JP2940044B2 - 5’―グアニル酸ジナトリウム・5’―イノシン酸ジナトリウム混晶の製造方法 - Google Patents

5’―グアニル酸ジナトリウム・5’―イノシン酸ジナトリウム混晶の製造方法

Info

Publication number
JP2940044B2
JP2940044B2 JP1666390A JP1666390A JP2940044B2 JP 2940044 B2 JP2940044 B2 JP 2940044B2 JP 1666390 A JP1666390 A JP 1666390A JP 1666390 A JP1666390 A JP 1666390A JP 2940044 B2 JP2940044 B2 JP 2940044B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
disodium
inosinate
mixed
mixed crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1666390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03223299A (ja
Inventor
等史 諸岡
重光 阿部
美恵子 五十嵐
隆之 香田
久 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP1666390A priority Critical patent/JP2940044B2/ja
Priority to DE4027360A priority patent/DE4027360A1/de
Priority to KR1019900013583A priority patent/KR0136902B1/ko
Priority to BE9000852A priority patent/BE1004566A4/fr
Publication of JPH03223299A publication Critical patent/JPH03223299A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2940044B2 publication Critical patent/JP2940044B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、調味料、医薬品等として有用な5′−ヌク
レオチド混合物、特に5′−グアニル酸ジナトリウムと
5′−イノシン酸ジナトリウムの混合物をその混晶とし
て製造する方法に関する。
[従来の技術] 5′−イノシン酸ジナトリウム(以下、INと略す)と
5′−グアニル酸ジナトリウム(以下、GNと略す)を混
晶の形態で製造する方法として次の二つの方法及び本発
明者らが見い出した方法がある。
(1)INとGNを、メタノール等の有機溶液含有溶液にIN
とGNを溶解し、これからINとGNの混晶(以下、IN・GN混
晶と略す)を得る方法(特公昭40−12914号公報)。
(2)INとGNを水に溶解し、冷却または濃縮晶析により
IN/GN混晶を得る方法(特公昭54−16582号、同55−4787
7号公報)。
(3)GNが液底体として存在するGN含有スラリー溶液
に、IN含有水溶液を徐々に添加してIN・GNの混晶を生成
させることを特徴とする方法(特開平3−215494号公
報)。
INとGNは、メタノール等の有機溶媒含有水溶液または
水溶液中で、INの結晶格子にGNを取り込む形で混晶を形
成することが知られている。この混合物のX線回折図は
ほぼINのX線回折図と同じパターンを示し、化学構造の
類似したGNがINの格子に入り、水素結合により安定状態
を保つものと考えられている。INの結晶は結晶成長性が
よく、このIN結晶の格子中にGNが取り込まれた混晶の特
性も、INの結晶とほぼ同等のものとなる。
IN・GN混晶を取得する際に、前記(1)の方法では高
い回収率で晶析できるものの、工業的にはメタノール等
の有機溶媒を使用するために防爆など高価な設備を要
し、製造コストも高くなる欠点がある。また、(2)の
方法では、製品の規格として十分な精度の晶析を行うた
めには、濃縮ドレン、フィード液の管理や温度、圧力等
の設定条件を厳しく制御する必要があり、装置の複雑化
と共に、設備費も膨大なものとなる。さらに、この方法
では晶析母液を用いて目的の組成の混晶を得ることは困
難である。
次に(3)の方法は上記(1)、(2)の問題点が解
決され、水晶析法により、IN・GN混晶を製造する際に、
INとGNの比率を自由にコントロールすることができ、し
かもその晶析母液は、その組成を厳密にコントロールせ
ずにリサイクルさせてGNを添加したGN含有スラリー溶液
をつくるだけで母液から連続して混晶を取得することが
できる。さらに設備も簡単で安価に製造できるなど、画
期的な特徴を持っている。しかしながら、この晶析法に
より得られる結晶は、鱗片状で平均粒径が小さい、流動
性が悪い、等の好ましくない粉体特性を有している。こ
の為、固液分離操作に手間取る等の問題があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の問題は、IN・GN混晶の晶析法に関し、好まし
い粉体特性を有するIN・GN混晶を製造することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らはIN・GN混晶の粉体特性を改良するべく鋭
意検討を重ねた結果、「従来の技術」中の(3)の方法
で晶析を行う際に、種晶としてIN結晶、またはIN・GN混
晶を添加することにより、厚みのある板状結晶で、平均
粒径が大きい、流動性が優れている等の好ましい粉体特
性を有する結晶を見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
すなわち、本発明は、5′−グアニル酸ジナトリウム
含有スラリー溶液に5′−イノシン酸ジナトリウム含有
溶解液を添加して混晶を生成せしめるに際し、5′−イ
ノシン酸ジナトリウムを添加する前若しくは添加した後
に種晶として5′−イノシン酸ジナトリウム結晶または
5′−グアニル酸ジナトリウム・5′−イノシン酸ジナ
トリウム混晶を添加せしめることを特徴とする5′−グ
アニル酸ジナトリウム・5′−イノシン酸ジナトリウム
混晶の製造方法に関する。
本発明に用いる種晶は発酵法、有機合成法などにより
取得されるIN結晶またはIN・GN混晶が使用できる。さら
に好ましい種晶は、その形状が球状または厚みのある結
晶である。鱗片状の結晶を種晶として用いることは好ま
しくない。なぜなら、種晶を成長せしめて得られる結晶
も鱗片状になってしまうためで、これは、鱗片状の種晶
の結晶成長点が制限されているため、一方向のみの結晶
成長が促進されると考えられる。種晶の平均粒径は、30
μm〜150μm、好ましくは50μm〜100μmが良い。種
晶の量は、GN含有スラリー溶液のGN重量に対し、INで2
〜20%、IN・GN混晶で5〜30%、好ましくはINで5〜10
%、IN・GN混晶で5〜15%が良い。
次に、本発明で用いるGN含有スラリー溶液は主にGNを
水に懸濁したものが使用される。このGN含有スラリー溶
液は若干量の有機溶媒を含んでいてもよいが、好ましく
は水のみの系である。ここで、当初に用いるGNの結晶形
態は、α晶、β晶、γ晶のいずれでも良く、限定されな
い。さらにGN含有スラリー溶液はIN、原料由来の不純物
無機塩類等を含んでも良いが、それらの含有は、目的の
混晶を生成させる過程で、種晶以外のIN結晶が析出しな
い濃度に限定される。このGN含有スラリー溶液を一定の
温度に保ちつつ、IN含有溶解液、好ましくはその飽和溶
液を徐々に加えて、GNの液底体が完全にINとの混晶に変
化したところを顕微鏡等で結晶状態を確認し、晶析終了
とする。種晶の添加時期は、GN含有スラリー溶液にIN含
有溶解液を添加する前であっても後であってもよい。な
お、IN含有溶解液には、GN、原料由来の不純物無機塩類
等を含んでも良いが、IN・GN混晶を生成できる条件に限
定される。晶析の際、IN含有溶解液は混晶の晶析率を向
上させるため、高温で飽和濃度に近いものを使用するの
がよい。もちろん、IN含有溶解液が高温である場合に
は、晶析液の温度が急上昇しないように注意する必要が
ある。IN含有溶解液の添加はできるだけゆっくり行うの
がよい。これは、IN含有溶解液が急冷されて、INとして
晶析し、器壁に付着したり、晶析槽内に沈降してIN過剰
の混晶が生成する事などを回避するためである。また、
晶析率向上のために、これらの水溶液に、NaCl、Na2S
O4、NH4Cl、(NH4)2SO4などの塩を加えて塩析をかけ、溶
解度の小さいところで晶析を行うことも有効である。
混晶のINとGNの組成を変えるためには、晶析温度を例
えば20℃、30℃、40℃、50℃等と変えれば良く、その温
度の共通溶解度に対応する晶析が行われ、混晶中の組成
を自由に設定することが出来る。
晶析操作を例えば30℃以上の温度で行えばGNのα晶が
混晶に変化する。一方、20℃等の低温で行うと、GNはβ
晶で存在するが、この場合においてもβ晶が混晶に変化
する事が確認されており、晶析操作は同じでよい。
また晶析するGN含有スラリー溶液、IN含有水溶液のpH
については、これらがジナトリウム塩の領域、すなわ
ち、GNについてはpH6〜10、INについてはpH6〜10の範囲
にあれば、特に制限されることなく混晶を得ることが出
来る。
以下、本発明を実施例で具体的に示す。
[実施例1] GN(γ晶)840gを塩化ナトリウム240gをふくむ2400g
の水に分散させてGN(α晶)含有スラリー溶液とし、こ
のスラリーの温度を40℃とした。GNはこの塩濃度、温度
ではα晶に転移した。これに、すり鉢ですりつぶし、粒
径を70μm〜120μmに整えたIN・GN混晶を種晶として2
50g加え、その後、IN640gを70℃で加熱溶解した3520gの
塩化ナトリウム水溶液(NaCl320g)をかくはんしながら
徐々に添加した。
GNα晶は徐々に混晶に変化して行き、GNα晶が完全に
消失したときを顕微鏡で確認し、終点とした。顕微鏡で
観察すると、種晶が徐々に成長して大きな結晶になって
行くのが認められた。晶析していたIN・GN混晶を卓上振
り切りで分離し、風乾した。混晶の収量は800gであっ
た。
なお、結晶分離時の母液の分離性はきわめて良好であ
った。
次に、ここで得られた混晶と種晶を添加しない場合で
得られる混晶と粉体特性について比較して示した。すな
わち同濃度のGN、IN溶液を種晶を入れずに40℃で晶析し
たもの(従来法(特開平3−215494号公報記載の方法)
による混晶)と比較した。結果は下表の通りである。
以上の結果から、本発明方法により得られる混晶の粉
体特性は、従来法で得られるものより優れていた 実施例2 GNγ晶23.5Kgを塩化ナトリウム4.7Kgを含む48.8Kgの
水に分散させてGNα晶を析出させ、このスラリーの温度
を35℃とした。種晶としてIN結晶2.57KgをGN含有スラリ
ー溶液に添加した後、IN結晶14.5Kgを塩化ナトリウム5.
3Kgを含む53.8Kgの水(70℃)に溶解させたものを徐々
に添加した。
温度は35℃に保ち、滴下は6時間で終了した。その
後、析出したIN・GN混晶を遠心分離し、28.0Kgの結晶を
得た。
該結晶は厚みのある板状結晶であり、実施例1で得ら
れたものと、流動性等の粉体特性においてほとんど同一
であった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、厚みがあり、
粒径の大きくかつ流動性に優れたIN・GN混晶が取得でき
ることから製造メリットが大きいものである。さらに、
本発明により製造された混晶はそのまま製品としても適
用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 久 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1―1 味 の素株式会社中央研究所内 審査官 中木 亜希 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07H 19/20 CAplus(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5′−グアニル酸ジナトリウム含有スラリ
    ー溶液に5′−イノシン酸ジナトリウム含有溶解液を添
    加して結晶を生成せしめるに際し、5′−イノシン酸ジ
    ナトリウムを添加する前若しくは添加した後に、種晶と
    して5′−イノシン酸ジナトリウム結晶または5′−グ
    アニル酸ジナトリウム・5′−イノシン酸ジナトリウム
    混晶を添加せしめることを特徴とする5′−グアニル酸
    ジナトリウム・5′−イノシン酸ジナトリウム結晶の製
    造方法。
JP1666390A 1989-09-04 1990-01-27 5’―グアニル酸ジナトリウム・5’―イノシン酸ジナトリウム混晶の製造方法 Expired - Lifetime JP2940044B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1666390A JP2940044B2 (ja) 1990-01-27 1990-01-27 5’―グアニル酸ジナトリウム・5’―イノシン酸ジナトリウム混晶の製造方法
DE4027360A DE4027360A1 (de) 1989-09-04 1990-08-29 Verfahren zur herstellung von mischkristallen aus dinatrium-5'-guanylat und dinatrium-5'-inosinat
KR1019900013583A KR0136902B1 (ko) 1989-09-04 1990-08-31 5'-구아닐산디나트륨과 5'-이노신산디나트륨의 혼합결정의 제조방법
BE9000852A BE1004566A4 (fr) 1989-09-04 1990-09-04 Procede pour produire des cristaux mixtes de 5'-quanylate de disodium et de 5'-inosinate de disodium.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1666390A JP2940044B2 (ja) 1990-01-27 1990-01-27 5’―グアニル酸ジナトリウム・5’―イノシン酸ジナトリウム混晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03223299A JPH03223299A (ja) 1991-10-02
JP2940044B2 true JP2940044B2 (ja) 1999-08-25

Family

ID=11922571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1666390A Expired - Lifetime JP2940044B2 (ja) 1989-09-04 1990-01-27 5’―グアニル酸ジナトリウム・5’―イノシン酸ジナトリウム混晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2940044B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7354615B2 (en) 2001-07-26 2008-04-08 Ajinomoto Co., Inc. Method for producing mixed crystal of disodium 5′-guanylate and disodium 5′-inosinate
JP2003261594A (ja) * 2002-03-07 2003-09-19 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd 5’−キサンチル酸・2ナトリウム塩の結晶
CN103570783B (zh) * 2013-11-19 2016-08-17 南京工业大学 一种鸟苷酸二钠转晶的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03223299A (ja) 1991-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3421666B2 (ja) ジヌクレオチド結晶
JP2940044B2 (ja) 5’―グアニル酸ジナトリウム・5’―イノシン酸ジナトリウム混晶の製造方法
KR100810452B1 (ko) 5'-구아닐산디나트륨·5'-이노신산디나트륨 혼합 결정의 제조방법
JP4453070B2 (ja) 5’−グアニル酸ジナトリウム・5’−イノシン酸ジナトリウム混晶の製造法
JP2770470B2 (ja) 5′―グアニル酸ジナトリウム・5′―イノシン酸ジナトリウム混晶の製造方法
KR0136902B1 (ko) 5'-구아닐산디나트륨과 5'-이노신산디나트륨의 혼합결정의 제조방법
CN111961102B (zh) 5′-尿苷单磷酸晶体及其制备方法
WO2023080253A1 (ja) 5'-グアニル酸ジナトリウム・5'-イノシン酸ジナトリウム混晶の製造方法
CA2418966A1 (en) Method for producing tagatose crystals
KR970003128B1 (ko) 5'-구아닐산 2나트륨 7수화물 결정의 대형화 방법
US3677773A (en) Method for the production of a flavor enhancing crystal
JP3088786B2 (ja) エリスリトールの晶析法
JP2000053418A (ja) 石膏繊維の製造方法
JP3525223B2 (ja) グアノシンモノナトリウム塩2水和物の選択的晶析方法
SU977390A1 (ru) Способ получени сульфата кали
US4782182A (en) Method of producing crystals of L-arginine phosphate monohydrate
US3374223A (en) Crystalline sodium 5'-guanylate pentahydrate and method of producing the same
SU829567A1 (ru) Способ получени сульфата кали
JP3460238B2 (ja) 粒状硫安の製造方法
SU1460998A1 (ru) Способ получени @ -кетоглутаровой кислоты
JPH0967322A (ja) γ型グリシンの連続製造法
JPH02306961A (ja) ターフェナジンの高融点多形型の製造
JP2870807B2 (ja) ヌクレオチド混合物の製造方法
US3646082A (en) Process for optically resolving dlglutamic acid and salts thereof
JPH01242563A (ja) 有機板状晶の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 11