JP2933780B2 - 二成分系電子写真用現像剤 - Google Patents

二成分系電子写真用現像剤

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JP2933780B2
JP2933780B2 JP4198701A JP19870192A JP2933780B2 JP 2933780 B2 JP2933780 B2 JP 2933780B2 JP 4198701 A JP4198701 A JP 4198701A JP 19870192 A JP19870192 A JP 19870192A JP 2933780 B2 JP2933780 B2 JP 2933780B2
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resin
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洋 木梨
研吉 原
政友 林
真司 三田
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Kanto Denka Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二成分系電子写真用現
像剤に関するものであり、詳しくは、長期間の使用に際
しても、高画質を保つことができる二成分系電子写真用
現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、光導電現象を利用し感光
体面に静電潜像を形成し、これを現像剤で現像化し、転
写用紙等に定着せしめるものである。従来より、静電潜
像を可視化するためには、カスケード法や磁気ブラシ法
等で知られるように、キャリアとトナーを混合した二成
分系現像剤が使用されている。二成分系現像剤のキャリ
アはトナーとの摩擦帯電により、トナーと共に所望の極
性状態及び帯電状態にされる。このため、キャリアはそ
のコア材の表面が樹脂で被覆され、その帯電量や極性が
制御され、所望の帯電特性が付与されている。
【0003】二成分系電子写真用現像剤の問題として
は、その反復使用により、樹脂被覆層の磨耗、及びコア
材表面からのコート樹脂の剥離、またトナーのスペント
化等のため、キャリアの帯電特性や抵抗値等に変化が生
じ、現像化に悪影響を与えることである。実際、本発明
者等は、このような樹脂層の磨耗、剥離、またはトナー
のスペンド化現象を、走査型電子顕微鏡(SEM)写真
で追跡確認し、またX線分析やカーボン分析、静抵抗値
測定等によっても長期間の使用に伴うキャリアの経時的
変化等の悪影響も解析した。
【0004】従来、上記のようなキャリアの不具合を解
決するため、種々の方法が提案されている。例えば、耐
久性に優れた被覆樹脂を使用する方法、キャリアのコア
材と樹脂との密着性を添加剤等により高める方法、又は
装置上のキャリアにかかるストレスを軽減する方法等が
挙げられる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記キ
ャリアの改良方法には、キャリアのコア材の表面性状と
被覆樹脂の密着性とに関する技術は充分に示されておら
ず、一般に、平滑面、凸部を有した凹凸面、或いはスポ
ンジ状に孔を有した面等の成形されたままのコア材を用
いて、その改良を図っている。このため、キャリアのコ
ア材の表面全体が平滑であると、樹脂コーティングにお
ける接着性や樹脂の剥離に対する悪影響が大きく、キャ
リア特性に変化が生じ易い。また、コア材の表面に多数
の凸部(大きな面積の凸部を有し、凹部の少ないも
の。)を有していると、上記と同様にキャリア特性が変
化し易く、現像剤として不都合を生じる。スポンジ状の
コア材では、コーティング操作上、コート量の調節が難
しい等の問題がある。従って、本発明の目的は、キャリ
アの被覆樹脂の耐磨耗性及び耐久性を高め、キャリアの
帯電特性や抵抗値特性等における経時的変化を少なくし
て、初期の画質を長期間の使用後も維持できる二成分系
電子写真用現像剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、コア材の
表面状態をSEM写真等の分析方法によって確認しなが
ら、特性変化の少ないキャリアを製造するには、どのよ
うな条件を必要とするか模索し、製造への応用に鋭意検
討をした結果、コア材の表面を特定の形状状態に処理す
ることによって、キャリアが極めて耐久性を有し、これ
を二成分系電子写真用現像剤に用いることにより、上記
目的を達成しうることを知見した。即ち、本発明は、上
記知見に基づいて、トナーとキャリアとからなる二成分
系電子写真用現像剤において、上記キャリアが、表面に
多数のデンプルを形成したコア材と、該コア材の表面を
被覆する被覆樹脂とからなり、かつ該コア材の表面に形
成された該デンプルが次の(1)〜(3)の条件を満た
ことを特徴とする二成分系電子写真用現像剤を提供す
るものである。(1)デンプルの最長径Sとコア材粒子の直径Lとの長
さの比率S/Lが、0.03〜0.15 (2)デンプルの最大深さTとデンプルの最長径Sとの
長さの比率T/Sが、0.1〜0.6 (3)隣接デンプル間の平均距離Wとコア材粒子の直径
Lとの長さの比率W/Lが、0.05〜0.20 また、上記コア材のデンプルが、物理的処理もしくは化
学的処理、又はこれらの組合せ処理によって形成されて
いる。このような二成分系電子写真用現像剤は、長期間
の反復使用においてもそのキャリア被覆樹脂の磨耗や剥
離が少なく、これはSEM写真等の分析によって実証さ
れ、初期の画質を保ち、高品質の画像を複写紙上に常に
提供することも明らかとなった。
【0006】以下、本発明に係る二成分系電子写真用現
像剤について詳述する。尚、図1は、(a) が本発明に係
る二成分系電子写真用現像剤に用いるキャリアのコア材
の平面図であり、(b) が(a) のI−I線に沿った部分断
面図であり、図2は、コア材表面に形成されるデンプル
を示した側面図である。本発明の二成分系電子写真用現
像剤は、基本的にトナーとキャリアとからなり、キャリ
アは表面に多数のデンプルが形成されたコア材と、該コ
ア材の表面を被覆する被覆樹脂とからなる。トナーは、
キャリアの帯電特性に合わせて、正帯電トナーでも負帯
電トナーでもよく、また黒又はカラートナーであっても
よく、それ自体公知のトナーを使用することができ、市
販のトナーを使用してもよい。トナーとキャリアとの混
合量も特に制限されるものではないが、好ましくは、キ
ャリア1000重量部に対してトナー30〜70重量部
であることが望ましい。
【0007】キャリアにおけるコア材としては、図1に
示す如く、略球状であることがの望ましく、その平均粒
子径が30〜100μmが望ましい。コア材1 は、鉄
粉、フェライト、及びマグネタイトより選ばれる少なく
とも1種以上のコア材1 であることが好ましく、対象と
なるハード条件によって使い分けられるが、デンプル形
成の容易さや、現像トルクの軽減ために、特にフェライ
ト粒子を用いることが望ましい。
【0008】後述する方法によって、コア材1 表面に形
成されるデンプル2 は、図2に示す如く、楕円形状又は
球形状のくぼみが望ましく、デンプル2 の最長径S(デ
ンプルの長軸方向の長さ)と、コア材粒子の直径Lとの
長さ比率(デンプル2 の最長径S/コア材粒子直径L)
が0.03〜0.15、特に0.08〜0.12の範囲
であることが望ましい。上記範囲を下回ると、被覆樹脂
の剥離が大となり、上記範囲を超えると、樹脂コート量
によるキャリアの抵抗値特性等の管理が困難となる。コ
ア材1 表面のデンプル2 の最大深さTと、上記デンプル
2 最長径Sとの長さ比率(最大深さT/最長径S)は、
0.1〜0.6、特に0.3〜0.5の範囲であること
が望ましい。上記深さを下回ると、コア材1 表面が平滑
なものと余り変わりがなく、被覆樹脂の剥離が起こり易
くなり、上記範囲を超えると、樹脂コート量によるキャ
リアの抵抗値特性等の管理が難しくなる。また、隣接デ
ンプル2 間の平均距離Wは、コア材1 の粒子直径Lに対
して0.05〜0.20倍特に0.10〜0.15倍の
範囲であることが望ましい。上記範囲を下回ると、樹脂
コート量によるキャリアの抵抗値特性等の管理が困難と
なり、上記範囲を超えると、被覆樹脂の剥離が大とな
る。
【0009】また上記デンプル2 は、物理的処理もしく
は化学的処理、又はこれらの組合せ処理によって形成さ
れていることが望ましく、特に物理的処理と化学的処理
を組み合わせた処理により形成されるデンプル2 が望ま
しい。デンプル2 形成の為の物理的処理は、圧縮、剪
断、衝撃、摩擦のいずれか或いはこれらの組合せ処理で
あり、これらの処理としては、ボールミル、振動ミル、
サンドミル、パルベライザ、アトライタ、ヘンシェル型
ミキサー等の機器から選ばれる少なくとも1種以上の機
器を使用して行うことができる。
【0010】化学的処理は、焼結、凝集、浸漬、加熱、
電気分解のいずれか或いはこれらの組合せなどによる処
理であり、具体的には、蒸発凝集法、気相反応法、溶媒
蒸発法、沈澱法等の粉体生成プロセスを始めとして、造
粒、表面改質等の各種プロセスが挙げられ、特に好まし
い基本的表面処理方法としては、流動化状態のコア材1
粒子に酸性液(その他の浸食液を含む。)をスプレーす
ることによるデンプル2 形成法が挙げられる。本発明に
於けるデンプル2 形成処理は、上記物理的処理と化学的
処理とを組合わせた処理方法が望ましく、厳密にはこれ
らを組合わせた中間的な処理が望ましく、SEM等で走
査しながら、上記諸条件を備えてデンプル2 がコア材1
に形成されるように各処理を適宜組み合わせる。
【0011】キャリアの被覆樹脂は、それ自体公知の樹
脂でよく、従来からキャリアコート樹脂として用いられ
るものであれば、その使用に制限されることはない。例
えば、シリコーン系樹脂(シリコーン樹脂及びその誘導
体)、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹
脂、メタアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル系樹脂、フェ
ノール系樹脂等が挙げられ、これらは、単独或いは組み
合わせて使用することができ、また共重合体として使用
することもできる。上記被覆樹脂によるコア材1 のコー
ト方法は、最も基本的な方法で被覆する場合、樹脂をト
ルエン等の一般的な溶剤に分散又は溶解させ、その被覆
樹脂溶液を調製し、上記処理コア材1 をこの調製溶液に
浸漬させるか、或いは、予めコア材1 を流動化させた状
態でこの調製溶液をスプレーすることによって行う。被
覆後は熱処理等の適切な乾燥処理によって被覆層を固着
安定化させることが望ましい。上記樹脂の被覆量は、樹
脂の種類及びキャリアに要求される帯電特性によって相
違するが、通常、コア材1 の重量に対して0.2乃至
1.2wt%の範囲が望ましい。
【0012】このような二成分系電子写真用現像剤は、
上記キャリアの被覆樹脂が機械的ストレスを受けてもコ
ア材1 の表面からの剥離がほとんど見られず、長期間の
反復使用においても被覆樹脂の磨耗や剥離が少ない。こ
れは後述のSEM写真等の分析によって実証され、また
画質評価においても、初期の画質を保ち、高品質の画像
を連続使用後も複写紙上に形成する。
【0013】
〔実施例1〕
・キャリアの作製 初期原料として、予め10μm以下に整粒した金属酸化
物をそれぞれFe2 3 :MgO:ZnO:MnO2
CuO=47:28:20:1:4モル%の割合で用意
し、三井三池製作所のヘンシェル型ミキサーで混合した
後、キルンにて900℃、3時間の仮焼成を行った。仮
焼成により準スピネル化反応した粉末を水と混合し、ボ
ールミルで8時間粉砕した。この水溶液に、バインダー
(ポリビニルアルコール)及び分散剤を数重量%添加
し、スラリー状溶液とした。このスラリーをスプレード
ライヤーにて造粒乾燥(必要によりニーダーにより適宜
な大きさの粒子に造粒)した。造粒したペレットを13
20℃の電気炉にて4時間焼成し、適度な一次粒子によ
り構成されるフェライト粉末を作成した。これをジャイ
ロシフターによって篩別し、所望の粒度と抵抗値を有す
るキャリア粒子(ノンコートのコア材)を得た。
【0014】焼結時の一次粒子の結晶成長により一次粒
子間の接合面に凹部を生じるが、この生成割合は原料の
性状、添加物、仮焼成、焼成、粉砕等の諸条件によって
制御される。このため、上記操作により得られたコア材
の表面性状をSEM像によって確認した。これに基づ
き、コア材のデンプル処理の条件(強さ、時間)を設定
した。例えば、最も基本的に仕上がったキャリア用粒子
(コア材)10Kgに対し、三木プーリ(株)製の40
0Wボールミルで110rpm、1時間の物理的処理を
行い以下の本発明に係るデンプル型のコア材を製造し
た。 ・コア材の平均粒子径100μm、デンプルの最長径/
コア材の粒子の直径の比率0.10、デンプルの最大深
さ/コア材の粒子の直径の比率0.4、隣接デンプル間
の平均距離/コア材の粒子の直径0.12である。
【0015】上記物理的処理後のコア材100重量部に
対し、メチル−ジメチルシリコーン樹脂(東レダウコー
ニング(株)製のSR2410)0.75重量部をトル
エンに分散させ、樹脂溶液(コーティング溶液)を調製
した。この樹脂溶液を流動コーティング装置を用いて上
記コア材にスプレーコートする。その後、流動層にて約
290℃で約30分間の熱処理を行い、樹脂コートキャ
リアを製造した。
【0016】・二成分系電子写真用現像剤の作製及び評
価 このようにして得られた被覆キャリア1000重量部に
対して、市販の黒トナー55重量部を5リッターのV型
ブレンダーで混合して二成分系現像剤を得て、市販のO
PC感光体を有する電子写真複写機で連続実写テストを
行った。その結果、100,000枚後においても初期
の画質と大差なく、カブリも少なく、画像濃度の高い複
写画像が得られた。またSEMにより、初期と100,
000枚の連続実写テスト後のキャリア表面におけるコ
ート剤の磨耗や剥離を観察した結果、100,000枚
後でも初期と殆ど変わらない表面状態であることを確認
した。更に、X線分析による表面ケイ素(Si)の分析
及びキャリアの静抵抗値の測定によっても変化の少ない
ことを確認した。
【0017】〔実施例2〕市販の表面平滑で球形フェラ
イト材(D.M.Steward 社製)10Kgに対し、自作の流
動コーティング装置で流動化させ、希塩酸500mlを
スプレー後洗浄し、一連の化学的処理によって、以下の
本発明に係るデンプル型コア材を製造した。 ・コア材の平均粒子径80μm、デンプルの最長径/コ
ア材の粒子の直径の比率0.15、デンプルの最大深さ
/コア材の粒子の直径の比率0.6、隣接デンプル間の
平均距離/コア材の粒子の直径0.20である。上記コ
ア材に実施例1と同様な樹脂被覆したキャリアと実施例
1と同様なトナーとを混合し、二成分系現像剤を製造
し、同様な実写テストを行った。この結果、100,0
00枚後でも初期画質と殆ど変わらない高品質画像が得
られた。
【0018】〔比較例1〕表面性状が一様に平滑である
コア材、即ちデンプルを有しないコア材に樹脂コートす
る以外は、実施例1と同様な方法で二成分系現像剤を作
製し、同様な実写テストを行った。この結果、初期画像
濃度は充分であるが、実写テストが進むにしたがって、
カブリが増加し、画質のベタムラも目立つようになっ
た。またSEMによるキャリアの表面像を確認した結
果、コート剤の磨耗が観察され、X線での表面ケイ素の
減少も、他の実施例に比して多かった。
【0019】
【発明の効果】本発明に係る二成分系電子写真用現像剤
は、キャリアの被覆樹脂の耐磨耗性及び耐久性を高め、
キャリアの帯電特性や抵抗値特性等における経時的変化
を少なして、初期の画質を長期間の使用においても維持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) が本発明に係る二成分系電子写真用現像剤
のキャリアのコア材の平面図、(b) が(a) のI−I線に
沿った断面図である。
【図2】本発明に係る二成分系電子写真用現像剤のキャ
リアのコア材の側面図である。
【符号の説明】
1 コア材 2 デンプル L コア材の直径 S デンプルの最長径 T デンプルの最大深さ W 隣接するデンプル間の平均距離
フロントページの続き (72)発明者 林 政友 群馬県渋川市金井425番地 関東電化工 業株式会社研究開発センター内 (72)発明者 三田 真司 群馬県渋川市金井425番地 関東電化工 業株式会社研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平3−229271(JP,A) 特開 昭64−88557(JP,A) 特開 昭61−140953(JP,A) 特開 昭57−168256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/113

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーとキャリアとからなる二成分系電
    子写真用現像剤において、上記キャリアが、表面に多数
    のデンプルを形成したコア材と、該コア材の表面を被覆
    する被覆樹脂とからなり、かつ該コア材の表面に形成さ
    れた該デンプルが次の(1)〜(3)の条件を満たす
    とを特徴とする二成分系電子写真用現像剤。(1)デンプルの最長径Sとコア材粒子の直径Lとの長
    さの比率S/Lが、0.03〜0.15 (2)デンプルの最大深さTとデンプルの最長径Sとの
    長さの比率T/Sが、0.1〜0.6 (3)隣接デンプル間の平均距離Wとコア材粒子の直径
    Lとの長さの比率W/Lが、0.05〜0.20
  2. 【請求項2】 上記コア材のデンプルが、物理的処理も
    しくは化学的処理、又はこれらの組合せ処理によって形
    成されている請求項1記載の二成分系電子写真用現像
    剤。
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