近提案されている。
また特評平1−501950号公報および特評平1−502036
号公報には、シクロアルカジエニル骨格を有する配位子
を含み、かつホウ素元素を含有するアニオンを含む遷移
金属化合物触媒の製造方法が開示されており、この触媒
がオレフィン重合に活性を示すことが教示されている。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて得られる
オレフィン重合体は、通常分子量分布が狭い。このため
用途によっては、分子量分布が広く成形性に優れたオレ
フィン重合体が望まれていた。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたも
のであって、優れた重合活性を有ししかも分子量分布が
広く成形性に優れたオレフィン重合体を得ることができ
るようなオレフィンの重合方法を提供することを目的と
している。
発明の概要 本発明に係る第1のオレフィンの重合方法は、 [A]シクロアルカジエニル骨格を有する配位子を含
み、かつホウ素原子を含有するアニオンを含む、少なく
とも2種以上の遷移金属化合物から形成される触媒の存
在下に、常圧〜50kg/cm2の圧力下でオレフィンを重合ま
たは共重合させることを特徴としている。
また本発明に係る第2のオレフィンの重合方法は、 [A]シクロアルカジエニル骨格を有する配位子を含
み、かつホウ素原子を含有するアニオンを含む、少なく
とも2種以上の遷移金属化合物と、 [B]有機アルミニウムオキシ化合物と から形成される触媒の存在下に、常圧〜50kg/cm2の圧力
下でオレフィンを重合または共重合させることを特徴と
している。
さらに本発明に係る第3のオレフィンの重合方法は、 [A]シクロアルカジエニル骨格を有する配位子を含
み、かつホウ素原子を含有するアニオンを含む、少なく
とも2種以上の遷移金属化合物と、 [B]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [C]有機アルミニウム化合物と から形成される触媒の存在下に、常圧〜50kg/cm2の圧力
下でオレフィンを重合または共重合させることを特徴と
している。
本発明に係るオレフィンの重合方法は、優れた重合活
性を有し、しかも分子量分布が広く成形性に優れたオレ
フィン重合体を与えることができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係るオレフィンの重合方法について具体
的に説明する。
第1図に、本発明に係るオレフィン重合用触媒につい
ての説明図を示す。
本発明において「重合」という語は、単独重合のみな
らず共重合を包含した意で用いられることがあり、また
「重合体」という語は単独重合体のみならず共重合体を
包含した意で用いられることがある。
まず本発明に係る第1のオレフィン重合用触媒につい
て説明すると、この触媒は、[A]シクロアルカジエニ
ル骨格を有する配位子を含み、かつホウ素元素を含有す
るアニオンを含む、少なくとも2種以上の異なる遷移金
属化合物から形成されている。本発明で用いられる
[A]シクロアルカジエニル骨格を有する配位子を含
み、かつホウ素元素を含有するアニオンを含む遷移金属
化合物は、[Aa]シクロアルカジエニル骨格を有する配
位子を含む遷移金属化合物と、[Ab]ブレンステッド酸
またはプロトンと、[Ac]ホウ素元素を含有するアニオ
ンとの反応生成物である。
本発明で用いられる[Aa]シクロアルカジエニル骨格
を有する配位子を含む遷移金属化合物は、 式 MLx (式中、Mは遷移金属であり、Lは遷移金属に配位する
配位子であり、少なくとも1個のLはシクロアルカジエ
ニル骨格を有する配位子であり、シクロアルカジエニル
骨格を有する配位子を少なくとも2個以上含む場合に
は、少なくとも2個のシクロアルカジエニル骨格を有す
る配位子はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン
基または置換シリレン基などの架橋基を介して結合され
ていてもよく、シクロアルカジエニル骨格を有する配位
子以外のLは炭素数1〜12の炭化水素基または水素であ
り、xは遷移金属の原子価である。)で示される。
上記式において、Mは遷移金属であるが、具体的に
は、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムあるいはバ
ナジウムであることが好ましく、このうち特にジルコニ
ウムおよびハフニウムが好ましい。
シクロアルカジエニル骨格を有する配位子としては、
たとえばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタ
ジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−ブチ
ルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエ
ニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基などのア
ルキル置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、フ
ルオレニル基などを例示することができる。
上記のようなシクロアルカジエニル骨格を有する配位
子は、2個以上遷移金属に配位されていてもよく、この
場合には少なくとも2個のシクロアルカジエニル骨格を
有する配位子は、アルキレン基、置換アルキレン基、シ
リレン基または置換シリレン基などの架橋基を介して結
合されていてもよい。
シクロアルカジエニル骨格を有する配位子以外の配位
子は、炭素数1〜12の炭化水素基、または水素である。
炭素数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基などを例示
することができ、具体的には、アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基などが例示され、 シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基などが例示され、 アリール基としては、フェニル基、トリル基などが例
示され、 アラルキル基としては、ベンジル基、ネオフィル基な
どが例示される。
以下、Mがジルコニウムであるシクロアルカジエニル
骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物について、具
体的な化合物を例示する。
ビス(シクロペンタジエチル)メチルジルコニウムハ
イドライド、 ビス(シクロペンタジエチル)エチルジルコニウムハ
イドライド、 ビス(シクロペンタジエチル)フェニルジルコニウム
ハイドライド、 ビス(シクロペンタジエチル)ベンジルジルコニウム
ハイドライド、 ビス(シクロペンタジエチル)ネオペンチルジルコニ
ウムハイドライド、 ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコ
ニウム、 ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジメチルジ
ルコニウム、 ビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、 (ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロペン
タジエチル)ジメチルジルコニウム、 ビス(シクロペンタジエチル)ジルコニウムジメチ
ル、 ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチル
ジルコニウム、 ビス(シクロペンタジエチル)ジルコニウムジフェニ
ル、 ビス(シクロペンタジエチル)ジルコニウムジベンジ
ル、 ビス(シクロペンタジエチル)ジルコニウムジハイド
ライド、 ビス(フルオレニル)ジメチルジルコニウム、 エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、 エチレンビス(インデニル)ジエチルジルコニウム、 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジハイドラ
イド、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ジメチルジルコニウム、 エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジメチ
ルジルコニウム、 エチレンビス(5−メチル−1−インデニル)ジメチ
ルジルコニウム、 エチレンビス(6−メチル−1−インデニル)ジメチ
ルジルコニウム、 エチレンビス(7−メチル−1−インデニル)ジメチ
ルジルコニウム、 エチレンビス(5−メトキシ−1−インデニル)ジメ
チルジルコニウム、 エチレンビス(2,3−メトキシ−1−インデニル)ジ
メチルジルコニウム、 エチレンビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジ
メチルジルコニウム、 エチレンビス(4,7−ジメトキシ−1−インデニル)
ジメチルジルコニウム、 メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ハイドライド、 メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジル
コニウム、 イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムハイドライド、 イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)ジメチル
ジルコニウム、 イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレ
ニル)ジルコニウムハイドライド、 イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレ
ニル)ジメチルジルコニウム、 シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ハイドライド、 シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジル
コニウム、 ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムハイドライド、 ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)ジメチル
ジルコニウム。
また上記のようなジルコニウム化合物において、ジル
コニウム金属を、チタン金属、ハフニウム金属またはバ
ナジウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いることも
できる。
また本発明で用いられる[Ab]ブレンステッド酸は、 式 [M2R4 (式中、M2は窒素またはリンであり、Rは水素または炭
化水素基であり、少なくとも1個のRは水素である。)
で示される。
上記式において、炭化水素基としては、アルキル基シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基などを例示
することができ、具体的には、アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基イソプロピル基、ブチル
基などが例示され、シクロアルキル基としては、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などが例示され、アリー
ル基としては、フェニル基、トリル基などが例示され、
アラルキル基としては、ベンジル基、ネオフィル基など
が例示される。
上記のような[Ab]ブレンステッド酸としては、具体
的には、下記のような化合物が用いられる。
トリメチルアンモニウム、 トリエチルアンモニウム、 トリプロピルアンモニウム、 トリ(n−ブチル)アンモニウム、 N,N−ジメチルアニリニウム、 N,N−ジエチルアニリニウム、 N,N−2,4,5−ペンタメチルアニリニウム、 ジ(i−プロピル)アンモニウム、 ジシクロヘキシルアンモニウム トリフェニルホスフォニウム、 トリ(メチルフェニル)ホスフォニウム、 トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウム。
また本発明で用いられる[Ac]ホウ素元素を含有する
アニオンは、 式 [BR1R2R3R4] (式中、Bはホウ素であり、R1およびR2は芳香族または
芳香族炭化水素基であり、R3およびR4は水素、ハロゲ
ン、炭化水素および置換炭化水素基、または有機メタロ
イド基である。) または 式 [(CR5)x1(BR6)x2R7x3a- (式中CおよびBはそれぞれ炭素およびホウ素であり、
R5,R6,R7は水素、炭化水素基または有機メタロイド基で
あり、x1およびx3は≧0の整数で、aは≧1の整数で、
x1+x3+a=2から約8までの偶数で、x2は5から約22
までの整数である。) または 式 [[[(CR8)x1(BR9)x2(R10)x3a-2Mnb- (式中、C,BおよびMはそれぞれ炭素、ホウ素および遷
移金属であり、R8,R9およびR10は水素、ハロゲン、炭化
水素基または有機メタロイド素であり、x1およびx3は≧
0の整数であり、aは≧2の整数であり、x1+x3+a=
4から約8までの偶数であり、x2は6から約12までの整
数であり、nは2a−n=bとなるような整数であり、b
は≧1の整数である。) または、 式 [(CH)x1(BH)x2a- (式中、C,BおよびHはそれぞれ炭素、ホウ素および水
素であり、x1は0か1であり、aは2か1でり、x1+a
=2であり、x2は10から12までの整数である。)で示さ
れる。
上記のような[Ac]ホウ素元素を含有するアニオンと
しては、具体的には、下記のような化合物が用いられ
る。
テトラフェニルボレート、 テトラ(p−トリル)ボレート、 テトラ(o−トリル)ボレート、 テトラ(m,m−ジメチルフェニル)ボレート、 テトラ(o,m−ジメチルフェニル)ボレート、 テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、 7,8−ジカルバウンデカボレート、 トリデカハイドライド−7−カルバウンデカボレー
ト、 オクタデカボレート、 ビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデ
カボレート)コバルテート(III)、 ビス(7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケレー
ト(III)、 ビス(7,8−ジカルバウンデカボレート)フェレート
(III)、 ドデカボレート、 1−カルバウンデカボレート、 1−カルバドデカボレート。
次に本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒につい
て説明すると、この触媒は、上記のような[A]少なく
とも2種以上の異なる遷移金属化合物と、[B]有機ア
ルミニウムオキシ化合物とから形成されている。
本発明で用いられる[B]有機アルミニウムオキシ化
合物は、従来公知のアルミノオキサンであってもよく、
また本発明者らによって見出されたベンゼン不溶性の有
機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
上記のようなアルミノオキサンは、たとえば下記のよ
うな方法によって製造することができる。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方
法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を
作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。
なお、該アルミノオキサンは、少量の有機金属成分を
含有してもよい。また回収された上記のアルミノオキサ
ンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合
物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
アルミノオキサンの溶液を製造する際に用いられる有
機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ
n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチル
アルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシ
ルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ト
リシクロオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、
ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルア
ルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジア
ルキルアルミニウムハイドライド、ジメチルアルミニウ
ムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどの
ジアルキルアルミニウムアルコキシド、ジエチルアルミ
ニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリ
ーロキシドなどが挙げられる。
これらのうち、特にトリアルキルアルミニウムが好ま
しい。
また、有機アルミニウム化合物として、一般式 (i−C4H9xAly(C5H10 (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わさ
れるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。
上記のような有機アルミニウム化合物は、単独である
いは組合せて用いられる。
アルミノオキサンの溶液に用いられる溶媒としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの
芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン
などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環
族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分ある
いは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化
水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物など
の炭化水素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いること
もできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好
ましい。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成
分がAl原子換算で10%以下好ましくは5%以下特に好ま
しくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性あるい
は難溶性である。
このような有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン
に対する溶解性は、100ミリグラム原子のAlに相当する
該有機アルミニウムオキシ化合物を100mlのベンゼンに
懸濁した後、攪拌下60℃で6時間混合した後、ジャケッ
ト付G−5ガラス製フィルターを用い、60℃で熱時濾過
を行ない、フィルター上に分離された固体部を60℃のベ
ンゼン50mlを用いて4回洗浄した後の全濾液中に存在す
るAl原子の存在量(xミリモル)を測定することにより
求められる(x%)。
また上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物を赤外分光法(IR)によって解析すると、
1220cm-1付近における吸光度(D1220)と、1260cm-1
近における吸光度(D1260)との比(D1260/D1220)は、
0.09以下好ましくは0.08以下特に好ましくは0.04〜0.07
の範囲にあることが望ましい。
なお有機アルミニウムオキシ化合物の赤外分光分析
は、以下のようにして行なう。
まず窒素ボックス中で、有機アルミニウムオキシ化合
物とヌジョールとを、めのう乳鉢中で磨砕しペースト状
にする。
次にペースト状となった試料を、KBr板に挾み、窒素
雰囲気下で日本分光社製IR−810によってIRスペクトル
を測定する。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物の
IRスペクトルを第2図に示す。
このようにして得られたIRスペクトルから、D1260/D
1220を求めるが、このD1260/D1220値は以下のようにし
て求める。
(イ)1280cm-1付近と1240cm-1付近の極大点を結び、こ
れをベースラインL1とする。
(ロ)1260cm-1付近の吸収極小点の透過率(T%)と、
この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を引き、こ
の垂線とベースラインL1との交点の透過率(T0%)を読
み取り、1260cm-1付近の吸光度(D1260=log To/T)を
計算する。
(ハ)同様に1280cm-1付近と1180cm-1付近の極大点を結
び、これをベースラインL2とする。
(ニ)1220cm-1付近の吸収極小点の透過率(T′%)
と、この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を引
き、この垂線とベースラインL2との交点の透過率(T′
%)を読み取り、1220cm-1付近の吸光度(D1220=log
T′0/T′)を計算する。
(ホ)これらの値からD1260/D1220を計算する。
なお従来公知のベンゼン可溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物のIRスペクトルを第3図に示す。この第3図
からもわかるように、ベンゼン可溶性の有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、D1260/D1220値が、ほぼ0.10〜0.13
の間にあり、本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のベンゼン可溶
性の有機アルミニウムオキシ化合物とD1260/D1220値で
明らかに相違している。
上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、 [式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基である]で示さ
れるアルキルオキシアルミニウム単位を有すると推定さ
れる。
上記アルキルオキシアルミニウム単位において、R
1は、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロ
ヘキシル基、シクロオクチル基などが例示できる。これ
らの中でメチル基、エチル基が好ましく、とくにメチル
基が好ましい。
このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、式 で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位の他に式 で表わされるオキシアルミニウム単位[ここで、R1は上
記に同じであり、R2は、炭素数1〜12の炭化水素基、炭
素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキ
シ基、水酸基、ハロゲンまたは水素であり、R1およびR2
は互いに異なる基を表わす]を含有していてよい。その
場合には、アルキルオキシアルミニウム単位 を30モル%以上、好ましくは50モル%以上、特に好まし
くは70モル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニ
ウム単位を有する有機アルミニウムオキシ化合物が好ま
しい。
次に上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物の製造方法について具体的に説明する。
このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有
化合物とを接触させることにより得られる。
活性水素含有化合物としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパールなどのアルコー
ル類、エチレングリコール、ヒドロキノン等のジオール
類、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類等が用いられ
る。このうちアルコール類、ジオール類が好ましく、特
にアルコール類が好ましい。
アルミノオキサンの溶液と接触させる水または活性水
素含有化合物は、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの
炭化水素溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル溶
媒、トリエチルアミンなどのアミン溶媒などに溶解ある
いは分散させて、あるいは、蒸気または固体の状態で用
いることができる。また水として、塩化マグネシウム、
硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸ニ
ッケル、硫酸鉄、塩化第1セリウムなどの塩の結晶水あ
るいはシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの無
機化合物またはポリマーなどに吸着した吸着水などを用
いることもできる。
アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化
合物との接触反応は、通常溶媒、たとえば炭化水素溶媒
中で行なわれる。この際用いられる溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香
族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンな
どの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環
族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分等の
炭化水素溶媒あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化
水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化
物、臭素化物などのハロゲン化炭化水素、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いること
もできる。これらの媒体のうちでは、芳香族炭化水素が
特に好ましい。
該接触反応に用いられる水または活性水素含有化合物
は、アルミノオキサンの溶液中のAl原子に対して0.1〜
5モル好ましくは0.2〜3モルの量で用いられる。反応
系内の濃度は、アルミニウム原子に換算して、通常1×
10-3〜5グラム原子/好ましくは1×10-2〜3グラム
原子/の範囲であることが望ましく、また反応系内の
水の濃度は、通常2×10-4〜5モル/好ましくは2×
10-3〜3モル/の濃度であることが望ましい。
アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化
合物とを接触させるには、具体的には下記のようにすれ
ばよい。
(1)アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含
有化合物を含有した炭化水素溶媒とを接触させる方法。
(2)アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含
有化合物の蒸気を吹込むなどして、アルミノオキサンと
蒸気とを接触させる方法。
(3)アルミノオキサンの溶液と、水または氷あるいは
活性水素含有化合物を直接接触させる方法。
(4)アルミノオキサンの溶液と、吸着水含有化合物ま
たは結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液あるいは活性水
素含有化合物が吸着された化合物の炭化水素懸濁液とを
混合して、アルミノオキサンと吸着水または結晶水とを
接触させる方法。
なお、上記のようなアルミノオキサンの溶液は、アル
ミノオキサンと水または活性水素含有化合物との反応に
悪影響を及ぼさない限り、他の成分を含んでいてもよ
い。
アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化
合物との接触反応は、通常−50〜150℃好ましくは0〜1
20℃さらに好ましくは20〜100℃の温度で行なわれる。
また反応時間は、反応温度によっても大きく変わるが、
通常0.5〜300時間好ましくは1〜150時間程度である。
またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、上記のような有機アルミニウムと水とを接触させる
ことによって直接得ることもできる。この場合には、水
は、反応系内に溶解している有機アルミニウム原子が全
有機アルミニウム原子に対して20%以下となるような量
で用いられる。
有機アルミニウム化合物と接触させる水は、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素溶媒、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル溶媒、トリエチルアミンなど
のアミン溶媒などに溶解または分散させて、あるいは水
蒸気または氷の状態で用いることができる。また水とし
て、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミ
ニウム、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸鉄、塩化第1セリ
ウムなどの塩の結晶水あるいはシリカ、アルミナ、水酸
化アルミニウムなどの無機化合物あるいはポリマーなど
に吸着した吸着水などを用いることもできる。
有機アルミニウム化合物と水との接触反応は、通常、
炭化水素溶媒中で行なわれる。この際用いられる炭化水
素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメ
ン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデ
カン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロ
ヘキサンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油
などの石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物、とりわけ塩素
化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。その
他、エチルエーテルテトラヒドロフランなどのエーテル
類を用いることもできる。これらの媒体のうち、芳香族
炭化水素が特に好ましい。
反応系内の有機アルミニウム化合物の濃度は、アルミ
ニウム原子に換算して通常1×10-3〜5グラム原子/
好ましくは1×10-2〜3グラム原子/の範囲であるこ
とが望ましく、また反応系内の水の濃度は、通常1×10
-3〜5モル/好ましくは1×10-2〜3モル/の濃度
であることが望ましい。この際、反応系内に溶解してい
る有機アルミニウム原子が、全有機アルミニウム原子に
対して20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは
0〜5%であることが望ましい。
有機アルミニウム化合物と水とを接触させるには、具
体的には下記のようにすればよい。
(1)有機アルミニウムの炭化水素溶液と水を含有した
炭化水素溶媒とを接触させる方法 (2)有機アルミニウムの炭化水素溶液に、水蒸気を吹
込むなどして、有機アルミニウムと水蒸気とを接触させ
る方法。
(3)有機アルミニウムの炭化水素溶液と、吸着水含有
化合物または結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液とを混
合して、有機アルミニウムと吸着水または結晶水とを接
触させる方法。
(4)有機アルミニウムの炭化水素溶液と氷を接触させ
る方法。
なお、上記のような有機アルミニウムの炭化水素溶液
は、有機アルミニウムと水との反応に悪影響を及ぼさな
い限り、他の成分を含んでいてもよい。
有機アルミニウム化合物と水との接触反応は、通常−
100〜150℃好ましくは−70〜100℃さらに好ましくは−5
0〜80℃の温度で行なわれる。また反応時間は、反応温
度によっても大きく変わるが、通常1〜200時間好まし
くは2〜100時間程度である。
次に本発明に係る第3のオレフィン重合用触媒につい
て説明すると、この触媒は、上記のような[A]少なく
とも2種以上の異なる遷移金属化合物と、[B]有機ア
ルミニウムオキシ化合物と、[C]有機アルミニウム化
合物とから形成されている。
本発明で用いられる[C]有機アルミニウム化合物と
しては、たとえばRn 6AlX3-n(式中、R6は炭素数1〜12
の炭化水素基であり、Xはハロゲンまたは水素であり、
nは1〜3である)で示される有機アルミニウム化合物
を例示することができる。
上記式において、R6は炭素数1〜12の炭化水素基たと
えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基で
あるが、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、フェニル基、トリル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的
には以下のような化合物が用いられる。
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2−エチルヘ
キシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニム。
イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニ
ウム。
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウ
ムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジ
イソブチルアルミニウムクロリド、、ジメチルアルミニ
ウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド。
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアウミニ
ウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキ
クロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチル
アルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウ
ムセスキハライド。
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウム
ジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エ
チルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウ
ムジハライド。
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルア
ルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハ
イドライド。
また有機アルミニウム化合物として、R6 nAlY3-n(式
中R6は上記と同様であり、Yは−OR7基、−OSiR8 3基、
−OAlR9 2基、−NR10 2基、−SiR11 3基または 基であり、nは1〜2であり、R7、R8、R9およびR13
メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、
シクロヘキシル基、フェニル基などであり、R10は水
素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル
基、トリメチルシリル基などであり、R11およびR12はメ
チル基、エチル基などである。)で示される化合物を用
いることもできる。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的
には、以下のような化合物が用いられる。
(i)R6 nAl(OR73-n ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニ
ウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド
など、 (ii)R6 nAl(OSiR8 33-n Et2Al(OSiMe3) (iso−Bu)2Al(OSiMe3) (iso−Bu)2Al(OSiEt3)など、 (iii)R6 nAl(OAlR9 23-n Et2AlOAlEt2 (iso−Bu)2AlOAl(iso−Bu)など、 (iv)R6 nAl(NR10 23-n Me2AlNEt2 Et2AlNHMe Me2AlNHEt Et2AlN(Me3Si) (iso−Bu)2AlN(Me3Si)など、 (v)R6 nAl(SiR11 33-n (iso−Bu)2AlSiMe3など、 上記のような有機アルミニウム化合物として、R6 3A
l、R6 nAl(OR73-n、R6 nAl(OAlR9 23-nで表わされる
有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げることが
でき、特にR6がイソアルキル基であり、n=2のものが
好ましい。これらの有機アルミニウム化合物は、2種以
上混合して用いることもできる。
本発明では、上記のようなオレフィン重合用触媒を用
いてオレフィンの重合を行なうに際して、シクロアルカ
ジエニル骨格を有する配位子を含み、かつホウ素元素を
含有するアニオンを含む第1の遷移金属化合物[A−
1]と、上記[A−1]とは異なり、シクロアルカジエ
ニル骨格を有する配位子を含み、かつホウ素元素を含有
するアニオンを含む第2の遷移金属化合物[A−2]と
は、合計で10-8〜10-3モル/好ましくは10-7〜10-4
ル/の量で、しかもモル比[A−1]/[A−2]が
0.01〜100好ましくは0.05〜20であるような量で用いら
れることが望ましい。
また本発明では、[B]有機アルミニウムオキシ化合
物は、通常0〜10-2グラム原子−Al/好ましくは10-5
〜10-3グラム原子/の量で用いられることが望まし
い。さらに[C]有機アルミニウム化合物は、通常0〜
10-2モル/好ましくは10-5〜5×10-3モル/の量で
用いられることが望ましい。
このようなオレフィン重合用触媒により重合すること
ができるオレフィンとしては、エチレン、および炭素数
が3〜20のα−オレフィン、たとえばプロピレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1
−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデ
セン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイ
コセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネ
ン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデ
セン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,
8a−オクタヒドロナフタレンなどを挙げることができ
る。
さらにスチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエンなど
を用いることもできる。
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重
合法あるいは気相重合法いずれにおいても実施できる。
このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィン
の重合温度は、通常、−50〜200℃、好ましくは0〜150
℃の範囲である。重合圧力は、通常、常圧〜50kg/cm2
条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式
のいずれの方法においても行なうことができる。さらに
重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行なうことも
可能である。得られるオレフィン重合体の分子量は、重
合系に水素を存在させるか、あるいは重合温度を変化さ
せることによって調節することができる。
なお、上記のようなオレフィン重合用触媒は、シリ
カ、アルミナ、酸化マグネシウム、塩化マグネシウムな
どの固体状無機化合物、あるいはポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレンなどの固体状有機化合物に担持
させて用いることもできる。
上記のような成分[A]、必要に応じて成分[B]お
よび成分[C]とから形成されるオレフィン重合用触媒
は、優れた重合活性を有し、しかも分子量分布が広く、
成形性に優れたオレフィン重合体を得ることができる。
なお、本発明では、オレフィン重合用触媒は、上記の
ような各成分以外にも、オレフィン重合に有用な他の成
分を含むことができる。
発明の効果 本発明に係るオレフィンの重合方法は、オレフィンの
重合に優れた重合活性を示し、しかも分子量分布が広
く、成形性に優れたオレフィン(共)重合体を得ること
ができる。
以下本発明を実施例によって説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
実施例1 [ジルコニウム触媒成分の調製] トルエン50mlにトリ(n−ブチル)アンモニウムテト
ラ(p−トリル)ボレート0.65gを懸濁させ、これに、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジ
ルコニウム0.50gを加え、室温で1時間攪拌を続けた。
次いで一部トルエンを留去した後、濾過して固体を得
た。その固体をペンタンで洗浄し、減圧下に乾燥するこ
とによりジルコニウム触媒成分(a)を得た。
また、上記ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウムの代わりにビス(シクロペン
タジエニル)ジメチルジルコニウムを0.32g用い上記と
同様にしてジルコニウム触媒成分(b)を得た。
[重合] 充分に窒素置換した1のガラス製オートクレーブに
精製トルエン500mlを装入後、75℃まで昇温した。続い
て、ジルコニウム原子換算で6.1×10-2ミリグラム原子
に相当する上記ジルコニウム触媒成分(a)およびジル
コニウム原子換算で3.4×10-3ミリグラム原子に相当す
る上記ジルコニウム触媒成分(b)を装入した。次い
で、エチレンガスを大過剰に流通させ、80℃で20分間、
常圧で重合を行った後、イソプロパノールで重合を停止
した。ポリマースラリー溶液を多量のメタノールに加
え、ポリマーを析出させ1晩80℃で減圧乾燥した。乾燥
後のポリマー収量は3.6gであった。なお、このポリマー
w/は4.3であった。
比較例1 実施例1の重合において、ジルコニウム触媒成分
(a)およびジルコニウム触媒成分(b)の代わりに、
ジルコニウム原子換算で1.0×10-1ミリグラム原子に相
当する実施例1に記載のジルコニウム触媒成分(a)だ
けを用いた以外は実施例1と同様に重合を行った。w/
が3.1のポリマーが2.9g得られた。
比較例2 実施例1の重合において、ジルコニウム触媒成分
(a)およびジルコニウム触媒成分(b)の代わに、ジ
ルコニウム原子換算で5.0×10-3ミリグラム原子に相当
する実施例1に記載のジルコニウム触媒成分(b)だけ
を用いた以外は実施例1と同様に重合を行った。w/
が3.3のポリマーが2.6g得られた。
実施例2 [ジルコニウム触媒成分の調製] 実施例1において、ビス(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)ジメチルジルコニウムの代わりにビス(メチ
ルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム0.36g
用いた以外は同様に行ないジルコニウム触媒成分(c)
を得た。
[重合] 実施例1の重合において、ジルコニウム触媒成分
(b)の代わりに、ジルコニウム原子換算で2.3×10-3
ミリグラム原子に相当する上記のジルコニウム触媒成分
(c)を用いた以外は実施例1と同様に重合を行った。
w/が4.1のポリマーが3.5g得られた。
実施例3 ([B]有機アルミニウムオキシ化合物の調製) 充分に窒素置換した400mlのフラスコにAl2(SO4
・14H2O37.1gとトルエン133mlを装入し、−5℃に冷却
後、トルエン152mlで希釈したトリメチルアルミニウム4
7.9mlを1時間かけて滴下した。その後0〜−5℃で1
時間反応させた後、3時間かけて40℃まで昇温し、40℃
でさらに72時間反応させた。反応後、濾過により固液分
離を行ない、さらに炉液よりトルエンを除去することに
よって白色固体を有機アルミニウムオキシ化合物を得
た。
[重合] 充分に窒素置換した1のガラス製オートクレーブに
精製トルエン500mlを装入後、75℃まで昇温した。続い
て、アルミニウム原子換算で5.0ミリグラム原子に相当
する有機アルミニウムオキシ化合物、ジルコニウム原子
換算で6.1×10-2ミリグラム原子に相当する実施例1に
記載のジルコニウム触媒成分(a)およびジルコニウム
原子換算で3.4×10-3ミリグラム原子に相当する実施例
1に記載のジルコニウム触媒成分(b)を装入した。
次いで、エチレンガスを大過剰に流通させ、80℃で20
分間、常圧で重合を行った後、イソプロパノールで重合
を停止した。ポリマースラリー溶液を多量のメタノール
に加え、ポリマーを析出させ1晩80℃で減圧乾燥した。
乾燥後のポリマー収量は4.7gであった。なお、このポリ
マーのw/は4.0であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るオレフィン重合用触媒について
の説明図であり、 第2図は、ベンゼン不溶性アルミニウムオキシ化合物の
IRスペクトルであり、 第3図は、ベンゼン可溶性アルミニウムオキシ化合物の
IRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−35008(JP,A) 特開 昭60−35006(JP,A) 特表 平1−501950(JP,A) 実表 平1−502036(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]シクロアルカジエニル骨格を有する
    配位子を含み、かつホウ素原子を含有するアニオンを含
    む、少なくとも2種以上の遷移金属化合物から形成され
    る触媒の存在下に、常圧〜50kg/cm2の圧力下でオレフィ
    ンを重合または共重合させることを特徴とするオレフィ
    ンの重合方法。
  2. 【請求項2】前記遷移金属化合物がジルコニウム化合物
    またはチタン化合物である請求項1に記載のオレフィン
    の重合方法。
  3. 【請求項3】[A]シクロアルカジエニル骨格を有する
    配位子を含み、かつホウ素原子を含有するアニオンを含
    む、少なくとも2種以上の遷移金属化合物と、 [B]有機アルミニウムオキシ化合物と が形成される触媒の存在下に、常圧〜50kg/cm2の圧力下
    でオレフィンを重合または共重合させることを特徴とす
    るオレフィンの重合方法。
  4. 【請求項4】前記遷移金属化合物がジルコニウム化合物
    またはチタン化合物である請求項3に記載のオレフィン
    の重合方法。
  5. 【請求項5】[A]シクロアルカジエニル骨格を有する
    配位子を含み、かつホウ素原子を含有するアニオンを含
    む、少なくとも2種以上の遷移金属化合物と、 [B]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [C]有機アルミニウム化合物と から形成される触媒の存在下に、常圧〜50kg/cm2の圧力
    下でオレフィンを重合または共重合させることを特徴と
    するオレフィンの重合方法。
  6. 【請求項6】前記遷移金属化合物がジルコニウム化合物
    またはチタン化合物である請求項5に記載のオレフィン
    の重合方法。
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