JP2929715B2 - 電気自動車の制動制御装置 - Google Patents

電気自動車の制動制御装置

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JP2929715B2
JP2929715B2 JP8514457A JP51445795A JP2929715B2 JP 2929715 B2 JP2929715 B2 JP 2929715B2 JP 8514457 A JP8514457 A JP 8514457A JP 51445795 A JP51445795 A JP 51445795A JP 2929715 B2 JP2929715 B2 JP 2929715B2
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久光 古賀
直武 熊谷
富治 大和田
信也 古川
正朗 加藤
伸之 川村
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Description

【発明の詳細な説明】 従来技術 本発明は、電気モータによって車輪を駆動し走行する
電気自動車に関し、特に、モータによる回生制動を通じ
て車両の制動を制御するための、電気自動車の制動制御
装置に関する。
背景技術 近年、大気汚染の防止や車両による騒音低減の観点か
ら、内燃機関の代わりに電動モータで車輪を駆動する、
電気自動車が注目されつつある。
このような電気自動車では、所謂回生制動を容易に行
なうことができる。この回生制動は、走行用モータへの
電力供給を規制してこのモータを発電状態に切り換える
ことで行なえて、この時には、駆動輪に負荷を与えてこ
れを制動しつつこの駆動輪の回転エネルギを電気エネル
ギとして回収することができる。
ところで、この電気自動車における回生制動は、回生
トルクがFIG.4に示すような特性になるように制御を行
なっている。つまり、モータの低速時には、回生トルク
を与えると車両が減速から停止した後に車両を後退させ
ることになり、また、回生を発生させるためには大きな
電流が必要になりモータの発熱が大きくなる上に回収で
きる電力は少なくエネルギ的にはマイナス効果しかなく
なってしまう。そこで、これらの事態を回避するため
に、ある回転速度(例えばN0)以下では、回生トルクが
発生しないように制御しているのである。
ところで、従来より、モータの低速時にも回生トルク
を与える技術は提案されている。例えば特開昭62−9590
3号公報に開示された技術は、モータが近停止領域(低
速領域)にある場合でもモータ回転速度が0になるよう
にPI制御を行なうものである。
これにより、車両の停止後に車両を後退させないよう
にしながら低速時にも回生トルクを与えることができる
ものの、上述のようにこの低速時には回生を発生させる
ための消費電力が回収できる電力を上回るためエネルギ
的にはマイナスになる。
このため、常時このように回生制動を作用させると、
エネルギロスによって、電気自動車の走行可能距離を低
下させてしまうという不具合を招く。また、モータの発
熱も問題になる。
なお、電気自動車における通常時の制動では、通常の
内燃機関式自動車と同様に、フットブレーキ等の機械式
ブレーキを作動させて、回生制動は内燃機関式自動車の
エンジンブレーキと同様に機械式ブレーキに対して付加
的に作用させている。
ところで、従来の電気自動車では、通常は、上述のよ
うにモータの回転速度が所定値(例えばN0)以下となる
低速時には回生トルクを発生させたくないので、車両を
停止させるためには上述の機械式ブレーキのみに頼るこ
とになる。
したがって、機械式ブレーキが失陥した場合には、モ
ータの低速時には制動力を与えられなくなってしまう。
もちろん、機械式ブレーキ自体にフェイルセーフ機能を
付加することもできるが、電気自動車の回生制動で得ら
れる回生トルクは低速時にも十分に大きく与えることが
可能であり、機械式ブレーキの失陥時にはこの回生制動
を適切に利用できるようにしたい。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、機械
式ブレーキの正常時には回生制動によるエネルギロスを
回避又は抑制できるようにしながら、機械式ブレーキの
失陥時には回生制動を適切に利用して確実に車両を停止
させることができるようにした、電気自動車の制動制御
装置を提供することを目的とする。
発明の開示 この発明は、制動操作時に、機械的制動装置による機
械的制動と走行用モータによる回生制動とを併用しうる
電気自動車の制動制御装置において、該機械的制動装置
の正常・失陥を検出する失陥検出手段と、制動操作時に
該失陥検出手段からの検出信号を受けて該走行用モータ
の回生制動の制御を行なう回生制動制御手段とをそな
え、該回生制動制御手段が、該失陥検出手段により該機
械的制動装置の失陥が検出された時には該機械的制動装
置の正常が検出された時よりも該回生制動力を増大させ
るように該モータの回生制動の制御を行なうことを特徴
としている。
かかる構成により、機械的制動装置が正常ならば、回
生制動力が抑制されて正常な機械的制動装置を主体とし
て制動が行なわれ、低速時回生制動に伴うエネルギロス
を抑制し、また、モータの発熱も抑制することができ
る。この一方、機械的制動装置が失陥していると、回生
制動により確実に制動を行なって、車両を停止させるこ
とができる。
また、このような構成に加えて、上記モータの回転速
度を検出するモータ回転速度検出手段をそなえ、上記回
生制動制御手段が、上記失陥検出手段及び該モータ回転
速度検出手段からの検出信号を受けて、上記正常の検出
された時には上記モータの所定回転速度以上の領域での
み上記回生制動を作動させ、上記失陥の検出された時に
は該モータの回転速度にかかわらず常に該回生制動を作
動させるように該モータの回生制動の制御を行なうよう
に構成してもよい。
かかる構成により、機械的制動装置が正常ならば、モ
ータの低速回転時には該回生制動は行なわないで正常な
機械的制動装置のみで制動が行なわれ、低速時回生制動
に伴うエネルギロスを発生させることなく、また、モー
タの発熱も発生しないようにすることができる。一方、
機械的制動装置が失陥していると、モータの低速回転時
にも回生制動が行なわれるので、回生制動により確実に
制動を行なって、車両を停止させることができる。
また、上記モータの回転速度を検出するモータ回転速
度検出手段と、車両のブレーキペダル操作量を検出する
ブレーキ操作量検出手段とをそなえるようにして、上記
回生制動制御手段が、上記失陥検出手段,該モータ回転
速度検出手段及び該ブレーキペダル操作量検出手段から
の検出信号を受けて、上記失陥の検出された時には該モ
ータ回転速度及び該ブレーキペダル操作量に応じて予め
設定された回生制動力が発生するように上記モータの回
生制動の制御を行なうように構成してもよい。
かかる構成により、機械的制動装置の失陥時に、回生
トルクをモータの回転速度に応じるとともにブレーキペ
ダルの操作量に応じるようにでき、このため、モータの
回転速度に対して適切で、且つ、運転者の制動意志を反
映するような適切な回生制動力を与えることができる。
この場合、上記回生制動制御手段が、上記失陥の検出
された時には上記モータの回転速度が低いほど上記回生
制動力の増大量が大きくなるように該モータの回生制動
力の制御を行なうように構成してもよい。
かかる構成により、回生トルクがモータの回転速度に
応じるとともにブレーキペダルの操作量に応じるように
なるため、モータの回転速度に対して適切で、且つ、運
転者の制動意思を反映するような回生制動力を与えるこ
とができる。特に、機械的制動装置が正常な時には、モ
ータの低速時での回生制動が行なわないため、容易で且
つ確実な回生制動制御を実現できる。また、ブレーキペ
ダルの操作に応じた回生制動を加えられるため、失陥時
にも、ドライバの意思を反映させながら制動を行なえ
る。
また、上記回生制動制御手段が、上記失陥の検出され
た時で且つ上記モータの回転速度が0になった時には、
上記ブレーキペダルの操作量を最大値として得られる上
記回生制動トルクが上記車両の転がり抵抗以下となるよ
うに、上記モータの回生制動の制御を行なうように構成
してもよい。
かかる構成により、上記失陥時で且つ上記モータの回
転速度が0となった時に、たとえ上記ブレーキペダルの
操作量を最大値としても、得られる回生制動トルクは、
上記車両の転がり抵抗以下となるため、回生トルクによ
り停車中の車両が後退するような不具合が回避され、確
実に且つ安全に車両を停止させることができる。
あるいは、上記車両に装備された変速機の変速段位置
を検出する変速位置検出手段をさらにそなえ、上記回生
制動制御手段が、上記失陥の検出された時には該変速位
置検出手段からの検出信号に基づいて、該変速段位置が
高速段であるほ上記回生制動力の増大量が大きくなるよ
うに上記モータの回生制動の制御を行なうように構成し
てもよい。
かかる構成により、変速段位置に応じた回生トルクが
与えられ、低車速時に変速段位置に係わらず安定した回
生トルクを得られるようになり、失墜時の回生制動を安
定して行なうことができる。
また、上記車両の道路の勾配を検出する道路勾配検出
手段をさらにそなえ、上記回生制動制御手段が、該道路
勾配検出手段からの検出信号に基づいて、該道路が下り
坂であるほど上記回生制動力の増大量が大きくなるよう
に上記モータの回生制動の制御を行なうように構成して
もよい。
かかる構成により、機械的制動装置の失陥時にも、下
り坂で要求される大きな制動力を得ることができ、自動
車の緊急時の信頼性を向上させることができる。
図面の簡単な説明 FIG.1は本発明の一実施例としての電気自動車の制動
制御装置を示す模式的な構成図である。
FIG.2(A),(B)はいずれも本発明の一実施例と
しての電気自動車の制動制御装置の制動制御に用いるマ
ップを示す図であり、FIG.2(A)は機械的制動装置の
失陥時用マップ、FIG.2(B)は機械的制動装置の正常
時用マップである。
FIG.3は本発明の一実施例としての電気自動車の制動
制御装置の制動制御動作を説明するフローチャートであ
る。
FIG.4は従来の電気自動車の制動制御装置の制動制御
特性を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、FIG.1〜FIG.3を参照して、本発明の一実施例と
しての電気自動車の制動制御装置について説明する。
FIG.1において、1はバッテリであり、このバッテリ
1は車両に装備されない外部充電器により繰り返し充電
することができる。2はバッテリ1から電力を供給され
る走行用モータであり、このモータ2により自動車の駆
動輪3が駆動される。バッテリ1とモータ2との間には
モータコントローラ4が設けられており、バッテリ1か
らの電力はこのモータコントローラ4を通じて所要の大
きさに調整されてモータ2へ供給されるようになってい
る。
また、モータコントローラ4は、走行マネージメント
コントローラ5を通じて制御されるようになっている。
つまり、走行マネージメントコントローラ5では、アク
セルペダル6の踏込量(アクセル開度)をアクセラレー
タ7を通じて入力され、主としてこのアクセル開度に応
じるようにしてモータコントローラ4を通じてモータ2
の出力を制御するようになっている。
さらに、モータ2と駆動輪3との間には変速機(変速
ギヤ)8が介装されており、モータ2の回転速度を変速
して駆動輪3へ伝達するようになっている。この変速段
は、シフトレバー9の操作を通じて選択されるようにな
っている。ここでは、変速機8は前進2段・後進1段と
する。
また、走行マネージメントコントローラ5では、シフ
トレバー9による変速位置(選択変速段)に基づいて、
シフトレバー9が前進位置に設定されるとアクセル開度
に応じてモータを正転させ、シフトレバー9が後退位置
に設定されるとアクセル開度に応じてモータを逆転させ
るようにそれぞれ制御する。シフトレバー9による変速
位置情報は、これを検出する変速位置検出手段(セレク
トスイッチ等)21から走行マネージメントコントローラ
5に入力される。なお、この後退時には、変速ギヤ自体
は第1速状態とされる。
ところで、本電気自動車においても、ブレーキペダル
10が踏み込まれると機械的制動装置(以下、機械ブレー
キ又は単にブレーキという)11による制動とともにモー
タ2による回生制動を行なうようになっている。この回
生制動の制御は、ブレーキスイッチ20からのブレーキ操
作検出情報(ブレーキスイッチがオンの情報)に基づい
て、走行マネージメントコントローラ5内の回生制動制
御機能部分(回生制御手段)12により行なわれるように
なっている。この回生制御手段12では、ブレーキ正常で
あるか失陥しているかに基づいて、ブレーキ操作量,モ
ータ2の回転数NM及び変速機8又はシフトレバー9の変
速段位置に応じて、モータ2により発生する回生トルク
を制御するようになっている。
ここで、回生制御手段12を説明すると、この回生制御
手段12には、記憶部(記憶手段)13と、回生トルク設定
部14と、指令部(指令手段)15とがそなえられている。
このうち、記憶部13には、後述する失陥時用マップと
正常時用マップとが記憶されている。回生トルク設定部
14には、演算手段14Aと補正手段14Bとがそなえられ、演
算手段14Aで各種の検出情報と記憶部13に記憶されたマ
ップとから目標とする回生トルクを演算する。ただし、
演算手段14Aで用いる回生トルクゲインは補正手段14Bに
より適宜補正されるようになっている。また、指令部15
では設定された回生トルクの値に応じてモータコントロ
ーラ4に指令信号を出力するようになっている。
記憶部13における失陥時用マップ及び正常時用マップ
は、FIG.2(A),(B)に示すようにそれぞれモータ
回転数NMに対応して回生トルクゲインを設定しうるマッ
プである。
このうち、正常時用マップは、FIG.2(B)に示すよ
うに、回生トルクを与えるモータ回転数の下限値(回生
可能最小回転数)N0が設定されており、モータ回転数NM
がこの下限値N0以下になると回生トルクゲインが0とな
り回生トルクを与えなくなり、モータ回転数NMがこの下
限値N0以上になると回生トルクゲインが次第に増加して
その後の中速域では最大値(=1)を保持するようにな
っている。
このように、モータ回転数NMの低い領域で、回生制動
を行なわないのは、前述のように、モータ回転数NMが低
いと、回生を行なうために大きな電流が必要になりモー
タの発熱やエネルギロスを招くので、これらの事態を回
避しようとするためである。また、モータ回転数NMの増
大に応じて回生トルクゲインを次第に増加させること
で、モータ回転数NMに対する回生トルクの急変が防止さ
れて、円滑な回生制動制御が行なえるようになってい
る。
一方、失陥時用マップは、FIG.2(A)に示すよう
に、モータ回転数NMが0となっても、即ち、モータ2が
回転を停止しても、一定の回生トルクゲインが与えられ
ており、モータ2の低速時(従って自動車の低速時)や
モータ2の停止時(従って自動車の停止時)にも、ブレ
ーキ11の制動力の代わりに回生制動による制動力が発揮
され、車両を制動させたり停止させたりすることができ
るようなっている。
この失陥時用マップでは、モータ回転数NMの低・中速
域では最大値(=1)を保持するのに対して、モータ回
転数NMが0に近づくと次第に減少するようになってい
る。したがって、モータ回転数NMが0の時に回生トルク
ゲインは最小となるが、これは、モータ回転数NMが0の
付近では、回生トルクが車両の転がり抵抗以下となるよ
うにして、停車時の車両の後退を防止しようとするもの
である。勿論、モータ回転数NMが0の状態から大きくな
ると、車両の後退のおそれは弱まるので、本来の車両へ
の制動力が得られるように回生トルクは次第に増加して
最大値に達する。
また、失陥時用マップでは、モータ回転数NMが0の付
近での回生トルクゲインが、変速段に対応して設定され
ている。つまり、モータ回転数NMが0の付近での回生ト
ルクゲインは、低速段(第1速)に比べて高速段(第2
速)の場合の方が大きなものに設定されている。これ
は、ギヤ比の高い高速段は、ギヤ比の低い低速段よりも
駆動輪へ作用する力が小さくなるため、同様な回生トル
クを得るためには、低速段よりも高速段の場合の方の回
生トルクゲインを大きくする必要があるためである。こ
のため、モータ回転数NMが0の時の回生トルクゲイン
は、低速段と高速段とで互いのギヤ比に対応したものに
なっている。
演算手段14Aでは、機械的制動装置の失陥を検出する
失陥検出手段22からの検出情報と、ブレーキ操作量検出
手段23からのブレーキペダル5の踏込量(ブレーキ操作
量)の検出情報と、モータ回転速度検出手段24からのモ
ータ2の回転速度(回転数)NMの検出情報と、変速位置
検出手段21からの変速機の変速段位置情報をそれぞれ入
力され、これらの失陥情報,ブレーキ操作量情報,モー
タ回転数情報及び変速段位置情報と記憶部13に記憶され
たマップとに基づいて、目標とする回生トルクを算出す
るようになっている。
失陥検出手段22では、例えばブレーキ操作量(即ち、
ブレーキペダルの踏込操作量)に対する車両の減速度合
からブレーキが正常か失陥しているかを検出することが
できる。この場合、ブレーキ操作量はブレーキ操作量検
出手段23で検出され、車両の減速度合はしばしば車両に
装備されている車速センサ(図示略)に基づいて算出で
きる。
演算手段14Aでは、ブレーキ11の失陥時には、記憶部1
3に記憶された失陥時用マップを用い、ブレーキ11の正
常作動時には、記憶部13に記憶された正常時用マップを
用いる。そして、モータ2の回転速度(回転数)NM及び
変速位置(変速段位置)に応じて、各マップから回生ト
ルクゲインを求めて、この回生トルクゲインとブレーキ
操作量(ペダルストローク)との積を演算することで目
標とする回生トルクを求めるようになっている。
ところで、このように、回生トルクはブレーキ操作量
に比例するので、モータ回転数が等しければブレーキ操
作量が最大となったときに回生トルクも最大となる。前
述の失陥時用マップにおける、モータ回転数NMが0の部
分での回生トルクゲインは、この状態でブレーキ操作量
が最大とされて回生トルクが最大となっても、この回生
トルクが車両の転がり抵抗以下となるように、設定され
ているのである。
補正手段14Bでは、道路勾配検出手段25から道路勾配
の検出情報を受けて、道路が下り坂であるほど回生トル
クゲインを大きくするように補正し、逆に、道路が上り
坂であるほど回生トルクゲインを小さくするように補正
する。また、道路が平坦であれば補正は行なわない。
したがって、演算手段14Aでは、このように適宜補正
を施された回生トルクゲインを用いて、回生トルクを算
出することになる。
そして、指令手段15からの指令により、モータコント
ローラ4を通じて、回生トルクが制御されるようになっ
ている。
本発明の一実施例としての電気自動車の制動制御装置
は、上述のように構成されるので、例えばFIG.3に示す
ように、その回生トルクの設定が行なわれる。
つまり、まず、ブレーキスイッチ情報からブレーキペ
ダル10の踏込であったか否かを検知して(ステップS1
0)、ブレーキペダル10の踏込がなければ、回生制御は
行なわないが、ブレーキペダル10の踏込があれば、ステ
ップS20へ進み、機械ブレーキ11に欠陥があったか否か
を判定する。
機械ブレーキ11に欠陥がなければ(即ち、正常なら
ば)、ステップS30へ進み、演算手段14Aで正常時マップ
bを選択してこの正常時マップbからモータ回転数NM
対応した回生トルクゲインを求める。機械ブレーキ11に
欠陥があると、ステップS40へ進んで、演算手段14Aで欠
陥時マップaを選択しこの欠陥時マップaからモータ回
転数NMに対応した回生トルクゲインを求める。
さらに、ステップS50へ進み、そして、補正手段14B
で、道路勾配検出手段25からの道路勾配に基づいて回生
トルクゲインを補正する。この補正は、道路が下り坂の
時には下り勾配が強いほど回生トルクゲインを大きくす
るように補正し、逆に、道路が上り坂の時には上り勾配
が強いほど回生トルクゲインを小さくするように補正す
る。
そして、ステップS60で、ステップS30又はS50で求め
られた回生トルクゲインにブレーキ操作量検出手段23で
検出されたブレーキペダルブレーキ操作量を掛け算し
て、回生トルクを設定するのである。
このようにして回生トルクが設定されたら、この設定
回生トルクが実現するように、モータコントローラ4を
通じて、モータの回生状態が制御される。
これにより、機械ブレーキ11の正常時には、図2
(B)に示す正常時用マップbに基づいてモータ2の低
速時には回生制動を行なわないので、通常時には、モー
タの発熱が防止され装置の保全を行なえ、エネルギロス
の回避により自動車の走行距離を確保することができ
る。
そして、機械ブレーキ11の失陥時には、図2(A)に
示す失陥時用マップaに基づいてモータ2の低速時にも
回生制動を行なうので、車両停止時まで、機械ブレーキ
11に代わるように回生制動力を発揮させながら、自動車
の制動及び停止を確実に行なえるようになり、自動車の
緊急時の信頼性を向上させることができる。
また、失陥時の回生制動力は、特に、車両の停止時
に、回生トルクが必ず車両の転がり抵抗以下となるよう
に設定されるため、停止中の車両が後退するような事態
は確実に回避され、安全に停止することができる。さら
に、モータ回転数NMの増大に応じて回生トルクゲインを
次第に増加させることで、モータ回転数NMに対する回生
トルクの急変が防止されて、円滑な回生制動制御が行な
えるようになっている。
さらに、失陥時の回生制動力は、道路の勾配に応じて
補正され、下り坂でその度合いに応じて回生制動力が強
められ、上り坂ではその度合いに応じて回生制動力が弱
められるので、坂道に応じた制動力を確保できる。特
に、下り坂における回生制動力の強化により、機械ブレ
ーキ失陥時に最も問題となる下り坂での制動力が確保さ
れ、自動車の緊急時の信頼性をより向上させることがで
きる。
ところで、上述の実施例では、機械ブレーキ11の正常
時にはモータ2の低速時については回生制動を行なわな
いで、機械ブレーキ11の失陥時にモータ2の低速時につ
いても回生制動を行なうように構成したが、機械ブレー
キ11が正常時のモータ2の低速時についても、回生制動
力を完全に行わないのではなく、回生制動力の発生を抑
制するようにしながら回生制動力を行なうようにして
も、モータの発熱抑制や装置の保全をある程度は図るこ
とができ、エネルギロスの抑制による自動車の走行距離
を確保することができる。
この場合、機械ブレーキ11の失陥時には機械ブレーキ
11の正常時よりも回生制動力を増大させて、車両停止時
までは機械ブレーキ11に代わるような回生制動力を発揮
させるようにすることで、自動車の制動及び停止を確実
に行なえるようにでき、自動車の緊急時の信頼性を向上
させることができる。
また、上述の実施例では、マップに基づいて回生トル
クゲインを設定してこの回生トルクゲインから回生トル
クを求めるようにしているが、必ずしもマップを用いな
くてもよい。つまり、上記マップの同様な回生トルクの
設定特性の演算式等を用いたり、上記マップに示すよう
な回生トルクの設定特性を何らかの記憶手段に記憶して
おき、かかる特性を用いるようにして、モータの回転速
度やブレーキ操作量や勾配等に応じて回生トルクを求め
るようにしてもよい。
なお、変速機8は2段変速に限るものではなく、これ
以上の変速段を有するものでも、失陥時用マップのモー
タ低速域における改選トルクゲインを各変速段に応じて
設けておくことで、実施例と同様の効果を得ることがで
きる。
産業上の利用可能性 以上のように、この発明の車室内の電気自動車の制動
制御装置では、機械的制動装置の失陥時は該機械的制動
装置の正常時よりも走行用モータによる回生制動を増大
させるので、機械的制動装置の正常時には回生制動によ
るエネルギロスを回避又は抑制できるようにしながら、
機械的制動装置の失陥時には走行用モータによる回生制
動力によって自動車の緊急時の制動性能が確保できるよ
うになる。したがって、電気自動車の信頼性を向上させ
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 信也 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 加藤 正朗 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 川村 伸之 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−181902(JP,A) 特開 平2−123902(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60L 7/00 - 7/28 B60L 3/00 - 3/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制動操作時に、機械的制動装置(11)によ
    る機械的制動と走行用モータ(2)による回生制動とを
    併用しうる電気自動車の制動制御装置において、 該機械的制動装置(11)の正常・失陥を検出する失陥検
    出手段(22)と、 制動操作時に該失陥検出手段(22)からの検出信号を受
    けて該走行用モータ(2)の回生制動の制御を行なう回
    生制動制御手段(12)とをそなえ、 該回生制動制御手段(12)が、該失陥検出手段(22)に
    より該機械的制動装置(11)の失陥が検出された時には
    該機械的制動装置(11)の正常が検出された時よりも該
    回生制動力を増大させるように該モータ(2)の回生制
    動の制御を行なう ことを特徴とする、電気自動車の制動制御装置。
  2. 【請求項2】上記モータ(2)の回転速度を検出するモ
    ータ回転速度検出手段(24)をそなえ、 上記回生制動制御手段(12)が、上記失陥検出手段(2
    2)及び該モータ回転速度検出手段(24)からの検出信
    号を受けて、上記正常の検出された時には上記モータ
    (2)の所定回転速度以上の領域でのみ上記回生制動を
    作動させ、上記失陥の検出された時には該モータ(2)
    の回転速度にかかわらず常に該回生制動を作動させるよ
    うに該モータ(2)の回生制動の制御を行なう ことを特徴とする、請求の範囲第1項記載の電気自動車
    の制動制御装置。
  3. 【請求項3】上記モータ(2)の回転速度を検出するモ
    ータ回転速度検出手段(24)と、 車両のブレーキペダル操作量を検出するブレーキ操作量
    検出手段(23)とをそなえ、 上記回生制動制御手段(12)が、上記欠陥検出手段(2
    2),該モータ回転速度検出手段(24)及び該ブレーキ
    ペダル操作量検出手段(23)からの検出信号を受けて、
    上記失陥の検出された時には該モータ回転速度及び該ブ
    レーキペダル操作量に応じて予め設定された回生制動力
    が発生するように上記モータ(2)の回生制動の制御を
    行なう ことを特徴とする、請求の範囲第1項記載の電気自動車
    の制動制御装置。
  4. 【請求項4】上記回生制動制御手段(12)が、上記失陥
    の検出された時には上記モータ(2)の回転速度が低い
    ほど上記回生制動力の増大量が大きくなるように該モー
    タ(2)の回生制動力の制御を行なう ことを特徴とする、請求の範囲第3項記載の電気自動車
    の制動制御装置。
  5. 【請求項5】上記回生制動制御手段(12)が、上記失陥
    の検出された時で且つ上記モータ(2)の回転速度が0
    になった時には、上記ブレーキペダルの操作量を最大値
    として得られる上記回生制動トルクが上記車両の転がり
    抵抗以下となるように、上記モータ(2)の回生制動の
    制御を行なう ことを特徴とする、請求の範囲第3項記載の電気自動車
    の制動制御装置。
  6. 【請求項6】上記車両に装備された変速機の変速段位置
    を検出する変速位置検出手段(21)をそなえ、 上記回生制御手段(12)が、上記失陥の検出された時に
    は該変速位置検出手段(21)からの検出信号に基づい
    て、該変速段位置が高速段であるほ上記回生制動力の増
    大量が大きくなるように上記モータ(2)の回生制動の
    制御を行なう ことを特徴とする、請求の範囲第3項記載の電気自動車
    の制動制御装置。
  7. 【請求項7】上記車両の走行する道路の勾配を検出する
    道路勾配検出手段(25)をそなえ、 上記回生制動制御手段(12)が、該道路勾配検出手段
    (25)からの検出信号に基づいて、該道路が下り坂であ
    るほど上記回生制動力の増大量が大きくなるように上記
    モータ(2)の回生制動の制御を行なう ことを特徴とする、請求の範囲第3項記載の電気自動車
    の制動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006067790A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Ford Motor Co 電気駆動部を持つ車両を制動及び停止させる方法

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