JP2938873B2 - 回転対称な工作物の外側を加工するための回転工具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、中空体として形成される切削ヘッドを有
し、該切削ヘッドの溝に少なくとも１つの切削装置が配
置され、切削ヘッドの内面にして少なくとも切削装置の
領域に、別個の部材として形成された、工作物のための
ガイドが設けられている、回転対称な工作物の外側を加
工するための回転工具に関するものである。 従来技術 回転対称な工作物を精密加工で製造する場合、公知の
方法ではまず工作物を自動回転機で加工し、次に研削過
程を行わなければならない。粗加工機での工作物の精密
加工には困難が伴うことがしばしばあるが、これは特に
適当な工具がないからである。従って工作物を種々の機
械で加工しなければならないが、これはかなり時間浪費
的であり、複数の機械を調達するにはコストを要する。 目的 本発明の目的は、同一の切削機械で工作物の粗加工と
精密加工とを行えるようにすることである。さらに正確
な寸法許容誤差と高品質の表面とが得られるようにする
ことをも目的とするものである。 構成及び効果 本発明は、上記目的を達成するため、ガイドが予め決
定された内径を有していること、ガイドがその内面に２
つの案内片を有し、そのうち１つの案内片が回転工具の
回転方向において切削装置の後方に配置され、他の案内
片が切削装置に対するように配置されていること、切削
ヘッドが、切削装置の領域に、切削ヘッドの長手方向に
延びる切欠き部を有し、ガイドが削り屑排出用の長溝を
有し、長溝の開き角度が切欠きブロックの開き角度が切
欠き部の開き角度よりも小さいことを特徴とするもので
ある。 加工されるべき工作物は切削ヘッドの中空空間のなか
へ挿入され、その際回転工具は加工されるべき工作物に
対して回転し、即ち工作物は回転工具に対して回転す
る。この場合工作物の外面が切削装置によって加工され
る。少なくとも切削装置の領域にガイドが設けられてい
るので、非常に正確な寸法許容誤差と高品質の表面とが
得られる。また、ガイドが切削ヘッドとは別個の部材と
して形成されているので、切削ヘッドの工作物挿入用の
中空空間をガイドとして兼用する従来の回転工具のよう
に工作物と切削ヘッドとの相対回転により切削ヘッドが
摩耗することがなく、よって摩耗による切削ヘッドの交
換の必要もない。 切削ヘッドは、切削装置の領域に、切削ヘッドの長手
方向に延びる切欠き部を有している。従って削り屑の排
出が非常にうまくいく。 切削ヘッドの内面とほぼ整列しているガイドの内面
に、切削ヘッドの中心軸線に対して平行に配置される複
数個の案内片が配置されている。この構成は回転工具の
案内を改善させ、従って加工されるべき工作物の表面を
高品質にさせる。 さらに他の有利な実施例では、軸部と切削ヘッドの側
壁に互いに結合される穴が設けられ、これらの穴を通っ
て切削装置の領域に冷却液を供給することができる。こ
の構成により工作物の表面が改善され、他方工具の寿命
も長くなる。 実施例 次に、本発明の実施例を添付の図面を用いて説明す
る。 第１図は、中空シリンダとして形成された切削ヘッド
１と軸部２とを備えた回転工具の図である。切削ヘッド
１の端面３から該切削ヘッドの長手方向に扇形の切欠き
部４が切削ヘッド１の側面５に形成されている。切欠き
部４の側面６には溝７が穿設され、該溝７のなかにカッ
ター板８が装着されている。カッター板８の刃先は切削
ヘッド１の内部空間のなかへ突出している。締め付け部
材９は、該締め付け部材が溝７の回転方向にて後方の側
面にカッター板８を締め付けねじにより押しつけるよう
に切削ヘッド１の壁に取り付けられている。締め付け部
材９は、カッター板８の胸部に接している。カッター板
８を半径方向に正確に位置調整するために、前端を楔状
に形成した位置調整体（第１図には図示せず）を用い
る。位置調整体の位置は、調整機構として用いられる押
しねじ、即ちボルト10を用いて調整し、固定する。ボル
ト10は、雌ねじを有している切削ヘッド１の位置調整穴
にねじ込まれている。 切削ヘッド１の前部には、該切削ヘッドの内壁に、少
なくともカッター板８の長さにわたって延び耐摩耗性の
材料から成っている、例えば硬質合金から成っているガ
イド12が別個の部材として設けられている。ガイド12は
スリーブとして形成されている。ガイド12は加工される
べき工作物を案内するために用いられ、切削ヘッドの内
部で回動することができないように切削ヘッド１と側壁
５と結合されている。削り屑を排出することができるよ
うに、スリーブ（ガイド）に長溝13が設けられている。
長溝13の開き角度は、切削ヘッド１の側壁５に設けられ
る切欠き部４の開き角度よりも小さい。予め決定される
内径を有するスリーブの内壁は滑らかな筒状の表面を有
することができ、或いは第１図に図示したように、案内
片14として用いられる隆起部を長手方向に少なくとも１
つ設けることができる。２つの案内片を設けることが有
利で、この場合１つの案内片は工具の回転方向にてカッ
ター板の後方に配置され、他の案内片はカッター板に対
向するように配置される。 ガイド12の内壁は、残りの切削ヘッド１の内壁の同様
に円錐形に形成することもできる。この場合カッター板
８の刃先は、内壁に対して平行に延びるように方向づけ
られ、且つ切削ヘッド１の中空空間のなかへ突出してい
る。第１図と第２図に図示した実施例の場合もカッター
板８の刃先は切削ヘッド１の中空空間のなかへ突出して
いる。 第１図に図示した実施例では、筒状の軸部２は、冷却
媒体供給用の第１の穴15を軸方向に有している。この第
１の穴15は、切削ヘッド１の中空空間まで達している。
第１の穴15よりも小さな直径の連通ダクト16は、切削ヘ
ッド１の中空空間を第１の穴15と連通させている。冷却
媒体を直接カッター板８に供給するため、回転工具の中
心軸線に対してほぼ平行に延びる第２の穴17が切削ヘッ
ド１の壁５に設けられている。この第２の穴17は、半径
方向の穴18を介して第１の穴15と連通している。 第２図は本発明による回転工具の関連技術を示すもの
で、同じ部材には同じ符号を付し、その説明も省略す
る。 第２図からわかるように、同様にスリーブとして形成
されるガイド12の内面は、回転工具の中心軸線に対して
同心的に延びるガイドリング19を有している。ガイドリ
ング19は、加工されるべき工作物の案内のために用い
る。１つのガイドリングの代わりに複数個のガイドリン
グを設けることもできる。第２図の関連技術の場合もガ
イド（スリーブ）12の内壁を円錐形に形成することがで
きる。 ガイド12は内径は、工具の回転方向にてカッター板８
の後方の領域では残りの領域よりも大きい。これによっ
て冷却媒体の供給と削り屑の排出が改善される。内径が
より大きな領域は例えば30゜の扇形で延びている。 長尺の工作物を加工するため、回転工具の軸部２を中
空体をして形成することもできる。この場合軸部の外径
は、第１図と第２図に図示した実施例及び関連技術の場
合よりも適当に大きくなければならない。

【図面の簡単な説明】 第１図はガイドが少なくとも１つの案内片を具備してい
る本発明による回転工具の第１の実施例を示す図、第２
図はガイドが同心的なガイドリングを具備している本発
明による回転工具の関連技術を示す図である。 １……切削ヘッド、２……軸部 ４……切欠き部、７……溝 ８……切削装置（カッター板） 12……ガイド、14……案内片 15,17……穴

フロントページの続き (72)発明者 フリードリッヒ ヘーベルレ ドイツ連邦共和国 ラオホハイム フリ ーダーシュトラーセ 14 (56)参考文献 実開 昭61−172702（ＪＰ，Ｕ) 米国特許2473418（ＵＳ，Ａ) 米国特許2377888（ＵＳ，Ａ) 米国特許2453797（ＵＳ，Ａ) 英国特許325756（ＧＢ，Ｂ) 英国特許346829（ＧＢ，Ｂ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．中空体として形成される切削ヘッド（１）を有し、
   該切削ヘッド（１）の溝（７）に少なくとも１つの切削
   装置（８）が配置され、切削ヘッド（１）の内面にして
   少なくとも切削装置（８）の領域に、別個の部材として
   形成された、工作物のためのガイド（12）が設けられて
   いる、回転対称な工作物の外側を加工するための回転工
   具において、 ガイドが予め決定された内径を有していること、 ガイド（12）がその内面に２つ案内片（14）を有し、そ
   のうち１つの案内片が回転工具の回転方向において切削
   装置（８）の後方に配置され、他の案内片が切削装置
   （８）の対向するように配置されていること、 切削ヘッド（１）が、切削装置（８）の領域に、切削ヘ
   ッドの長手方向に延びる切欠き部（４）を有し、ガイド
   （12）が削り屑排出用の長溝（13）を有し、長溝（13）
   の開き角度が切欠き部（４）の開き角度よりも小さいこ
   とを特徴とする回転工具。 ２．ガイド（12）が、切削ヘッド（１）の側壁（５）の
   なかへ挿着され且つこの側壁と結合されているスリーブ
   として形成されていることを特徴とする、特許請求の範
   囲第１項に記載の回転工具。 ３．スリーブ（12）が切削装置（８）の全長にわたって
   延びていることを特徴とする、特許請求の範囲第２項に
   記載の回転工具。 ４．案内片（14）が、スリーブ（12）の内面に切削ヘッ
   ド（１）の中心軸線に対して平行に配置される隆起部と
   して形成されていることを特徴とする、特許請求の範囲
   第１項から第３項までのいずれか１つに記載の回転工
   具。 ５．切欠き部（４）が扇形に形成されていることを特徴
   とする、特許請求の範囲第１項から第４項までのいずれ
   か１つに記載の回転工具。 ６．切欠き部（４）が、切削ヘッド（１）の長手方向に
   少なくとも切削装置（８）の長さにわたって延びている
   ことを特徴とする、特許請求の範囲第５項に記載の回転
   工具。 ７．切削装置（８）が切削ヘッド（１）の端面（３）を
   越えて突出していることを特徴とする、特許請求の範囲
   第１項から第６項までのいずれか１つに記載の回転工
   具。 ８．溝（７）が切削ヘッド（１）の端面（３）まで延び
   ていることを特徴とする、特許請求の範囲第１項から第
   ７項までのいずれか１つに記載の回転工具。 ９．切削ヘッド（１）の壁に溝（７）まで延びる位置調
   整穴（11）が設けられ、該位置調整穴（11）が、切削装
   置（８）の半径方向の位置調整に用いられる機構（10）
   を収容するため雌ねじを有していることを特徴とする、
   特許請求の範囲第１項から第８項までのいずれか１つに
   記載の回転工具。 １０．切削ヘッド（１）の軸部（２）が軸方向に冷却媒
   体供給用の第１の穴（15）を有していることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項から第９項までのいずれか１
   つに記載の回転工具。 １１．切削ヘッド（１）の側壁（５）が、第１の穴（1
   5）と連通し切削装置（８）まで延びている第２の穴（1
   7）を有していることを特徴とする、特許請求の範囲第
   １項から第10項までのいずれか１つに記載の回転工具。 １２．切削ヘッド（１）の側壁（５）で切削装置（８）
   まで延びている第２の穴（17）が、第１の穴（15）の、
   切削ヘッド（１）の中空空間に連通している連通ダクト
   （16）よりも大きな直径を有していることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項から第11項までのいずれか１
   つに記載の回転工具。 １３．軸部（２）が、回転工具の長手方向軸線に対して
   同心的な穴を有し、この穴の内径が切削ヘッド（１）の
   中空空間の内径に対応していることを特徴とする、特許
   請求の範囲第１項から第12項までのいずれか１つに記載
   の回転工具。 １４．ガイド（12）が耐摩耗性の硬質物質から成ってい
   ることを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の回
   転工具。 １５．切削装置が、溝（７）のなかに配置され締め付け
   部材（９）によって締め付け固定されるカッター板
   （８）を有していることを特徴とする、特許請求の範囲
   第１項に記載の回転工具。