JP2933718B2 - 空気パージ機構を使用した液体冷却システム - Google Patents

空気パージ機構を使用した液体冷却システム

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 この発明は電気部品のための漏れ耐性液体冷却システ
ムに関する。
先行技術において、そのような液体冷却システムの1
つが本譲受人に譲渡された米国特許第4,698,728号に記
載される。そこでは、液体冷却剤が大気圧以下で或る導
管を経て電気部品を通り過ぎて導かれる。導管の内側の
液体の圧力は導管の外側の大気圧より低いため、もし漏
れが発生すると空気は導管に吸い上げられる。その結
果、いかなる液体冷却剤も漏らされない。
しかしながら、空気が導管内に入った後、そこから空
気はなんとかしてパージされなければならない。さもな
ければ、もし空気が冷却剤に混入されたままにされる
と、冷却剤がシステムを介して移動する速度が減じら
れ、ゆえにシステムの冷却能力を減ずる。さらに、空気
は、電気部品の周りの冷却ジャケットにおける通路のよ
うな、冷却システムの或る臨界通路に閉じ込められ得、
それは冷却システムにおけるホットスポットの原因とな
る。
上に言及された特許第'728号において、空気がそれに
よって冷却剤から除去される好ましい機構が、図2A−図
2Dとともに例示されかつ説明されている。しかしなが
ら、その機構では、液体冷却剤を導管を介して循環させ
るポンプは一時的にオフにされ、それから空気パージ動
作を実行するために再びオンにされなければならない。
そのようなポンプの動作における中断は望ましくな
い、なぜならばそれはシステムを介して冷却剤が流れる
速度を一時的に低下させ、かつゆえに電気部品が冷却さ
れる速度を低下させるからである。さらに、ポンプをオ
フからオンに切換えることは冷却回路全体に圧力サージ
を生み出し、ゆえにそれは冷却回路部品およびおれらの
ジョイントに応力を加える。さらに、ポンプをオフから
オンに切換えることは、冷却システムの電源から引き出
される電力における段階的増加を生み出し、したがっ
て、電源は冷却されている電気部品に対するいかなる供
給電圧においても有害な過渡現象が発生しないことを保
証するための補償を含まなければならない。
したがって、この発明の主な目的は、上に説明された
欠陥が排除される改良された漏れ耐性冷却システムを提
供することである。
発明の簡単な概要 この発明に従って、電気部品のための漏れ耐性液体冷
却システムは、冷却回路を含み、それは液体冷却剤を電
気部品を通ってかつパージタンクの底部チャンバを介し
て循環させるポンプおよび導管を含む。このパージタン
クは通路を介して底部チャンバに接続される頂部チャン
バも有し、底部チャンバは、液体冷却剤が冷却剤中のい
かなる気泡も浮力によって通路を介して頂部チャンバに
上昇かつ移動するのに十分に低い速度でそれを介して通
過するような大きさにされる。さらに、頂部チャンバは
それぞれのバルブに関して入口ポートおよび出口ポート
を有し、空気は液体冷却剤を入口ポートを介して押し込
むことによって出口ポートを介して頂部チャンバからパ
ージされる。これが発生すると、冷却剤は電気部品を通
って冷却剤回路を介してポンプで送り出され続ける。し
たがって、冷却回路全体にわたる圧力は一定にとどま
り、電気部品に対する供給電圧も一定にとどまる。さら
に、頂部チャンバから空気をすばやくパージするため
に、パージタンクチャンバの間の通路は頂部チャンバか
ら底部チャンバへの冷却剤の流れを妨げるように締め付
けられ、一方で冷却剤は頂部チャンバに押し込まれる。
さらにまた、冷却回路は、大気圧で冷却剤の供給を保持
するリザーバと、冷却剤を負圧でリザーバから電気部品
を通ってかつ底部チャンバを介して吸い上げるポンプに
おける入口と、正圧で冷却剤をリザーバへ復帰させるポ
ンプにおける出口とを含んでいる。
図面の簡単な説明 この発明の種々の特徴および利点は添付の図面ととも
にここに説明され、 図1はこの発明の好ましい実施例の構造を詳細に例示
し、 図2A−図2Dはいかに図1の実施例が液体冷却剤から空
気をパージする動作をするかを例示し、さらに 図3A−図3Bは図1に実施例の変形例の構造および動作
を例示する。
発明の詳細の説明 ここで図1を参照すると、この発明に従って構成され
る液体冷却システムの好ましい実施例が説明される。図
1において、冷却システムが冷却する電気部品が参照数
字10で示される。それらはたとえばハイパワーランプま
たはトランジスタのような、いかなる熱発生電気部品で
もあり得る。これらの部品を冷却するために、液体冷却
剤LCは構成要素11−20からなる回路を経てそれらを通っ
て循環される。
構成要素11は大気圧で冷却剤を保持するリザーバであ
る。構成要素12はリザーバ11から電気部品10を保持する
冷却ジャケット13へ冷却剤を運ぶ導管である。構成要素
14は冷却ジャケットからパージタンク15へ冷却剤を運ぶ
導管である。このタンクは頂部チャンバ15aおよび底部
チャンバ15bを有する。チャンバ15bを液体冷却剤を導管
14から受け取り、導管16を介してポンプ17の入口に冷却
剤を送る。ポンプ17の出口からの冷却剤は導管18、熱交
換器19、および導管20を経てリザーバ12に再び送られ
る。
パージタンク15において、分割部材15cがチャンバ15a
および15bを分離する。しかしながら、部材15cは通路15
dを有し、それは冷却剤に混入されたいかなる気泡も底
部チャンバ15bから頂部チャンバ15aに浮力によって通過
させることが可能にされる。気泡を通路に方向づけるた
めに、分割部材15cは通路に向かって上方向に先細にさ
れる。
さらに頂部チャンバ15aにはセンサ21が含まれ、それ
は或る量の空気が頂部チャンバに蓄積されたときを検出
する。それが発生すると、蓄積された空気は頂部チャン
バ15aから幾らかの追加的な構成要素22−25を経てパー
ジされる。構成要素22は導管であり、構成要素23はセン
サ21からの制御信号に応答して開く電気−機械的制御バ
ルブであり、構成要素24はチャンバ15aの入口ポートへ
の導管であり、構成要素25は大気に開放された、頂部チ
ャンバ15aの出口ポート上のワンウェイバルブである。
ここで図2A−図2Dを考察すると、それらは上に説明さ
れたシステムの構成要素がいかに相互作用するかという
ことの詳細をすべて示す。図2Aにおいて、いかなる気泡
も液体冷却剤に混入されない。したがって、冷却剤がパ
ージタンクの底部チャンバ15bを介して通過するとき、
いかなる泡も通路15dを通って上昇せず、頂部チャンバ1
5aにおける空気の量は一定のままである。
次に構成要素12−14の1つに漏れが発生すると仮定す
る。それが発生すると、空気は漏れ構成要素に吸い込ま
れる、なぜなら構成要素12−14における冷却剤は大気圧
以下であるからである。リザーバ11における冷却剤は大
気圧であり、その基準点からの圧力降下が構成要素12−
14において、冷却剤がそれらを介してポンプ17によって
吸い込まれる際に発生する。その結果、いかなる冷却剤
も漏れが発現したとき構成要素12−14から漏らされな
い。
混入された空気を伴う冷却剤がパージタンクの底部チ
ャンバ15bを介して通過すると、冷却剤の速度は遅くな
る。この底部チャンバ15bは冷却剤に混入されたいかな
る気泡も浮力によって通路15dを介して上昇しかつ移動
するようにさせるのに十分に低い速度で冷却剤がそれを
通過するような大きさにされる。これらの気泡およびそ
の通路を介しての動きは参照数字30によって図2Bに示さ
れる。
パージタンクにおける気泡が頂部チャンバ15aに入る
と、そのチャンバにおける圧力は底部チャンバ15bにお
ける圧力を僅かに超えて上昇する。この圧力差のため、
頂部チャンバ15aにおける液体冷却剤の少量が通過15dを
介して底部チャンバに押し込まれる。液体のこの流れは
2つのチャンバ15aおよび15bにおける圧力を再度等しく
する。
構成要素12−14における漏れが続くならば、頂部チャ
ンバ15aにおける液体冷却剤のレベルは或るレベルまで
結局は降下し、それはセンサ21のプローブ21aによって
検出される。それが発生すると、センサは導体21bでの
制御信号をバルブ23に送り、それはバルブを開放させ
る。これは図2Cにおいて発生するように示される。
バルブ23が開放されると、液体冷却剤はリザーバ11か
らバルブ23を介して頂部チャンバ15aに通過する。これ
は頂部チャンバ15aにおける圧力が上昇することを引き
起こす。頂部チャンバ15aにおける圧力が大気圧に達す
ると、ワンウェイバルブ25が開き、空気は頂部チャンバ
15aから大気へ流出する。これは図2Dに例示される。セ
ンサ21がプローブ21cによって、頂部チャンバ15aにおけ
る液体冷却剤が予め定められた高レベルに復帰したとい
うことを検出すると、バルブ23は閉じられる。
バルブ23が開かれるとき、液体冷却剤のレベルを頂部
チャンバ15aにおいて上昇させるために、バルブ23を介
しての冷却剤の流れの速度は通過15dを介しての冷却剤
の流れの速度よりも速いことが必要である。この制約は
通路15dをバルブ23よりも実質的に小さい大きさにする
ことによって満たされる。
しかしながら同時に、通路15dは、通路を介して通過
する気泡における浮力が、通路が気泡に及ぼす表面張力
を超過するように、十分に大きく保たれなければならな
い。もし通路15dが円形であるならば、気泡に対する表
面張力はFs=2πrδと表示され得、かつ気泡の浮力は
Fd=(4/3)ρgπr3と表わされ得る。これらの方程式
において、rは通路15dの半径であり、ρは液体冷却剤
の濃度であり、δは液体冷却剤の単位流さ当りの表面張
力である。もし冷却剤が水であるならば、δは0.0726ニ
ュートン/メートルに等しく、かつρは998kg/m3に等し
い。これらの値を上の方程式のFdおよびFsに代入する
と、rは0.131インチよりも大きくなければならないと
いう制約をもたらす。
上に説明された冷却システムの主な特徴は、図2A−図
2Dの気泡除去動作全体にわたって、冷却剤が本質的に定
常速度および圧力で回路構成要素11−20を介して動くと
いうことである。このように、電気部品10は一定の予め
定められた速度で冷却される。さらに、いかなる圧力過
渡現象もないということは構成要素11−20における応力
を減ずる。さらに、ポンプ17はオフおよびオンに切換え
られないため、ポンプ17および電気部品10に電力供給す
る電源(図示されず)からの電力サージまたは電圧過渡
現象は避けられる。
図3Aおよび図3Bをここで参照すると、それらは先に説
明された実施例に2つの変形を組み入れたこの発明の別
の実施例の構造および動作を例示する。これらの変形の
1つは、通路15dが異なった通路15eに置換えられること
である。通路15eはバルブのない小さな開口15fおよびパ
ージタンクの頂部チャンバに開放されたワンウェイバル
ブ15hによって締め付けられる大きい開口15gとからな
る。第2の変形は、構成要素22、23、および24は構成要
素22a、23a、および24aによって置換えられ、それらは
液体冷却剤をポンプ17の正圧出口ポートからパージタン
クの頂部チャンバ15aの入口ポートへ渡す。すべての他
の構成要素は先に説明された実施例から変更されないま
まである。
動作において、気泡30が底部チャンバ15bに発生する
と、それらはワンウェイバルブ15hを開き大きな開口15g
を通過する。同時に、液体冷却剤は頂部チャンバ15aか
ら底部チャンバ15bへ小さな開口15fを介して通過し、ゆ
えに2つのチャンバの間の圧力は等しくされる。これは
図3Aにおいて例示される。
続いて、液体冷却剤が頂部チャンバ15aに送りこま
れ、そのチャンバからの空気を除去するとき、バルブ15
hは閉じられる。これは図3Bに例示される。結果とし
て、液体冷却剤は構成要素22a−24aを経て、小さな開口
15fを経てよりもよりすばやく頂部チャンバに入り、ゆ
えに、頂部チャンバにおける冷却剤は急速に上昇する。
その結果、バルブ23aは閉じ、冷却剤は頂部チャンバ15a
から底部チャンバ15bへ小さな開口15fを介して、これら
の2つのチャンバにおける圧力が等しくなるまで通過す
る。それが発生すると、底部チャンバ15bにおけるいか
なる気泡も再びワンウェイバルブ15hを介して頂部チャ
ンバへ上昇かつ通過し得る。
この発明の種々の好ましい実施例がここで詳細に説明
されてきた。しかしながらさらに、この発明の本質およ
び精神から逸脱することなく多くの変更および変形はこ
れらの実施例に加えられ得る。
たとえば、図3Aおよび図3Bの実施例の上の説明から、
バルブ15hは小さな開口15fとともに、漏れる単一のバル
ブとして本質的に動作するということがわかる。その結
果、別の変形として、開口15fは排除されかつバルブ15h
が漏れがちなバルブまたは完全には締まらないバルブで
置換えられ得る。
したがって、この発明は説明された好ましい実施例に
限定されるのではなく、添付の請求の範囲によって規定
されるということが理解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バッカー,ヨハン・ピーター アメリカ合衆国、48387 ミシガン州、 ユニオン・レイク、バーレイ・ストリー ト、2440 (56)参考文献 特開 平1−25447(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 7/20 F25D 9/00 H01L 23/46

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気部品を冷却するためのシステムであっ
    て、 通路を介して相互接続される頂部チャンバおよび底部チ
    ャンバを有するパージタンクと、 前記電気部品を通って前記底部チャンバを介して液体冷
    却剤を循環させるポンプおよび導管を含む冷却回路とを
    含み、 前記底部チャンバは前記冷却剤におけるいかなる気泡も
    浮力によって前記通路を経て前記頂部チャンバへ上昇し
    かつ動くようにさせるのに十分に低い速度で前記冷却剤
    がそれを介して通過するような大きさにされ、 前記頂部チャンバは入口ポートおよび出口ポートを有
    し、 前記冷却剤を前記入口ポートを介して高速度で押し込む
    ことによって前記頂部チャンバから前記出口ポートを介
    して空気を除去し、それと同時に前記冷却剤を前記冷却
    回路を介して送り出す制御手段をさらに含み、 前記通路は前記頂部チャンバから前記底部チャンバへの
    前記冷却剤のいかなる流れも低速度に制限し、一方で前
    記冷却剤は前記頂部チャンバに押し込まれるように強制
    され、 前記冷却回路は、大気圧で前記冷却剤の供給を保持する
    リザーバと、前記冷却剤を負圧で前記リザーバから前記
    電気部品を通ってかつ前記底部チャンバを介して吸い上
    げる前記ポンプにおける入口と、正圧で前記冷却剤を前
    記リザーバへ復帰させる前記ポンプにおける出口とを含
    む、システム。
  2. 【請求項2】前記通路はバルブのないかつ前記冷却剤の
    流れを前記低速度に制限する大きさの単一の開口からな
    る、請求項1に記載のシステム。
  3. 【請求項3】前記通路は2つの開口からなり、一方はバ
    ルブがなくかつ他方は前記頂部チャンバに開放されたワ
    ンウェイバルブによって締め付けられる、請求項1に記
    載のシステム。
  4. 【請求項4】前記通路は前記頂部チャンバに開放され、
    かつ完全には締まらないワンウェイバルブによって締め
    付けられる単一の開口からなる、請求項1に記載のシス
    テム。
  5. 【請求項5】前記通路はバルブのない1つの開口と、前
    記頂部チャンバに開放されるワンウェイバルブによって
    締め付けられる別の開口とからなる、請求項1に記載の
    システム。
  6. 【請求項6】前記底部チャンバは前記頂部チャンバに向
    かって上方向に先細にされ、前記泡を前記通路に向け
    る、請求項5に記載のシステム。
  7. 【請求項7】前記回路は前記液体のためのリザーバを含
    み、前記リザーバおよび前記パージタンクは単一の閉鎖
    ユニットに統合され、そこでは1つの分割部材が前記リ
    ザーバを前記頂部チャンバから分離し、別の分割部材が
    前記頂部チャンバを前記底部チャンバから分離する、請
    求項6に記載のシステム。
  8. 【請求項8】前記制御手段は或る量の空気が前記頂部チ
    ャンバに蓄積されたときを示す制御信号を発生するため
    のセンサと、前記リザーバから前記入口ポートへのパイ
    プと、前記制御信号に応答して開く前記パイプにおける
    バルブとを含む、請求項7に記載のシステム。
  9. 【請求項9】前記制御手段は前記頂部チャンバに或る量
    の空気が蓄積されたときを示す制御信号を発生するセン
    サと、大気圧での前記冷却剤のリザーバと、前記リザー
    バから前記入口ポートへのパイプと、前記制御信号に応
    答して開く前記パイプにおけるバルブとを含む、請求項
    1に記載のシステム。
  10. 【請求項10】前記制御手段は前記頂部チャンバに或る
    量の空気が蓄積されたときを示す制御信号を発生するセ
    ンサと、前記ポンプにおける正圧出口から前記入口ポー
    トへのパイプと、前記制御信号に応答して開く前記パイ
    プにおけるバルブとを含む、請求項1に記載のシステ
    ム。
  11. 【請求項11】前記底部チャンバは前記頂部チャンバに
    向かって上方向に先細にされ、前記泡を前記通路に向け
    る、請求項1に記載のシステム。
  12. 【請求項12】前記冷却剤のための前記パージタンクお
    よびリザーブは単一の閉鎖ユニットに統合され、そこで
    は1つの分割部材が前記リザーバを前記頂部チャンバか
    ら分離し、別の分割部材が前記頂部チャンバを前記底部
    チャンバから分離する、請求項1に記載のシステム。
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