JP2932051B2 - 感熱磁気記録媒体 - Google Patents

感熱磁気記録媒体

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JP2932051B2
JP2932051B2 JP7215339A JP21533995A JP2932051B2 JP 2932051 B2 JP2932051 B2 JP 2932051B2 JP 7215339 A JP7215339 A JP 7215339A JP 21533995 A JP21533995 A JP 21533995A JP 2932051 B2 JP2932051 B2 JP 2932051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な記録特性と優れ
た保存安定性を有する感熱磁気記録媒体に関し、特に乗
車券、定期券、通行券等の券紙やプリペイドカード等の
カード類への応用が可能な感熱磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方式は、装置が小型軽量化でき
無騒音で記録を行うことが可能であり、現像剤や転写紙
等の消耗品も不要である等の利点から、広くファクシミ
リやプリンターのアウトプットに使用されているのみな
らず、乗車券、定期券、通行券等の券紙やプリペイドカ
ード等のカード類及びPOSラベル等のラベル類への応
用も近年さかんに行われている。特に券紙やカードでは
磁気記録方式と組み合わせる例が多く見られている。感
熱記録方式に使用されている記録媒体は、特公昭45−
14035号公報等に記載されているように、無色ない
し淡色のロイコ染料と酸性物質である顕色剤とを発色成
分とするいわゆる「NCRタイプ」が広く使用されてい
る。かかる記録媒体は、例えばクリスタルバイオレット
ラクトンのごときトリアリールメタンフタリド類をはじ
めとして、フルオラン類、フルオレンフタリド類、ジビ
ニルフタリド類、フェノチアジン類、オーラミン類、ス
ピロピラン類、ローダミンラクタム類等のロイコ染料
と、例えばビスフェノールAのごときフェノール類、チ
オビスフェノール類、ナフトール類、安息香酸、サリチ
ル酸、没食子酸等の酸性物質からなる顕色剤とを、例え
ばポリビニルアルコール等の水性結着剤中に分散してな
る感熱記録層を基体上に設けたものである。この種の感
熱記録媒体は、記録が明瞭、熱感度が高い、地肌が白い
などの優れた特徴を示すものである。しかしながら、こ
の種の感熱記録媒体は塩化ビニルフィルムに含まれるD
OP等の可塑剤やアルコール類などの薬品との接触で、
記録部分の消色や未記録部分の発色といった耐薬品性の
R>問題に加え、基本的に水に接触した場合では感熱記録
層が軟化したり溶出したりして欠落してしまうといった
耐水性に問題を有するものであった。
【0003】特に乗車券や定期券などの券紙やカード類
にこの種の感熱記録媒体を使用した場合、記録特性はも
ちろんのこと、厳しい品質特性、即ち耐環境特性が強く
要求される。すなわち定期券の様に長期間使用される券
紙については、前記のごとき記録部分の消色や未記録部
分の発色のない厳しい耐薬品性と耐水性を要求されてい
る。このような厳しい要求の中でこれらの諸特性を解決
すべく、例えば特公平3−26154号公報では、芳香
族炭化水素溶剤を溶媒として感熱記録層を形成すべく、
芳香族炭化水素溶剤に実質的に不溶なロイコ染料と顕色
剤を用い、結着剤として芳香族炭化水素溶剤に可溶なポ
リメチルメタクリレート樹脂、ポリエチルメタクリレー
ト樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂を使用する感熱
記録媒体用インキ組成物の提案がなされている。また、
特開昭56−126193号、特開昭57−29491
号、特開昭56−146794号公報等には、感熱記録
層上に特定の表面層を設けて耐薬品性や耐水性を改良し
た感熱記録材料が記載されている。
【0004】一方、上記の如き耐薬品性や耐水性を改良
した感熱記録材料を磁気記録媒体に組み合わせた従来の
感熱磁気記録媒体は、支持体上に磁気記録層、アルミニ
ウム粉末を含有する隠蔽層、感熱記録層および保護層を
順次積層したものが提案されている。しかし従来の感熱
磁気記録媒体は、磁気記録層に含まれる分散剤などの成
分や、着色を隠蔽するために使用されるアルミニウム粉
末に残存している脂肪酸や高沸点溶剤の影響と推測され
る耐環境保存性に大きな問題を有するものであった。特
に、高温高湿雰囲気下で感熱記録画像が消色したり、感
熱記録層の地肌カブリを生じたり、また、高温高湿雰囲
気に放置後再記録する場合の記録特性が不良であるとの
問題を有するものであった。更にまた、隠蔽層と磁気記
録層および感熱記録層との密着性が悪く、剥離を生ずる
問題を有するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
問題点を改良するものであって、具体的には券紙やカー
ド類としても使用できるような良好な耐薬品性および耐
水性を維持した上で、優れた耐環境保存性特に高温高湿
下での良好な保存性を有する感熱磁気記録媒体を提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体上に少な
くとも磁気記録層、隠蔽層、感熱記録層、保護層を順次
積層した感熱磁気記録媒体において、磁気記録層と隠蔽
層の間にニトロセルロース樹脂およびアクリル樹脂より
選択される一種以上の樹脂を主成分とするアンカー層を
設け、かつ感熱記録層が実質的に芳香族炭化水素溶剤に
不溶なロイコ染料と顕色剤、及び芳香族炭化水素溶剤に
可溶な樹脂を主成分として含有することを特徴とする感
熱磁気記録媒体である。
【0007】次に本発明の感熱磁気記録媒体を構成する
材料について述べる。基体としては、厚さ150μm〜
1mmのポリエステルフィルム、塩化ビニル樹脂フィル
ム、合成紙、木材パルプ紙、ラミネート紙等の非磁性体
が適用できる。実用的にはプラスティックフィルムや合
成紙が好適である。磁気記録層に用いる磁性体として
は、γ−酸化鉄、コバルトドープのγ−酸化鉄、酸化ク
ロム、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト
等の磁性粉が適用される。これらの磁性体を塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニ
ルアルコール共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂等の結着剤に顔料等他の添加剤と
ともに分散して磁性塗料又はインキとなし、これを基体
上に塗布又は印刷後乾燥することによって磁気記録層は
形成される。この際、磁気記録層が乾燥する前に磁場配
向処理を行ってもよい。
【0008】アンカー層は、ニトロセルロース樹脂、ア
クリル樹脂より選択される一種以上の樹脂を主成分とし
て形成される。かかるニトロセルロース樹脂は、セルロ
ースのグルコース残基中の3個の水酸基がニトロ基で置
換されたもので、その置換度て窒素量10.0〜1
2.5%であり、重合度500〜1000程度のものが
適用される。中でも窒素量11.5〜12.2%のもの
が被膜性、顔料分散性、塗料性、溶剤溶解性等の点から
特に好ましい。
【0009】また、アクリル樹脂は各種アクリル系モノ
マーの単独重合体、共重合体および他のビニル系モノマ
ーとの共重合体が適宜使用される。具体的には、アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸フェニル、アクリルニトリル、アクリルア
ミド等のアクリル系モノマーの単独重合体やこれらの共
重合体、更に、これらアクリル系モノマーと例えばスチ
レン、メチルスチレン、エチルスチレン、n−ブチルス
チレン、クロルスチレン等のスチレン類、塩化ビニル、
酢酸ビニル、ビニルアルコール等の他のビニル系モノマ
ーとの共重合体が挙げられる。
【0010】本発明では、アンカー層にアクリル樹脂を
使用する場合、イソシアネート系またはアジリジン系硬
化剤で硬化可能なアクリル系共重合体が該硬化剤と共に
配合されていることが好ましい。かかるアクリル系共重
合体は、下記の如き−COOH、−OH、−NH2等の
官能基を有するアクリル系モノマーを少なくとも共重合
成分とし、前記の如きアクリル系モノマーやビニル系モ
ノマーとの共重合体である。このような官能基を有する
アクリル系モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、イコタン酸、マレイン酸等のアクリル系有機
酸類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキ
ルエステル類、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メ
タ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸
2−アミノプロピル、(メタ)アクリル酸2−アミノブ
チル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル
類、アクリル酸アミド類が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。なお、上記の如きアクリル系共重
合体の中でも、固形分換算で酸価10以上、又はOH価
20以上の少なくともいずれかを有するアクリル系共重
合体が好ましい。さらに塗工膜の表面強度、接着性を考
慮するとガラス転移温度が少なくとも50℃以上である
ことが好ましい。
【0011】本発明において、上記の如き官能基を有す
るアクリル系共重合体を架橋せしめるためには、イソシ
アネート系又はアジリジン系硬化剤を用いることが好ま
しい。イソシアネート系硬化剤としては、分子中に少な
くとも2つのイソシアネート基を有するものが適宜用い
られ、たとえばトリレンジイソシアネート、1,5−ナ
フタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、ジクロロヘキシルメタンジイソ
シアネート及びこれらの変性品等が挙げられる。具体的
には、コロネート系硬化剤(日本ポリウレタン社製)や
ディスモジュール系硬化剤(バイエル社製)を用いるこ
とが出来る。また、アジリジン系硬化剤としては、例え
ばトリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプ
ロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−ア
ジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタ
ン−4、4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミ
ド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−
アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
【0012】本発明は、アンカー層に上記の如き樹脂を
用いることにより高温高湿雰囲気に放置した場合の感熱
記録画像の消色や感熱記録層の地肌カブリの発生がなく
良好な保存性が得られる。これは、磁気記録層中に残存
した分散剤等の成分や、鱗片状アルミニウム粉末の製造
工程において分散助剤として使用され残存した脂肪酸や
高沸点溶剤が隠蔽層表面へしみ出すのを、かかる樹脂が
防止しているものと推測される。また、このようなアン
カー層を設けることにより、次いで形成される隠蔽層塗
料の磁気記録層への浸透が防止されるため、隠蔽層の表
面被膜性が良好となるばかりか表面平滑性も向上するた
め、隠蔽層と次いで形成される感熱記録層の密着性も向
上して、剥離等の問題もない良好な物理的強度が達成さ
れる。なお、アンカー層は上記の樹脂を主成分とした溶
液を慣用の塗工方法又は印刷方法により形成することが
でき、その層厚は0.5〜5μm、好ましくは1〜3μ
mである。
【0013】隠蔽層は、磁気記録層の着色を隠蔽する機
能を有する各種の顔料を結着剤に分散したものが適用さ
れる。隠蔽層に使用される顔料としては、アルミニウム
粉末、銀粉末等の金属粉末、カーボンブラック、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、
タルク、ポリエチレン粉末等の無機および有機顔料が挙
げられる。本発明では、これら顔料の中でもその隠蔽性
と外観色調の点でアルミニウム粉末が好適に使用され
る。かかるアルミニウム粉末としては、一般に平均粒径
5〜20μmの鱗片状のものが使用される。
【0014】また、隠蔽層の結着剤としてはニトロセル
ロース樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共
重合体、ポリエステル樹脂等が用いられるが、アルミニ
ウム粉末の分散性が良好な樹脂を用いることが好まし
い。隠蔽層におけるアルミニウム粉末と結着剤として用
いられる樹脂の配合比率は、2:8〜7:3が好まし
く、特に好ましくは4:6〜6:4である。隠蔽層は、
前記した樹脂を主成分とする樹脂にアルミニウム粉末を
分散した溶液を用いて慣用の塗工方法又は印刷方法によ
り形成することができ、その層厚は0.5〜5μmの範
囲、好ましくは1〜3μmである。
【0015】本発明のおける感熱記録層中に含有される
ロイコ染料と該ロイコ染料を熱時発色させる顕色剤は、
ともに芳香族炭化水素溶剤に実質的に溶解しないものが
使用される。これは、ロイコ染料または顕色剤のいずれ
か一方でも該溶剤に溶解すると、感熱記録層自体が着色
してしまい到底使用に耐えなくなるからである。本発明
で使用可能なロイコ染料の具体的な化合物の例を構造式
(1)〜(5)として次に示すが、これに限定されるも
のではない。
【化1】
【0016】また、本発明で使用可能な顕色剤の具体例
を構造式(6)〜(15)として次に示すが、これに限
定されるものではない。
【化2】 これらのロイコ染料、顕色剤は各々単独で、または発色
色調や熱感度調整のために、各々2種以上を混合して使
用することもできる。
【0017】本発明における感熱記録層の結着剤として
は、芳香族炭化水素溶剤に可溶な樹脂が使用される。こ
こでいう芳香族炭化水素溶剤は、本発明に用いられるロ
イコ染料と顕色剤とを実質的に溶解せず、結着剤だけを
溶解するものであって、具体的には、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。この様な芳
香族炭化水素溶剤に可溶な結着剤としては、例えばスチ
レン、メチルスチレン、エチルスチレン、n−ブチルス
チレン、クロルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸フェニル等のアクリル
酸誘導体(モノマーA)の単独重合体および共重合体が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】本発明では、感熱記録層の結着剤としての
樹脂は、イソシアネート系またはアジリジン系硬化剤で
硬化可能なアクリル系共重合体が該硬化剤と共に配合さ
れていることが好ましい。かかるアクリル系共重合体と
しては、上記のモノマーAと下記のような−COOH、
−OH、−NH2等の官能基を有するアクリル系モノマ
ー(モノマーB)との共重合体が挙げられる。このよう
なモノマーBとしては、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、イコタン酸、マレイン酸等のアクリル系有機酸類、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
ブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエス
テル類、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)ア
クリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ア
ミノプロピル、(メタ)アクリル酸2−アミノブチル等
の(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル類、アク
リル酸アミド類が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。本発明においてアクリル系共重合体は、前
記のような官能基を有するアクリル系モノマー(モノマ
ーB)と前記モノマーA以外の他のビニル系モノマーと
の共重合体でもよい。他のビニル系モノマーとしては、
アクリルニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸
ビニル等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。なお、上記の如きアクリル系共重合体の中でも、
固形分換算で酸価10以上、又はOH価20以上の少な
くともいずれかを有するアクリル系共重合体が好まし
い。さらに塗工膜の表面強度、接着性を考慮するとガラ
ス転移温度が少なくとも50℃以上であることが好まし
い。
【0019】本発明において、上記の如き官能基を有す
るアクリル系共重合体を架橋せしめるための硬化剤とし
て、イソシアネート系又はアジリジン系硬化剤を用いる
ことが好ましい。かかるイソシアネート系又はアジりジ
ン系硬化剤の具体例としては、前記アンカー層に使用さ
れる硬化剤と同様のものを適用することができる。
【0020】本発明の感熱記録層は、芳香族炭化水素溶
剤中に上記の如き結着剤を溶解し、更に、該溶液に前記
ロイコ染料及び顕色剤を分散して得た感熱記録層用塗料
を、隠蔽層上に塗布・乾燥することによって形成され
る。ロイコ染料と顕色剤との配合比率は、10:1〜
1:10、好ましくは1:1〜1:3であり、感熱記録
層中に占める結着剤の割合は、固形分で重量比5〜95
%、好ましくは15〜50%である。
【0021】本発明の感熱記録層には必要に応じ添加物
を添加することができる。添加物としては例えば、水酸
化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク等の
無機顔料、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、尿
素−ホルマリン樹脂等からなる有機顔料、高級脂肪酸の
金属塩、ワックス類、フルオロカーボン等の滑剤、紫外
線吸収剤等が挙げられる。また、耐熱性を損なわない範
囲での各種増感剤の使用も可能である。感熱記録層の形
成方法は慣用の塗工方法、印刷方法のいずれでもよく、
層厚は1〜8μm、好ましくは2〜5μmである。本発
明の感熱磁気記録媒体は、上記の如き感熱記録層を設け
ることにより優れた耐薬品性、耐水性が得られ、前記ア
ンカー層による作用効果とあいまって優れた耐環境保存
性、特に高温高湿雰囲気下での良好な保存性が達成され
るものである。
【0022】本発明において感熱記録層上に設けられる
保護層は、耐薬品性に優れた造膜性の良い樹脂を主体と
するもので、油脂、溶剤、水等の接触による感熱記録層
の地肌発色や記録部分の消色を防止するためのバリアー
効果とともに、例えば券紙やカードとして使用される際
の耐摩耗性の向上という機能を有する。保護層に用いら
れる樹脂としては、水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶剤系
樹脂等を適宜選択して用いることができるが、中でも紫
外線又は電子線硬化型樹脂が優れた耐薬品性と強固な耐
摩耗性を有することから好ましい。紫外線又は電子線硬
化型の樹脂としては、例えば、ビニル基を含むモノマ
ー、オリゴマー等のラジカル重合を行うことが出来るも
の、具体的にはオリゴアクリレート、ウレタンアクリレ
ート、シリコンアクリレート等、多くの種類が適用でき
る。紫外線により硬化される場合は、ベンゾイルアルキ
ルエーテル、ベンゾフェノン、ベンジルミヒラーケトン
等の光重合開始剤を含有させることが必要である。ま
た、ルイス酸触媒によるカチオン反応で開環重合するエ
ポキシ化合物も紫外線硬化型樹脂として使用でき、この
場合光重合開始剤としてルイス酸の芳香族ハロニウム
塩、ルイス酸の芳香族スルホニウム塩等を用いることが
必要である。
【0023】保護層は直接感熱ヘッドと接触するため、
印字時には300℃以上の高温に曝される場合もあり、
感熱ヘッドとのマッチング性向上を目的として顔料、高
級脂肪酸もしくはその金属塩、熱可融性滑剤、潤滑剤か
ら選ばれる1種以上が添加される。該顔料としては例え
ば水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂等の有機顔料または無機顔料が用いられ
る。熱可融性滑剤としてはポリエチレンワックス、パラ
フィンワックス、フルオロカーボン等が用いられる。潤
滑剤としては、パラフィン、シリコン系オイル等の液体
潤滑剤、反応性シリコーン樹脂等の固形潤滑剤が用いら
れる。顔料、高級脂肪酸もしくはその金属塩、熱可融性
滑剤、潤滑剤の添加量は、紫外線又は電子線硬化性樹脂
100重量部に対して1〜40重量部、好ましくは3〜
30重量部である。添加量がこれより少ないと、感熱ヘ
ッドとのマッチング性向上が十分ではない。保護層の形
成方法は慣用の塗工方法、印刷方法のいずれでもよく、
層厚は0.1〜3μmの範囲、好ましくは0.5〜2μ
mである。
【0024】
【実施例】
実施例1 磁気記録層の塗料を以下の配合で調整した。 ・バリウムフェライト(戸田工業社製MC127) 100重量部 ・カーボンブラック(三菱化学社製MA100) 3重量部 ・塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 (積水化学工業社製エスレックA) ・ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製N2304) 20重量部 ・トルエン 60重量部 ・メチルエチルケトン 60重量部 ・メチルイソブチルケトン 60重量部 上記の混合物をボールミルで8時間分散した後、ポリイ
ソシアネート樹脂(日本ポリウレタン社製コロネート
L)5重量部を添加して磁気塗料を作製し、厚さ188
μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルムからな
る基体上にグラビア塗工法で塗布し、磁場配向処理を行
った後乾燥し磁気記録層を形成した。なお乾燥塗布量は
30g/m2であった。
【0025】得られた磁気記録層上に下記の組成からな
るアンカー層用塗料をグラビア塗工法で塗布乾燥しアン
カー層を形成した。なお乾燥塗布量は2g/m2であっ
た。 ・ニトロセルロース樹脂(旭化成社製セルノバBT−SL) 20重量部 ・トルエン 40重量部 ・メチルエチルケトン 40重量部 次にアンカー層上に下記の組成からなる隠蔽層用塗料を
グラビア塗工法で塗布乾燥し隠蔽層を形成した。なお乾
燥塗布量は3g/m2であった。 ・アルミニウムペースト(旭化成社製MR9000) 40重量部 ・アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製LR582) 50重量部 ・イソシアネート系硬化剤(三菱化学社製NY218A) 5重量部 ・トルエン 150重量部 ・メチルエチルケトン 150重量部
【0026】次に、隠蔽層上に下記の組成からなる感熱
記録層用塗料を作製し、塗布乾燥し感熱記録層を形成し
た。なお乾燥塗布量は5g/m2であった。 ・前記構造式(5)のロイコ染料のトルエン分散液(固形分20重量%) 10重量部 ・前記構造式(6)の顕色剤のトルエン分散液(固形分20重量%)15重量部 ・水酸化アルミニウムのトルエン分散液(固形分30重量%) 10重量部 ・スチレン/メタクリル酸/アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体の トルエン溶液(固形分20重量%、酸価6.5、OH価65) 15重量部 ・アジリジン系硬化剤(トリメチロールプロパン−トリ−β−アジ リジニルプロピオネート) 0.4重量部 次に保護層として下記の組成の混合物を調製し感熱記録
層上にUVオフセット方式で印刷し、UV硬化すること
により厚さ1μmの保護層を形成し、本発明の感熱磁気
記録媒体を作製した。 ・ポリエステルアクリレート(サンノプコ社製フォトマー5018) 100重量部 ・1−(4’−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン −1−オン 1重量部
【0027】実施例2 実施例1において、アンカー層用塗料として下記の組成
の塗料を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱磁気記録媒体を作製した。 ・アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製LR582) 50重量部 ・イソシアネート系硬化剤(三菱化学社製NY218A) 5重量部 ・トルエン 100重量部
【0028】実施例3 実施例1において、隠蔽層用塗料として下記の組成の塗
料を使用した以外は実施例1と同様にして実施例3の感
熱磁気記録媒体を作製した。 ・アルミニウムペースト(旭化成社製MR9000) 40重量部 ・ポリエステル樹脂(東洋紡社製バイロン200) 60重量部 ・トルエン 150重量部 ・メチルエチルケトン 150重量部
【0029】比較例1 実施例1においてアンカー層を設けない以外は実施例1
と同様にして比較用の感熱磁気記録媒体を作製した。 比較例2 実施例3においてアンカー層を設けない以外は実施例3
と同様にして比較用の感熱磁気記録媒体を作製した。 比較例3 実施例1においてアンカー層を磁気記録層と隠蔽層の間
ではなく、隠蔽層と感熱記録層の間に設ける以外は実施
例1と同様にして比較用の感熱磁気記録媒体を作製し
た。
【0030】比較例4 実施例1においてアンカー層用塗料として下記の組成の
塗料を使用した以外は実施例1と同様にして比較用の感
熱磁気記録媒体を作製した。 ・ポリエステル樹脂(東洋紡社製バイロン200) 20重量部 ・イソシアネート系硬化剤(日本ウレタン社製コロネートL) 5重量部 ・トルエン 50重量部 ・メチルエチルケトン 50重量部
【0031】比較例5 実施例1においてアンカー層用塗料として下記の組成の
塗料を使用した以外は実施例1と同様にして比較用の感
熱磁気記録媒体を作製した。 ・ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製N2301) 20重量部 ・イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン社製コロネートL) 5重量部 ・トルエン 50重量部 ・メチルエチルケトン 50重量部
【0032】比較例6 実施例1において感熱記録層用塗料として下記の組成の
塗料を使用した以外は実施例1と同様にして比較用の感
熱磁気記録媒体を作製した。 ・構造式(5)のロイコ染料の水分散液(固形分20重量%) 10重量部 ・構造式(6)の顕色剤の水分散液(固形分20重量%) 15重量部 ・水酸化アルミニウムの水分散液(固形分30重量%) 10重量部 ・アクリルエマルジョン(ヘキスト合成社製モビニール730) 20重量部
【0033】以上の実施例1〜3及び比較例1〜6で作
製した感熱磁気記録媒体について次に示す特性の評価を
行った。 (1)密着性 印字面にセロテープを貼り付け、強く剥がした時の状態
を観察した。 ○ 全く変化がない × 隠蔽層と感熱記録層又は磁気記録層との界面での剥
がれが発生 (2)感熱記録特性 ラインドット型薄膜感熱ヘッドを用い、0.45W
(1.0mj/dot)のエネルギーで画像記録を行
い、その黒ベタ部分をマクベス濃度計のビジュアルフィ
ルターで測定した。 (3)耐環境保存性 印字記録を行った感熱磁気記録媒体を、温度55℃,湿
度90%RHの環境条件下に48時間放置した後、黒ベ
タ部分及び地肌部分の画像濃度を測定した。更に上記の
高温湿度放置後の感熱磁気記録媒体の地肌部分に再度上
記の感熱記録特性評価を行い、再記録部の画像濃度を測
定した。
【0034】結果は表1に示す通りであり、本発明の感
熱磁気記録媒体はいずれも良好な記録特性を維持し、強
固な積層構成で優れた耐環境保存性を有することが認め
られた。一方、比較例1および2はアンカー層が設けら
れていないため耐環境保存性に劣るものであり、加えて
比較例1は密着性が悪く、比較例3はアンカー層が隠蔽
層と感熱記録層の間に設けられているため、密着性の問
題を有するものであった。また、比較例4および5はポ
リエステル樹脂又はポリウレタン樹脂を主成分としたア
ンカー層のため、良好な耐環境保存性が得られず、更
に、比較例6は一般的な水性結着剤を用いた感熱記録層
のため、良好な耐水性が得られず密着性および耐環境保
存性の問題を有するものであった。なお、磁気記録特性
は3000エルステッドまでの保磁力を持つ磁気層に記
録、消去できる磁気ヘッドで200bpiの記録密度で
FM方式で記録を行ったところ、通常に記録、再生でき
た。すなわち磁気記録特性に問題はなかった。
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の感熱磁気記録媒体は、ニトロセ
ルロース樹脂およびアクリル樹脂より選択される少なく
とも一種類以上の樹脂を主成分としたアンカー層上に、
隠蔽層と、芳香族炭化水素溶剤に可溶な樹脂を結着剤と
した感熱記録層を順次積層した構成を有するため、従来
にない優れた耐環境保存性を有するとの顕著な効果が発
揮されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B42D 15/10 551 B42D 15/10 541 B41M 5/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に少なくとも磁気記録層、隠蔽
    層、感熱記録層、保護層を順次積層した感熱磁気記録媒
    体において、磁気記録層と隠蔽層の間にニトロセルロー
    ス樹脂およびアクリル樹脂より選択される一種以上の樹
    脂を主成分とするアンカー層を設け、かつ感熱記録層が
    実質的に芳香族炭化水素溶剤に不溶なロイコ染料と顕色
    剤、及び芳香族炭化水素溶剤に可溶な樹脂を主成分とし
    て含有することを特徴とする感熱磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 感熱記録層にイソシアネート系またはア
    ジリジン系硬化剤が配合されており、前記芳香族炭化水
    素溶剤に可溶な樹脂が該硬化剤により硬化可能なアクリ
    ル系共重合体であることを特徴とする請求項1記載の感
    熱磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 隠蔽層にアルミニウム粉末を含有するこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の感熱磁気記
    録媒体。
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