JP2932050B2 - 感熱磁気記録媒体 - Google Patents

感熱磁気記録媒体

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JP2932050B2
JP2932050B2 JP7150955A JP15095595A JP2932050B2 JP 2932050 B2 JP2932050 B2 JP 2932050B2 JP 7150955 A JP7150955 A JP 7150955A JP 15095595 A JP15095595 A JP 15095595A JP 2932050 B2 JP2932050 B2 JP 2932050B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な記録特性と優れ
た保存安定性を有する感熱磁気記録媒体に関し、特に乗
車券、定期券、通行券等の券紙やプリペイドカード等の
カード類への応用が可能な感熱磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方式は、装置が小型軽量化でき
無騒音で記録を行うことが可能であり、現像剤や転写紙
等の消耗品も不要である等の利点から、広くファクシミ
リやプリンターのアウトプットに使用されているのみな
らず、乗車券、定期券、通行券等の券紙やプリペイドカ
ード等のカード類及びPOSラベル等のラベル類への応
用も近年さかんに行われている。特に券紙やカードでは
磁気記録方式と組み合わせる例が多く見られている。感
熱記録方式に使用されている記録媒体は、特公昭45−
14035号公報等に記載されているように、無色ない
し淡色のロイコ染料と酸性物質である顕色剤とを発色成
分とするいわゆる「NCRタイプ」が広く使用されてい
る。かかる記録媒体は、例えばクリスタルバイオレット
ラクトンのごときトリアリールメタンフタリド類をはじ
めとして、フルオラン類、フルオレンフタリド類、ジビ
ニルフタリド類、フェノチアジン類、オーラミン類、ス
ピロピラン類、ローダミンラクタム類等のロイコ染料
と、例えばビスフェノールAのごときフェノール類、チ
オビスフェノール類、ナフトール類、安息香酸、サリチ
ル酸、没食子酸等の酸性物質からなる顕色剤とを、例え
ばポリビニルアルコール等の水性結着剤中に分散してな
る感熱記録層を基体上に設けたものである。この種の感
熱記録媒体は、記録が明瞭、熱感度が高い、地肌が白い
などの優れた特徴を示すものである。しかしながら、こ
の種の感熱記録媒体は塩化ビニルフィルムに含まれるD
OP等の可塑剤やアルコール類などの薬品との接触で、
記録部分の消色や未記録部分の発色といった問題に加
え、基本的に水に接触した場合では感熱記録層が軟化し
たり溶出したりして欠落してしまうといった耐水性に問
題を有するものであった。
【0003】特に乗車券や定期券などの券紙やカード類
にこの種の感熱記録媒体を使用した場合、記録特性はも
ちろんのこと、厳しい品質特性、即ち耐環境特性が強く
要求される。すなわち定期券の様に長期間使用される券
紙については、前記のごとき記録部分の消色や未記録部
分の発色のない厳しい保存性を要求されている。このよ
うな厳しい要求の中でこれらの諸特性を解決すべく、例
えば特公平3−26154号公報では、芳香族炭化水素
溶剤を溶媒として感熱記録層を形成すべく、芳香族炭化
水素溶剤に実質的に不溶なロイコ染料と顕色剤を用い、
結着剤として芳香族炭化水素溶剤に可溶なポリメチルメ
タクリレート樹脂、ポリエチルメタクリレート樹脂、ポ
リブチルメタクリレート樹脂を使用する感熱記録媒体用
インキ組成物の提案がなされている。また、特開昭56
−126193号、特開昭57−29491号、特開昭
56−146794号公報等には、感熱記録層上に特定
の表面層を設けて耐可塑剤性や耐水性を改良した感熱記
録材料が記載されている。
【0004】一方、上記の如き感熱記録方式を磁気記録
媒体に組み合わせた感熱磁気記録媒体については種々の
提案がなされているが、磁気記録層、隠蔽層、感熱記録
層を積層した記録媒体においては、磁気記録層の着色を
隠蔽するために使用されるアルミニウム粉末に残存して
いる脂肪酸や高沸点溶剤の影響と推測される、感熱記録
画像の消色や感熱記録層の地肌カブリを生じたり、隠蔽
層と感熱記録層との密着性が悪く剥離を生じたり、保存
安定性に問題を有するものであった。このような問題を
解決すべく特開平6−274861号公報では隠蔽層と
感熱記録層の間にプライマー層を設ける方法が提案され
ているが、製造工程が複雑となる等の製造上の問題や、
磁気記録層上の積層構成が厚くなることによる磁気記録
特性の低下する等の問題を有するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
問題点を改良するものであって、具体的には券紙やカー
ド類としても使用できるような良好な感熱記録特性およ
び磁気記録特性を有し、かつ優れた耐環境保存性、特に
高温多湿条件下での保存性を満足する感熱磁気記録媒体
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体上に磁気
記録層、隠蔽層、感熱発色層、保護層を順次積層した感
熱磁気記録媒体において、前記隠蔽層がアルミニウム粉
末とニトロセルロース樹脂を主成分とし、かつ感熱発色
層が実質的に芳香族炭化水素溶剤に不溶なロイコ染料と
顕色剤、及び芳香族炭化水素溶剤に可溶な樹脂を主成分
として含有することを特徴とする感熱磁気記録媒体であ
る。
【0007】次に本発明の感熱磁気記録媒体を構成する
材料について述べる。基体としては、厚さ150μm〜
1mmのポリエステルフィルム、塩化ビニル樹脂フィル
ム、合成紙、木材パルプ紙、ラミネート紙等の非磁性体
が適用できる。実用的にはプラスティックフィルムや合
成紙が好適である。磁気記録層に用いる磁性体として
は、γ−酸化鉄、コバルトドープのγ−酸化鉄、酸化ク
ロム、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト
等の磁性粉が適用される。これらの磁性体を塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニ
ルアルコール共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂等の結着剤に顔料等他の添加剤と
ともに分散して磁性塗料又はインキとなし、これを基体
上に塗布又は印刷後乾燥することによって磁気記録層は
形成される。この際、磁気記録層が乾燥する前に磁場配
向処理を行ってもよい。
【0008】隠蔽層中に含有されるアルミニウム粉末
は、平均粒径5〜20μmの鱗片状のものが好ましく使
用される。また、隠蔽層の結着剤としてはニトロセルロ
ース樹脂が用いられ、これを主成分として樹脂分の60
重量%以上用いることが好ましく、特にニトロセルロー
ス樹脂を単独で結着剤をして用いることが好ましい。か
かるニトロセルロース樹脂の物性は特に限定されるもの
ではないが、窒素分11.5〜12.2%のものが被膜
性、顔料分散性、塗料性等の点から後述する本願発明の
作用効果を達成する上で好ましい。尚、隠蔽層の結着剤
としてニトロセルロース樹脂の作用効果を阻害しない範
囲で使用することの出来る樹脂としては、例えばセルロ
ースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート
プロピオネート樹脂等のセルロース系樹脂や、アクリル
系樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル系樹脂
等が挙げられる。
【0009】隠蔽層におけるアルミニウム粉末と結着剤
として用いられる樹脂の重量配合比率は、2:8〜7:
3が好ましく、更に好ましくは4:6〜6:4である。
ニトロセルロース樹脂は感熱記録層を形成する際の感熱
記録層用塗液中に含まれる芳香族炭化水素溶剤に対する
溶解性が低いため、表面がわずかに膨潤するのみであ
り、溶解して隠蔽性が損なわれることがないばかりか、
隠蔽層と感熱記録層の密着性が向上する。また、ニトロ
セルロース樹脂はアルミニウム粉末の分散性が優れてい
る上に、表面皮膜性が良好であるため、形成された隠蔽
層表面の平滑性は良好であり、次いで形成される感熱記
録層の表面平滑性も向上させ良好な感熱磁気記録媒体を
得ることが出来る。更に、ニトロセルロース樹脂を用い
ることにより、高温多湿環境条件下で発生する感熱記録
層の記録部分の消色や非記録部分の発色を防ぐことが出
来る。これは鱗片状アルミニウム粉末の製造工程におい
て分散助剤として使用され残存した脂肪酸や高沸点溶剤
が隠蔽層表面へしみ出すのを防ぐ効果があるためと推測
されるが明確ではない。隠蔽層は、ニトロセルロース樹
脂を主成分とする樹脂溶液にアルミニウム粉末を分散し
た隠蔽層用塗料を用いて、慣用の塗工方法又は印刷方法
により形成することができ、その層厚は0.5〜5μm
の範囲、好ましくは1〜3μmである。
【0010】本発明のおける感熱記録層中に含有される
ロイコ染料と該ロイコ染料を熱時発色させる顕色剤は、
ともに芳香族炭化水素溶剤に実質的に溶解しないものが
使用される。これは、ロイコ染料または顕色剤のいずれ
か一方でも該溶剤に溶解すると、感熱記録層自体が着色
してしまい到底使用に耐えなくなるからである。本発明
で使用可能なロイコ染料の具体的な化合物の例を構造式
(1)〜(5)として次に示すが、これに限定されるも
のではない。
【化1】
【0011】また、本発明で使用可能な顕色剤の具体例
を構造式(6)〜(15)として次に示すが、これに限
定されるものではない。
【化2】 これらのロイコ染料、顕色剤は各々単独で、または発色
色調や熱感度調整のために、各々2種以上を混合して使
用することもできる。
【0012】本発明における感熱記録層の結着剤として
は、芳香族炭化水素溶剤に可溶な樹脂が使用される。こ
こでいう芳香族炭化水素溶剤は、本発明に用いられるロ
イコ染料と顕色剤とを実質的に溶解せず、結着剤だけを
溶解するものである。具体的には、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。この様な芳
香族炭化水素溶剤に可溶な結着剤としては、例えばスチ
レン、メチルスチレン、エチルスチレン、n−ブチルス
チレン、クロルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸フェニル等のアクリル
酸誘導体(モノマーA)の単独重合体および共重合体が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】本発明では、感熱記録層の結着剤としての
樹脂は、イソシアネート系またはアジリジン系硬化剤で
硬化可能なアクリル系共重合体樹脂が該硬化剤と共に配
合されていることが好ましい。かかるアクリル系共重合
体としては、上記のモノマーAと下記の−COOH、−
OH、−NH2等の官能基を有するアクリル系モノマー
(モノマーB)との共重合体が挙げられる。このような
モノマーBとしては、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、イコタン酸、マレイン酸等のアクリル系有機酸類、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
ブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエス
テル類、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)ア
クリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ア
ミノプロピル、(メタ)アクリル酸2−アミノブチル等
の(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル類、アク
リル酸アミド類が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。本発明のアクリル系共重合体は、前記のよ
うな官能基を有するアクリル系モノマー(モノマーB)
と前記モノマーA以外の他のビニル系モノマーとの共重
合体でもよい。他のビニル系モノマーとしては、アクリ
ルニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、上記の如きアクリル系共重合体の中でも、固形分
換算で酸価10以上、又はOH価20以上の少なくとも
いずれかを有するアクリル系共重合体が好ましい。さら
に塗工膜の表面強度、接着性を考慮するとガラス転移温
度が少なくとも50℃以上であることが好ましい。
【0014】本発明において、上記の如き官能基を有す
るアクリル系共重合体を架橋せしめるためには、イソシ
アネート系又はアジリジン系硬化剤を用いることが好ま
しい。イソシアネート系硬化剤としては、分子中に少な
くとも2つのイソシアネート基を有するものが適宜用い
られ、たとえばトリレンジイソシアネート、1,5−ナ
フタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、ジクロロヘキシルメタンジイソ
シアネート及びこれらの変性品等が挙げられる。具体的
には、コロネート系硬化剤(日本ポリウレタン社製)や
ディスモジュール系硬化剤(バイエル社製)を用いるこ
とが出来る。また、アジリジン系硬化剤としては、例え
ばトリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプ
ロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−ア
ジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタ
ン−4、4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミ
ド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−
アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
【0015】本発明の感熱記録層は、上記の如き芳香族
炭化水素溶剤中に結着剤を溶解し、更に、該溶液に前記
ロイコ染料及び顕色剤を分散して得た感熱記録層用塗料
を、隠蔽層上に塗布・乾燥することによって形成され
る。ロイコ染料と顕色剤との配合比率は、10:1〜
1:10、好ましくは1:1〜1:3であり、前感熱記
録層中に占める結着剤の割合は、固形分で重量比5〜9
5%、好ましくは15〜50%である。本発明の感熱記
録層には必要に応じ添加物を添加することができる。添
加物としては例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシ
ウム、シリカ、タルク等の無機顔料、ポリオレフィン樹
脂、ポリエチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂等からな
る有機顔料、高級脂肪酸の金属塩、ワックス類、フルオ
ロカーボン等の滑剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。ま
た、耐熱性を損なわない範囲での各種増感剤の使用も可
能である。感熱記録層の形成方法は慣用の塗工方法、印
刷方法のいずれでもよく、層厚は1〜8μm、好ましく
は2〜5μmである。
【0016】本発明において感熱記録層上に設けられる
保護層は、耐薬品性に優れた造膜性の良い樹脂を主体と
するもので、油脂、溶剤、水等の接触による感熱記録層
の地肌発色や記録部分の消色を防止するためのバリアー
効果とともに、例えば券紙やカードとして使用される際
の耐摩耗性の向上という機能を有する。保護層に用いら
れる樹脂としては、水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶剤系
樹脂等を適宜選択して用いることができるが、中でも紫
外線又は電子線硬化型樹脂が優れた耐薬品性と強固な耐
摩耗性を有することから好ましい。紫外線又は電子線硬
化型の樹脂としては、例えば、ビニル基を含むモノマ
ー、オリゴマー等のラジカル重合を行うことが出来るも
の、具体的にはオリゴアクリレート、ウレタンアクリレ
ート、シリコンアクリレート等、多くの種類が適用でき
る。紫外線により硬化される場合は、ベンゾイルアルキ
ルエーテル、ベンゾフェノン、ベンジルミヒラーケトン
等の光重合開始剤を含有させることが必要である。ま
た、ルイス酸触媒によるカチオン反応で開環重合するエ
ポキシ化合物も紫外線硬化型樹脂として使用でき、この
場合光重合開始剤としてルイス酸の芳香族ハロニウム
塩、ルイス酸の芳香族スルホニウム塩等を用いることが
必要である。
【0017】保護層は直接感熱ヘッドと接触するため、
印字時には300℃以上の高温に曝される場合もあり、
感熱ヘッドとのマッチング性向上を目的として顔料、高
級脂肪酸もしくはその金属塩、熱可融性滑剤、潤滑剤か
ら選ばれる1種以上が添加される。該顔料としては例え
ば水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂等の有機顔料または無機顔料が用いられ
る。熱可融性滑剤としてはポリエチレンワックス、パラ
フィンワックス、フルオロカーボン等が用いられる。潤
滑剤としては、パラフィン、シリコン系オイル等の液体
潤滑剤、反応性シリコーン樹脂等の固形潤滑剤が用いら
れる。顔料、高級脂肪酸もしくはその金属塩、熱可融性
滑剤、潤滑剤の添加量は、紫外線又は電子線硬化性樹脂
100重量部に対して1〜40重量部、好ましくは3〜
30重量部である。添加量がこれより少ないと、感熱ヘ
ッドとのマッチング性向上が十分ではない。保護層の形
成方法は慣用の塗工方法、印刷方法のいずれでもよく、
層厚は0.1〜3μmの範囲、好ましくは0.5〜2μ
mである。
【0018】
【実施例】 実施例1 磁性層の塗料を以下の配合で調整した。 ・バリウムフェライト(戸田工業社製MC127) 100重量部 ・カーボンブラック(三菱化学社製MA100) 3重量部 ・塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 (積水化学社製エスレックA) ・ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製N2304) 20重量部 ・トルエン 60重量部 ・メチルエチルケトン 60重量部 ・メチルイソブチルケトン 60重量部 上記の組成からなる混合物をボールミルで8時間分散し
た後、ポリイソシアネート樹脂(日本ポリウレタン社製
コロネートL)5重量部を添加して磁気塗料を作製し、
厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムからなる基体上にグラビア塗工法で塗布し、磁場配
向処理を行った後乾燥し磁気記録層を形成した。なお乾
燥塗布量は30g/m2であった。得られた磁気記録層
上に下記の組成からなる隠蔽層用塗料をグラビア塗工法
で塗布乾燥し隠蔽層を形成した。なお乾燥塗布量は3g
/m2であった。 ・アルミペースト(旭化成社製MR9000) 40重量部 ・ニトロセルロース樹脂(旭化成社製セルノバBT−SL) 60重量部 ・トルエン 150重量部 ・メチルエチルケトン 150重量部
【0019】次に、隠蔽層上に下記の組成からなる感熱
記録層用塗料を作製し、塗布乾燥し感熱記録層を形成し
た。なお乾燥塗布量は5g/m2であった。 ・前記構造式(5)のロイコ染料のトルエン分散液(固形分20重量%) 10重量部 ・前記構造式(6)の顕色剤のトルエン分散液(固形分20重量%)15重量部 ・水酸化アルミニウムのトルエン分散液(固形分30重量%) 10重量部 ・スチレン/メタクリル酸/アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体 トルエン溶液(固形分20重量%、酸価6.5、OH価65) 15重量部 ・アジリジン系硬化剤(トリメチロールプロパン−トリ−β−アジ リジニルプロピオネート) 0.4重量部 次に保護層として下記の組成の混合物を調製し感熱記録
層上にUVオフセット方式で印刷し、UV硬化すること
により厚さ1μmの保護層を形成し、本発明の感熱磁気
記録媒体を作製した。 ・ポリエステルアクリレート(サンノプコ社製フォトマー5018) 100重量部 ・1−(4’−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン −1−オン 1重量部
【0020】実施例2 実施例1と同様にして形成した磁気記録層上に下記の組
成からなる隠蔽層用塗料をスクリーン印刷方式で印刷乾
燥し隠蔽層を形成した。なお塗布量は4g/m2であっ
た。 ・アルミペースト(旭化成社製MR9000) 40重量部 ・ニトロセルロース樹脂(旭化成社製HIG120) 60重量部 ・キシレン 150重量部 ・イソホロン 150重量部 次に、隠蔽層上に下記の組成からなる感熱記録層用塗料
を作製し、スクリーン印刷方式で印刷を行い感熱記録層
を形成した。なお塗布量は5g/m2であった 。・前記構造式(5)のロイコ染料のキシレン分散液(固形分20重量%) 10重量部 ・前記構造式(6)の顕色剤のキシレン分散液(固形分20重量%)15重量部 ・水酸化アルミニウムのキシレン分散液(固形分30重量%) 10重量部 ・スチレン/メタクリル酸/アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体 キシレン溶液(固形分20重量%、酸価6.5、OH価65) 15重量部 ・イソシアネート系硬化剤(三菱化学製NY218A) 0.5重量部 次に保護層として下記の組成からなる保護層用インキを
調製し、感熱記録層上にUVオフセット印刷方式で印刷
し、UV硬化することにより厚さ1μmの保護層を形成
し、本発明の感熱磁気記録媒体を作製した。 ・ポリエステルアクリレート(サンノプコ社製フォトマー5018) 100重量部 ・1−(4’−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン −1−オン 1重量部
【0021】比較例1 実施例1において隠蔽層用塗料として下記の組成の塗料
を使用した以外は実施例1と同様にして比較例1の感熱
磁気記録媒体を作製した。 ・アルミペースト(旭化成社製MR9000) 40重量部 ・ポリエステル樹脂(東洋紡社製バイロン200) 60重量部 ・トルエン 200重量部 ・メチルエチルケトン 100重量部 比較例2 実施例1において隠蔽層用塗料として下記の組成の塗料
を使用した以外は実施例1と同様にして比較例2の感熱
磁気記録媒体を作製した。 ・アルミペースト(旭化成社製MR9000) 40重量部 ・アクリルポリオール(三菱レイヨン社製LR582) 55重量部 ・イソシアネート系硬化剤(三菱化学社製NY218A) 5重量部 ・トルエン 150重量部 ・メチルエチルケトン 150重量部
【0022】比較例3 実施例2において隠蔽層用塗料として下記の組成の塗料
を使用した以外は実施例2と同様にして比較例3の感熱
磁気記録媒体を作製した。 ・アルミペースト(旭化成社製MR9000) 40重量部 ・ポリエステル樹脂(東洋紡社バイロン200) 60重量部 ・キシレン 200重量部 ・イソホロン 100重量部 比較例4 実施例2において隠蔽層塗料として下記の組成の塗料を
使用した以外は実施例2と同様にして比較例4の感熱磁
気記録媒体を作製した。 ・アルミペースト(旭化成社製MR9000) 40重量部 ・アクリルポリオール(三菱レイヨン社製LR582) 55重量部 ・イソシアネート系硬化剤(三菱化学社製NY218A) 5重量部 ・キシレン 150重量部 ・イソホロン 150重量部 比較例5 実施例1において感熱記録層用塗料として下記の組成の
塗料を使用した以外は実施例1と同様にして比較例5の
感熱磁気記録媒体を作製した。 ・構造式(5)のロイコ染料の水分散液(固形分20重量%) 10重量部 ・構造式(6)の顕色剤の水分散液(固形分20重量%) 15重量部 ・水酸化アルミニウムの水分散液(固形分30重量%) 10重量部 ・アクリルエマルジョン(ヘキスト合成社製モビニール730) 20重量部
【0023】以上の実施例1〜2及び比較例1〜5で作
製した感熱磁気記録媒体について次に示す特性の評価を
行った。 (1)密着性 印字面にセロテープを貼り付け、強く剥がした時の状態
を観察した。 ○ 全く変化がない × 感熱記録層と隠蔽層の界面での剥がれが発生 (2)感熱記録特性 ラインドット型薄膜感熱ヘッドを用い、0.45W
(1.0mj/dot)のエネルギーで画像記録を行
い、その黒ベタ部分をマクベス濃度計のビジュアルフィ
ルターで測定した。 (3)耐環境保存性 印字記録を行った感熱磁気記録媒体を、温度55℃,湿
度90%RHの環境条件下に48時間放置した後、黒ベ
タ部分及び地肌部分の画像濃度を測定した。更に上記の
高温湿度に放置後の感熱磁気記録媒体の地肌部分に再度
上記の感熱記録特性評価を行い、再記録部の画像濃度を
測定した。
【0024】結果は表1に示す通りであり、本発明の感
熱磁気記録媒体は良好な記録特性を有し、強固な積層構
成で優れた耐環境保存性を有することが認められた。一
方、比較例の感熱磁気記録媒体はいずれも耐環境保存性
は不十分なものであった。なお、磁気記録特性は300
0エルステッドまでの保磁力を持つ磁気層に記録、消去
できる磁気ヘッドで200bpiの記録密度でFM方式
で記録を行ったところ、いずれの感熱磁気記録媒体も良
好に記録、再生でき、磁気記録特性に問題はなかった。
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明の感熱磁気記録媒体は、ニトロセ
ルロース樹脂を用いた隠蔽層上に芳香族炭化水素溶剤に
可溶な樹脂を結着剤とした感熱記録層を積層した構成に
より、良好な記録特性と共に従来にない優れた耐環境保
存性を有するとの顕著な効果が発揮されているものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−274860(JP,A) 特開 平5−32050(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B42D 15/10 551 B42D 15/10 541 B41M 5/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に少なくとも磁気記録層、隠蔽
    層、感熱記録層、保護層を順次積層した感熱磁気記録媒
    体において、前記隠蔽層がアルミニウム粉末とニトロセ
    ルロース樹脂を主成分とし、かつ感熱記録層が実質的に
    芳香族炭化水素溶剤に不溶なロイコ染料と顕色剤、及び
    芳香族炭化水素溶剤に可溶な樹脂を主成分として含有す
    ることを特徴とする感熱磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 感熱記録層にイソシアネート系またはア
    ジリジン系硬化剤が配合されており、前記芳香族炭化水
    素溶剤に可溶な樹脂が該硬化剤により硬化可能なアクリ
    ル系共重合体であることを特徴とする請求項1記載の感
    熱磁気記録媒体。
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