JP2932021B2 - セルローストリアセテート積層フィルム及びその製造法 - Google Patents

セルローストリアセテート積層フィルム及びその製造法

Info

Publication number
JP2932021B2
JP2932021B2 JP28832392A JP28832392A JP2932021B2 JP 2932021 B2 JP2932021 B2 JP 2932021B2 JP 28832392 A JP28832392 A JP 28832392A JP 28832392 A JP28832392 A JP 28832392A JP 2932021 B2 JP2932021 B2 JP 2932021B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
cellulose triacetate
cotton
dope
pulp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28832392A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06134933A (ja
Inventor
透 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP28832392A priority Critical patent/JP2932021B2/ja
Publication of JPH06134933A publication Critical patent/JPH06134933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2932021B2 publication Critical patent/JP2932021B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光材料用支持体等に
有用なセルローストリアセテート積層フィルム及びその
製造法に関し、より詳しくは、流延支持体からの剥離性
及び耐湿熱性に優れたセルローストリアセテート積層フ
ィルム及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルローストリアセテート積層フィルム
の製造は、塩化メチレン90〜95重量%と低級アルコール
5〜10重量%とから成る混合溶媒中にセルローストリア
セテート及び可塑剤等を配合したドープを調製し、この
ドープを流延用支持体上に流延してウェブとする。そし
て、このウェブを乾燥固化後、生成フィルムを流延用支
持体から剥離することにより行っている。
【0003】しかし、上述したドープは蒸発にともなう
固化が遅いので、ウェブを支持体から剥離できるまでに
長時間を要し、その結果生産性が低いものであった。
【0004】そこで、従来、ドープの固化を促進するた
めの技術が種々提案されている。例えば、ドープ中にゲ
ル化促進剤を添加する技術(特公昭45−9074号公報)、
ドープ中へのアルコール配合量を13〜30重量%に増量す
る技術(特開昭54−48862号公報)、ドープ中に剥離促
進剤を添加する技術(米国特許第4,600,552号)が提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術は、それぞれ問題点を有しているものであ
った。すなわち、ゲル化促進剤を添加する技術は、ゲル
化促進剤として高沸点のものを使用した場合、ウェブの
乾燥硬化中に於いても蒸発しにくいことが考えられる。
そのため、ゲル化促進剤がフィルム中に残存する可能性
が全く無いとは言い切れない。その結果、フィルムを特
に偏光板用保護膜として使用する際に、臭気性の点に於
いて問題になる可能性も多少考えられない訳ではない。
【0006】また、アルコール配合量を増量する技術
は、ドープ中のアルコール含有量が多いと、使用済ドー
プから各種配合成分(例えば塩化メチレン等)を回収し
再利用しようとしても、これらの単離・精製が困難とな
り純粋なものが僅かしか回収されず不経済である。さら
に、アルコールは吸湿性のものが多く、従って多量のア
ルコールを使用すると不必要な水分がドープ中に取り込
まれる可能性がある。このことは、フィルムの品質低下
を招く原因となる。
【0007】さらに、剥離促進剤を添加する技術は、後
工程において、搬送中の滑りによる傷、粘着剤による他
のフィルム等との貼り合わせ不良等が派生するものであ
った。
【0008】本発明は、以上の問題点を解決し、特別な
添加剤等を添加することなく剥離性が良好で、しかも、
耐湿熱性を保持したセルローストリアセテート積層フィ
ルム及びその製造法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究し、原料として綿花から調製
したセルローストリアセテートが剥離性等に優れ、ま
た、原料としてパルプから調製したセルローストリアセ
テートが耐湿熱性等に優れていることを見出した。そし
て、さらに研究し、これらのフィルムを組み合わせると
良好な特性を保持しつつ剥離性も良好になることを見出
し、本発明を完成させた。
【0010】すなわち、本発明のセルローストリアセテ
ート積層フィルムは、綿花から調製したセルローストリ
アセテート製フィルムと、パルプから調製したセルロー
ストリアセテート製フィルムとを有することを特徴とし
て構成されている。
【0011】また、本発明のセルローストリアセテート
積層フィルムの製造法は、綿花から調製したセルロース
トリアセテートを含むドープ及びパルプから調製したセ
ルローストリアセテートを含むドープを、綿花から調製
したセルローストリアセテートを含むドープが流延用支
持体に直接接するように流延することを特徴として構成
されている。
【0012】綿花から調製したセルローストリアセテー
ト製フィルム(以下、綿花フィルムと言う。)は、流延
支持体からの剥離性を良好にするもので、綿花から調製
したセルローストリアセテートを主成分として形成され
てたフィルムである。綿花は特に限定されず、各種綿花
を用いることができるが、綿花から調製したセルロース
トリアセテートは、平均重合度300〜400、酢化度58.0〜
62.5、ガラス転移点115〜125℃のものが好ましい。綿花
から調製したセルローストリアセテートの含有量は、70
%以上が好ましい。このようなセルローストリアセテー
トの調製は、従来公知の方法、例えば、溶液均一酢化法
及び繊維状酢化法で行う。
【0013】綿花フィルムには、通常可塑剤が含有され
ており、この可塑剤としては、例えば、燐酸エステル系
としてトリフェニルフォスフェイト、トリクレジルフォ
スフェイト、トリエチルフォスフェイト、ビフェニルジ
フェニルフォスフェイト等、フタル酸エステル系として
ジメチルフタレイト、ジエチルフタレイト、ジメトキシ
エチルフタレイト等、グリコール酸エステル系としてエ
チルフタリルエチルグリコレート、その他トルエンスル
ホンアミド系、トリアセチン等を単独であるいは混合し
て用いることができる。また、可塑剤含有量は、セルロ
ースアセテートに対して5〜30重量%が好ましい。ま
た、UV吸収剤、染色剤、滑り剤等の各種添加剤を用途
に応じて添加することができる。
【0014】綿花フィルムの厚さは、積層フィルムの全
膜厚にもよるが、充分な剥離性を確保するために0.5μ
m以上であることが好ましく、また、原料コストが高く
なり、かつ、耐湿熱性が悪くなるので、積層フィルムの
全膜厚の50%以内であることが好ましい。
【0015】綿花フィルムは、綿花から調製されたセル
ローストリアセテートを含むドープ(以下、綿花フィル
ム用ドープと言う。)を流延することにより形成され
る。この綿花フィルム用ドープは、上述した綿花から調
製したセルローストリアセテート等を溶剤に溶解したも
のである。この溶剤としては、塩化メチレンと低級アル
コールとの混合溶剤が好ましく、低級アルコールとして
は、例えば、メタノール、及びエタノールがある。
【0016】パルプから調製したセルローストリアセテ
ート製フィルム(以下、パルプフィルムと言う。)は、
耐湿熱性を良好にするもので、パルプから調製したセル
ローストリアセテートを主成分として形成されてたフィ
ルムである。パルプは特に限定されず、各種パルプを用
いることができるが、パルプから調製したセルロースト
リアセテートは、平均重合度200〜350、酢化度58.0〜6
2.5、ガラス転移点115〜125℃のものが好ましい。パル
プから調製したセルローストリアセテートの含有量は、
70%以上が好ましい。このようなセルローストリアセテ
ートの調製は、従来公知の方法、例えば、溶液均一酢化
法及び繊維状酢化法で行う。
【0017】パルプフィルムには、綿花フィルムと同様
に、通常可塑剤が含有されており、また、同様に各種添
加剤を用途に応じて添加することができる。パルプフィ
ルムの厚さは、積層フィルムの全膜厚にもよるが、充分
な耐湿熱性を確保するために全膜厚の50%以上であるこ
とが好ましい。
【0018】パルプフィルムは、パルプから調製された
セルローストリアセテートを含むドープ(以下、パルプ
フィルム用ドープと言う。)を流延することにより形成
される。このパルプフィルム用ドープは、上述したパル
プから調製したセルローストリアセテート等を溶剤に溶
解したものである。この溶剤は綿花フィルム用ドープと
同様である。
【0019】綿花フィルム用ドープ及びパルプフィルム
用ドープの粘度は実質的に同じでよいが、綿花フィルム
用ドープの粘度を高く、パルプ用ドープの粘度は低くす
ることが好ましく、例えば綿花フィルム用ドープの粘度
を700Pとし、パルプ用ドープの粘度を350Pとする。粘
度をこのような関係にすることにより、流延支持体上の
フィルムの乾燥を遅らせることなく、フィルム表面の平
面性を良好にすることができる。
【0020】本発明のセルローストリアセテート積層フ
ィルムは上記綿花フィルム及びパルプフィルムを有して
いるが、必要により帯電防止層、カメラ内での走行性を
向上させるための滑り層、擦傷の発生を防止するための
保護層、ハレーション防止層等を積層することができ、
また、パルプフィルムの両側に綿花フィルムを積層する
こともでき、これによりバルク中の溶解物の移動を防止
することができる。
【0021】以上のような綿花フィルムとパルプフィル
ムとからなるセルローストリアセテート積層フィルムを
製造するには、綿花フィルム用ドープ及びパルプフィル
ム用ドープを、綿花フィルム用ドープが流延用支持体に
直接接するように流延する。すなわち、綿花フィルム用
ドープを流延支持体に直接流延すればよく、パルプフィ
ルム用ドープは、綿花フィルム用ドープと同時に共流延
しても、綿花フィルム用ドープの流延後別個に流延して
もよい。
【0022】流延支持体は、ドラムでもバンドでもよい
が、偏光膜等に使用する光学用途の場合は、膜の平面性
が重要であるので、流延後の支持体上での高ガス濃度場
の存在するものが好ましく、また、支持体上における時
間を長くとれるものが好ましい。さらに、膜の支持体か
らの剥離部において、支持体の温度を、支持体からの剥
離性を向上させるために低くすること、例えば20℃以下
にすることが好ましい。
【0023】本発明のセルローストリアセテート積層フ
ィルムは、感光材料用支持体、偏光板用保護膜、各種プ
ラスチックフィルム(例えば映画フィルム、離型用フィ
ルム、絶縁フィルム、カレンダー用フィルム、ステッカ
ー用フィルム、OHP(overhead projector)用フィル
ム、指紋採取用フィルム、及びX線フィルム等)、現像
リーダー、及び磁気録音テープ等に好適に用いることが
できる。
【0024】
【作用】本発明においては、綿花フィルムは流延用支持
体からの剥離性が良好で、セルローストリアセテート積
層フィルムを流延用支持体から極めて容易に剥がすこと
ができる。したがって、剥離促進剤等の添加剤を添加し
なくともよく、添加剤に起因する臭気性、及び流延用支
持体表面の汚染等の問題を発生させない。また、パルプ
フィルムが耐湿熱性を確保し、さらにコストを安価にし
ている。
【0025】
【実施例】本発明によるセルローストリアセテート積層
フィルム及びその製造法の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0026】図1はセルローストリアセテート積層フィ
ルムの層構成を示す部分断面図、図2はセルローストリ
アセテート積層フィルムを製造する製造装置の概略図、
図3は同上製造装置の部分拡大図である。
【0027】図1において、符号10は綿花から調製した
セルローストリアセテート製フィルム(綿花フィルム)
で、このフィルム10の上面にパルプから調製したセルロ
ーストリアセテート製フィルム(パルプフィルム)20が
積層されている。
【0028】次に、以上のようなセルローストリアセテ
ート積層フィルムを製造する方法について説明する。
【0029】図2において、符号30は2種類のドープを
同時に流延するための共流延ダイで、この共流延ダイ30
には、綿花フィルム用タンク31及びパルプフィルム用タ
ンク32が連結されている。そして、共流延ダイ30の下側
の流延口(図示せず)─流延支持体に直接ドープを流延
する方の流延口─には綿花フィルム用タンク31が連結さ
れ、上側の流延口(図示せず)─流延支持体に接しない
ドープを流延する方の流延口─にはパルプフィルム用タ
ンク32が連結されている。また、綿花フィルム用タンク
31には、綿花フィルム10を形成するための綿花フィルム
用ドープ11が充填され、パルプフィルム用タンク32に
は、パルプフィルム20を形成するためのパルプフィルム
用ドープ21が充填されている。さらに、共流延ダイ31と
各タンク31、32との間には、各ドープを搬送するための
ポンプ33、34がそれぞれ設けられている。
【0030】また、符号35、36は一対のドラムで、この
ドラム35、36には流延支持体としての流延バンド支持体
(以下、バンドという)37が巻き掛けられている。そし
て、各ドラム35、36にはドラムの温度を制御するための
通水管(又は通風管)38が設けられるとともに、バンド
37に近接してバンド37上のドープを乾燥させるための温
風を供給する温風供給手段(図示せず。)が設けられて
いる。
【0031】さらに、一方のドラム35の側方に隣接し
て、固化したフィルムを剥ぎ取るための剥取り用ロール
39が設けられており、このドラム35の上方において前記
共流延ダイ31の流延口が隣接している。
【0032】以上のような製造装置でセルローストリア
セテート積層フィルムを製造するには、まず、通水管38
に所定の温度に調製した水を通水してドラム35、36を所
定の温度にするとともに、温風供給手段で温風aをバン
ド37に吹き掛ける。そして、ドラム36を駆動させてバン
ド37を走行させるとともに、ポンプ33、34も駆動させて
各ドープ11、21を共流延ダイ30に送り込む。送り込まれ
たドープ11、21は、図3に示すように、下側に綿花フィ
ルム用ドープ11、上側にパルプフィルム用ドープ21が位
置する2層構造となってバンド37に流延される。したが
って、綿花フィルム用ドープ11のみがバンド37に接触
し、パルプフィルム用ドープ21はバンド37に接触しない
状態となっている。このような状態で搬送されつつ温風
aで乾燥させられた後、剥取りロール39でバンド37から
剥ぎ取られる。
【0033】図4は、本発明のセルローストリアセテー
ト積層フィルムの他の実施例の層構成を示す部分断面
図、図5は同上のセルローストリアセテート積層フィル
ムを製造する製造装置の要部の概略図。
【0034】図4に示すセルローストリアセテート積層
フィルムは、3層構成から成っており、すなわち、パル
プフィルム20の両方の面に綿花フィルム10、10が積層さ
れている。
【0035】図5において、ダイ40は3層流延用のダイ
であり、パルプフィルム用ドープ21を中央に、綿花フィ
ルム用ドープ11をその両側にそれぞれ送液し、3層構成
となるように流延する。その他の構成は前記製造装置と
略同様である。
【0036】以下、本発明の実施例及び比較例の特性を
比較した試験結果について説明する。 〔実施例1〕 下記のドープを用い、図2に示す製造装置で図1に示す
厚さ5μmの綿花フィルム層10と厚さ45μmのパルプフ
ィルム層とから成るセルローストリアセテート積層フィ
ルムを作製した。 綿花フィルム用ドープ; 綿花から調製したセルローストリアセテート 18重量% (重合度約350のリンター綿) トリフェニルホスフェート 2.5重量% 混合溶剤 79.5重量% (塩化メチレン/メタノール重量比=92/8) パルプフィルム用ドープ; パルプから調製したセルローストリアセテート 18重量% (重合度約290の広葉樹パルプ) トリフェニルホスフェート 2.5重量% 混合溶剤 79.5重量% (塩化メチレン/メタノール重量比=92/8)
【0037】〔比較例1〕実施例1と同一のパルプフィ
ルム用ドープを用い、厚さ50μmの単層パルプフィルム
を製造した。その他の条件は実施例1と同一である。製膜速度試験 実施例1及び比較例1のフィルムの製造において、面状
不良を起こさずに支持体からのフィルム剥ぎ取りが可能
になる時間を測定した。実施例1は75秒であるのに対
し、比較例1は98秒であり、実施例1の方が比較例1よ
り約25%早かった。
【0038】〔実施例2〕綿花フィルムの厚さを12μ
m、パルプフィルム層の厚さを113μmとした他は、実
施例1と同一である。
【0039】〔実施例3〕綿花フィルムの厚さを30μ
m、パルプフィルム層の厚さを95μmとした他は、実施
例1を同一である。
【0040】〔比較例2〕実施例1と同一のパルプフィ
ルム用ドープを用い、厚さ125μmの単層パルプフィル
ムを製造した。その他の条件は実施例1と同一である。
【0041】〔比較例3〕実施例1と同一の綿花フィル
ム用ドープを用い、厚さ125μmの単層綿花フィルムを
製造した。その他の条件は実施例1と同一である。
【0042】〔比較例4〕下記のドープを用い、綿花と
パルプの混合した単層のフィルムを製造した。その他の
条件は実施例1と同一である。 綿花から調製したセルローストリアセテート 2重量% パルプから調製したセルローストリアセテート 16重量% トリフェニルホスフェート 2.5重量% 混合溶剤 79.5重量% (塩化メチレン/メタノール重量比=92/8) ドープ粘度 513ポアズ
【0043】〔比較例5〕下記のドープを用い、綿花と
パルプの混合した単層のフィルムを製造した。その他の
条件は実施例1と同一である。 綿花から調製したセルローストリアセテート 5重量% パルプから調製したセルローストリアセテート 13重量% トリフェニルホスフェート 2.5重量% 混合溶剤 79.5重量% (塩化メチレン/メタノール重量比=92/8) ドープ粘度 545ポアズ耐熱性試験 実施例2、3及び比較例2〜5の各フィルムを粘着剤で
ガラスに貼り付け、80℃、湿度90%RHの条件下で保存
し、目視観察により変色するまでの時間を測定した。結
果を表1に示す。プレートアウト試験 連続製造において支持体の表面が汚染されて変色が認め
られるまでの時間を観察し、比較した。結果を表1に示
す。
【0044】
【表1】
【0045】〔実施例4〕 下記のドープを用い、図2に示す製造装置で図1に示す
厚さ10μmの綿花フィルム層10と厚さ90μmのパルプフ
ィルム層20とから成るセルローストリアセテート積層フ
ィルムを作製した。 綿花フィルム用ドープ; 綿花から調製したセルローストリアセテート 20重量% (重合度約350のリンター綿) トリフェニルホスフェート 2.8重量% 混合溶剤 77.2重量% (塩化メチレン/メタノール重量比=92/8) ドープ粘度 950ポアズ パルプフィルム用ドープ; パルプから調製したセルローストリアセテート 16重量% (重合度約290の広葉樹パルプ) トリフェニルホスフェート 2.2重量% 混合溶剤 81.8重量% (塩化メチレン/メタノール重量比=92/8) ドープ粘度 350ポアズ 得られたフィルムは、後述の実施例5のそれより細かい
凹凸や段状の厚み変化が減少し、光学的に優れた膜であ
った。
【0046】〔実施例5〕綿花フィルム用ドープの粘度
及びパルプフィルム用ドープの粘度を共に650ポアズを
した他は、実施例4と同一である。平面性試験 実施例4及び5の各フィルムのパルプフィルム層の表面
を目視観察により評価した。その結果、実施例4の方が
実施例5より、細かい凹凸や段状の厚み変化が減少して
いた。
【0047】
【発明の効果】本発明は、流延支持体からフィルムを容
易に剥離でき、したがって生産速度をあげることができ
る。また、耐湿熱性も充分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセルローストリアセテート積層フィ
ルムの一実施例の部分断面図。
【図2】 本発明のセルローストリアセテート積層フィ
ルムの製造法を実施する製造装置の概略図。
【図3】 本発明のセルローストリアセテート積層フィ
ルムの製造法を実施する製造装置の部分拡大図。
【図4】 本発明のセルローストリアセテート積層フィ
ルムの他の実施例の部分断面図。
【図5】 本発明のセルローストリアセテート積層フィ
ルムの製造法を実施する他の製造装置の概略図。
【符号の説明】
10…綿花から調製したセルローストリアセテート製フィ
ルム 11…綿花フィルム用ドープ 20…パルプから調製したセルローストリアセテート製フ
ィルム 21…パルプフィルム用ドープ 30,40…共流延ダイ 31…綿花フィルム用タンク 32…パルプフィルム用タンク 35…ドラム 37…バンド

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 綿花から調製したセルローストリアセテ
    ート製フィルムと、パルプから調製したセルローストリ
    アセテート製フィルムとを有することを特徴とするセル
    ローストリアセテート積層フィルム
  2. 【請求項2】 綿花から調製したセルローストリアセテ
    ートを含むドープ及びパルプから調製したセルロースト
    リアセテートを含むドープを、綿花から調製したセルロ
    ーストリアセテートを含むドープが流延用支持体に直接
    接するように流延することを特徴とするセルローストリ
    アセテート積層フィルムの製造法
JP28832392A 1992-10-27 1992-10-27 セルローストリアセテート積層フィルム及びその製造法 Expired - Fee Related JP2932021B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28832392A JP2932021B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 セルローストリアセテート積層フィルム及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28832392A JP2932021B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 セルローストリアセテート積層フィルム及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06134933A JPH06134933A (ja) 1994-05-17
JP2932021B2 true JP2932021B2 (ja) 1999-08-09

Family

ID=17728698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28832392A Expired - Fee Related JP2932021B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 セルローストリアセテート積層フィルム及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2932021B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4547104B2 (ja) * 2001-04-19 2010-09-22 富士フイルム株式会社 セルロースアシレートフイルムおよびその製造方法
US7470384B2 (en) 2001-06-15 2008-12-30 Fujifilm Corporation Method of producing of cellulose ester film
JP4978071B2 (ja) * 2006-06-16 2012-07-18 コニカミノルタホールディングス株式会社 偏光板保護フィルム用セルロースエステルフィルムの製造方法
KR101618870B1 (ko) 2008-05-15 2016-05-09 후지필름 가부시키가이샤 셀룰로오스 에스테르 필름, 위상차 필름, 편광판 및 액정 표시 장치
JP2011059471A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Fujifilm Corp 光学フィルムおよびその製造方法、偏光板、液晶表示装置等

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06134933A (ja) 1994-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4280486B2 (ja) 溶液製膜方法
JP2559073B2 (ja) セルローストリアセテートフィルムの製造方法
JPH08207210A (ja) セルロースアセテート積層フイルムおよびその製造方法
JP2002103359A (ja) 製膜方法及び偏光板等
JP2932021B2 (ja) セルローストリアセテート積層フィルム及びその製造法
US2319051A (en) High speed method of making cellulose organic derivative film and sheeting
US2260501A (en) Method of making uniaxial low shrinkage cellulose derivative sheeting
TWI377228B (en) Composition of polyvinyl alcohol resin and film of polyvinyl alcohol using them
JPS6264514A (ja) セルロ−ストリアセテ−トフイルムの製造方法
JP2554553B2 (ja) 写真感光材料用支持体の製造方法
JP3950597B2 (ja) セルロースエステルフィルムの製造方法
US2367503A (en) Gelable cellulose derivative compositions
TWI383013B (zh) 用於製造聚乙烯醇薄膜的方法
JPH1177718A (ja) セルローストリアセテートフィルムの乾燥装置及び乾燥方法
JPS6017101B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法
JPH04298310A (ja) セルローストリアセテートフイルムの製造方法
JPH10235664A (ja) セルロースエステルフィルムとその製造方法、製膜用溶解液組成物及びそれを用いた写真感光材料用フィルムベース
JP4251782B2 (ja) 溶液製膜方法
JP2003276037A (ja) セルロースエステル積層フィルムの製造方法
JP4017139B2 (ja) 溶液製膜方法
JP2003285367A (ja) 溶液製膜方法及びその製造物
JPH04284211A (ja) セルローストリアセテートフイルムの製造方法
JP2000319412A (ja) セルロースエステルフィルムの製造方法、その製造装置、及び液晶画像表示装置用セルロースエステルフィルム
JPH106351A (ja) セルローストリアセテートフィルムの製造方法及び液晶表示用部材の製造方法
JP2002317059A (ja) セルロースアシレートフイルム,偏光板及び製膜方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080528

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100528

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees