JP2932556B2 - 自動炊飯器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、洗米から炊飯までを自動的に行う自動炊飯
器に関する。

従来の技術 従来、この種の自動炊飯器は実開昭51−45989号公報
に示されているような構成となっていた。以下、その構
成について第５図を参照しながら説明する。

図に示すように、本体１の下部には米を収納する米び
つ２を設けている。この米びつ２の上方の本体１上部に
は挿脱自在の炊飯部３を設けている。前記米びつ２の底
面５の近傍から前記炊飯部３の上方に立設させたスクリ
ューガイド４は、その内部に回転自在のスクリュー６を
備えた筒体７と、この筒体７の上端部から前記炊飯部３
に向けて傾斜して突設したシュート８を備えて米計量搬
送手段を構成している。つまりこのスクリューガイド４
により、まず米びつ２内の米を炊飯部３へ計量・搬送す
る。そしてつぎに本体１の上端部に設けられた水タンク
13から、まず洗米水としてこの水タンク13の下方に伸設
した給水ホース14を介して、前記炊飯部３に備えた炊飯
鍋10内に給水する。つぎに前記炊飯鍋10内に降下させた
回転羽根11の撹拌により洗米し、さらに前記回転羽根11
の近傍で、一方の開口16を開放させ他端には排水ポンプ
17を備えた排水ホース18により、この汚れた洗米水を排
水し、この給水・排水の複数回の繰り返しにより洗米が
完了される。そして再び水タンク13から今度は炊飯水と
して炊飯鍋に給水する。その後炊飯水計量手段19により
前記排水ホース18の一方開口16の高さを調節して余分な
炊飯水を排水して炊飯水の計量を完了し、その後炊飯ヒ
ータ20の通電開始により炊飯が始められるものであっ
た。

発明が解決しようとする課題 前記従来の自動炊飯器における洗米は、炊飯鍋10内で
米とともに回転羽根11より撹拌された洗米水を、排水ホ
ース18に備えた排水ポンプ17により吸引して排水するも
のであり、炊飯鍋10内の汚れた洗米水は確実に排出され
なく、炊飯時の炊飯水に残存して美味しい御飯が炊けな
いものであった。また洗米時に水タンク13内の水の計量
手段が故障した場合、洗米部である炊飯鍋10内への水タ
ンク13からの給水が炊飯鍋10の容量を超えて給水され、
水が炊飯鍋10より溢水して炊飯鍋３の電気部品を濡ら
し、電気絶縁を劣化させてしまうものであった。

本発明は、上記課題を解決するもので、水計量手段の
故障時における洗米手段への給水においても、排水を確
実に排水経路に流して絶縁劣化などの危険を発生させな
いことにある。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明は、炊飯鍋を備えて
キャビネット本体に出没自在に設けた炊飯部と、炊飯に
用いる米を収納する米びつ部と、前記炊飯部に備える洗
米手段と、この洗米および炊飯に用いる水を貯える水タ
ンク部と、この水タンク部の水を前記洗米手段および炊
飯部に送る給水手段と、前記米びつ部に収納された米を
前記洗米手段に送る米搬送手段と、前記炊飯部の下方に
備えた排水枠と、前記米手段からの排水を前記炊飯部が
キャビネット本体に対して出没いずれの状態であっても
排水枠に導いて排出する前記炊飯部に備えた排水パイプ
と、前記排水枠の下方に位置して前記排水を貯める排水
タンクと、この排水タンク内の排水をキャビネット本体
の外方に排出する排水手段により自動炊飯器を構成した
ものである。

作用 本発明によれば、水計量手段の故障時に洗米手段へあ
らかじめ定められた水量以上の給水がなされても、排水
パイプおよび排水枠を介して排水タンクに排出されるも
のである。

実 施 例 第１図から第４図に示すように、キャビネット本体25
の一方の側面開放の前面には、その周囲を囲って前枠26
を設け、前記キャビネット本体25の上段には前枠26前面
に備えたパッキン27に当接する上扉28を一体的に備えた
炊飯部31を出没自在に設けている。この炊飯部31は前記
前枠26の内寸より若干幅狭とするとともに、炊飯鍋32,
炊飯ヒータ33,保温ヒータ34,前記炊飯鍋32のフランジ部
を載置する上枠35および蓋36を備えている。また前記蓋
36には、洗米部37を着脱自在に備えている。この洗米部
37には、円筒状の洗米筒38と、その下部には排水孔38a
を、また前記洗米筒38の下端でこの洗米筒38と内接して
水密的にシールする円錐状の弁39を備えている。なお、
この弁39はキャビネット本体25側に備えたソレノイドな
どの洗米アクチェータ40により、洗米筒38から離脱させ
て下方に押し下げられ前記洗米筒38内の洗米された米を
炊飯鍋32内に落下させるようになっている。また前記キ
ャビネット本体25の下段には前枠26に備えたパッキン27
に当接する下扉41を一体状に備えた米びつ部42を出没自
在に設けている。この米びつ部42は前記前枠26の内寸よ
り若干幅狭とするとともに、中央部に降下して向かう傾
斜状の底43の下部に、ソレノイドなどの計量アクチェー
タ44により、その上部の前記底43との連通口を開閉自在
とする開閉板45と計量室46を備える米計量部を一体状に
設けている。前記計量室46の下方にはその一端を配設さ
せた研米筒47を、この研米筒47の内部にはブラシ48と、
またこのブラシ48を回転させて研米するモータ49を備え
ている。

前記キャビネット本体25の前枠26の後方である炊飯部
31および米びつ部42の側面外方の一方には、前枠26の正
面幅より幅狭かつ中空の米搬送部50を備えている。この
米搬送部50には、前記モータ49から減速部51を介して駆
動する駆動プーリ52と、上プーリ53および下プーリ54間
の三角形状に渡し、平面状でその背面に米搬送用の突起
を付けた搬送ベルト55を内装している。この米搬送部50
には、搬送ベルト55の回動軌跡でかつ搬送ベルト55の軸
心方向である側面内側下部の前記下プーリ54の近傍には
吸入孔56を備え、前記研米筒47の他端の開口57とシュー
タ58で連通する。またこの搬送部50の前記上プーリ53近
傍には、搬送ベルト55の回動軌跡からラジアル方向の外
方に突出して米溜部59を設け、この米溜部59の下面には
内方に傾斜したガイド面60を、さらにこの米溜部59の側
面内側には排出孔61を備えて米の排出路を形成してい
る。

前記排出孔61の内方には、前記炊飯部31の洗米筒38の
上方で開口する投入孔62と連通し前記上プーリ53と同軸
で回動するコイルばね状のスパイラ63を内装する搬送筒
64を備える。

また前記投入孔62には開閉アクチェータ65により開閉
する開閉板66を備え、米の搬送通路を間欠的に閉鎖す
る。

前記炊飯部31の後方のキャビネット本体25側には水タ
ンク67を、またこの水タンク67内の水を前記洗米筒38上
方のキャビネット本体25側に備えた給水パイプ68aを介
して洗米筒38に導く給水ポンプ68を設けている。なお前
記水タンク67への上水道からの給水は、タンク給水弁69
で行われる。

また前記炊飯部31の後部には前記洗米部37の排水を排
水孔38aおよび上枠35上面を介して排出する排水パイプ7
0を設け、前記洗米部37からの排水を炊飯部31の下方の
ほぼ全面に備えた排水枠71を介して前記米びつ42の後方
に備えた排水タンク72に貯め、さらには排水ポンプ73で
本体外に排水する。

なお排水パイプ70は、その長さを炊飯部31をキャビネ
ット本体25から引き出す最大のストロークに設定されて
いる。

また炊飯部31の上方のキャビネット本体25には、ファ
ンモーター74,排気ダクト75および排気孔76を設けた蒸
気排出手段を備えている。

上記構成において、次にその動作を説明する。まず米
びつ42内に米を入れて準備する。次に操作部（図示せ
ず）で所望の炊飯量を入力してスタートスイッチを入れ
て開始する。するとまずタンク給水弁69が開き水タンク
67に給水される。ここで水タンク67では、水位センサー
など（図示せず）によりあらかじめ設定された洗米水が
計量される。それらとほとんど同時に米計量部では、計
量アクチェータ44が所望の炊飯量に応じた回数だけ作動
して計量し、研米筒47内へ米を落下させ、さらに、同時
にモータ49を始動させ、米計量室46から送られる米をブ
ラシ48により研きながらシュータ58に送る。また米搬送
部50では、モータ49の始動にともない搬送ベルト55およ
びスパイラ63を駆動して、シュータ58を介して吸入孔56
から米搬送部50に流入する米を順次洗米部37に搬送す
る。洗米部37に搬送された米は、先の水タンク67であら
かじめ計量した洗米水を給水ポンプ68により洗米筒38内
に供給して洗米される。この洗米水は洗米をした後、洗
米筒38の下部に備えた排水孔38aから上枠35および排水
パイプ70を介して排出する。そして排水枠71を介して排
水タンク72に貯められる。なお排水タンク72に備えられ
たフロートスイッチ72aは、排水量が異状に多く、排水
タンク72の貯水量が異状水位に達した際に作動して、排
水ポンプ73を強制的に作動して排出するものである。

その後洗米筒38内の米は、洗米アクチェータ40による
弁39の押し下げにより、洗米筒38内から炊飯鍋32へ落下
する。この洗米および洗米筒38内から炊飯鍋32へ落下の
間は、前記投入孔62に備えた開閉弁66が開閉アクチェー
タ65により作動して米の搬送通路を閉鎖する。

この一連の動作が終わると、再度計量アクチェータ44
が作動し、この一連の動作を数回繰り返して洗米までを
完了する。

次に水タンク67では、今度は所望の炊飯量に応じてあ
らかじめ設定された水量の炊飯水が計量され、洗米水と
同様に給水ポンプ68により洗米筒38内に供給される。こ
のとき洗米部37では弁39が洗米アクチェータ40により押
し下げられて洗米筒38から離脱されており、炊飯鍋32に
注水される。炊飯水の給水が完了すると、炊飯部31では
炊飯ヒータ33に通電が開始され炊飯が進められる。炊飯
がある程度進をと、炊飯部31から蒸気が発生するが、こ
の蒸気はあらかじめ回転が始まっているファンモータ74
により吸引され排気ダクト75を介して排気孔76から排出
される。

以上のように本実施例によれば、米びつ部の下部に備
えた米計量手段と、この米計量手段の下方に備えて計量
後の米を研米する研米手段と、炊飯部31および米びつ部
42の側面外方の一方に、前記の研米を搬送する米搬送部
50を備えて構成することにより研米および米搬送は確実
に行われ、美味しい御飯が炊飯可能となる。

また炊飯部の下方に備えた排水枠と洗米手段からの排
水を前記炊飯部がキャビネット本体に対して出没いずれ
の状態であっても排水枠に導いて排出する前記炊飯部に
備えた排水パイプを備え、前記排水枠の下方に位置した
排水タンク内の排水をキャビネット本体の外方に排出す
る排水手段を備えていることにより、確実な排水の排出
ができることとなる。

発明の効果 以上の実施例の説明より明らかなように、本発明の自
動炊飯器は、炊飯鍋を備えてキャビネット本体に出没自
在に設けた炊飯部と、炊飯に用いる米を収納する米びつ
部と、前記炊飯部に備える洗米手段と、この洗米および
炊飯に用いる水を貯える水タンク部と、この水タンク部
の水を前記洗米手段および炊飯部に送る給水手段と、前
記米びつ部に収納された米を前記洗米手段に送る米搬送
手段と、前記炊飯部の下方に備えた排水枠と、前記洗米
手段からの排水を前記炊飯部がキャビネット本体に対し
て出没いずれの状態であっても排水枠に導いて排出する
前記炊飯部に備えた排水パイプと、前記排水枠の下方に
位置して前記排水を貯める排水タンクと、この排水タン
ク内の排水をキャビネット本体の外方に排出する排出手
段で構成され、洗米時の給水は洗米筒の弁の閉鎖により
炊飯鍋には落下せず洗米ごとに排水孔から排水パイプを
介してキャビネット本体外へ排出され、炊飯部の電気部
品に水がかかる危険が全くない。したがって従来のよう
な電気絶縁劣化をきたす心配がなく確実な排水の排出が
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す自動炊飯器の縦断面
図、第２図は同自動炊飯器の正面方向の縦断面構成図、
第３図は同自動炊飯器の上部の要部縦断面図、第４図は
同自動炊飯器の下部の要部縦断面図、第５図は従来の自
動炊飯器の縦断面図である。 25……キャビネット本体、31……炊飯部、42……米びつ
部、67……水タンク部、70……排水パイプ、71……排水
枠、72……排水タンク。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棚瀬 隆文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 上本 誠一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平１−244720（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−58121（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A47J 27/00 - 27/13

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】炊飯鍋を備えてキャビネット本体に出没自
   在に設けた炊飯部と、炊飯に用いる米を収納する米びつ
   部と、前記炊飯部に備える洗米手段と、この洗米および
   炊飯に用いる水を貯える水タンク部と、この水タンク部
   の水を前記洗米手段および炊飯部に送る給水手段と、前
   記米びつ部に収納された米を前記洗米手段に送る米搬送
   手段と、前記炊飯部の下方に備えた排水枠と、前記洗米
   手段から排水を前記炊飯部がキャビネット本体に対して
   出没いずれの状態であっても排水枠に導いて排出する前
   記炊飯部に備えた排水パイプと、前記排水枠の下方に位
   置して前記排水を貯める排水タンクと、この排水タンク
   内の排水をキャビネット本体の外方に排出する排出手段
   を備えた自動炊飯器。