JP2938750B2 - 溶接性、塗料密着性、フィルム密着性、色調に優れた表面処理鋼板およびその製造方法 - Google Patents
溶接性、塗料密着性、フィルム密着性、色調に優れた表面処理鋼板およびその製造方法Info
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Description
他の充填に利用される溶接缶等に利用される表面処理鋼
板であって、特に溶接性、塗料密着性、フィルム密着
性、さらには色調(白色度)に優れた表面処理鋼板、お
よびその製造方法に関する。
容器材料として、ぶりき、ティンフリー鋼板等が知られ
ている。
しく普及している電気抵抗シーム溶接法によって製造さ
れる溶接缶に大量に使用されているが、錫が高価であ
り、材料コストが高いという問題点がある。一方、ティ
ンフリー鋼板は、材料コスト、塗料密着性、塗装後耐食
性等の点ではぶりきよりも優れるものの、溶接性に劣る
という欠点がある。そのため、ティンフリー鋼板は、接
着法や表面研削処理後に溶接する等の方法によって製缶
に利用されているが、材料歩留りや製造コスト等の点で
問題点がある。
きのコストを低減した極薄錫めっき鋼板も製造されてい
る。ここで、錫めっき鋼板では、塗装焼付工程において
錫の一部が合金化して、溶接性に付与する金属錫が減少
するために、錫量の低減には限界がある。そこで、特公
昭62−54399号公報では、錫めっき後にリフロー
処理を行って、錫のはじきを利用して錫凸部を形成した
シーム溶接缶用表面処理鋼板が開示されている。この表
面処理鋼板は錫量の低減には効果があり、また通常の極
薄錫めっき鋼板よりも優れた塗料密着性を有するが、や
はり塗料密着性はティンフリー鋼板に劣る。
示されるように、錫付着量を低減して、かつティンフリ
ー鋼板のような良好な塗料密着性を有する鋼板を実現す
るためには、鋼板表面にぶりきと同様の構造を有する部
分(鋼板表面に錫層がある程度存在する部分)と、ティ
ンフリー鋼板と同様の構造を有する部分(鋼板表面に錫
層がほとんどなく、クロメート処理層のみが存在する部
分)とを混在させればよい。このような構成を有する鋼
板は、鋼板表面を錫で不連続的に覆った後、錫層および
鋼板素地を金属クロム層およびクロム水和酸化物層で覆
うことによって製造可能である。前述の特公昭62−5
4399号公報以外にも、特公平2−16397号、特
開平2−159386号、同4−24789号の各公報
にも、こうした構造を持つ鋼板(製造方法)の例が開示
されている。
び同4−24789号の両公報に開示される表面処理鋼
板は、鋼板表面に粒状で錫めっきするため、鋼板と錫と
の接触面積が小さく、錫と鋼板との接着性が悪いという
問題点がある。他方、特公平2−16397号公報に開
示される表面処理鋼板には、このような問題はないが、
溶接性、塗料密着性共に十分であるとはいえない。しか
も、これらの各公報に開示される表面処理鋼板の製造方
法では、不連続錫めっき層形成中の電流密度が2〜15
A/dm2 程度であり、通常の操業条件(〜50A/dm2 程
度)に比べて電流密度が低く、製造効率の上でも問題が
ある。
えを良好にする目的で塗装前にホワイト下地塗装が施さ
れるが、近年では製缶コストを低減するため、このホワ
イト下地塗装を省略あるいは低減できる表面処理鋼板の
出現が望まれている。また、無塗装の鋼板にラミネート
フィルムを貼り付けた製缶用鋼板が缶用材料として有望
視されているが、無塗装でもフィルムの色彩を損なわな
い色調を持ち、さらにフィルムとの密着性にも優れた表
面処理鋼板も出現が望まれている。しかしながら、前述
の各種の技術による表面処理鋼板は、いずれも色調が暗
く、またフィルム密着性にも劣り、このような要求に答
えることはできない。
従来技術の問題点を解決することにあり、優れた溶接性
および塗料密着性を有するのみならず、ホワイト下地塗
装を省略あるいは低減できる良好な色調(白色度)を有
し、しかも、フィルムとの密着性にも優れた表面処理鋼
板、およびこの表面処理鋼板の製造方法を提供すること
にある。
に、本発明の表面処理鋼板の第1の態様は、鋼板表面を
不連続かつ不均一に覆う10〜800mg/m2 の錫層、前
記錫層および鋼板素地を連続的に覆う2〜200mg/m2
の金属クロム層および3〜100mg/m2 のクロム水和酸
化物層を有し、前記錫層のうち、基底部直径0.1〜
3.0μmの結晶が複数結合した粒状でない形態を持つ
錫結晶群の割合が5%以上であり、さらに前記錫結晶群
の鋼板表面からの高さが0.7μm以上の部分の鋼板面
投影面積が鋼板表面に対して0.5%以上であることを
特徴とする溶接性、塗料密着性、フィルム密着性、色調
に優れた表面処理鋼板を提供する。
は、一部が不均一に隆起しつつ鋼板表面を連続的に覆
う、平坦部における錫付着量が1〜500mg/m2 かつ前
記隆起部における錫付着量が10〜800mg/m2 の錫
層、前記錫層を連続的に覆う2〜200mg/m2 の金属ク
ロム層および3〜100mg/m2 のクロム水和酸化物層を
有し、前記錫層の隆起部において、基底部直径0.1〜
3.0μmの結晶が複数結合した粒状でない形態を持つ
錫結晶群の割合が5%以上であり、さらに前記錫結晶群
の平坦部からの高さが0.7μm以上の部分の鋼板面投
影面積が鋼板表面に対して0.5%以上であることを特
徴とする溶接性、塗料密着性、フィルム密着性、色調に
優れた表面処理鋼板を提供する。
は、鋼板表面を脱脂、酸洗した後、ハロゲンイオンを
0.003〜5mol/L含有し、さらに硫酸イオンおよび
/またはスルホン酸化合物を0.01mol/L以上含有す
る酸性錫めっき浴を用いて錫めっきを行い、さらにクロ
ムめっき浴および/またはクロメート処理浴によって金
属クロム層およびその上層のクロム水和酸化物層を形成
することを特徴とする溶接性、塗料密着性、フィルム密
着性、色調に優れた表面処理鋼板の製造方法を提供す
る。
法において、前記錫めっきを行う前、あるいは前記錫め
っきを行った後で金属クロム層およびクロム水和酸化物
層の形成前に、通常の錫めっき浴による錫めっき層の形
成を行うのが好ましい。
ルム密着性、色調に優れた表面処理鋼板、およびその製
造方法について詳細に説明する。
ィルム密着性、色調に優れた表面処理鋼板(以下、単に
表面処理鋼板とする)の第1の態様の概略断面図を示
す。図1に示されるように、本発明の表面処理鋼板(第
1の態様)10は、めっき原板12の表面に、めっき原
板12の表面を部分的に露出するように(すなわち不連
続で)不均一な錫層14が形成され、この錫層14およ
びめっき原板12表面を連続的に覆って金属クロム層お
よびクロム水和酸化物層からなるクロメート処理層16
が形成される。
層14は、不均一でかつめっき原板12の表面に不連続
的に形成されるものであるが、これのみならず、錫層1
4において、基底部直径0.1〜3.0μmの結晶が複
数結合した粒状でない形態を持つ錫結晶群(以下、粒状
でない錫結晶群とする)の割合が5%以上であること;
この錫結晶群のめっき原板12表面からの高さが0.
7μm以上の部分の鋼板面投影面積が鋼板表面に対して
0.5%以上(以下、「比鋼板面積が5%以上」等と表
現する)であること; が重要である。
鋭意検討を重ねた結果、錫付着量の低減が計れる不連続
錫めっき層を有する表面処理鋼板において、優れた溶接
性および塗料密着性を有し、これのみならず、これまで
注目されていなかった鋼板の色調(主に白色度)やフィ
ルムとの密着性をも十分に向上させるためには、従来か
ら提示されている不連続錫層の大きさや数のみならず、
鋼板表面からある程度の高さを有する錫層14が所定の
面積比率以上で存在すること、および錫層14におい
て、結晶が複数結合して粒状ではない形態を持つ錫結晶
群が所定の量以上存在することが重要であるということ
を初めて知見し、本発明を完成した。
れる表面処理鋼板においては、めっき原板からの錫層の
高さは0.007〜0.7μmの範囲であることが記載
されている。また、特公平2−16397号公報に開示
される表面処理鋼板においては、めっき原板からの錫層
の高さについては具体的な記載はないが、同発明者らに
よる「鉄と鋼 77年(1991) 第7号 157ページ」
に記される「Sn量が0.5g/m2で、Snの被覆率を20%
とすると、突起状になったSn部の厚さは2.5g/m2のSn
量をめっきしたぶりきに匹敵する。」の記載より、この
表面処理鋼板におけるめっき原板からの錫層の高さは約
0.34μmと類推される。
の高さは通常0.7μm未満であり、安定した溶接性、
塗料密着性を得ることができないと共に、錫被覆率を上
げても鋼板白色化の効果を発現することができず、ま
た、フィルムとの密着性を向上することもできない。
いては、錫層14において、粒状でない錫結晶群の割合
が5%以上で、さらに、この錫結晶群のめっき原板12
表面からの高さが0.7μm以上の部分の比鋼板面積が
0.5%以上である。錫層14がこのような高さおよび
二次元的形状を満たす時、驚くべきことに、鋼板の白色
度、フィルム密着性が従来の技術に比べて大きく向上す
ることがわかった。
面処理鋼板10の白色度が向上する理由としては、錫層
14が可視光の波長(約0.4μm〜0.8μm)より
も長周期な構造を持ち、さらに結晶同士が結合する結
果、複雑な三次元形状を持つことによって、光の乱反射
を増大して鋼板表面を白色化するためであると考えられ
る。また、フィルム密着性を向上させる原因は明らかで
はないが、適度な鋼板表面の凹凸構造により、フィルム
と表面処理鋼板10の表面との接触面積が増大すること
が考えられる。錫層14において、粒状でない錫結晶群
の割合が5%未満であったり、また、高さが0.7μm
以上の部分が比鋼板面積で0.5%未満である場合に
は、白色度、フィルム密着性を共に向上することはでき
ない。
47897号の各公報に開示される技術では、錫を粒状
に析出させていることから錫層の原板表面からの高さは
粒径と同等、すなわち最大2.4μm程度であると考え
られるが、錫結晶を粒状に孤立して析出させているた
め、錫層と原板との密着性は本発明に比べて低下し、錫
層と原板との間の剥離が問題となり、しかも、フィルム
密着性にも悪影響を与える。また、色調が原板あるいは
ティンフリー鋼板と同様に暗いものとなり、鋼板色調の
改善、すなわち鋼板表面の白色化を実現することもでき
ない。さらに、特公平2−16397号公報に開示され
ている表面処理鋼板の錫層の高さは、前述のように0.
7μm未満であるので、白色度、フィルム密着性の向上
は期待できない。
分は、比鋼板面積で0.5%以上であればよく、特に特
定の範囲に限定されない。また、錫層14における、粒
状でない錫結晶群の割合は5%以上であればよく、特に
特定の範囲に限定されない。なお、錫結晶の基底部直径
は好ましくは0.5〜2.0μmである。この範囲とす
ることにより、白色度、フィルム密着性等の点でより好
ましい結果を得る。
14の付着量は10〜800mg/m2である。錫層14の
付着量が10mg/m2 未満では、塗装加熱後に金属錫が残
存せず溶接性が低下してしまう。また、800mg/m2 を
超えて錫層14が形成されても、優れた塗料密着性、溶
接性、フィルム密着性、色調等の効果が飽和し、しか
も、錫層14が剥離、欠落し易くなるという問題が生じ
る。錫層14の付着量は、好ましくは50〜600mg/m
2 、より好ましくは70〜450mg/m2 である。上記構
成を有することにより、塗料密着性、溶接性、フィルム
密着性、色調を好適に改善した上、錫量低減を計ること
ができる。
鋼板10の一例の金属組織の走査型電子顕微鏡写真を図
2に示す。図2において、暗部はめっき原板12素地、
明部は不連続錫層14である。
様は、以上説明した図1に示される例のように不連続の
錫層14を有する構成ではなく、めっき原板表面を薄い
錫層で全面的に覆い、かつ錫層の一部が不均一に隆起す
るような構成を有する。このような構成を有する本発明
の表面処理鋼板の第2の態様は、前述の図1に示される
表面処理鋼板10に比べて、塗料密着性は若干低下する
ものの、白色度が向上してより良好な色調を実現でき
る。従って、より高い白色度を要求される用途や塗料密
着性を大きく要求されない用途に対して好適に使用する
ことができる。
は、あたかも前述の第1の態様の表面処理鋼板10の不
連続錫層14の下に、薄い平坦な連続錫めっきを有する
ような構成であり、従って、錫層の高さとは平坦部から
の隆起部の高さである。これ以外の各種要件や好ましい
範囲等は、基本的に前述の第1の態様の表面処理鋼板1
0と同様であるので、以下の説明は異なる点のみについ
て行う。
ては、錫層の付着量は、隆起を有さない平坦部で塗料密
着性を大きく損なわない範囲とする必要があり、平坦部
で1〜500mg/m2 、好ましくは10〜200mg/m2 で
ある。平坦部の錫層付着量が1mg/m2 未満では、色調改
善等の点で不都合であり、また、平坦部の錫層付着量が
500mg/m2 を超えると、塗料密着性およびフィルム密
着性の低下と共に、錫使用量削減等の点で不都合を生じ
る。
る隆起部分は、前述の第1の態様における錫層14と同
様であり、付着量は10〜800mg/m2 で、隆起部分の
うち粒状でない錫結晶群が5%以上であり、さらに、こ
の錫結晶群の平坦部からの高さが0.7μm以上の部分
の比鋼板面積が0.5%以上である。
の上層を連続的に覆って、金属クロム層およびクロム水
和酸化物層からなるクロメート処理層16が形成され
る。クロメート処理層16において、金属クロムおよび
クロム水和酸化物の量が少ないと、十分な耐食性および
塗料密着性を得ることができず、逆に多すぎると溶接性
が悪くなってしまう。従って、金属クロムおよびクロム
水和酸化物量は一般的なティンフリー鋼板やクロメート
処理と同等でよく、金属クロムの量は2〜200mg/
m2 、好ましくは5〜100mg/m2 程度である。他方、
クロム水和酸化物の量は3〜100mg/m2、好ましくは
5〜40mg/m2 程度である。
製造する、本発明の表面処理鋼板の製造方法について説
明する。
する。酸洗、脱脂方法には特に限定はなく、通常の表面
処理鋼板の製造方法で使用される各種の方法が利用可能
である。
0.003〜5mol/L(リットル)含有し、さらに硫酸
イオンおよび/またはスルホン酸化合物を0.01mol/
L以上含有する酸性錫めっき浴を用いて錫めっきを行
う。本発明の製造方法においては、通常用いられる酸性
錫めっき浴にハロゲンイオンを所定量添加した錫めっき
浴を用いることに大きな特徴があり、このような錫めっ
き浴を用いることにより、ハロゲンイオンによって錫の
電析を妨害して、前述のような、本発明の表面処理鋼板
に形成される不連続かつ不均一な錫層(図1錫層14)
を良好に形成することができる。
F- ,Cl- ,Br- ,I- 等、各種のハロゲンイオン
がいずれも利用可能であるいが、特に、Cl- が簡便で
あり、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩酸等を、通常
用いられる酸性錫めっき浴に所定量添加すればよい。な
お、ほかのハロゲンイオンを使用する際にも、同様のハ
ロゲン化物を添加すればよい。
おいて、ハロゲンイオンの含有量は0.003〜5mol/
Lである。ハロゲンイオンの含有量が0.003mol/L
未満では、ハロゲンイオン添加の効果を得ることができ
ず、前述のような不均一な錫層が形成できず、ハロゲン
イオンが5mol/Lを超えて含有されても、効果が飽和
し、まためっきすじムラやイオンのスラッジ化を引き起
こしてしまう。ハロゲンイオンの含有量は、好ましくは
0.02〜2mol/L、より好ましくは0.1〜1mol/L
であり、上記範囲とすることにより、広い電流密度範囲
で、めっきすじムラのない本発明の表面処理鋼板に形成
される不連続錫めっきを得ることができる。また、硫酸
イオンおよび/またはスルホン酸化合物が0.01mol/
L以上であれば特に限定はない。
き浴には特に限定はなく、例えば、硫酸浴、フェロスタ
ン浴、アルカンスルホン酸浴、アルカノールスルホン酸
浴等、公知の酸性錫めっき浴がすべて使用可能である。
また、本発明の製造方法では、めっき浴には硫酸イオン
および/またはスルホン酸化合物が0.01mol/L以上
含有されるが、硫酸イオンやスルホン酸化合物は、通常
は、これらの浴の導電助剤としてあらかじめ上記量以上
含有されているので、これらの酸性錫めっき浴を用いて
本発明を実施するときに新たに添加する必要はない。浴
中の錫イオン濃度には特に限定はないが、錫の析出効
率、浴単価等を考慮して5〜80g/L程度が好ましく、
より好ましくは10〜30g/L程度である。また、酸濃
度にも特に限定はないが、好ましくは遊離酸濃度が硫酸
換算で10〜100g/L程度、より好ましくは20〜6
0g/L程度である。
いる場合には、硫酸イオンおよび/またはスルホン酸化
合物を0.01mol/L以上添加する。スルホン酸化合物
としては、フェノールスルホン酸やアルカノールスルホ
ン酸、アルカンスルホン酸等を用いることができ、また
これらの錫化合物も使用可能である。このようにするこ
とにより、ハロゲン浴でも不連続めっきを製造すること
ができる。
できることも、本発明の表面処理鋼板の製造方法の大き
な特徴であり利点である。前述の特公平2−16397
号、特開平2−159386号および同4−24789
7号等の各公報に開示されるように、従来の技術におい
ては、不均一な錫層を形成するためには、光沢剤を添加
しないか、あるいは添加しても極めて少量とする必要が
あると考えられていた。そのため、従来の不均一錫めっ
き鋼板は、錫層とめっき原板との密着性が悪いという大
きな問題点があり、また過電圧を下げて結晶粒を成長さ
せるため原理上電流密度を高くすることができず、操業
の面から見ても極めて不利であった。
ンおよび/またはスルホン酸化合物とを含有する酸性錫
めっき浴を使用し、ハロゲンイオンの作用によって錫の
電析を妨げる本発明の製造方法においては、従来の不均
一な錫層を形成する方法のように析出過電圧を下げる必
要がなく、通常の錫めっき浴のように通常量の光沢剤を
添加することができ、また、電流密度も通常の錫めっき
操業と同様でよい。その結果、錫層とめっき原板との密
着性を良好なものとでき、しかも、生産効率も向上する
ことができる。
常の錫めっき浴に使用される各種の光沢剤がいずれも使
用でき、例えば、ノニオン系、カチオン系、両性もしく
はアニオン系の界面活性剤等が各種使用可能である。特
に、ノニオン系のポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ルが有効である。さらに、錫のスラッジ化を抑制するた
めの酸化防止剤を併用してもよい。またその添加量も通
常の酸性錫めっき浴と同様でよく、通常0.1〜30g/
L程度、好ましくは0.5〜10g/L程度である。
う際の電流密度範囲にも特に限定はなく、通常1〜20
0A/dm2 程度、好ましくは10〜70A/dm2 の範囲で、
操業条件や表面処理鋼板に求められる塗料密着性、白色
度等に応じて適宜決定すればよい。なお、電流密度を低
くすると、塗料密着性は向上し白色度は低下する傾向に
あり、逆に、電流密度を高くすると、塗料密着性は低下
して白色度が向上する傾向にあるが、上記範囲の電流密
度で操業すれば、特に問題は生じない。
は、ハロゲンイオン、硫酸イオンおよび/またはスルホ
ン酸化合物を含有する酸性錫めっき浴による不均一錫め
っき層の形成前または後(ただし、後述するクロメート
層の形成前)に、通常の錫めっき浴によって均一な錫め
っき層を形成してもよい。これによって、本発明の表面
処理鋼板の第2の態様を製造することができる。前述の
ように、全面を錫層が覆うことでめっき原板の露出部が
なくなるため、塗料密着性は若干低下するものの白色度
が向上するので、要求される表面処理鋼板の性能に応じ
て適宜こうした処理を行えばよい。
浴には特に限定はなく、アルカリ浴、ハロゲン浴、硫酸
浴、フェロスタン浴、アルカンスルホン酸浴、アルカノ
ールスルホン酸浴等、公知の錫めっき浴が好適に使用可
能である。また、めっき条件にも特に限定はない。しか
しながら、不均一めっきを行った後に均一めっきを形成
する場合には、めっき原板にも均一に錫が付着するため
には、析出過電圧を上げる必要があるので、できれば高
電流密度でめっきを行うのがよく、10〜200A/dm2
程度の電流密度でめっきを行うのが好ましい。
は、このようにして錫めっき層を形成した後、通常用い
られるクロムめっき浴および/またはクロメート処理浴
によって、鋼板全面に金属クロム層とクロム水和酸化物
層を形成する。クロムめっき浴およびクロメート処理浴
や処理条件には特に限定はなく、例えば、クロム酸浴で
電流密度10〜100A/dm2 程度で陰極処理を行う方法
が例示される。
物層を形成しやすくするために、前もって錫層表面に形
成されている錫酸化物層を除去するのが好ましい。錫酸
化物層の除去方法としては、例えば、炭酸ナトリウム水
溶液中で、錫めっき後の鋼板を陰極処理する方法が例示
される。
ルム密着性、色調に優れた表面処理鋼板、およびその製
造方法について詳細に説明したが、本発明は上述の例に
限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各
種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に
限定されないのは、もちろんのことである。
よび酸洗した後、下記表1に示される条件で不均一錫め
っきを行った。なお、実施例1,3,6および9は硫酸
浴を、実施例2,5および8はフェノールスルホン酸浴
を、実施例4はメタンスルホン酸浴を、実施例7はイソ
プロパノールスルホン酸浴を、それぞれ用いた。また、
各めっき浴には、塩化ナトリウムを添加することで塩素
イオンをハロゲンイオンとして添加した。
シドおよびプロピレンオキシドをそれぞれ36分子(光
沢剤1分子当たり)付加した炭素数4のポリオキシアル
キレンアルキルエーテル(分子式 :C4H9-O-(CH2CH2O)36
-(CH2CH2CH2O)36-H)を; ENはエトキシ化αナフトー
ルを; カチオンはラウリルトリメチルアンモニウム塩
を; それぞれ示す。また、ポリオキシアルキレンアル
キルエーテルを光沢剤として使用した例のうち、発明例
2および4にはカテコールを、発明例1,3,7および
9にはカテコールスルホン酸を、それぞれ酸化防止剤と
して1g/L併用添加した。
表1に示される不均一錫めっきを施した後に、ハロゲン
浴を用い電流密度70A/dm2 の条件で、200mg/m2 の
錫めっきを不均一錫めっき層およびめっき原板に均一に
めっきした。
炭酸ナトリウムを10g/Lを含む水溶液中で、電流密度
1A/dm2 、浴温50℃で陰極電解を行って、錫酸化物層
を除去した。次いで、クロム酸浴(CrO3;60g/L,硫
酸;0.6g/L,浴温40℃)中で電流密度30A/dm2
で陰極電解して金属クロム層およびクロム水和酸化物層
を形成した。なお、発明例2および4では、この後リン
ス液(CrO3;110g/L,浴温80℃)中に3〜5秒浸
漬して、さらにクロム水和酸化物を形成させた。
を、比較例3として通常のティンフリー鋼板を用意し
た。また、比較例2としては、特公昭62−54399
号公報の実施例1に準じて、ハロゲン浴によって錫を平
坦にめっきし、塩化アンモニウム0.5g/Lのフラック
スを塗布、乾燥して錫拡散処理を行った後にリフロー処
理を行い、クロメート浴中(CrO3;15g/L,硫酸;
0.13g/L,浴温40℃)で電流密度1.5A/dm2 の
条件でクロメート被膜を形成して作製したリフロー型島
状錫めっき鋼板を用意した。
号公報の実施例に準じて、硫酸浴を用いて下記表1に示
される条件で錫めっきを行った後、クロメート浴中(Cr
O3;100g/L,硫酸;1.2g/L,浴温50℃)で電
流密度50A/dm2 の条件でクロメート被膜を形成した表
面処理鋼板である。さらに、比較例5は特公平2−16
397号公報の実施例に準じて、フェノールスルホン酸
浴を用いて下記表1に示される条件で錫めっきを行った
後、クロメート浴中(CrO3;50g/L,硫酸;0.5g/
L,浴温50℃)で電流密度50A/dm2 の条件でクロメ
ート被膜を形成した表面処理鋼板である。
ン濃度のみを変更して不均一錫めっきを行った例であ
り、比較例7は、実施例2の不均一錫めっき後に得られ
た鋼板を、70℃の水酸化ナトリウム水溶液(濃度2規
定)に浸漬して、表面錫層の一部を溶解した後、クロメ
ート被膜を形成した例である。条件等を下記表1に併記
する。
比較例の表面処理鋼板について、下記の各種の測定およ
び試験を行った。
層平坦部)から隆起した錫層の最頂部までの高さを、原
子間力顕微鏡(Digital Instruments 社製 Na-no Scop
e II)を用いて100×100μmの視野中で測定し
た。
部分の鋼板面積に対する鋼板表面投影面積比率(比鋼板
面積 下記表1では「0.7μm以上の面積比率」と記
す) 前記(1)と同様の原子間力顕微鏡を用いて最大錫層高
さを測定した後、同装置により、Bearing Ratio Curve
を求めることによって算定した。
群の占める割合(下記表1では「非粒状Sn結晶群の割
合」と記す」 走査型電子顕微鏡(日本電子製 JEOL JSM-T200)によっ
て不連続錫層の平面形態を撮影し、画像処理装置(川崎
製鉄社製 画像博士)によって、粒状の形態を持つ錫層
と粒状でない形態を持つ錫結晶群の面積をそれぞれ測定
した。
け、剥離後のテープ面をX線マイクロアナリシス(EP
DM)で分析して、錫の付着がないものを○、錫が付着
したものを×とした。
後、210℃で10分間焼付した。このようにして得ら
れた2枚の試料の塗装面間にナイロンフィルムを挟み、
加圧力を3kg/cm2として190℃で90秒間圧着した。
この試料を10×150mmに切断した後、引っ張り試験
機で剥離強度を測定した。
せ、電極径1.7mmの電極間に挟み、電極間を60kgf
で加圧して3kAの電流を流した時の抵抗値を測定した。
3)を用いて、3刺激値直読法によって試料の色差(L
値)を測定した。なお、色差が高い程、白色度が高い。
軸配向ポリエステルフィルム(アイ・シー・アイ・ジャ
パン製 Melinex 850 厚さ20μm)を貼り付けた。
これをエクセリン試験機によってフィルム貼り付け面が
膨らむように5mmの高さまで張り出した後、110℃で
1時間のレトルト処理を行い、フィルムが鋼板から剥れ
たないものを密着性○、剥れたものを密着性×とした。
以上の結果を下記表1に併記する。
9においては、錫−鋼板密着性、塗料密着性、溶接性、
フィルム密着性、色調(白色度)共に良好である。
は塗料密着性に劣り、ティンフリー鋼板である比較例3
は溶接性および色調が劣る。また、特公昭62−543
99号公報にかかる比較例2は、塗料密着性および色調
共に劣る結果となった。
較例4、および特公平2−16397号公報にかかる比
較例5では、塗料密着性は良好であるが、色調が劣る。
さらに、比較例6は、めっき浴中の塩素イオン濃度が低
いために、不均一錫めっきとならず、熱処理時に錫が合
金化してしまい、接触抵抗地が上昇して十分な溶接性を
得ることができなかった。比較例7は錫層をアルカリ溶
解したため、最大錫層高さ0.7μm以下となり、色調
が大幅に劣るものとなった。また、比較例1〜7はいず
れもフィルム密着性が劣った。以上の結果より、本発明
の効果は明らかである。
れば溶接性、塗料密着性のみならずフィルム密着性およ
び色調(白色度)にも優れた表面処理鋼板を実現するこ
とができ、錫量およびホワイト下地塗装減少効果の大き
な表面処理鋼板を実現することができる。
性、色調に優れた表面処理鋼板の一例を概念的に示す断
面図である。
性、色調に優れた表面処理鋼板の金属組織を示す図面代
用写真であって、走査型電子顕微鏡写真である。
優れた)表面処理鋼板 12 めっき原板 14 錫層 16 クロメート処理層
Claims (4)
- 【請求項1】鋼板表面を不連続かつ不均一に覆う10〜
800mg/m2 の錫層、前記錫層および鋼板素地を連続的
に覆う2〜200mg/m2 の金属クロム層および3〜10
0mg/m2 のクロム水和酸化物層を有し、 前記錫層のうち、基底部直径0.1〜3.0μmの結晶
が複数結合した粒状でない形態を持つ錫結晶群の割合が
5%以上であり、さらに前記錫結晶群の鋼板表面からの
高さが0.7μm以上の部分の鋼板面投影面積が鋼板表
面に対して0.5%以上であることを特徴とする溶接
性、塗料密着性、フィルム密着性、色調に優れた表面処
理鋼板。 - 【請求項2】一部が不均一に隆起しつつ鋼板表面を連続
的に覆う、平坦部における錫付着量が1〜500mg/m2
でかつ前記隆起部における錫付着量が10〜800mg/m
2 の錫層、前記錫層を連続的に覆う2〜200mg/m2 の
金属クロム層および3〜100mg/m2 のクロム水和酸化
物層を有し、 前記錫層の隆起部において、基底部直径0.1〜3.0
μmの結晶が複数結合した粒状でない形態を持つ錫結晶
群の割合が5%以上であり、さらに前記錫結晶群の平坦
部からの高さが0.7μm以上の部分の鋼板面投影面積
が鋼板表面に対して0.5%以上であることを特徴とす
る溶接性、塗料密着性、フィルム密着性、色調に優れた
表面処理鋼板。 - 【請求項3】鋼板表面を脱脂、酸洗した後、ハロゲンイ
オンを0.003〜5mol/L含有し、さらに硫酸イオン
および/またはスルホン酸化合物を0.01mol/L以上
含有する酸性錫めっき浴を用いて錫めっきを行い、さら
にクロムめっき浴および/またはクロメート処理浴によ
って金属クロム層およびその上層のクロム水和酸化物層
を形成することを特徴とする溶接性、塗料密着性、フィ
ルム密着性、色調に優れた表面処理鋼板の製造方法。 - 【請求項4】前記請求項3に記載の製造方法において、
前記錫めっきを行う前、あるいは前記錫めっきを行った
後で金属クロム層およびクロム水和酸化物層の形成前
に、通常の錫めっき浴による錫めっき層の形成を行う溶
接性、塗料密着性、フィルム密着性、色調に優れた表面
処理鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5999494A JP2938750B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 溶接性、塗料密着性、フィルム密着性、色調に優れた表面処理鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP5999494A JP2938750B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 溶接性、塗料密着性、フィルム密着性、色調に優れた表面処理鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07243093A JPH07243093A (ja) | 1995-09-19 |
JP2938750B2 true JP2938750B2 (ja) | 1999-08-25 |
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JP5999494A Expired - Fee Related JP2938750B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 溶接性、塗料密着性、フィルム密着性、色調に優れた表面処理鋼板およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2938750B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-04 JP JP5999494A patent/JP2938750B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07243093A (ja) | 1995-09-19 |
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