JP2939935B2 - 洗浄剤及びその製造方法 - Google Patents
洗浄剤及びその製造方法Info
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Description
密機器等の製造工程における油脂洗浄等に有効に使用し
得る洗浄剤及びその製造方法に関する。
て、金属部品や半導体部品等の油脂洗浄或いは基板に付
着した液晶の除去には、従来、フロン、トリクロロルエ
タン、塩化メチレン等の溶剤が使用されてきた。しか
し、近年環境汚染等の問題からこれらの溶剤の使用は禁
止される方向にあり、これに対応した様々な代替洗浄剤
の開発が行われている。
中でも水系洗浄剤は人体に対する安全性が高い点で特に
注目されている。特開平6−340897号は、その水
系洗浄剤の一つとして、茶の水乃至熱水抽出物を有効成
分とする脱脂用途の洗浄剤を開示している。かかる茶由
来の洗浄剤は、特に光学機器、精密機器等の製造おける
脱脂洗浄に有効であるばかりか、環境に優しく、しかも
安価に製造することができる点で優れている。
乃至熱水抽出物を原料とした洗浄剤を用いて液晶基板等
の洗浄を行うにあたり、その洗浄対象が液晶注入・封止
後の液晶ガラス基板である場合は、製品品質に全く影響
を与えずに良好な洗浄効果を得ることができる一方、液
晶注入・封止前の工程で茶抽出を原料とした洗浄剤を用
いてガラス基板の洗浄を行った場合、十分な洗浄効果は
得られるものの、製品の液晶画面上で「画面ボケ」とい
う現象が生じ、製品品質の低下を招くおそれがあること
が判明した。
由来の洗浄剤による「画面ボケ」の発生の原因を究明す
ると共にこれを解消し、光学機器や精密機器等の製造工
程においてより一層有効に使用される洗浄剤及びその製
造方法を提供せんとする。
解決のため鋭意研究を重ねた結果、茶由来の洗浄剤によ
る「画面ボケ」の原因は茶抽出物中に含まれる金属イオ
ン等の灰分、中でもカリウムイオン及びナトリウムイオ
ンの残留が影響していることを究明した。一般的に茶葉
の灰分(強熱残存無機物)含有量は約5%程度である
が、中でもカリウムは最も多く約40%を占める。具体
的には茶葉にはカリウム2〜2.5重量%、リン0.4
〜0.5重量%、カルシウムが0.2〜0.3重量%、
マグネシウムが0.15〜0.25重量%等が含有され
ており、当然茶の抽出液中に含有される金属イオンとし
てもカリウムイオンが最も多い。このためにカリウムイ
オンの影響が大きくなっているものと考えられる。ま
た、一般的に茶抽出液の品質安定(主にpH調整)を図
るためにL−アスコルビン酸ナトリウムや炭酸水素ナト
リウム等のナトリウム型pH調整剤を添加することが行
われる。このため、茶自体に含有される量は少ないがナ
トリウムイオンの影響が大きいものと考えられる。
ムイオン及びナトリウムイオンの残留を防止するには、
洗浄剤中の金属イオン濃度を低下させる必要があるが、
単に洗浄剤の使用濃度を下げたのでは金属イオン濃度と
同様に油脂洗浄の有効成分の一つと考えられるポリフェ
ノールの濃度も低下するため洗浄効果も低下させてしま
う。そのため、洗浄効果を維持しつつ金属イオンの残留
を防止するには、「ポリフェノール濃度/灰分濃度」
比、或いは「ポリフェノール濃度/(カリウムイオン+
ナトリウムイオン)濃度」比を高める必要がある。
濃度/(カリウムイオン+ナトリウムイオン)濃度比を
50以上に調整、或いはポリフェノール濃度/灰分濃度
比を15以上に調整した茶抽出液を有効成分とすること
を特徴とする。このようにポリフェノール濃度/(カリ
ウムイオン+ナトリウムイオン)濃度比或いはポリフェ
ノール濃度/灰分濃度比をかかる範囲に調整すれば、ポ
リフェノール濃度を維持しつつカリウムイオン及びナト
リウムイオン濃度を低減できるから、高濃度で使用して
も金属イオン残留による悪影響を残すことがない。
茶、半発酵茶、発酵茶などいずれの茶種をも用いること
もできる。また、茶とは、茶樹のどの部位を含むもので
も良く、葉、茎、芽、種子等のいずれか或いはこれらの
混合物を含む意味である。茶の抽出液とは、温水抽出、
熱水抽出、有機溶媒による抽出、好ましくは茶の温水抽
出乃至熱水抽出を含む意味であり、抽出温度を特に限定
する意ではないが、成分の抽出効率の点からすれば熱抽
出が好ましい。ポリフェノール濃度とは、茶タンニンと
称される、カテキン類を主成分とするポリフェノール成
分の合計濃度である。また、洗浄剤とは、液状タイプは
もちろん、粉状あるいは粒状タイプも包含し、使用時は
これを適当な濃度に溶解または希釈し、用いることがで
きるものを含む意である。
ムイオン+ナトリウムイオン)濃度比、或いはポリフェ
ノール濃度/灰分濃度比を高める手法は、次の3つの方
法が考えられる。一つは、茶抽出液の逆浸透膜処理法で
ある。この方法は、金属イオン類は透過するが、ポリフ
ェノール類は透過しない特性をもつ逆浸透膜を選択し、
加圧濾過する方法である。また一つは、合成吸着剤を用
いた脱塩法である。これは、ポリフェノール類を吸着す
るが、金属イオン類は吸着しない合成樹脂を選択し、こ
れに茶抽出液を接触させる方法であり、効率的な脱塩が
可能である。そしてもう一つは、イオン交換法である。
この方法は、陽イオン交換樹脂又は陽イオン交換膜を用
いて茶抽出液をイオン交換することにより、茶抽出液中
のカリウムイオン及びナトリウムイオン等の金属イオン
をその他のイオンに交換させることによりカリウムイオ
ン+ナトリウムイオン濃度乃至灰分濃度を低下させる方
法である。コスト的にはイオン交換樹脂を用いる方がよ
り有利である。以上の3つの方法を比較すると、逆浸透
膜処理法は、逆浸透膜及び装置が高価である。合成吸着
剤を用いた脱塩法は、合成吸着剤からのポリフェノール
類の回収及び合成吸着剤の再生にメタノール等の有機溶
剤が必要となるため、有機溶剤を除去する工程が新たに
必要になるほか、ランニングコストの増大が予想される
等の問題がある。これに対し、イオン交換樹脂によるイ
オン交換法は、イオン交換樹脂および装置が比較的安価
である点でコスト的には優れている。
イオン交換法に着目し、茶の抽出液又は茶の抽出液にナ
トリウム型pH調整剤を加えた溶液、或いはそれらを混
合した溶液を陽イオン交換樹脂、好ましくは強酸性陽イ
オン交換樹脂を用いてイオン交換処理することによりポ
リフェノール濃度/(カリウムイオン+ナトリウムイオ
ン)濃度比を50以上、或いはポリフェノール濃度/灰
分濃度比を15以上に調整し、得られたイオン交換処理
液を有効成分として使用する洗浄剤の製造方法を提供す
る。
価以上の陽イオンに対して効率良くイオン交換反応を行
うことができる。カルボキシル基等を陽イオン交換基と
する弱酸性陽イオン交換樹脂を用いることも可能ではあ
るが、カリウムイオンやナトリウムイオン等に対する交
換性能が比較的低いため、強酸性陽イオン交換樹脂の方
が好ましく、中でもNH4 + 型強酸性陽イオン交換樹脂
が特に好ましい。一般的に市販されている陽イオン交換
樹脂は、対イオンとしてナトリウムイオン(Na+ 型)
或いは水素イオン(H+ 型)が結合した状態のものであ
るが、金属イオンの除去の用途にはNa+ 型の如く対イ
オンとして金属イオンを結合した陽イオン交換樹脂は好
ましいとは言えない。一方、H+ 型強酸性陽イオン交換
樹脂は、金属イオンの除去の用途に使用可能であるが、
茶抽出液をH+ 型強酸性陽イオン交換樹脂で処理する
と、抽出液のpHが著しく酸性に傾き、これにより白濁
・沈殿を生じて樹脂を充填したカラム内で目詰まりを起
こす。このような目詰まりを無くすためには、抽出液の
pHを中性に戻して白濁・沈殿を解消させるために金属
イオンを含まないアルカリ水溶液を添加しなければなら
ない。これに対し、NH4 + 型強酸性陽イオン交換樹脂
は、対イオンが非金属イオンであり、しかもイオン交換
処理液のpHが著しく酸性に傾くこともないため、前述
の茶抽出液を接触させても白濁・沈殿を生じることはな
く、かつ茶抽出液中のカリウムイオンやナトリウムイオ
ンその他の金属イオン等を速やかにアンモニウムイオン
と置換して低灰分化及び低カリウム・ナトリウムイオン
化された処理液を得ることができる。しかも、得られた
処理液のポリフェノール濃度は殆ど低下しておらず、洗
浄効果が維持される。
は、スルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂等の強酸性陽
イオン交換樹脂を適当濃度の塩化アンモニウム水溶液に
接触させ、樹脂の対イオンをアンモニウムイオンに置換
させることにより作成することができる。
スルホン酸型のものに限定する訳ではないが、スルホン
酸型強酸性陽イオン交換樹脂としては、例えばダイヤイ
オンSK1B等のSKシリーズ、ダイヤイオンPK20
8等のPKシリーズ(以上、三菱化学社製)、ダウエッ
クス50W・X1等の50Wシリーズ、ダウエックスH
CRシリーズ、ダウエックスHGRシリーズ(以上、ダ
ウケミカル社製)、アンバーライトIR−120B等の
100番台のシリーズ、アンバーライトIR−200C
等の200番台のシリーズ(以上、ローム・アンド・ハ
ース社製)などがある。ただし、これらに限定するもの
ではない。
は、上記の如く塩化アンモニウム水溶液に接触させるほ
か、硫酸アンモニウム水溶液、硝酸アンモニウム水溶液
等と接触させても可能である。ただし、例えばスルホン
酸型陽イオン交換樹脂をアンモニア水に接触させた場
合、アンモニアが揮発性が高く刺激臭を発するため作業
環境上の問題が生じる点に留意すべきである。使用した
陽イオン交換樹脂は、処理後再び塩化アンモニウム水溶
液等と接触させることにより、再生することができる。
のイオン交換処理方法としては、陽イオン交換樹脂をカ
ラムに充填し、カラム内に茶抽出液を通液するか、或い
はタンク内等でバッチ式で接触させるなどの方法をとる
ことができるが、前者(カラム式)は連続的かつ効率的
に処理することができる点で好ましい。
交換処理前の茶の抽出液のpHを5〜7に調整するのが
好ましい。pHが5を著しく下回るか、或いはpH7を
著しく越えると白濁が生じ、その傾向は濃厚液で更に顕
著になる。更にNH4 + 型強酸性陽イオン交換樹脂を用
いてイオン交換処理を行う場合は、イオン交換処理前ば
かりでなく、イオン交換処理前から製品完成に至るまで
の全工程の任意の時点において、特に好ましくは該全工
程のすべてにおいて茶抽出液乃至洗浄剤のpHを5〜7
の範囲に調整するのが好ましい。製造工程においてpH
5を著しく下回ると白濁が生じ、pH7を越える環境下
では刺激臭であるアンモニアガスを発生する危険があ
り、その傾向はpHが高く、又抽出液濃度が高いほど顕
著になる。また、本発明における洗浄剤としてのpHも
5〜7の範囲に調整し保持するのが好ましい。かかる範
囲を下回ると白濁が生じ、逆に範囲を上回ると白濁乃至
アンモニアガス発生の危険性が生じ、しかもその傾向は
濃厚液であるほど顕著になるからである。
交換処理前までに微細濾過或いは遠心分離等により混濁
物を除去することが製品品質の向上及び効率的なイオン
交換処理を行う上で好ましい。また、抽出液を一定濃度
まで濃縮することにより一層効率的なイオン交換処理を
行うことができる。
した茶抽出液は、そのまま単独で洗浄剤として使用する
ことが可能であるが、例えば必要に応じて界面活性剤を
配合して洗浄力の向上を図ることも、又、防腐剤を配合
してより高い保存性をもたせること等も可能である。
換樹脂でイオン交換処理した場合の効果を検討した。
水抽出後、濃縮、濾過等を施したウーロン茶濃厚液(B
rix値12.0、pH6.0)を用いた。陽イオン交
換樹脂として、H+ 型弱酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤ
イオンWK−10、三菱化学社製)、H+ 型強酸性陽イ
オン交換樹脂(IR−120B)、NH4 + 型強酸性陽
イオン交換樹脂(IR−120B)を用いた。イオン交
換処理は、カラム法により、各種イオン交換樹脂4ml
をガラスカラムに充填し、そこに上記ウーロン茶濃厚液
10mlを通液して行った。
記イオン交換処理により得られた各処理液のカリウムイ
オン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定すると
共に、対照の測定値との比較により各イオン交換処理に
ついてのカリウムイオン減少率を算出した。また、イオ
ン交換後のpHを測定すると共に、イオン交換処理した
処理液の白濁の発生の有無及びカラム内の目詰まりの発
生の有無を観察した。これらの結果は表1に示した。
合、カリウムイオンの除去は顕著に行われたが、処理液
のpHは極端に低下すると共に白濁が発生した。カラム
内でも白濁が発生し目詰まりを起こしたために流速が極
端に低下した。H+ 型弱酸性陽イオン交換樹脂を用いた
場合は、カリウムイオンの減少が十分に行われなかっ
た。処理液のpHは5を下回る値になり、僅かに白濁し
たが、カラム通液には問題がなかった。NH4 + 型強酸
性陽イオン交換樹脂を用いた場合は、カリウムイオンの
減少が十分に行われ、しかも処理液のpHはほとんど変
化せず、白濁及びカラムの目詰まり等も発生せず、良好
な状態でイオン交換処理を行うことができた。
工程及び製品としての洗浄剤のpH調整・制御の重要性
について検討した。
同様のウーロン茶濃厚液であり、NH4 + 型強酸性陽イ
オン交換樹脂を用いて実施例1と同様の方法でイオン交
換処理を行った。イオン交換処理前のウーロン茶濃厚液
のpH調整による影響(白濁及び臭気)、並びにイオン
交換処理後のウーロン茶濃厚液(処理液)のpH調整に
よる影響(白濁及び臭気)を観察及び測定し、前者の結
果を表2、後者の結果を表3に示した。
び処理後のいずれにおいてもpHを5〜7の範囲に調整
した場合は白濁の発生及び臭気の発生はなかった。臭気
については、pHが7.5を越えるとイオン交換処理前
及び処理後の間に差異が見られるようになり、イオン交
換処理前のpH調整ではpH7.5を越えてより高く調
整したものほど本来の茶の香気とは異なる臭気が発生
し、それは刺激臭ではないがやや不快な臭気であった。
他方、イオン交換処理後のpH調整ではpH7.5を越
えてより高く調整したものほどアンモニアガスと思われ
る刺激臭が強くなった。
理による茶抽出液の成分組成変化を検討した。
水抽出後、L−アスコルビン酸を添加し、粗濾過、遠心
分離を行い、その後L−アスコルビン酸ナトリウム及び
炭酸水素ナトリウムを添加してpH調整したウーロン茶
抽出液(Brix値3.5、pH5.85)を用いた。
イオン交換処理は、NH4 + 型強酸性陽イオン交換樹脂
(SK1B)を10リットル充填したカラムに、前述の
ウーロン茶抽出液100リットルを通液して行った。こ
のイオン交換処理は、同様の条件下で別々に2回行い、
各処理より処理液、を得た。また、未処理液と処理
液を1:1で混合したもの、及び1:9で混合したも
のを作製し、それぞれ処理液、とした。
て、ポリフェノール濃度、灰分濃度、ナトリウムイオン
及びカリウムイオン合計濃度をそれぞれ測定すると共
に、それぞれについてポリフェノール濃度/灰分濃度比
と、ポリフェノール濃度/(ナトリウムイオン+カリウ
ムイオン合計濃度)比とを算出し、これらの値を下記表
4に示した。なお、ポリフェノール濃度の測定は、緑茶
タンニンの分析法(「茶の分析法」茶業研究報告、第71
号、P43 〜74、1990年) である酒石酸鉄比色定量法によ
り測定した。また、灰分濃度の測定は、直接灰化法(5
25℃、サンプル量:50ml)によりサンプルを灰化
させた時の減量測定からその残存物量を換算し、灰分量
とした。
(表ではA/B)は、洗浄剤有効成分であるポリフェノ
ールの存在量に対して、洗浄剤としては不必要な灰分量
がどの程度まで低減できたを示す値であり、ポリフェノ
ール濃度/(ナトリウムイオン+カリウムイオン合計濃
度)比(表ではA/C)は、灰分の主要成分であるナト
リウムイオンとカリウムイオンの合計量がいかに低減さ
れているかを示すものであるため、いずれも値が高いほ
ど金属残留性が低いことを示す。
下、これらを「試験洗浄剤」という。)について、それ
ぞれBrix値が0.3になるように希釈調整した後、
以下の洗浄効果を試験した。第1の洗浄効果の試験は、
ガラス板(2cm×5cm)にオイルレッドにより赤く
着色させた液晶1gを塗布したものを被洗浄物として用
い、上記の各試験洗浄剤20リットルを超音波洗浄槽に
入れ、50℃に液温を調整した後、前記被洗浄物をこの
槽に入れ、3分間超音波洗浄した。洗浄後は洗浄剤を排
出後、50℃・20リットルの超純水で前記同様に3分
間超音波洗浄するリンス工程を3回繰り返した。リンス
工程後、被洗浄物を回収し乾燥させ後、観察等により洗
浄効果を評価した。第2の洗浄効果の試験は、実際に上
記の試験洗浄剤を液晶注入前のガラス基板の洗浄に用い
て液晶パネルを製造し、製品品質の劣化、特に画面ボケ
の発生の有無を評価した。また、対照として純水を使っ
て上記同様に洗浄及びリンスを行い、その洗浄効果を評
価し、これらの結果を表4に示した。
リフェノール濃度は殆ど変化しなかったが、灰分濃度は
処理前の約10%になり、ナトリウムイオンとカリウム
イオンの合計濃度は1%以下に減少し、十分なイオン交
換処理がなされたことを確認することができた。ポリフ
ェノール濃度/灰分濃度比(表中のA/B)は約10倍
に上昇し、ポリフェノール濃度/(ナトリウムイオン+
カリウムイオン合計濃度)比(表中のA/C)は100
倍以上に上昇しており、金属残留性が低く品質的に向上
した成分組成になった。洗浄効果の点では、処理液
による洗浄効果は未処理液による洗浄効果とほぼ同
等であり、良好であった。液晶パネルの製品品質につい
ては、未処理液を使用した場合は画面ボケという劣化現
象が認められた。処理液ではこのような劣化は認め
られず良好であった。未処理液と処理液を1:1で混
合した処理液では未処理液と同様の現象が見られた
が、未処理液の配合率を10%とした処理液では製品
劣化現象は見られなかった。
の有効成分を検討した。
ール除去済み緑茶抽出液(以下、これらを洗浄液サンプ
ルという。)を用いて、洗浄効果の比較を行った。ポリ
フェノール除去済み緑茶抽出液は、緑茶を熱水抽出して
得られた抽出液をBrix値1.0に調整し、ポリフェ
ノールを選択的に吸着できるポリビニルピロリドンを添
加してポリフェノール除去を行い、得られた上清をサン
プルとしたものである。
mm)にオイルレッドで着色した液晶50mgを入れ、
乾燥後、各洗浄液サンプルを5ml試験管に入れ、25
℃・3分間超音波洗浄を行い、超音洗浄後試験管内の洗
浄液を廃棄し、10mlの蒸留水で2回リンスを行っ
た。洗浄評価は、試験管内にエタノールを10ml入れ
て超音波処理を行い、残存した液晶を十分に溶解させた
後、吸光度計にて赤色度を測定した。そして、水洗浄試
験区(対照)の残存液晶量を100とし、これに対する
各試験サンプルの液晶残存量の割合(%)をポリフェノ
ール濃度と共に表5に示した。
ェノールを除去したものの洗浄効果は大幅に低下した。
これより、茶抽出液中に含まれるポリフェノールは洗浄
剤としての有効成分の一つであると考えられる。
しくは強酸性陽イオン交換樹脂、中でもNH4 + 型強酸
性陽イオン交換樹脂によるイオン交換処理により得られ
た低灰分化及び低ナトリウム・カリウム化された茶葉の
抽出液を原料として製造した洗浄剤は、洗浄剤の有効成
分であるポリフェノール濃度を維持しているから、イオ
ン交換処理しない茶抽出液と同様に高い洗浄効果を得る
ことができる。しかも、洗浄後リンス工程に移行したと
き、低灰分化及び低ナトリウム・カリウム化した効果を
発揮し、イオン交換処理されていない洗浄剤に比べて金
属イオン類の残留が抑制され、金属イオン類残留による
各種悪影響を防止することができる。また、更なる洗浄
効果を期待して高濃度で使用することもできる。
法によれば、環境に対する安全性が高く、洗浄対象物で
ある精密機器の金属部品や半導体部品あるいはガラス基
板等の油脂洗浄に効果的な洗浄剤を提供することができ
るだけでなく、洗浄対象物に対する洗浄剤由来の金属成
分残留による各種悪影響を防ぐことができる。しかも、
本発明の洗浄剤は低コストで製造でき、かつ安全に製造
することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリフェノール濃度/(カリウムイオン
+ナトリウムイオン)濃度比を50以上に調整した茶抽
出液を有効成分とする洗浄剤。 - 【請求項2】 ポリフェノール濃度/灰分濃度比を15
以上に調整した茶抽出液を有効成分とする洗浄剤。 - 【請求項3】 pH5〜7に調整した請求項1又は2に
記載の洗浄剤。 - 【請求項4】 茶抽出液をイオン交換処理することによ
りポリフェノール濃度/(カリウムイオン+ナトリウム
イオン)濃度比を50以上、或いはポリフェノール濃度
/灰分濃度比を15以上に調整して得られたイオン交換
処理液を有効成分として使用する洗浄剤の製造方法。 - 【請求項5】 ナトリウム型pH調整剤を加えた茶抽出
液をイオン交換処理することによりポリフェノール濃度
/(カリウムイオン+ナトリウムイオン)濃度比を50
以上、或いはポリフェノール濃度/灰分濃度比を15以
上に調整して得られたイオン交換処理液を有効成分とし
て使用する洗浄剤の製造方法。 - 【請求項6】 NH4 + 型陽イオン交換樹脂でイオン交
換処理することを特徴とする請求項4又は5に記載の洗
浄剤の製造方法。 - 【請求項7】 イオン交換処理前の茶抽出液のpHを5
〜7の範囲に調整することを特徴とする請求項4〜6の
いずれかに記載の洗浄剤の製造方法。 - 【請求項8】 イオン交換処理前から製品完成に至るま
での全工程のすべてにおいて、茶抽出液乃至洗浄剤のp
Hを5〜7の範囲に調整することを特徴とする請求項4
〜7のいずれかに記載の洗浄剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26246197A JP2939935B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 洗浄剤及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26246197A JP2939935B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 洗浄剤及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11100596A JPH11100596A (ja) | 1999-04-13 |
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- 1997-09-26 JP JP26246197A patent/JP2939935B2/ja not_active Expired - Lifetime
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