JP2938295B2 - 鍵盤楽器のタッチコントロール機構 - Google Patents
鍵盤楽器のタッチコントロール機構Info
- Publication number
- JP2938295B2 JP2938295B2 JP5001222A JP122293A JP2938295B2 JP 2938295 B2 JP2938295 B2 JP 2938295B2 JP 5001222 A JP5001222 A JP 5001222A JP 122293 A JP122293 A JP 122293A JP 2938295 B2 JP2938295 B2 JP 2938295B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnet
- keyboard
- key
- control mechanism
- touch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Electrophonic Musical Instruments (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばピアノ等の鍵盤
楽器の鍵盤タッチ(静荷重)を変更することができる鍵
盤楽器のタッチコントロール機構に関するものである。
楽器の鍵盤タッチ(静荷重)を変更することができる鍵
盤楽器のタッチコントロール機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、例えばピアノ等の鍵盤楽器の鍵盤タッチ、即ち、ピ
アノを弾くときの各鍵の重さは、鍵の途中に埋め込む
(鍵盤)鉛の量を調整するか、或は、キャプスタンがウ
イペンヒールを突き上げる位置を変更するしか方法はな
く、ユーザーが自由に変更することは不可能であった。
り、例えばピアノ等の鍵盤楽器の鍵盤タッチ、即ち、ピ
アノを弾くときの各鍵の重さは、鍵の途中に埋め込む
(鍵盤)鉛の量を調整するか、或は、キャプスタンがウ
イペンヒールを突き上げる位置を変更するしか方法はな
く、ユーザーが自由に変更することは不可能であった。
【0003】しかしながら、ピアノの演奏者は、幼児か
ら成人,初心者から専門家に至るまで様々であり、当然
ピアノの鍵を押さえる力も大きく異なっているので、鍵
盤タッチが工場出荷時に一定に調整されていると、ピア
ノの演奏が好適にできないという問題があった。また、
専門家によっては、鍵盤タッチを微妙に変えて弾きたい
という要求があるが、従来ではこの様な要求にも答える
ことができなかった。
ら成人,初心者から専門家に至るまで様々であり、当然
ピアノの鍵を押さえる力も大きく異なっているので、鍵
盤タッチが工場出荷時に一定に調整されていると、ピア
ノの演奏が好適にできないという問題があった。また、
専門家によっては、鍵盤タッチを微妙に変えて弾きたい
という要求があるが、従来ではこの様な要求にも答える
ことができなかった。
【0004】この対策として、板ばねの弾性を利用し、
板ばねの鍵に対する押圧力を変更することによって、鍵
盤タッチを変更する技術が提案されている(特開昭63
−70895号公報参照)。しかしながら、この技術で
は、板ばねが、各部に接触してノイズが出易いという問
題や、構成が複雑になるという問題があった。また、板
ばねの弾性力は、線形であるので、鍵盤タッチにばねっ
ぽさが表れてしまい、微妙なタッチが表現できず、高級
感が失われるという問題があった。
板ばねの鍵に対する押圧力を変更することによって、鍵
盤タッチを変更する技術が提案されている(特開昭63
−70895号公報参照)。しかしながら、この技術で
は、板ばねが、各部に接触してノイズが出易いという問
題や、構成が複雑になるという問題があった。また、板
ばねの弾性力は、線形であるので、鍵盤タッチにばねっ
ぽさが表れてしまい、微妙なタッチが表現できず、高級
感が失われるという問題があった。
【0005】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れ、ユーザーが容易に鍵盤タッチを変更することがで
き、しかも演奏者に違和感のない良好な演奏を行なうこ
とができる鍵盤楽器のタッチコントロール機構を提供す
ることを目的とする。
れ、ユーザーが容易に鍵盤タッチを変更することがで
き、しかも演奏者に違和感のない良好な演奏を行なうこ
とができる鍵盤楽器のタッチコントロール機構を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の請求項1の発明は、鍵盤楽器の各鍵側に取り付けた第
1の磁性体と、該第1の磁性体の各々と対応して、鍵盤
楽器のおさ側に第1の磁性体と反発する様に各々取り付
けた第2の磁性体と、前記第1の磁性体と第2の磁性体
との距離を変更して鍵盤タッチを調節する距離変更部
と、を備えたことを特徴とする鍵盤楽器のタッチコント
ロール機構を要旨とする。
の請求項1の発明は、鍵盤楽器の各鍵側に取り付けた第
1の磁性体と、該第1の磁性体の各々と対応して、鍵盤
楽器のおさ側に第1の磁性体と反発する様に各々取り付
けた第2の磁性体と、前記第1の磁性体と第2の磁性体
との距離を変更して鍵盤タッチを調節する距離変更部
と、を備えたことを特徴とする鍵盤楽器のタッチコント
ロール機構を要旨とする。
【0007】また、請求項2の発明は、前記距離変更部
が、前記第2の磁性体を磁性体保持部材に取り付けて、
上下方向に回転移動又は垂直移動させることを特徴とす
る前記請求項1記載の鍵盤楽器のタッチコントロール機
構を要旨とする。
が、前記第2の磁性体を磁性体保持部材に取り付けて、
上下方向に回転移動又は垂直移動させることを特徴とす
る前記請求項1記載の鍵盤楽器のタッチコントロール機
構を要旨とする。
【0008】更に、請求項3の発明は、前記距離変更部
が、前記第2の磁性体を磁性体保持部材に取り付けて、
前後方向に平行移動させることを特徴とする前記請求項
1記載の鍵盤楽器のタッチコントロール機構を要旨とす
る。
が、前記第2の磁性体を磁性体保持部材に取り付けて、
前後方向に平行移動させることを特徴とする前記請求項
1記載の鍵盤楽器のタッチコントロール機構を要旨とす
る。
【0009】ここで、前記鍵盤楽器としては、例えばグ
ランドピアノ,アップライトピアノ等の実際に人が鍵盤
を操作する鍵盤楽器が挙げられる。前記第1の磁性体及
び第2の磁性体としては、通常のフェライト磁石等の磁
石が挙げられる。
ランドピアノ,アップライトピアノ等の実際に人が鍵盤
を操作する鍵盤楽器が挙げられる。前記第1の磁性体及
び第2の磁性体としては、通常のフェライト磁石等の磁
石が挙げられる。
【0010】前記第1の磁性体の取り付け位置として
は、各鍵の先端側の下部を採用し、また、第2の磁性体
の取り付け位置としては、第1の磁性体の下方の位置を
採用すると、鍵を押圧した際に適度な反発力があるので
好適である。
は、各鍵の先端側の下部を採用し、また、第2の磁性体
の取り付け位置としては、第1の磁性体の下方の位置を
採用すると、鍵を押圧した際に適度な反発力があるので
好適である。
【0011】
【作用】本発明の鍵盤楽器のタッチコントロール機構で
は、鍵盤楽器の各々の鍵側に第1の磁性体が取り付けて
あり、一方、鍵盤楽器のおさ側には、第1の磁性体の各
々と対応して、第1の磁性体と反発する様に第2の磁性
体が各々取り付けてある。そして、これらの第1の磁性
体と第2の磁性体との距離は、距離変更部によって変更
可能である。
は、鍵盤楽器の各々の鍵側に第1の磁性体が取り付けて
あり、一方、鍵盤楽器のおさ側には、第1の磁性体の各
々と対応して、第1の磁性体と反発する様に第2の磁性
体が各々取り付けてある。そして、これらの第1の磁性
体と第2の磁性体との距離は、距離変更部によって変更
可能である。
【0012】従って、両磁性体間の距離が、ある位置
(例えば遠くに)に設定されている時に鍵を押す場合に
は、磁性体による反発力は小さいので鍵盤タッチは弱
く、速やかに鍵を押して発音することができる。一方、
距離変更部によって、両磁性体間の距離が、上述した距
離より小さく設定されている時に鍵を押す場合には、磁
性体の反発力が大きくなるので鍵盤タッチが強くなり、
より大きな力で鍵を押さえなければ発音できない。
(例えば遠くに)に設定されている時に鍵を押す場合に
は、磁性体による反発力は小さいので鍵盤タッチは弱
く、速やかに鍵を押して発音することができる。一方、
距離変更部によって、両磁性体間の距離が、上述した距
離より小さく設定されている時に鍵を押す場合には、磁
性体の反発力が大きくなるので鍵盤タッチが強くなり、
より大きな力で鍵を押さえなければ発音できない。
【0013】その上、磁性体の反発力は非線形に増大す
るので、ばねっぽさを感じることなく、また、発音のタ
イミングを演奏者がコントロールする上で非常に重要と
なるレットオフ時(鍵盤を押し切る直前)の抵抗感が増
加することにより、ピアノ独特の高級な感触を味わえる
ことになる。
るので、ばねっぽさを感じることなく、また、発音のタ
イミングを演奏者がコントロールする上で非常に重要と
なるレットオフ時(鍵盤を押し切る直前)の抵抗感が増
加することにより、ピアノ独特の高級な感触を味わえる
ことになる。
【0014】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の鍵盤楽器のタッチコント
ロール機構の好適な実施例について説明する。図1は第
1実施例のタッチコントロール機構が適用されるアップ
ライトピアノの鍵盤近傍の構成を示し、図2はその機構
の動作を模式的に側面から示している。
かにするために、以下本発明の鍵盤楽器のタッチコント
ロール機構の好適な実施例について説明する。図1は第
1実施例のタッチコントロール機構が適用されるアップ
ライトピアノの鍵盤近傍の構成を示し、図2はその機構
の動作を模式的に側面から示している。
【0015】図1及び図2に示す様に、第1実施例のタ
ッチコントロール機構1は、ピアノの鍵盤2の各鍵5を
押した時の反発力(鍵盤タッチ)を調節するものであ
り、鍵盤バランスピン9の手前にて、鍵盤2と棚板3上
のおさ4との間に設けられている。つまり、タッチコン
トロール機構1は、各鍵5の下面に取り付けられた第1
の磁性体(第1磁石)6と、おさ4の上面4aに配置さ
れて第2の磁性体(第2磁石)7を移動させる磁石移動
部8と、おさ4に形成された溝部10に配置された操作
駆動部11とから構成されている。
ッチコントロール機構1は、ピアノの鍵盤2の各鍵5を
押した時の反発力(鍵盤タッチ)を調節するものであ
り、鍵盤バランスピン9の手前にて、鍵盤2と棚板3上
のおさ4との間に設けられている。つまり、タッチコン
トロール機構1は、各鍵5の下面に取り付けられた第1
の磁性体(第1磁石)6と、おさ4の上面4aに配置さ
れて第2の磁性体(第2磁石)7を移動させる磁石移動
部8と、おさ4に形成された溝部10に配置された操作
駆動部11とから構成されている。
【0016】以下、各構成について詳細に説明する。 前記第1磁石6は、白鍵及び黒鍵とも1000ガウス
程度の強さの磁石であり、図3に示す様に、この第1磁
石6と(第1磁石6と同様な)前記第2磁石7との間の
反発力は、両磁石6,7の間の距離が小さくなるほど急
速(非線形)に増大する性質を有している。尚、白鍵の
磁石は黒鍵の磁石より鍵5の先端側に取り付けられてい
る。
程度の強さの磁石であり、図3に示す様に、この第1磁
石6と(第1磁石6と同様な)前記第2磁石7との間の
反発力は、両磁石6,7の間の距離が小さくなるほど急
速(非線形)に増大する性質を有している。尚、白鍵の
磁石は黒鍵の磁石より鍵5の先端側に取り付けられてい
る。
【0017】また、前記磁石移動部8は、第2磁石7
と、第2磁石7を載置する(両端が上方に曲げられた)
長尺の磁石載置板14と、磁石載置板14の所定間隔毎
に後方に突出する複数の接続部材15と、これら接続部
材15の(L字状の)先端部分を回動自在に各々係止す
る第1係止部材16とから構成されている。
と、第2磁石7を載置する(両端が上方に曲げられた)
長尺の磁石載置板14と、磁石載置板14の所定間隔毎
に後方に突出する複数の接続部材15と、これら接続部
材15の(L字状の)先端部分を回動自在に各々係止す
る第1係止部材16とから構成されている。
【0018】そして、前記磁石載置板14上には、白鍵
及び黒鍵に設けられた各々の第1磁石6に対応した位置
(即ち下方)に、第2磁石7が接着剤によって各々固定
されている。つまり、第2磁石7は、白鍵用(手前)と
黒鍵用(後方)に2列に配置されている。一方、前記接
続部材15は、磁石載置板14と同一平面となる様に、
磁石載置板14の後端にて溶接されたものであり、磁石
載置板14と一体に移動する様になされている。
及び黒鍵に設けられた各々の第1磁石6に対応した位置
(即ち下方)に、第2磁石7が接着剤によって各々固定
されている。つまり、第2磁石7は、白鍵用(手前)と
黒鍵用(後方)に2列に配置されている。一方、前記接
続部材15は、磁石載置板14と同一平面となる様に、
磁石載置板14の後端にて溶接されたものであり、磁石
載置板14と一体に移動する様になされている。
【0019】従って、この磁石移動部8は、第1係止部
材16を中心として矢印A,B方向に回動可能であるの
で、第2磁石7を上下させて両磁石6,7の間隔を変更
することによって、両磁石6,7間の反発力の調整を行
なうことができる。 更に、前記操作駆動部11は、棒状の本体20と、本
体20を回動自在に係止する第2係止部材21と、本体
20から所定間隔毎に後方に伸びる複数のL字突起22
と、本体20の先端に設けられて棚板3側に曲がる頭部
23とから構成されている。
材16を中心として矢印A,B方向に回動可能であるの
で、第2磁石7を上下させて両磁石6,7の間隔を変更
することによって、両磁石6,7間の反発力の調整を行
なうことができる。 更に、前記操作駆動部11は、棒状の本体20と、本
体20を回動自在に係止する第2係止部材21と、本体
20から所定間隔毎に後方に伸びる複数のL字突起22
と、本体20の先端に設けられて棚板3側に曲がる頭部
23とから構成されている。
【0020】この操作駆動部11の頭部23は、棚板3
を略長円径に貫通孔する固定孔25に嵌め込まれてお
り、この固定孔25には、頭部23を所定位置で固定で
きる様に、3箇所に切欠25a〜cが設けられている。
従って、この操作駆動部11は、頭部23を切欠25a
〜cから外して矢印C,D方向に回動させることによっ
て、L字突起22を第2係止部材21を中心として(頭
部23及び本体20とともに)矢印C,D方向に回転移
動させることができる。
を略長円径に貫通孔する固定孔25に嵌め込まれてお
り、この固定孔25には、頭部23を所定位置で固定で
きる様に、3箇所に切欠25a〜cが設けられている。
従って、この操作駆動部11は、頭部23を切欠25a
〜cから外して矢印C,D方向に回動させることによっ
て、L字突起22を第2係止部材21を中心として(頭
部23及び本体20とともに)矢印C,D方向に回転移
動させることができる。
【0021】次に、本実施例のタッチコントロール機構
1の動作について、図2に基づいて説明する。図2
(a)に示す様に、鍵盤タッチを変更しない場合には、
操作駆動部11の頭部23は真下に向いており、固定孔
25の切欠25aに固定されている。
1の動作について、図2に基づいて説明する。図2
(a)に示す様に、鍵盤タッチを変更しない場合には、
操作駆動部11の頭部23は真下に向いており、固定孔
25の切欠25aに固定されている。
【0022】従って、この場合に鍵5を押しても、図の
2点鎖線で示す様に、第1磁石6と第2磁石7との距離
は離れているので、反発力は小さい。つまり、鍵盤タッ
チは弱い状態に設定されていることになる。一方、図2
(b)に示す様に、鍵盤タッチを大きく変更する場合に
は、操作駆動部11の頭部23を矢印C方向に回転させ
ることによって、本体20及びL字突起22を矢印C方
向に回転させて、磁石載置板14を上方に持ち上げ、第
2磁石7を第1磁石6に近付ける。尚、このとき、頭部
23は固定孔25の例えば切欠25cに固定する。
2点鎖線で示す様に、第1磁石6と第2磁石7との距離
は離れているので、反発力は小さい。つまり、鍵盤タッ
チは弱い状態に設定されていることになる。一方、図2
(b)に示す様に、鍵盤タッチを大きく変更する場合に
は、操作駆動部11の頭部23を矢印C方向に回転させ
ることによって、本体20及びL字突起22を矢印C方
向に回転させて、磁石載置板14を上方に持ち上げ、第
2磁石7を第1磁石6に近付ける。尚、このとき、頭部
23は固定孔25の例えば切欠25cに固定する。
【0023】従って、この場合に鍵5を押すと、図の2
点鎖線で示す様に、第1磁石6と第2磁石7との距離は
非常に接近することになるので、反発力は急速に大きく
なる。つまり、この様に操作駆動部11を操作すること
によって、鍵盤タッチは強めに変更されることになる。
点鎖線で示す様に、第1磁石6と第2磁石7との距離は
非常に接近することになるので、反発力は急速に大きく
なる。つまり、この様に操作駆動部11を操作すること
によって、鍵盤タッチは強めに変更されることになる。
【0024】この両磁石6,7間の距離を変えた場合の
鍵5の先端部における荷重と変位との関係を、図4に示
すが、図においてa1,a2が両磁石6,7の間隔が大き
な場合を示し、そのうちa1が鍵5を押さえる場合をa2
が鍵5を離す場合を示している。一方、b1,b2が間隔
が小さな場合を示し、そのうちb1が押さえる場合をb2
が離す場合を示している。尚、(イ)が鍵5を押さえ始
めた状態を示し、(ロ)がダンパーがかかった状態を示
し、(ハ)が図示しないジャック先端部が(アップライ
トピアノの場合の)バット又は(グランドピアノの場合
の)シャンクローラーの下面を抜け切るレットオフの状
態を示している。
鍵5の先端部における荷重と変位との関係を、図4に示
すが、図においてa1,a2が両磁石6,7の間隔が大き
な場合を示し、そのうちa1が鍵5を押さえる場合をa2
が鍵5を離す場合を示している。一方、b1,b2が間隔
が小さな場合を示し、そのうちb1が押さえる場合をb2
が離す場合を示している。尚、(イ)が鍵5を押さえ始
めた状態を示し、(ロ)がダンパーがかかった状態を示
し、(ハ)が図示しないジャック先端部が(アップライ
トピアノの場合の)バット又は(グランドピアノの場合
の)シャンクローラーの下面を抜け切るレットオフの状
態を示している。
【0025】この図4からも明かな様に、本実施例で
は、鍵5の下部に第1磁石6を備えるとともに、鍵5の
下方に(第2磁石7を取り付けた)磁石移動部8及び操
作駆動部11を備えており、この操作駆動部11を操作
することによって、第1磁石6と第2磁石7との反発力
を調節することにより、容易に鍵盤タッチを変更するこ
とができる。
は、鍵5の下部に第1磁石6を備えるとともに、鍵5の
下方に(第2磁石7を取り付けた)磁石移動部8及び操
作駆動部11を備えており、この操作駆動部11を操作
することによって、第1磁石6と第2磁石7との反発力
を調節することにより、容易に鍵盤タッチを変更するこ
とができる。
【0026】従って、ピアノの演奏者が、幼児から大
人,初心者から専門家に至るまで様々であって、その鍵
5を押さえる力が大きく異なっている場合でも、適切に
鍵盤タッチを変更することによって、演奏者に応じた最
適な鍵盤タッチに設定できるという効果がある。
人,初心者から専門家に至るまで様々であって、その鍵
5を押さえる力が大きく異なっている場合でも、適切に
鍵盤タッチを変更することによって、演奏者に応じた最
適な鍵盤タッチに設定できるという効果がある。
【0027】しかも、従来の様に、板ばねを使用して鍵
盤タッチを変更しないので、演奏時にノイズが発生する
こともなく、また、鍵盤タッチも非線形に変化するの
で、優れた鍵盤タッチで演奏を行なうことができるとい
う特長がある。次に、第2実施例について説明する。
盤タッチを変更しないので、演奏時にノイズが発生する
こともなく、また、鍵盤タッチも非線形に変化するの
で、優れた鍵盤タッチで演奏を行なうことができるとい
う特長がある。次に、第2実施例について説明する。
【0028】本実施例のタッチコントロール機構は、操
作駆動部の構成が、前記実施例と大きく異なり、他の部
分は前記実施例とほぼ同様であるので、異なる点のみを
詳細に説明する。図5に示す様に、本実施例のタッチコ
ントロール機構31は、第1磁石32と、第2磁石33
を載置して上下方向に回転移動する磁石移動部34と、
磁石移動部34を上下方向に移動させる操作駆動部35
とから構成されている。
作駆動部の構成が、前記実施例と大きく異なり、他の部
分は前記実施例とほぼ同様であるので、異なる点のみを
詳細に説明する。図5に示す様に、本実施例のタッチコ
ントロール機構31は、第1磁石32と、第2磁石33
を載置して上下方向に回転移動する磁石移動部34と、
磁石移動部34を上下方向に移動させる操作駆動部35
とから構成されている。
【0029】このうち、操作駆動部35は、棒状の本体
37と、本体37の所定間隔毎に後方に突出するL字突
起38と、本体37及びL字突起38を矢印C,D方向
に回転移動させる操作部40とから構成されている。こ
の操作部40は、棚板42に埋め込まれたナット43
と、ナット43に螺合して前記本体37の頭部45のL
字突起38に下方から接触するボルト44とから構成さ
れている。
37と、本体37の所定間隔毎に後方に突出するL字突
起38と、本体37及びL字突起38を矢印C,D方向
に回転移動させる操作部40とから構成されている。こ
の操作部40は、棚板42に埋め込まれたナット43
と、ナット43に螺合して前記本体37の頭部45のL
字突起38に下方から接触するボルト44とから構成さ
れている。
【0030】従って、このボルト44を矢印E方向に回
転させて上昇させることによって、本体37及びL字突
起38を矢印C方向に回転移動させることができる。そ
れによって、L字突起38が磁石移動部34を持ち上げ
るので、両磁石32,33の間隔を小さくして反発力を
増大させることにより、鍵盤タッチを変更することがで
きる。
転させて上昇させることによって、本体37及びL字突
起38を矢印C方向に回転移動させることができる。そ
れによって、L字突起38が磁石移動部34を持ち上げ
るので、両磁石32,33の間隔を小さくして反発力を
増大させることにより、鍵盤タッチを変更することがで
きる。
【0031】次に、第3実施例について説明図する。本
実施例では、磁石移動部及びそれを移動させる操作部の
構成が、前記第2実施例と大きく異なるので、その点の
みを詳細に説明する。図6に示す様に、本実施例のタッ
チコントロール機構51は、磁石移動部52と、この磁
石移動部52を上下方向に回転移動させる操作部53と
から構成されている。
実施例では、磁石移動部及びそれを移動させる操作部の
構成が、前記第2実施例と大きく異なるので、その点の
みを詳細に説明する。図6に示す様に、本実施例のタッ
チコントロール機構51は、磁石移動部52と、この磁
石移動部52を上下方向に回転移動させる操作部53と
から構成されている。
【0032】このうち、磁石移動部52は、第2磁石5
4を載置する磁石載置板55と、磁石載置板55から後
方に伸びる断面U字状の接続部材56と、接続部材56
に接続された棒状部材57と、棒状部材57を回動自在
に係止する第1係止部材58とから構成されている。ま
た、接続部材56の下面には、操作部53側の上下動を
伝える丸棒59が棚板60に設けられた貫通孔61に嵌
入されている。
4を載置する磁石載置板55と、磁石載置板55から後
方に伸びる断面U字状の接続部材56と、接続部材56
に接続された棒状部材57と、棒状部材57を回動自在
に係止する第1係止部材58とから構成されている。ま
た、接続部材56の下面には、操作部53側の上下動を
伝える丸棒59が棚板60に設けられた貫通孔61に嵌
入されている。
【0033】一方、操作部53は、図7に示す様に、円
筒形の部材の上部が斜めにカットされたカム部材62
と、このカム部材62を回転移動させるねじ部63とか
ら構成されている。従って、このねじ部63を回すこと
によってカム部材62を回転させると、カム部材62の
上面に接触した前記丸棒59が上下に移動するので、磁
石載置板55に載置された第2磁石54を上下に移動さ
せることができる。それによって、図示しない鍵に設け
られた第1磁石と前記第2磁石54との距離を変更する
ことができるので、両磁石間の反発力を調整して、鍵盤
タッチを変更することができる。
筒形の部材の上部が斜めにカットされたカム部材62
と、このカム部材62を回転移動させるねじ部63とか
ら構成されている。従って、このねじ部63を回すこと
によってカム部材62を回転させると、カム部材62の
上面に接触した前記丸棒59が上下に移動するので、磁
石載置板55に載置された第2磁石54を上下に移動さ
せることができる。それによって、図示しない鍵に設け
られた第1磁石と前記第2磁石54との距離を変更する
ことができるので、両磁石間の反発力を調整して、鍵盤
タッチを変更することができる。
【0034】次に、第4実施例について説明図する。前
記各実施例が第2磁石を上下方向に移動させたのに対
し、本実施例では、第2磁石を水平方向に移動させた点
が大きく異なるので、その機構を詳細に説明する。
記各実施例が第2磁石を上下方向に移動させたのに対
し、本実施例では、第2磁石を水平方向に移動させた点
が大きく異なるので、その機構を詳細に説明する。
【0035】図8に示す様に、本実施例のタッチコント
ロール機構71は、第2磁石72を載置した磁石載置板
73と、下面に車輪74を備えるとともに磁石載置板7
3と垂直に取り付けられた移動部75と、移動部75の
下に配置されて車輪74が導かれるレール部76とか
ら、主として構成されている。
ロール機構71は、第2磁石72を載置した磁石載置板
73と、下面に車輪74を備えるとともに磁石載置板7
3と垂直に取り付けられた移動部75と、移動部75の
下に配置されて車輪74が導かれるレール部76とか
ら、主として構成されている。
【0036】このうち、磁石載置板73の先端には略L
字状の頭部77が取り付けられており、この頭部77の
先端側は、棚板78に設けられた略長円形の貫通孔79
に(前後に移動可能に)嵌挿されている。従って、この
頭部77を前後に移動させることによって、磁石載置板
73を前後に水平に移動することができるので、磁石載
置板73に載置された第2磁石72も前後に移動させる
ことができる。それによって、図示しない鍵に設けられ
た第1磁石と第2磁石72との距離を変更して反発力を
調整することによって、鍵盤タッチを変更することがで
きる。
字状の頭部77が取り付けられており、この頭部77の
先端側は、棚板78に設けられた略長円形の貫通孔79
に(前後に移動可能に)嵌挿されている。従って、この
頭部77を前後に移動させることによって、磁石載置板
73を前後に水平に移動することができるので、磁石載
置板73に載置された第2磁石72も前後に移動させる
ことができる。それによって、図示しない鍵に設けられ
た第1磁石と第2磁石72との距離を変更して反発力を
調整することによって、鍵盤タッチを変更することがで
きる。
【0037】尚、この第2磁石を水平に移動させるタイ
プのタッチコントロール機構について、その反発力(静
荷重)と変位との関係を、第1磁石と第2磁石との間隔
(d)を変えて実験を行ったところ、図9に示す結果を
得た。この図9から明かな様に、この様な水平移動のタ
イプの機構においても鍵盤タッチの変更が可能なことが
分かった。
プのタッチコントロール機構について、その反発力(静
荷重)と変位との関係を、第1磁石と第2磁石との間隔
(d)を変えて実験を行ったところ、図9に示す結果を
得た。この図9から明かな様に、この様な水平移動のタ
イプの機構においても鍵盤タッチの変更が可能なことが
分かった。
【0038】尚、本発明は、上記実施例に何等限定され
ず、本発明の要旨の範囲内において各種の態様で実施で
きることは勿論である。例えば、前記実施例1〜4は、
両磁性体を鍵盤バランスピンより前部に配置した例であ
るが、両磁性体を鍵盤バランスピンより後部に配置して
も同様な効果が得られる。
ず、本発明の要旨の範囲内において各種の態様で実施で
きることは勿論である。例えば、前記実施例1〜4は、
両磁性体を鍵盤バランスピンより前部に配置した例であ
るが、両磁性体を鍵盤バランスピンより後部に配置して
も同様な効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述した様に本発明の鍵盤楽器のタ
ッチコントロール機構では、鍵側の第1の磁性体とおさ
側の第2の磁性体との距離を、距離変更部によって変更
することができる。従って、両磁性体間の距離を適宜変
更することによって反発力を調整して、鍵盤タッチを調
節することができる。
ッチコントロール機構では、鍵側の第1の磁性体とおさ
側の第2の磁性体との距離を、距離変更部によって変更
することができる。従って、両磁性体間の距離を適宜変
更することによって反発力を調整して、鍵盤タッチを調
節することができる。
【0040】それによって、ピアノの演奏者が様々であ
って、その鍵を押さえる力も大きく異なっている場合で
も、適切に鍵盤タッチを変更することによって、演奏者
に応じた最適な鍵盤タッチに設定できるという効果があ
る。また、専門家の様に鍵盤タッチを微妙に変えて演奏
したいという要望にも応えることができる。
って、その鍵を押さえる力も大きく異なっている場合で
も、適切に鍵盤タッチを変更することによって、演奏者
に応じた最適な鍵盤タッチに設定できるという効果があ
る。また、専門家の様に鍵盤タッチを微妙に変えて演奏
したいという要望にも応えることができる。
【0041】しかも、従来の様に、板ばねを使用しない
ので、演奏時にノイズが発生することもなく、また、鍵
盤タッチも非線形に変化するので、優れた鍵盤タッチで
演奏を行なうことができるという特長がある。
ので、演奏時にノイズが発生することもなく、また、鍵
盤タッチも非線形に変化するので、優れた鍵盤タッチで
演奏を行なうことができるという特長がある。
【図1】 第1実施例のタッチコントロール機構を示す
説明図である。
説明図である。
【図2】 第1実施例のタッチコントロール機構の動作
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図3】 磁性体間の距離と反発力との関係を示すグラ
フである。
フである。
【図4】 第1実施例のタッチコントロール機構の鍵盤
タッチの様子を示すグラフである。
タッチの様子を示すグラフである。
【図5】 第2実施例のタッチコントロール機構を示す
説明図である。
説明図である。
【図6】 第3実施例のタッチコントロール機構を示す
説明図である。
説明図である。
【図7】 第3実施例の移動部を一部破断して示す断面
図である。
図である。
【図8】 第4実施例のタッチコントロール機構を示す
説明図である。
説明図である。
【図9】 第3実施例のタイプの磁性体間の距離(水平
方向)と反発力との関係を示すグラフである。
方向)と反発力との関係を示すグラフである。
1,31,51,71…タッチコントロール機構 5…鍵 6,32…第1磁石 7,33,54,72…第2磁石 8,34,52…磁石移動部 11,35…操作駆動部 40,53…操作部
Claims (1)
- 【請求項1】 鍵盤楽器の各鍵側に取り付けた第1の磁
性体と、 該第1の磁性体の各々と対応して、鍵盤楽器のおさ側に
第1の磁性体と反発する様に各々取り付けた第2の磁性
体と、 前記第1の磁性体と第2の磁性体との距離を変更して鍵
盤タッチを調節する距離変更部と、 を備えたことを特徴とする鍵盤楽器のタッチコントロー
ル機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5001222A JP2938295B2 (ja) | 1993-01-07 | 1993-01-07 | 鍵盤楽器のタッチコントロール機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5001222A JP2938295B2 (ja) | 1993-01-07 | 1993-01-07 | 鍵盤楽器のタッチコントロール機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06202618A JPH06202618A (ja) | 1994-07-22 |
JP2938295B2 true JP2938295B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=11495446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5001222A Expired - Lifetime JP2938295B2 (ja) | 1993-01-07 | 1993-01-07 | 鍵盤楽器のタッチコントロール機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2938295B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005352285A (ja) * | 2004-06-11 | 2005-12-22 | Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd | ピアノのアクション機構 |
CN108133699A (zh) * | 2018-02-07 | 2018-06-08 | 北京非同文化传媒有限公司 | 琴键、键盘模块及电钢琴 |
CN113611270A (zh) * | 2021-08-19 | 2021-11-05 | 雅弦信息科技(深圳)有限公司 | 一种键盘乐器数字化输入系统 |
-
1993
- 1993-01-07 JP JP5001222A patent/JP2938295B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06202618A (ja) | 1994-07-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH07181959A (ja) | 鍵盤装置 | |
JPH02256094A (ja) | 電子鍵盤楽器の鍵盤装置 | |
JP3456243B2 (ja) | 平形鍵盤楽器 | |
JP2002196748A (ja) | 鍵盤楽器の鍵盤装置 | |
JP3341438B2 (ja) | 鍵盤楽器 | |
JP3430638B2 (ja) | 鍵盤楽器 | |
KR100611605B1 (ko) | 업라이트형 건반악기 | |
JP2938295B2 (ja) | 鍵盤楽器のタッチコントロール機構 | |
JP2570704Y2 (ja) | 鍵盤楽器 | |
JP3624786B2 (ja) | 鍵盤装置 | |
WO2000062277A1 (fr) | Instrument musical a clavier | |
JP3188197B2 (ja) | 電子楽器の鍵盤装置 | |
JP2904158B2 (ja) | 鍵盤装置 | |
JP3448948B2 (ja) | 鍵盤楽器およびその消音装置 | |
JPH03223796A (ja) | 電子楽器の鍵盤装置 | |
JP2988134B2 (ja) | 鍵盤楽器 | |
JP2001236056A (ja) | 鍵盤装置 | |
JP3438741B2 (ja) | 鍵盤楽器 | |
JP2657587B2 (ja) | 電子ピアノの鍵盤装置 | |
JP3654267B2 (ja) | 鍵盤楽器 | |
JPH08110772A (ja) | 電子楽器の鍵盤装置 | |
KR102159444B1 (ko) | 전자건반 악기의 건반 구조 | |
JPH06118943A (ja) | 鍵盤楽器 | |
JPH11305760A (ja) | 鍵盤楽器の鍵盤装置 | |
JPH0125998Y2 (ja) |