JP2934542B2 - 高圧下圧延方法 - Google Patents

高圧下圧延方法

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JP2934542B2 JP31316791A JP31316791A JP2934542B2 JP 2934542 B2 JP2934542 B2 JP 2934542B2 JP 31316791 A JP31316791 A JP 31316791A JP 31316791 A JP31316791 A JP 31316791A JP 2934542 B2 JP2934542 B2 JP 2934542B2
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rolling
rolled
roll
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治 宮本
和夫 森本
桂司 水田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼、アルミニウム等の各
種金属板等の帯板を高圧下で圧延する圧延方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、鋼、アルミニウム等
の帯板を圧延するものとして、例えば熱間圧延の場合に
は、ホットストリップミルが、又、冷間圧延の場合には
タンデムコールドミルが各々用いられており、上下一対
の回転するワークロール間に帯板を挟むことにより、そ
の帯板を薄く延ばしている。
【0003】この圧延の際に発生するワークロールと帯
板との摩擦を減少させるために、従来より、ワークロー
ル表面に圧延潤滑剤等の流体が供給されており、もって
塑性変形に要する負荷を軽減している。又、これと同時
に該潤滑剤によってワークロールの摩耗や被圧延材の表
面のキズの発生を防止している。
【0004】しかしながら、例えば熱間圧延の場合、帯
板の温度は約1200℃〜900℃に達しており、ワー
クロールに供給された圧延潤滑材は、一般に200℃を
超えると燃焼して流体潤滑材としての機能が失なわれて
しまう。そしてワークロールのわずか一部に付着してい
る圧延潤滑材が潤滑効果を発揮するのみで、その効果は
不十分となり、ロール摩耗が増加することとなる。
【0005】このロール摩耗の増加に伴い、帯板とロー
ルとの摩擦係数が増大しこのため帯板の圧下率を維持す
るのに高い圧延荷重を負荷する必要がある。
【0006】又、従来の熱間圧延においてはワークロー
ルと帯板との間には空気以外の流体は存在せず、空気は
その圧縮性のために境界膜とはなりえないので、帯板の
全域で金属同志が接触する境界摩擦常態になるものと考
えられている。そのためワークロールと帯板との間の摩
擦係数は、少なくともμ≧0.2となり、圧延荷重の増
大、ロールの肌荒れ、ロール摩耗等の問題がある。
【0007】一方、冷間圧延の場合は、帯板とこれを圧
延するワークロールとの接触弧内は圧下率を高めるため
超高圧の状態となっており、圧延潤滑剤がこのロールと
の接触弧内に十分入り込むことができず、潤滑効果を十
分発揮することができないという問題があった。
【0008】このような問題を解決するため、ロールと
板との間の摩擦係数を確実に且つ効果的に減少できる方
法として、圧延前に帯板の表面に凹部を形成し、この凹
部に流体を閉じ込めたままワークロール間に導入し、流
体潤滑条件を成立させて圧延する圧延方法が本願出願人
によって出願されている(特願昭63−119313
号)。
【0009】これにより、被圧延材の圧延時の摩擦係数
を低減することができ、圧延荷重を大幅に低くしても高
い圧下率が得られる。
【0010】そして前述の圧延前の帯板表面に形成した
凹部の形状は、その淵が正方形又は長方形の矩形であ
り、さらにその各辺は圧延方向及びそれに直角の方向と
に向いて形成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで前述のような
従来の圧延方法では被圧延材の表面に正方形又は矩形の
凹みを形成し、ここに水などの流体を入れて潤滑剤とし
ながら圧延しているが、圧延後の被圧延表面に模様が残
留してしまう不具合がある。
【0012】この模様が残ってしまう原因は、被圧延材
の横一列に並んだディンプルの縦方向のピッチに対応す
るうねりである。
【0013】これは、ディンプル列が圧延用ワークロー
ルを通過するピッチに対応して、ロールと被圧延材のバ
イト域の平均摩擦力が変動することに起因する。
【0014】本発明は、上記従来技術における模様が圧
延後の被圧延材表面に残留する不具合を解決した新たな
圧延方法を得ることを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として本発明の高圧下圧延方法は、圧延前の被圧
延材の表裏全面に、稜線が連続する略菱形となる多数の
凹部を形成した後、該被圧延材を、前記形成した略菱形
凹部のいずれか一方の対角線方向が圧延方向と合致する
ように走行せしめ、該凹部に潤滑用流体を閉じ込めなが
ら圧延することを特徴としている。
【0016】
【作用】本発明の圧延方法は、圧延前の被圧延材の表裏
両面に形成した多数の凹みの形を菱形として、その対角
線を圧延方向に向けることにより、従来の矩形のディン
プル群に比較して、幅方向に並ぶディンプルの個数を半
減し、かつ圧延ラインに並設される各列のワークロール
を通過するピッチが2倍になるため、ワークロールと被
圧延材のバイト域内の凹みの列の通過に対応する平均摩
擦力の変動幅は約1/4となり、これによる被圧延材表
面の長手方向のうねりは、図2に示すように詳細な観測
に依っても認められなくなる。
【0017】その結果圧延後の被圧延材の表面性状に関
わる品質を低下させることなく、凹みを利用した高圧下
圧延を行なうことが可能となる。
【0018】
【実施例】以下図面により本発明の1実施例について説
明すると、図1は本発明における被圧延材表面に形成し
た凹み形状の1例を示す展開図である。
【0019】図1に示す凹みを被圧延材5の表・裏面に
形成するための凸型を図8に示す圧延ラインの第1スタ
ンドIの上下のワークロール1,1表面に加工してい
る。(図6(a)参照)
【0020】図8に示す圧延ラインにおいて、被圧延材
5が走行する圧延装置における第1スタンドIは、図6
(a)に示すワークロール1,1が上下一対に配置され
ており、その各ロール表面には菱形の凸部が前述のよう
に連続して刻設されている。
【0021】第2スタンドIIは、通常の上下ワークロー
ル2,2に、同様に上下対向配置した水ノズル3,3が
並設配置されており、該水ノズル3,3は前ワークロー
ル2,2の軸方向に多数設けられている。
【0022】表・裏全面に図1に示すように稜線Rが連
続する菱形となる多数の凹部を設けられた被圧延材5
は、菱形の対角線Yが圧延方向(走行方向)と合致する
ように走行し、第2スタンドIIにおいて、その菱形凹部
に水ノズル3よりの水を閉じ込めながら圧延される。
【0023】本発明の効果を実証するため実機を用いて
圧延テストを行なった具体例を次に示す。
【0024】圧延ラインの第1スタンドIの上下ワーク
ロール1,1表面に、図1に示す凹みを被圧延材5の表
・裏面に成形するための凸型を加工し、被圧延材5とし
て厚さ30mmの普通鋼を1000℃に加熱したものを
用意した。
【0025】これを、第1スタンドIを通すとき、上下
合せて4mm押込み、ロール1,1の凸型を被圧延材5
表面に凹みとして転写した。
【0026】この被圧延材5を、次の第2スタンドIIで
70%の圧下率で、水ノズル3より水を供給しながら圧
延し、更に次の第3、第4スタンドIII 、IVで、各々圧
下率30%で通常の圧延を行なった。
【0027】これによる圧延終了後の被圧延材5の断面
の模式を図2に示す。図のように圧延前の元の凹みに対
応する表面性状の差、及びうねりは圧延終了後の被圧延
材には見られない。
【0028】これに対し図3は従来の被圧延材5′の凹
みの断面形状の1例を示し、また図4及び図5はその被
圧延材5′の圧延終了後の断面及び表面の1例を示すも
ので、これらでわかるように従来の被圧延材表面には、
圧延後においても元の凹みに対応する性状のむら及びう
ねり10,20,30が見られる。
【0029】以上の比較により、本発明の凹みを用いて
高圧下圧延を行なえば、圧延後の被圧延材の模様の残留
の問題が解決することが分る。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように本発明の高圧下圧延方
法によれば、従来方法に比較して圧延後の板表面の残留
模様を格段に薄くすることができ、圧延後の被圧延材の
表面性状に関わる品質を低下させることなく、凹みを利
用した高圧下圧延を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る被圧延材表面の凹み形
状の展開図である。
【図2】同被圧延材の圧延終了後の断面模式図である。
【図3】従来方法における被圧延材表面の凹み形状を示
す断面図である。
【図4】同従来被圧延材の圧延後の断面図である。
【図5】同被圧延材の圧延後の表面を示す模式図であ
る。
【図6】本発明の1実施例に係る凹みの並びを示す凹み
成形用ワークロールで、(a)は正面図、(b)は側面
図である。
【図7】従来方法における凹みの並びを示すワークロー
ル正面図である。
【図8】本発明における圧延ラインに配置した各ワーク
ロールと水ノズルの関連配置図である。
【符号の説明】
1,2 ワークロール 3 水ノズル 5 被圧延材 R 稜線 Y 対角線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−289503(JP,A) 特開 平2−197307(JP,A) 特開 平4−46605(JP,A) 特開 平4−75704(JP,A) 特開 平4−75705(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 1/22 B21B 27/10 B21B 45/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延前の被圧延材の表裏全面に、稜線が
    連続する略菱形となる多数の凹部を形成した後、該被圧
    延材を、前記形成した略菱形凹部のいずれか一方の対角
    線方向が圧延方向と合致するように走行せしめ、該凹部
    に潤滑用流体を閉じ込めながら圧延することを特徴とす
    る高圧下圧延方法。
JP31316791A 1991-11-01 1991-11-01 高圧下圧延方法 Expired - Lifetime JP2934542B2 (ja)

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JPH05123716A JPH05123716A (ja) 1993-05-21
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