JP2940377B2 - 2方向性2端子サイリスタ - Google Patents

2方向性2端子サイリスタ

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JP2940377B2
JP2940377B2 JP35014793A JP35014793A JP2940377B2 JP 2940377 B2 JP2940377 B2 JP 2940377B2 JP 35014793 A JP35014793 A JP 35014793A JP 35014793 A JP35014793 A JP 35014793A JP 2940377 B2 JP2940377 B2 JP 2940377B2
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semiconductor
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2方向性2端子サイリス
タに関する。
【0002】
【従来の技術】図1は従来の2方向性2端子サイリスタ
を示す。これはP形の第1の半導体領域1、N形の第2
の半導体領域2、P形の第3の半導体領域3、N形の第
4の半導体領域4、P形の第5の半導体領域5を備え、
第1、第2、第3及び第4の半導体領域1、2、3、4
から構成される第1のサイリスタと、第1、第2、第4
及び第5の半導体領域1、2、4、5から構成される第
2のサイリスタとが並列接続された複合素子である。
【0003】図1の2方向性2端子サイリスタに、第1
の電極6の電位を第2の電極7の電位よりも高くする電
圧を印加した場合、第1の半導体領域1と第2の半導体
領域2との界面に形成されるPN接合8が逆方向にバイ
アスされる。ここで、この印加電圧がPN接合8のブレ
ークダウン電圧を越えるとブレ−クオ−バ電流がサイリ
スタをトリガ−し第1のサイリスタが導通する。
【0004】また、第2の電極7の電位を第1の電極6
の電位よりも高くする電圧を印加した場合、第1の半導
体領域1と第4の半導体領域4との界面に形成されるP
N接合9が逆方向にバイアスされる。ここで、この印加
電圧がPN接合9のブレークダウン電圧を越えるとブレ
−クオ−バ電流がサイリスタをトリガ−し第2のサイリ
スタが導通する。結果として双方向にサイリスタ動作す
る。
【0005】この種の2方向性2端子サイリスタをファ
ンヒータの点火装置等に使用する場合がある。このよう
な場合、第1のサイリスタと第2のサイリスタの内のど
ちらか一方又は両方のブレークオーバー電圧が長期に亘
って経時変化しないことが要望される。図1に示す2方
向性2端子サイリスタでは保護膜10、11に安定性の
高いリンガラス等を使用した場合においても半導体基板
表面の安定性を長期に亘って良好に保持することは困難
である。このため、上記要望を十分に満足することがで
きなかった。また、エネルギ−ロスを小さくするためオ
ン電圧の小さいサイリスタが要求されている。
【0006】上述のような欠点を解決するために本件出
願人は特願平5−85489号によって図2に示す2方
向性2端子サイリスタを提案した。この2端子サイリス
タは、P形の第1の半導体領域21、N形の第2の半導
体領域22、P形の第3の半導体領域23、P形の第4
の半導体領域24、N形の第5の半導体領域25、P形
の第6の半導体領域26及びP形の等電位リング用半導
体領域27を有する。
【0007】第2の半導体領域22は半導体基板の一方
の主面に露出しており、平面環状に形成されている。第
3の半導体領域23は半導体基板の一方の主面に露出し
ており、第2の半導体領域22の内側に環状に形成され
ている。第2の半導体領域22の内縁と第3の半導体領
域23の内縁との距離は、第2の半導体領域22の外縁
と第3の半導体領域23の外縁との距離よりも小さくな
っている。第2及び第3の半導体領域22、23は、半
導体基板の一方の主面に形成された絶縁性保護膜28に
設けられた開口29を通じて第1の電極30に接続され
基板表面で電気的に短絡されている。
【0008】第4の半導体領域24は、半導体基板の中
央に配され、第2の半導体領域22に隣接して包囲され
ている。第4の半導体領域24は基板表面に露出する
が、その上面には保護膜28が形成されており、第1の
電極30には接続されていない。第1の電極30は保護
膜28を介して第4の半導体領域24の上面全体を覆っ
ている。
【0009】第5の半導体領域25は、第1の半導体領
域21に対して第2の半導体領域22とは反対側におい
て隣接している。第5の半導体領域25は基板の他方の
主面に露出しており、第2の電極31に電気的に接続さ
れている。
【0010】第6の半導体領域26は基板の他方の主面
の外縁に沿って平面環状に形成されている。第6の半導
体領域26は、基板の他方の主面に露出して第2の電極
31に電気的に接続され、基板表面で第5の半導体領域
25と電気的に短絡されている。平面的に見たとき、第
6の半導体領域26は第2の半導体領域22の外縁に沿
ってこれと重なる部分を環状に有している。この環状部
分は開口29の内側まで延びている。
【0011】等電位リング用半導体領域27は基板の一
方の主面の外縁に沿って平面環状に形成されており、第
1の半導体領域21を介して第2の半導体領域22を包
囲する。この等電位用半導体領域27の上面は基板の一
方の主面に露出して保護膜28に被覆されている。
【0012】次に、この2方向性2端子サイリスタの動
作について説明する。図2の2端子サイリスタは、第
1、第2、第3、第4及び第5の半導体領域21、2
2、23、24、25から構成される第1のサイリスタ
と、第1、第2、第5及び第6の半導体領域21、2
2、25、26から構成される第2のサイリスタとが逆
並列接続された複合素子である。
【0013】第1の電極30と第2の電極31との間に
第1の電極30の電位を第2の電極31のそれよりも大
きくする電圧を印加すると、第1のサイリスタの第1の
半導体領域21及び第4の半導体領域24と第2の半導
体領域22との界面に形成されるPN接合33及び34
が逆方向にバイアスされる。この結果、図示のようにP
N接合33及び34からそれぞれ第1及び第2の空乏層
35、36が広がる。また、第4の半導体領域24の表
面側には、第1の電極30の電界効果によって第3の空
乏層37が広がる。第1の空乏層35と第2の空乏層3
6と第3の空乏層37は互いに連続して広がるので、厳
密に区別されるものではない。
【0014】ここで、第4の半導体領域24は第1の半
導体領域21よりも不純物濃度が高く且つ横方向への濃
度勾配がほとんどないから、PN接合34から広がる第
2の空乏層36は図示のように第1の空乏層35に比べ
て幅の狭い空乏層である。また、第4の半導体領域24
は拡散によって形成されるから、不純物濃度はその表面
側に向かうにつれ高くなる。しかし、第4の半導体領域
24の表面には第3の空乏層37が形成されるから、第
2の空乏層36のその幅が最も狭くなる部分は第4の半
導体領域24の表面よりもやや内側に形成される。
【0015】逆方向電圧がブレークダウン電圧に達する
と、第2の空乏層36の幅狭部分に臨界電界強度Ecrit
を越える部分(電界集中点)が生じて、この部分を引き
金としてブレークダウンが起きる。
【0016】ブレークダウンが起きると、第2の半導体
領域22を横方向に流れる電流による電圧降下によって
第2の半導体領域22と第3の半導体領域23の界面に
形成されるPN接合が順方向にバイアスされ、第1、第
2、第3及び第4の半導体領域21、22、23、24
から構成されるトランジスタが導通する。また、第1、
第2、第4及び第5の半導体領域21、22、24、2
5から構成されるトランジスタも導通し、結果として第
1のサイリスタが導通する。
【0017】第1の電極30と第2電極31との間に第
2の電極31の電位を第1の電極30の電位よりも高く
する電圧を印加したときは、dv/dtによって第2の
サイリスタが導通する。
【0018】この2端子サイリスタによれば以下のよう
な効果が得られる。 (1) 第1のサイリスタのブレ−クオ−バ電圧を長期
に亘って一定に保持することができる。即ち、この2端
子サイリスタによれば、ブレークダウン電圧を決定する
第2の空乏層36が形成される第4の半導体領域24の
上面全体に第1の電極30が形成されている。このた
め、サイリスタ素子を覆う樹脂封止体や保護膜28に含
まれるイオンによるブレークダウン電圧の変動が有効に
防止されている。また、第1の電極30も保護膜として
機能する。このため、ブレ−クオ−バ電圧を長期に亘っ
て一定に保持でき、高い信頼性が得られる。 (2) 上記オン電圧の温度依存性が小さい。即ち、ア
バランシェブレークダウンを起こす第2の空乏層36
は、幅狭であるからブレークダウン電圧の温度依存性を
小さくできる。 (3) クリープ現象が生じない。即ち、電界集中点が
半導体基板の表面よりも内側に形成されるので、逆方向
電圧印加時にブレークダウン電圧が短時間のうちに変動
する不安定な現象いわゆるクリープ現象が生じない。 (4) 第2のサイリスタのオン電圧が小さい。即ち、
第2のサイリスタが第1のサイリスタを環状に包囲する
ように配されており、第2のサイリスタを構成する第6
の半導体領域26が平面的にみて第2の半導体領域22
及び開口29と重なっている。このため、第2の電極3
1から第1の電極30への電流経路が短くオン電圧を比
較的小さくできる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2の
サイリスタはブレ−クオ−バ電流IBOが比較的大きい
(350μA程度)という欠点を有する。これは、第2
の半導体領域22と第1の半導体領域21と第5の半導
体領域25によって構成されるNPNトランジスタの電
流増幅率αが小さいためである。
【0020】そこで、本発明の目的は、オン電圧の経時
変化及びオン電圧を小さくすることができると共に、ブ
レ−クオ−バ電流IBOを小さくすることができる2方向
性2端子サイリスタを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、実施例を示す図面の符号を参照して説明す
ると、第1の導電形の第1の半導体領域21と、半導体
基板の一方の主面に露出した上面を除いて前記第1の半
導体領域21に隣接し、環状の平面形状を有している第
2の導電形の第2の半導体領域22と、前記半導体基板
の一方の主面に露出した上面を除いて前記第2の半導体
領域22に隣接し、環状の平面形状を有している第1の
導電形の第3の半導体領域23と、上面が前記半導体基
板の一方の主面に露出し、下面及び側面がそれぞれ前記
第1の半導体領域21と前記第2の半導体領域22に隣
接して包囲されている第1の導電形の第4の半導体領域
24と、前記第1の半導体領域21に対して前記第2の
半導体領域22とは反対側で隣接し、前記半導体基板の
他方の主面から露出している第2の導電形の第5の半導
体領域25と、前記半導体基板の他方の主面に露出し、
環状の平面形状を有している第1の導電形の第6の半導
体領域26とを備え、前記第4の半導体領域24は前記
第1の半導体領域21よりも不純物濃度が高く、前記第
1の半導体領域21と前記第5の半導体領域25との間
のPN接合39の前記第4の半導体領域24に対向する
領域39bが前記第4の半導体領域24の方向に突出す
るように前記第5の半導体領域25が形成されており、
前記第3の半導体領域23の前記第4の半導体領域24
側、前記第2の半導体領域22の前記第3の半導体領域
23と前記第4の半導体領域24の間の部分、及び前記
第4の半導体領域24の上面には絶縁膜28が形成され
ており、前記第2の半導体領域22と前記第3の半導体
領域23は前記絶縁膜28の上面を覆う第1の電極30
に電気的に接続されており、前記第5の半導体領域25
及び前記第6の半導体領域26は第2の電極31に電気
的に接続されており、前記第6の半導体領域26は平面
的に見て前記第2の半導体領域22の外縁領域と重なる
環状領域を有する2方向性2端子サイリスタに係わるも
のである。なお、請求項2に示すように第7の半導体領
域41を設けることが望ましい。
【0022】
【発明の作用及び効果】請求項1及び2の発明によれ
ば、ブレークダウンを決定する領域として働く第4の半
導体領域24の上記絶縁膜28を介して第1の電極30
が形成されているので、絶縁膜28や樹脂封止体のイオ
ンによるブレークダウン電圧の変動を防止し、ブレ−ク
オ−バ電圧の経時変化を小さくすることができる。ま
た、第6の半導体領域26を環状に配置し、第2のサリ
スタが第1のサイリスタを環状に囲むように構成したの
で、第2のサイリスタのオン電圧を小さくすることがで
きる。更に、第1の半導体領域21と第5の半導体領域
25とのPN接合39に突出する部分を設けることによ
ってブレ−クオ−バ電流IBOを小さくすることができ
る。また、請求項2に示すように第7の半導体領域41
を設けると、破壊耐量を高めることができる。
【0023】
【第1の実施例】次に、図3を参照して本発明の実施例
に係わる2方向性2端子サイリスタを説明する。但し、
図3において図2と共通する部分には同一の符号を付し
てその説明を省略する。図3の2方向性2端子サイリス
タは、第1の半導体領域21と第5の半導体領域25と
の間のPN接合39が第4の半導体領域24の方向に突
出する部分39bを有すること、及び安定性を向上させ
るための等電位リングを構成する導電層40が等電位リ
ング用半導体領域27の上に環状に設けられていること
において図2と異なるが、その他は図2と同一に構成さ
れている。更に詳細には、第5の半導体領域25が基板
の主面に対して平行なPN接合39aを形成する部分2
5aと基板の中央において第4の半導体領域24の方向
に椀状に突出するPN接合39bを形成する突出部分2
5bとを有する。なお、椀状のPN接合39bは環状に
形成された第4の半導体領域24の中心に一致するよう
に配置され、且つ第4の半導体領域24の全部に対向す
る大きさを有するが、第2のサイリスタの特性を低下さ
せないために第6の半導体領域26よりも内側に配置さ
れている。
【0024】この実施例では椀状PN接合39bを有す
る第5の半導体領域25を形成する際に、まず、基板の
底面の中央からN形不純物を深く拡散して椀状領域25
bを形成し、次に基板の底面の全体からN形不純物を浅
く形成する。この結果、突出部分25bの基板の底面か
らのN形不純物濃度の分布は緩やかに傾斜した状態にな
り、PN接合39bの近傍における第1の半導体領域2
1のP形不純物濃度に対して第5の半導体領域25の突
出部分25bのN形不純物濃度が急峻に変化しない。一
方、平行なPN接合39aを形成する部分25aのN形
不純物濃度はPN接合39aの近くで急峻に変化する。
【0025】この椀状部分25bを設けたことによっ
て、第1のサイリスタを構成する素子中心側に形成され
た第2の半導体領域22と第1の半導体領域21と椀状
部分25bを含む第5の半導体領域25とから成るNP
Nトランジスタのベース幅(第2の半導体領域22と第
5の半導体領域25との間隔又は空乏層35と第5の半
導体領域25との間隔)が減少する。この結果、このN
PNトランジスタの電流増幅率αを従来例のそれに比べ
て増大することができる。また、図4に示すように椀状
部分(中央部分)25bは周辺部分25aに比べてその
不純物濃度が第1の半導体領域21との界面から離間す
るにつれて緩やかに増加する不純物分布を有し、第1の
半導体領域21との間にいわゆる傾斜接合を形成する。
このため、同一の順バイアスにおいて椀状部分25bと
第1の半導体領域21の界面に形成されるPN接合39
bにおける電流密度は図5に示すように周辺部分25a
と第1の半導体領域21の界面に形成されるいわゆる階
段接合と呼ばれるPN接合39aにおける電流密度より
も大きくなる。この電流密度の増大効果と上述の電流増
幅率の増大効果とが相俟って、本実施例のサイリスタで
は上述のブレークオーバ電流IBOを著しく減少させるこ
とができる。上記ベース幅を約40μmにすることで、
電流IBOを約50μAまで減少できることが確認されて
いる。なお、椀状部分25bを形成せずに、平行部分2
5aを椀状部分25bの深さまで全体的に深く形成する
ことによっても、上述の電流増幅率αを増大でき、電流
BOの低減がはかれる。しかしながら、このように形成
すると第2のサイリスタを構成する第1の半導体領域2
1と第5の半導体領域25と第6の半導体領域26によ
って形成されるPNPトランジスタのベース幅が増大し
てしまい、第2のサイリスタの特性を低下させる。本実
施例ではこの問題が生ぜず、第2のサイリスタの特性も
良好である。
【0026】
【第2の実施例】次に、図6を参照して第2の実施例の
2方向性2端子サイリスタを説明する。但し、図6にお
いて図3と共通する部分には同一の符号を付してその説
明を省略する。図6のサイリスタは図3のサイリスタに
第7の半導体領域41を付加したものであり、この第7
の半導体領域41以外の部分は図3と同一に構成されて
いる。第7の半導体領域41は第3の半導体領域23と
同時に形成されたP形領域であり、その上面を除いて第
2の半導体領域22に隣接し、第3の半導体領域23と
第4の半導体領域24との間に環状に配設されている。
なお、第7の半導体領域41の上面を絶縁性保護膜28
で覆われている。また、第2の半導体領域22は不純物
拡散で形成されているので、基板の表面から内部に向か
って不純物濃度が低下する領域である。
【0027】第7の半導体領域41は耐圧向上に寄与
し、第2の実施例のサイリスタの耐圧は第1の実施例の
サイリスタの耐圧よりも高くなる。即ち、第1の実施例
の2方向性2端子サイリスタでは、第1のサイリスタが
導通した初期の段階において、比較的大きなオン電流が
ブレークダウンを生じさせた狭いPN接合34に比較的
長い間流れ続ける。この結果、この領域に焼損が生じる
ことがある。第2の実施例の2方向性2端子サイリスタ
では、第2の半導体領域22間にフローティングエミッ
タと呼べる第7の半導体領域41を形成したことによっ
て、この破壊耐量が向上している。その理由は次の通り
である。第2の実施例のサイリスタの導通時のごく初期
には、第1の実施例のサイリスタと同様に、上記狭いP
N接合34にオン電流が流れる。しかしながら、このオ
ン電流の径路となる第7の半導体領域(フローティング
エミッタ)41の下方の第2の半導体領域22の不純物
濃度は低く抵抗が大きい。このため、比較的小さなオン
電流(導通時初期電流)でこの領域にオン電流の流れを
抑制するような電圧効果が生じる。この結果、オン電流
の径路が比較的早いうちに、第2の半導体領域22と第
3の半導体領域23によって形成されるPN接合の下面
側(主接合側)の広い接合に移行し、焼損を防止でき
る。
【0028】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 半導体基板の下面中央に凹部を形成し、この状
態でN形不純物を拡散することによって椀状PN接合3
9bを得ることができる。しかし、この場合には第5の
半導体領域25の中央の椀状部分25bの不純物濃度分
布が平行部分25aと同一になり、実施例のような傾斜
接合が得られない。従って、電流密度増大効果の点で実
施例より不利になる。 (2) 椀状部分25bの大きさを種々変えることがで
きる。しかし、電流増幅率の増大効果を十分に得るため
に第4の半導体領域24の中心に一致するように配置
し、且つ平面的に見て第4の半導体領域24の少なくと
も1/4の面積に重複するような大きさに形成すること
が望ましい。また、第2のサイリスタの特性を低下させ
ないために椀状部分25bを第6の半導体領域26より
も内側に配置することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の2方向性2端子サイリスタを示す中央縦
断面図である。
【図2】本件出願人が先に提案した2方向性2端子サイ
リスタの基本構造を示す中央縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の2方向性2端子サイリ
スタを示す中央縦断面図である。
【図4】図3の第5の半導体領域25の椀状部分25b
と第1の半導体領域21と接合部分の不純物濃度分布図
である。
【図5】 図3の第5の半導体領域25の周辺部分25
aと第1の半導体領域21との接合部分の不純物濃度分
布図である。
【図6】第2の実施例の2方向性2端子サイリスタを示
す中央縦断面図である。
【符号の説明】
21〜27 第1〜第7の半導体領域 28 絶縁膜

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の導電形の第1の半導体領域(2
    1)と、 半導体基板の一方の主面に露出した上面を除いて前記第
    1の半導体領域(21)に隣接し、環状の平面形状を有
    している第2の導電形の第2の半導体領域(22)と、 前記半導体基板の一方の主面に露出した上面を除いて前
    記第2の半導体領域(22)に隣接し、環状の平面形状
    を有している第1の導電形の第3の半導体領域(23)
    と、 上面が前記半導体基板の一方の主面に露出し、下面及び
    側面がそれぞれ前記第1の半導体領域(21)と前記第
    2の半導体領域(22)に隣接して包囲されている第1
    の導電形の第4の半導体領域(24)と、 前記第1の半導体領域(21)に対して前記第2の半導
    体領域(22)とは反対側で隣接し、前記半導体基板の
    他方の主面から露出している第2の導電形の第5の半導
    体領域(25)と、 前記半導体基板の他方の主面に露出し、環状の平面形状
    を有している第1の導電形の第6の半導体領域(26)
    とを備え、前記第4の半導体領域(24)は前記第1の
    半導体領域(21)よりも不純物濃度が高く、 前記第1の半導体領域(21)と前記第5の半導体領域
    (25)との間のPN接合(39)の前記第4の半導体
    領域(24)に対向する領域(39b)が前記第4の半
    導体領域(24)の方向に突出するように前記第5の半
    導体領域(25)が形成されており、 前記第3の半導体領域(23)の前記第4の半導体領域
    (24)側、前記第2の半導体領域(22)の前記第3
    の半導体領域(23)と前記第4の半導体領域(24)
    の間の部分、及び前記第4の半導体領域(24)の上面
    には絶縁膜(28)が形成されており、 前記第2の半導体領域(22)と前記第3の半導体領域
    (23)は前記絶縁膜(28)の上面を覆う第1の電極
    (30)に電気的に接続されており、 前記第5の半導体領域(25)及び前記第6の半導体領
    域(26)は第2の電極(31)に電気的に接続されて
    おり、 前記第6の半導体領域(26)は平面的に見て前記第2
    の半導体領域(22)の外縁領域と重なる環状領域を有
    することを特徴とする2方向性2端子サイリスタ。
  2. 【請求項2】 更に、第1の導電形の第7の半導体領域
    (41)を有し、この第7の半導体領域(41)は前記
    半導体基板の一方の主面に露出したこの上面を除いて前
    記第2の半導体領域(22)に隣接し、且つ前記第3及
    び第4の半導体領域(23、24)の間に環状に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の2方向性2端
    子サイリスタ。
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