JP2933733B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

誘導電動機の制御装置

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JP2933733B2
JP2933733B2 JP3028126A JP2812691A JP2933733B2 JP 2933733 B2 JP2933733 B2 JP 2933733B2 JP 3028126 A JP3028126 A JP 3028126A JP 2812691 A JP2812691 A JP 2812691A JP 2933733 B2 JP2933733 B2 JP 2933733B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、誘導電動機の1次周
波数を制御する制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は、例えば、文献(パワーエレクト
ロニクス入門,第8,3節,オーム社発行、昭和59年)
に示されている従来の誘導電動機の制御装置を示す構成
図である。図8において、1は誘導電動機、21は誘導電
動機1を可変周波数で駆動するためのトランジスタイン
バータ回路、22は周波数指令発生器、23は周波数指令発
生器22に接続された関数発生器、24は周波数指令発生器
22及び関数発生器23に接続された1次電圧指令発生回
路、25は1次電圧指令発生回路24に接続されたPWM回
路である。
【0003】まず、この制御装置による誘導電動機の周
波数制御の原理について説明する。図9は、公知の誘導
電動機の1相あたりのT形等価回路である。図におい
て、R1 は1次抵抗、R2 は2次抵抗、 1は1次漏れ
インダクタンス、 2は2次漏れインダクタンス、Mは
1次2次相互インダクタンス、ω1 は1次周波数、ωS
はすべり周波数、V1 は1次電圧、E0 は空隙誘起電
圧、I1 は1次電流、I2は2次電流である。まず、空
隙磁束Φ0 は、誘起電圧E0 と1次周波数ω1 とから決
まり、電圧の時間積分が磁束となるから、(1)式が成
り立つ。
【0004】
【数1】
【0005】この磁束Φ0 に作用してトルクを発生する
電流I2rは、2次電流I2 のうちの有効分、すなわち、
誘起電圧E0 と同相成分であることに注意すると、I2r
は図9より(2)式となる。
【0006】
【数2】
【0007】また、誘導電動機の発生トルクTeは磁束
Φ0 と電流I2rの積に比例するので(3)式が成り立
つ。
【0008】
【数3】
【0009】但し、Kは比例定数である。次に、(1)
式,(2)式を(3)式に代入すると(4)式が得られ
る。
【0010】
【数4】
【0011】(4)式より、E0/ω1を一定に制御する
と、発生トルクTeはすべり周波数ωSに依存して変化
する。このとき、最大トルクTmax は、(4)式をすべ
り周波数ωSで微分し、その分子を零とすれば(5)式
となる。
【0012】
【数5】
【0013】従って、最大トルクTmax は、E0/ω1
一定であれば、ω1 の変化に無関係となる。ところで、
実際には、誘起電圧E0 を簡単に検出することができな
いので、1次電圧V1 をω1 に比例させ、V1/ω1の値
を一定に制御する、所謂、V/F一定制御方式が通常、
用いられる。この場合、1次周波数ω1 が低い領域では
1次抵抗R1 による電圧降下が1次電圧V1 に対して無
視できなくなるので、低い周波数領域ではR11に相当
する電圧分だけ予めV1 を大きくする方法が用いられ
る。
【0014】次に、図8の制御装置の動作について説明
する。まず、関数発生器23は、上記の理由により、図10
の実線で示すような関数関係に基づいて、周波数指令発
生器22から出力される1次周波数指令ω1* を入力し
て、1次電圧の振幅指令V1* を出力する。次に、1次
電圧指令発生回路24は、1次電圧の振幅指令V1* と1
次周波数指令ω1* とから、(6)式の演算を行なって
誘導電動機の各1次巻線に印加すべき1次電圧指令V1u
*,V1v*,V1w*を出力する。
【0015】
【数6】
【0016】次に、PWM回路25は、これらの1次電圧
指令V1u*,V1v*,V1w*に応じて、トランジスタイ
ンバータ回路21を構成するトランジスタ(図示しない)
のオン・オフ動作を制御するベース信号を発生し、その
結果、実際に誘導電動機1に印加される1次電圧指令V
1u,V1v,V1wはそれぞれの指令に追従するように制御
される。従って、1次周波数指令ω1* に応じて、誘導
電動機1の周波数すなわち回転速度を制御することが可
能である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の誘導電動機の制
御装置は以上のように構成されているので、従来回転時
に大きな発生トルクが必要な場合には、1次抵抗R1
よる電圧降下分を補正するために、図10のように1次電
圧の振幅指令V1* を電圧降下分だけ予め高く設定する
必要がある。しかし、1次抵抗R1 は温度によって値が
変化するため、電圧降下分を正確に補正することが困難
である。そのため、電圧補正分が実際の電圧降下分より
小さい場合、誘導電動機に定常的に負荷トルクが印加さ
れていると低速回転時の発生トルクが不足するので、誘
導電動機を起動できず、逆に、電圧補正分が大きい場合
は低速回転時に大きな1次電流が流れ過電流からインバ
ータ回路を保護するために、インバータ回路の動作を停
止させねばならないといった問題点があった。また、発
生トルクは同じでも、誘導電動機で駆動される機械が異
なると全体の慣性モーメントが異なるので誘導電動機の
回転速度の変化率が異なる。このため、1次周波数指令
ω1* の変化率を適切に調整しないと誘導電動機の加減
速がω1* に従って正常に行なえないという問題点があ
った。この発明は上記のような問題点を解決するために
なされたもので、低速回転時において、トルク不足や過
電流の問題を生じず、また、誘導電動機によって駆動さ
れる機械や1次周波数指令ω1* の変化率によらず、誘
導電動機の回転速度を常に安定に制御できる誘導電動機
の制御装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に係る誘導電動
機の制御装置は、誘導電動機と、該誘導電動機の1次電
流を検出するための電流検出器と、上記誘導電動機を可
変周波数で駆動する可変周波数電力変換回路と、1次周
波数指令値及び励磁電流指令値を入力して上記誘導電動
機の無負荷電圧指令値を出力する無負荷電圧演算回路
と、上記1次電流と上記1次周波数指令値と上記励磁電
流指令値とを入力し、負荷トルクの変化に応じて励磁電
流の変化を考慮して、上記誘導電動機の発生トルクが大
きい定常状態において上記誘導電動機内部で発生する1
次磁束の実際値が上記励磁電流指令値と上記誘導電動機
の1次自己インダクタンスとの積で与えられる1次磁束
の設定値と一致したときに零となるような誤差電流成分
を演算する誤差電流成分演算回路と、上記1次周波数指
令値と上記誤差電流成分演算回路の出力を入力して、上
記誤差電流成分の値を零に近づけるような補正電圧を演
算する補正電圧演算回路と、上記1次周波数指令値と上
記無負荷電圧指令値と上記補正電圧とを入力して上記誘
導電動機の1次電圧指令値を演算して上記可変周波数電
力変換回路へ出力する1次電圧指令演算回路とを備えた
ものである。
【0019】
【作 用】この発明においては、無負荷電圧演算回路に
よって、誘導電動機の無負荷電圧が出力される。また、
誤差電流成分演算回路によって、上記誘導電動機の内部
で発生する1次磁束の実際値が励磁電流指令値と上記誘
導電動機の1次自己インダクタンスとの積で与えられる
1次磁束の指令値と一致したときに零となるような誤差
電流成分が出力される。次に、補正電圧演算回路によっ
て、上記誤差電流成分を零に近づけるような補正電圧が
出力される。さらに、1次電圧指令演算回路によって、
上記誘導電動機の1次電圧指令値が出力される。そし
て、可変周波数電力変換回路によって、上記誘導電動機
に印加される1次電圧の実際値が上記1次電圧指令値に
追随するように制御される。
【0020】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の一実施例の全体を示すブロック
図であり、1,22は従来装置のものと全く同一のもので
ある。図1において、2は誘導電動機1に流れる1次電
流を検出する電流検出器、3は誘導電動機1の前段に設
けられた可変周波数電力変換回路であって、この変換回
路3は例えば従来装置におけるトランジスタインバータ
回路21とPWM回路25とから構成される。4は励磁電流
指令設定器、5は励磁電流指令設定器5及び周波数指令
発生器22に接続され、無負荷電圧指令を出力する無負荷
電圧演算回路、6は電流検出器2、励磁電流指令設定器
4及び周波数指令発生器22に接続され、励磁電流指令値
と誘導電動機1の1次電流に基づいて誤差電流成分を演
算する誤差電流成分演算回路、7は誤差電流成分演算回
路6及び周波数指令発生器22に接続され、補正電圧を演
算する補正電圧演算回路、8は補正電圧演算回路7、無
負荷電圧演算回路5及び周波数指令発生器22に接続さ
れ、無負荷電圧指令に補正電圧とに基づいて1次電圧指
令を出力する1次電圧指令演算回路である。
【0021】図2は上述した無負荷電圧演算回路5の詳
細な構成を示すブロック図である。図2において、無負
荷電圧演算回路5は、周波数指令発生器22に接続された
入力端子10と、励磁電流指令設定器4に接続された入力
端子11と、入力端子11に接続された係数器12と、入力端
子10と係数器12に接続された乗算器13と、乗算器13に接
続された出力端子14から構成されている。図3は、上述
した誤差電流成分演算回路6の詳細な構成を示すブロッ
ク図である。図3において、誤差電流成分演算回路6
は、励磁電流指令設定器4に接続された入力端子30と、
電流検出器2に接続された入力端子31および32と、周波
数指令発生器22に接続された入力端子33と、係数器34,3
5,36,47および50と、加算器37,45および52と、V/Fコ
ンバータ38と、カウンタ39と、ROM40と、乗算形D/
Aコンバータ41〜44と、減算器46,48および53と、乗算
器49と、割算器51と、出力端子54〜56とから構成されて
いる。図4は、上述した補正電圧演算回路7の詳細な構
成を示すブロック図である。図4において、補正電圧演
算回路7は、誤差電流成分演算回路6に接続された入力
端子60,61 および63と、周波数指令発生器22に接続され
た入力端子62と、係数器64,68および71と、増幅器65お
よび67と、加算器66,70および72と、乗算器69と、出力
端子73および74とから構成されている。図5は、上述し
た1次電圧指令演算回路8の詳細な構成を示すブロック
図である。図8において、1次電圧指令演算回路8は、
補正電圧演算回路7に接続された入力端子80および81
と、、無負荷電圧演算回路5に接続された入力端子82
と、周波数指令発生器22に接続された入力端子83と、加
算器84,93 および96と、V/Fコンバータ85と、カウン
タ86と、ROM87と、乗算形D/Aコンバータ88〜91
と、減算器92および95と、係数器94,97〜99と、出力端
子100〜102 とから構成されている。
【0022】さて、実施例の動作の説明に移る前に、こ
の発明における誘導電動機の制御方式について説明す
る。公知のように誘導電動機1に印加される1次電圧V
1u,V1v,V1wは直交座標軸(αーβ座標軸とする)上
の成分V1α,V1β に(7)式の関係式を用いて変換で
きる。
【0023】
【数7】
【0024】但し、V1α:1次電圧のα軸成分、 V1
β:1次電圧のβ軸成分逆に、V1α,V1β は(7)式
より、(8)式の関係式を用いてV1u,V1v,V1wに変
換できる。
【0025】
【数8】
【0026】また、1次電流I1u,I1v,I1wとα軸
成分I1α、β軸成分I1βとの間にも、同様の関係式が
成り立ち、夫々(9)式,(10)式で示される。
【0027】
【数9】
【0028】
【数10】
【0029】次に、αーβ座標軸におけるおける誘導電
動機の電圧・電流方程式は公知のように(11)式で示
される。
【0030】
【数11】
【0031】但し、L1,L2はそれぞれ誘導電動機の1
次,2次自己インダクタンス、I2α,I2β はそれぞれ
2次電流のα軸,β軸成分、ωm は回転速度、Pは微分
演算子(=d/dt)である。次に、(11)式を1次
周波数ω1 で回転する回転座標軸(d−q座標軸とす
る)上の関係式に変換するために夫々(12)式〜(1
4)式で示される座標回転の式を用いる。
【0032】
【数12】
【0033】
【数13】
【0034】
【数14】
【0035】
【数15】
【0036】(12)式〜(14)式を(11)式に代
入してV1α,V1β,I1α,I1β,I2α,I2β を消去す
ると(16)式が得られる。
【0037】
【数16】
【0038】
【数17】
【0039】次に、1次磁束Φ1 のd,q軸成分Φ1d,
Φ1q は公知のように(18)式で示される。
【0040】
【数18】
【0041】(18)式を(16)式に代入してI2d,
2qを消去すると夫々(19)式及び(20)式が得ら
れる。
【0042】
【数19】
【0043】
【数20】
【0044】
【数21】
【0045】次に、2次磁束Φ2 のd,q軸成分は(2
2)式で示される。
【0046】
【数22】
【0047】(18)式,(22)式からI2d,I2q
消去すると(23)式が得られる。
【0048】
【数23】
【0049】さらに、(23)式を(20)式に代入し
てI1d,I1q を消去すると(24)式が得られる。
【0050】
【数24】
【0051】 但し、 T2 =L2 /R2 ;2次時定数 次に、(24)式の両辺を微分すると右辺にPΦ1d,P
Φ1qの項が生じるので、(19)式を用いてPΦ1d,P
Φ1q を消去すると(25)式が得られる。
【0052】
【数25】
【0053】さらに、(24)式を(25)式に代入し
てΦ1d1q を消去し、行列式を用いて表現すると(2
6)式が得られる。
【0054】
【数26】
【0055】ここで(26)式の特性方程式は(27)
式となり、
【0056】
【数27】
【0057】固有角周波数ωn1,減衰率ζn1は(28)
式で与えられる。
【0058】
【数28】
【0059】従って、ω1 が大きくなる程、減衰率ζn
が小さくなるため、PΦ2d,PΦ2q ひいては2次磁束Φ
2d2q の応答が振動的となる。そこで、減衰率を大き
くしてこの振動を抑制するために、(26)式を(2
9)式のように変形する。
【0060】
【数29】
【0061】すると、特性方程式は(30)式となり、
【0062】
【数30】
【0063】固有角周波数ωn2,減衰率ζn2は(31)
式で与えられる。
【0064】
【数31】
【0065】従って、制御ゲインKcd,Kcq の値を調節
することにより、 PΦ2d,PΦ2q の応答のダンピング
特性を改善することができる。次に(29)式におい
て、PΦ2d,PΦ2q が零に収束するためには、Aで示さ
れた項が零でなければならない。すなわち、(32)式
に従ってV1d,V1q を制御する必要がある。
【0066】
【数32】
【0067】さて、(32)式の右辺には、Φ2d2q
などの2次磁束の成分に関する項が含まれるため、(3
2)式の演算を行なうためには何らかの方法で2次磁束
を検出する必要があるが、ここでは、1次磁束Φ1 は設
定値通りに一定に制御されているものとし、(33)式
を仮定する。
【0068】
【数33】
【0069】但し、I1d*は励磁電流指令値である。そ
して、(33)式を利用してΦ2d2q を演算する。ま
ず、(33)式を(23)式に代入すると、(34)式
が得られる。
【0070】
【数34】
【0071】次に、(33)式を(20)式に代入する
と(35)式が得られる。
【0072】
【数35】
【0073】さらに、(33)式,(35)式を(2
4)式に代入すると(36)式が得られる。
【0074】
【数36】
【0075】ここで、さらに定常状態を考え、P(ωs
Φ2q) の値を零とみなすと、(34)式,(35)
式,(36)式を(32)式に代入することにより(3
7)式が得られる。
【0076】
【数37】
【0077】但し、
【0078】
【数38】
【0079】
【数39】
【0080】ところで、定常状態においては、PΦ2d,
PI1q の値は零となるので、(36)式より(39)
式で与えられるIerr の値も零となることがわかる。す
なわち、(33)式が成立する場合には、Ierr の値は
零となる。また、(37)式より、I1d*,I1d,I1q
得られれば、Φ2dやΦ2qを検出することなしに、V1d,
1q を演算できることがわかる。さらに(37)式に
応じて誘導電動機の1次電圧を制御する場合の制御系の
応答特性は制御ゲインKcd,Kcq の値を調整することに
より決定できることがわかる。
【0081】次に、上述した一実施例の動作を図2〜図
5を参照しながら説明する。まず、図2で示すように、
無負荷電圧指令V1q0* が、乗算器13によって出力され
る。すなわち、励磁電流指令設定器4から入力端子11を
経由して出力された励磁電流指令I1d*を係数器12に入
力した後、この係数器12の出力と周波数指令発生器22か
ら入力端子10を経由して入力された1次周波数指令ω1
* と乗算器13によって乗算すると(37)式のV1q
式の右辺の第2項に相当する無負荷電圧指令V1q0
(=L1ω1*I1d* )が求められ出力端子14から出力
される。
【0082】次に、図3で示すように、誤差電流成分I
err、1次電流のd軸およびq軸成分I1d およびI1q
が、誤差電流成分演算回路6から出力される。すなわ
ち、電流検出器2によって検出された誘導電動機1の1
次電流I1uおよびI1vをそれぞれ入力端子31および32に
入力すると、係数器34〜36および加算器37によって
(9)式の演算が行われ、係数器34および加算器37から
それぞれ1次電流のα軸及びβ軸成分I1α及びI1βが
出力される。一方、周波数指令発生器22から出力された
アナログ量の1次周波数指令ω1* を入力端子33を経由
してV/Fコンバータ38に入力すると、周波数が1次周
波数指令ω1* に比例したパルス列の信号が得られ、カ
ウンタ39によって1次周波数指令ω1* の時間積分値で
あるディジタル量の角度指令θ1* が求められ、sinθ1
*およびcosθ1*の値が記憶されたROM40のアドレス
として入力される。すると、ROM40からsinθ1*およ
びcosθ1*のディジタル量が出力される。つづいて、係
数器34および加算器37から出力された1次電流のα軸及
びβ軸成分I1αおよびI1βと、ROM40から出力され
たsinθ1*およびcosθ1*のディジタル量を乗算形D/
Aコンバータ41〜44に入力して乗算、アナログ変換した
後、加算器45および減算器46に入力すると(13)式の
逆演算式である(40)式の演算が行われ、1次電流の
d軸およびq軸成分I1dおよびI1qが求められる。
【0083】
【数40】
【0084】 つづいて、これらのI1dおよびI1qと、
励磁電流指令設定器4から入力端子30を経由して入力さ
れた励磁電流指令I1d*から、係数器47および50と、乗
算器49と、割算器51と、加算器52と減算器53とによって
(39)式の演算が行われ、減算器53の出力として得ら
れる誤差電流成分Ierr が出力端子54から出力される。
また、加算器45および減算器46の出力として得られるI
1dおよびI1qがそれぞれ、出力端子55および56から出力
される。
【0085】次に、図4で示すように、d軸およびq軸
の補正電圧成分△V1dおよび△V1qが、補正電圧成分演
算回路7から出力される。すなわち、誤差電流成分演算
回路6から入力端子60,61および63をそれぞれ経由して
1次電流のd軸成分I1d、誤差電流成分Ierr および1
次電流のq軸成分I1qが入力される。すると、係数器64
と、増幅器65と加算器66によって、(37)式のV1d
式の右辺の演算が行われ、d軸の補正電圧成分△V1d
して出力端子73から出力される。一方、誤差電流成分I
err と、周波数指令発生器22から入力端子62を経由して
入力された1次周波数指令ω1* とから、増幅器67と、
係数器68と、乗算器69と加算器70とによって、(37)
式のV1qの式の右辺の第3項の演算が行われ、係数器71
によって、(37)式のV1qの式の右辺の第1項の演算
が行われる。つづいて、加算器70および係数器71の出力
を加算器72で加算すると、(37)式のV1qの式の右辺
の第2項の電圧、すなわち、無負荷電圧を除く電圧成分
がq軸の補正電圧成分△V1qとして出力端子74から出力
される。
【0086】次に、図5で示すように、1次電圧指令V
1u*,V1v* およびV1w*が1次電圧指令演算回路8か
ら出力される。すなわち、補正電圧成分演算回路7から
入力端子80および81を経由して、それぞれd軸およびq
軸の補正電圧成分△V1d,△V1qが入力される。ここ
で、(37)式からわかるように、1次電圧のd軸成分
1dは無負荷時には零となるので、△V1dは1次電圧の
d軸成分指令V1d*とみなすことができる。一方、加算
器84によって、無負荷電圧演算回路5から入力端子82を
経由して入力された無負荷電圧指令V1q0* と、q軸の
補正電圧成分△V1qとが加算され、(37)式のV1q
式の右辺の演算が行われ、1次電圧のq軸成分指令V1q
*として出力される。つづいて、入力端子83を経由して
周波数指令発生器22から1次周波数指令ω1* を入力す
ると、上述した補正電流成分演算回路6と同じ動作によ
って、ROM87からsinθ1*およびcosθ1*のディジタ
ル値が出力される。そして、入力端子80を経由して入力
された1次電圧のd軸成分指令V1d*および加算器84か
ら出力された1次電圧のq軸成分指令V1q*と、ROM
87から出力されたsinθ1*およびcosθ1*のディジタル
量を乗算形D/Aコンバータ88〜91に入力して乗算、ア
ナログ変換した後、減算器92および加算器93に入力する
と、(12)式の演算が行われ、1次電圧のα軸成分指
令V1α*およびβ軸成分指令V1β*が求められる。つ
づいて、係数器94,97〜99と、減算器95および加算器96
によって、(8)式の演算が行われ、出力端子100〜102
からそれぞれ、1次電圧指令V1u*,V1v*およびV1w
*が出力される。つづいて、これらの1次電圧指令V1u
*,V1v*およびV1w*を可変周波数電力変換回路3に
入力すると、従来装置と同様の動作によって誘導電動機
1に印加される1次電圧の実際値がそれぞれ、これらの
1次電圧指令に追従するように制御される。
【0087】なお、上記の実施例では、1次抵抗R1
よる電圧降下分を1次電流のd軸およびq軸成分I1d,
1q を用いて補正電圧演算回路中で補正するものを示
したが、補正電圧演算回路7と1次電圧指令演算回路8
の構成をそれぞれ図6および図7のように変更して、上
記電圧降下分を電流検出器2により検出された1次電流
1u,I1v を用いて補正してもよい。すなわち、図6に
示されたブロック図の補正電圧演算回路7aでは、(3
7)式の誤差電流成分Ierr に関係する電圧成分のみが
演算され、d軸,q軸の補正電圧成分△V1d0,△V1q0
として出力される。つまり、△V1d0,△V1q0は(4
1)式で与えられる。
【0088】
【数41】
【0089】つづいて、これらの補正電圧成分△
1d0,△V1q0を入力端子80aおよび81aを付与して図
7に示されたブロック図の1次電圧指令演算回路8aに
入力すると、係数器97〜99からそれぞれ1次抵抗R1
よる電圧降下分を無視した1次電圧指令V1u*,V1v
およびV1w*が出力される。次に、入力端子103 を経由
して電流検出器2から出力されたu相の1次電流を係数
器107 を入力するとu相の1次抵抗R1 による電圧降下
分VRuが得られるので、加算器110 によってV1u0* と
加算すると出力端子100 から1次抵抗R1 による電圧降
下分を含むu相の1次電圧指令V1u*が出力される。同
様にして入力端子104 を経由して電流検出器2から出力
されたV相の1次電流を係数器108 に入力すると、加算
器111 によって1次抵抗R1 による抵抗降下分を含むV
相の1次電圧指令V1v*が求められ、出力端子101 から
出力される。次に、w相については、まず、公知の(4
2)式を利用して、加算器105 および符号反転器106 に
よって、1次電流I1u,I1v から、W相の1次電流I1w
が求められる。つづいて係数器109 および加算器112 に
よって1次抵抗R1 による電圧降下分を含むw相の1次
電圧指令V1w*が求められ、出力端子102 から出力され
る。
【0090】
【数42】
【0091】あるいは、他の実施例として1次抵抗R1
による電圧降下分を1次電流のα軸およびβ軸成分I1
α,I1β を用いて、上記の実施例2と同様に、1次電
圧指令演算回路中で補正してもよい。
【0092】ところで、(39)式で示された誤差電流
err は誘導電動機1の1次磁束の実際値が設定値L1
1d* に一致しないと零でなくなるので、図4あるい
は図6で示された補正電圧演算回路において増幅器65お
よび67のゲインKcd,Kcqを充分高く設定するか、ある
いは増幅器としてPI演算形のものを用いると、1次抵
抗R1 による電圧降下分を上述した実施例のように1次
電流を利用して補正しなくても、誤差電流Ierr の値の
ほぼ零となるように制御されるので、1次磁束の実際値
は設定値L11d*とほぼ一致する。従って、この場合
には1次抵抗R1 による電圧降下分を1次電流を利用し
て補正しなくてもよい。さらに、無負荷電圧演算回路に
おいて従来の装置のように1次抵抗R1 による電圧降下
分を予め補正してもよい。
【0093】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、誘
導電動機の内部で発生する1次磁束の実際値が励磁電流
指令値と誘導電動機の1次自己インダクタンスの積で与
えられる1次磁束の設定値と一致したときに零となる誤
差電流成分を誘導電動機の1次電流から演算するととも
に、上記誤差電流成分を零に近づけるように1次電圧指
令値を補正するように構成したので、低速回転時におい
ても1次磁束が設定値と一致するように制御されるの
で、トルク不足や過電流が生じるといった従来の装置の
問題点が解決できる。また、低速回転時のみならず全速
度領域において誘導電動機の1次磁束が設定値と一致す
るように制御されるので、誘導電動機によって駆動され
る機械や、1次周波数指令ω 1 *の変化率によらず、誘導
電動機の回転速度を常に安定に制御できる。さらに、1
次磁束の実際値と設定値との偏差を電流の誤差として演
算する構成にしたので、1次磁束の実際値を直接検出す
る必要がないので、制御回路構成が簡単で、制御装置を
安価にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の全体を示すブロック図で
ある。
【図2】この発明の一実施例の無負荷電圧演算回路の構
成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施例の誤差電流成分演算回路の
構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の一実施例の補正電圧演算回路の構成
を示すブロック図である。
【図5】この発明の一実施例の1次電圧指令演算回路の
構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の他の実施例の補正電圧演算回路の構
成を示すブロック図である。
【図7】この発明の他の実施例の1次電圧指令演算回路
の構成を示すブロック図である。
【図8】従来の装置の構成を示すブロック図である。
【図9】誘導電動機の1相あたりのT形等価回路であ
る。
【図10】従来の装置の関数発生器のパターン図であ
る。
【符号の説明】 1 誘導電動機 2 電流検出器 3 可変周波数電力変換回路 4 励磁電流指令設定器 5 無負荷電圧演算回路 6 誤差電流成分演算回路 7 補正電圧演算回路 8 1次電圧指令演算回路 22 周波数指令発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機と、 該誘導電動機の1次電流を検出するための電流検出器
    と、 上記誘導電動機を可変周波数で駆動する可変周波数電力
    変換回路と、 1次周波数指令値及び励磁電流指令値を入力して上記誘
    導電動機の無負荷電圧指令値を出力する無負荷電圧演算
    回路と、 上記1次電流と上記1次周波数指令値と上記励磁電流指
    令値とを入力し、負荷トルクの変化に応じて励磁電流の
    変化を考慮して、上記誘導電動機の発生トルクが大きい
    定常状態において上記誘導電動機内部で発生する1次磁
    束の実際値が上記励磁電流指令値と上記誘導電動機の1
    次自己インダクタンスとの積で与えられる1次磁束の設
    定値と一致したときに零となるような誤差電流成分を演
    算する誤差電流成分演算回路と、 上記1次周波数指令値と上記誤差電流成分演算回路の出
    力を入力して、上記誤差電流成分の値を零に近づけるよ
    うな補正電圧を演算する補正電圧演算回路と、 上記1次周波数指令値と上記無負荷電圧指令値と上記補
    正電圧とを入力して上記誘導電動機の1次電圧指令値を
    演算して上記可変周波数電力変換回路へ出力する1次電
    圧指令演算回路とを備えたことを特徴とする誘導電動機
    の制御装置。
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