JP2936911B2 - 車両用油圧制御ユニット - Google Patents

車両用油圧制御ユニット

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JP2936911B2
JP2936911B2 JP4251794A JP25179492A JP2936911B2 JP 2936911 B2 JP2936911 B2 JP 2936911B2 JP 4251794 A JP4251794 A JP 4251794A JP 25179492 A JP25179492 A JP 25179492A JP 2936911 B2 JP2936911 B2 JP 2936911B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧式多板摩擦クラッ
チへ供給される制御圧によるクラッチ締結力の大きさに
応じて前後輪のトルク配分をきめ細かく制御する前後輪
駆動トルク配分制御システムなどに適用される車両用油
圧制御ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用油圧制御ユニットに用いら
れる比例電磁減圧弁としては、例えば、図7に記載のも
のが一般に知られている。
【0003】この比例電磁減圧弁は、スプールとソレノ
イドを有し、ソレノイド電流値に比例して発生するソレ
ノイド力を供給圧ポートと制御圧ポートを連通する方向
にスプールに対して加えることで、オイルポンプからの
供給圧をソレノイド電流値に応じた制御圧とするもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の比例電磁減圧弁にあっては、システムフェイル時に
ソレノイドへの電流値を零にすると、スプールに対する
ソレノイド力がなくなりリターンスプリングによるスプ
リング力でスプールは制御圧ポートとドレーンポートを
連通する位置に固定されるため、この比例電磁減圧弁を
用いた油圧制御ユニットが適用される制御システムが、
フェイル時にある一定の制御圧をかけたままにしておき
たいという要求がある場合、その要求に応えることがで
きない。
【0005】そこで、本出願人は、特願平4−1264
08号(平成4年5月19日出願)の明細書および図面
において、従来の比例電磁減圧弁にフェイルセーフソレ
ノイドとフェイルセーフスプリングを付加し、センサ故
障や断線等の原因にかかわらず全てのフェイル時には、
フェイルセーフスプリングによるスプリング力をスプー
ルに加え、一定圧によるフェイルセーフ圧を得るフエイ
ルセーフ機能付比例電磁減圧弁を提案した。
【0006】しかし、このフエイルセーフ機能付比例電
磁減圧弁を用いても下記に述べるような問題がある。
【0007】(1) フェイルセーフスプリング力による圧
力発生としているため、油圧制御精度が悪く、フェイル
時の駆動トルク配分性能が温度条件などに左右されやす
い。
【0008】例えば、低油温時、スプールがステックな
どで動きが悪くなるため、図8に示すように、油圧が安
定せず、100sec〜200secの間隔で圧力が変動し、フェイ
ルセーフ圧より低圧時には4輪駆動性能不足となるおそ
れがあるし、フェイルセーフ圧より高圧時にはタイトコ
ーナブレーキやABS性能への影響が出るなどのおそれ
がある。
【0009】(2) フェイル時にオイルポンプを駆動する
モータを止めてしまうと、スプールからの油のリークに
よりフェイルセーフ圧の保持時間が短くなる。
【0010】つまり、図9に示すように、フェイル発生
の直後はフェイルセーフ圧が出ているが、それからの時
間経過にしたがって油のリークを原因として徐々に油圧
が低下することになり、フェイルセーフ圧をかけておく
目的が達成されない。
【0011】一方、フェイル時にある一定の制御圧をか
けたままにしておきたいという要求とは、例えば、前後
輪駆動トルク配分制御システムの場合、フェイル時、油
圧式多板摩擦クラッチを解放し、前輪への駆動トルク配
分を零とした場合、普通の後輪駆動車となり駆動トルク
配分制御システムの搭載意義が全く無くなるのに対し、
タイトコーナブレーキを発生しない程度に油圧式多板摩
擦クラッチを締結し、前輪へ駆動トルクを配分した場
合、トラクション性能の向上やスタック脱出性が得られ
ることになり、フェイル時に四輪駆動車としての効果と
タイトコーナブレーキ防止の双方を達成することが可能
となり、フェイル時にある一定の制御圧をかけたままに
しておきたいという要求がある。
【0012】本発明は、上記のような要求と問題に着目
してなされたもので、駆動制御されるオイルポンプモー
タと比例電磁減圧弁を有する車両用油圧制御ユニットに
おいて、システムフェイル時であっても比例電磁減圧弁
の弁作動制御系が正常である時には高い制御精度により
油圧変動を抑えた一定のフェイルセーフ圧を得ることを
第1の課題とする。
【0013】上記第1の課題に加え、システムフェイル
時であってもオイルポンプモータのモータ制御系が正常
である時にはフェイルセーフ圧低下の防止を図ることを
第2の課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るため請求項1記載の車両用油圧制御ユニットでは、シ
ステムフェイル判断時であるにもかかわらず、弁作動制
御系フェイル判断手段により弁作動制御系が正常である
と判断された時、駆動電流印加手段に対し一定の制御圧
を保持する制御指令を出力する一定圧保持制御手段を設
け、比例電磁減圧弁のソレノイドに対しディザー付電流
を印加することで一定の制御圧を得る手段とした。
【0015】すなわち、図1のクレーム対応図に示すよ
うに、システムフェイル時に最高圧や零圧ではなくある
一定の制御圧をかけたままにしておきたいという要求が
ある車載制御システムに適用される車両用油圧制御ユニ
ットにおいて、電動モータaにより駆動されるオイルポ
ンプbと、スプールcおよびソレノイドdを有し、前記
オイルポンプbからの入力圧をソレノイド電流値に応じ
た制御圧とする比例電磁減圧弁eと、前記ソレノイドd
に対しディザー付電流を付加する駆動電流印加手段f
と、この油圧制御システムが適用される制御システムの
フェイルを判断するシステムフェイル判断手段gと、前
記ソレノイドdの電流制御が可能かどうかを判断する弁
作動制御系フェイル判断手段hと、前記システムフェイ
ル判断手段gによるフェイル判断時であるにもかかわら
ず、前記弁作動制御系フェイル判断手段hにより弁作動
制御系が正常であると判断された時、前記駆動電流印加
手段fに対し要求される一定の制御圧を保持する制御指
令を出力する一定圧保持制御手段iとを備えていること
を特徴とする。
【0016】上記第2の課題を解決するため請求項2記
載の車両用油圧制御ユニットでは、システムフェイル判
断時であるにもかかわらず、モータ制御系フェイル判断
手段によりモータ制御系が正常であると判断された時、
モータ駆動制御手段に対しモータ駆動制御を続行する指
令を出力するモータ制御続行手段を設けた。
【0017】すなわち、図1のクレーム対応図に示すよ
うに、請求項1記載の車両用油圧制御ユニットにおい
て、前記電動モータaに対しポンプ吐出圧の監視により
モータ駆動電流を制御するモータ駆動制御手段jと、前
記電動モータaのモータ制御が可能かどうか判断するモ
ータ制御系フェイル判断手段kと、前記システムフェイ
ル判断手段gによるフェイル判断時であるにもかかわら
ず、前記モータ制御系フェイル判断手段kによりモータ
制御系が正常であると判断された時、前記モータ駆動制
御手段jに対しモータ駆動制御を続行する指令を出力す
るモータ制御続行手段mとを備えていることを特徴とす
る。
【0018】
【作用】請求項1記載の発明の作用を説明する。
【0019】システムフェイル判断手段gにおいて、こ
の油圧制御ユニットが適用される制御システムのフェイ
ルが判断されると、弁作動制御系フェイル判断手段hに
おいて、比例電磁減圧弁eのソレノイドdの電流制御が
可能かどうかが判断される。そして、一定圧保持制御手
段iにおいて、システムフェイル判断手段gによるフェ
イル判断時であるにもかかわらず、弁作動制御系フェイ
ル判断手段hにより弁作動制御系が正常であると判断さ
れた時、ソレノイドdに対しディザー付電流を印加する
駆動電流印加手段fに対し一定の制御圧を保持する制御
指令が出力される。
【0020】したがって、システムフェイル時であって
も弁作動制御系が正常である時には、比例電磁減圧弁e
のソレノイドdに対しディザー付電流を印加することで
ることになり、温度条件が変わってもスプールcの円滑
な動作が確保され、安定した高い制御精度により一定の
制御圧が得られる。
【0021】請求項2記載の発明の作用を説明する。
【0022】システムフェイル判断手段gにおいて、こ
の油圧制御ユニットが適用される制御システムのフェイ
ルが判断されると、モータ制御系フェイル判断手段kに
おいて、電動モータaのモータ制御が可能かどうかが判
断される。
【0023】そして、モータ制御続行手段mにおいて、
システムフェイル判断手段gによるフェイル判断時であ
るにもかかわらず、モータ制御系フェイル判断手段kに
よりモータ制御系が正常であると判断された時、電動モ
ータaに対しポンプ吐出圧の監視によりモータ駆動電流
を制御するモータ駆動制御手段jに対しモータ駆動制御
を続行する指令が出力される。
【0024】したがって、システムフェイル時であって
もモータ制御系が正常である時には、モータ駆動制御が
続行されることになり、比例電磁減圧弁eのスプールc
からの油のリークがあってもその分の油量の補給がなさ
れ、フェイル時に与える一定の制御圧の時間経過に伴う
圧力低下が防止される。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0026】まず、構成を説明する。
【0027】図2は本発明実施例の車両用油圧制御ユニ
ットが適用された後輪駆動ベースの前後輪駆動トルク配
分制御システム図である。
【0028】図2において、1はエンジン、2はトラン
スミッション、3はリアプロペラシャフト、4はリアデ
ィファレンシャル、5,6はリアドライブシャフト、
7,8は後輪、9はトランスファ、10はフロントプロ
ペラシャフト、11はフロントディファレンシャル、1
2,13はフロントドライブシャフト、14,15は前
輪である。
【0029】前記トランスファ9には、その締結力の大
きさにより前輪14,15への駆動トルク配分が決まる
湿式多板クラッチ16が内蔵されている。
【0030】前記湿式多板クラッチ16は、ETSコン
トロールユニット17からの制御電流により油圧ユニッ
ト18で作り出される制御圧により締結力が制御される
もので、ETSコントロールユニット17には、右前輪
回転センサ19,左前輪回転センサ20,右後輪回転セ
ンサ21,左後輪回転センサ22,横加速度センサ23
などからのセンサ情報が入力される。
【0031】制御則は、旋回加速時のアクセルコントロ
ール性と限界予知性を高めるために、基本的に前後輪回
転速度差の発生に応じて前輪側への駆動トルク配分を増
し、旋回や路面摩擦係数の変化にかかわらず最適制御を
確保するために、その制御ゲインを横加速が大きいほど
小さくしている。
【0032】図3は実施例の油圧ユニット18を示す図
である。
【0033】図3において、油圧ユニット18は、電動
モータ24,オイルポンプ25,アキュムレータ26,
フェイルセーフ機能付比例電磁減圧弁27,圧力スイッ
チ28,リリーフ弁29,チェック弁30,エアブリー
ダ31を有して構成され、外部に設けられたリザーバタ
ンク32は、前記エアブリーダ31とサクション配管3
3により連通し、前記比例電磁減圧弁27とリターン配
管34により連通している。前記フェイルセーフ機能付
比例電磁減圧弁27と湿式多板クラッチ16のピストン
油室とは、制御圧配管35により連通している。
【0034】前記電動モータ24は、圧力スイッチ28
からのスイッチ信号に基づいてETSコントロールユニ
ット17からの指令によりON−OFF制御される。
【0035】図4は実施例の油圧ユニット18に用いら
れたフエイルセーフ機能付比例電磁減圧弁27を示す断
面図である。
【0036】図4において、36はスプール、37はハ
ウジング、38はフィードバック油路、39は制御圧ポ
ート、40は供給圧ポート、41はドレーンポート、4
2はプレート、43は制御ソレノイドコイル、44は制
御プランジャ、45はケース、46はフェイルセーフソ
レノイドコイル、47はフェイルセーフプランジャ、4
8はフェイルセーフスプリング、49はリターンスプリ
ングである。
【0037】前記制御ソレノイドコイル43は、システ
ム正常時にETSコントロールユニット17からの制御
電流i1 によりアキュムレータ圧を減圧して制御圧とす
る。
【0038】前記フェイルセーフソレノイドコイル46
は、所定の正常時にETSコントロールユニット17か
らの一定の制御電流i2 によりフェイルセーフスプリン
グ48のスプリング力がスプール36に作用するのを阻
止し、所定のフェイル時に零電流によりフェイルセーフ
スプリング48のスプリング力をスプール36に作用さ
せるようにしている。なお、詳しくは、特願平4−12
6408号(平成4年5月19日出願)の明細書および
図面を参照のこと。
【0039】図5は実施例の車両用油圧制御ユニットの
フェイルセーフ制御系ブロック図である。
【0040】図5において、50は各種センサ信号、5
1は圧力スイッチモニター、52はハーネス断線検知モ
ニター、53はモータ回転モニター、54はバルブリレ
ー、55はモータリレー、56はバッテリである。
【0041】次に、作用を説明する。
【0042】(フェイルセーフ処理作動)図6はETS
コントロールユニット17で行なわれるフェイルセーフ
処理作動の流れを示すフローチャートで、以下、各ステ
ップについて説明する。
【0043】ステップ60では、システムフェイル時か
どうかが判断される(システムフェイル判断手段に相
当)。この判断は、例えば、ETSコントロールユニッ
ト17のシステムフェイル判断回路17aにおいて、5
0〜53等に記述する各事項をモニターすることで行な
われる。
【0044】ステップ61では、バルブ制御系が制御可
能かどうかが判断される(弁作動制御系フェイル判断手
段に相当)。この判断は、例えば、バルブリレー54,
制御ソレノイドコイル43,フェイルセーフソレノイド
コイル46への通電チェックを行ない、異常なく通電可
能かどうかにより判断される。
【0045】ステップ62は、ステップ61でYESと
判断された時に進むステップで、バルブリレー54をO
Nにしたまま、制御ソレノイドコイル43へディザー付
電流駆動回路17b(駆動電流印加手段に相当)からデ
ィザー付制御電流i1Cを印加することで一定圧(例え
ば、タイトコーナブレーキを発生せず、スタック性能を
ある程度出せる伝達トルク5kg・m相当)を保持する制御
が行なわれる(一定圧保持制御手段に相当)。
【0046】ステップ63は、ステップ61でNOと判
断された時に進むステップで、バルブリレー54をOF
Fとする制御が行なわれる。
【0047】ステップ64では、モータ制御系が制御可
能かどうかが判断される(モータ制御系フェイル判断手
段に相当)。この判断は、例えば、圧力スイッチモニタ
ー51でスイッチ作動をみたりモータ回転モニター53
で回転状態をみたり、モータリレー55への通電チェッ
クなどで行なわれる。
【0048】ステップ65は、ステップ64でYESと
判断された時に進むステップで、モータリレー55をO
Nにしたまま、モータ駆動回路17c(モータ駆動制御
手段に相当)により圧力スイッチ28に応動してON/
OFF制御する通常のモータ制御が続行される(モータ
制御続行手段に相当)。
【0049】ステップ66は、ステップ65でNOと判
断された時に進むステップで、モータリレー55をOF
Fとする制御が行なわれる。
【0050】(バルブ制御系およびモータ制御系のフェ
イル時)ハーネス断線などのフェイル原因により、バル
ブ制御系およびモータ制御系のフェイル時には、図6に
おいて、ステップ60→ステップ61→ステップ63→
ステップ64→ステップ66へと進む流れとなり、ステ
ップ63でのバルブリレー54をOFFにすることで両
ソレノイドコイル43,46への電流が断たれ、ステッ
プ66でモータリレー66をOFFにすることで電動モ
ータ24の回転制御が中止される。
【0051】したがって、フェイルセーフ機能付比例電
磁減圧弁27のスプール36には、フェイルセーフスプ
リング48によるが作用し、このスプリング力で一定圧
のフェイルセーフ圧に制御される。
【0052】なお、このスプリング力によるフェイルセ
ーフ圧は、油温が高温時にはある程度の精度が保たれる
が、従来技術で述べたように油温に影響されて変動する
ことがあるし、また、時間経過に伴って、スプール36
からのリークにより圧力が低下するので、これらの影響
を見込んで、例えば、ソレノイド制御によるフェイルセ
ーフ圧である5kg/cm2相当よりも少し高圧に設定され
る。
【0053】(バルブ制御系およびモータ制御系の正常
時)センサ異常などのフェイル原因によりシステムフェ
イルではあるが、バルブ制御系およびモータ制御系の正
常時には、図6において、ステップ60→ステップ61
→ステップ62→ステップ64→ステップ65へと進む
流れとなり、ステップ62では、制御ソレノイドコイル
43へディザー付制御電流i1Cを印加することでフェイ
ルセーフ圧を保持する制御が行なわれる。また、ステッ
プ65では、圧力スイッチ28に応動してON/OFF
制御する通常のモータ制御が続行される。
【0054】したがって、フェイルセーフ機能付比例電
磁減圧弁27のスプール36には、ディザー付制御電流
1Cに応じたソレノイド力が作用し、このソレノイド力
で、油温影響などを受けることなく安定した高い油圧制
御精度により一定圧のフェイルセーフ圧に制御される。
加えて、通常のモータ制御が続行されることで、時間経
過に伴ってスプール36からリークがあっても圧力が低
下することはなく、長時間この一定のフェイルセーフ圧
が維持される。
【0055】(バルブ制御系正常時でモータ制御系フェ
イル時)バルブ制御系は正常であるが、バルブリレー5
4,制御ソレノイドコイル43,フェイルセーフソレノ
イドコイル46などへの通電不良によりバルブ制御系フ
ェイル時には、図6において、ステップ60→ステップ
61→ステップ63→ステップ64→ステップ65へと
進む流れとなり、ステップ63では、制御ソレノイドコ
イル43へディザー付制御電流i1Cを印加することでフ
ェイルセーフ圧を保持する制御が行なわれる。また、ス
テップ66では、圧力スイッチ28に応動してON/O
FF制御する通常のモータ制御が中止される。
【0056】したがって、フェイルセーフ機能付比例電
磁減圧弁27のスプール36には、ディザー付制御電流
1Cに応じたソレノイド力が作用し、このソレノイド力
で、油温影響などを受けることなく安定した高い油圧制
御精度により一定圧のフェイルセーフ圧に制御される。
しかし、通常のモータ制御が中止されることで、時間経
過に伴ってスプール36からリークがあった場合、この
フェイルセーフ圧が徐々に低下することになる。
【0057】(バルブ制御系フェイル時でモータ制御系
正常時)モータ制御系は正常であるが、圧力スイッチ2
8や電動モータ24のフェイル時などでモータ制御系フ
ェイル時には、図6において、ステップ60→ステップ
61→ステップ63→ステップ64→ステップ65へと
進む流れとなり、ステップ62では、バルブリレー54
をOFFにすることで両ソレノイドコイル43,46へ
の電流が断たれ、ステップ65では、圧力スイッチ28
に応動してON/OFF制御する通常のモータ制御が続
行される。
【0058】したがって、フェイルセーフ機能付比例電
磁減圧弁27のスプール36には、フェイルセーフスプ
リング48によるが作用し、このスプリング力で一定圧
のフェイルセーフ圧に制御される。しかし、通常のモー
タ制御が続行されることで、時間経過に伴ってスプール
36からリークがあった場合でも、このフェイルセーフ
圧の低下が防止され、高油温時などにおいては、安定し
たフェイルセーフ圧を得ることができる。
【0059】次に、効果を説明する。
【0060】(1)システムフェイル判断時であるにも
かかわらず、バルブ制御系が正常であると判断された
時、制御ソレノイドコイル43へディザー付制御電流i
1Cを印加することでフェイルセーフ圧を保持する制御を
行なう装置としたため、システムフェイル時であっても
フェイルセーフ機能付比例電磁減圧弁27のバルブ制御
系が正常である時には高い制御精度により油圧変動を抑
えた一定のフェイルセーフ圧を得ることができる。
【0061】(2)システムフェイル判断時であるにも
かかわらず、モータ制御系が正常であると判断された
時、圧力スイッチ28に応動してON/OFF制御する
通常のモータ制御を続行する装置としたため、システム
フェイル時であってもオイルポンプ25を駆動する電動
モータ24のモータ制御系が正常である時にはスプール
35からの油のリークによるフェイルセーフ圧低下の防
止を図ることができる。
【0062】(3)センサ異常などのフェイル原因によ
りシステムフェイルではあるが、バルブ制御系およびモ
ータ制御系の正常時には、制御ソレノイドコイル43へ
ディザー付制御電流i1Cを印加することでフェイルセー
フ圧を保持するとともに、圧力スイッチ28に応動して
ON/OFF制御する通常のモータ制御を続行する装置
としたため、フェイルセーフ機能付比例電磁減圧弁27
のフェイルセーフスプリング48を用いてのフェイルセ
ーフ頻度が減少し、実用性が向上する。
【0063】(4)比例電磁減圧弁としてフェイルセー
フスプリング48を有するフェイルセーフ機能付比例電
磁減圧弁27を用いたため、例えバルブ制御系およびモ
ータ制御系がフェイル時であってもスプリング力により
フェイルセーフ圧を得ることができる。
【0064】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0065】例えば、実施例では、前後輪駆動トルク配
分制御システムへの適用例を示したが、油圧アクティブ
サスペンション制御システムなどの用にシステムフェイ
ル時に一定の圧力保持が要求されるような他の制御シス
テムにも適用することができる。
【0066】実施例では、フェイルセーフ機能付比例電
磁減圧弁を用いた例を示したが、従来技術で説明したよ
うな比例電磁減圧弁を用いた車両用油圧制御ユニットに
も適用することができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、システムフェイル時に最高圧や零圧ではなくある一
定の制御圧をかけたままにしておきたいという要求があ
る車載制御システムに適用される車両用油圧制御ユニッ
トにおいて、システムフェイル判断時であるにもかかわ
らず、弁作動制御系フェイル判断手段により弁作動制御
系が正常であると判断された時、駆動電流印加手段に対
要求される一定の制御圧を保持する制御指令を出力す
る一定圧保持制御手段を設け、比例電磁減圧弁のソレノ
イドに対しディザー付電流を印加することで一定の制御
圧を得る手段としたため、システムフェイル時であって
も比例電磁減圧弁の弁作動制御系が正常である時には高
い制御精度により油圧変動を抑えた要求される一定のフ
ェイルセーフ圧を得ることができるという効果が得られ
る。
【0068】請求項2記載の本発明にあっては、請求項
1記載の車両用油圧制御ユニットにおいて、システムフ
ェイル判断時であるにもかかわらず、モータ制御系フェ
イル判断手段によりモータ制御系が正常であると判断さ
れた時、モータ駆動制御手段に対しモータ駆動制御を続
行する指令を出力するモータ制御続行手段を設けたた
め、上記効果に加え、システムフェイル時であってもオ
イルポンプモータのモータ制御系が正常である時にはフ
ェイルセーフ圧低下の防止を図ることができるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用油圧制御ユニットを示すクレー
ム対応図である。
【図2】本発明実施例の車両用油圧制御ユニットが適用
された後輪駆動ベースの前後輪駆動トルク配分制御シス
テム図である。
【図3】実施例の油圧ユニットを示す図である。
【図4】実施例の油圧ユニットに用いられたフエイルセ
ーフ機能付比例電磁減圧弁を示す断面図である。
【図5】実施例の車両用油圧制御ユニットのフェイルセ
ーフ制御系ブロック図である。
【図6】ETSコントロールユニットで行なわれるフェ
イルセーフ処理作動の流れを示すフローチャートであ
る。
【図7】従来の車両用油圧制御ユニットに用いられた比
例電磁減圧弁を示す断面図である。
【図8】従来の比例電磁減圧弁での低油温時におけるフ
ェイルセーフ圧特性図である。
【図9】従来の比例電磁減圧弁でのスプールからの油の
リークによるフェイルセーフ圧特性図である。
【符号の説明】
a 電動モータ b オイルポンプ c スプール d ソレノイド e 比例電磁減圧弁 f 駆動電流印加手段 g システムフェイル判断手段 h 弁作動制御系フェイル判断手段 i 一定圧保持制御手段 j モータ駆動制御手段 k モータ制御系フェイル判断手段 m モータ制御続行手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 システムフェイル時に最高圧や零圧では
    なくある一定の制御圧をかけたままにしておきたいとい
    う要求がある車載制御システムに適用される車両用油圧
    制御ユニットにおいて、 電動モータにより駆動されるオイルポンプと、 スプールおよびソレノイドを有し、前記オイルポンプか
    らの入力圧をソレノイド電流値に応じた制御圧とする比
    例電磁減圧弁と、 前記ソレノイドに対しディザー付電流を付加する駆動電
    流印加手段と、 この油圧制御システムが適用される制御システムのフェ
    イルを判断するシステムフェイル判断手段と、 前記ソレノイドの電流制御が可能かどうかを判断する弁
    作動制御系フェイル判断手段と、 前記システムフェイル判断手段によるフェイル判断時で
    あるにもかかわらず、前記弁作動制御系フェイル判断手
    段により弁作動制御系が正常であると判断された時、前
    記駆動電流印加手段に対し要求される一定の制御圧を保
    持する制御指令を出力する一定圧保持制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両用油圧制御ユニッ
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用油圧制御ユニット
    において、 前記電動モータに対しポンプ吐出圧の監視によりモータ
    駆動電流を制御するモータ駆動制御手段と、 前記電動モータのモータ制御が可能かどうか判断するモ
    ータ制御系フェイル判断手段と、 前記システムフェイル判断手段によるフェイル判断時で
    あるにもかかわらず、前記モータ制御系フェイル判断手
    段によりモータ制御系が正常であると判断された時、前
    記モータ駆動制御手段に対しモータ駆動制御を続行する
    指令を出力するモータ制御続行手段と、 を備えていることを特徴とする車両用油圧制御ユニッ
    ト。
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