JP2930648B2 - 軸方向ロール形コンデンサ - Google Patents

軸方向ロール形コンデンサ

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JP2930648B2 JP2071780A JP7178090A JP2930648B2 JP 2930648 B2 JP2930648 B2 JP 2930648B2 JP 2071780 A JP2071780 A JP 2071780A JP 7178090 A JP7178090 A JP 7178090A JP 2930648 B2 JP2930648 B2 JP 2930648B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は軸方向ロール形コンデンサ、特にパワーコン
デンサに関する。
〔従来の技術〕
この種のコンデンサは誘電体プラスチックフィルム
(例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチ
レンフタレートおよび他の適宜のプラスチック)から構
成され、電極として(例えばアルミニウム、亜鉛または
これらの合金から成る)再生可能な金属薄膜を有してい
る。この金反薄膜は誘電体フィルム上または電界の影響
のない空間内に配置された担体材料(例えば紙)上に設
けられる。位置をずらして配置された電極の電気的な接
続を行うために、ロール端面上には接触膜が例えばスク
ープ法によって作られる。
必要な場合には、同様に多数のコンデンサロールを相
互に接続することもできる。
さらに、特定の形式のコンデンサは例えば鉱物油の如
き絶縁性誘電体液体および(または)例えば六フッ化イ
オウの如き電気的陰性ガスを有する含浸剤が充填され
る。
この種のコンデンサ、特に液体含浸式コンデンサは金
属ケース内に組込まれる。
非含浸式小形コンデンサに、エポキシ樹脂の注型によ
って構成されるかまたは熱可塑性プラスチックもしくは
熱硬化性プラスチックによって射出成形されたプラスチ
ック被覆体を設けることも公知である。
〔発明が解決しようとする課題〕
GTOサイリスタの接続のために、他の構成要素の他
に、軸方向に構成された完全絶縁形コンデンサが必要で
ある。コンデンサが金属ケース内に気密に組込まれたロ
ールを有する公知の構成方法にて実施される場合には、
後から完全絶縁を施すことができる。このためにケース
は例えば注型されるかまたは射出成形され得るが、これ
により製作に労力が掛り、高価となる。
小形コンデンサに関して従来公知であるプラスチック
被覆体の場合、接触部の引込領域において被覆材料が十
分に気密に結合されなければならない。接着材を使用し
たりおよび(または)粗面化を施したりしているにも拘
わらず。射出成形の際および注型の際、特に温度変動が
生ずると充分に満足できる結果が得られない。
さらに、液体含浸式コンデンサロールの場合、含浸液
体の分離剤効果のために含浸後は被覆体を設けることが
可能ではない。同様に従来公知のプラスチック被覆体に
おいては、被覆体の製作後に含浸剤の充分な流通面積が
得られるような措置が講ぜられていない。
そこで本発明は、温度変動が生じても引込要素の領域
に気密に保持され続け、かつコンデンサの含浸処理を後
から行うことができるようなコスト的に良好なプラスチ
ック被覆体を有する軸方向ロール形コンデンサを提供す
ることを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
このような課題を解決するために、本発明は、中心管
上に配設されロール端面にスクープ膜が設けられている
少なくとも1つのコンデンサロールから構成され、コン
デンサロールは2つの対向する端面にそれぞれ1つの金
属化接触用引込要素を有し、この接触用引込要素はスク
ープ膜に導電的に結合されて中心管内に位置決めされ、
コンデンサロールには外部接続のための引込領域を除い
てプラスチック被覆体が設けられている軸方向ロール形
コンデンサにおいて、接触用引込要素にはそれぞれ少な
くとも1つのOリングが設けられ、このOリングは締付
けリングによって接触用引込要素に固定されることを特
徴とする。
本発明の有利な実施態様は特許請求の範囲の請求項2
以下に記載されている。
〔実施例〕 次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図には中心管9上に配設されたコンデンサロール
4が一部断面図で示されている。未だ被覆されておらず
かつ含浸処理されていないコンデンサロール4には円板
10を有する接触用引込要素3が設けられ、この接触用引
込要素3は中心部において中心管9に結合されている。
接触用引込要素3は含浸孔を備えた袋ねじまたは中心部
の外に位置する含浸孔(第1図には示されていない)を
備えたねじボルトを有する。含浸孔は含浸処理が行われ
た後に例えば盲リベットによって閉鎖される。
接触用引込要素3は空気圧に対する高圧シールを得る
Oリング2が嵌め込まれた少なくとも1つの溝を有す
る。必要な場合には、溝に嵌め込まれた第2のOリング
を設けてもよい。
Oリング2が締付けられ、それゆえシール機能が果た
されるようにするために、接触用引込要素3上には被覆
を行う前に締付けリング1が圧接される。締付けリング
1はその外面がプラスチック被覆体6に対する接触区域
を構成し、そして特に被覆体6と同じ材料から形成され
ている。熱可塑性プラスチックの場合、締付けリング1
は基体材料よりも低融点の異種材料から製作され得る。
これによって締付けリング1とプラスチック被覆体6と
の間に特に良好な付着が得られる。接触用引込要素3の
円板10の領域ではさらに標準的なシールが保証される。
接触用引込要素3は所定の幅WB1の単一ロールを形成
するため、中心部および(または)中心管9および円板
10を通る流通路7が生じるように配設される。接触用引
込要素3の円板10は例えば3個所でコンデンサロール4
のスクープ膜11にろう付けされる。このスクープ膜11は
上述のスクープ法(溶融金属粒子を高速度でスプレーし
て、表面をコーティングするプロセス)により作成され
る。
好適には収縮可能な絶縁シート5は特にロール接続お
よび内部の直列接続をロール壁被覆体に対して密封す
る。それにも拘わらず流通路7を適切に形成することに
よって、コンデンサロール4が充分に含浸され得ること
が保証される。
コンデンサの下側には他の接触用引込要素12が配設さ
れており、この接触用引込要素12は上側の接触用引込要
素3と同様に形成されている。
第2図には内部で直列接続されている完全被覆式軸方
向ロール形コンデンサが示されており、この軸方向ロー
ル形コンデンサは第1図に示されたコンデンサよりも大
きいロール幅WB2を有する。この種のロールはそこそこ
の労力ではもはや乾燥されないが、第1図に示された実
施例のようにして含浸処理される。
そのために内部で直列接続されている第2図のコンデ
ンサにおいては孔13が中心管9および外側ロール外被を
通って自由条帯8を中心にして穿設される。孔径は自由
条帯8の幅よりも明らかに小さくされる。
中心管9を通る含浸剤用流通路を作成することは例え
ば巻込み前または巻込み中に行われるロール材料の孔明
けによって行うことができる。
内部で直列接続されているロールにおいて乾燥時間ま
たは含浸時間を低減させるために孔を設けることは知ら
れているが、しかしながら、孔13を敢えて中心管9を通
って案内することは公知の従来技術を著しく変更するも
のである。さらに、被覆を行った後に含浸処理を標準的
な時間内で可能にするために、密封膜5を外側ロール外
被上に特に収縮シートまたは収縮ホースの形態にて設け
ることが必要である。
第1図および第2図によれば、接触用引込要素3、12
にOリング2および締付けリング1が設けられ、また孔
13および絶縁シート5が配設された後、このようにして
用意されたロール4は射出成形機内へ挿入されて被覆さ
れる。絶縁シート5は孔内へ射出成形材料が進入するの
を阻止し、締付けリング1はOリング2に対してシール
し、被覆体6の材料に対する理想的な付着を保証する。
被覆材料にはさらに拡散阻止体(例えばアルミニウム
箔)を設けることができる。この拡散阻止体は、一方で
は例えば水蒸気のような外部雰囲気の影響がコンデンサ
の内部に侵入するのを防止すると共に、他方では含浸剤
の成分が外部へ拡散流出するのを阻止するために使用さ
れる。プラスチップは、金属ケースに比較して、極端な
環境条件の下では上記拡散流出を可能にするので、プラ
スチック被覆体内にこの拡散阻止体が配置される。被覆
が行われれた後このようにして処理されたコンデンサは
公知の方法で乾燥されかつ含浸処理され、そして含浸処
理が行われた後含浸孔が閉鎖される。
含浸処理が行われずに乾燥されるパワーコンデンサに
おいて、内部の直列接続を有する場合に孔を設けること
は場合によっては必要ない。接触用引込要素3、12と、
締付けリング1と、Oリング2とを備えた本発明による
シールはしかしながらこの実施例においては必要なシー
ルを保証する。
第3図には互いに接続された多数のロール14から構成
されて含浸処理された軸方向GTOコンデンサが示されて
いる。円板28を備えた接触用引込要素15は非磁性材料、
例えば黄銅から成り、位置16にてスクープ膜17に導電的
に結合されている。以下で説明するように特殊なプラス
チック被覆体においては、必要な場合には、接触用引込
要素15に機械的に活性なシール面18を設けることが好ま
しい。この実施例は接触用引込要素15の左側上にシール
面18が設けられている様子を示す。プラスチック被覆体
は接触用引込要素15のところで必要な場合にはプラスチ
ック被覆体22の端面側外被壁の壁厚面を肉厚に形成する
こともできる。シール性を改善するようにした実施例に
おいては、上述した実施例と同様に、接触用引込要素15
の右側に示されているように、締付けリング20を備えた
Oリング19が設けられる。
被覆体22は繊維粗撚り糸により強化されたプラスチッ
ク23、例えばグラスファイバ粗撚り糸により強化された
エポキシ樹脂24から構成される。被覆体22とコンデンサ
ロール14との間にはポリエステル収縮ホース21が絶縁シ
ールとして配置されている。例えばコンデンサロール14
がプラスチック被覆体22の製作後に乾燥され得るように
するために、接触用引込要素15内には孔25が明けられて
いる。乾燥工程が終了した後、孔25はリベット26によっ
て閉鎖される。
第3図による実施例に示された繊維巻回式プラスチッ
ク被覆体22は約3〜5mmの厚みを有しており、繊維方向
に700N/mm2までの引張応力の強さにて実施可能である。
繊維粗撚り糸による締付け、硬化温度、接触用引込要素
15の活性化および円板10の厚みが正しく互いに調和して
いる場合、Oリング19と締付けリング2とがなくても、
所定の範囲で温度変動が繰り返されても、接触用引込要
素15とプラスチック被覆体22との間にはシールされない
個所が生じない。
円板28が接着剪断歪を考慮して温度変動時に端面側被
覆体22以上に膨張し得るように、かかる円板28の壁厚を
設計することは好ましいことである。
繊維粗撚り糸23の締付けは温度変動が生じても充分な
面圧接が保持され続けるように設定される。
被覆体22が運転温度のほぼ平均値である温度、即ちほ
ぼ室温にて硬化することは有利である。
第4図には接触用引込要素15の円板28に含浸孔27が設
けられている様子が示されている。このために被覆体22
には補助孔23が必要である。含浸液体29が注入された
後、含浸孔27はリベット30によって閉鎖され、補助孔32
はプラスチック(例えばエポキシ樹脂)31が注入されて
密閉される。
第5図には接触用引込要素のところにグラスファイバ
ー強化形プラスチック製プレート34が配設されている実
施例が示されている。プレート34の下面には金属膜35、
例えば約70μmの厚さの銅膜が設けられている。金属膜
35はコンデンサロール積層体37のスクープ膜36に密にろ
う付けされ、それゆえコンデンサロール積層体37の油密
な密閉が軸方向に形成される。プレート34の上面38はプ
ラスチック被覆体39に対する付着性が改善するために例
えば施削によってまたは金剛砂での磨きによって活性化
される。ろう付けの代わりに、コンデンサ37のロール積
層体には例えば絶縁シート40を例えば約5mm覆う被覆シ
ート41または被覆樹脂膜を設けることもできる。このよ
うな措置を施すことによって同様に油密に組込まれたコ
ンデンサロール積層体37が形成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である完全被覆式軸方向ロー
ル形コンデンサを示す一部断面図、第2図は内部で直列
接続されている完全被覆式軸方向ロール形コンデンサを
示す一部断面図、第3図は繊維を巻かれたプラスチック
被覆体を備えた完全被覆式軸方向ロール形コンデンサを
示す一部断面図、第4図は第3図の一部分を拡大して示
す断面図、第5図は金属膜を設けられたプレートを備え
ている他の実施例を示す一部断面図である。 1、20……締付けリング 2、19……Oリング 3、12、15……接触用引込要素 4、14……コンデンサロール 5、21……絶縁シート 6、22……プラスチック被覆体 9……中心管 23……繊維粗撚り糸 25……孔 26、30……リベット 27……含浸孔
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 1/00 - 4/40

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心管(9)上に配設されロール端面にス
    クープ膜(11、17)が設けられている少なくとも1つの
    コンデンサロール(4、14)から構成され、前記コンデ
    ンサロールは2つの対向する端面にそれぞれ1つの金属
    化接触用引込要素(3、12、15)を有し、この接触用引
    込要素は前記スクープ膜(11、17)に導電的に結合され
    て前記中心管(9)内に位置決めされ、前記コンデンサ
    ロールには外部接続のための引込領域を除いてプラスチ
    ック被覆体(6、22)が設けられている軸方向ロール形
    コンデンサにおいて、前記接触用引込要素(3、12、1
    5)にはそれぞれ少なくとも1つのOリング(2、19)
    が設けられ、このOリングは締付けリング(1、20)に
    よって前記接触用引込要素(3、12、15)に固定されて
    いることを特徴とする軸方向ロール形コンデンサ。
  2. 【請求項2】前記締付けリング(1、20)は前記プラス
    チック被覆体(6、22)と同じ材料から成ることを特徴
    とする請求項1記載のロール形コンデンサ。
  3. 【請求項3】前記プラスチック被覆体(6)は熱可塑性
    材料から成り、前記締付けリング(1)は低融点の異種
    材料から製作されることを特徴とする請求項2記載のロ
    ール形コンデンサ。
  4. 【請求項4】前記接触用引込要素(3、12、15)には閉
    鎖可能な乾燥孔(25)または含浸孔が配設されることを
    特徴とする請求項1乃至3の1つに記載のロール形コン
    デンサ。
  5. 【請求項5】前記外側ロール外被と前記プラスチック被
    覆体(6、22)との間に密封膜(5、21)が配設される
    ことを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載のロール
    形コンデンサ。
  6. 【請求項6】前記密封膜(5、21)は熱作用により収縮
    可能な材料から成ることを特徴とする請求項5記載のロ
    ール形コンデンサ。
  7. 【請求項7】前記密封膜(5、21)に前記引込要素
    (3、12、15)が貼着されることを特徴とする請求項5
    又6記載のロール形コンデンサ。
  8. 【請求項8】前記プラスチック被覆体(6、22)内にア
    ルミニウム箔から成る拡散阻止体が配設されることを特
    徴とする請求項1乃至7の1つに記載のロール形コンデ
    ンサ。
  9. 【請求項9】前記乾燥孔(25)または含浸孔(27)はリ
    ベット(26、30)によって閉鎖されることを特徴とする
    請求項1乃至8の1つに記載のロール形コンデンサ。
  10. 【請求項10】前記接触用引込要素(3、12、15)に円
    板(10、28)が配設されることを特徴とする請求項1乃
    至9の1つに記載のロール形コンデンサ。
  11. 【請求項11】前記接触用引込要素(3、12、15)と円
    板(10、28)とは非磁性材料から成ることを特徴とする
    請求項10記載のロール形コンデンサ。
  12. 【請求項12】前記非磁性材料は黄銅から成ることを特
    徴とする請求項11記載のロール形コンデンサ。
  13. 【請求項13】前記円板(10、28)は片側または両側に
    金属膜が設けられたグラスファイバ強化形プラスチック
    製プレートから成ることを特徴とする請求項10記載のロ
    ール形コンデンサ。
  14. 【請求項14】前記金属膜は銅から成ることを特徴とす
    る請求項13記載のロール形コンデンサ。
  15. 【請求項15】前記銅膜は約70μmの厚さであることを
    特徴とする請求項14記載のロール形コンデンサ。
  16. 【請求項16】前記円板(10、28)は前記コンデンサロ
    ール(4、14)のスクープ膜(11、17)にろう付けされ
    ることを特徴とする請求項10乃至15の1つに記載のロー
    ル形コンデンサ。
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EP89104952 1989-03-20

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