JP2928546B2 - 微少な機械部品の組み合わせによるシステム装置の製造方法 - Google Patents

微少な機械部品の組み合わせによるシステム装置の製造方法

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JP2928546B2 JP1194063A JP19406389A JP2928546B2 JP 2928546 B2 JP2928546 B2 JP 2928546B2 JP 1194063 A JP1194063 A JP 1194063A JP 19406389 A JP19406389 A JP 19406389A JP 2928546 B2 JP2928546 B2 JP 2928546B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は微小な機械部品の組み合わせによるシステム
装置の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、微小な機械部品及びそのシステム装置並びにこ
れらの製造方法が、例えばW.S.N.Trimmer等“ミクロの
機械システム",日経エレクトロニクス,No.436,P.209〜
P.221,1987.12.14に記載されている。以下、この文献の
内容について簡単に説明する。
ミクロの機械システムを開発するには、まず部品が必
要になる。ミクロの機械部品は、微小なアクチュエータ
(マイクロアクチュエータ)やセンサ(マイクロセン
サ)の機械部品として必要なだけではない。アクチュエ
ータが発生したエネルギを外の世界に伝えるつなぎの部
分にも必要になる。フォトリソグラフィ、リアクティブ
・イオン・エッチング、デポジッション等のシリコン
(Si)微細加工技術は、寸法が数十μmのいろいろな機
械部品を作る便利で強力な手段である。
なお、個別の機械部品は、作成後に手作業で簡単なミ
クロの機械システムに組み上げられる。しかし、多種類
の部品を混ぜ合わせた複雑なシステムとなると、組み立
てが不可能になる等の欠点がある。そこで、手作業によ
る組立工程なしに、ミクロの機械システムを形成する手
法が考えられている。即ち、多種類の部品を組み合わせ
たシステム装置そのものをシリコン基板上に直接形成す
る技術である。
第6図(a)乃至(d)は、ブレード付きロータをも
つタービンと流体を流し込むチャネルとの組み合わせに
よるシステム装置の製造方法を示している。
まず、同図(a)に示すように、単結晶シリコン基板
1上に厚さ約4μmの第1の酸化膜2を周知の熱酸化法
又はCVD法により形成する。この後、周知の写真食刻法
を用いて、流体を通すチャネルを設けるための空間3
と、ロータの軸受けを造る環状の階段4を形成する。次
に、同図(b)に示すように、CVD法を用いて、第1の
多結晶シリコン膜を厚さ約4.5μmで堆積形成する。こ
の後、写真食刻法を用いて前記多結晶シリコン膜を選択
的に除去し、ロータ5及びチャネルの壁の一部6aを形成
する。次に、同図(c)に示すように、CVD法を用い
て、厚さ約1.2μmの第2の酸化膜7を形成する。ま
た、写真食刻法を用いて、チャネルの壁6aの一部分8及
びロータ5が基板1に接触する部分(ブレードとブレー
ドの間)に存在する酸化膜7を除去する。また、ロータ
5の中心を通り基板1まで達する孔9を設ける。次に、
同図(d)に示すように、CVD法を用いて、第2の多結
晶シリコン膜を厚さ約3.0μmで堆積形成する。この
後、写真食刻法を用いて前記多結晶シリコン膜を選択的
に除去し、シャフト10及びチャネルの壁6bを形成する。
そして、図示しないが、第1及び第2の酸化膜2,7をフ
ッ酸を含む溶液でエッチング除去し、ロータ5のような
可動部分を自由に動けるようにする。
このようなシステム装置の製造方法では、ロータ5
(可動部品)は、シャフト10(支持部品)と鋭角で接触
する部分(ロータ5中央のエッジ部分)が存在する。即
ち、ロータ5の回転運動に伴って、その接触部分に応力
が集中し、シャフト10のキャップ部分が破壊しやすくな
る欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) このように、従来は、可動部品と支持部品とが鋭角で
接触していたため、可動部品の運動に伴って、その接触
部分に応力が集中し、システムの信頼性の低下を招いて
いた。
よって、本発明は、可動部品と支持部品との接触部分
における応力集中を緩和し、システムの信頼性の向上を
図ることを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明のシステム装置の
製造方法としては、まず、半導体基板上に第1の材料か
ら成る第1の膜を形成し、この第1の膜上に前記第1の
材料とは異なる第2の材料から成る第2の膜を形成す
る。また、この第2の膜を選択的に酸化することによ
り、バーズ・ビークを有する第1の酸化膜を形成する。
次に、前記第1の酸化膜を除去した後、前記第1の酸化
膜が形成されていた部分のうち、バーズ・ビークを除い
た部分の直下に存在する第2の膜を選択的に除去して、
可動部品を形成する。また、前記可動部品上に前記第1
の材料から成る第3の膜を形成すると共に、支持部品が
形成される領域に存在する前記第1の膜を除去する。次
に、全面に前記第1の材料とは異なる第3の材料から成
る第4の膜を形成した後、この第4の膜を選択的に除去
して、前記領域を含む部分に支持部品を形成する。最後
に、前記第1及び第3の膜をエッチング除去することに
より、前記可動部品を自由に動けるようにするというも
のである。
また、半導体基板上に第1の材料から成る第1の膜を
形成し、この第1の膜上に前記第1の材料とは異なる第
2の材料から成る第2の膜を形成する。次に、イオン注
入法を用いて、前記第2の膜の表面領域にイオンを注入
する。この後、前記第2の膜を選択的にエッチングする
ことにより可動部品を形成する。また、前記可動部品上
に前記第1の材料から成る第3の膜を形成すると共に、
支持部品が形成される領域に存在する前記第1の膜を除
去する。次に、全面に前記第1の材料とは異なる第3の
材料から成る第4の膜を形成した後、この第4の膜を選
択的に除去して、前記領域に支持部品を形成する。最後
に、前記第1及び第3の膜をエッチング除去することに
より、前記可動部品を自由に動けるようにするというも
のである。
さらに、半導体基板上に第1の材料から成る第1の膜
を形成し、この第1の膜上に前記第1の材料とは異なる
第2の材料から成る第2の膜を形成する。次に、等方性
エッチング方を用いて、レジストをマスクに前記第2の
膜を途中まで選択的にエッチングする。また、異方性エ
ッチング法を用いて、前記レジストをマスクに前記第2
の膜を最後まで選択的にエッチングすることにより可動
部品を形成する。次に、前記可動部品上に前記第1の材
料から成る第3の膜を形成すると共に、支持部品が形成
される領域に存在する前記第1の膜を除去する。次に、
全面に前記第1の材料とは異なる第3の材料から成る第
4の膜を形成した後、この第4の膜を選択的に除去し、
前記領域に支持部品を形成する。最後に、前記第1及び
第3の膜をエッチング除去することにより、前記可動部
品を自由に動けるようにするというものである。
(作 用) このような製造方法によれば、酸化膜にバーズ・ビー
クが形成されること、イオン注入によるダメージ層でエ
ッチング速度が速くなること、2種類のエッチング方法
(等方性、異方性)を組み合わせることなどを利用する
ことにより、可動部品と支持部品の接触部を鈍角にする
ことができる。
この場合、可動部品を自由に動けるようにするための
ウェットエッチング時に、可動部品と支持部品の間のエ
ッチング液の入れ替えがスムーズになり、可動部品と支
持部品の間にエッチング残りを生じさせることがない。
つまり、可動部品と支持部品の分離を確実に行えるた
め、製品の高歩留りを達成できる。また、このような製
造方法により、可動部品と支持部品の分離と同時に、可
動部品にはテーパが形成されるため、可動部品を実際に
動かすときに、支持部品に加わる強い力を緩和でき、支
持部品の破壊を防ぐことができる。即ち、機械部品及び
システム装置の信頼性の向上を図ることができる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例を詳細に説明
する。
第1図は本発明の一実施例に係わるブレード付きロー
タをもつタービン(機械部品)と流体を流し込むチャネ
ル(機械部品)との組み合わせによるシステム装置の平
面図を示している。また、第2図は前記第1図のI−
I′線に沿う断面図を示している。ここで、101は基
板、102はブレード付きロータ、103はキャップ付シャフ
ト、104はチャネル、105はチャネルの壁である。
基板101上には可動部品としてのブレード付きロータ1
02が形成されている。また、ブレード付きロータ102中
央の空洞部分には、この支持部品としてのキャップ付シ
ャフト103が形成されている。ロータ102及びシャフト10
3の周囲にはチャネルの壁105が形成されている。
さらに、ロータ102は、そのシャフト103と接触する部
分116が鈍角になるようにして形成されている。即ち、
ロータ102中央のエッジ部分がテーパを持つおうにして
形成されている。これにより、ロータ102とシャフト103
の接触部分116における応力集中を緩和させている。
このようなシステム装置は、その上面にパネルを載
せ、チャネル4に流体を流し込むことにより、ブレード
付きロータ102を回転させることができる。この時、ロ
ータ102の高速回転によって、垂直方向の強い力がシャ
フト103のキャップに加わるが、ロータ102とシャフト10
3の接触部分116が鈍角に形成されている。このため、キ
ャップが破壊することもなく、システムの信頼性の向上
を図ることができる。
なお、ロータ102及びシャフト103は、機械的強度を備
え、かつ、微細加工に有利な材料、例えば多結晶シリコ
ンから構成することができる。チャネルの壁105は、例
えば二酸化珪素(SiO2)と多結晶シリコンとの積層から
構成することがで記る。基板101は、例えば単結晶シリ
コンから構成することができる。また、ブレード付きロ
ータ2の直径は、160〜240μm程度が適当である。
第3図(a)乃至(e)は、本発明に係わるブレード
付きロータをもつタービンと流体を流し込むチャネルと
の組み合わせによるシステム装置の製造方法についての
第1の実施例を示すものである。なお、第3図(a)乃
至(e)において、前期第1図に示したシステム装置と
同一の部分には同じ符号が付してある。
まず、同図(a)に示すように、単結晶シリコン基板
101上に厚さ約4μmのシリコン酸化膜(第1の膜)106
を周知の熱酸化法又はCVD法により形成する。この後、
周知の写真食刻法を用いて、流体を通すチャネルを設け
るための空間107と、ロータの軸受けを作る環状の階段1
08を形成する。次に、同図(b)に示すように、CVD法
を用いて、第1の多結晶シリコン膜(第2の膜)109を
厚さ約4.5μmで堆積形成する。この後、熱酸化法又はC
VD法を用いて、第1の多結晶シリコン膜109上に厚さ約
0.1μmのシリコン酸化膜110を形成する。また、CVD法
を用いて、シリコン酸化膜110上に厚さ約0.5μmのシリ
コン窒化膜111を形成する。そして、写真食刻法を用い
て、ロータとなる部分及びチャネルの壁となる部分にシ
リコン酸化膜110及びシリコン酸化膜111を残存させ、そ
の他の部分のシリコン酸化膜110及びシリコン窒化膜111
を除去する。次に、同図(c)に示すように、熱酸化法
を用いて、第1の多結晶シリコン膜109の露出部分に厚
さ約1.0μmのシリコン酸化膜(第1の酸化膜)114を形
成する。この時、シリコン窒化膜111は酸化されずに、
このシリコン窒化膜111の端の部分にはバーズ・ビーク
(Birds beak)と呼ばれるシリコン酸化膜114の食い込
みが生じる。次に、同図(d)に示すように、シリコン
酸化膜110、シリコン窒化膜111及びシリコン酸化膜114
を除去する。また、写真食刻法を用いて、第1の多結晶
シリコン膜109を選択的に除去し、ロータ102及びチャネ
ルの壁の一部105aを形成する。この時、ロータ102中央
の空洞部分115では、シリコン酸化膜114が形成されてい
た部分のうち、バーズ・ビークを除いた領域の直下に存
在する第1の多結晶シリコン膜109が選択的に除去され
る。これにより、ロータ102は、そのシャフトと接触す
る部分116が鈍角になる。次に、同図(e)に示すよう
に、熱酸化法又はCVD法を用いて、厚さ約1.2μmのシリ
コン酸化膜(第3の膜)117を形成する。また、写真食
刻法を用いて、チャネルの壁105a上のシリコン酸化膜11
7の一部及びロータ102が基板101に接触する部分(ブレ
ードとブレードの間)に存在するシリコン酸化膜117を
除去する。また、ロータ102の中心を通り基板101まで達
する孔を設ける。さらに、CVD法を用いて、第2の多結
晶シリコン膜(第4の膜)を厚さ約3.0μmで堆積形成
する。この後、写真食刻法を用いて前記第2の多結晶シ
リコン膜を選択的に除込し、シャフト103及びチャネル
の壁105bを形成する。そして、図示しないが、シリコン
酸化膜106及び117をフッ酸を含む溶液でエッチング除去
し、ロータ102にような可動部分を自由に動けるように
する。
このような製造方法では、バーズ・ビークと呼ばれる
シリコン酸化膜114の食い込みを利用することにより、
ロータ102中央のエッジ部分116を鈍角に形成することが
できる。この場合、ロータ102を自由に動けるようにす
るためのウェットエッチング時に、ロータ102とシャフ
ト103の間におけるエッチング液の入れ替えがスムーズ
になり、ロータ102とシャフト103の間のシリコン酸化膜
117を完全に除去することができる。つまり、ロータ102
とシャフト103の分離を確実に行えるため、製品の高歩
留りを達成できる。
また、このような製造方法により、ロータ102とシャ
フト103の分離と同時に、ロータ102にはテーパが形成さ
れるため、ロータ102を実際に動かすときに、ロータ102
の高速回転によって、垂直方向の強い力がシャフト103
に加わっても、これらの接触部分における応力集中が緩
和できる。よって、シャフト103が破壊するということ
もなく、システムの信頼性の向上を図ることができる。
なお、本実施例では、ロータ102及びシャフト103は、
多結晶シリコンから構成しているが、これに限られな
い。例えば金属シリサイド、多結晶シリコンと金属シリ
サイドとの積層構造であってもよい。また、最後に除去
すべき膜106及び117もシリコン酸化膜に限られない。前
記ロータ102及びシャフト103等と選択比をもってエッチ
ングできる膜であれば可能である。
第4図(a)乃至(e)は、本発明に係わるブレード
付きロータをもつタービンと流体を流し込むチャネルと
の組み合わせによるシステム装置の製造方法についての
第2の実施例を示すものである。なお、第4図(a)乃
至(e)において、前期第3図(a)乃至(e)の第1
の実施例に示したシステム装置の製造方法と同一の部分
には同じ符号が付してある。
まず、同図(a)に示すように、単結晶シリコン基板
101上に厚さ約4μmのシリコン酸化膜(第1の膜)106
を周知の熱酸化法又はCVD法により形成する。また、周
知の写真食刻法を用いて、流体を通すチャネルを設ける
ための空間と、ロータの軸受けを作る環状の階段を形成
する。さらに、CVD法を用いて、第1の多結晶シリコン
膜(第2の膜)109を厚さ約4.5μmで堆積形成する。次
に、同図(b)に示すように、イオン注入法を用いて、
加速電圧約50KV、ドーズ量約5×1015cm-2でリン(P)
を第1の多結晶シリコン膜、109の表面領域に注入す
る。この時、第1の多結晶シリコン膜109にはダメージ
が与えられ、ダメージ層109aが形成される。次に、同図
(c)に示すように、写真食刻法を用いて、第1の多結
晶シリコン膜109の一部を除去する。即ち、全面にフォ
トレジスト118を形成した後、ロータとなる部分及びチ
ャネルの壁となる部分にフォトレジスト118を残存さ
せ、その他の部分のフォトレジスト118を除去する。ま
た、RIE(reactive ion etching)等の異方性エッチ
ング法を用いて、残存したフォトレジスト118をマスク
にして、第1の多結晶シリコン膜109をエッチングす
る。この時、第1の多結晶シリコン膜109にはダメージ
層109aが存在するため、前記エッチング時におけるダメ
ージ層109aの横方向のエッチング速度が早くなる。さら
に、同図(d)に示すように、前記第1の多結晶シリコ
ン膜109のエッチングを行い、ロータ102及びチャネルの
壁の一部105aを形成する。これにより、ロータ102のエ
ッジ部分がテーパ状に形成されるため、ロータ102は、
そのシャフトと接触する部分116が鈍角になる。次に、
同図(e)に示すように、熱酸化法又はCVD法を用い
て、厚さ約1.2μmのシリコン酸化膜(第3の膜)117を
形成する。また、写真食刻法を用いて、チャネルの壁10
5aの一部及びロータ102が基板101に接触する部分(ブレ
ードとブレードの間)に存在するシリコン酸化膜117を
除去する。また、ロータ102の中心を通り基板101まで達
する孔を設ける。また、CVD法を用いて、第2の多結晶
シリコン膜(第4の膜)を厚さ約3.0μmで堆積形成す
る。この後、写真食刻法を用いて前記多結晶シリコン膜
を選択的に除去し、シャフト103及びチャネルの壁105b
を形成する。そして、図示しないが、シリコン酸化膜10
6及び117をフッ酸を含む溶液でエッチング除去し、ロー
タ102のような可動部分を自由に動けるようにする。
このような製造方法では、イオン注入によるダメージ
層109aのエッチング速度の早さを利用することにより、
ロータ102中央のエッジ部分116を鈍角に形成することが
できる。この場合、ロータ102を自由に動けるようにす
るためのウェットエッチング時に、ロータ102とシャフ
ト103の間におけるエッチング液の入れ替えがスムーズ
になり、ロータ102とシャフト103の間のシリコン酸化膜
117を完全に除去することができる。つまり、ロータ102
とシャフト103の分離を確実に行えるため、製品の高歩
留りを達成できる。
また、このような製造方法により、ロータ102とシャ
フト103の分離と同時に、ロータ102にはテーパが形成さ
れるため、ロータ102を実際に動かすときに、ロータ102
の高速回転によって、垂直方向の強い力がシャフト103
に加わっても、これらの接触部分における応力集中が緩
和できる。よって、シャフト103が破壊するということ
もなく、システムの信頼性の向上を図ることができる。
なお、本実施例では、イオン注入に用いる原子にリン
を使用したが、これに限られるものではない。即ち、本
実施例の要点は、第1の多結晶シリコン膜109にダメー
ジ層109aを形成することにある。よって、第1の多結晶
シリコン膜109にダメージを与えることができる原子、
例えばAs(ヒ素)、Ar(アルゴン)、Sb(アンチモン)
のような比較的に重元素のイオン種であれば、同等の効
果を得ることができる。
また、ロータ102中央のエッジ部分116は、イオン注入
時における加速電圧、ドーズ量をコントロールすること
により、所望の角度に形成することができる。
さらに、ロータ102及びシャフト103は、多結晶シリコ
ンから構成しているが、これに限られない。例えばシリ
サイド、ナイトライド、多結晶シリコンとシリサイドと
の積層構造であってもよい。また、最後に除去すべき膜
106及び117もシリコン酸化膜に限られない。前記ロータ
102及びシャフト103等と選択比をもってエッチングでき
る膜であれば可能である。
第5図(a)乃至(e)は、本発明に係わるブレード
付きロータをもつタービンと流体を流し込むチャネルと
の組み合わせによるシステム装置の製造方法についての
第3の実施例を示すものである。なお、第5図(a)乃
至(e)において、前期第3図(a)乃至(e)の第1
の実施例に示したシステム装置の製造方法と同一の部分
には同じ符号が付してある。
まず、同図(a)に示すように、単結晶シリコン基板
101上に厚さ約4μmのシリコン酸化膜(第1の膜)106
を周知の熱酸化法又はCVD法により形成する。また、周
知の写真食刻法を用いて、流体を通すチャネルを設ける
ための空間107と、ロータの軸受けを作る環状の階段108
を形成する。次に、同図(b)に示すように、CVD法を
用いて、第1の多結晶シリコン膜(第2の膜)109を厚
さ約4.5μmで堆積形成する。また、全面にフォトレジ
スト118を形成した後、ロータとなる部分及びチャネル
の壁となる部分にフォトレジスト118を残存させ、その
他の部分のフォトレジスト118を除去する。次に、同図
(c)に示すように、CDE(chemical dry etching)
等の等方性エッチング法を用いて、残存したフォトレジ
スト118をマスクに第1の多結晶シリコン膜109を約2μ
mの深さまでエッチングする。この時、第1の多結晶シ
リコン膜109は横方向にもエッチングされる。続いて、
同図(d)に示すように、RIE等の異方性エッチング法
を用いて、前記フォトレジスト118をマスクに、残りの
第1の多結晶シリコン膜109をエッチングする。そし
て、ロータ102及びチャネルの壁の一部105aを形成す
る。これにより、ロータ102中央のエッジ部分がテーパ
状に形成され、ロータ102がシャフトと接触する部分116
が鈍角になる。次に、同図(e)に示すように、フォト
レジスト118を除去した後、熱酸化法又はCVD法を用い
て、厚さ約1.2μmのシリコン酸化膜(第3の膜)117を
形成する。また、写真食刻法を用いて、チャネルの壁10
5aの一部及びロータ102が基板101に接触する部分(ブレ
ードとブレードの間)に存在するシリコン酸化膜117を
除去する。また、ロータ102の中心を通り基板101まで達
する孔を設ける。また、CVD法を用いて、第2の多結晶
シリコン膜(第4の膜)を厚さ約3.0μmで堆積形成す
る。この後、写真食刻法を用いて前記多結晶シリコン膜
を選択的に除去し、シャフト102及びチャネルの壁105b
を形成する。そして、図示しないが、シリコン酸化膜10
6及び117をフッ酸を含む溶液でエッチング除去し、ロー
タ102のような可動部分を自由に動けるようにする。
このような製造方法では、ロータ102及びチャネルの
壁の一部105aの形成時に、等方性エッチングと異方性エ
ッチングを利用することにより、ロータ102中央のエッ
ジ部分116を鈍角に形成することができる。この場合、
ロータ102を自由に動けるようにするためのウェットエ
ッチング時に、ロータ102とシャフト103の間におけるエ
ッチング液の入れ替えがスムーズになり、ロータ102と
シャフト103の間のシリコン酸化膜117を完全に除去する
ことができる。つまり、ロータ102とシャフト103の分離
を確実に行えるため、製品の高歩留りを達成できる。
また、このような製造方法により、ロータ102とシャ
フト103の分離と同時に、ロータ102にはテーパが形成さ
れるため、ロータ102を実際に動かすときに、ロータ102
の高速回転によって、垂直方向の強い力がシャフト103
に加わっても、これらの接触部分における応力集中が緩
和できる。よって、シャフト103が破壊するということ
もなく、システムの信頼性の向上を図ることができる。
なお、本実施例では、ロータ102及びシャフト103は、
多結晶シリコンから構成しているが、これに限られな
い。例えばシリサイド、高融点金属(タングステン
等)、ナイトライド、多結晶シリコンとシリサイドとの
積層構造であってもよい。また、最後に除去すべき膜10
6及び117もシリコン酸化膜に限られない。前記ロータ10
2及びシャフト103等と選択比をもってエッチングできる
膜であれば可能である。
ところで、これら第1乃至第3の実施例では、ブレー
ド付きロータをもつタービンと流体を流し込むチャネル
との組み合わせによるシステム装置の製造方法について
述べたが、可動部分を含む機械部品や可動部分を含む機
械システムであれば本発明が適用できることは言うまで
もない。
[発明の効果] 以上、説明したように、本発明によれば、酸化膜にバ
ーズ・ビークが形成されること、イオン注入によるダメ
ージ層でエッチング速度が早くなること、2種類のエッ
チング方法(等方性、異方性)を組み合わせることなど
を利用することにより、可動部品と支持部品の接触部を
鈍角にすることができる。
この場合、可動部品を自由に動けるようにするための
ウェットエッチング時に、可動部品と支持部品の間のエ
ッチング液の入れ替えがスムーズになり、可動部品と支
持部品の間にエッチング残りを生じさせることがない。
つまり、可動部品と支持部品の分離を確実に行えるた
め、製品の高歩留りを達成できる。また、このような製
造方法により、可動部品と支持部品の分離と同時に、可
動部品にはテーパが形成されるため、可動部品を実際に
動かすときに、応力集中により生じる支持部品に加わる
強い力を緩和でき、支持部品の破壊を防ぐことができ
る。よって、機械部品及びシステム装置の信頼性の向上
を図ることができ、これらの長寿命を達成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係わるブレード付きロータ
をもつタービンと流体を流し込むチャネルとの組み合わ
せによるシステム装置を示す平面図、第2図は前記第1
図のI−I′線に沿う断面図、第3図(a)乃至(e)
は、本発明に係わるブレード付きロータをもつタービン
と流体を流し込むチャネルとの組み合わせによるシステ
ム装置の製造方法の第1の実施例を示す断面図、第4図
(a)乃至(e)は、本発明に係わるブレード付きロー
タをもつタービンと流体を流し込むチャネルとの組み合
わせによるシステム装置の製造方法の第2の実施例を示
す断面図、第5図(a)乃至(e)は、本発明に係わる
ブレード付きロータをもつタービンと流体を流し込むチ
ャネルとの組み合わせによるシステム装置の製造方法の
第3の実施例を示す断面図、第6図(a)乃至(d)は
従来のブレード付きロータをもつタービンと流体を流し
込むチャネルとの組み合わせによるシステム装置の製造
方法を示す断面図である。 101……基板、102……ブレード付きロータ、103……キ
ャップ付シャフト、104……チャネル、105……チャネル
の壁。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−266866(JP,A) 特開 昭61−265821(JP,A) 特開 昭63−111611(JP,A) 実開 昭62−173501(JP,U) 実開 昭61−195748(JP,U) W.S.N.Trimmer外4名 「ミクロの機械システム」日経エレクト ロニクス、日経BP社 1987年12月14 日,No.436,p.209−221

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に第1の材料から成る第1の
    膜を形成する工程と、この第1の膜上に前記第1の材料
    とは異なる第2の材料から成る第2の膜を形成する工程
    と、この第2の膜を選択的に酸化することにより、バー
    ズ・ビークを有する第1の酸化膜を形成する工程と、前
    記第1の酸化膜を除去し、前記バーズ・ビークが形成さ
    れていた部分の前記第2の膜にテーパを形成する工程
    と、前記第2の膜を選択的に除去し、エッジ部分に前記
    テーパを有する可動部品を形成する工程と、前記可動部
    品上に前記第1の材料から成る第3の膜を形成し、か
    つ、支持部品が形成される領域に存在する前記第1の膜
    を除去する工程と、全面に前記第1の材料とは異なる第
    3の材料から成る第4の膜を形成する工程と、前記第4
    の膜を選択的に除去し、前記領域に前記支持部品を形成
    する工程と、前記第1及び第3の膜をエッチング除去す
    ることにより、前記可動部品を自由に動けるようにする
    工程とを具備することを特徴とするシステム装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】半導体基板上に第1の材料から成る第1の
    膜を形成する工程と、この第1の膜上に前記第1の材料
    とは異なる第2の材料から成る第2の膜を形成する工程
    と、イオン注入法を用いて、前記第2の膜の表面領域に
    イオンを注入する工程と、前記第2の膜を選択的にエッ
    チングすることによりエッジ部分にテーパを有する可動
    部品を形成する工程と、前記可動部品上に前記第1の材
    料から成る第3の膜を形成し、かつ、支持部品が形成さ
    れる領域に存在する前記第1の膜を除去する工程と、全
    面に前記第1の材料とは異なる第3の材料から成る第4
    の膜を形成する工程と、前記第4の膜を選択的に除去
    し、前記領域に前記支持部品を形成する工程と、前記第
    1及び第3の膜をエッチング除去することにより、前記
    可動部品を自由に動けるようにする工程とを具備するこ
    とを特徴とするシステム装置の製造方法。
  3. 【請求項3】半導体基板上に第1の材料から成る第1の
    膜を形成する工程と、この第1の膜上に前記第1の材料
    とは異なる第2の材料から成る第2の膜を形成する工程
    と、等方性エッチング法を用いて、レジストをマスクに
    前記第2の膜を途中まで選択的にエッチングする工程
    と、異方性エッチング法を用いて、前記レジストをマス
    クに前記第2の膜を最後まで選択的にエッチングするこ
    とによりエッジ部分にテーパを有する可動部品を形成す
    る工程と、前記可動部品上に前記第1の材料から成る第
    3の膜を形成し、かつ、支持部品が形成される領域に存
    在する前記第1の膜を除去する工程と、全面に前記第1
    の材料とは異なる第3の材料から成る第4の膜を形成す
    る工程と、前記第4の膜を選択的に除去し、前記領域に
    前記支持部品を形成する工程と、前記第1及び第3の膜
    をエッチング除去することにより、前記可動部品を自由
    に動けるようにする工程とを具備することを特徴とする
    システム装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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