JP2935988B1 - ラッチ受具 - Google Patents

ラッチ受具

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JP2935988B1
JP2935988B1 JP2765898A JP2765898A JP2935988B1 JP 2935988 B1 JP2935988 B1 JP 2935988B1 JP 2765898 A JP2765898 A JP 2765898A JP 2765898 A JP2765898 A JP 2765898A JP 2935988 B1 JP2935988 B1 JP 2935988B1
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Abstract

【要約】 【課題】 いずれのサイズのラッチを有する錠に対して
も、そのラッチの大きさに応じたラッチ受孔を構成し、
閉鎖時の扉のガタつきを防止すること。 【解決手段】 固定筺体1と,表面側にラッチ貫通孔2
aを形成したカバープレート2とからなる固定ケースA
と、平行に対向するラックギア部8aと一部ラックギア
部8bと,該一部ラックギア部8bの底面箇所形成した
空隙部8cとからなり,前記固定筺体1の底面に傾斜し
て設ける傾斜ギア溝部8と、縦長孔4を底部3aに形成
するとともに前記ラッチ貫通孔2aと連通するラッチ挿
入開口3sを有し,前記固定筺体1内にて横方向にスラ
イド自在とした可動筺体Dと、前記ラックギア部8aと
一部ラックギア部8bに歯合可能なピニオンギア部9と
該ピニオンギア部9に一体的に形成したドライバー孔付
き頭部10とからなり,該ドライバー孔付き頭部10が
前記縦長孔4より突出するように弾発的に付勢し且つ引
き込み自在とした調整部材Cとからなること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いずれのサイズの
ラッチを有する錠に対しても、そのラッチの大きさに応
じたラッチ受孔を構成し、閉鎖時の扉のガタつきを防止
することができるラッチ受具に関する。
【0002】
【従来の技術】錠装置は、ラッチ側とラッチ孔側とが一
組となって構成される。そして、扉の閉鎖時はラッチが
そのラッチ孔に入ることで、閉じた状態を維持する。そ
のラッチ孔は、ラッチの太さ等の種々のサイズを考慮し
て、ラッチが入りやすい大きさとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、扉は、いか
なる場所にも設けられるが、その周囲の環境等によって
すきま風等の風が入り込むこともありうる。このような
ときには、風圧が変化すること等により扉が振動してガ
タつき、そのためにガタツキ音が生じることがある。こ
れは、主にラッチ孔が大きすぎることが原因となるもの
であるが、前述したように、ラッチが入りやすくなるよ
うにするために、ラッチ孔は、一般には大きめのサイズ
としている。
【0004】しかし、風等が吹き込みやすい場所では、
扉の振動から生じるガタツキ音を無くしたいために、そ
のラッチ孔を小さく加工すること等は、一般的には不可
能であり、また困難である。また、扉のガタツキを防止
するために、最初から比較的,小さいラッチ孔を有する
ラッチ受を使用すると、ラッチが入りにくくなるおそれ
があり、また、扉に多少のガタツキが許容される場所で
は、そのようなラッチ孔の小さなタイプはかえって不向
きである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者は、上記
課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、本発明
を、固定筺体と,表面側にラッチ貫通孔を形成したカバ
ープレートとからなる固定ケースと、平行に対向する全
高ラックギア部と半高ラックギア部とからなる傾斜ギア
溝部を有し、且つ前記半高ラックギア部の底面箇所に空
隙部を形成し,前記固定筺体の底面箇所に固定する固定
ギア部材と、縦長孔を底部に形成するとともに前記ラッ
チ貫通孔と連通するラッチ挿入開口を有し,前記固定筺
体内の前記固定ギア部材に対して横方向にスライド自在
とした可動筺体と、前記全高ラックギア部と半高ラック
ギア部とに又は全高ラックギア部のみに歯合可能なピニ
オンギア部と該ピニオンギア部に一体的に形成したドラ
イバー孔付き頭部とからなり,該ドライバー孔付き頭部
が前記可動筺体の縦長孔より突出するように弾発的に付
勢し,且つ引き込み自在とした調整部材とからなるラッ
チ受具としたことにより、ラッチ孔の開口幅寸法を微調
整することができ、扉の振動により生じるガタツキ音を
防止することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。まず、本発明の構成は、主に、固定
ケースA,固定ギア部材B,可動筺体D及び調整部材C
とから構成されている〔図1(A)参照〕。固定ケース
Aは、固定筺体1とカバープレート2とから構成されて
いる。その固定筺体1は、直方体状(略直方体状も含
む)をなし、開口を有している。
【0007】また、上下両箇所にはフランジ片1a,1
aが形成され、該フランジ片1a,1aを介してカバー
プレート2と連結する。その固定筺体1は、金属薄板か
らプレス加工等により形成される。該カバープレート2
には、ラッチ貫通孔2aが形成されている。該ラッチ貫
通孔2aは、長方形状に形成されており、扉のラッチ頭
部16が貫通する。そのカバープレート2と前記フラン
ジ片1a,1aとがカシメ構造にて連結される〔図1
(B)参照〕。
【0008】次に、可動筺体Dは、前記固定ケースAの
固定筺体1とカバープレート2により収納され、その固
定筺体1内で横方向に摺動自在となっている。その筺体
部3は、直方体状をなしており、錠装置側のラッチ頭部
16が挿入するラッチ挿入開口3sを有している。該ラ
ッチ挿入開口3sは、前記カバープレート2のラッチ貫
通孔2aと略同等形状である〔図1(A)参照〕。
【0009】その筺体部3の底部3aには、縦方向に長
孔となる縦長孔4が形成されている〔図1(A)及び図
2(A)参照〕。また、その底部3aには、横方向に凸
状部3a1 が形成され、その底部3aの裏面側が偏平状
に凹む形状となっている。その筺体部3のラッチ挿入開
口3s箇所で、その横方向端縁より縦方向に連続する突
出板片5が形成されている〔図1(A)参照〕。
【0010】次に、傾斜ギア溝部8を備えた固定ギア部
材Bは、略長方形の板片形状としたベース7をなしてお
り、該ベース7が前記固定筺体1の底部に移動不能に装
着される〔図1(A)参照〕。
【0011】その傾斜ギア溝部8は、長方形等の方形状
平面としたベース7に対して、傾斜して形成されている
〔図3(A)参照〕。その傾斜ギア溝部8の傾斜角度
は、具体的には、略45°程度が好適である。傾斜ギア
溝部8は、側面の全高さがラックとなった全高ラックギ
ア部8aと、側面の上側半分の高さがラックとなった半
高ラックギア部8bとが平行に対向しており、半高ラッ
クギア部8bはその溝の表面(上側)側縁に形成された
もので、より奥側(下側)にはラックギアが形成されて
いない空隙部8cが存在している。
【0012】図3(B)は、図3(A)のX3 −X3
視断面図であり、傾斜ギア溝部8の深さ方向において全
高ラックギア部8aは全高さ面がラックギア成形面とな
っており、反対側の半高ラックギア部8bはその奥に空
隙部8cが形成されていることが示されている。図3
(C)は、図3(B)のX4 −X4 矢視断面図であり、
固定ギア部材Bの深さ方向において略中間位置から平面
的に見たものであり、その断面位置で傾斜ギア溝部8は
全高ラックギア部8aと空隙部8cとが平行に対向して
いることが示されている。
【0013】図3(D)は、図3(B)のX5 −X5
視断面図で傾斜ギア溝部8を長手方向に見たもので、表
面側に半高ラックギア部8bが形成され、奥側に空隙部
8cが形成されていることを示している。また、図3
(E)は、図3(B)のX6 −X6 矢視断面図で同様に
傾斜ギア溝部8を長手方向に見たもので、その深さ方向
において全面が全高ラックギア部8aの成形面であるこ
とを示している。図4(A)は、固定ギア部材Bを裏面
側から見たもので、全高ラックギア部8aと空隙部8c
とが平行に対向している状態が示されている。
【0014】固定ギア部材Bを固定筺体1に装着するに
は、固定ギア部材Bのベース7の裏面側には突起7a,
7aが形成され、前記固定筺体1の底面にも、その突起
7a,7aが挿入する孔部が形成されている〔図4
(A),(B)参照〕。そして、固定ギア部材Bの突起
7a,7aが固定筺体1の孔部に挿入してベース7が固
定筺体1に適正位置となるようにして固定される〔図2
(C)参照〕。
【0015】そして、固定筺体1に固定ギア部材Bを装
着した状態で、傾斜ギア溝部8の全高ラックギア部8a
と半高ラックギア部8bとがカバープレート2に対向
し、空隙部8c側は固定筺体1の底側に面している〔図
1(A)及び図2(B),(C)参照〕。即ち、固定ギ
ア部材Bは、固定ケースAの固定筺体1と,可動筺体D
との間に配置されることとなり、可動筺体Dの底部3a
に横方向に形成した凸状部3a1 の裏面側に、固定ギア
部材Bが納まる状態となる〔図1(A),図2(B)参
照〕。
【0016】次に、調整部材Cは、ピニオンギア部9
と,該ピニオンギア部9より小径としドライバー孔付き
頭部10とから構成されている。ピニオンギア部9とド
ライバー孔付き頭部10とは同軸芯上に揃えて一体的に
形成されたものである〔図1(A)参照〕。そのピニオ
ンギア部9は、前記傾斜ギア溝部8の全高ラックギア部
8aと半高ラックギア部8bと噛合う歯を有する。
【0017】その調整部材Cのピニオンギア部9が傾斜
ギア溝部8と噛み合うようにし、ドライバー孔付き頭部
10は、前記可動筺体Dの縦長孔4より突出するように
配置され、且つピニオンギア部9と固定筺体1の底面と
の間にコイルスプリングとした弾発部材11が設けられ
る〔図1(A)及び図2(B),(C)参照〕。
【0018】その調整部材Cは、ピニオンギア部9が弾
発部材11により表面側(即ち、カバープレート2側)
に向かって常時、弾性的に付勢され、これに伴ってドラ
イバー孔付き頭部10が縦長孔4より常時,弾性的に突
出する構造となっている〔図5(A),(B)参照〕。
そして、外部から、そのドライバー孔付き頭部10を押
しつけることにより、ピニオンギア部9が傾斜ギア溝部
8の奥側に引き込み可能となる〔図6(A),(B)参
照〕。
【0019】その調整部材Cは、通常の状態では、傾斜
ギア溝部8の全高ラックギア部8aと半高ラックギア部
8bとの両者に噛合し、回転不能の状態である〔図5
(A),(B)参照〕。また、調整部材Cが引き込んだ
ときには、そのピニオンギア部9は半高ラックギア部8
bから外れて、空隙部8cに移動し、全高ラックギア部
8aのみに噛合する〔図6(A),(B)参照〕。そし
て、傾斜ギア溝部8の長手方向に沿って、全高ラックギ
ア部8aと噛み合いながら移動自在となる〔図10
(A),(B)参照〕。
【0020】前述したように、固定ケースAに対して可
動筺体Dは、横方向に摺動自在に収納され、縦長孔4に
対して固定ギア部材Bの傾斜ギア溝部8は、略45°と
なるように交差している〔図9(A),(B)参照〕。
そして、調整部材Cのドライバー孔付き頭部10は、縦
長孔4より常時、突出した状態である。
【0021】そして、ドライバー孔付き頭部10をドラ
イバー17先端で押し込むと、ピニオンギア部9は半高
ラックギア部8bから外れ、空隙部8c側に移動し、ピ
ニオンギア部9は傾斜ギア溝部8の全高ラックギア部8
aとのみ噛合する状態となり、ピニオンギア部9は、傾
斜ギア溝部8の長手方向に沿って移動可能になる〔図1
0(A)参照〕。ここで、ドライバー孔付き頭部10に
ドライバー17先端を差し込んだままで、回転させるこ
とによりピニオンギア部9は傾斜ギア溝部8の長手方向
に沿って移動する〔図10(B)参照〕。
【0022】その調整部材Cは、傾斜ギア溝部8と縦長
孔4との交差する部分に存在するものであり、ドライバ
ー孔付き頭部10を回転させると、傾斜ギア溝部8に沿
って傾斜方向に移動し、そのときにドライバー孔付き頭
部10は、縦長孔4に対してはその直交する方向に押圧
するように作用する。その結果,可動筺体Dは、固定筺
体1に対して横方向に移動する〔図9(A),(B)参
照〕。
【0023】この可動筺体Dの横方向の移動により、カ
バープレート2のラッチ貫通孔2aの縦方向内周縁から
筺体部3の縦方向内周縁が横方向に移動し、ラッチ貫通
孔2aの実質的な幅方向寸法を調整することができる。
図7(A),(B)及び図9(A)は、ラッチ頭部16
の挿入孔が最大幅WL となっている状態を理解すること
ができる平面図及び縦断側面図であって、可動筺体Dの
ラッチ挿入開口3sと,カバープレート2のラッチ貫通
孔2aとが位置的に一致しているものである。
【0024】また、図8(A),(B)及び図9(B)
は、ラッチ頭部16の挿入孔が最小幅WS となった状態
を理解することができる平面図とその縦断側面図であ
る。即ち、その調整部材Cが傾斜ギア溝部8に沿って最
大限に移動し、ドライバー孔付き頭部10と縦長孔4を
介して、可動筺体Dも横方向に最大限移動し、これによ
ってカバープレート2のラッチ貫通孔2aに対してラッ
チ挿入開口3sが横方向移動量dだけずれて、ラッチ頭
部16の挿入孔が最小幅WS となったことを示してい
る。
【0025】ここで、調整部材Cの横方向移動量dは、
傾斜ギア溝部8は、水平方向(横方向)に対して角度θ
とし、ピニオンギア部9が全高ラックギア部8aに沿っ
て傾斜方向に移動する傾斜方向移動量sとすると、(d
=s×cosθ)となる〔図10(B)参照〕。即ち、
横方向移動量dは、傾斜方向移動量sによって決定し、
比較的大きな傾斜方向移動量sに対して横方向移動量d
は小さく、角度θを45°とした場合には、横方向移動
量dは、(約0.7×傾斜方向移動量s)となる。
【0026】これは、調整部材Cのドライバー孔付き頭
部10にドライバー17の先端を差し込んで、ラッチ頭
部16の挿入孔の幅寸法を調整する際に、ドライバー1
7の回転を大雑把に操作して、調整部材Cの傾斜ギア溝
部8に沿った傾斜方向移動量sを大きくしても、それに
対する調整部材Cの横方向移動量dは、比較的小さ目に
することができ、微妙な調整を容易に行なうことができ
るようにしている〔図10(A)参照〕。
【0027】そして、固定ケースAの固定筺体1に対し
て、可動筺体Dを横方向の所望の位置に設定した後、そ
のドライバー孔付き頭部10からドライバー17を外す
と、その調整部材Cは、により弾発部材11によって表
面側に押し出される〔図11(A)参照〕。
【0028】そして、ピニオンギア部9は空隙部8cか
ら半高ラックギア部8bに移動し、ピニオンギア部9が
再び半高ラックギア部8bと全高ラックギア部8aと噛
み合う状態となり〔図11(B)参照〕、調整部材Cが
固定され、ドライバー孔付き頭部10と縦長孔4を介し
て可動筺体Dが固定筺体1内に固定される。
【0029】その固定ケースAのカバープレート2のラ
ッチ貫通孔2aの縦方向内周縁と可動筺体Dの突出板片
5との間にガイド部12が設けられている〔図1
(A),(B)参照〕。該ガイド部12は、具体的には
ガイド溝12aとガイド突起12bとからなり、図示さ
れた実施形態では、カバープレート2のラッチ貫通孔2
aの縦方向の内辺の略中間箇所に切欠形状のガイド溝1
2aが形成され、可動筺体Dの突出板片5にガイド突起
12bが形成されている。
【0030】そのガイド溝12aにガイド突起12bが
挿入して、ガイド溝12aに従ってガイド突起12bが
移動し、可動筺体Dが固定筺体1内が横方向に安定して
移動することができるようになっている〔図12
(A),(B)参照〕。また、カバープレート2のラッ
チ貫通孔2a側にガイド突起12bが形成され、突出板
片5側にガイド溝12aが形成されることもある。該ガ
イド部12は、必ずしも形成される必要はなく、特に図
示しないが、このガイド部12を省略したタイプも存在
する。
【0031】固定ギア部材Bと可動筺体Dの底部3aと
の間には、塞板13が設けられることもある〔図1
(A),図2(C)等参照〕。該塞板13は、貫通孔1
3aが形成され、該貫通孔13aにドライバー孔付き頭
部10が貫通している。その塞板13により、縦長孔4
を略被覆状態とすることができ、内部にほこり,ごみ等
が入りにくいようにすることができる。この塞板13も
必ずしも装着する必要はなく、該塞板13を省略したタ
イプも存在する。
【0032】
【作用】本発明のラッチ受具を扉開口の縦枠15の適正
位置,即ち、扉側のラッチ頭部16が当接する位置に装
着する〔図12(A)参照〕。その可動筺体Dの底部
(正面より見て奥側)の調整部材Cのドライバー孔付き
頭部10にドライバー17先端を押しつけ、その調整部
材Cを押し込む〔図12(A)参照〕。この状態で、調
整部材Cのピニオンギア部9は、傾斜ギア溝部8の半高
ラックギア部8bから外れ、全高ラックギア部8aのみ
に噛合する〔図10(A),(B)参照〕。
【0033】この状態でドライバー17にて調整部材C
を回転させると、調整部材Cのピニオンギア部9は、全
高ラックギア部8aに噛合しながら移動し、ドライバー
孔付き頭部10が縦長孔4に貫通した状態で可動筺体D
を移動させる。可動筺体Dのラッチ挿入開口3sとカバ
ープレート2のラッチ貫通孔2aの正面形状は同一形状
であり、ラッチ貫通孔2aの内周縁に対して可動筺体D
との間に相対的なズレができ、ラッチ頭部16の挿入孔
の幅方向の寸法Wを調整することができる。
【0034】その調整を完了し、ドライバー17を外す
と調整部材Cは、弾発部材11を介して再度、表面側に
突出し、ピニオンギア部9が全高ラックギア部8aと半
高ラックギア部8bの両方に噛合して調整部材Cが回転
不能且つ移動不能となり、可動筺体Dを固定ケースA内
に固定する〔図11(A),(B)参照〕。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明においては、固定筺体1
と,表面側にラッチ貫通孔2aを形成したカバープレー
ト2とからなる固定ケースAと、平行に対向する全高ラ
ックギア部8aと半高ラックギア部8bとからなる傾斜
ギア溝部8を有し、且つ前記半高ラックギア部8bの底
面箇所に空隙部8cを形成し,前記固定筺体1の底面箇
所に固定する固定ギア部材Bと、縦長孔4を底部3aに
形成するとともに前記ラッチ貫通孔2aと連通するラッ
チ挿入開口3sを有し,前記固定筺体1内の前記固定ギ
ア部材Bに対して横方向にスライド自在とした可動筺体
Dと、前記全高ラックギア部8aと半高ラックギア部8
bとに又は全高ラックギア部8aのみに歯合可能なピニ
オンギア部9と該ピニオンギア部9に一体的に形成した
ドライバー孔付き頭部10とからなり,該ドライバー孔
付き頭部10が前記可動筺体Dの縦長孔4より突出する
ように弾発的に付勢し,且つ引き込み自在とした調整部
材Cとからなるラッチ受具としたことにより、ラッチ頭
部16の挿入孔の幅方向寸法を適宜に調整することを容
易且つ正確に行なうことができる。
【0036】上記効果を詳述すると、固定筺体1の底面
箇所に固定する固定ギア部材Bには、平行に対向する全
高ラックギア部8aと半高ラックギア部8bとからなる
傾斜ギア溝部8を有し、且つ前記半高ラックギア部8b
の底面箇所に空隙部8cを形成されている。前記傾斜ギ
ア溝部8に調整部材Cのピニオンギア部9が全高ラック
ギア部8aと半高ラックギア部8bとに又は全高ラック
ギア部8aのみに噛み合い、且つ弾発部材11により、
ドライバー孔付き頭部10が可動筺体Dの縦長孔4より
突出するように弾発的に付勢され,且つ引き込み自在と
されているため、ドライバーの先端で、その調整部材C
を押し込むことでピニオンギア部9は、半高ラックギア
部8bから空隙部8cに移動し、全高ラックギア部8a
のみに噛み合うことになり、調整部材Cは回転自在なる
状態にできる。その状態でドライバーを回転させること
で、ピニオンギア部9が全高ラックギア部8aに沿って
移動し、同時に、縦長孔4から突出しているドライバー
孔付き頭部10が、その縦長孔4を横方向に押して可動
筺体Dを固定筺体1内で横方向に移動させることがで
き、ラッチ貫通孔2aと連通するラッチ挿入開口3sと
を相互にずらせることにより、ラッチ頭部16の挿入孔
の実質的な幅方向を所望の寸法に適宜,調整するとがで
きる。
【0037】そして、今度はドライバー孔付き頭部10
からドライバーを離すと、弾発部材11により、調整部
材Cが表面側に押し出されてピニオンギア部9が空隙部
8cから半高ラックギア部8bに移動し、ピニオンギア
部9が全高ラックギア部8aと半高ラックギア部8bに
噛み合うことになり、調整部材Cが回転不能になって固
定され、可動筺体Dも固定筺体1内の所望の位置に固定
される。
【0038】上述したようにラッチ頭部挿入孔の調整工
程は、ドライバー先端をドライバー孔付き頭部10に押
しつけることで調整部材Cは、回転自由且つ傾斜ギア溝
部8内を移動自在なる状態となり、可動筺体Dの縦長孔
4より突出しているドライバー孔付き頭部10を適宜回
転させることで、ピニオンギア部9が全高ラックギア部
8aのみに噛合して可動筺体Dを固定筺体1内に対して
幅方向に適宜の位置に移動させることができるし、今度
は、ドライバーをドライバー孔付き頭部10から離せ
ば、そのまま、調整部材Cは傾斜ギア溝部8内で固定さ
れ、可動筺体Dも固定筺体1内に固定される。このよう
に、ドライバーによる極めて簡単なる操作で、短時間に
ラッチ頭部挿入孔の微小の寸法調整を行なうことができ
る。
【0039】さらに、縦長孔4と傾斜ギア溝部8とは、
傾斜状態に交差するものであり、調整部材Cの傾斜ギア
溝部8に沿った傾斜方向移動量sに対して横方向移動量
dは、小さくなる。そこで、ドライバー17の大雑把な
回転操作でも、調整部材Cの横方向移動量は比較的,小
さ目であり、且つドライバー17の回転で、ピニオンギ
ア部9が全高ラックギア部8aのみと噛合状態を保持し
つつラックピッチにて移動でき、微妙な調整も容易に行
なうことができる〔図10(A)参照〕。
【0040】次に、請求項2の発明は、請求項1におい
て、前記カバープレート2のラッチ貫通孔2aと可動筺
体Dのラッチ挿入開口3sとの間にガイド部12を形成
してなるラッチ受具としたことにより、可動筺体Dが固
定ケースA内を横方向に移動するにおいて、その移動動
作を安定させ、常時スムーズに行なわせることができ
る。
【0041】次に、請求項3の発明は、請求項1又は2
において、前記傾斜ギア溝部8と可動筺体Dとの間には
前記調整部材Cのドライバー孔付き頭部10のみが貫通
する貫通孔13aを形成した塞板13を設けてなるラッ
チ受具としたことにより、該塞板13により縦長孔4を
極めて簡単なる構造にて略被覆状態とすることができ、
内部へのほこり,ごみ等の侵入を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の分解斜視図 (B)は本発明の縦方向に断面にした斜視図
【図2】 (A)は本発明の正面図 (B)は本発明のX1 −X1 矢視拡大断面図 (C)は本発明のX2 −X2 矢視拡大断面図
【図3】 (A)は固定ギア部材の平面図 (B)は本発明のX3 −X3 矢視断面図 (C)は本発明のX4 −X4 矢視断面図 (D)は本発明のX5 −X5 矢視断面図 (E)は本発明のX6 −X6 矢視断面図
【図4】 (A)は固定ギア部材の背面斜視図 (B)は固定ギア部材を固定筺体に装着する状態を示す
斜視図
【図5】 (A)は固定ギア部材及び調整部材の平面図 (B)はX7 −X7 矢視拡大断面図
【図6】 (A)は固定ギア部材の平面断面図 (B)はX8 −X8 矢視拡大断面図
【図7】 (A)は固定ケースと可動筺体との位置が揃いラッチ頭
部の出入開口幅を最大状態とした正面図 (B)は(A)の拡大断面図
【図8】 (A)は固定ケースと可動筺体との位置を相互にずらし
出入開口幅を最小状態とした正面図 (B)は(A)の拡大断面図
【図9】 (A)は固定ケースと可動筺体との位置が揃った状態の
縦断正面図 (B)は固定ケースと可動筺体との位置が相互にずれた
状態の縦断正面図
【図10】 (A)はドライバーの先端にて調整部材を押し込んだ状
態の断面図 (B)は(A)はX9 −X9 矢視断面図
【図11】 (A)はドライバーの先端を調整部材から離した状態の
断面図 (B)は(A)はX10−X10矢視断面図
【図12】 (A)は調整部材にドライバーの先端を差し込んだ状態
の斜視図 (B)はドライバーにて調整を完了した状態の斜視図
【符号の説明】
A…固定ケース C…調整部材 D…可動筺体 1…固定筺体 2…カバープレート 2a…ラッチ貫通孔 3a…底部 3s…ラッチ挿入開口 4…縦長孔 8…傾斜ギア溝部 8a…全高ラックギア部 8b…半高ラックギア部 8c…空隙部 9…ピニオンギア部 10…ドライバー孔付き頭部 12…ガイド部 13…塞板 13a…貫通孔

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定筺体と,表面側にラッチ貫通孔を形
    成したカバープレートとからなる固定ケースと、平行に
    対向する全高ラックギア部と半高ラックギア部とからな
    る傾斜ギア溝部を有し、且つ前記半高ラックギア部の底
    面箇所に空隙部を形成し,前記固定筺体の底面箇所に固
    定する固定ギア部材と、縦長孔を底部に形成するととも
    に前記ラッチ貫通孔と連通するラッチ挿入開口を有し,
    前記固定筺体内の前記固定ギア部材に対して横方向にス
    ライド自在とした可動筺体と、前記全高ラックギア部と
    半高ラックギア部とに又は全高ラックギア部のみに歯合
    可能なピニオンギア部と該ピニオンギア部に一体的に形
    成したドライバー孔付き頭部とからなり,該ドライバー
    孔付き頭部が前記可動筺体の縦長孔より突出するように
    弾発的に付勢し,且つ引き込み自在とした調整部材とか
    らなることを特徴とするラッチ受具。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記カバープレート
    のラッチ貫通孔と可動筺体のラッチ挿入開口との間にガ
    イド部を形成してなることを特徴とするラッチ受具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記傾斜ギア
    溝部と可動筺体との間には前記調整部材のドライバー孔
    付き頭部のみが貫通する貫通孔を形成した塞板を設けて
    なることを特徴とするラッチ受具。
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