JP2937100B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2937100B2
JP2937100B2 JP32954795A JP32954795A JP2937100B2 JP 2937100 B2 JP2937100 B2 JP 2937100B2 JP 32954795 A JP32954795 A JP 32954795A JP 32954795 A JP32954795 A JP 32954795A JP 2937100 B2 JP2937100 B2 JP 2937100B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアバランシェ機構のブレ
−クダウンを利用するPN接合を含む半導体装置。
【0002】
【従来の技術】図1は従来の2方向性2端子サイリスタ
を示す。これはP形の第1の半導体領域1、N形の第2
の半導体領域2、P形の第3の半導体領域3、N形の第
4の半導体領域4、P形の第5の半導体領域5を備え、
第1、第2、第3及び第4の半導体領域1、2、3、4
から構成される第1のサイリスタと、第1、第2、第4
及び第5の半導体領域1、2、4、5から構成される第
2のサイリスタとが並列接続された複合素子である。
【0003】図1の2方向性2端子サイリスタに、第1
の電極6の電位を第2の電極7の電位よりも高くする電
圧を印加した場合、第1の半導体領域1と第2の半導体
領域2との界面に形成されるPN接合8が逆方向にバイ
アスされる。ここで、この印加電圧がPN接合8のブレ
ークダウン電圧を越えるとブレ−クオ−バ電流がサイリ
スタをトリガ−し第1のサイリスタが導通する。
【0004】また、第2の電極7の電位を第1の電極6
の電位よりも高くする電圧を印加した場合、第1の半導
体領域1と第4の半導体領域4との界面に形成されるP
N接合9が逆方向にバイアスされる。ここで、この印加
電圧がPN接合9のブレークダウン電圧を越えるとブレ
−クオ−バ電流がサイリスタをトリガ−し第2のサイリ
スタが導通する。結果として双方向にサイリスタ動作す
る。
【0005】この種の2方向性2端子サイリスタをファ
ンヒータの点火装置等に使用する場合がある。このよう
な場合、第1のサイリスタと第2のサイリスタの内のど
ちらか一方又は両方のブレークオーバー電圧が長期に亘
って経時変化しないことが要望される。図1に示す2方
向性2端子サイリスタでは保護膜10、11に安定性の
高いリンガラス等を使用した場合においても半導体基板
表面の安定性を長期に亘って良好に保持することは困難
である。このため、上記要望を十分に満足することがで
きなかった。また、エネルギ−ロスを小さくするためオ
ン電圧の小さいサイリスタが要求されている。
【0006】上述のような欠点を解決するために本件出
願人は特願平5−85489号(特開平6−27581
9号)によって図2に示す2方向性2端子サイリスタを
提案した。この2端子サイリスタは、P形の第1の半導
体領域21、N形の第2の半導体領域22、P形の第3
の半導体領域23、P形の第4の半導体領域24、N形
の第5の半導体領域25、P形の第6の半導体領域26
及びP形の等電位リング用半導体領域27を有する。第
3、第4、第6及び第7の半導体領域23、24、2
6、27は第1の半導体領域21よりも高い不純物濃度
を有している。
【0007】第2の半導体領域22は半導体基板の一方
の主面に露出しており、平面環状に形成されている。第
3の半導体領域23は半導体基板の一方の主面に露出し
ており、第2の半導体領域22の内側に環状に形成され
ている。第2及び第3の半導体領域22、23は、半導
体基板の一方の主面に形成された絶縁性保護膜28に設
けられた開口29を通じて第1の電極30に接続され基
板表面で電気的に短絡されている。
【0008】第4の半導体領域24は、半導体基板の中
央に配され、第2の半導体領域22に隣接して包囲され
ている。第4の半導体領域24は基板表面に露出する
が、その上面には保護用絶縁膜28が形成されており、
第1の電極30には接続されていない。第1の電極30
は絶縁膜28を介して第4の半導体領域24の上面全体
を覆っている。
【0009】第5の半導体領域25は、第1の半導体領
域21に対して第2の半導体領域22とは反対側におい
て隣接している。第5の半導体領域25は基板の他方の
主面に露出しており、第2の電極31に電気的に接続さ
れている。
【0010】第6の半導体領域26は基板の他方の主面
の外縁に沿って平面環状に形成されている。第6の半導
体領域26は、基板の他方の主面に露出して第2の電極
31に電気的に接続され、基板表面で第5の半導体領域
25と電気的に短絡されている。平面的に見たとき、第
6の半導体領域26は第2の半導体領域22の外縁に沿
ってこれと重なる部分を環状に有している。この環状部
分は開口29の内側まで延びている。
【0011】等電位リング用の第7の半導体領域27は
基板の一方の主面の外縁に沿って平面環状に形成されて
おり、第1の半導体領域21を介して第2の半導体領域
22を包囲する。この等電位用の第7の半導体領域27
は第1の半導体領域21と同一のP形であるが、第1の
半導体領域21よりも高い不純物濃度を有し、この上面
は基板の一方の主面に露出して絶縁膜28に被覆されて
いる。
【0012】次に、この2方向性2端子サイリスタの動
作について説明する。図2の2端子サイリスタは、第
1、第2、第3、第4及び第5の半導体領域21、2
2、23、24、25から構成される第1のサイリスタ
と、第1、第2、第5及び第6の半導体領域21、2
2、25、26から構成される第2のサイリスタとが逆
並列接続された複合素子である。
【0013】第1の電極30と第2の電極31との間に
第1の電極30の電位を第2の電極31のそれよりも大
きくする電圧を印加すると、第1のサイリスタの第1の
半導体領域21及び第4の半導体領域24と第2の半導
体領域22との界面に形成されるPN接合33及び34
が逆方向にバイアスされる。この結果、図示のようにP
N接合33及び34からそれぞれ第1及び第2の空乏層
35、36が広がる。また、第4の半導体領域24の表
面側には、第1の電極30の電界効果によって第3の空
乏層37が広がる。第1の空乏層35と第2の空乏層3
6と第3の空乏層37は互いに連続して広がるので、厳
密に区別されるものではない。
【0014】ここで、第4の半導体領域24は第1の半
導体領域21よりも不純物濃度が高く且つ横方向への濃
度勾配がほとんどないから、PN接合34から広がる第
2の空乏層36は図示のように第1の空乏層35に比べ
て幅の狭い空乏層である。また、第4の半導体領域24
は拡散によって形成されるから、不純物濃度はその表面
側に向かうにつれ高くなる。しかし、第4の半導体領域
24の表面には第3の空乏層37が形成されるから、第
2の空乏層36のその幅が最も狭くなる部分は第4の半
導体領域24の表面よりもやや内側に形成される。
【0015】逆方向電圧がブレークダウン電圧に達する
と、第2の空乏層36の幅狭部分に臨界電界強度Ecrit
を越える部分(電界集中点)が生じて、この部分を引き
金としてブレークダウンが起きる。
【0016】ブレークダウンが起きると、第2の半導体
領域22を横方向に流れる電流による電圧降下によって
第2の半導体領域22と第3の半導体領域23の界面に
形成されるPN接合が順方向にバイアスされ、第1、第
2、第3及び第4の半導体領域21、22、23、24
から構成されるトランジスタが導通する。また、第1、
第2、第4及び第5の半導体領域21、22、24、2
5から構成されるトランジスタも導通し、結果として第
1のサイリスタが導通する。
【0017】第1の電極30と第2電極31との間に第
2の電極31の電位を第1の電極30の電位よりも高く
する電圧を印加したときは、dv/dtによって第2の
サイリスタが導通する。
【0018】この2端子サイリスタによれば、ブレーク
ダウン電圧を決定する第2の空乏層36が形成される第
4の半導体領域24の上面全体に第1の電極30が形成
されている。このため、サイリスタ素子を覆う樹脂封止
体や絶縁膜28に含まれるイオンによるブレークダウン
電圧の変動が有効に防止されている。また、第1の電極
30も保護膜として機能する。このため、ブレ−クオ−
バ電圧を長期に亘って一定に保持でき、高い信頼性が得
られる。また、第2のサイリスタが第1のサイリスタを
環状に包囲するように配されており、第2のサイリスタ
を構成する第6の半導体領域26が平面的にみて第2の
半導体領域22及び開口29と重なっている。このた
め、第2の電極31から第1の電極30への電流経路が
短くオン電圧を比較的小さくできる。
【0019】しかしながら、図2のサイリスタはブレ−
クオ−バ電流IBOが比較的大きい(350μA程度)と
いう欠点を有する。これは、第2の半導体領域22と第
1の半導体領域21と第5の半導体領域25によって構
成されるNPNトランジスタの電流増幅率αが小さいた
めである。
【0020】上述のような欠点を解決するために本件出
願人は更に特願平5−350147号(特開平7−20
2170号)によって図3に示す2方向性2端子サイリ
スタを提案した。次に、図3の2方向性2端子サイリス
タを説明する。但し、図3において図2と共通する部分
には同一の符号を付してその説明を省略する。図3の2
方向性2端子サイリスタは、第1の半導体領域21と第
5の半導体領域25との間のPN接合39が第4の半導
体領域24の方向に突出する部分39bを有すること、
及び安定性を向上させるための等電位リングを構成する
導電層40が等電位リング用半導体領域27の上に環状
に設けられていることにおいて図2と異なるが、その他
は図2と同一に構成されている。更に詳細には、第5の
半導体領域25が基板の主面に対して平行なPN接合3
9aを形成する部分25aと基板の中央において第4の
半導体領域24の方向に椀状に突出するPN接合39b
を形成する突出部分25bとを有する。なお、椀状のP
N接合39bは第4の半導体領域24の中心に一致する
ように配置され、且つ第4の半導体領域24の全部に対
向する大きさを有するが、第2のサイリスタの特性を低
下させないために第6の半導体領域26よりも内側に配
置されている。また、等電位リング用導電層40は第7
の半導体領域27に接続されている。
【0021】この図3の2方向性2端子サイリスタでは
椀状PN接合39bを有する第5の半導体領域25を形
成する際に、まず、基板の底面の中央からN形不純物を
深く拡散して椀状領域25bを形成し、次に基板の底面
の全体からN形不純物を浅く形成する。この結果、突出
部分25bの基板の底面からのN形不純物濃度の分布は
緩やかに傾斜した状態になり、PN接合39bの近傍に
おける第1の半導体領域21のP形不純物濃度に対して
第5の半導体領域25の突出部分25bのN形不純物濃
度が急峻に変化しない。一方、平行なPN接合39aを
形成する部分25aのN形不純物濃度はPN接合39a
の近くで急峻に変化する。
【0022】この椀状部分25bを設けたことによっ
て、第1のサイリスタを構成する素子中心側に形成され
た第2の半導体領域22と第1の半導体領域21と椀状
部分25bを含む第5の半導体領域25とから成るNP
Nトランジスタのベース幅(第2の半導体領域22と第
5の半導体領域25との間隔又は空乏層35と第5の半
導体領域25との間隔)が減少する。この結果、このN
PNトランジスタの電流増幅率αを増大させることがで
きる。また、図4に示すように椀状部分(中央部分)2
5bは周辺部分25aに比べてその不純物濃度が第1の
半導体領域21との界面から離間するにつれて緩やかに
増加する不純物分布を有し、第1の半導体領域21との
間にいわゆる傾斜接合を形成する。このため、同一の順
バイアスにおいて椀状部分25bと第1の半導体領域2
1の界面に形成されるPN接合39bにおける電流密度
は図5に示すように周辺部分25aと第1の半導体領域
21の界面に形成されるいわゆる階段接合と呼ばれるP
N接合39aにおける電流密度よりも大きくなる。この
電流密度の増大効果と上述の電流増幅率の増大効果とが
相俟って、上述のブレークオーバ電流IBOを著しく減少
させることができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図2及び図
3の2方向性2端子サイリスタのいずれにおいても、ブ
レ−クダウン電圧(降伏電圧)が一定し、実働状態にあ
っても長期に恒って変動しないことが要求される。図2
及び図3のサイリスタでは、ブレ−クダウン電圧を決定
する第2の空乏層36が形成される第4の半導体領域2
4の上面全体に第1の電極30が形成されているので、
これによってサイリスタ素子を覆う樹脂材や絶縁膜28
に含まれるイオンによるブレ−クダウン電圧の変動が有
効に防止されるものと期待された。しかしながら、図2
及び図3のサイリスタによって降伏電圧の変動(第2の
半導体領域22と第4の半導体領域24によって構成さ
れるPN接合ダイオ−ドの降伏電圧の降伏点の揺れ)は
発生した。この降伏電圧の変動が生じる理由は必ずしも
明確とは言えないが、降伏(アバランシェブレ−クダウ
ン)を引き起こすPN接合ダイオ−ドのPN接合の面積
が小さいことに起因すると思われる。即ち、図2及び図
3のサイリスタにおいては、降伏開始に関係するPN接
合34が第4の半導体領域24を環状に包囲する第2の
半導体領域22の内面側にのみ形成されており、その面
積は極小さい。アバランシェブレ−クダウンを引き起こ
すPN接合の面積が小さいと、ある一定の逆電圧をこの
PN接合に印加した際にPN接合界面を横切る少数キャ
リアが少なく、それだけアバランシェ降伏を引き起こす
きっかけ(引き金)も減少する。つまり、所望する降伏
電圧でアバランシェ降伏を引き起こす確率が小さくな
る。そこで、本願の目的は高信頼性、低オン電圧を高水
準に維持しつつ降伏電圧を一定化することができる2方
向性2端子サイリスタ機能を有する半導体装置を提供す
ることにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の発明は、実施例を示す図面の符号を参照して説明する
と、第1の導電形の第1の半導体領域21と、半導体基
板の一方の主面に露出した上面を除いて前記第1の半導
体領域21に隣接し、環状の平面形状を有している第2
の導電形の第2の半導体領域22と、前記半導体基板の
一方の主面に露出した上面を除いて前記第2の半導体領
域22に隣接し、環状の平面形状を有している第1の導
電形の第3の半導体領域23と、上面が前記半導体基板
の一方の主面に露出し、下面及び側面がそれぞれ前記第
1の半導体領域21と前記第2の半導体領域22に隣接
して包囲されている第1の導電形の第4の半導体領域2
4と、前記第1の半導体領域21に対して前記第2の半
導体領域22とは反対側で隣接し、前記半導体基板の他
方の主面から露出している第2の導電形の第5の半導体
領域25と、前記半導体基板の他方の主面に露出し、環
状の平面形状を有している第1の導電形の第6の半導体
領域26とを備え、前記第4の半導体領域24は前記第
1の半導体領域21よりも不純物濃度が高く、前記第3
の半導体領域23の前記第4の半導体領域24側、前記
第2の半導体領域22の前記第3の半導体領域23と前
記第4の半導体領域24の間の部分、及び前記第4の半
導体領域24の上面には絶縁膜28が形成されており、
前記第2の半導体領域22と前記第3の半導体領域23
は前記絶縁膜28の上面を覆う第1の電極30に電気的
に接続されており、前記第5の半導体領域25及び前記
第6の半導体領域26は第2の電極31に電気的に接続
されており、前記第6の半導体領域26は平面的に見て
前記第2の半導体領域22の外縁領域と重なる環状領域
を有しており、少なくとも前記第2の半導体領域22
前記第4の半導体領域24との間のPN接合34に基づ
くアバランシェ降伏発生領域に金又は白金が導入されて
いることを特徴とする2方向性2端子サイリスタに係わ
るものである。なお、請求項に示すように、前記第5
の半導体領域25を、前記第1の半導体領域21と前記
第5の半導体領域25との間のPN接合39の前記第4
の半導体領域24に対向する領域39bが前記第4の半
導体領域24の方向に突出するように形成することが望
ましい。また、請求項に示すように、第7の半導体領
域27と等電位リング用導電層40を設け、この導電層
40を第1の半導体領域21の絶縁膜28の上に延在さ
せることが望ましい。
【0025】
【発明の作用効果】各請求項の発明によれば、PN接合
の近傍のアバランシェ降伏発生領域への金又は白金の導
入によって、アバランシェ降伏電圧の変動を大幅に改善
することができる。この理由は金又は白金がキャリアを
励起させ、このキャリアをアバランシェ降伏を引き起こ
すきっかけとなるキャリ即ち種キャリアとして有効に
機能させるためと考えられる。これを図6の半導体装置
を参照して説明する。金又は白金は空乏層中、P形半導
体中及びN形半導体中にキャリアの励起を助ける準位を
形成し、キャリアを伝導帯に励起するように作用する。
このため、第2の半導体領域22内のキャリア(電子)
及び第4の半導体領域24内のキャリア(正孔)の濃度
と、第2の半導体領域22と第4の半導体領域24の間
に形成されるPN接合の面積が従来例と同一であり、両
領域22、24に存在するキャリアの総数が同一であっ
ても、これらが金又は白金によって励起され易い状態に
あるので、種キャリアの数は従来例に比して増大する。
このため、アバランシェ降伏を起こすPN接合の面積が
図2及び図3のサイリスタと同じであっても、所望する
降伏電圧でアバランシェ降伏を引き起こす確率が増加
し、結果として降伏電圧の変動が抑制される。なお、請
求項の発明は図2及び図3のサイリスタと同様な作用
効果も有する。即ち、この発明ではブレークダウンを決
定する領域として働く第4の半導体領域24の上に絶縁
膜28を介して第1の電極30が形成されている。この
第1の電極30は絶縁膜28や樹脂封止体のイオンによ
るブレークダウン電圧の変動を防止し、ブレ−クオ−バ
電圧の経時変化を小さくする。また、第6の半導体領域
26を環状に配置し、第2のサリスタが第1のサイリス
タを環状に囲んでいるので、第2のサイリスタのオン電
圧が小さくなる。更に、第1の半導体領域21と第5の
半導体領域25とのPN接合39に突出する部分を設け
ることによってブレ−クオ−バ電流IBOを小さくするこ
とができる。半導体領域に対する金又は白金の導入は請
求項3の構成のサイリスタに対して特に有効である。ま
た、請求項の発明によれば、等電位リング用導電層4
0が絶縁膜28を介して第1の半導体領域21の半導体
基板表面を被覆するため、この導電層40は第1の半導
体領域21の露出部分を被覆する絶縁膜28やさらにそ
の上方に形成されるであろう樹脂材等に含まれるイオン
が空乏層35に与える影響ひいてはこの空乏層35に繋
がる空乏層36に与える影響を防止でき、ブレ−クダウ
ン電圧の変動防止に貢献する。
【0026】
【実施例】次に、図6を参照して本発明の実施例に係わ
る2方向性2端子サイリスタとして機能する半導体装置
を説明する。但し、図6において図2及び図3と実質的
に同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略す
る。図6の2端子サイリスタは、少なくとも第2の半導
体領域22の内周側領域22aと第4の半導体領域24
とのPN接合34の近傍に金(Au)が拡散されている
こと、及び安定性を向上させるための等電位リングを構
成する導電層40が絶縁膜28を介して第1の半導体領
域21の半導体基板の上面の露出部分の全部を被覆して
いることにおいて、図3の2端子サイリスタと異なる
が、その他は図3と同一に構成されている。
【0027】第2の半導体領域22は、平面的に見て第
4の半導体領域24を隣接して包囲するように環状に形
成されており、第3の半導体領域23の内側に配置され
た第1の領域22aと第3の半導体領域23の外側に配
置された第2の領域22bと第3の半導体領域23の下
方に配置された第3の領域22cとを有する。第1の領
域22aは第4の半導体領域24に隣接しているので、
両者の間のアバランシェブレ−クダウンに関して重要な
領域である。
【0028】本発明に従う金(Au)の導入は第2の半
導体領域22と第4の半導体領域24のPN接合34の
近傍領域のみでも差支えないが製造上の関係でこの実施
例では半導体基板のほぼ全部に導入されている。PN接
合34の近傍に確実に金を導入するために本実施例では
第4の半導体領域24が露出している半導体基板の上面
側から金を拡散している。金の拡散係数は十分大きいた
め、これを上面から導入しても半導体基板の全体に拡散
される。なお、金を半導体基板の下面側から導入するこ
とも可能であるし、イオン注入法等で導入することも可
能である。なお、アバランシェ降伏を引き起こすPN接
合近傍での金の濃度は、降伏電圧の変動を防止するうえ
で重要であり、少なすぎても多すぎても本発明の効果を
良好に達成することが困難となる。従って、PN接合3
4近傍の金濃度5×109cm-3〜1×1014cm-3
範囲に設定することが望ましい、即ち、5×109cm
-3未満であると本発明の効果である降伏電圧の変動防止
が十分に達成できなくなる。一方、1×1014cm-3
越えるとオン電圧の増大が生じる。このような理由か
ら、本実施例ではPN接合34の近傍の金の濃度を約1
×1012cm-3に設定した。
【0029】金を上述のように少なくとも第2及び第4
の半導体領域22、24のPN接合34の近傍に導入す
ると、発明の作用効果の説明の欄で述べた作用効果を得
ることができる。
【0030】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 実施例では、キャリア励起のために金を使用し
たが、この代りに白金(Pt)を使用しても同様な作用
効果を得ることができる。(2) 半導体基板の下面中央に凹部を形成し、この状
態でN形不純物を拡散することによって椀状PN接合3
9bを得ることができる。しかし、この場合には第5の
半導体領域25の中央の椀状部分25bの不純物濃度分
布が平行部分25aと同一になり、実施例のような傾斜
接合が得られない。従って、電流密度増大効果の点で実
施例より不利になる。(3) 椀状部分25bの大きさを種々変えることがで
きる。しかし、電流増幅率の増大効果を十分に得るため
に第4の半導体領域24の中心に一致するように配置
し、且つ平面的に見て第4の半導体領域24の少なくと
も1/4の面積に重複するような大きさに形成すること
が望ましい。また、第2のサイリスタの特性を低下させ
ないために椀状部分25bを第6の半導体領域26より
も内側に配置することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の2方向性2端子サイリスタを示す中央縦
断面図である。
【図2】本件出願人が先に提案した従来の2方向性2端
子サイリスタの基本構造を示す中央縦断面図である。
【図3】本件出願人が提案した別の従来の2方向性2端
子サイリスタを示す中央縦断面図である。
【図4】図3の第5の半導体領域25の椀状部分25b
と第1の半導体領域21と接合部分の不純物濃度分布図
である。
【図5】 図3の第5の半導体領域25の周辺部分25
aと第1の半導体領域21との接合部分の不純物濃度分
布図である。
【図6】本発明の実施例の2方向性2端子サイリスタを
示す中央縦断面図である。
【符号の説明】
21〜27 第1〜第7の半導体領域 28 絶縁膜

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の導電形の第1の半導体領域(2
    1)と、 半導体基板の一方の主面に露出した上面を除いて前記第
    1の半導体領域(21)に隣接し、環状の平面形状を有
    している第2の導電形の第2の半導体領域(22)と、 前記半導体基板の一方の主面に露出した上面を除いて前
    記第2の半導体領域(22)に隣接し、環状の平面形状
    を有している第1の導電形の第3の半導体領域(23)
    と、 上面が前記半導体基板の一方の主面に露出し、下面及び
    側面がそれぞれ前記第1の半導体領域(21)と前記第
    2の半導体領域(22)に隣接して包囲されている第1
    の導電形の第4の半導体領域(24)と、 前記第1の半導体領域(21)に対して前記第2の半導
    体領域(22)とは反対側で隣接し、前記半導体基板の
    他方の主面から露出している第2の導電形の第5の半導
    体領域(25)と、 前記半導体基板の他方の主面に露出し、環状の平面形状
    を有している第1の導電形の第6の半導体領域(26)
    とを備え、前記第4の半導体領域(24)は前記第1の
    半導体領域(21)よりも不純物濃度が高く、 前記第3の半導体領域(23)の前記第4の半導体領域
    (24)側、前記第2の半導体領域(22)の前記第3
    の半導体領域(23)と前記第4の半導体領域(24)
    の間の部分、及び前記第4の半導体領域(24)の上面
    には絶縁膜(28)が形成されており、 前記第2の半導体領域(22)と前記第3の半導体領域
    (23)は前記絶縁膜(28)の上面を覆う第1の電極
    (30)に電気的に接続されており、 前記第5の半導体領域(25)及び前記第6の半導体領
    域(26)は第2の電極(31)に電気的に接続されて
    おり、 前記第6の半導体領域(26)は平面的に見て前記第2
    の半導体領域(22)の外縁領域と重なる環状領域を有
    しており、 少なくとも前記第2の半導体領域(22)と前記第4の
    半導体領域(24)との間のPN接合(34)に基づく
    アバランシェ降伏発生領域に金又は白金が導入されてい
    ることを特徴とする2方向性2端子サイリスタとして機
    能する半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の半導体領域(21)と前記第
    5の半導体領域(25)との間のPN接合(39)の前
    記第4の半導体領域(24)に対向する領域(39b)
    が前記第4の半導体領域(24)の方向に突出するよう
    に前記第5の半導体領域(25)が形成されていること
    を特徴とする請求項記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の半導体領域(21)の上面を
    環状に囲むように第1の導電形の第7の半導体領域(2
    7)が設けられ、この第7の半導体領域(27)の不純
    物濃度は前記第1の半導体領域(21)の不純物濃度よ
    りも高く設定され、前記第2の半導体領域(22)と前
    記第7の半導体領域(27)との間に配置されている前
    記第1の半導体領域(21)の上面を覆うように絶縁膜
    (28)が設けられ、この絶縁膜(28)の上に等電位
    リング用導電層(40)が設けられ、この導電層(4
    0)は前記第7の半導体領域(27)に接続されている
    ことを特徴とする請求項又は記載の半導体装置。
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