JP4978071B2 - 偏光板保護フィルム用セルロースエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はセルロースエステルフィルムおよびその製造方法に関する。
近年、ノートパソコンの薄型、軽量化に関する開発が進んでいる。それに伴って、液晶表示装置に用いられる偏光板用保護フィルムに対してもますます薄膜化の要求が強くなってきている。偏光板用保護フィルムには、一般的にセルローストリアセテートフィルムが広く使用されている。しかしながら、セルローストリアセテートフィルムを単純に薄膜にしていくと、様々の問題が発生することが我々の研究では明らかになってきた。
従来、偏光板用保護フィルムに使用されるセルローストリアセテートフィルムには、フィルムに柔軟性や疎水性を付与する目的で、可塑剤が使用されている。セルローストリアセテートフィルムを単純に薄膜化してゆくと、フィルムの透湿性が劣化し、充分に水分をカットすることが出来ず、偏光板にしたときに接着剤や偏光子が劣化を起こすことがあった。この対策として薄膜化された分だけ、可塑剤を増量することが考えられるが、可塑剤を単純に増量するだけでは、偏光板の寸法安定性が劣化するという、新たな問題を引き起こすことが判明した。
また、可塑剤を含有するセルロースエステルフィルムを鏡面を有する円筒或いは無端バンド上に流延してフィルムを製造する場合に、セルロースエステルフィルムを単純に薄膜化すると、円筒或いは無端バンドからフィルムを剥離するときに剥離不良が起こりやすく、故障が発生しやすいことが判った。
特開昭61−158414号公報 特開平8−207210号公報
本発明の第1の目的は、透湿性と寸法安定性に優れたセルロースエステルフィルムを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、製造時の剥離性が良好な、透湿性と寸法安定性に優れたセルロースエステルフィルムを提供することにある。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
(1)可塑剤を含有する膜厚15〜65μmの偏光板保護フィルム用セルロースエステルフィルムを共流延で積層フィルムとして製造するに当たり、該フィルムの流延用支持体に接する層の可塑剤添加量(質量%)を、当該支持体に接する層に隣接する層の可塑剤添加量(質量%)よりも多くすることを特徴とする偏光板保護フィルム用セルロースエステルフィルムの製造方法。
上記手段によって、本発明の課題は達成された。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、セルロースエステルフィルムの内部の可塑剤量を分布させることで前記の課題を解決せんとしたものである。
即ち、本発明者らは、可塑剤量をフィルムの深さ方向で分布させる事で、透湿性と寸法安定性の両者を改良することが出来ることを見いだした。
例えば、表面の可塑剤量をもう一方の表面或いは内部の1.01倍乃至10倍の範囲とすることにより、薄膜化したときの透湿性を向上させることが出来、寸法安定性の良いフィルムが得られる。又、セルロースエステルフィルムの製造時、セルロースエステルの有機溶媒溶解液(所謂ドープ液)を鏡面を有する円筒ドラムや無端バンド上に流延して製造する際に、円筒ドラムや無端バンドに接する表面側の可塑剤量をもう一方の表面側よりも多くすることによりセルロースエステルフィルムの製造時の剥離が不良になるという問題も解決できることを見いだした。
本発明は、セルロースエステルフィルム最外層の可塑剤量が内部の可塑剤量のより多くなっていれば良く、内部と最外層で、可塑剤量の分布が勾配を有していることが必要である。一様に可塑剤を含有させるよりも可塑剤量を分布させ可塑剤量の濃度の少ない層をつくることが必要である。
本発明における可塑剤量とは、セルロースエステルに対する可塑剤量の質量%で示した。
これらのうち、本発明においては両方の最外層の可塑剤量が、内部の可塑剤量よりも多くしたフィルムが製造上の観点からは好ましく、例えば、後述する共流延による方法を用いてセルロースエステルフィルムを製造する場合等に特に適している。
以下本発明を更に詳しく説明するために以下本発明の構成要件について詳しく説明する。
本発明に用いられるセルロースエステルとしてはセルロースの低級脂肪酸エステルが好ましい。
セルロースエステルの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等、又特開平10−45804号、同8−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルがセルロースの低級脂肪酸エステルの例として挙げられる。
上記脂肪酸のなかでも、特に好ましく用いられるのは、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。
セルローストリアセテートの場合には、フィルム強度の観点から、特に重合度250〜400、平均酢化度(結合酢酸量)が54.0〜62.5%が好ましく用いられ、更に好ましいのは、平均酢化度(結合酢酸量)が58.0〜62.5%のセルローストリアセテートである。
セルローストリアセテートは綿花リンターから合成されたセルローストリアセテートと木材パルプから合成されたセルローストリアセテートを単独或いは混合して用いることができる。
次に、本発明セルロースエステルフィルム中に含有される可塑剤について説明する。
用いることのできる可塑剤としては特に限定しないが、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤などを好ましく用いることができる。リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等があり、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等があり、これらを単独あるいは併用して用いるのが好ましい。
これらの可塑剤は、また必要に応じて、2種類以上を併用して用いてもよい。
本発明の可塑剤は本発明セルロースエステルフィルムの一方の表面の可塑剤量が、もう一方の表面の可塑剤量よりも多いことを特徴とする。可塑剤量の比率は特に限定されないが、1.01〜10倍であることが好ましく、1.1〜5倍であることが更に好ましく、1.3〜3倍であることが特に好ましい。
表面の可塑剤量の測定法は特に限定されないが、本発明においてフィルム表面の可塑剤量といったとき、これは、例えばナイフなどを用いてフィルムの表面から20nm程削って定量分析する方法や、フィルムの厚さ方向の可塑剤量をIRや原子吸光などでスキャンする方法などを用いて定量したものである。
一方の表面の可塑剤量を、もう一方の表面の可塑剤量よりも多くする方法は特に限定されないが、流延に用いる例えばステンレス製の円筒や無端のバンド上での乾燥速度と剥離時のフィルム中の残留溶媒量を変化することによって調節する方法や、可塑剤量を変えたセルロースエステルを溶解した有機溶媒溶解液(所謂ドープ液)を共流延する方法等がある。可塑剤の量を変えたドープ液を共流延する方法は、ドープ液を鏡面を有する円筒或いは無端バンド上に流延(キャスティング)することでセルロースエステルフィルムは得る際に、少なくとも2以上のドープ液を共流延し、少なくとも2層以上の可塑剤を含有する層からなるセルロースエステルフィルムを形成する方法である。
共流延の方法は特に限定されないが例えば、2層からなるセルロースエステルフィルムを例にとると、1層目が完全に乾いた後に2層目を流延する方法(以下Wet on Dry方式と言うことがある)、1層目が生乾きの状態で2層目を流延する方法(以下、Wet on Wet方式と言うことがある)、コーターにスリットを複数設けて1層目と2層目を同時に流延する方法(以下、同時流延法式と言うことがある)等を挙げることができる。
この様にして製造されたセルロースエステルフィルムの場合、上記の円筒や無端バンドに接する層に含有される可塑剤量が、該層から最も遠い層に含有される可塑剤量の1.01倍乃至10倍であることにより剥離の良好な透湿性の高いフィルムが得られる。
又、可塑剤の全体の使用量は、セルロースエステルに対して1乃至30質量%含有されることが好ましく、2〜25質量%が更に好ましく、2〜15質量%が更に好ましく、特に好ましくは3〜12質量%である。
本発明のフィルムはにおいては、カール値は絶対値が小さい方が好ましく、変形方向は、+方向でも、−方向でもよい。カール値の絶対値は30以下であることが好ましく、更に好ましくは20以下であり、10以下であることが特に好ましい。
可塑剤の全体の使用量はセルロースエステルに対して1乃至30質量%含有されることが本発明の効果を得るには好ましいが、本発明の可塑剤の含量に傾斜をもたせたフィルムはカールという観点で捉えたときはこれを増長する方向なので、カールが少ないセルロースエステルフィルムを得るためには可塑剤の使用量とフィルム表面及び反対の表面の量比率、或いは表面と内部の量比率の両方の因子が効いてくる。
カールを少なくするための、これら可塑剤の量及びフィルムの表面ともう一方の表面の可塑剤量の比は一概にはいえないが、おおよその目安として、好ましい可塑剤量は2〜25質量%、2〜15質量%が更に好ましく、特に好ましくは3〜12質量%である。又、表面ともう一方の表面の可塑剤量の比としては1.01〜10倍にであるが、好ましいのは1.01〜5倍、更に好ましくは1.01〜3倍である。
本発明のセルロースエステルフィルムにおいては、上記可塑剤の他にも可塑剤と同様の作用を示す添加剤が含有されることがある。これらの添加剤としてはセルロースエステルフィルムを可塑化することのできる低分子有機化合物であれば、可塑剤と同様に本発明の効果を得ることができる。これらのものとして後述する紫外線吸収剤、染料等の添加剤成分が挙げられる。これらの成分は可塑剤に比べ直接フィルムを可塑化する目的で添加されるものではないが、量に応じて上記可塑剤と同様の作用を示す。即ち、これらの添加剤がセルロースエステルフィルム中に添加されるとき、これらは上記可塑剤と同じように一方の表面側の添加量を内部或いはもう一方の面の添加量より1.01倍乃至10倍の量に設定することで、同様の効果をもたらす。
従って本発明は、セルロースエステルフィルムを可塑化することのできる低分子有機化合物添加剤の含有量が表面側において、内部よりも多い、或いは一方の表面側においてもう一方の表面側よりも多いセルロースエステルフィルムと言うことができる。これら添加剤の量に傾斜をもたせることで剥離の良好な透湿性の高いフィルムが得るものである。これらの添加剤の中で好ましいものは可塑剤であり、効果が大きく、その中でも前記の可塑剤が最も好ましく用いられる。
本発明のセルロースエステルフィルムは、高い透湿性、寸法安定性等から液晶表示用部材に用いられるのが好ましい。液晶表示部材とは液晶表示装置に使用される部材のことで、例えば、偏光板、偏光板用保護フィルム、位相差板、反射板、視野角向上フィルム、防眩フィルム、無反射フィルム、帯電防止フィルム等が挙げられる。上記記載の中でも、寸法安定性に対して厳しい要求のある偏光板用保護フィルムにおいて、本発明のセルロースエステルフィルムは好ましく用いられる。
偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例えば、本発明のセルロースエステルフィルムをアルカリケン化処理し、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬、延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリケン化処理とは、水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に漬ける処理のことをいう。
本発明のセルロースエステルフィルムに、必要に応じて使用される紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明においては、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは、5%以下、更に好ましくは2%以下である。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体などが挙げられる。
紫外線吸収剤は単独で用いても良いし、2種以上の混合物であっても良い。
以下に本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−8:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−9:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−10:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。
紫外線吸収剤の使用量は化合物の種類、使用条件などにより一様ではないが、通常はセルロースエステルフィルム1m2当り、0.2g〜2.0gが好ましく、0.4g〜1.5gがさらに好ましい。
又、本発明においては、フィルムの黄色みを抑えフィルムの酸化防止をするために青色染料が添加剤として用いられることが好ましい。これらの染料も前述のように、可塑剤と同様の効果を有する添加剤であるが、好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。
アンスラキノン系染料は、アンスラキノンの1位から8位迄の位置に任意の置換基を有することが出来る。好ましい置換基としては、置換されても良いアニリノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、又は水素原子が挙げられる。これら置換基をRの位置を付帯文字で対応させてR1〜R8と表す。R1〜R8の少なくとも1つは、置換されても良いアニリノ基である。アニリノ基上に置換されても良い基として、アニリノ基上の置換基をアニリノ基のフェニル基の1位から5位までに対応させてf1〜f5で表すと、f1〜f5は水素原子、ハロゲン原子、置換されても良いアルキル基、置換されても良いアリールオキシ基、置換されても良いアルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、シクロヘキシルスルホンアミド基などで置換されていても良い。
以下にアンスラキノン系染料の具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
(1)1,4−ジフェニルアミノアンスラキノン
(2)1,4−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)アンスラキノン
(3)1,4−ビス(2,4−ジエチル−4−メチルフェニル)アンスラキノン
(4)1,4−ビス(2,6−ジメチル−4−シクロヘキシルスルホンアミドフェニル)アンスラキノン
(5)1−メトキシフェニルアミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニルアミノ−8−ヒドロキシアンスラキノン
(6)1,4−ビス(2,4,6−トリプロピルシクロヘキシルスルホンアミドフェニル)アンスラキノン
(7)1−エトキシフェニルアミノ−4−ヒドロキシー5−メトキシフェニルアミノ−8−ヒドロキシアンスラキノン
(8)1,4−ビス(2,4,6−トリメトキシフェニルアミノ)アンスラキノン
(9)1,4−ビス(2,4,6−トリエチルフェニル)アンスラキノン
(10)1,4−ビス(2,4−ジイソプロポキシ−6−メチルフェニル)アンスラキノン
(11)1,4−ビス(2,6−ジクロロ−4−シクロヘキシルスルホンアミドフェニル)アンスラキノン
(12)1−(2,4,6−トリメトキシフェニルアミノ)−4−ヒドロキシ−5−(2,4,6−トリメトキシフェニルアミノ)−8−ヒドロキシアンスラキノン
(13)1,4−ビス(2,4,6−トリプロピルシクロヘキシルスルホンアミドフェニル)アンスラキノン
(14)1,5−ビス(メトキシフェニルアミノ)−4,8−ジヒドロキシアンスラキノン
これらの染料のフィルムへの添加量はフィルムの透明性を維持するため0.1〜1000μg/m2、好ましくは10〜100μg/m2である。
また本発明のセルロースエステルフィルムには、他に必要ならマット剤として二酸化珪素等の微粒子を加えても良い。これらの微粒子は有機物で表面処理されていることが、フィルムのヘイズ低下を出来るため好ましい。
表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどが挙げられる。
微粒子の平均径が大きい方がマット効果は大きく、平均径の小さい方は透明性に優れる為、本発明においては微粒子の1次粒子の平均径が5〜50nmが好ましく、更に好ましくは、7〜20nmである。
二酸化珪素の微粒子としては特に限定されないが、例えば、アエロジル(株)製のAEROSIL200、300、R972、R974、R202、R812、OX50、TT600などがあげられ、好ましくはAEROSILR972、R974、R202、R812などがあげられる。
これら微粒子は、通常平均粒径が0.01〜1.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在しフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させる。これらの微粒子の含有量は、セルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法について説明する。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造は、必要に応じて各種添加剤を混合したセルロースエステルを溶剤に溶解させたドープ液を塗布、製膜して行われる。各種添加剤はセルロースエステルが溶解しているドープ液にバッチ添加しても良いし、添加剤溶解液を別途用意してインライン添加しても良い。添加剤溶解液をインライン添加する場合は、ドープとの混合性を良くするため、少量のセルロースエステルを溶解するのが好ましい。好ましいセルロースエステルの量は、溶剤100kgに対して1〜10kgで、より好ましくは、3〜5kgである。
本発明において、セルロースエステルが溶解しているドープ液とは、セルロースエステルが溶剤(溶媒)に溶解している状態であり、前記ドープ液には、可塑剤等の添加剤を加えてもよい。ドープ液中のセルロースエステルの濃度としては、10〜30質量%が好ましく、更に好ましくは、15〜25質量%である。
本発明で用いられる溶剤は、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率の点で好ましく、更に好ましくは、良溶剤と貧溶剤の混合比率は良溶剤が70〜97質量%であり、貧溶剤が30〜3質量%である。
本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。そのため、セルロースエステルの結合酢酸量によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセトンを溶剤として用いるときには、セルロースエステルの結合酢酸量55%では良溶剤になり、結合酢酸量60%では貧溶剤となってしまう。
本発明に用いられる良溶剤としては、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類が挙げられる。
また、本発明に用いられる貧溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン等が好ましく用いられる。
上記記載のドープ液を調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができるが、好ましい方法としては、セルロースエステルを貧溶剤と混合し、湿潤あるいは膨潤させ、さらに良溶剤と混合する方法が好ましく用いられる。このとき加圧下で、溶剤の常温での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、攪拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。
又、特開平9−5538号、同9−5544号、同9−95557号に記載されている様な、冷却溶解法により溶解するのが好ましい。これら低級脂肪酸セルロースエステルのうち−100乃至−10℃に冷却してから0乃至120℃に加温する過程で有機溶媒に溶解し得られた低級脂肪酸セルロースエステル有機溶媒溶解液を、鏡面を有する無端ベルト上、あるいは円筒(ドラム)上に塗布(キャスティング)する。
これは、まず、混合物を−100乃至−10℃で(好ましくは−80乃至−10℃、更に好ましくは−50乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したエチレングリコール溶液(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷却するとセルローストリアセテートと混合溶媒の混合物は固化する場合がある。
次に、この冷却物を0乃至50℃に加温すると、混合溶媒中にセルローストリアセテートが溶解する。昇温は室温に放置するだけでもよく、温浴中で加温してもよい。このようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解を早めるために冷却と加温の操作を繰り返してもよい。溶解が十分であるかどうかは、目視により溶液の概観を観察するだけで判断することができる。冷却溶解方法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。これらの方法により濃縮という手段に頼らずとも高濃度でしかも安定性の優れたドープ液が得られる
本発明においては、セルロースエステルを溶剤に溶解させたドープ液と、各種添加剤と少量のセルロースエステルとを溶解させた溶液をインラインで添加、混合を行うためには、例えば、スタチックミキサー(東レエンジニアリング製)、Hi−Mixer SWJ(東レエンジニアリング製)等のインラインミキサー等が好ましく用いられる。インラインミキサーを用いる場合、高圧下で濃縮溶解することが好ましく、加圧容器の種類は特に問うところではなく、所定の圧力に耐えることが出来、加圧下で加熱、攪拌が出来ればよい。加圧容器にはその他圧力計、温度計などの計器類を的に配設する。
加圧は窒素ガスなどの不活性気体を圧入する方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、使用溶剤の沸点以上で、かつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましく例えば60℃以上、70〜110℃の範囲に設定するのが好適である。又、圧力は設定温度で、溶剤が沸騰しないように調整される。
溶解後は冷却しながら容器から取り出すか、または容器からポンプ等で抜き出して熱交換器などで冷却し、これを製膜に供する。このときの冷却温度は常温まで冷却してもよいが、沸点より5〜10℃低い温度まで冷却し、その温度のままキャスティングを行うほうが、ドープ粘度を低減できるためより好ましい。
本発明においては、セルロースエステルフィルムを溶剤に溶解させたドープ液と、必要に応じて各種添加剤と少量のセルロースエステルが溶解している溶液が、インラインで添加、混合され、次いで、支持体上に流延(キャスト工程)され、加熱して溶剤の一部を除去(支持体上乾燥工程)した後、支持体から剥離し、剥離したフィルムを乾燥(フィルム乾燥工程)し、本発明のセルロースエステルフィルムが得られる。
キャスト工程における支持体は円筒状もしくは無端バンド状のステンレスを鏡面仕上げした支持体が好ましく用いられる。キャスト工程の支持体の温度は一般的な温度範囲として、0℃〜溶剤の沸点未満の温度で、流延することができるが、0〜30℃の支持体上に流延するほうが、ドープをゲル化させ剥離限界時間をあげられるため好ましく、5〜15℃の支持体上に流延することがさらに好ましい。剥離限界時間とは透明で平面性の良好なフィルムを連続的に得られる流延速度の限界において、流延されたドープが支持体上にある時間をいう。剥離限界時間は短い方が生産性に優れていて好ましい。
流延(キャスト)される側の支持体の表面温度は、10〜55℃、溶液の温度は、25〜60℃、更に溶液の温度を支持体の温度より0℃以上高くするのが好ましく、5℃以上に設定するのが更に好ましい。溶液温度、支持体温度は、高いほど溶媒の乾燥速度が速くできるので好ましいが、あまり高すぎると発泡したり、平面性が劣化する場合がある。
支持体の温度の更に好ましい範囲は、20〜40℃、溶液温度の更に好ましい範囲は、35〜40℃である。
また、剥離する際の支持体温度を10〜40℃、更に好ましくは、15〜30℃にすることでフィルムと支持体との密着力を低減できるので、好ましい。
製造時のセルロースエステルフィルムが良好な平面性を示すためには、支持体から剥離する際の残留溶媒量は、10〜80%が好ましく、更に好ましくは、20〜40%であり、特に好ましくは、20〜30%である。
本発明においては、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量=(加熱処理前質量−加熱処理後の質量)/(加熱処理後質量)×100%
尚、残留溶媒量を測定する最の、加熱処理とは、フィルムを115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
また、セルロースエステルフィルムの乾燥工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾燥し、残留溶媒量を3質量%以下にすることが好ましい、更に好ましくは、0.5質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、ピンテンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。液晶表示部材用としては、ピンテンター方式で幅を保持しながら乾燥させることが、寸法安定性を向上させるために好ましい。特に支持体より剥離した直後の残留溶剤量の多いところで幅保持を行うことが、寸法安定性向上効果をより発揮するため特に好ましい。フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行う。簡便さの点で熱風で行うのが好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好ましく、80〜140℃の範囲で行うことが寸法安定性を良くするためさらに好ましい。
セルロースエステルフィルムの膜厚が薄すぎると、偏光板の保護フィルムとしての強度が不足し、偏光板の寸法安定性や湿熱での保存安定性が悪化する。膜厚が厚いと偏光板が厚くなり、液晶ディスプレイの薄膜化が困難になる。これらを両立するセルロースエステルフィルムフィルムの膜厚は15〜65μmが好ましく、25〜55μmが更に好ましく、35〜50μmが特に好ましい。
本発明における収縮率は以下のように定義する。試料の流延方向と流延方向と垂直の方向(以下、横方向とすることがある)より、30mm幅×120mm長さの試験片を各3枚採取する。試験片の両端に6mmφの穴をパンチで100mm間隔にあける。これを、23±3℃、相対湿度55±5%の室内で5時間以上調湿する。自動ピンゲージ(新東化学(株)製)を用いて、パンチ間隔の原寸(L1)を最小目盛り1/1000mmまで測定する。次に試験片を80℃、相対湿度90%の恒温高湿器にに吊して50時間熱処理し、23±3℃、相対湿度55±5%の室内で5時間以上調湿後、自動ピンゲージで熱処理後のパンチ間隔の寸法(L2)を測定する。そして次式により収縮率を計算する。
収縮率(%)=((L1−L2)/L1)×100
(試験片各三枚の平均値(N=3)で表示)
上記の方法により測定したとき、流延方向と、流延方向と垂直の方向での収縮率の差は絶対値で1%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.6%以下であり、0.3%以下であることが特に好ましい。更に、流延方向の収縮率と流延方向に垂直な方向の収縮率の一方が0乃至0.3%であり、かつもう一方が0乃至−0.3%であることが好ましく、偏光板用保護膜フィルムとして用いたときに良好な特性を与える。
以下に実施例を用いて本発明の態様を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
《サンプルの作製》
〈ドープ液の作製〉
セルローストリアセテート(酢化度62.0%) 100kg
エチルフタリルエチルグリコレート 0.4kg
トリフェニルホスフェート 0.4kg
メチレンクロライド 475kg
エタノール 50kg
以上を密閉容器に投入し、加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、濾過し、ドープ液を調製した。
次いで、ベルト流延装置を用い、上記ドープ液を温度33℃、1500mm幅でステンレスバンド支持体上に均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、流延したフィルム中の残留溶媒量が25%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力30Newton/mで、ステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したセルローストリアセテートフィルムを1300mm幅にスリットし、その後、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1100mm幅にスリットし、膜厚40μmのセルローストリアセテートフィルムサンプル101を得た。この際に、ステンレスバンド上での乾燥速度と剥離時のフィルム中の残留溶媒量を調節し、ステンレスバンド側の表面の反対面に対する可塑剤含有比率が1.5となるようにした。
又、サンプル1の可塑剤であるエチルフタリルエチルグリコレートとトリフェニルホスフェートの1:1(質量比)混合物の含有量を表1に記載したように変更した以外は同様にサンプル102〜109を作製した。この時、ステンレスバンド側表面の反対面に対する可塑剤含有比率は、やはり、ステンレスバンド上での乾燥速度と剥離時のフィルム中の残留溶媒量を調節し、サンプル101と同じに保つようにした。
更にサンプル101のステンレスバンド支持体側表面の可塑剤量ともう一方の表面の可塑剤量の比率および全可塑剤含有量を表1に記載のように変化させた以外は同様にしてサンプル110〜123を作製した。この場合も、ステンレスバンド側表面の可塑剤量ともう一方の表面の可塑剤量の比率は、ステンレスバンド上での乾燥速度と剥離時のフィルム中の残留溶媒量を変化することによって調節した。
尚、表面の可塑剤比率は以下の式によって計算した。
表面の可塑剤比率=(支持体に接する面の可塑剤量)/(支持体に接する面と反対側の面の可塑剤量)
フィルム表面の可塑剤量は、ナイフを用いてフィルムのそれぞれの表面から20nm程削りとり、質量を測定した後、これをアセトン中に溶解し、ここに含まれる可塑剤量をGCにて定量分析する方法をとった。
得られた各々のサンプルを、以下の要領で収縮率、透湿度、カールを測定した。結果を表1に示す。
〈収縮率〉
前述の要領で測定した。
収縮率の絶対値は1%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.6%以下であり、0.3%以下であることが特に好ましい。
〈透湿度〉
JIS Z 0208に記載の方法に従い各サンプルの透湿度を測定した。
透湿度は280(g/m2・24h)以下であることが好ましく、更に好ましくは200(g/m2・24h)以下であり、140(g/m2・24h)以下であることが特に好ましい。
〈カール〉
各サンプルを流延方向2mm、流延方向と垂直方向50mmに断裁する。更に、そのサンプル小片を23℃、相対湿度55%環境下で24時間調湿し、曲率スケールを用いてサンプルのカール度を測定した。
カール値は絶対値が小さい方が好ましく、変形方向は、+方向でも、−方向でもよい。カール値の絶対値は30以下であることが好ましく、更に好ましくは20以下であり、10以下であることが特に好ましい。
Figure 0004978071
実施例2
セルローストリアセテートを、表2に記載のセルロースエステルに変更した以外は実施例1と同様にしてサンプル201〜207を作製した。
表中のセルローストリアセテートをTACと表記し、又セルロースアセテートプロピオネート(CAPと表記する)、セルロースアセテートブチレート(CABと表記する)はイーストマン・ケミカル(株)社製の商品名を記載した。
又、可塑剤のエチルフタリルエチルグリコレート(EPEGと表記する)とトリフェニルホスフェート(TPPと表記する)を表2に記載のような可塑剤に変更した以外は実施例1と同様にしてサンプル208〜215を作製した。いずれについても一方の表面の他方の表面に対する可塑剤比率が1.5となるように調整した。
得られたサンプルについて、実施例1と同様に透湿度、流延方向の収縮率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004978071
実施例3
可塑剤の総量および一方の表面における可塑剤量の他の表面に対する比率を表3に記載のように変更した以外は実施例1のサンプル101と同様にしてサンプル301〜302を作製した。実施例1および2と同様に、可塑剤比率は、ステンレスバンド上での乾燥速度と剥離時のフィルム中の残留溶媒量を変化することによって調節した。
又、ステンレスバンド支持体上に、可塑剤の添加量が異なる2つのドープ液を1層目と2層目は共に乾燥膜厚20μmになるように、Wet on Wet方式で共流延(キャスティング)した以外は、実施例1と同様にしてサンプル303および304を調製した。表面の可塑剤比率はそれぞれのドープ液の可塑剤含量を調整しサンプル301および302と同じになる様にした。
表面の可塑剤比率は前記の式によって実施例1、2と同様にGCの測定結果を基に算出した。
得られたサンプルについて、以下の方法に従って流延法によるフィルム作製時におけるステンレスバンド支持体からの剥離性の試験を行った。結果を表3に示す。
〈剥離性〉
支持体からベースを剥離する際に発生する剥離横段故障を以下の基準で目視評価した。
○ :剥離横段故障の発生なし
○△:弱いレベルの剥離横段故障が僅かに発生
△ :弱いレベルの剥離横段故障が発生
× :強いレベルの剥離横段故障が僅かに発生
△レベル以上であれば問題ないが、○△レベル以上であることが好ましい。
Figure 0004978071
本発明のように表面の可塑剤比率が高い方が、剥離性がよく、更に可塑剤量の異なるドープ液を共流延する方法が剥離故障がより少なく、より優れた方法であることがわかる。
実施例4
可塑剤の量と比率を適宜設定することにより収縮率を表4に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして乾燥膜厚40μmのサンプル401〜406を作製した。但し、収縮率は実施例1に記載の方法に従って測定した。
又、得られたサンプルについて以下の方法に従って偏光板としたときの熱による平面性の劣化と剥がれについて試験を行った。結果を表4に示す。
〈平面性、剥がれ試験〉
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素1kg、ホウ酸4kgを含む水溶液100kgに浸漬し50℃で6倍に延伸して作製した偏光膜の両面にセルローストリアセテートフイルムサンプルを完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として各々貼り合わせ偏光板を作製し、得られた偏光板サンプルを、80℃、90%RHの環境下で50時間熱処理した。サンプルを取り出して23℃、55%RHで6時間放冷し、その後、サンプルの平面性と剥がれを以下の基準で評価した。
○ :平面性良好で剥がれもなし
○△:僅かに反りがみられるが、剥がれはなし
△ :サンプルに反りがみられ、又サンプルの外周の20%未満に剥がれがみられる
× :サンプルに反りがみられ、又サンプルの外周の20%以上に剥がれがみられる
△レベル以上であれば実用上問題ないレベルである。
Figure 0004978071
実施例5
3層のwet on wet方式でドープ液を支持体上にキャストした以外は実施例1と同様にして、3層の積層体であるサンプル501〜504を作製した。但し、支持体に接する面をB面、もう一方の面をA面とした。A面側の表面層とB面側の表面層は共に乾燥膜厚10μmになるようにし、内部の層は乾燥膜厚20μmになるようにした。又、各層のドープに添加する可塑剤の量を調節して、それぞれの層の可塑剤量を変化させた。
得られたサンプルについて、実施例1と同様に透湿度、流延方向の収縮率を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0004978071
本発明のフィルムは透湿性に優れ収縮率も小さく優れていることがわかる。

Claims (1)

  1. 可塑剤を含有する膜厚15〜65μmの偏光板保護フィルム用セルロースエステルフィルムを共流延で積層フィルムとして製造するに当たり、該フィルムの流延用支持体に接する層の可塑剤添加量(質量%)を、当該支持体に接する層に隣接する層の可塑剤添加量(質量%)よりも多くすることを特徴とする偏光板保護フィルム用セルロースエステルフィルムの製造方法。
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