JP2931365B2 - ポリウレタン溶液 - Google Patents

ポリウレタン溶液

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JP2931365B2 JP2124679A JP12467990A JP2931365B2 JP 2931365 B2 JP2931365 B2 JP 2931365B2 JP 2124679 A JP2124679 A JP 2124679A JP 12467990 A JP12467990 A JP 12467990A JP 2931365 B2 JP2931365 B2 JP 2931365B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリウレタン溶液に関する。さらに詳しく
は、本発明はβ−メチル−δ−バレロラクトン系ポリラ
クトンジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤
を特定の添加剤の存在下に溶液重合して得られるポリウ
レタン溶液に関する。
本発明のポリウレタン溶液は高粘度であることから、
必要に応じて溶剤で希釈することによつて広い範囲内か
ら任意の粘度のポリウレタン溶液を調製することがで
き、しかも溶液中のポリウレタンはβ−メチル−δ−バ
レロラクトン系ポリラクトンジオールから誘導されたソ
フトセグメント構造に由来して耐加水分解性、耐摩耗
性、耐光性、耐寒性、耐カビ性、接着性などの諸性能に
おいて優れる。従つて本発明のポリウレタン溶液は、合
成皮革または人工皮革を製造するためのコーテイング剤
または含浸剤をはじめとするコーテイング剤、バインダ
ー、接着剤などの各種用途に応じた最適の粘度を有する
溶液状ポリウレタン組成物またはそれを製造するための
原液として有用である。
〔従来の技術〕
一般に、合成皮革または人工皮革を製造するためのコ
ーテイング剤または含浸剤をはじめとするコーテイング
剤、バインダー、接着剤などの溶液状ポリウレタン組成
物は、ポリエステルジオール、ポリラクトンジオール、
ポリエーテルジオールなどの高分子ジオール、有機ジイ
ソシアネートおよび鎖伸長剤を有機溶剤中で反応させる
ことによつて得られた高濃度かつ高粘度のポリウレタン
溶液を、樹脂の塗工量を要求性能が満たされる必要かつ
最少の量に近づける上で好適な濃度と取扱いを容易とす
る上で好適な粘度との両方を満足する程度に希釈するこ
とにより調製されている。
一方、β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリラクト
ンジオールを高分子ジオールとして用いてこれを有機溶
剤中で有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤と反応させ
ることにより、β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリ
ラクトンジオールから誘導されたソフトセグメント構造
を有するポリウレタンが得られ、かかるポリウレタンは
その化学構造に由来して耐加水分解性、耐摩耗性、耐光
性、耐寒性、耐カビ性、接着性などの諸性能において優
れることから、合成皮革または人工皮革を製造するため
のコーテイング剤または含浸剤をはじめ、コーテイング
剤、接着剤などとして有用であることが知られている
(特開昭60−26019号公報、特開昭60−197717号公報、
特開昭61−9478号公報など参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のβ−メチル−δ−バレロラクトン系ポリラクト
ンジオールを高分子ジオールとして用いてこれを有機溶
剤中で有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤と反応させ
た場合には、得られるポリウレタン溶液は、たとえそれ
が高濃度であつても、溶液中のポリウレタンの分子量の
高さの割に低い粘度を示す。従つて、このようなβ−メ
チル−δ−バレロラクトン系ポリラクトンジオールを高
分子ジオールとして用いて製造されたポリウレタン溶液
を使用目的に応じた濃度に希釈して得られる溶液状ポリ
ウレタン組成物では、粘度が低すぎるために取扱い上支
障をきたす場合がある。
特公昭50−27494号公報には、すでに重合されたポリ
ウレタンを含む溶液にクエン酸、酒石酸、グリコール酸
などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸を添加することによ
つて、溶液粘度の経時的低下が抑制されることが記載さ
れている。その記載に準じて本発明者らが、β−メチル
−δ−バレロラクトン系ポリラクトンジオール、有機ジ
イソシアネートおよび鎖伸長剤を有機溶剤中で反応させ
ることによつて得られたポリウレタン溶液に脂肪族ヒド
ロキシカルボン酸を添加したところ、溶液粘度の経時的
低下が抑制される効果は認められたものの、後述の比較
例8から明らかなとおり、ポリウレタン溶液の粘度を該
脂肪族ヒドロキシカルボン酸の添加前のレベルよりさら
に上昇させる効果は実質的に発現しないことが判明し
た。
しかして、本発明の目的は、β−メチル−δ−バレロ
ラクトン系ポリラクトンジオール、有機ジイソシアネー
トおよび鎖伸長剤から製造されるポリウレタンを含み、
かつ高められた粘度を有するポリウレタン溶液を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、上記の目的は、β−メチル−δ−バ
レロラクトン系ポリラクトンジオール、有機ジイソシア
ネートおよび鎖伸長剤を2価以上のポリカルボン酸の存
在下に有機溶剤中で反応させることによつて得られるポ
リウレタン溶液を提供することによつて達成される。
本発明のポリウレタン溶液の製造原料の一つであるβ
−メチル−δ−バレロラクトン系ポリラクトンジオール
は、例えば特開昭60−55026号公報、特開昭60−248727
号公報などに記載されているような、式 で示されるβ−メチル−δ−バレロラクトン単位を有す
るポリラクトンジオールである。β−メチル−δ−バレ
ロラクトン系ポリラクトンジオールはβ−メチル−δ−
バレロラクトン単位の外に式 で示されるε−カプロラクトン単位、式 で示されるδ−バレロラクトン単位などのβ−メチル−
δ−バレロラクトン単位以外のラクトン単位を有してい
てもよいが、得られるポリウレタンが耐加水分解性など
の点において特に優れた諸性能を発揮しうる点およびポ
リウレタン溶液の粘度の改善が特に望まれる点におい
て、該β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリラクトン
ジオール中にβ−メチル−δ−バレロラクトン単位が全
ラクトン単位基準で50モル%以上の割合で含まれている
ことが望ましい。またβ−メチル−δ−バレロラクトン
系ポリラクトンジオールの数平均分子量は、特に制限さ
れるものではないが、得られるポリウレタンがコーテイ
ング剤、バインダー、接着剤、合成皮革用または人工皮
革用の樹脂などの用途において特に良好な性能を発揮し
うる点から500〜5000の範囲内であることが望ましい。
β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリラクトンジオー
ルは公知の方法に従い、例えば、2個の活性水素原子を
含有する有機化合物を重合開始剤として用いて、β−メ
チル−δ−バレロラクトンを開環重合するかまたはβ−
メチル−δ−バレロラクトンとそれ以外のラクトンとを
開環共重合することによつて製造される。2個の活性水
素原子を含有する有機化合物としては、例えば、エチレ
ングリコール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ナフタレンジオール、ジエチレングリコール、
テトラエチレングリコールなどの炭素数2〜22の2価の
アルコール類;平均分子量200〜2000のポリ(オキシエ
チレン)ジオール、ポリ(オキシプロピレン)ジオール
などの炭素数2〜12のオキシアルキレン基を繰り返し構
成単位として有するポリ(オキシアルキレン)ジオール
類;エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘ
キサンジアミン、p−フエニレンジアミンなどの炭素原
子数2〜12のジアミン類;ピペラジンなどの2個のイミ
ノ基を環式構造の中に含む複素環化合物などが使用され
る。開環重合または開環共重合は、公知の方法に従つ
て、例えばリチウム、ナトリウム、n−ブチルリチウム
などの重合触媒の存在下に10〜200℃の温度で行われ
る。
本発明のポリウレタン溶液の製造において、高分子ジ
オールとして、β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリ
ラクトンジオールが単独でまたはそれ以外の高分子ジオ
ールと混合して使用される。かかるβ−メチル−δ−バ
レロラクトン系ポリラクトンジオールと併用してもよい
高分子ジオールとしては、ポリ(テトラメチレンアジペ
ート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジ
オール、ポリ(ノナメチレンアジペート)ジオールなど
のジカルボン酸単位とジオール単位から構成されるポリ
エステルジオール;ポリ(ε−カプロラクトン)ジオー
ルなどの、β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリラク
トンジオール以外のポリラクトンジオール;ポリ(オキ
シエチレン)ジオール、ポリ(オキシプロピレン)ジオ
ール、ポリ(オキシテトラメチレン)ジオール等のポリ
エーテルジオール;ポリカーボネートジオールなどが挙
げられる。これらのβ−メチル−δ−バレロラクトン系
ポリラクトンジオール以外の高分子ジオールの数平均分
子量は、特に制限されるものではないが、一般に500〜5
000の範囲内であることが望ましい。またβ−メチル−
δ−バレロラクトン系ポリラクトンジオール以外の高分
子ジオールの使用量は、特に制限されるものではない
が、得られるポリウレタンが耐加水分解性などのβ−メ
チル−δ−バレロラクトン系ポリラクトンジオールから
誘導された化学構造に由来する優れた諸性能を特に効果
的に発揮しうる点などから、使用するβ−メチル−δ−
バレロラクトン系ポリラクトンジオールに対して等重量
以下であることが好ましい。
本発明のポリウレタン溶液の製造原料の一つである有
機ジイソシアネートとしては、例えば、ジフエニルメタ
ンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソ
シアネート、フエニレンジイソシアネート、1,5−ナフ
チレンジイソシアネート、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジ
フエニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネートなどの芳香族ジイソシアネートおよび;ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、水添化キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族ま
たは脂環式のジイソシアネートが挙げられる。これらの
有機ジイソシアネートは単独でまたは2種以外の混合物
で使用される。
本発明のポリウレタン溶液の製造原料の一つである鎖
伸長剤としては、2個以上の活性水素原子を有する低分
子化合物が使用される。該活性水素原子とはイソシアネ
ート基と反応しうる水素原子を意味し、その例として、
水酸基、アミノ基、イミノ基などに含まれる水素原子な
どが挙げられる。鎖伸長剤の代表例として、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘ
キサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−ビス(β
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレ
ート、キシリレングリコールなどのジオール類;ヒドラ
ジン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリ
レンジアミン、イソホロンジアミン、フエニレンジアミ
ン、トリレンジアミンなどのジアミン;ピペラジンなど
の2個のイミノ基を環式構造の中に含む複素環化合物;
アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドな
どのジヒドラジドなどが挙げられる。これらの鎖伸長剤
は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長
剤の使用量について特に制限はないが、得られるポリウ
レタンがコーテイグ剤、バインダー、接着剤、合成皮革
用または人工皮革用の樹脂などの用途に適した諸性能を
発揮しうる点から、有機ジイソシアネートの使用量を使
用する高分子ジオールおよび鎖伸長剤に含まれる全活性
水素原子のモル数に対して0.9〜1.5倍のモル数、とりわ
け0.99〜1.1倍のモル数のイソシアネート基を含む量の
範囲内から選択するのが好ましい。
本発明のポリウレタン溶液を製造するための高分子ジ
オール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の反応に
おいて系中に存在させる2価以上のポリカルボン酸は、
2個以上のカルボキシル基を有する有機化合物であれば
よく、カルボキシル基の外に水酸基などの官能基、窒素
原子などのヘテロ原子を有していてもよい。2価以上の
ポリカルボン酸としては、シユウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸などの飽和脂肪族ジカル
ボン酸;マレイン酸、フマル酸などの不飽和脂肪族ジカ
ルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸;トリメリツト酸などの芳香族ト
リカルボン酸;ピロメリツト酸などの芳香族テトラカル
ボン酸などの2個以上のカルボキシル基で置換された炭
化水素;リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などの2個以上の
カルボキシル基および1個以上の水酸基で置換された炭
化水素;エチレンジアミン四酢酸などの2個以上のカル
ボキシル基を有するアミンなどが例示される。ポリカル
ボン酸は生成するポリウレタンに対して0.0001〜1.0重
量%、とりわけ0.0005〜0.5重量%となるような量で反
応系に存在させることが、溶液粘度上昇効果が顕著に発
現することから好ましい。
本発明のポリウレタン溶液における有機溶剤について
は、原料の高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよ
び鎖伸長剤ならびに生成するポリウレタンを溶解させう
るものであり、かつこれらの原料、生成ポリウレタンお
よびポリカルボン酸に対して不活性な有機溶剤であれ
ば、特にその種類に制限はない。有機溶剤としては例え
ば、トルエンなどの芳香族炭化水素;酢酸エチルなどの
エステル;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ドなどの酸アミド;メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、アセトンなどのケトン;テトラヒドロフラ
ンなどの環状エーテル;ジメチルスルホキシドなどのス
ルホキシド;トリクロルエチレンなどのハロゲン化炭化
水素等が単独で、または2種以上の混合物で用いられ
る。これらの例示された有機溶剤はイソプロパノール、
エタノール、メタノール等のアルコールと混合して用い
てもよい。
本発明のポリウレタン溶液は、ポリカルボン酸をウレ
タン化反応系に存在させる点以外は通常の溶液重合法に
基づくポリウレタン溶液の製造法に準じて製造される。
本発明のポリウレタン溶液の製造法としては、例えば、
高分子ジオール、鎖伸長剤および有機溶剤を混合し、こ
れに有機ジイソシアネートを加えて50〜120℃でウレタ
ン化反応させる方法(以下、この方法を製法Aと称す
る)、高分子ジオールと有機ジイソシアネートとを有機
溶剤の存在下または不存在下に60〜130℃でウレタン化
反応させることによるてイソシアネート基末端プレポリ
マーを得、該プレポリマーを有機溶剤で希釈しこれに鎖
伸長剤を加えてウレタン化により高分子量化する方法
(以下、この方法を製法Bと称する)などが適用され
る。ポリカルボン酸の反応系への添加時期としては、ウ
レタン化反応の開始前から終了直前までの間での任意の
段階を適宜選択して採用することができる。ただし、得
られるポリウレタン溶液が着色するおそれが低くなる観
点から、ウレタン化反応の途中から反応系にポリカルボ
ン酸を存在させることが一般に望ましい。この観点にお
いて、製法Aでは、高分子ジオール、鎖伸長剤およびこ
れらの高分子ジオールおよび鎖伸長剤に含まれる全活性
水素原子のモル数に対して0.9倍以上かつ1.0倍未満のモ
ル数のイソシアネート基を含む量の有機ジイソシアネー
トを有機溶剤中で反応させ、全イソシアネート基が消費
された時点で、当初使用した高分子ジオールおよび鎖伸
長剤に含まれていた全活性水素原子のモル数に対して0.
005〜0.5倍のモル数のイソシアネート基を含む量の有機
ジイソシアネートを所定量のポリカルボン酸とともに反
応系に添加して反応を継続させ、全イソシアネート基が
消費された時点で所望の溶液粘度に到達していない場合
にはさらに上記全活性水素原子のモル数に対して0.005
〜0.5倍のモル数のイソシアネート基を含む量の有機ジ
イソシアネートを追加して反応を継続させる操作をポリ
ウレタン溶液の粘度が目標値に到達するまで繰り返すこ
とが望ましい。また製法Bでは、高分子ジオールと有機
ジイソシアネートをポリカルボン酸の不存在下に反応さ
せ、得られたイソシアネート基末端プレポリマーをポリ
カルボン酸の存在下に有機溶剤中で鎖伸長剤と反応させ
ることが望ましい。なお反応系に残存するイソシアネー
ト基は、例えば反応混合液の一部を採取し、0.01規定の
ジn−ブチルアミンのジメチルホルムアミド溶液に溶解
させ、得られた溶液に対して、ブロムプエノールブルー
指示薬の存在下に0.01規定の塩酸のメタノール溶液で中
和滴定を行うことにより容易に定量される。
上記の方法などによりβ−メチル−δ−バレロラクト
ン系ポリラクトンジオール、有機ジイソシアネートおよ
ひ鎖伸長剤をポリカルボン酸の存在下に有機溶剤中で反
応させることによつて、取扱いやすさ、塗工量などの点
で使用上好適となるような粘度および濃度のポリウレタ
ン溶液を製造することができる。かかる使用上好適とな
るような粘度および濃度のポリウレタン溶液は、一般
に、固形分濃度が8〜20重量%の範囲内であり、かつ30
℃での溶液粘度が50〜200ポイズの範囲内であるポリウ
レタン溶液である。また、上記の反応を行うことによつ
て製造時において取扱い上支障がない程度の、さらに高
い粘度および濃度のポリウレタン溶液を製造し、それを
有機溶剤で希釈することにより使用上好適となるような
粘度および濃度のポリウレタン溶液を調製してもよい。
希釈によつて上記の一般に使用上好適となるような固形
分濃度8〜20重量%、溶液粘度50〜200ポイズの溶液を
与えることができ、かつ製造時において取扱い上支障が
ない程度の高粘度および高濃度を有するポリウレタン溶
液の好適な例としては、固形分濃度が約30重量%であ
り、かつ30℃での溶液粘度が800〜2500ポイズの範囲内
であるポリウレタン溶液、固形分濃度が約25重量%であ
り、かつ30℃での溶液粘度が250〜2500ポイズの範囲内
であるポリウレタン溶液などが挙げられる。
〔実施例〕
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なお、実施例および比較例中の部は重量
部を表わす。また粘度は30℃での測定値を表わす。
用いた化合物は略号で示したが略号と化合物の関係は
以下の通りである。
実施例1 PMVL2000の100部、BDの6.75部およびDMFの322部を撹
拌機と温度計のついた丸底フラスコに仕込み、80℃で均
一溶液になるまで撹拌した後、MDIを31部加え同温度で
3時間反応させた。イソシアネート基の全量が消費され
たことを確認した後、シユウ酸0.014部とMDI1.0部とを
反応混合液に添加して1.5時間反応させた。反応混合液
中のイソシアネート基の残量が0になつていたが溶液粘
度は40ポイズであつた。さらにMDIを0.5部添加して2時
間反応させたところ、粘度は750ポイズに上昇してい
た。再度MDIを0.1部添加して1時間反応させることによ
つて粘度が1250ポイズに上昇したところで、反応系にメ
タノール0.4部を添加することにより未反応のイソシア
ネート基を封鎖した。反応終了後、得られたポリウレタ
ン溶液の粘度は1290ポイズ、固形分濃度は30.1重量%で
あつた。この溶液中のポリウレタンのGPC(ゲルパーミ
エーシヨンクロマトグラフイー)による重量平均分子量
はポリスチレン換算で265,000であつた。また、このポ
リウレタン溶液を固形分濃度が15重量%となるようにDM
Fで希釈したところ、得られた希釈液の粘度は93ポイズ
であつた。採取した製造条件および得られたポリウレタ
ン溶液についての測定結果を第1表にまとめて示す。な
お、第1表中のRは次の意味を有する。
実施例2〜5 第1表に示した製造条件を採用する以外は実施例1に
おいて採用した方法に準じてポリウレタン溶液を製造し
た。得られたポリウレタン溶液についての測定結果を第
1表にまとめて示す。
比較例1 PMVL2000の100部、BDの6.75部およびDMFの322部を撹
拌機と温度計のついた丸底フラスコに仕込み、80℃で均
一溶液になるまで撹拌した後、MDIを31部加え同温度で
3時間反応させた。イソシアネート基の全量が消費され
たことを確認した後、MDIを1.0部添加して1.5時間反応
させた。反応混合液中のイソシアネート基の残量が0に
なつていたがその溶液粘度は20ポイズであつた。さらに
MDIを0.6部添加して2時間反応させたところ、粘度は37
0ポイズに上昇していた。再度MDIを0.2部添加して1時
間反応させた後、粘度は450ポイズであり、未反応イソ
シアネート基がMDI換算で0.1部相当量残つていたので、
さらに1時間反応を行うことによりイソシアネート基の
残量を0にしたものの、溶液粘度は470ポイズにすぎな
かつた。さらにMDIを0.1部添加して2時間反応させたと
ころ、イソシアネート基の残量が0になつていたが、得
られた溶液の粘度は480ポイズであり、もはや粘度の上
昇はほとんど見られないことが判明した。得られた溶液
の固形分濃度は30.2重量%であり、その溶液中のポリウ
レタンの重量平均分子量は278,000であつた。また、こ
のポリウレタン溶液を固形分濃度が15重量%となるよう
にDMFで希釈したところ、得られた希釈液の粘度は22ポ
イズであつた。
比較例2 PCL2000の100部、BDの6.75部およびDMFの322部を撹拌
機と温度計のついた丸底フラスコに仕込み、80℃で均一
溶液になるまで撹拌した後、MDIを31部加え同温度で3
時間反応させた。イソシアネート基の全量が消費された
ことを確認した後、MDIを1.0部添加して1.5時間反応さ
せた。反応混合液中のイソシアネート基の残量が0にな
つていたが溶液粘度は70ポイズであつた。さらにMDIを
0.3部添加して2時間反応させたところ、粘度は800ポイ
ズに上昇していた。再度MDIを0.1部添加して1時間反応
させることにより粘度が1350ポイズに上昇したところ
で、反応系にメタノール0.4部を添加することによつて
未反応のイソシアネート基を封鎖した。反応終了後、得
られたポリウレタン溶液の粘度は1360ポイズ、固形分濃
度は30.1重量%であり、該溶液中のポリウレタンの重量
平均分子量は259,000であつた。また、このポリウレタ
ン溶液を固形分濃度が15重量%となるようにDMFで希釈
したところ、得られた希釈液の粘度は100ポイズであつ
た。
比較例3〜5 第1表に示した製造条件を採用する以外は比較例1に
おいて採用した方法に準じてポリウレタン溶液を製造し
た。得られたポリウレタン溶液についての測定結果を第
1表にまとめて示す。
第1表によれば、比較例2においてポリ(ε−カプロ
ラクトン)ジオールを有機溶剤中、有機ジイソシアネー
トおよび鎖伸長剤と反応させることによつて得られた対
応するポリウレタンの溶液に比べて、比較例1において
ポリ(β−メチル−δ−バレロラクトン)ジオールを有
機溶剤中、同種の有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤
と反応させることによつて得られた対応するポリウレタ
ンの溶液では、それらの固形分濃度および含まれるポリ
ウレタンの重量平均分子量がそれぞれ同程度であるにも
かかわらず、粘度が極めて低いことが明らかである。ま
た、このようなポリウレタン溶液が極めて低い粘度を示
す現象は、比較例3〜5においてβ−メチル−δ−バレ
ロラクトン系ポリラクトンジオールを高分子ジオールと
して使用して得られたポリウレタン溶液でも共通してみ
られる。これらの比較例1および3〜5において得られ
たポリウレタン溶液と比較すれば、本発明に従う実施例
1〜5で得られたポリウレタン溶液は高められた粘度を
優することが明らかである。
比較例6 PMVL2000の100部、BDの6.75部およびDMFの322部を撹
拌機と温度計のついた丸底フラスコに仕込み、80℃で均
一溶液になるまで撹拌した後、MDIを31部加え同温度で
3時間反応させた。イソシアネート基の全量が消費され
たことを確認した後、グリコール酸0.014部とMDI1.0部
とを反応混合液に添加して1.5時間反応させた。反応混
合液中のイソシアネート基の残量が0になつていたが、
溶液粘度が25ポイズであつた。さらにMDIを0.6部添加し
て2時間反応させたところ、粘度は350ポイズに上昇し
ていた。再度MDIを0.2部添加して1時間反応させた後の
粘度は420ポイズであり、未反応イソシアネート基がMDI
換算で0.12部相当量残つていたのでさらに1時間反応を
行うことによりイソシアネート基の残量を0にしたもの
の、溶液粘度は430ポイズにすぎなかつた。さらにMDIを
0.1部添加して3時間反応を行つたところ、イソシアネ
ート基の残量が0になつていたが、得られた溶液の粘度
は440ポイズであり、もはや粘度の上昇はほとんど見ら
れないことが判明した。得られた溶液の固形分濃度は3
0.2重量%であり、その溶液中のポリウレタンの重量平
均分子量は272,000であつた。また、このポリウレタン
溶液を固形分濃度が15重量%となるようにDMFで希釈し
たところ、得られた希釈液の粘度は21ポイズであつた。
比較例7 比較例1におけると同様にして得られたウレタン化反
応終了直後のポリウレタン溶液にシユウ酸0.014部を添
加し、均一溶液になるまで撹拌した後、その溶液粘度を
測定したが485ポイズであり、高粘度の溶液は得られな
かつた。
比較例8 比較例1におけると同様にして得られたウレタン化反
応終了直後の溶液粘度が460ポイズのポリウレタン溶液
にグリコール酸0.014部を添加し、均一溶液になるまで
撹拌した後、その溶液粘度を測定したが470ポイズであ
り、高粘度の溶液は得られなかつた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、上記の実施例から明らかなとおり、
β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリラクトンジオー
ルを高分子ジオールとして用いて製造されるにもかかわ
らず高い粘度を有するポリウレタン溶液が提供される。
本発明のポリウレタン溶液では、使用したβ−メチル−
δ−バレロラクトン系ポリラクトンジオールから誘導さ
れたソフトセグメント構造に由来する優れた諸性能を有
するポリウレタンを適度な濃度で含ませ、かつ取扱いに
適した粘度を付与することができることから、該ポリウ
レタン溶液は、合成皮革または人工皮革を製造するため
のコーテイング剤または含浸剤をはじめとする、コーテ
イング剤、バインダー、接着剤などの溶液状ポリウレタ
ン組成物またはそれを調製するための原液として有用で
ある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−メチル−δ−バレロラクトン系ポリラ
    クトンジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤
    を2価以上のポリカルボン酸の存在下に有機溶剤中で反
    応させることによつて得られるポリウレタン溶液。
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