JP2935226B2 - 新規キトサナーゼ、及びそのキトサナーゼの製造方法、並びにそのキトサナーゼを用いたキトサンオリゴ糖の製造方法 - Google Patents
新規キトサナーゼ、及びそのキトサナーゼの製造方法、並びにそのキトサナーゼを用いたキトサンオリゴ糖の製造方法Info
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- JP2935226B2 JP2935226B2 JP1219555A JP21955589A JP2935226B2 JP 2935226 B2 JP2935226 B2 JP 2935226B2 JP 1219555 A JP1219555 A JP 1219555A JP 21955589 A JP21955589 A JP 21955589A JP 2935226 B2 JP2935226 B2 JP 2935226B2
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- chitosan
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規キトサナーゼ、及びそのキトサナーゼ
の製造方法、並びにそのキトサナーゼを用いてキトサン
オリゴ糖を製造する方法に関するものである。
の製造方法、並びにそのキトサナーゼを用いてキトサン
オリゴ糖を製造する方法に関するものである。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 周知のように、キトサナーゼはキトサンを分解する酵
素であり、現在までにバチルス属微生物その他の微生物
由来のものが知られている。
素であり、現在までにバチルス属微生物その他の微生物
由来のものが知られている。
ところで、このキトサンは、たとえばカニやエビ等の
甲殻中に含有されるキチンの脱アセチル化物であり、近
年においては有用なバイオマスとして注目されている。
甲殻中に含有されるキチンの脱アセチル化物であり、近
年においては有用なバイオマスとして注目されている。
本発明は、このような点に鑑み、キトサンの分解能に
優れた新規なキトサナーゼを提供せんとすることを課題
とするものである。
優れた新規なキトサナーゼを提供せんとすることを課題
とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、このような点に鑑み、上記のようなキ
トサンの高い分解能を有するキトサナーゼを得るため
に、そのキトサナーゼ生産能を有する微生物を広く自然
界において探索して新規な微生物を見出し、バチルスs
p.PI−7Sと命名し、昭和63年1月28日に工業技術院微生
物工業技術研究所に寄託し(微工研菌寄第9843号)、そ
の後、昭和63年3月28日付けで特許出願を行った(特願
昭63−73629号)。
トサンの高い分解能を有するキトサナーゼを得るため
に、そのキトサナーゼ生産能を有する微生物を広く自然
界において探索して新規な微生物を見出し、バチルスs
p.PI−7Sと命名し、昭和63年1月28日に工業技術院微生
物工業技術研究所に寄託し(微工研菌寄第9843号)、そ
の後、昭和63年3月28日付けで特許出願を行った(特願
昭63−73629号)。
本発明者等は、さらにこの微生物から新規キトサナー
ゼを誘導して本発明を完成するに至ったのである。
ゼを誘導して本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の新規キトサナーゼの特性は次のと
おりである。
おりである。
(1) 作用,基質特異性 キトサンの分解能が良好である。
カルボキシメチルセルロースは分解しない。
(2) 至適pH 4.8〜6.8 (3) 安定pH 3.3〜7.4 (4) 分子量 43000±3000(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
による測定) 25000±3000(HPLC・ゲル濾過による測定) (5) 阻害物質 Ag+,Hg+,p−クロロ安息香酸2水銀 また、本発明のキトサナーゼの製造方法は、キトサナ
ーゼ生産能を有する微生物を培養して上記のような特性
を有するキトサナーゼを製造することにある。
による測定) 25000±3000(HPLC・ゲル濾過による測定) (5) 阻害物質 Ag+,Hg+,p−クロロ安息香酸2水銀 また、本発明のキトサナーゼの製造方法は、キトサナ
ーゼ生産能を有する微生物を培養して上記のような特性
を有するキトサナーゼを製造することにある。
このキトサナーゼ生産能を有する微生物としては、主
として上記バチルスsp.PI−7Sが用いられる。
として上記バチルスsp.PI−7Sが用いられる。
このバチルスsp.PI−7Sの菌学的性質は次のとおりで
ある。
ある。
(A)形態学的性質 (a)菌の形態 桿 菌 (b)芽胞 楕円形,膨出 (c)運動性 あり (d)グラム染色性 不定 (B)次の各培地における生育状態 (a)肉汁寒天培地 37℃で24〜96時間培養を行ったところ、全周縁が突円
状のコロニーが形成され、時間の経過とともに盛り上が
ってきた。
状のコロニーが形成され、時間の経過とともに盛り上が
ってきた。
色は、24時間培養時においてほぼ白濁色であるが、48
時間培養時以降から薄黄色又は黄色を帯びてきた。
時間培養時以降から薄黄色又は黄色を帯びてきた。
生育状態は陽性と認められた。
(b)肉汁液体撹拌培地 好気性であり、37℃で24時間培養を行ったところ、白
濁色となった。
濁色となった。
生育状態は陽性と認められた。
(C)嫌気下での発育 発育せず (D)生理学的性質 (a)カタラーゼの生成 + (b)VP反応 +W (c)VPブロスでのpH 4.8 (d)グルコースからのガスの産生 − (e)酸の産性 グルコース + アラビノース − キシロース + マンニット + (f)ゼラチンの液化 + (g)デンプンの分解 + (h)チロシンの分解 − (i)クエン酸の利用性 − (j)卵黄反応 − (k)硝酸塩の還元 − (l)インドール産生 − (m)pH5.7での生育 + (n)5%NaCl存在下での生育 − (o)7%NaCl存在下での生育 − (p)50℃での生育 − 尚、上記において+は陽性、−は陰性、+Wは弱陽性
をそれぞれ意味する。
をそれぞれ意味する。
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 先ず、特願昭63−73629号に係るバチルスsp.PI−7S
(微工研菌寄第9843号)を、1NのKOHにてpH6.8に調整さ
れた下記の組成からなる培地で培養した。
(微工研菌寄第9843号)を、1NのKOHにてpH6.8に調整さ
れた下記の組成からなる培地で培養した。
コロイダルキトサン 0.5W/V% ペプトン 0.1W/V% KH2PO4 0.1W/V% MgSO4・7H2O 0.1W/V% CaCl2・2H2O 0.03W/V% その培養を、37℃で4日間行うと、キトサナーゼ生産
が最高であった(タンパク量0.26mg/ml)。
が最高であった(タンパク量0.26mg/ml)。
また、キトナーゼはほとんど生産されなかった。
次に、この培養濾液を硫安分画し、55〜100%飽和画
分を透析した後、DEAE−トヨーパールイオン交換クロマ
トグラフィー(0.2M塩化カリウムを含む10mMのリン酸カ
リウム〔pH6.8〕で洗浄後、0.2→0.5M塩化カリウムクラ
ジエント)で精製した。
分を透析した後、DEAE−トヨーパールイオン交換クロマ
トグラフィー(0.2M塩化カリウムを含む10mMのリン酸カ
リウム〔pH6.8〕で洗浄後、0.2→0.5M塩化カリウムクラ
ジエント)で精製した。
次に、この精製液を限外濾過で濃縮し、SephadexG−7
5ゲル濾過クロマトグランフィー(50mMリン酸カリウム,
pH6.8で平衡化)の操作を行うことにより、ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動,SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動で単一の活性バンドを示すキトサナーゼが得られ
た。
5ゲル濾過クロマトグランフィー(50mMリン酸カリウム,
pH6.8で平衡化)の操作を行うことにより、ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動,SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動で単一の活性バンドを示すキトサナーゼが得られ
た。
尚、上記のようなキトサナーゼの精製経過を次表1に
示す。
示す。
尚、上記表1中において、イオン交換とは、DEAE−ト
ヨーパールイオン交換クロマトグラフィーによる精製操
作を意味し、ゲル濾過とは、SephadexG−75ゲル濾過ク
ロマトグラフィーによる操作を意味する。
ヨーパールイオン交換クロマトグラフィーによる精製操
作を意味し、ゲル濾過とは、SephadexG−75ゲル濾過ク
ロマトグラフィーによる操作を意味する。
また、キトサナーゼの活性の測定は次のようにして行
った。
った。
すなわち、先ず脱アセチル化度99%のキトサンを0.2M
酢酸に溶解し、0.1NのNaOHでpH5.5に調整した1%キト
サン溶液を準備し、次にこの1%キトサン溶液1mlと、
酵素液1mlとを37℃で10分間反応させ、Schales法にて遊
離還元糖を定量した。
酢酸に溶解し、0.1NのNaOHでpH5.5に調整した1%キト
サン溶液を準備し、次にこの1%キトサン溶液1mlと、
酵素液1mlとを37℃で10分間反応させ、Schales法にて遊
離還元糖を定量した。
この条件下で毎分1μMのグルコサミンに相当する還
元糖を遊離させる酵素量を1U(ユニット)とした。
元糖を遊離させる酵素量を1U(ユニット)とした。
次に、上記のようにして得られたキトサナーゼの特性
について以下に説明する。
について以下に説明する。
(1) 作用,基質特異性 本実施例のキトサナーゼは、水溶液キトサンを最も効
率よく分解し、グリコールキトサン,コロイダルキトサ
ンも分解する傾向にあった。
率よく分解し、グリコールキトサン,コロイダルキトサ
ンも分解する傾向にあった。
しかし、キチンカルボキシメチルセルロース,ラミナ
リンには、ほとんど分解作用を示さなかった。
リンには、ほとんど分解作用を示さなかった。
尚、上記キトサナーゼの各基質に対する相対活性を次
表2に示す。
表2に示す。
次表2において、水溶性キトサンについては、キトサ
ン(脱アセチル化度99%)を0.2M酢酸で溶解しNaOHでpH
5.5に調整した1%キトサン溶液1mlと酵素液1mlを反応
して活性を測定した。
ン(脱アセチル化度99%)を0.2M酢酸で溶解しNaOHでpH
5.5に調整した1%キトサン溶液1mlと酵素液1mlを反応
して活性を測定した。
また、その他の基質については、1.0%基質を含む50m
Mリン酸カリウム(pH6.0)1mlと酵素液1mlを反応させ、
水溶性キトサンの場合を100として相対活性を示した。
Mリン酸カリウム(pH6.0)1mlと酵素液1mlを反応させ、
水溶性キトサンの場合を100として相対活性を示した。
尚、キトサナーゼの脱アセチル化度と相対活性との相
関関係のグラフを第1図に示す。
関関係のグラフを第1図に示す。
第1図からも明らかなように、上記キトサナーゼの最
適脱アセチル化度は99%であった。以後、アセチル化度
が進むごとに酵素作用度は弱まり、アセチル化度79%以
上になると、ほとんど作用されなくなった。
適脱アセチル化度は99%であった。以後、アセチル化度
が進むごとに酵素作用度は弱まり、アセチル化度79%以
上になると、ほとんど作用されなくなった。
(2) 温度安定性 水溶性キトサンを基質とした場合の温度安定性は45℃
以下では、15分の処理での失活はほとんど見られなかっ
たが、60℃になるとすべての活性が失活した。
以下では、15分の処理での失活はほとんど見られなかっ
たが、60℃になるとすべての活性が失活した。
尚、温度安定性の測定には、20mMの酢酸−酢酸ナトリ
ウム緩衝液(pH5.0)を用いた。
ウム緩衝液(pH5.0)を用いた。
温度安定性のグラフを第2図に示す。
この温度安定性の測定においては、先ず20mM酢酸−酢
酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)を含む酵素液を各々の温
度で15分処理した後、残存活性を示した。
酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)を含む酵素液を各々の温
度で15分処理した後、残存活性を示した。
(3) 至適pH,安定pH pH4〜6での水溶性キトサンに対する至適pHは4.8〜5.
5であった。また、pH4〜10でのグリコールキトサンに対
する至適pHは5.5〜6.8であった。30℃,60分の処理での
安定pH域は3.3〜7.4であった。
5であった。また、pH4〜10でのグリコールキトサンに対
する至適pHは5.5〜6.8であった。30℃,60分の処理での
安定pH域は3.3〜7.4であった。
尚、至適pH,安定pHの測定には、次の緩衝液を用い
た。
た。
(a) pH4〜5.5 20mM酢酸−酢酸ナトリウム (b) pH5.5〜8.2 20mMリン酸カリウム (c) pH8.4〜10 20mM炭酸水素アントリウム−炭酸ナトリウム 尚、水溶性キトサンを基質とした場合の至適pHと、グ
リコールキトサンを基質とした場合の至適pHとを第3図
にそれぞれグラフで示した。
リコールキトサンを基質とした場合の至適pHとを第3図
にそれぞれグラフで示した。
また、安定pHについては第4図に示した。
これら至適pHや安定pHの測定については次のような操
作により行った。
作により行った。
(イ)安定pH 各々のpHの20mM緩衝液1mlに酵素液0.1mlを加え、30
℃,60分所する。その後、0.5%キトサン溶液(0.3M酢酸
で溶解しNaOHでpH5に調整)1mlを加えて反応させ、残存
活性を示した。
℃,60分所する。その後、0.5%キトサン溶液(0.3M酢酸
で溶解しNaOHでpH5に調整)1mlを加えて反応させ、残存
活性を示した。
(ロ)至適pH (a) 水溶性キトサンを基質にした場合 キトサンを1%になるように200mM酢酸−酢酸ナトリ
ウム緩衝液に溶解し、pHを4〜6に調整する。この溶液
1mlに対して酵素液0.02mlを添加して37℃,60分反応させ
て遊離してくる還元糖をSchales法で求め、活性測定を
行った。
ウム緩衝液に溶解し、pHを4〜6に調整する。この溶液
1mlに対して酵素液0.02mlを添加して37℃,60分反応させ
て遊離してくる還元糖をSchales法で求め、活性測定を
行った。
(b) グリコールキトサンの場合 1%グリコールキトサン液0.5mlに、各々のpHの緩衝
液2mlを加えて基質溶液とし、これに酵素液0.05mlを加
え、37℃,60分反応させ、上記(a)と同様にして活性
測定を行った。
液2mlを加えて基質溶液とし、これに酵素液0.05mlを加
え、37℃,60分反応させ、上記(a)と同様にして活性
測定を行った。
(4) 酵素作用型 上記キトサナーゼによる水溶液キトサンから生成する
キトサンオリゴ糖は、1糖を除く一連の2〜5糖であ
り、endo型に作用することが推定された。
キトサンオリゴ糖は、1糖を除く一連の2〜5糖であ
り、endo型に作用することが推定された。
(5) 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動から求めた分
子量は43000±3000、HPLC(TSK−Gel G3000SW)から求
めた分子量は25000±3000であった。
子量は43000±3000、HPLC(TSK−Gel G3000SW)から求
めた分子量は25000±3000であった。
HPLC(TSK−Gel G3000SW)によるキトサナーゼの分子
量決定を第5図のグラフに示す。
量決定を第5図のグラフに示す。
尚、第5図において、a〜e点に示す標準蛋白質は次
のものである。
のものである。
標準蛋白質 分子量 a.Glutamate dehydrogenase 290000 b.Lactate dehydrogenase 142000 c.Enolase 67000 d.Adenylate kinase 32000 e.Cytochrome c 12400 次に、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による
分子量決定を第2図に示す。
分子量決定を第2図に示す。
第6図において、a〜g点に示す標準蛋白質は次のも
のである。
のである。
標準蛋白質 分子量 a.Albumin,Bovine 66000 b.Albumin,Egg 45000 c.Glyceraldehyde−3− phosphate dehydrogenase 36000 d.Carbonic anhydrase 29000 e.Trypsinogen 24000 f.Trypsin inhibitor,Soybean 20100 g.α−Lactalbumin 14200 (6) 等電点 等電点電気泳動から求めた等電点はpH8.4〜9.6であっ
た。
た。
(7) Km値 水溶性キトサンを基質とした場合のKm値は2.2mgキト
サン/mlで、Vmaxは0.91μMグルコサミン/min/mlであっ
た。
サン/mlで、Vmaxは0.91μMグルコサミン/min/mlであっ
た。
(8) 金属と酵素阻害剤の影響 キトサナーゼ活性を阻害する物質について、各種物質
の阻害作用を相対活性との対比から考察した。
の阻害作用を相対活性との対比から考察した。
すなわち、2〜4mMの試薬0.5mlと酵素液(1.5U/ml)
0.02mlと,100mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)を
含む混合液を40℃,20分放置した後、0.5%キトサン溶液
1mlを加え残した無添加を100とした相対活性を測定し
た。その結果を次表3に示す。
0.02mlと,100mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)を
含む混合液を40℃,20分放置した後、0.5%キトサン溶液
1mlを加え残した無添加を100とした相対活性を測定し
た。その結果を次表3に示す。
尚、上記表3において、p−CMBはp−クロロ安息香
酸第2水銀、PMSFはフッ化フェニルメチルスルホニルを
意味する。
酸第2水銀、PMSFはフッ化フェニルメチルスルホニルを
意味する。
2mMのAg+,Hg2+,p−CMBはキトサナーゼ活性をほとんど
阻害したがEDTA,PMSF,Na2SO3は全く阻害作用を示さなか
った。
阻害したがEDTA,PMSF,Na2SO3は全く阻害作用を示さなか
った。
このことから、上記実施例のキトサナーゼの活性にSH
基が関係していることが示唆される。
基が関係していることが示唆される。
Ag+,Hg2+以外の金属には全く阻害されず、比較的金属
に安定な酵素であった。
に安定な酵素であった。
ちなみに、バチルスsp.NO−7M由来のキトサナーゼの
場合には、Ag+,Fe2+,Cu2+,Hg2+,Pb2+,p−CMBに阻害さ
れ、また、バチルスサーキュランスMH−KI由来のキトサ
ナーゼの場合には、Cu2+,Hg2+,Ni2+,Zn2+,p−CMBに阻害
される。
場合には、Ag+,Fe2+,Cu2+,Hg2+,Pb2+,p−CMBに阻害さ
れ、また、バチルスサーキュランスMH−KI由来のキトサ
ナーゼの場合には、Cu2+,Hg2+,Ni2+,Zn2+,p−CMBに阻害
される。
従って、本実施例のキトサナーゼは、これら他のバチ
ルス属微生物由来のキトサナーゼに比べると、阻害物質
が少ないという利点がある。
ルス属微生物由来のキトサナーゼに比べると、阻害物質
が少ないという利点がある。
次に、上記のようなキトサナーゼを用いてキトサンオ
リゴ糖を製造する方法の実施例について説明する。
リゴ糖を製造する方法の実施例について説明する。
実施例2 キトサン56mgを添加したキトサナーゼ0.6Uを含む0.2M
酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)6mlを37℃で4時
間反応させ、生成するキトサンオリゴ糖の組成を調べ
た。
酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)6mlを37℃で4時
間反応させ、生成するキトサンオリゴ糖の組成を調べ
た。
オリゴ糖の種別 重量 2糖 1.2mg 3糖 8.15mg 4糖 8.34mg 5糖 1.65mg 6糖 生成せず このように、キトサンにキトサナーゼを作用させるだ
けで、容易にキトサンオリゴ糖の調整が可能である。
けで、容易にキトサンオリゴ糖の調整が可能である。
実施例3 キトサン11.2mgを添加したキトサナーゼを0.18ユニッ
ト含む0.2M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)1.8ml
を20℃にし、限外濾過により生成オリゴ糖を除去しなが
ら5時間酵素反応を行い、生成したオリゴ糖の組成を調
べた。
ト含む0.2M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)1.8ml
を20℃にし、限外濾過により生成オリゴ糖を除去しなが
ら5時間酵素反応を行い、生成したオリゴ糖の組成を調
べた。
オリゴ糖の種別 重量 2糖 0.11mg 3糖 1.24mg 4糖 1.88mg 5糖 1.63mg 6糖 1.01mg 本実施例では、上記実施例1のようないわゆるバッチ
法では得られない6糖も調製することができる。
法では得られない6糖も調製することができる。
上記実施例2及び実施例3により調製したオリゴ糖
は、それぞれ従来のイオン交換カラム法等により単離す
ることができる。
は、それぞれ従来のイオン交換カラム法等により単離す
ることができる。
また、従来では、キトサンオリゴ糖は、塩酸分解法等
により行われていたが、5糖,6糖等の調製には塩酸分解
等の条件等、かなり困難な点があった。
により行われていたが、5糖,6糖等の調製には塩酸分解
等の条件等、かなり困難な点があった。
この点、上記実施例、特に実施例3では5糖,6糖の調
製が容易に行える。
製が容易に行える。
(発明の効果) 叙上のように、本発明によって、上記のような特性を
有する全く新規なキトサナーゼが得られるに至った。
有する全く新規なキトサナーゼが得られるに至った。
そして、このキトサナーゼは、他のキトサナーゼに比
べると阻害物質が少なく、金属等に対する安定性が非常
に高いものである。
べると阻害物質が少なく、金属等に対する安定性が非常
に高いものである。
従って、このキトサナーゼを用いる場合に、たとえば
反応液中に金属成分が含有されていても、酵素が阻害さ
れて影響を受けることもない。
反応液中に金属成分が含有されていても、酵素が阻害さ
れて影響を受けることもない。
さらに、このようなキトサナーゼを用いれば、細胞壁
にキトサンを含む微生物のプロトプラストの調製も容易
に行え、そのプロトプラスト調製の効率が向上するとい
う利点がある。
にキトサンを含む微生物のプロトプラストの調製も容易
に行え、そのプロトプラスト調製の効率が向上するとい
う利点がある。
第1図はキトサナーゼのアセチル化度と相対活性との相
関関係を示すグラフ。 第2図は温度安定性と相対活性との相関関係を示すグラ
フ。 第3図は至適pHと相対活性との相関関係を示すグラフ。 第4図は安定pHと相対活性との相関関係を示すグラフ。 第5図はHPLC(TSK−Gel G3000SW)によるキトサナーゼ
の分子量測定結果のグラフを示す。 第6図はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による
キトサナーゼの分子量測定結果のグラフを示す。
関関係を示すグラフ。 第2図は温度安定性と相対活性との相関関係を示すグラ
フ。 第3図は至適pHと相対活性との相関関係を示すグラフ。 第4図は安定pHと相対活性との相関関係を示すグラフ。 第5図はHPLC(TSK−Gel G3000SW)によるキトサナーゼ
の分子量測定結果のグラフを示す。 第6図はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による
キトサナーゼの分子量測定結果のグラフを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (4)
- 【請求項1】次に示す特性を有することを特徴とする新
規キトサナーゼ。 (1) 作用,基質特異性 キトサンの分解能が良好である。 カルボキシメチルセルロースは分解しない。 (2) 至適pH 4.8〜6.8 (3) 安定pH 3.3〜7.4 (4) 分子量 43000±3000(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に
よる測定) 25000±3000(HPLC・ゲル濾過による測定) (5) 阻害物質 Ag+,Hg+,p−クロロ安息香酸第2水銀 - 【請求項2】バチルス属の微生物を培養して請求項1記
載のキトサナーゼを製造することを特徴とするキトサナ
ーゼの製造方法。 - 【請求項3】バチルス属の微生物が、バチルスsp.PI−7
S(微工研菌寄第9843号)である請求項2記載のキトサ
ナーゼの製造方法。 - 【請求項4】請求項1記載のキトサナーゼと、キトサン
又はキトサンの部分分解物とを反応させてキトサンオリ
ゴ糖を製造することを特徴とするキトサンオリゴ糖の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1219555A JP2935226B2 (ja) | 1989-08-28 | 1989-08-28 | 新規キトサナーゼ、及びそのキトサナーゼの製造方法、並びにそのキトサナーゼを用いたキトサンオリゴ糖の製造方法 |
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1989
- 1989-08-28 JP JP1219555A patent/JP2935226B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
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Agric.Biol.Chem.,40(12),(1976),p.2325−2333 |
Cited By (2)
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CN102851239A (zh) * | 2012-08-22 | 2013-01-02 | 黄河三角洲京博化工研究院有限公司 | 一株壳聚糖酶生产菌株及应用该菌株生产壳寡糖的方法 |
CN102851239B (zh) * | 2012-08-22 | 2013-08-14 | 黄河三角洲京博化工研究院有限公司 | 一株壳聚糖酶生产菌株及应用该菌株生产壳寡糖的方法 |
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JPH0383584A (ja) | 1991-04-09 |
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