JP2937881B2 - 真空バルブ - Google Patents

真空バルブ

Info

Publication number
JP2937881B2
JP2937881B2 JP23285796A JP23285796A JP2937881B2 JP 2937881 B2 JP2937881 B2 JP 2937881B2 JP 23285796 A JP23285796 A JP 23285796A JP 23285796 A JP23285796 A JP 23285796A JP 2937881 B2 JP2937881 B2 JP 2937881B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
magnetic flux
flux density
vacuum valve
center
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23285796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09134650A (ja
Inventor
憲治 渡辺
宜賢 影長
工美 内山
純一 佐藤
英治 金子
三孝 本間
宏通 染井
経世 関
貴史 草野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP23285796A priority Critical patent/JP2937881B2/ja
Publication of JPH09134650A publication Critical patent/JPH09134650A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2937881B2 publication Critical patent/JP2937881B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空バルブに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から真空バルブの遮断性能を向上さ
せるために、電極間に発生した真空アークと平行に磁界
を印加してアークを消弧する方法が採用されている。こ
のような真空バルブとしては、縦磁界形真空バルブがあ
り、その電極構造には、いくつかの種類のものが実施さ
れ提案されているが、ここでは、図7に示した縦磁界電
極の構造のものを基に説明する。なお、図7は、一例と
して可動側の電極の場合を示すが、固定側の電極も同一
構造である。
【0003】図7において、銅棒で製作された可動側通
電軸6Bの先端には、円形の座ぐり部6aが形成され、
この座ぐり部6aには、縦断面が略T字状で図示しない
平面図では環状のステンレス鋼製の補強部材18の下部に
突設された軸部18aが嵌合し、ろう付けされている。
【0004】この軸部18aの外周には、銅材で製作され
以下説明するコイル電極14の中心部に突設された環状の
軸部14aが挿入され、軸部18aと可動側通電軸6Bにろ
う付されている。
【0005】このコイル電極14は、軸部14aの外周から
図示しない4本の腕部が図示しない平面図において放射
状に90゜間隔に、且つ、軸方向と直交方向に突設され、
これらの腕部の先端には、図示しない平面図では弧状の
コイル部14cの基端がろう付されている。これらのコイ
ル部14cの先端には、貫通穴14dが図7に示すように軸
方向に形成されている。
【0006】これらの貫通穴14dには、図7においては
略T字状で、図示しない平面図では円形の銅材製の接続
子13の軸部が挿入され、コイル部14cの先端にろう付さ
れている。
【0007】補強部材18の上端面には、銅板から円板状
に形成され中心部から外周方向に放射状に溝が形成され
た電極板2Bが載置されている。この電極板2Bは、補
強部材18と接続子13の表面にろう付されている。
【0008】電極板2Bの上面には、銅・クロム合金か
ら円板状に形成され電極板2Bと同様に中心部から外周
方向に放射状に溝が形成され外周が弧状に面取りされた
接点1Aがろう付で接合されている。
【0009】このように構成された真空バルブの電極に
おいて、例えば、可動側通電軸6Bから接点1Aに流れ
る電流の大部分は、コイル電極14の軸部14aから複数本
の腕部14bを経て、この腕部14bの先端のコイル部14c
に流れる。なお、一部の電流は、補強部材18を経て、電
極板2Bに流入する。
【0010】このうち、コイル部14cに流入した電流
は、各コイル部14cの先端の接続子13から電極板2Bの
外周の裏面を経て電極板2Bに流入し、この電極板2B
の表面から接点1Aに流出する。
【0011】この接点1Aに流出した電流は、この接点
1Aからこの接点1Aの表面と接触した固定側電極の接
点に流入し、以下、この固定側電極の電極板と接続子及
びコイル電極を経て、固定側通電軸に流出する。
【0012】図8は、このように構成された可動側電極
と固定側電極において、各コイル電極に流れる電流によ
って発生する軸方向の磁界、すなわち、縦磁界の磁束密
度Bzの分布状態を示すグラフである。なお、可動側電
極が固定側電極から開離して、両電極間にアークが発生
し、このアーク電流で発生した磁束も傾向は同様であ
る。
【0013】図8に示すように、縦磁界の磁束密度Bz
は、電極の軸心において最大で、電極の外周に向かうほ
ど低くなり、ほぼ正弦波の曲線となっている。
【0014】このような縦磁界を発生させる電極間に発
生したアークは、縦磁界を発生させない電極と比べて、
両電極の表面に局部的に集中せず、全体に且つ均一に広
がって、局部的集中による接点表面の溶融を防ぎ、この
溶融で生じた金属蒸気圧の上昇を防ぎ、アークの増加を
抑えることができ、遮断性能を上げることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
構成された真空バルブにおいても、遮断電流が更に増え
ると、磁束密度の高い接点の中央部分にアークが集中
し、遮断性能の更なる向上を図るうえで障害となる。
【0016】このアークが接点の中央部分に集中する原
因は、アークに作用する自己電流によるピンチ力による
効果と、アーク電流が強い磁界の領域に集中する特性の
ためと考えられており、このうち、前者のピンチ力によ
る効果よりも、後者の強い磁界に集中する効果の方が大
きいことが、実験でも確認されている。
【0017】そのため、図8で示した磁束密度を更に高
くしてアークの局部的集中を防いで、遮断性能を上げる
方法も考えられるが、発明者らの実験結果では、遮断電
流が増えると前述した効果のために中央部分にアークが
集中する。さらに、図7に示した電極板2Bに流れる渦
電流によって、電極中心に発生する縦磁界の強度を低下
させる方法も試みられているが、この方法も、電極中心
部へのアークの集中を大幅に防ぐことはできない。
【0018】図9は、本願出願人が報告した論文(IEEE
Tranns. on Power Delivery,Vol.PWRD-1,No.4,Oct.198
6 )から引用した、電極の半径方向の位置に対する電極
間の磁束密度の分布の一例を示すグラフである。図9で
示すように、電極間のギャップ長によって磁束密度の分
布が異なるが、いずれも、電極の外周方向に磁束密度の
極大値が存在する。
【0019】しかし、磁束密度が極大となる位置は、電
極半径(28.5mm)の約55%の位置であり、極大値が更に
外周方向に形成される後述する本発明の真空バルブとは
異なる。
【0020】電極中心付近の磁束密度を下げる方法に
は、以下の方法が考えられる。 (1) 電極板及び接触子にスリットを形成せず、電極板や
接点に流れる渦電流によって、逆方向の磁界を発生させ
る方法。 (2) 逆方向の磁界を発生するための第2のコイル電極
を、電極の中心部に備える方法。 (3) 可動側と固定側の磁界発生コイルの間の距離をでき
る限り接近させる方法。 このうち、(1) の方法によるものの一例として、特開昭
57−212719号公報で示す電極がある。この電極の磁束密
度分布を図10(a)に示し、構造を図10(b)に示す。
【0021】電極12の表面22には、純銅材の磁界制御板
24が埋設されており、この磁界制御板24に発生する渦電
流によって逆方向の磁界を発生させて、曲線F2で示す
分布特性となっている。図10(a)中の点線は、磁界制
御板24がない場合の磁束密度分布曲線である。
【0022】なお、図10(b)において、可動側通電軸
6Cの先端に接合されたコイル電極11の右端には、接続
部15が示され、中心部には、スペーサ18が接合されてい
る。また、磁界制御板24の前面には、接触板23が接合さ
れている。
【0023】このような電極においても、磁界制御板24
で発生する逆方向の磁束によって、電極外周部に磁束密
度の極大値が存在するが、極大となる位置が電極半径の
40%程度であり、これまた、後述する本発明の真空バル
ブとは異っている。
【0024】また、磁束密度分布に対する電極ではない
が、類似の磁束密度分布を開示している一例として、特
公平4−3611号公報がある。図11にその磁束密度の分布
の例を示す。この電極では、接触子1Bによって発生す
る渦電流により、曲線G2に示すように電極外周部に磁
束密度の極大値が存在する。ただし、一点鎖線で示す曲
線G1は、磁界発生コイル31のみによる磁束密度分布で
ある。極大値となる半径位置は、本発明の電極の極大値
範囲に含まれている。
【0025】しかし、後述する本発明の真空バルブで詳
細な説明では、この磁束密度分布では、縦磁界の効果が
十分発揮されないと述べているように、磁束密度の強度
が不足している。また、この図11のグラフでは、電極最
外径位置での磁束密度が殆ど零になっており、このよう
な磁束密度分布では、電極最外周領域をアークを分散さ
せる上で有効に利用することができない。
【0026】(2) の方法によるものの一例として、特開
昭57− 20206号公報がある。この方法による電極間の磁
束密度分布を図12に示す。磁束密度が極大となる位置
は、後述する本発明の範囲内にあるものと考えられる
が、電極32の中心部に配置した磁界発生コイルにより、
電極中心部での磁束密度は逆向きとなっている。
【0027】なお、電極中心部に逆向きの磁界を発生さ
せる電極構造については、これ以外にもいくつか提案さ
れているが、すべてのものが電極中心で磁界の向きが逆
方向となっている。
【0028】(3) の方法によるものの一例として、特公
平2− 30132号公報がある。この方法による電極間の磁
束密度分布を図13に示す。この場合には(2) の方法に比
べて、電極中心部での磁界はマイナスにはなっていな
い。また、磁束密度が極大となる半径位置は、本発明の
範囲内にあるものと考えられるが、磁束密度の極大値
が、電極半径の40%位置での磁束密度に対して、 1.6倍
を超えている。
【0029】このように、従来の真空バルブにおいて
は、電極の中心部の磁束密度が高いか、逆に低すぎて、
アークが陽極側電極の中心部に集中する。また、集中す
る箇所が1箇所となるため、陽極側電極表面に流入する
エネルギー密度が高くなり、そのため、陽極側電極表面
の温度が高温状態となって遮断性能が低下する。
【0030】そこで、まず第一に、アークが集中し始め
る臨界電流値を上げるために、電極面における電流密度
を均一にすることが考えられる。また、この臨界電流値
以上になり、電流が集中しても、電極外周部の何点かに
分散して集中させることも考えられる。このような方法
により、同一遮断電流値に対して、アークが集中し始め
る臨界電流値を上げ、集中した領域の電流密度を従来の
真空バルブに比べ減らすことが課題となる。そこで、本
発明の目的は、電極中央部へのアークの集中を防ぎ、遮
断性能を上げることのできる真空バルブを得ることであ
る。
【0031】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、真空容器に貫挿され一方が進退自在の一対の通電軸
と、この通電軸の真空容器内の端部に設けられた電極部
と、少なくとも一方の電極部の背面側に一端が接続され
他端が通電軸に接続され軸方向磁界を発生するコイル電
極とを有する真空バルブにおいて、コイル電極が背面側
に接続された電極部の中心側から半径方向に向かって軸
方向磁界を増加させるとともに、この軸方向磁界の磁束
密度の極大値は電極部の半径の70%の位置よりも
で電極部の電極径における遮断電流に対して最低アーク
電圧を与える磁束密度の 1.2〜 1.6倍とし、極大値とな
る電極半径位置の円周方向の軸方向磁束密度の最大値と
最小値の平均値以上の領域が全周長に対して50%以上
したことを特徴とする。
【0032】また、請求項2に記載の発明は、真空容器
に貫挿され一方が進退自在の一対の通電軸と、この通電
軸の真空容器内の端部に設けられた電極部と、少なくと
も一方の電極部の背面側に一端が接続され他端が通電軸
に接続され軸方向磁界を発生するコイル電極とを有する
真空バルブにおいて、コイル電極が背面側に接続された
電極部の中心側から半径方向に向かって軸方向磁界を増
加させるとともに、この軸方向磁界の磁束密度の極大値
は電極部の半径の70%の位置よりも外周側で電極部の中
心部における磁束密度の 1.4〜 2.4倍とし、極大値とな
る電極半径位置の円周方向の軸方向磁束密度の最大値と
最小値の平均値以上の領域が全周長に対して50%以上
したことを特徴とする。
【0033】また、請求項3に記載の発明の真空バルブ
は、電極の外周端での磁束密度を、2mT/kA以上とした
ことを特徴とする。
【0034】また、請求項4に記載の発明の真空バルブ
は、電極中心の磁束密度(Bct)を電極径の遮断電流
に対応するアーク電圧と軸方向磁束密度との関係から得
られるアーク電圧が最低となる磁束密度(Bcr)の0.
75〜0.90倍としたことを特徴とする。
【0035】また、請求項5に記載の発明の真空バルブ
は、軸方向磁束密度の極大値を、電極の外周に少なくと
も2箇所分布させたことを特徴とする。
【0036】
【0037】また、請求項に記載の発明の真空バルブ
は、外部と電気的に接続する一対の導電軸を介して接離
可能に一対の電極を真空容器内に設けた真空バルブにお
いて、電極の中心部の軸方向磁束密度を、所定の電極径
の遮断電流に対する最低アーク電圧よりも2〜5V高く
なる範囲の磁束密度のうちの最低の磁束密度としたこと
を特徴とする。
【0038】また、請求項に記載の発明の真空バルブ
は、アーク電圧が最低となる磁束密度が印加される半径
方向位置を、電極半径の中心から20〜40%の範囲とした
ことを特徴とする。
【0039】また、請求項に記載の発明の真空バルブ
は、外部と電気的に接続する一対の導電軸を介して接離
可能に一対の電極を真空容器内に設けた真空バルブにお
いて、電極の中心部よりも大なる軸方向磁界を発生させ
る螺旋状の複数の通電コイルを電極の外周部に配置した
ことを特徴とする。
【0040】さらに、請求項に記載の発明の真空バル
ブは、外部と電気的に接続する一対の導電軸を介して接
離可能に一対の電極を真空容器内に設けた真空バルブに
おいて、電極の対向する面に、中心部から外周に向かっ
て接点材料の陰極降下電圧が減少する傾斜特性を有する
接点を備えたことを特徴とする。
【0041】このような手段によって、コイル電極で発
生させた軸方向の磁束と、通電コイルで発生させた軸方
向の磁束を重畳させて、接点の中心部から外周部に磁束
密度を次第に高くするとともに、外周部における磁束密
度の分布を脈動させる。
【0042】一般にアークコラム内の電圧降下Vcolm
は、軸方向磁束密度Bz及び電流密度Jzと以下のよう
な関係がある。
【0043】
【数1】
【0044】そのため、電極の中心で磁束密度が高い場
合には、同一電流密度の電流が流れても、Vcolmの値が
小さくなってしまう。電極間のVcolmの値は、電極面全
体に対して一定となるので、電極外周部領域でのVcolm
の値と釣り合うために、磁束密度の高い電極中心部では
電流密度Jzが高くなってしまう。
【0045】電極面の電流密度を均一化するためには、
電極中心部の電流密度を抑え電極外周部の電流密度を増
やす必要がある。そこで、電極中心部の電流密度を抑え
るため、中心部の軸方向磁束密度を減らし、電極中心部
のアークコラム内の電圧降下を増やし、電流を流れ難く
する。
【0046】したがって、電極の外周部は磁束密度を強
くし、アークコラム内の電圧降下が小さくなるようにし
て電流が流れ易い状態にする。真空アークはその殆どの
電流が電子電流によって運ばれ、磁束密度が強い領域で
は、電子のラーマー半径は小さく、磁力線に強く捕捉さ
れる。
【0047】そのため、磁界の強い電極外周部領域に安
定に電流が流れる。このようなことから、従来の真空バ
ルブに比べて電極間の電流密度の均一化が図られる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態の特
性を示すグラフで、電極が開離したときの中間位置の
電極の半径方向の位置に対する電極間の軸方向の磁束密
度の分布を示す図である。
【0049】本発明の真空バルブにおいては、図5で後
述する電極構造を採用することで、電極の中心部におけ
る軸方向の低い磁束密度Bctに対し、電極の外周方向
に移動するに従って、軸方向の磁束密度を増やし、電極
の外周の僅かに内側においては、後述する高い磁束密度
Bmとなっている。
【0050】また、図2は、本発明の真空バルブの電極
外周部軸方向に通過する磁束の磁束密度の円周方向の
分布を示すグラフで、遮断可能な最低のアーク電圧とな
る図3で示す磁束密度Bcrが存在し、この値は遮断電
流や電極径及び接点材料によって変える。
【0051】図1において、電極の中心では、各遮断電
流に対して電極間のアーク電圧が最低となる図3で示し
た軸方向磁束密度Bcrの0.75〜0.9 倍の範囲の磁束密
度が印加される。軸方向磁束密度は、電極中心から電極
の外周部に向かって、ゆるやかに増えている。ここで、
最低アーク電圧を与える軸方向磁束密度Bcrが印加さ
れる半径方向の位置は、電極半径の20〜40%の範囲にあ
る。
【0052】軸方向の磁束密度は、この領域から外部に
ゆるやかに増え、電極半径の70%以上の領域の約80%の
位置において極大値Bmとなる。この極大値Bmは、電
極中心の磁束密度に対して 1.4〜 2.4倍の範囲にあるこ
とが望ましい。
【0053】また、図2に示すように、円周方向におけ
る軸方向磁束密度は、少なくとも 360°内に3箇所以上
のピークが現れるように分布している。BmaxとBm
inの値は、電極中心での磁束密度の 1.4〜 2.4倍の範
囲にある。また、(Bmax+Bmin)/2以上の値
をとる範囲は、全体の50%以上であることが望ましい。
【0054】次に、このような軸方向磁束密度分布の真
空バルブの作用を説明する。電極中心部では、最低アー
ク電圧を与える磁束密度よりも低い磁束密度が印加され
ているため、中心部に点弧しているアークコラム内の電
圧降下は、電極外周領域よりも高くなる。
【0055】そのため、アークコラム内の電圧降下を低
くし、電極外周部の領域のアーク電圧降下と等しくなろ
うとする。したがって、式(1) の関係から、電極中心部
に流れる電流密度は低く抑えられることになり、従来の
ように電極の中心部の電流密度が外周部に対して高くな
るアーク特性が抑制される。電極中心から外周部に向か
って、軸方向磁束密度が増えていくので、アークは電極
の外周部にも点弧しやすくなる。
【0056】例えば、接点材料にCuCrを用いた場合
には、軸方向磁束密度がBcrより高くなっても、アー
ク電圧はさほど上昇しないので、電極の最外周までアー
クが広がる。
【0057】しかし、遮断電流が更に増えると、図3に
示しアーク電圧と磁束密度の関係を示すグラフのよう
に、磁束密度の高い領域でアーク電圧が高くなるおそれ
がある。
【0058】そのため、電極中心部から電極外周部に向
かって、陰極降下電圧が低下する特性の傾斜特性接触子
を組み合わせることにより、電極外周部にアークを更に
容易に点弧させることができる。
【0059】したがって、電極中心部の電流密度の増加
が抑えられ、電極外周部の電流密度が増えるので、電流
密度分布の均一化を図ることができる。ところで、遮断
電流が増えるに従い、陽極側電極の電極中心部に向かっ
てアークコラムが収縮しようとする力、すなわち、自己
電流により発生するアークコラムの円周方向の磁力線と
アーク電流の相互作用によって発生するピンチ力が働
く。
【0060】しかし、電極外周部には、従来の真空バル
ブの磁束密度よりも高い密度となっているので、電子は
この磁力線に強く捕捉される。そのため、中心部に収縮
する力を効果的に抑えることができる。
【0061】また、円周方向の磁束密度は、図2に示す
ように波状に分布しているので、遮断電流が増えると磁
束密度の低い領域の電流は磁束密度の高い領域に集中す
る。もし、電極外周部の磁束密度の円周方向分布が従来
の真空バルブのように一定の場合には、電極面のある一
部でアークが集中し始めると、その箇所だけに集中す
る。そのため、図2で示したように、軸方向磁束密度に
強弱をつけておくことが重要である。
【0062】さらに、電流が増えると、アークが磁束密
度の高い電極外周部の数箇所で集中し始める。しかし、
集中する点が従来のように1箇所でなく、数箇所に分離
するので、集中した領域の電流密度は低くなり、集中が
激しくなる臨界電流値が上昇する。
【0063】また、たとえ、集中が激しくなっても、集
中した位置が電極の外周部となることから、集中する面
積が増えるので、陽極電極表面に与えるアークによる溶
融などを抑えることができる。
【0064】発明者らは、図7で示した従来の電極と、
図4で示したモデル電極について、遮断性能の比較試験
を行った。このうち、図4で示した電極は、コイル電極
などが組み込まれていない従来の平板電極の通電軸の周
りに、縦磁界を発生させるための励磁コイル9を遊嵌さ
せた。モデル電極の詳細図の一例は、図5の縦断面図で
後述する。
【0065】図4及び図5で示したモデル電極の通電軸
6の周りに、励磁コイル9を遊嵌させて試験したのは、
モデル電極だけでは、軸方向の磁界を微少に制御するこ
とができないためである。発明者らは、励磁コイル9に
通電する励磁電流を調整してこの励磁コイル9で発生し
た磁束を図5で示すモデル電極自体から発生する磁束に
重畳させて試験を行った。
【0066】この遮断試験結果を図6のグラフに示す。
図6において、従来の縦磁界形電極Aで行った遮断試験
による遮断電流の限度D1を1とすると、図5で示した
モデル電極では、遮断電流の限度D2は従来の縦磁界形
電極の1.15倍であった。
【0067】また、図4及び図5で示した励磁コイル9
によって、図1及び図2の条件で行った遮断試験では、
遮断電流の限度の平均値D3は 1.4倍となった。なお、
上記実施例においては、接点間に発生するアークによる
アーク電圧を、接点間の軸方向の磁束密度だけで変え
て、アークを接点の外周方向に移動・分散させた例で説
明したが、接点の中心部と外周部において材料を変え、
中央部と外周部における最低アーク電圧の異なる接点と
併用した請求項10に記載の発明としてもよい。
【0068】図5において、図7で示した電極と大きく
異なるところは、接点と可動側通電軸を結ぶ電路が、コ
イル状に製作された銅線で形成されていることで、他
は、図7で示した電極と同一である。
【0069】図5において、可動側通電軸6の上端に軸
部18aがろう付された補強部材18の上端には、銅材から
環状に製作されたコイル支持環5が、このコイル支持環
5の中心に形成された位置決め穴5aを補強部材18の中
央部の外周に嵌合させて載置され、補強部材18の上端に
ろう付されている。
【0070】このコイル支持環5の上面には、位置決め
穴5aの嵌合部の先端面に対して、幅の狭い環状の溝が
形成され、この溝の更に外側には、環状の座ぐり部5b
が、図示しない横断面図において60゜間隔に合計6箇所
形成されている。このうち、補強部材18の中心部の上端
面には、無酸素銅の線材からコイル状に形成された中心
コイル7が載置され、補強部材18の上端にろう付されて
いる。
【0071】また、コイル支持環5の上面に形成された
位置決め用の各座ぐり部5bにも、中心コイル7と同一
で通電コイルとなる外周部コイル3が載置され、各座
ぐり部5bにろう付されている。さらに、コイル支持環
5の位置決め穴5aの嵌合部の先端面に形成された幅の
狭い環状の溝には、薄肉のステンレス鋼管から製作され
た支持管8の下端が挿入されろう付されている。
【0072】これらの支持管8及び外周部コイル3の上
端面には、円板状の電極板2が載置されている。この電
極板2の中心部には、貫通穴2aが形成され、この貫通
穴2aの外側の下面には、支持管8の上端が嵌合する位
置決め用の幅の狭い環状の溝が同軸に形成されている。
この溝に端が挿入された支持管8の先端も、電極板2
にろう付されている。
【0073】この電極板2の内面側にも、コイル支持環
5の上面に形成された座ぐり部5bと同一外径で浅い座
ぐり部2bが、座ぐり部5bと対称的に6箇所、図示し
ない平面図では60゜間隔に形成されている。コイル支持
環5の座ぐり部5bに下端がろう付された外周部コイル
3の上端は、電極板2に形成された座ぐり部2bにそれ
ぞれろう付されている。
【0074】一方、電極板2の中心に形成された貫通穴
2aには、略凸字状で図示しない平面図では円板状のス
テンレス鋼製の座4の上端が挿入され、電極板2にろう
付されている。中心コイル7の上端は、座4の下面に当
接し、この座4にろう付されている。
【0075】接点1は、外形は、図7で示した接点1A
と同一であるが、上端面の中心部に対して、逆円錐台状
の浅い凹部1aが形成されている。この凹部1aの上端
の外周は、弧状に面取りされている。
【0076】次に、このように構成された真空バルブの
作用を説明する。図5において、図示しない固定側電極
の接点と可動側電極の図1で示す接点1の間に発生した
アーク電流の大部分は、接点1から、電極板2と支持環
5の間に挿入された各外周部コイル3を流れる。
【0077】中心コイル7に流れる電流は、この中心コ
イル7と電極板2との間に介在する座4の抵抗値によっ
て、各外周部コイル3に流れる電流値の4分の1程度と
することができる。
【0078】これらの中心コイル7と各外周部コイル3
に流れる電流によって、発生する縦磁界の磁束密度の分
布とこれらの中心コイル3及び外周部コイル3の可動側
通電軸側に接続されたコイル電極14の合成磁界は、図11
の曲線G2で示す分布となる。
【0079】なお、上記実施例において、中心コイル7
の内部と外周部コイル8の内部に対して、円筒状の磁性
管9を遊嵌してもよい。この場合には、中心コイル7と
外周部コイル8の巻数を減らすことができるので、中心
コイル7と外周部コイル8の線径を太くすることがで
き、電極の通電容量と機械的強度を増やすことができる
利点がある。
【0080】
【発明の効果】以上、請求項1に記載の発明によれば、
真空容器に貫挿され一方が進退自在の一対の通電軸と、
この通電軸の真空容器内の端部に設けられた電極部と、
少なくとも一方の電極部の背面側に一端が接続され他端
が通電軸に接続され軸方向磁界を発生するコイル電極と
を有する真空バルブにおいて、コイル電極が背面側に接
続された電極部の中心側から半径方向に向かって軸方向
磁界を増加させるとともに、この軸方向磁界の磁束密度
の極大値は電極部の半径の70%の位置よりもで電
極部の電極径における遮断電流に対して最低アーク電圧
を与える磁束密度の 1.2〜 1.6倍とし、極大値となる電
極半径位置の円周方向の軸方向磁束密度の最大値と最小
値の平均値以上の領域が全周長に対して50%以上とする
ことで、コイル電極で発生させた軸方向の磁束と通電コ
イルで発生させた軸方向の磁束を重畳させて、接点の中
心部から外周部に磁束密度を次第に高めるとともに、外
周部における磁束密度の分布を脈動させたので、電極中
央部へのアークの集中を防ぎ、遮断性能を上げることの
できる真空バルブを得ることができる。
【0081】また、請求項2に記載の発明によれば、
空容器に貫挿され一方が進退自在の一対の通電軸と、こ
の通電軸の真空容器内の端部に設けられた電極部と、少
なくとも一方の電極部の背面側に一端が接続され他端が
通電軸に接続され軸方向磁界を発生するコイル電極とを
有する真空バルブにおいて、コイル電極が背面側に接続
された電極部の中心側から半径方向に向かって軸方向磁
界を増加させるとともに、この軸方向磁界の磁束密度の
極大値は電極部の半径の70%の位置よりも外周側で電極
部の中心部における磁束密度の 1.4〜 2.4倍とし、極大
値となる電極半径位置の円周方向の軸方向磁束密度の最
大値と最小値の平均値以上の領域が全周長に対して50%
以上とすることで、コイル電極で発生させた軸方向の磁
束と通電コイルで発生させた軸方向の磁束を重畳させ
て、接点の中心部における軸方向の磁束密度を抑えてア
ーク電圧を上げ、接点の中心部から外周部に磁束密度を
次第に高めるとともに、外周部における磁束密度の分布
を脈動させたので、電極中央部へのアークの集中を防
ぎ、遮断性能を上げることのできる真空バルブを得るこ
とができる。
【0082】また、請求項3に記載の発明によれば、電
極の外周端での磁束密度を、2mT/KA以上とすること
で、コイル電極で発生させた軸方向の磁束と、通電コイ
ルで発生させた軸方向の磁束を重畳させて、接点の中心
部における磁束密度を抑え、接点の中心部から外周部に
磁束密度を次第に高めたので、電極中央部へのアークの
集中を防ぎ、遮断性能を上げることのできる真空バルブ
を得ることができる。
【0083】また、請求項4に記載の発明によれば、電
極径の遮断電流に対応するアーク電圧と軸方向磁束密度
を、アーク電圧が最低となる磁束密度の0.75〜0.90倍と
することで、コイル電極で発生させた軸方向の磁束と、
通電コイルで発生させた軸方向の磁束を重畳させて、接
点の中心部における磁束密度を抑え、接点の中心部から
外周部に磁束密度を次第に高めたので、電極中央部への
アークの集中を防ぎ、遮断性能を上げることのできる真
空バルブを得ることができる。
【0084】また、請求項5に記載の発明によれば、軸
方向磁束密度の極大値を、電極の外周に少なくとも3箇
所分布させることで、コイル電極で発生させた軸方向の
磁束と、通電コイルで発生させた軸方向の磁束を重畳さ
せて、接点の中心部から外周部に磁束密度を次第に高め
るとともに、外周部における磁束密度の分布を脈動させ
たので、電極中央部へのアークの集中を防ぎ、遮断性能
を上げることのできる真空バルブを得ることができる。
【0085】
【0086】また、請求項に記載の発明によれば、外
部と電気的に接続する一対の導電軸を介して接離可能に
一対の電極を真空容器内に設けた真空バルブにおいて、
電極の中心部の軸方向磁束密度を、所定の電極径の遮断
電流に対する最低アーク電圧よりも2〜5V高くなる範
囲の磁束密度のうちの最低の磁束密度とすることで、コ
イル電極で発生させた軸方向の磁束と、通電コイルで発
生させた軸方向の磁束を重畳させて、接点の中心部から
外周部に磁束密度を次第に高めるとともに、外周部にお
ける磁束密度の分布を3箇所以上脈動させたので、電極
中央部へのアークの集中を防ぎ、遮断性能を上げること
のできる真空バルブを得ることができる。
【0087】また、請求項に記載の発明によれば、ア
ーク電圧が最低となる磁束密度が印加される半径方向位
置を、電極半径の中心から20〜40%の範囲とすること
で、コイル電極で発生させた軸方向の磁束と、通電コイ
ルで発生させた軸方向の磁束を重畳させて、接点の中心
部から外周部に磁束密度を次第に高め、外周部のアーク
電圧を接点材料からも低下させたので、電極中央部への
アークの集中を防ぎ、遮断性能を上げることのできる真
空バルブを得ることができる。
【0088】また、請求項に記載の発明によれば、外
部と電気的に接続する一対の導電軸を介して接離可能に
一対の電極を真空容器内に設けた真空バルブにおいて、
電極の外周部に中心部より大なる軸方向磁界を発生させ
る螺旋状の複数の通電コイルを電極の外周部に配置する
ことで、コイル電極で発生させた軸方向の磁束と通電コ
イルで発生させた軸方向の磁束を重畳させて、接点の中
心部から外周部に磁束密度を次第に高めるとともに、外
周部における磁束密度の分布を脈動させ、外周部のアー
ク電圧を接点材料からも低下させたので、電極中央部へ
のアークの集中を防ぎ、遮断性能を上げることのできる
真空バルブを得ることができる。
【0089】さらに、請求項に記載の発明によれば、
外部と電気的に接続する一対の導電軸を介して接離可能
に一対の電極を真空容器内に設けた真空バルブにおい
て、電極の対向する面に対して、中心部から外周に向か
って接点材料の陰極降下電圧が減少する傾斜特性を有す
る接点を備えることで、コイル電極で発生させた軸方向
の磁束と、通電コイルで発生させた軸方向の磁束を重畳
させて、接点の中心部から外周部に磁束密度を次第に高
めるとともに、外周部における磁束密度の分布を脈動さ
せ、外周部のアーク電圧を接点材料からも低下させたの
で、電極中央部へのアークの集中を防ぎ、遮断性能を上
げることのできる真空バルブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空バルブの一実施形態を示すグラ
フ。
【図2】本発明の真空バルブの図1と異なる一実施形態
を示すグラフ。
【図3】本発明の真空バルブの作用を説明するための軸
方向の磁束密度と電極間のアーク電圧との関係を示すグ
ラフ。
【図4】本発明の真空バルブの一実施形態を示す部分拡
大図。
【図5】本発明の真空バルブの一実施形態の詳細を示す
部分拡大断面図。
【図6】本発明の真空バルブの作用を示すグラフ。
【図7】従来の真空バルブの一例を示す部分拡大縦断面
図。
【図8】従来の真空バルブの縦磁界の磁束密度の分布の
一例を示すグラフ。
【図9】従来の真空バルブの縦磁界の磁束密度の分布の
図8と異なる分布の一例を示すグラフ。
【図10】(a)は、従来の真空バルブの縦磁界電極の
磁束密度の分布の図8及び図9と異なる分布の一例を示
すグラフ。(b)は、従来の真空バルブに組み込まれた
縦磁界電極の一例を示す図。
【図11】従来の真空バルブに組み込まれた縦磁界電極
の縦断面図及びその磁束分布の一例と本発明の真空バル
ブの磁束分布を示す図。
【図12】従来の真空バルブの縦磁界電極の図8,図
9,図10(a)及び図11と異なる磁束密度分布曲線の一
例を示すグラフ。
【図13】従来の真空バルブの縦磁界電極の図8,図
9,図10(a),図11及び図12と異なる磁束密度分布曲
線の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
1…接点、2…電極板、3…外周部コイル、4…座、5
…コイル支持環、6…可動側通電軸、7…中心コイル、
8…支持管、9…励磁コイル、13…接続子、14…コイル
電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 純一 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 金子 英治 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会 社東芝 本社事務所内 (72)発明者 本間 三孝 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 染井 宏通 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 関 経世 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 草野 貴史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (56)参考文献 特開 昭60−220521(JP,A) 特開 昭61−58124(JP,A) 特公 平4−3611(JP,B2) 実公 昭49−7086(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01H 33/66

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器に貫挿され一方が進退自在の一
    対の通電軸と、この通電軸の前記真空容器内の端部に設
    けられた電極部と、少なくとも一方の前記電極部の背面
    側に一端が接続され他端が前記通電軸に接続され軸方向
    磁界を発生するコイル電極とを有する真空バルブにおい
    て、前記コイル電極が背面側に接続された電極部の中心
    側から半径方向に向かって前記軸方向磁界を増加させる
    とともに、この軸方向磁界の磁束密度の極大値は前記電
    部の半径の70%の位置よりもで前記電極部の電
    極径における遮断電流に対して最低アーク電圧を与える
    磁束密度の 1.2〜 1.6倍とし、前記極大値となる電極半
    径位置の円周方向の前記軸方向磁束密度の最大値と最小
    値の平均値以上の領域が全周長に対して50%以上とした
    ことを特徴とする真空バルブ。
  2. 【請求項2】 真空容器に貫挿され一方が進退自在の一
    対の通電軸と、この通電軸の前記真空容器内の端部に設
    けられた電極部と、少なくとも一方の前記電極部の背面
    側に一端が接続され他端が前記通電軸に接続され軸方向
    磁界を発生するコイル電極とを有する真空バルブにおい
    て、前記コイル電極が背面側に接続された電極部の中心
    側から半径方向に向かって前記軸方向磁界を増加させる
    とともに、この軸方向磁界の磁束密度の極大値は前記電
    極部の半径の70%の位置よりも外周側で前記電極部の中
    心部における磁束密度の 1.4〜 2.4倍とし、前記極大値
    となる電極半径位置の円周方向の前記軸方向磁束密度の
    最大値と最小値の平均値以上の領域が全周長に対して50
    %以上としたことを特徴とする真空バルブ。
  3. 【請求項3】 前記電極の外周端の磁束密度、2mT
    /kA以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の真空バルブ。
  4. 【請求項4】 前記電極中心の磁束密度(Bct)を前
    記電極径の遮断電流に対応するアーク電圧と前記軸方向
    磁束密度との関係から得られる前記アーク電圧が最低と
    なる磁束密度(Bcr)の0.75〜0.90倍としたことを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の真空
    バルブ。
  5. 【請求項5】 前記軸方向磁束密度の極大値を、前記電
    極の外周に少なくとも2箇所分布させたことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の真空バル
    ブ。ずれかに記載の真空バルブ。
  6. 【請求項6】 外部と電気的に接続する一対の導電軸を
    介して接離可能に一対の電極を真空容器内に設けた真空
    バルブにおいて、前記電極の中心部の軸方向磁束密度
    を、所定の電極径の遮断電流に対する最低アーク電圧よ
    りも2〜5V高くなる範囲の磁束密度のうちの最低の磁
    束密度としたことを特徴とする真空バルブ。
  7. 【請求項7】 前記アーク電圧が最低となる磁束密度が
    印加される半径方向位置を、前記電極半径の中心から20
    〜40%の範囲としたことを特徴とする請求項4乃至請求
    項5のいずれかに記載の真空バルブ。
  8. 【請求項8】 外部と電気的に接続する一対の導電軸を
    介して接離可能に一対の電極を真空容器内に設けた真空
    バルブにおいて、前記電極の中心部よりも大なる軸方向
    磁界を発生させる螺旋状の複数の通電コイルを前記電極
    の外周部に配置したことを特徴とする真空バルブ。
  9. 【請求項9】 外部と電気的に接続する一対の導電軸を
    介して接離可能に一対の電極を真空容器内に設けた真空
    バルブにおいて、前記電極の対向する面に、中心部から
    外周に向かって接点材料の陰極降下電圧が減少する傾斜
    特性を有する接点を備えたことを特徴とする請求項1乃
    至請求項8のいずれかに記載の真空バルブ。
JP23285796A 1995-09-04 1996-09-03 真空バルブ Expired - Fee Related JP2937881B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23285796A JP2937881B2 (ja) 1995-09-04 1996-09-03 真空バルブ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22643195 1995-09-04
JP7-226431 1995-09-04
JP23285796A JP2937881B2 (ja) 1995-09-04 1996-09-03 真空バルブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09134650A JPH09134650A (ja) 1997-05-20
JP2937881B2 true JP2937881B2 (ja) 1999-08-23

Family

ID=26527164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23285796A Expired - Fee Related JP2937881B2 (ja) 1995-09-04 1996-09-03 真空バルブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2937881B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5885137A (en) * 1997-06-27 1999-03-23 Siemens Aktiengesellschaft Chemical mechanical polishing pad conditioner
JP4707974B2 (ja) * 2004-06-30 2011-06-22 三菱電機株式会社 真空バルブ
JP5404317B2 (ja) * 2009-10-29 2014-01-29 株式会社東芝 真空バルブ
WO2011104751A1 (ja) * 2010-02-24 2011-09-01 三菱電機株式会社 真空バルブ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09134650A (ja) 1997-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5438174A (en) Vacuum interrupter with a radial magnetic field
US7173208B2 (en) Vacuum interrupter
US4588879A (en) Vacuum interrupter
US5793008A (en) Vacuum interrupter with arc diffusing contact design
WO1997009729A1 (fr) Soupape a vide
EP0849751B1 (en) Improved axial magnetic field coil for vacuum interrupter
JPH03222221A (ja) 改良された軸方向磁場遮断器
JPH0230132B2 (ja)
JP2937881B2 (ja) 真空バルブ
EP1294003B1 (en) Contact arrangement for vacuum interrupter and vacuum interrupter using the contact arrangement
JPS6171520A (ja) 真空開閉器具の接触子装置
JP3243162B2 (ja) 真空バルブ
JP2895449B2 (ja) 真空バルブ
JP3146158B2 (ja) 真空バルブ
JP3231595B2 (ja) 真空バルブ
JP3219483B2 (ja) 真空バルブ
JPH09115397A (ja) 真空バルブ
JPH09231882A (ja) 真空バルブ
JPH06150784A (ja) 真空バルブ
JPS6336916Y2 (ja)
JPS6318292B2 (ja)
JPS6347219B2 (ja)
JP2839570B2 (ja) 真空バルブ
JPS5849975B2 (ja) 真空しや断器
JPS6336917Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090611

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090611

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100611

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees