JP2929782B2 - 波形記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は波形記録装置に関するも
のであり、詳しくは、波形記録性能の改善に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来の波形記録装置の一例を示す
ブロック図である。図において、１はアナログ入力信号
が加えられる入力端子であり、Ａ／Ｄ変換器２に接続さ
れている。３はＡ／Ｄ変換器２の出力データを所望の時
間目盛で記録するための記録パターンを生成する記録パ
ターン生成部である。４はこの記録パターン生成部３で
生成された記録パターンを記録紙に記録する記録部であ
り、例えばラインサーマルヘッドで感熱記録紙に記録す
るように構成されている。５は各部に動作制御信号を出
力する制御部である。

【０００３】このような構成において、記録部４は設定
された所定の一定速度で記録紙を送りながら記録パター
ン生成部３で生成されたＡ／Ｄ変換器２の出力データに
基づくアナログ入力信号の記録パターンを記録する。と
ころで、アナログ入力信号が急激に変化した場合、その
状態を記録結果から詳しく解析するためには、その部分
の時間軸を拡大して記録する必要がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような方法とし
て、アナログ入力信号の変化率を検出して変化率が一定
の値を越えたら記録紙の送り速度を速くすることが考え
られるが、この場合には記録の途中で記録速度が変化す
ることから記録の連続性が損われることになり、記録結
果の解析にあたっては時間軸の整合をとらなければなら
ず、不便である。本発明は、このような従来の問題点を
解決するものであり、その目的は、記録の連続性を損う
ことなく、部分的な時間軸拡大記録が行える波形記録装
置を実現することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、アナログ入力
信号をデジタル信号に変換するＡ／Ｄ変換器と、このＡ
／Ｄ変換器の出力データの変化の大きさを検出する変化
率検出部と、変化率が予め設定された値を越えた時点を
基準にして前記Ａ／Ｄ変換器の出力データを格納する波
形メモリと、前記Ａ／Ｄ変換器の出力データを第１の時
間目盛で記録するための第１の記録パターンと、前記波
形メモリから読み出されるデータを第１の時間目盛を拡
大した第２の時間目盛で記録するための第２の記録パタ
ーンを生成する記録パターン生成部と、この記録パター
ン生成部で生成された第１，第２の記録パターンを共通
の記録紙に同時に記録する記録部、とで構成されたこと
を特徴とする。

【０００６】

【作用】記録紙を一定速度で走行させながらアナログ入
力信号の波形を第１の時間目盛で第１の記録パターンと
して記録している途中でアナログ入力信号が急激に変化
すると、波形メモリには変化率が予め設定された値を越
えた時点を基準にしてその変化部分を含むＡ／Ｄ変換器
の出力データが格納される。そして、波形メモリに格納
されたデータは逐次読み出され、第１の時間目盛を拡大
した第２の時間目盛で第２の記録パターンとして共通の
記録紙に第１の記録パターンと同時に記録される。この
ように、アナログ入力信号の第１の記録パターンの連続
性を損うことなくアナログ入力信号の急激な変化部分を
時間軸が拡大された第２の記録パターンとして記録でき
ることから、記録結果からの波形解析が効率よく行え
る。

【０００７】

【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図１は本発明の一実施例を示すブロック図であり、
図２と同一の部分には同一の符号を付けている。図にお
いて、６は変化率検出部であり、メモリ制御部７を介し
て加えられるＡ／Ｄ変換器２の出力データの変化の大き
さを検出し、検出結果を制御部５に出力する。メモリ制
御部７は、制御部５から加えられる制御信号に従って、
Ａ／Ｄ変換器２の出力データを記録パターン生成部３や
変化率検出部６や波形メモリ８に加えたり、波形メモリ
８に格納されたデータを記録パターン生成部３に読み出
したりする。

【０００８】このような構成において、制御部５はメモ
リ制御部７に常に記録パターン生成部３にＡ／Ｄ変換器
２の出力データを出力するように指令する。そして、記
録パターン生成部３は、記録部４で第１の時間目盛でア
ナログ入力信号を記録するための第１の記録パターンを
生成して出力する。これにより、記録部４はアナログ入
力信号の波形を連続的に記録する。この第１の記録パタ
ーンによる記録は、Ａ／Ｄ変換器２の出力データの急激
な変化の有無に関係なく継続される。

【０００９】一方、変化率検出部６がＡ／Ｄ変換器２の
出力データの急激な変化を検出すると、制御部５はその
検出結果に従って、メモリ制御部７に波形メモリ８への
Ａ／Ｄ変換器２の出力データの取り込みを指令する。波
形メモリ８へのデータの取り込みにあたっては、例えば
波形メモリ８をリング状にして常にデータを更新格納す
るように構成しておき、変化率検出部６の検出信号が加
えられた時点を基準にしてデータの取り込み停止時間を
制御することにより、所望のデータを取り込むことがで
きる。すなわち、変化率検出部６の検出信号が加えられ
た時点でデータの取り込みを停止することにより、急激
な変化を生じるまでのデータが格納される。また、変化
率検出部６の検出信号が加えられた時点のデータが波形
メモリ８の中央部分に位置する時間関係でデータの取り
込みを停止することにより、急激な変化を含む前後のデ
ータが格納される。

【００１０】このようにして波形メモリ８に格納された
データは、制御部５からの指令に従って記録パターン生
成部３に読み出される。そして、記録パターン生成部３
は、これらのデータに基づいて第１の時間目盛を拡大し
た第２の時間目盛の第２の記録パターンを生成し、第１
の記録パターンとともに記録部４に出力する。

【００１１】これにより、共通の記録紙に第１の記録パ
ターンと第２の記録パターンが同時に記録される。ここ
で、記録部４の記録紙送り速度は一定に保たれているの
でアナログ入力信号の第１の記録パターンの連続性を損
うことはなく、アナログ入力信号の急激な変化部分の波
形が時間軸が拡大された第２の記録パターンとして第１
の記録パターンの急激な変化部分の近傍に同時記録され
ることから、記録結果からの波形解析が効率よく行え
る。

【００１２】図２は図１の構成の記録例図である。図２
において、Ａは第１の記録パターンによる主記録波形で
あり、Ｂは第２の記録パターンによる補助記録波形であ
り、 はアナログ入力信号が急激に変化した場合の時間軸拡
大記録を示し、はアナログ入力信号の振幅が大きくな
ってオーバーフローした場合の記録を示し、はレンジ
変更があった場合の記録を示している。なお、これら第
２の記録パターンによる補助記録波形は記録紙の予め確
保されている領域に選択的に記録されるものであり、通
常はその領域にも第１の記録パターンによる主記録波形
を記録してもよい。

【００１３】なお、上記実施例では記録部４としてライ
ンサーマルヘッドを用いる場合について説明したが、例
えばペンレコーダの場合にも補助記録用のペンを設ける
ことにより実現できる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録の連続性を損うことなく、部分的な時間軸拡大記録
が行える波形記録装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すブロック図である。

【図２】図１の構成による記録例図である。

【図３】従来の装置の一例を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ 入力端子 ２ Ａ／Ｄ変換器 ３ 記録パターン生成部 ４ 記録部 ５ 制御部 ６ 変化率検出部 ７ メモリ制御部 ８ 波形メモリ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】アナログ入力信号をデジタル信号に変換す
   るＡ／Ｄ変換器と、 このＡ／Ｄ変換器の出力データの変化の大きさを検出す
   る変化率検出部と、 変化率が予め設定された値を越えた時点を基準にして前
   記Ａ／Ｄ変換器の出力データを格納する波形メモリと、 前記Ａ／Ｄ変換器の出力データを第１の時間目盛で記録
   するための第１の記録パターンと、前記波形メモリから
   読み出されるデータを第１の時間目盛を拡大した第２の
   時間目盛で記録するための第２の記録パターンを生成す
   る記録パターン生成部と、 この記録パターン生成部で生成された第１，第２の記録
   パターンを共通の記録紙に同時に記録する記録部、 とで構成されたことを特徴とする波形記録装置。