JP2934079B2 - 封止コイルの製造方法 - Google Patents

封止コイルの製造方法

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coil
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波障害防止に用い
られるリード端子を備え樹脂でコイル部分を封止成形し
た封止コイルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型コイルを巻線間の電気絶縁
と、周囲部品との電気絶縁耐圧を保持する目的のため、
絶縁樹脂で封止した基板実装用のリード端子を備えて基
板装着用部品の封止コイルとしたものは、電磁波障害防
止部品として使われている。従来この種の封止コイルの
製造方法につき、図4、図5を参照して一例を説明す
る。高い比透磁率特性を有するトロイダルコアに巻線を
施したトロイダル型コイル(以下コイルと称す)1を、
後で熱可塑性樹脂を用いてインジェクション樹脂成形を
行う焼入れ鋼で作ったマガジン2の、封止コイル12の
リード端子5を挿通取付ける貫通孔8に通し、多数個の
封止コイル12をマガジンに取付ける。ついでコイルが
設置されたマガジン2を図4の成形用金型の下型7に備
え付ける。成形用金型の上型が閉められる。この状態に
おいて成形用金型の下型、上型のコイル取付け部分に
は、ばねで押出されたピンがコイルの両側から出てコイ
ルの内径を支持し、下型と上型の間にコイルは保持され
る。封止成形するための熱可塑性樹脂がコイルの周囲に
注入されると、ピンは樹脂に押されコイルの周囲は熱可
塑性樹脂により包まれ、封止成形が施される。熱可塑性
樹脂による樹脂の材料、コイルの大きさにより成形温
度、射出圧、型締圧等が決められる。成形完了後、成形
用金型の下型7よりマガジン2がエジェクトされ、それ
を金型から取出し、マガジンから成形品の封止コイルが
取出され、封止コイルの樹脂成形作業が完了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した封止コイルの
製造方法においては、コイルのリード端子をマガジンに
組込む際に、マガジンに設けられたリード端子を通す貫
通孔の直径は、リード端子の線径とほぼ同じ径の孔とな
っているため、リード端子を貫通孔に通すのに非常に困
難である。一方挿入し易くするため貫通孔の径を大きく
し過ぎると、樹脂による封止成形の際に樹脂がリード端
子と孔との間に入り、リード端子の周りにバリを生ずる
という問題があった。又、封止成形時、成形金型の上型
と下型にコイル中央孔を保持するためのばねで内部より
押されたピンが必要である等、複雑な構造の成形金型が
必要である等の問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による封止コイル
の製造方法は、予めリード端子に取付ける絶縁ケースを
別に用意しておき、該絶縁プラスチックケースにコイル
を収納し、リード線を通す絶縁ケースの貫通孔はテーパ
穴としており、リード線差込み口側をリード端子出口側
の径より大きくし、出口側の径をリード端子の径と同じ
寸法精度とする。このような絶縁ケースを樹脂封止成形
時リード端子に通すことにより、リード端子周辺にバリ
を生ずることなく、又コイルも基板取付け面に対し位置
決めも一定となるので、精度の良い封止コイルの生産が
可能となる。
【0005】即ち本発明は、トロイダル型コイルを絶縁
樹脂で封止したリード端子を取付け基板へ実装するため
の装着部品とする封止コイルの製造方法において、封止
成形樹脂と同一材質の上面にトロイダル型コイルを設置
する溝穴と、溝穴の底面に前記トロイダル型コイルのリ
ード端子を挿通する上面の径が大きく、下面の径がリー
ド端子の径と同一に作られたテーパ穴を設けた絶縁ケー
スを用意し、前記絶縁ケースのテーパ穴にトロイダル型
コイルのリード端子を挿通してトロイダル型コイルを絶
縁ケースの溝穴に載置し、絶縁ケースを取付けたトロイ
ダル型コイルを樹脂成形用金型のマガジンの絶縁ケース
設置用穴にはめ込んで樹脂成形用金型に組込み、トロイ
ダル型コイルと絶縁ケースとを一体に封止成形樹脂によ
り封止成形することを特徴とする封止コイルの製造方法
である。
【0006】
【作用】コイル設置用の溝穴と、コイル設置用の溝穴の
底部にコイルのリード端子を貫通する孔を、リード端子
挿入口をリード端子径より大きく、リード線の出口側を
リード端子径と同じ径となるように作られたテーパ穴を
有する成形樹脂と同じ材質の樹脂材で作られた絶縁ケー
スを予め用意して用いることにより、コイルの基板実装
面からの位置決めとリード端子を通す作業を容易にし、
かつ成形金型に成形時のコイル保持用ピン構造を必要と
しない簡単な構造の成形金型により成形できる封止コイ
ルの製造方法とする。又、絶縁ケースとトロイダル型コ
イルを封止成形する樹脂を同一樹脂とすることにより、
相互の密着性を良くし、長期の使用によっても又剥離等
の生ずることなく、絶縁ケースを使用することにより従
来はリード端子の線径が変わる度にマガジンの交換が必
要であったが、本発明の製造方法とすることにより絶縁
ケースを交換するのみで樹脂成形が可能であり、マガジ
ンの交換を必要としない製造が容易な安価な封止コイル
の製造方法である。
【0007】
【実施例】図1は本発明による絶縁ケースと成形金型に
組込まれたコイルを樹脂成形するマガジン及びコイルを
示す斜視図であり、図2は本発明に用いる絶縁ケースの
平面図、及び片断面図、図3は本発明の封止コイルの外
観斜視図を示す。図2に示す絶縁ケース4は、トロイダ
ル型コイル1を組込むために使用するもので、コイルを
封止成形する樹脂と同じ材質の、例えばポリエチレンテ
レフタレート等のプラスチック樹脂で形成され、絶縁ケ
ースには上面にコイルを設置する溝穴10を設け、溝穴
10の底面にはコイルのリード端子を組込むためのテー
パ穴9が設けられており、テーパ穴は溝穴側の径が大き
く、下面のマガジンに接する部分の径はリード端子の径
とほぼ同じ径となっている。図1はコイルを絶縁ケース
に組込み、更に絶縁ケース設置用穴11を取付けたマガ
ジン3に組込むまでの構成を示したものである。巻線さ
れたコイル1のリード端子5を絶縁ケース4のテーパ穴
9に挿入した後、コイル設着用の溝穴10に確実にコイ
ル1を収納した後、マガジン3の絶縁ケース設置用穴1
1にコイルの組込まれた絶縁ケース4を組込む。絶縁ケ
ース4の組込まれたマガジン3は、図4に示す成形用金
型の下型7に設置する。上型金型を組込んだ後、金型を
型閉めし、成形を行う。樹脂成形は絶縁ケースの基板設
置面を除き、コイル及び絶縁ケース面を一体封止成形す
る。成形完了後、金型が自動型開きし、マガジン3がエ
ジェクトされる。エジェクトされたマガジン3から封止
コイルの成形品を取出し成形作業が完了する。これを繰
返し、生産を行う。
【0008】
【発明の効果】本発明による封止コイルの製造方法は、
コイルを樹脂により封止成形する際、予めコイルを固定
する溝穴と、溝穴の底面にリード端子を通す貫通孔を設
けた絶縁ケースを用いて成形するので、成形作業工程に
おいてコイルをマガジンに設置する際に、位置決めを正
確にできる、又コイルを位置決めするピンを金型に取付
ける必要がない、製造が容易な封止コイルの製造方法と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による封止コイルの製造方法を示す組立
外観斜視図。
【図2】本発明による封止コイルの絶縁ケースで、図2
の(a)は平面図、図2の(b)は部分断面図。
【図3】本発明による封止コイルの外観斜視図。
【図4】本発明による封止コイルの製造方法を示す成形
用金型及びマガジンを示す外観斜視図。
【図5】従来の封止コイルの製造方法を示す外観斜視
図。
【符号の説明】
1 トロイダル型コイル 2,3 マガジン 4 絶縁ケース 5 リード端子 6 成形用金型の上型 7 成形用金型の下型 8 貫通孔 9 テーパ穴 10 溝穴 11 絶縁ケース設置用穴 12 封止コイル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロイダル型コイルを絶縁樹脂で封止し
    たリード端子を取付け基板へ実装するための装着部品と
    する封止コイルの製造方法において、封止成形樹脂と同
    一材質の上面にトロイダル型コイルを設置する溝穴と、
    溝穴の底面に前記トロイダル型コイルのリード端子を挿
    通する上面の径が大きく、下面の径がリード端子の径と
    同一に作られたテーパ穴を設けた絶縁ケースを用意し、
    前記絶縁ケースのテーパ穴にトロイダル型コイルのリー
    ド端子を挿通してトロイダル型コイルを絶縁ケースの溝
    穴に載置し、絶縁ケースを取付けたトロイダル型コイル
    を樹脂成形用金型のマガジンの絶縁ケース設置用穴には
    め込んで樹脂成形用金型に組込み、トロイダル型コイル
    と絶縁ケースとを一体に封止成形樹脂により封止成形す
    ることを特徴とする封止コイルの製造方法。
JP27695991A 1991-09-27 1991-09-27 封止コイルの製造方法 Expired - Lifetime JP2934079B2 (ja)

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JPH0590058A JPH0590058A (ja) 1993-04-09
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