JP2933687B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP2933687B2
JP2933687B2 JP2190160A JP19016090A JP2933687B2 JP 2933687 B2 JP2933687 B2 JP 2933687B2 JP 2190160 A JP2190160 A JP 2190160A JP 19016090 A JP19016090 A JP 19016090A JP 2933687 B2 JP2933687 B2 JP 2933687B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トナー担持体の表面にトナーを担持して搬
送し、潜像担持体と前記トナー担持体が互いに対向した
現像領域にて、潜像担持体に形成された静電潜像をトナ
ー担持体に担持されたトナーによって可視像化する現像
装置に関する。
〔従来の技術〕
潜像担持体に形成された静電潜像を可視像化して記録
画像を得る電子複写機、レーザプリンタ或いはファクシ
ミリ等の画像形成装置においては、必要に応じて補助剤
を混合したトナー、すなわち一成分系現像剤を用いる現
像装置を採用することは従来より周知である。
この形式の現像装置として、トナー担持体に対してス
ポンジローラを圧接回転せしめ、トナーをトナー担持体
に供給担持させるようにした、例えば、特開昭61−4267
2号公報に開示された技術が提案されている。
かかる現像装置は、キャリアを含む二成分系現像剤を
用いる現像装置に比べ、装置の維持管理を簡素化でき、
装置の構造を小型化できる利点が得られる。
ところで、一成分系現像剤を用いる現像装置におい
て、所定濃度の高品質な可視像を形成するには、必要と
される程度まで充分に帯電したトナーを、必要量現像領
域へ搬送し、かかるトナーによって潜像を可視像化する
必要がある。ところが従来のこの種の現像装置によって
はこの要求を満たすことが難しく、現像領域へ充分な量
のトナーを搬送することは艱難であった。
トナー担持体とスポンジローラとの間の相互の摩擦帯
電で、トナーをトナー担持体に担持させる前述した従来
の現像装置では、現像領域へ搬送されるトナーの量は0.
1乃至0.3mg/cm2程度であるが、白黒画像の場合、通常、
転写紙上には0.4乃至0.5mg/cm2程度のトナー付着量が必
要であるため、現像領域へ搬送されるトナー量が不足す
る。
そこで、トナー担持体の線速を潜像担持体の線速の3
乃至4倍程度にして現像領域へ搬送できるトナー量を増
大させる構成も採用されているが、このようにすると、
潜像担持体上に形成されたベタ画像の潜像担持体移動方
向後端側だけが他の部分に比べて濃度が異常に高くなる
「後端トナー寄り」と称せられる現像が発生し、その画
質が低下する。
カラー現像の場合、上述の「後端トナー寄り」につい
て、特に大きな問題となり、画像後端部に色違いとなっ
て現われる。これを解決しようとすれば、トナー担持体
の線速を潜像担持体の線速に近づけることが必要になっ
てくるが、このようにすればトナー担持体上のトナー量
が少なくなり、従来の現像装置ではこの解決策に対応で
きなかった。カラートナーは黒トナーに比べて着色度が
小さいという色特性を有しており、黒トナーよりも更に
多い付着量が必要である。例えば潜像担持体とトナー担
持体とを略等しい線速にした場合、トナー担持体上に0.
6以上、特に0.8乃至1.2mg/cm2程度のトナー付着量が必
要とされている。潜像担持体上の地汚れを防止すべく、
トナー担持体の線速を潜像担持体のそれよりも多少速く
したときも、トナー担持体上には0.4mg/cm2程度のトナ
ー付着量は必要であり、従来の現像装置ではこれに対応
することはできない。
トナー担持体の表面に凹凸を形成し、これらの凹凸に
トナーを充填させて担持し、現像領域へ搬送されるトナ
ーの量を増大させた現像装置も提案されている。ところ
がこの構成によると、搬送できるトナー量は増大するも
のの、搬送されるトナー中には帯電不足のトナーが多量
に含まれているため、これによって形成された可視像の
画質が低下する恐れがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記点に鑑みなされたものであって、必要量
のトナーを充分に帯電させて現像領域に搬送し、高画質
の記録画像を得ることができる現像装置を提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した
形式の現像装置において、トナー担持体が、導電性の基
体と、該基体上に形成された摩擦帯電性の異なる第1及
び第2の誘電物質とを有し、これら誘電物質はトナー担
持体の表面に混在露出し、第1の誘電物質は前記基体に
導電接触し、かつ第1の誘電物質には半導電処理が施さ
れており、前記第1及び第2の誘電物質間に微小閉電界
が形成されるように、トナー担持体の表面を帯電する帯
電部材が付設されている現像装置を提案する。
また、トナー担持体の第1の誘電物質にはカーボン分
散処理により半導電処理が施され、その体積固有抵抗率
が105乃至1012Ωcmの範囲に設定されていると有利であ
る。
さらに、トナー担持体に担持されて搬送されるトナー
がマイナスの電荷を有しており、前記第1の誘電物質が
カーボン分散フッ素系樹脂より成り、トナー担持体の全
表面積に対する、第2の誘電物質の露出表面積の割合
が、10乃至60%となるように構成することもできる。
また、トナー担持体に担持されて搬送されるトナーが
プラスの電荷を有しており、前記第1の誘電物質がカー
ボン分散シリコーン系樹脂より成り、トナー担持体の全
表面積に対する、第2の誘電物質の露出表面積の割合
が、10乃至60%となるように構成することもできる。
〔実施例〕
以下、本発明を一実施例に基づき説明する。
第1図において、潜像担持体の一例であるドラム状の
感光体1は矢印A方向に回転駆動され、これに対向して
本発明一実施例の現像装置2が設けられている。現像装
置2のトナー容器3内には、必要に応じて補助剤が混合
されている非磁性トナー4、すなわち非磁性の一成分系
現像剤が収容されている。トナーの体積固有抵抗率は例
えば107乃至1012Ωcm程度である。トナー容器3の前後
の側板には、該容器の開口から一部を露出した状態で現
像ローラ5が支持され、該ローラ5は感光体1に対向し
て、図における反時計方向に回転駆動される。現像ロー
ラ5はトナー担持体の一構成例をなすものであるが、か
かるローラ5の代りに無端ベルト状のトナー担持体を用
いることもできる。
またトナー容器3の前後の側板には、現像ローラ5へ
トナーを供給する働きを兼用したローラ状の帯電部材6
が支持され、該帯電部材6は現像ローラ5に接触しなが
ら例えば反時計方向に回転駆動される。
トナー容器3内のトナー4は、時計方向に回転するア
ジテータ7により撹拌されつつ、帯電部材6に運ばれ、
次いでこの部材6によって現像ローラ5の表面に供給さ
れる。この供給時にトナーは所定の極性、本例ではマイ
ナスに摩擦帯電され、現像ローラ5の周面に静電的に付
着し、現像ローラ5に担持される。これに関連する構成
と作用については後に詳しく説明する。
上述のように現像ローラ5の周面に供給担持されたト
ナーは、該ローラ5の回転によって搬送され、例えばス
テレンレス薄板等の支持部材8aによってトナー容器3に
支持されたドクターブレード8によって弾性的に押圧さ
れてならされ、均一な厚さに規制される。ドクターブレ
ード8は現像ローラ5上のトナーの層厚を規制する規制
部材の一例を構成する。
ドクターブレード8を通過した現像ローラ5上のトナ
ーは、感光体1と現像ローラ5とが対向する現像領域9
へ搬送され、ここで、感光体1に形成された静電潜像に
静電的に移行し、該潜像を可視像化する。
現像領域9において、現像ローラ5と感光体1との間
に、第1図の如く所定の間隙をあけ、現像ローラ5上の
トナーを、感光体1に形成された静電潜像に飛翔させて
現像を行う非接触現像方式を採用してもよいし、現像ロ
ーラ5と感光体1を接触させて現像を行う接触現像方式
を採用してもよい。
現像に供されずに現像領域9を通過したトナーは、現
像ローラ5に担持されたまま帯電部材6のところに戻さ
れる。また感光体1上に形成された可視像は図示してい
ない転写紙に転写され、定着装置によって転写紙上に定
着される。
上述した構成自体は従来の現像装置と変りはなく、か
かる従来の現像装置においては充分に帯電したトナーを
必要とされる量だけ現像領域へ搬送することが難しかっ
た。
そこで図示した現像装置2においては、その現像ロー
ラ5が第2図及び第3図に模式的に拡大して示し、かつ
第4図にその全体の外観を示したように、アルミニウム
パイプ、軟鉄、鋳鉄、ステンレススチール或いはフェラ
イトなどの導体より成る導電性基体10と、その表面に形
成された第1及び第2の誘電物質11,12とを有してい
る。第1の誘電物質11と第2の誘電物質12は摩擦帯電性
が異なり、摩擦帯電系列上、互いに離れた物質となって
いて、これらの誘電物質11,12は第3図に示す如く現像
ローラ5の表面に規則的又は不規則に混在露出してい
る。また第1の誘電物質11は第2図から判るように導電
性基体10に接触し、かつ第1の誘電物質には例えばカー
ボン分散処理による半導電処理が施されている。
本例のように、現像ローラ5に担持されて搬送される
トナーがマイナスの電荷を有しているときは、第1の誘
電物質11として、例えばカーボンの分散されたフッ素系
樹脂が用いられ、また第2の誘電物質12としてはフッ素
系樹脂とは摩擦帯電性の異なる、例えばポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリスチレンなどが用いられる。こ
のような第1の誘電物質11が、第3図に示す如く微細な
円状をなくして現像ローラ5の表面に露出している。現
像ローラ5の表面を上述のフッ素系樹脂により構成する
と、その非粘着性(離型性)によって、現像ローラ表面
にトナーが固着するフィルミング現像の発生を抑え、現
像ローラの寿命を延ばす利点も得られる。
このような現像ローラ5は、例えば次のようにして製
作できる。すなわち、先ずローラ状の導電性基体10を用
意し、その表面に、流動状態のカーボン分散フッ素系樹
脂より成る第1の誘電物質11をスプレーによって表面に
凹凸をもたせて塗布し、その硬化後に流動性をもった第
2の誘電物質12を第1の誘電物質11の上から塗布する。
次いでその硬化後に表面を研削すれば、第1及び第2の
誘電物質11,12が表面に露出した現像ローラ5が完成す
る。このとき、表面に露出した第1の誘電物質11の径は
例えば5μm乃至50μm、好ましくは10μm乃至100μ
m程度であり、また現像ローラ5の全表面積に対する、
第2の誘電物質12の露出表面積の割合は10乃至60%であ
る。これに対し、トナーの粒径は、通常5μmから20μ
m程度である。
表面に露出した各誘電物質11,12の表面形状やそのサ
イズなどは上述したものに限定されず、後述する微小閉
電界の電界強さなどを考慮して適宜設定することができ
る。
一方、現像ローラ5に接する帯電部材6は、現像ロー
ラ5の表面に接触して、第2の誘電物質12をトナーの帯
電極性と反対の極性(本例ではプラス)に摩擦帯電させ
る材料から構成されている。
第1図及び第2図に示した例では、帯電部材6が導体
の芯部材14とそのまわりに積層された円筒状の発泡体15
より成り、帯電部材6が回転し、その発泡体15が弾性変
形しながら現像ローラ5の表面に圧接している。このよ
うな帯電部材6を用いた場合、発泡体15を、上述のよう
に第2の誘電物質12をプラス極性に摩擦帯電させる材料
によって構成すればよい。例えば、前述のように第1の
誘電物質11としてカーボン分散のフッ素系樹脂を用いる
と共に、第2の誘電物質12としてポリカーボネートを用
いた場合、帯電部材6の発泡体15として、導電処理を施
した発泡ポリウレタンゴムを用いると、第2の誘電物質
12をプラス側に帯電させることができる。勿論、発泡体
15を代え、例えばファーブラシなどを用いることもでき
る。
上記構成のより詳細な作用を説明すると以下の通りで
ある。
第1図を参照して先に説明したように、現像領域9を
通過した現像ローラ部分は帯電部材6のところに移動し
て該部材6に接触する。ここで現像ローラ5上に担持さ
れている、現像に供されなかったトナーは帯電部材6か
ら受けるスキャベンジング力によって掻き落される。同
時に、現像ローラ5の第2の誘電物質12は、帯電部材6
との摩擦によってトナーの帯電極性と反対のプラスに摩
擦帯電される。すなわち、第2の誘電物質12は帯電部材
6の発泡体15と帯電系列において差があるため、プラス
側に強く帯電するのである。
このとき、現像ローラ5の第1の誘電物質11も帯電部
材6の発泡体15に強く接触するので、該誘電物質11がカ
ーボン分散のフッ素系樹脂より成り、かつ発泡体15がポ
リウレタンゴムより成るときは、第1の誘電物質11は本
来マイナスに帯電する。ところが、この誘電物質11はカ
ーボン分散処理によって半導電性となっており、しかも
導電性基体10に導電接触しているので、第1の誘電物質
11にはマイナスの電荷が蓄積することはない。
一方、帯電部材6の周面に接触しながら現像ローラ5
に運ばれるトナーは、帯電部材6との摩擦によってマイ
ナスに摩擦帯電され、現像ローラ5に供給されるが、こ
のときこの現像ローラとの摩擦によりさらにマイナスに
強く摩擦帯電される。
ここで、現像ローラ5の第2の誘電物質12は前述のよ
うにプラスに摩擦帯電し、誘電物質12に隣接して帯電し
ていない第1の誘電物質11が存在するので、第1及び第
2の誘電物質11,12間に電位差を生じる。この電位差に
従って、第1及び第2の誘電物質11,12間に第5図にお
いて符号Eで示すような閉電界が形成される。すなわ
ち、現像ローラ5の表面近傍には、現像ローラ5から出
て再び現像ローラ5に戻る無数と言える程多数の微小閉
電界(マイクロフィールド)が形成され、その際、第1
の誘電物質11と第2の誘電物質12の表面は互いに微小面
積で隣接しているので、各微小閉電界はエッジ効果ない
しは周辺電場効果によってその強度が大変強くなる。
マイナスに帯電したトナーは、かかる閉電界によって
現像ローラ5の表面に強く引かれ、該ローラ5上に多量
に離れ難い状態で保持される。その際、トナーは帯電部
材6と現像ローラとの摩擦によって強く摩擦帯電してお
り、しかも現像ローラ5の表面に強い微小閉電界の作用
で保持されるので、現像ローラ5上には高い電荷を持っ
た多量のトナーが担持される。
上述のように帯電部材6は、第1の誘電物質11と第2
の誘電物質12との間に微小閉電界を形成すべく、現像ロ
ーラ5の表面を帯電させ、かつトナーを帯電させると同
時に、トナーを現像ローラ5上に供給させる役目を兼ね
ているのである。
現像ローラ2に担持されたトナーがドクターブレード
8によって層厚を規制されるとき、帯電の充分なトナー
は微小閉電界によって現像ローラ5の表面に強く保持さ
れるが、帯電量の小なるトナーはドクターブレード8と
の接触圧によって除去され、結局、帯電量の大なるトナ
ーだけが、従来よりも多量に現像領域9へ搬送され、前
述の如く静電潜像を可視像化する。一例を示すと、可視
像の地汚れを抑制し、かつそのシャープネスを高めるべ
く、5乃至20(好ましくは8乃至15)μc/g程に帯電し
た多量のトナー(例えば0.6乃至2.0mg/cm2、好ましくは
0.8乃至1.2mg/cm2)を現像領域9へ搬送できる。よっ
て、前述の後端トナー寄りを防止すべく、現像ローラ5
の周速を感光体1の周速に近づけ、或いはこれらを等し
く設定しても、現像領域9へ搬送されるトナーの量が不
足せず、可視像の画像濃度の低下を防止できる。これ
は、トナーが黒色のときも、また有彩色のカラートナー
であるときも同様である。
現像領域9において、現像ローラ5と感光体1との間
の電界は、電極効果が大きくあり、現像ローラ5上のト
ナーが感光体1に付着し易い状態となり、効率的に現像
動作が行われる。
ところで、本発明に係る現像ローラは、先にも説明し
たようにその第1の誘電物質11が半導電処理を施され、
かつこれが導電性の基体10に導電接触し、誘電物質11に
電荷が蓄積しないように構成されているが、かかる構成
により得られる利点を以下に説明する。
ここで、第1の誘電物質11が仮に半導電処理を施され
ておらず、フッ素系樹脂のみから構成されている場合を
考えてみると、かかる誘電物質は、発泡ポリウレタンゴ
ムより成る発泡体15との接触によってマイナに帯電し、
その電荷が保持される。このように第1の誘電物質がマ
イナスに帯電しても、プラスに帯電した第2の誘電物質
12との間に微小閉電界を形成でき、マイナスに帯電した
多量のトナーを現像ローラ5に担持させることができ
る。ところが第1の誘電物質がトナーと同極性のマイナ
スに帯電していると、その電荷によってトナーは反発力
を受け、トナーの帯電極性と逆極性の第2の誘電物質2
に多量に付着する。すなわち第1の誘電物質にはほとん
ど或いは全くトナーが付着せず、第2の誘電物質12の表
面に多量のトナーが付着することになり、現像ローラ5
上のトナーの付着状態にむらができることになる。この
ようなむらのあるトナーが現像領域9に搬送されて現像
に供されると、これにより形成された可視像のベタ画像
面には、トナーの付着むらに対応する微細なあとができ
る恐れがあり、この傾向は、現像ローラ5の周速を感光
体1の周速に近づける程、顕著となる。
ところが、図示した現像装置においては、第1の誘電
物質11には、前述の構成によって、マイナスの電荷が蓄
積することはなく、現像ローラ5上に担持されたマイナ
スの電荷を有するトナーが第1の誘電物質11から反発力
を受けることはない。このため、現像ローラ5に担持さ
れたトナーは第5図に模式的に示したように第2の誘電
物質12の表面だけでなく、第1の誘電物質11の表面にも
付着し、現像ローラ5上に一様に付着することができ
る。このようにしてトナーの付着むらをなくし、或いは
このむらを抑えることができるのである。かかる付着む
らのないトナーを現像領域9に搬送して潜像を可視像化
するので、現像ローラ5と感光体1の周速が等しいとき
も、可視像に微細なあとができる不具合を阻止でき、画
質の向上を達成できる。現像ローラ5の全表面積に対す
る第2の誘電物質12の表面積の割合を前述のように10乃
至60%に設定すると、現像ローラ5上のトナーを効果的
に分散させることができ、トナーの付着むらを一層確実
に低減できる。
第1の誘電物質11の体積固有抵抗率が1012Ωcmよりも
高いと、マイナスの電荷が導電性の基体10に逃げ難くな
り、ここに電荷が蓄積するので、半導電処理を施された
第1の誘電物質11の体積固有抵抗率を1012Ωcm以下に設
定することが望ましい。
ところで、現像ローラ5の導電性基体10を単にアース
しておくだけであってもよいが、この基体10に対し、第
1図に示した電源50によって直流電圧、もしくはこれに
パルス電圧を含めた交流電圧を重畳した電圧を印加する
と有利である。例えば現像ローラ5と感光体1との間
に、直流電界に加え、矩形波のパルス電界を周波数300
乃至2000Hz、好ましくは500乃至1500Hzに設定して印加
すると、鮮明度の高い可視像が得られる。
このような電圧、特にパルス電圧を現像ローラ5に印
加した場合、このローラ5の表面に導電性基体10が一部
でも露出していると、現像ローラ5と感光体1との間に
電荷のリークを生じ、これが感光体1上の静電潜像を乱
し、可視像の画質を低下させる恐れがある。
ところが、本発明に係る現像ローラ5は、導電性基体
10の表面に第1及び第2の誘電物質11,12が積層されて
いるので、現像ローラ5に高い電圧を印加しても、上述
の電荷のリークの発生を阻止することができる。第1の
誘電物質11は半導電処理されているが、かかる誘電物質
の体積固有抵抗率が105Ωcmより低いと、現像ローラ5
と感光体1との間に放電が起きやすくなるので、第1の
誘電物質11の体積固有抵抗率を105Ωcm以上に設定すべ
きである。このようにして、現像ローラ5に充分なパル
スバイアスを印加できる。結局、第1の誘電物質11のカ
ーボン分散量を調整して、その体積固有抵抗率を105
至1012Ωcmの範囲に収めることが望ましく、これによっ
て、前述の放電(リーク)を防止し、かつ第1の誘電物
質11に電荷が蓄積することを阻止し、トナーを均一に現
像ローラ5に付着させることができるのである。
以上、トナー4をマイナスに帯電する現像装置を説明
したが、現像ローラ5に担持されて搬送されるトナー4
がプラスの電荷を有しているときは、現像ローラ5の第
1の誘電物質11として、例えばカーボン分散のシリコー
ン系樹脂を用い、第2の誘電物質12としては、シリコー
ン樹脂と摩擦帯電性が異なるテフロン、フッ素系樹脂な
どのマイナス帯電性の強い樹脂を用いることによって先
の実施例と全く同じ作用効果を得ることができる。他の
構成は先の実施例と全く同じにすることができ、現像ロ
ーラ5の全表面積に対する、テフロンなどより成る第2
の誘電物質12の露出面積の割合を10乃至60%にすること
が有利であることも変りはない。
次に、本発明のより具体的な実施例を説明する。
第1図に示した感光体1として、有機感光体を用い、
マイナスの電荷を持ったトナー4によって、現像領域9
においてネガポジ現像を行うものとする。現像ローラ5
と感光体1の間隙を100μmとし、両者の周速を共に150
mm/secとする。現像ローラ5には電源50によって直流重
畳パルスバイアスを印加する。パルスバイアスは、−50
Vの電圧部分と−800Vの電圧部分から成り、その周波数
は750Hzである。用いた現像ローラ5は、アルミニウム
のパイプより成る基体10の上に、第1の誘電物質である
カーボン分散フッ素系樹脂をスプレーで平均高さ100μ
mの凹凸をもたせて塗布した後、その上に第2の誘電物
質であるポリカーボネートを塗布し、その表面を樹脂膜
厚が50μmとなるまで研削した。ポリカーボネートの部
分は誘電性であって、プラスの電荷を蓄積する。カーボ
ン分散フッ素系樹脂部分の体積固有抵抗率は108Ωcmで
あって、電荷が蓄積しない。ポリカーボネート部分の現
像ローラ表面に占める割合は面積比で35%である。帯電
部材6として、導電処理を施した発泡ポリウレタンゴム
の発泡体15を有するローラを用い、ドクターブレード8
としてはウレタンゴムブレードを用い、これを現像ロー
ラ5に対して面当てにした。このような現像装置によっ
て、その現像ローラ5の表面に単位面積当り質量が1.1m
g/cm2、単位質量当りの電荷量が−12μc/gの均一なトナ
ー層を形成してこれを現像領域9に搬送した。ここで上
記パルスバイアスを印加しながら現像を行ったところ、
感光体1と現像ローラ5の間の放電を防止しつつ、ベタ
部の均一な良好な可視像を得ることができた。
ところでトナー担持体がベルト状のものであるときも
実施例で示したローラ状の基体10に代え、シート状の導
電性基体を用いればよく、他の構成は先の実施例と変り
はない。
また図示した実施例では、帯電部材とトナー供給部材
を兼用させたため、構成を簡素化できる利点が得られる
が、帯電部材を、現像ローラへトナーを供給する部材と
別個の部材としてもよい。
また上述した各実施例では、特にカラー現像に適した
非磁性トナーの一成分系現像剤を用いた現像装置を例示
したが、本発明は必要に応じて補助剤を外添した磁性ト
ナーより成る一成分系現像剤を用いる現像装置にも適用
できるものである。
〔発明の効果〕
請求項1に記載の構成によれば、充分に帯電した必要
量のトナーを現像領域に搬送でき、白黒画像はもとよ
り、カラー画像についても高画質のものを得ることがで
きる。またトナー担持体上にトナーを均一に付着させる
ことが可能となり、しかも潜像担持体とトナー担持体と
の間の電荷のリークを阻止でき、可視像の品質を確実に
向上できる。
請求項2乃至4に記載の構成によれば、上述の効果を
より確実に、かつ簡単に得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る現像装置の一例の全体構成を示す
断面図、第2図は現像ローラの第1及び第2誘電物質と
トナーを模式的に拡大して示した断面図、第3図は現像
ローラの表面を外から見た拡大平面図、第4図は現像ロ
ーラの外観斜視図、第5図は微小閉電界を説明する模式
図である。 2……現像装置、4……トナー 6……帯電部材、9……現像領域 10……基体、11……第1の誘電物質 12……第2の誘電物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 弘治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 高嶋 洋志 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/08 G03G 15/09

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナー担持体の表面にトナーを担持して搬
    送し、潜像担持体と前記トナー担持体が互いに対向した
    現像領域にて、該潜像担持体に形成された静電潜像をト
    ナー担持体に担持されたトナーによって可視像化する現
    像装置において、 前記トナー担持体が、導電性の基体と、該基体上に形成
    された摩擦帯電性の異なる第1及び第2の誘電物質とを
    有し、これら誘電物質はトナー担持体の表面に混在露出
    し、第1の誘電物質は前記基体に導電接触し、かつ第1
    の誘電物質には半導電処理が施されており、 前記第1及び第2の誘電物質間に微小閉電界が形成され
    るように、トナー担持体の表面を帯電する帯電部材が付
    設されていることを特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】前記トナー担持体の第1の誘電物質にはカ
    ーボン分散処理による半導電処理が施され、その体積固
    有抵抗率が105乃至1012Ωcmの範囲に設定されている請
    求項1記載の現像装置。
  3. 【請求項3】前記トナー担持体に担持されて搬送される
    トナーがマイナスの電荷を有しており、前記第1の誘電
    物質がカーボン分散フッ素系樹脂より成り、トナー担持
    体の全表面積に対する、第2の誘電物質の露出表面積の
    割合が、10乃至60%である請求項1又は2に記載の現像
    装置。
  4. 【請求項4】前記トナー担持体に担持されて搬送される
    トナーがプラスの電荷を有しており、前記第1の誘電物
    質がカーボン分散シリコーン系樹脂より成り、トナー担
    持体の全表面積に対する、第2の誘電物質の露出表面積
    の割合が、10乃至60%である請求項1又は2に記載の現
    像装置。
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