JP2931141B2 - 変圧ベンソンボイラの制御方法および装置 - Google Patents
変圧ベンソンボイラの制御方法および装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変圧ベンソンボイラの
制御方法および制御装置に係り、特に高速負荷変動時に
おける蒸気温度の変化幅を規定値以内に抑えるのに好適
な変圧ベンソンボイラの制御方法および制御装置に関す
る。
制御方法および制御装置に係り、特に高速負荷変動時に
おける蒸気温度の変化幅を規定値以内に抑えるのに好適
な変圧ベンソンボイラの制御方法および制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の変圧ベンソンボイラの流動系統は
図2に示されるように、給水ポンプ20によって昇圧さ
れた給水は、給水流量調整弁21を通って、節炭器22
および水冷壁23を通過して熱吸収を受け、気水分離器
24において気水が分離され、水は貯水タンク25を通
り、再循環ポンプ35により再循環される。蒸気は1次
過熱器26、2次過熱器28および3次過熱器30で過
熱され、1次スプレ流量調整弁27および2次スプレ流
量調整弁29を流れる給水によって温度調整され、所定
の温度となり、蒸気は高圧タービン31に供給される。
図2に示されるように、給水ポンプ20によって昇圧さ
れた給水は、給水流量調整弁21を通って、節炭器22
および水冷壁23を通過して熱吸収を受け、気水分離器
24において気水が分離され、水は貯水タンク25を通
り、再循環ポンプ35により再循環される。蒸気は1次
過熱器26、2次過熱器28および3次過熱器30で過
熱され、1次スプレ流量調整弁27および2次スプレ流
量調整弁29を流れる給水によって温度調整され、所定
の温度となり、蒸気は高圧タービン31に供給される。
【0003】高圧タービン31で仕事を終えた蒸気の大
部分は、再熱器32で再熱され、中・低圧タービン34
に供給される。この変圧ベンソンボイラは、負荷が高く
なり水冷壁23の出口で蒸発が完了すると、気水分離器
24には蒸気のみが供給される。この場合には、再循環
ポンプ35を停止し、水/蒸気系統は貫流運転となる。
この貫流運転状態では、負荷に応じて、給水量を変えて
蒸気圧力を図3に示すように制御すると、すなわち、変
圧運転すると低負荷時のプラント効率が改善できる。
部分は、再熱器32で再熱され、中・低圧タービン34
に供給される。この変圧ベンソンボイラは、負荷が高く
なり水冷壁23の出口で蒸発が完了すると、気水分離器
24には蒸気のみが供給される。この場合には、再循環
ポンプ35を停止し、水/蒸気系統は貫流運転となる。
この貫流運転状態では、負荷に応じて、給水量を変えて
蒸気圧力を図3に示すように制御すると、すなわち、変
圧運転すると低負荷時のプラント効率が改善できる。
【0004】特に、貫流運転時には、高負荷変化率で運
用すると、タービン入口の蒸気温度が変動しやすく、こ
の変動幅が設定値に対して大きい場合には、タービンの
寿命消費が大きくなること、またプラント効率の低下な
どが問題となる。貫流運転時の主蒸気系統の蒸気温度、
すなわち主蒸気温度の制御は、基本的には給水流量と燃
料流量の比、水、燃比を一定に維持することである。図
3に示した蒸気圧力の制御は、給水量の増減により達成
されるが、給水流量に対する蒸気圧力の応答は比較的早
いので、容易に蒸気圧力を設定値、すなわち、図3に示
した変圧パターンに制御可能である。
用すると、タービン入口の蒸気温度が変動しやすく、こ
の変動幅が設定値に対して大きい場合には、タービンの
寿命消費が大きくなること、またプラント効率の低下な
どが問題となる。貫流運転時の主蒸気系統の蒸気温度、
すなわち主蒸気温度の制御は、基本的には給水流量と燃
料流量の比、水、燃比を一定に維持することである。図
3に示した蒸気圧力の制御は、給水量の増減により達成
されるが、給水流量に対する蒸気圧力の応答は比較的早
いので、容易に蒸気圧力を設定値、すなわち、図3に示
した変圧パターンに制御可能である。
【0005】したがって、主蒸気温度すなわち、高圧タ
ービン入口蒸気温度の制御性は、燃料流量の制御方式に
よって決まってくる。従来、燃料流量の制御は、図4に
示したように、負荷要求信号3より関数発生器6bによ
って、静特性上から決定される先行値と、負荷要求信号
3を微分器8で微分した信号を加算器9aで加算した信
号を加算器9bに入力する。加算器9bでは、1次過熱
器出口蒸気温度計2の出力信号と、負荷要求信号3の出
力信号から関数発生器6aによって決められる1次過熱
器出口蒸気温度の設定値とを引算器7aで比較し、この
偏差信号を調節計10aで信号処理し、前記関数発生器
9aの出力信号を加算する。この加算器9bの出力信号
は燃料流量のデマンド信号であり、この信号と燃料流量
計1の出力信号を引算器7bで偏差信号とし、この偏差
信号を調節計10bで信号処理し、この調節計10bの
出力信号に基づいて燃料流量調整弁11を開閉すること
により燃料流量を調整していた。さらに、この水・燃比
で主蒸気温度が設定値に維持できない場合には、1次ス
プレ流量調整弁27および2次スプレ流量調整弁29を
用いて低エンタルピの給水を過熱器入口に供給する流量
の増減により、主蒸気温度を設定値に維持する。
ービン入口蒸気温度の制御性は、燃料流量の制御方式に
よって決まってくる。従来、燃料流量の制御は、図4に
示したように、負荷要求信号3より関数発生器6bによ
って、静特性上から決定される先行値と、負荷要求信号
3を微分器8で微分した信号を加算器9aで加算した信
号を加算器9bに入力する。加算器9bでは、1次過熱
器出口蒸気温度計2の出力信号と、負荷要求信号3の出
力信号から関数発生器6aによって決められる1次過熱
器出口蒸気温度の設定値とを引算器7aで比較し、この
偏差信号を調節計10aで信号処理し、前記関数発生器
9aの出力信号を加算する。この加算器9bの出力信号
は燃料流量のデマンド信号であり、この信号と燃料流量
計1の出力信号を引算器7bで偏差信号とし、この偏差
信号を調節計10bで信号処理し、この調節計10bの
出力信号に基づいて燃料流量調整弁11を開閉すること
により燃料流量を調整していた。さらに、この水・燃比
で主蒸気温度が設定値に維持できない場合には、1次ス
プレ流量調整弁27および2次スプレ流量調整弁29を
用いて低エンタルピの給水を過熱器入口に供給する流量
の増減により、主蒸気温度を設定値に維持する。
【0006】しかしながら、この制御方式では、以下の
ような問題が発生する。例えば、高速で負荷降下させる
場合には、図3に示すように蒸気圧力も急速に低下す
る。このとき、火炉水冷壁23の大きな熱容量のため、
水冷壁3のメタル温度は急速には低下しないため、水冷
壁出口の蒸気温度は図5に示したように、静的な値より
も上昇する。このため、1次過熱器出口蒸気温度計2の
出力信号も静的な値よりも上昇するので、図4の燃料流
量制御方式では、調節計10aの出力信号は負の値とな
り、燃料流量は低下することになる。このように、燃料
流量が静的なバランス値よりも低下すると、図6に示す
ように、再熱器32の入口ガス温度が低下し、再熱器3
2の熱吸収量の低下によって、再熱器出口蒸気温度計4
の出力信号すなわち、中・低圧タービン入口蒸気温度が
低下する。再熱器出口蒸気温度の制御は、通常ガス再循
環流量によって、図4のように、負荷要求信号3によっ
て、関数発生器6cで先行値信号を求めて加算器9cに
入力する。再熱器出口蒸気温度計4の出力信号と再熱器
出口蒸気温度設定信号器5の出力信号の偏差を引算器7
cで求め、この出力信号を調節計10dで信号処理し、
加算器9cに入力する。
ような問題が発生する。例えば、高速で負荷降下させる
場合には、図3に示すように蒸気圧力も急速に低下す
る。このとき、火炉水冷壁23の大きな熱容量のため、
水冷壁3のメタル温度は急速には低下しないため、水冷
壁出口の蒸気温度は図5に示したように、静的な値より
も上昇する。このため、1次過熱器出口蒸気温度計2の
出力信号も静的な値よりも上昇するので、図4の燃料流
量制御方式では、調節計10aの出力信号は負の値とな
り、燃料流量は低下することになる。このように、燃料
流量が静的なバランス値よりも低下すると、図6に示す
ように、再熱器32の入口ガス温度が低下し、再熱器3
2の熱吸収量の低下によって、再熱器出口蒸気温度計4
の出力信号すなわち、中・低圧タービン入口蒸気温度が
低下する。再熱器出口蒸気温度の制御は、通常ガス再循
環流量によって、図4のように、負荷要求信号3によっ
て、関数発生器6cで先行値信号を求めて加算器9cに
入力する。再熱器出口蒸気温度計4の出力信号と再熱器
出口蒸気温度設定信号器5の出力信号の偏差を引算器7
cで求め、この出力信号を調節計10dで信号処理し、
加算器9cに入力する。
【0007】したがって、加算器9cの出力信号は先行
値と再熱器出口蒸気温度の設定値との偏差によるフィー
ドバック信号の和であり、この信号に基づいてガス再循
環ファン入口ダンパを開閉して、ガス再循環流量を調整
することにより再熱器出口蒸気温度が制御されるが、再
熱蒸気温度の低下が大きい場合には、ガス再循環流量を
大きくするためのガス再循環ファンの容量が過大とな
り、この動力の増加が問題となる。
値と再熱器出口蒸気温度の設定値との偏差によるフィー
ドバック信号の和であり、この信号に基づいてガス再循
環ファン入口ダンパを開閉して、ガス再循環流量を調整
することにより再熱器出口蒸気温度が制御されるが、再
熱蒸気温度の低下が大きい場合には、ガス再循環流量を
大きくするためのガス再循環ファンの容量が過大とな
り、この動力の増加が問題となる。
【0008】このように、従来の燃料流量制御方式で
は、高速負荷変動時に、再熱器出口蒸気温度を設定値の
近傍に維持できず、中・低圧タービンの寿命消費が大き
くなるという点については配慮されていなかった。
は、高速負荷変動時に、再熱器出口蒸気温度を設定値の
近傍に維持できず、中・低圧タービンの寿命消費が大き
くなるという点については配慮されていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は高速負
荷変動時における再熱器出口蒸気温度の変動が大きくな
るという点について配慮がされておらず、中・低圧ター
ビンの寿命消費が大きくなるという問題があった。本発
明の目的は、高速負荷変動時における再熱器出口蒸気温
度の変動を小さくできる変圧ベンソンボイラの制御方法
および装置を提供することにある。
荷変動時における再熱器出口蒸気温度の変動が大きくな
るという点について配慮がされておらず、中・低圧ター
ビンの寿命消費が大きくなるという問題があった。本発
明の目的は、高速負荷変動時における再熱器出口蒸気温
度の変動を小さくできる変圧ベンソンボイラの制御方法
および装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の第1の発明は、1次過熱器出口蒸気温度の測定値
と負荷要求信号より求めた同温度の設定値との偏差信号
に基づくフィードバック処理信号、負荷要求信号に基づ
く燃料流量先行値信号、負荷要求信号の微分値に基づく
燃料流量動的先行値信号の3つから導かれる燃料流量デ
マンド信号と、燃料流量計測値とにより燃料供給量を調
整し、再熱器出口蒸気温度の計測値と設定値との偏差値
と、負荷要求信号に基づく先行値信号とによりガス再循
環流量を調整する過熱器と再熱器を備えた変圧ベンソン
ボイラの制御方法において、再熱器出口蒸気温度に基づ
いて前記燃料供給量を補正することを特徴とする変圧ベ
ンソンボイラの制御方法に関する。
本願の第1の発明は、1次過熱器出口蒸気温度の測定値
と負荷要求信号より求めた同温度の設定値との偏差信号
に基づくフィードバック処理信号、負荷要求信号に基づ
く燃料流量先行値信号、負荷要求信号の微分値に基づく
燃料流量動的先行値信号の3つから導かれる燃料流量デ
マンド信号と、燃料流量計測値とにより燃料供給量を調
整し、再熱器出口蒸気温度の計測値と設定値との偏差値
と、負荷要求信号に基づく先行値信号とによりガス再循
環流量を調整する過熱器と再熱器を備えた変圧ベンソン
ボイラの制御方法において、再熱器出口蒸気温度に基づ
いて前記燃料供給量を補正することを特徴とする変圧ベ
ンソンボイラの制御方法に関する。
【0011】第2の発明は、上記第1の発明において、
1次過熱器出口蒸気温度と負荷要求信号とに基づく燃料
流量デマンド信号と燃料流量測定値との偏差値とにより
燃料供給量を制御する装置と、再熱器出口蒸気温度の設
定値と測定値の偏差量と負荷要求信号とに基づきガス再
循環流量を制御する装置とを備えた過熱器と再熱器を有
する変圧ベンソンボイラの制御装置において、再熱器出
口蒸気温度に基づいて前記燃料流量デマンド信号を補正
する手段を設けたことを特徴とする変圧ベンソンボイラ
の制御装置に関する。
1次過熱器出口蒸気温度と負荷要求信号とに基づく燃料
流量デマンド信号と燃料流量測定値との偏差値とにより
燃料供給量を制御する装置と、再熱器出口蒸気温度の設
定値と測定値の偏差量と負荷要求信号とに基づきガス再
循環流量を制御する装置とを備えた過熱器と再熱器を有
する変圧ベンソンボイラの制御装置において、再熱器出
口蒸気温度に基づいて前記燃料流量デマンド信号を補正
する手段を設けたことを特徴とする変圧ベンソンボイラ
の制御装置に関する。
【0012】
【作用】再熱器出口蒸気温度の設定値に対する変化幅に
応じて燃料流量を増減してやれば、例えば再熱蒸気温度
が低下した場合には、燃料流量が増加するように動作す
る。それによって、再熱器入口のガス温度が上昇し、再
熱器の熱吸収量は増加するので、再熱蒸気温度は設定値
から大きくはずれることがない。
応じて燃料流量を増減してやれば、例えば再熱蒸気温度
が低下した場合には、燃料流量が増加するように動作す
る。それによって、再熱器入口のガス温度が上昇し、再
熱器の熱吸収量は増加するので、再熱蒸気温度は設定値
から大きくはずれることがない。
【0013】このとき、1次過熱器出口温度は上昇する
ことになるが、この上昇分は1次スプレおよび2次スプ
レによって主蒸気温度への外乱は小さくできるので、主
蒸気温度の制御性を損なうことがない。
ことになるが、この上昇分は1次スプレおよび2次スプ
レによって主蒸気温度への外乱は小さくできるので、主
蒸気温度の制御性を損なうことがない。
【0014】
【実施例】本発明になる変圧ベンソンボイラの制御方法
の具体的実施例を図1に示す。図において、従来の制御
方式(図4)と異なる部分は、再熱器出口蒸気温度計4
の出力信号と再熱器出口蒸気温度設定信号器5の出力信
号の間の偏差信号を引算器7cで求め、この偏差信号に
基づいて、調節計10cで信号処理した出力信号を加算
器9bに加算した点にある。
の具体的実施例を図1に示す。図において、従来の制御
方式(図4)と異なる部分は、再熱器出口蒸気温度計4
の出力信号と再熱器出口蒸気温度設定信号器5の出力信
号の間の偏差信号を引算器7cで求め、この偏差信号に
基づいて、調節計10cで信号処理した出力信号を加算
器9bに加算した点にある。
【0015】全体の燃料流量デマンドは、加算器9bの
出力信号であり、このデマンド信号に基づいて、燃料流
量調整弁11を開閉することにより、燃料流量が調整さ
れる。全体の燃料流量デマンドは、負荷要求信号3から
静的バランス値によって決定される関数発生器6bの出
力信号である燃料流量先行値信号、負荷要求信号3の微
分値によって決定される微分器8の出力信号である燃料
流量動的先行値信号、1次過熱器出口蒸気温度計2の出
力信号と負荷要求信号3によって決まる関数発生器6a
の出力信号である1次過熱器出口蒸気温度設定値信号と
の間の偏差に基づくフィードバック処理信号(調節計1
0aの出力信号)、さらに前述した再熱器出口蒸気温度
の設定値に対する偏差に基づくフィードバック処理信号
(調節計10cの出力信号)より構成される。
出力信号であり、このデマンド信号に基づいて、燃料流
量調整弁11を開閉することにより、燃料流量が調整さ
れる。全体の燃料流量デマンドは、負荷要求信号3から
静的バランス値によって決定される関数発生器6bの出
力信号である燃料流量先行値信号、負荷要求信号3の微
分値によって決定される微分器8の出力信号である燃料
流量動的先行値信号、1次過熱器出口蒸気温度計2の出
力信号と負荷要求信号3によって決まる関数発生器6a
の出力信号である1次過熱器出口蒸気温度設定値信号と
の間の偏差に基づくフィードバック処理信号(調節計1
0aの出力信号)、さらに前述した再熱器出口蒸気温度
の設定値に対する偏差に基づくフィードバック処理信号
(調節計10cの出力信号)より構成される。
【0016】再熱器出口蒸気温度の制御に関しては、基
本的には、負荷要求信号3に基づいて、関数発生器6c
で先行値信号を求め、再熱器出口蒸気温度計4の出力信
号と再熱器出口蒸気温度設定信号器5の出力信号の偏差
を引算器7cで求め、この出力信号を調節計10dで信
号処理し、加算器9cでは、上記先行値信号(関数発生
器6cの出力信号)とフィードバック補正信号(調節計
10dの出力信号)を加算する。この加算器9cの出力
信号に基づいて、ガス再循環ファン入口ダンパ12を開
閉して、ガス再循環流量を調節することにより、再熱器
出口蒸気温度が制御される。
本的には、負荷要求信号3に基づいて、関数発生器6c
で先行値信号を求め、再熱器出口蒸気温度計4の出力信
号と再熱器出口蒸気温度設定信号器5の出力信号の偏差
を引算器7cで求め、この出力信号を調節計10dで信
号処理し、加算器9cでは、上記先行値信号(関数発生
器6cの出力信号)とフィードバック補正信号(調節計
10dの出力信号)を加算する。この加算器9cの出力
信号に基づいて、ガス再循環ファン入口ダンパ12を開
閉して、ガス再循環流量を調節することにより、再熱器
出口蒸気温度が制御される。
【0017】本実施例の構成は、基本的にはガス再循環
流量によって、再熱器出口蒸気温度を制御するが、ガス
再循環ファンの動力を低減するために、再熱器出口蒸気
温度に基づいて、燃料流量を補正するところに特徴があ
る。ボイラが高速負荷変化率で負荷降下した場合の本発
明になる制御方法の作用を以下に説明する。
流量によって、再熱器出口蒸気温度を制御するが、ガス
再循環ファンの動力を低減するために、再熱器出口蒸気
温度に基づいて、燃料流量を補正するところに特徴があ
る。ボイラが高速負荷変化率で負荷降下した場合の本発
明になる制御方法の作用を以下に説明する。
【0018】前述したように変圧ベンソンボイラでは、
負荷降下時、水冷壁23の大きな熱容量効果と蒸気圧力
を減圧していくという2つのために、1次過熱器出口蒸
気温度計2の出力信号は設定値よりも上昇するので、調
節計10aの出力信号は負の大きな値となる。負荷降下
時であるため、微分器8の出力信号は負となり、ベース
となる燃料流量デマンド信号である加算器9aの出力信
号は、静的にバランスするべき燃料流量よりも少ない信
号となる。
負荷降下時、水冷壁23の大きな熱容量効果と蒸気圧力
を減圧していくという2つのために、1次過熱器出口蒸
気温度計2の出力信号は設定値よりも上昇するので、調
節計10aの出力信号は負の大きな値となる。負荷降下
時であるため、微分器8の出力信号は負となり、ベース
となる燃料流量デマンド信号である加算器9aの出力信
号は、静的にバランスするべき燃料流量よりも少ない信
号となる。
【0019】したがって、上記の2つの燃料流量デマン
ド信号の合計信号は、静的バランス値よりは小さい値と
なり、この効果によって燃料流量が減少した場合には、
再熱器入口ガス温度の低下にともなう再熱器熱吸収量の
減少により、再熱器出口蒸気温度計4の出力信号の低下
により、調節計10cの出力信号は燃料流量のデマンド
を増加させるように動作する。また、このときガス再循
環流量に対するデマンド(加算器9cの出力信号)も増
加し、再熱器を通過するガス量が増加して、再熱器の熱
吸収量が増加する。このため、再熱器出口蒸気温度計4
の出力信号は設定値の近傍に維持される。
ド信号の合計信号は、静的バランス値よりは小さい値と
なり、この効果によって燃料流量が減少した場合には、
再熱器入口ガス温度の低下にともなう再熱器熱吸収量の
減少により、再熱器出口蒸気温度計4の出力信号の低下
により、調節計10cの出力信号は燃料流量のデマンド
を増加させるように動作する。また、このときガス再循
環流量に対するデマンド(加算器9cの出力信号)も増
加し、再熱器を通過するガス量が増加して、再熱器の熱
吸収量が増加する。このため、再熱器出口蒸気温度計4
の出力信号は設定値の近傍に維持される。
【0020】このとき、1次過熱器出口蒸気温度計2の
出力信号は増加するが、この増加が主蒸気温度計33の
出力信号におよぼす影響は、1次スプレ流量調整弁27
および2次スプレ流量調整弁29の制御により吸収でき
る。したがって、本実施例によれば高速負荷変化時にお
いても、主蒸気温度計33の出力信号および再熱器出口
蒸気温度計4の出力信号をそれぞれの設定値の近傍に維
持できるので、高圧タービン31および中・低圧タービ
ン34の寿命消費が低減できるという効果がある。ま
た、ガス再循環流量のみでなく、燃料流量も再熱蒸気温
度の制御に併用するので、ガス再循環ファンの動力が低
減できるという効果がある。
出力信号は増加するが、この増加が主蒸気温度計33の
出力信号におよぼす影響は、1次スプレ流量調整弁27
および2次スプレ流量調整弁29の制御により吸収でき
る。したがって、本実施例によれば高速負荷変化時にお
いても、主蒸気温度計33の出力信号および再熱器出口
蒸気温度計4の出力信号をそれぞれの設定値の近傍に維
持できるので、高圧タービン31および中・低圧タービ
ン34の寿命消費が低減できるという効果がある。ま
た、ガス再循環流量のみでなく、燃料流量も再熱蒸気温
度の制御に併用するので、ガス再循環ファンの動力が低
減できるという効果がある。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、高速負荷変化時におい
ても、再熱器出口蒸気温度に基づいて燃料供給量および
ガス再循環流量を決定しているので、再熱器出口蒸気温
度を設定値近傍に維持でき、主蒸気温度はスプレにより
設定値近傍に維持できる。このとき再熱器スプレは使用
しなくても、燃料流量により再熱器出口蒸気温度は良好
に制御されるので、プラント効率の低下を生ずることな
く、高圧タービンおよび中・低圧タービンの寿命消費を
低減できるという効果がある。
ても、再熱器出口蒸気温度に基づいて燃料供給量および
ガス再循環流量を決定しているので、再熱器出口蒸気温
度を設定値近傍に維持でき、主蒸気温度はスプレにより
設定値近傍に維持できる。このとき再熱器スプレは使用
しなくても、燃料流量により再熱器出口蒸気温度は良好
に制御されるので、プラント効率の低下を生ずることな
く、高圧タービンおよび中・低圧タービンの寿命消費を
低減できるという効果がある。
【0022】また、燃料流量を再熱蒸気温度の制御に補
助的に用いているので、ガス再循環ファンの動力を低減
できるという効果がある。
助的に用いているので、ガス再循環ファンの動力を低減
できるという効果がある。
【図1】図1は、本発明になる変圧ベンソンボイラ制御
方法の一実施例を示す制御系統図である。
方法の一実施例を示す制御系統図である。
【図2】図2は、変圧ベンソンボイラの流動系統図であ
る。
る。
【図3】図3は、変圧式ベンソンボイラの変圧パターン
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図4】図4は、従来のボイラ蒸気温度制御方式を示す
制御系統図である。
制御系統図である。
【図5】図5は、負荷変動時におけるボイラの圧力およ
び温度の挙動を示す説明図である。
び温度の挙動を示す説明図である。
【図6】図6は、ボイラの伝熱面配置の例を示す説明図
である。
である。
1…燃料流量計、2…1次過熱器出口蒸気温度計、3…
負荷要求信号、4…再熱器出口蒸気温度計、5…再熱器
出口蒸気温度設定信号器、6a、6b、6c…関数発生
器、7a、7b、7c…引算器、8…微分器、9a、9
b、9c…加算器、10a、10b、10c、10d…
調節器、11…燃料流量調整弁、12…ガス再循環ファ
ン入口ダンパ。
負荷要求信号、4…再熱器出口蒸気温度計、5…再熱器
出口蒸気温度設定信号器、6a、6b、6c…関数発生
器、7a、7b、7c…引算器、8…微分器、9a、9
b、9c…加算器、10a、10b、10c、10d…
調節器、11…燃料流量調整弁、12…ガス再循環ファ
ン入口ダンパ。
Claims (2)
- 【請求項1】 1次過熱器出口蒸気温度の測定値と負荷
要求信号より求めた同温度の設定値との偏差信号に基づ
くフィードバック処理信号、負荷要求信号に基づく燃料
流量先行値信号、および負荷要求信号の微分値に基づく
燃料流量動的先行値信号の3つから導かれる燃料流量デ
マンド信号と、燃料流量計測値とにより燃料供給量を調
整し、再熱器出口蒸気温度の計測値と設定値との偏差値
と、負荷要求信号に基づく先行値信号とによりガス再循
環流量を調整する過熱器と再熱器を備えた変圧ベンソン
ボイラの制御方法において、再熱器出口蒸気温度に基づ
いて前記燃料供給量を補正することを特徴とする変圧ベ
ンソンボイラの制御方法。 - 【請求項2】 1次過熱器出口蒸気温度と負荷要求信号
とに基づく燃料流量デマンド信号と燃料流量測定値との
偏差値とにより燃料供給量を制御する装置と、再熱器出
口蒸気温度の設定値と測定値の偏差量と負荷要求信号と
に基づきガス再循環流量を制御する装置とを備えた過熱
器と再熱器を有する変圧ベンソンボイラの制御装置にお
いて、再熱器出口蒸気温度に基づいて前記燃料流量デマ
ンド信号を補正する手段を設けたことを特徴とする変圧
ベンソンボイラの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23835291A JP2931141B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 変圧ベンソンボイラの制御方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23835291A JP2931141B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 変圧ベンソンボイラの制御方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0579606A JPH0579606A (ja) | 1993-03-30 |
JP2931141B2 true JP2931141B2 (ja) | 1999-08-09 |
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ID=17028923
Family Applications (1)
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JP5840032B2 (ja) * | 2012-02-29 | 2016-01-06 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 発電システム及びその蒸気温度制御方法 |
CN118445543B (zh) * | 2024-07-08 | 2024-09-06 | 北京清远顺合环保科技有限公司 | 一种基于大数据的锅炉运行状态智能管理系统及方法 |
-
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- 1991-09-18 JP JP23835291A patent/JP2931141B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0579606A (ja) | 1993-03-30 |
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