JPS5820362B2 - 負荷制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、変圧運転を行なう火力発電設備のボイラ負荷
制御装置に関するものである。

ノズル締切制御方式、すなわち、負荷に応じて複数の加
減弁ノズルのうちいくつかを閉じてタービンを駆動する
制御方式ではタービンの熱消費率は第１図ａに示す如（
各ノズルの加減弁全開点が最も低く効率が良い。

第１図及び以降のノズル締切制御の例は４アトミツシヨ
ンとする。

そこで、従来ノズル締切制御方式を使用するタービン発
電プラントで変圧運転を行なう場合には、第２図に示す
ような運転方式が立案されている。

（３弁全開絞り変圧の例）すなわち、変圧運転領域では
、加減弁開度を３弁全開点として負荷に応じて主蒸気圧
力を変化させている。

しかしこの例では、ガバナフリー運転を行なった場合に
周波数の変動により調定率に従って加減弁が開閉され、
第３弁が少し絞り込まれた状態第４弁微開状態がくり返
される。

ところで傾斜調定率は図１ｂに示す様に各ノズルの全閉
点付近でその値が不連続となり、加減弁開度変化に対し
負荷の変化が小さい領域（以下傾斜調定率不連続域と呼
ぶ）が存在する。

したがって加減弁全閉点付近は制御ゲインが大巾に変化
し制御が難しい。

また、第４弁の開閉がくり返されることにより、第４弁
のノズルボックスに蒸気が断続的に流入し熱応力が出し
好ましくない。

同時に第４弁微開の状態が多（なる為に第４弁にエロー
ジョンが発生しやすい、というような問題があった。

本発明の目的は、ノズル締切制御方式を使用して絞り変
圧運転を行なうタービン発電プラントで、ガバナフリー
運転中のノズルボックス熱応力の発生、加減弁のエロー
ジョン発生、および効率の低下を極力防止し安定な負荷
制御を確保するボイラ負荷制御装置を提供することにあ
る。

本発明の特徴は、系統周波数の変動、傾斜調定率、ター
ビン熱効率に着目し、変圧運転領域の最適加減弁開度を
決定し、主蒸気圧力の設定にてその開度を維持するよう
にした点にある。

これによリガバナフリー運転中のノズルボックスの熱応
力発生、加減弁のエロージョン発生およびタービン熱効
率の低下を極力防止し安定な負荷制御、周波数制御がで
きる。

以下、本発明の詳細な説明する。

まず、変圧運転領域の最適加減弁開度の決定は次の如く
行なう。

系統の周波数変動を±αＨｚと仮定し、速度調定率をβ
％、系統周波数をｒＨ２と仮定すると系統の周波数変動
により変化する加減弁開度Ａ％はとなる。

また、第３図に加減弁開度と傾斜調定率の関係を示す。

Ｂ点は第３弁全開点であり傾斜調定率不連続域の巾を８
％とする。

ガバナフリー運転時に加減弁開度がこの傾斜調定率不連
続域に入ることをさける為には、変圧運転時の加減弁開
度設定点を第３弁全開点Ｂよりも開方向、閉方向いづれ
かにずらせば良いが、開方向にずらした場合には第４弁
微開状態が多くなり第４弁にエロージョンが発生しやす
くなる。

逆にＢ点より閉方向にずらした場合にはエロージョンの
問題は生じないが、閉方向にずらすほどタービンの熱効
率が悪化する問題は解決されない。

そこで、変圧運転時の最適加減弁開度設定点をＤとすれ
ば が得られる。

次に変圧運転時のタービン加減弁開度を上で求めたＤ点
とする回路の一例を第４図に示す。

１１は出力指令信号、１２は発電機出力信号、１３は減
算器、１４は出力偏差信号、１５はＰＩ調節器、１６は
ガバナ開度指令信号、１７は関数発生器、１８は主蒸気
圧力設定信号、１９は主蒸気圧力信号、２０は減算器、
２１はＰＩ調節器、２２は主蒸気圧力修正信号、２３は
加算器、２４はボイラ入力指令信号である。

この回路で、変圧運転時にプラント状態が整定した時、
ガバナ開度指令信号１６が先に求めた最適加減弁開度設
定点りとなるように関数発生器１７で出力指令信号１１
に対する主蒸気圧力設定信号１８を定めることによりガ
バナフリー運転中にも加減弁開度が傾斜調定率の高い領
域に入ることなく安定な負荷制御が可能となる。

上記したように本発明のボイラ負荷制御装置によれば、
ノズル締切制御方式を使用して絞り変圧運転を行なうタ
ービン発電プラントでガバナフリー運転時にも、ノズル
ボックスにおげろ熱応力の発生、加減弁のエロージョン
発生、タービン熱効率の低下を極力防止しながら安定に
負荷の制御を行なうことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａはノズル締切制御タービンに於ける出力と熱消
費率の関係、第１図すはノズル締切制御タービンに於け
る出力と傾斜調定率の関係を示す特性図、第２図は、３
弁全開絞り変圧運転の出力と主蒸気圧力、加減弁開度の
関係特性図、第３図は、ノズル締切制御タービンに於け
る加減弁開度と傾斜調定率及びガバナフリーによる加減
弁開度の変動特性図、第４図は、本発明の一実施例の負
荷制御装置のブロック図である。 １１・・・・・・出力指令信号、１２・・・・・一発電
機出力信号、１３・・・・・・減算器、１４・・・・・
・出力偏差信号、１５・・・・・・ＰＩ調節器、１６・
・・・・・ガバナ開度指令信号、１７・・・・・・関数
発生器、１８・・・・・・主蒸気圧力設定信号、１９・
・・・・・主蒸気圧力信号、２０・・・・・・減算器、
２１・・・・・・ＰＩ調節器、２２・・−・・・主蒸気
圧力修正信号、２３・・・・・・加算器、２４・・・・
・・ボイラ入力指令信号。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タービンを駆動する主蒸気の流入口に設けた。 複数の加減弁をノズル締切制御方式により制御して絞り
   変圧運転を行なうタービン発電プラントの負荷制御装置
   において、変圧運転領域では前記複数加減弁のうちの所
   定数加減弁全開点から少なくとも傾斜調定率不連続領域
   の巾と系統周波数変動に対する加減弁開方向の開度変化
   中とを加算した巾だけ閉方向にずらした開度に加減弁開
   度が整定するようタービン出力指令に対する主蒸気圧力
   設定関数を定めたことを特徴とする負荷制御装置。