JP2927388B2 - 対象物の端縁位置検出装置および長さ測定装置 - Google Patents

対象物の端縁位置検出装置および長さ測定装置

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JP2927388B2
JP2927388B2 JP16649993A JP16649993A JP2927388B2 JP 2927388 B2 JP2927388 B2 JP 2927388B2 JP 16649993 A JP16649993 A JP 16649993A JP 16649993 A JP16649993 A JP 16649993A JP 2927388 B2 JP2927388 B2 JP 2927388B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動する対象物の端縁
位置を渦電流式近接センサを用いて検出する対象物の端
縁位置検出装置に関するものである。
【0002】また、本発明は、移動する対象物の長さを
移動状態において渦電流式近接センサを用いて測定する
ための対象物の長さ測定装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】移動通過する対象物の端縁の位置を検出
する従来技術としては、リミットスイッチ等を対象物で
直接に作動させて検出するもの、または対象物による光
の遮断等を受光素子で検出するものである。
【0004】また、従来より回転軸等の振動検出センサ
として渦電流式近接センサが用いられている。例えば、
回転軸の外周面にセンサトップを向けて渦電流式近接セ
ンサを配設し、回転軸の外周面と渦電流式近接センサ間
の距離に応じた出力信号の変化から回転軸の横振れを検
出するものである。また、回転軸の端面にセンサトップ
を向けて渦電流式近接センサを配設し、出力信号の変化
から回転軸の軸方向振れを検出するものである。このよ
うに渦電流式近接センサの従来の使用例としては、セン
サトップの方向すなわち渦電流式近接センサの軸方向に
ある回転軸等の被対象物との間の距離を検出するにすぎ
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、流体機械の
羽根車の横振れを検出する手段として、羽根車の羽根の
先端部が形成する回転面に、センサトップを向けて渦電
流式近接センサを配設し、各羽根により生ずる出力信号
を比較することが考えられる。しかるに、この渦電流式
近接センサを用いて、羽根の端縁の位置を検出すること
はできない。そして、この羽根の端縁の位置を検出する
ために、リミットスイッチや受光素子を用いることも技
術的に困難である。
【0006】そこで、発明者らは、渦電流式近接センサ
を用いて羽根の端縁の位置を検出する技術を研究した結
果、回転により移動通過する羽根の移動経路に対して、
センサトップを向け、すなわち渦電流式近接センサの軸
方向を直角方向として、移動経路とセンサトップの間に
ギャップgを設けて渦電流式近接センサを配設するなら
ば、渦電流式近接センサの軸方向の中心に対して羽根が
近づきまた離れるときに出力信号の電圧が変化し、この
出力信号の電圧から羽根の端縁の位置を検出できること
に想到した。また、渦電流式近接センサの中心を羽根が
通過するときの出力信号の電圧は、ギャップgの間隔に
対応することを知悉するに至った。
【0007】さらに、発明者らは、これらの知見に基づ
いて、羽根の端縁の位置の検出を応用して羽根の厚さを
測定する技術を開発した。
【0008】また、渦電流式近接センサにより対象物と
しての羽根の端縁の位置の検出ならびに厚さの測定技術
は、羽根車のみに限られず、渦電流式近接センサが感受
し得る対象物であれば、他の分野の産業機械等にも適用
できる。例えば、ロボット等の作動アームを対象物に向
けて相対移動させて近づけまたは離す場合に、作動アー
ムに設けた渦電流式近接センサを用いて作動アームと対
象物の相対距離を検出することができる。また、ベルト
コンベア上に設けた渦電流式近接センサを用いて搬送さ
れる対象物の長さを測定することもできる。
【0009】本発明は、上述のごとく、対象物の移動経
路と直角方向にギャップを設けて配設された渦電流式近
接センサを用いて、対象物の端縁の位置を検出する対象
物の端縁位置検出装置、および対象物の長さを測定する
対象物の長さ測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の対象物の端縁位置検出装置にあっては、
対象物の移動経路に対して直角方向に所定間隔のギャッ
プをもって渦電流式近接センサを配設し、前記ギャップ
において前記渦電流式近接センサと前記対象物の端縁の
間の移動方向距離と前記渦電流式近接センサから出力さ
れる出力信号の電圧との関係データを予め測定して記憶
手段に記憶させ、検出時において、前記対象物の移動に
応じた前記渦電流式近接センサの出力信号の電圧と前記
関係データとから前記渦電流式近接センサに対する前記
対象物の端縁の移動方向距離を演算手段により演算する
ように構成されている。
【0011】また、対象物の移動経路に対して直角方向
に所定間隔のギャップをもって渦電流式近接センサを配
設し、前記ギャップにおいて前記渦電流式近接センサが
前記対象物により出力信号の電圧に変化を発生させまた
は消滅させるときの前記渦電流式近接センサと前記対象
物の端縁の間の移動方向距離を予め測定してその測定値
を記憶手段に記憶し、検出時において、前記対象物の移
動に応じて前記渦電流式近接センサの出力信号の電圧が
変化を発生させまたは消滅させたときに前記渦電流式近
接センサと前記対象物の端縁の間の移動方向距離が前記
測定値であることを演算手段により演算するように構成
しても良い。
【0012】そして、対象物の移動経路に対して直角方
向にギャップをもって渦電流式近接センサを配設し、種
々の間隔のギャップにおいて前記渦電流式近接センサと
前記対象物の端縁の間の移動方向距離と前記渦電流式近
接センサから出力される出力信号の電圧との関係データ
を予め測定して記憶手段に記憶させ、検出時において、
前記対象物の移動により変化幅が最大となる前記出力信
号の電圧と前記関係データとから演算手段によりギャッ
プの間隔を特定し、さらに前記出力信号の電圧とこの特
定されたギャップの間隔に応じた関係データとから前記
渦電流式近接センサに対する前記対象物の端縁の移動方
向距離を前記演算手段により演算するように構成しても
良い。
【0013】さらに、対象物の移動経路に対して直角方
向にギャップをもって渦電流式近接センサを配設し、種
々の間隔のギャップにおいて、前記渦電流式近接センサ
が前記対象物により出力信号の電圧の変化を発生させま
たは消滅させるときの前記渦電流式近接センサと前記対
象物の端縁の間の移動方向距離、および前記対象物の移
動により変化幅が最大となる前記出力信号の電圧との関
係データを予め測定して記憶手段に記憶させ、検出時に
おいて、前記対象物の移動により変化幅が最大となる前
記出力信号の電圧と前記関係データとから演算手段によ
りギャップの間隔を特定し、さらにこの特定されたギャ
ップの間隔に応じた関係データから前記対象物の移動に
応じて前記出力信号の電圧の変化を発生させまたは消滅
させるときの前記渦電流式近接センサと前記対象物の端
縁の間の移動方向距離を前記演算手段により演算するよ
うに構成しても良い。
【0014】そしてさらに、前記渦電流式近接センサよ
り上流側に前記対象物に対して前記渦電流式近接センサ
のギャップと同一のギャップをもって副渦電流式近接セ
ンサを配設し、前記渦電流式近接センサに接近方向に移
動する前記対象物に対して、前記副渦電流式近接センサ
の出力信号の電圧から前記演算手段により前記ギャップ
の間隔を特定するように構成することもできる。
【0015】また、本発明の対象物の長さ測定装置は、
対象物の移動経路に対して直角方向に所定間隔のギャッ
プをもって渦電流式近接センサを配設し、前記ギャップ
において前記渦電流式近接センサが前記対象物により出
力信号の電圧の変化を発生させまたは消滅させるときの
前記渦電流式近接センサと前記対象物の端縁の間の移動
方向距離を予め測定してその測定値を記憶手段に記憶
し、長さ測定時に、前記渦電流式近接センサから出力さ
れる出力信号の時間幅を計時手段により計時し、この時
間幅と前記対象物の移動速度と前記測定値とから前記対
象物の長さを演算手段で演算するように構成されてい
る。
【0016】そして、対象物の移動経路に対して直角方
向にギャップをもって渦電流式近接センサを配設し、種
々の間隔のギャップにおいて、前記渦電流式近接センサ
が前記対象物により出力信号の電圧の変化を発生させま
たは消滅させるときの前記渦電流式近接センサと前記対
象物の端縁の間の移動方向距離、および前記対象物の移
動により変化幅が最大となる前記出力信号の電圧との関
係データを予め測定して記憶手段に記憶させ、長さ測定
時に、前記渦電流式近接センサから出力される出力信号
の時間幅を計時手段により計時し、前記対象物の移動に
より変化幅が最大となる前記出力信号の電圧と前記関係
データとから演算手段によりギャップの間隔を特定し、
そしてこの特定されたギャップの間隔に応じた関係デー
タから前記対象物の移動に応じて前記出力信号の電圧の
変化を発生させまたは消滅させるときの前記渦電流式近
接センサと前記対象物の端縁の間の移動方向距離を前記
演算手段により演算し、さらに前記時間幅と前記対象物
の移動速度と演算された移動方向距離とから前記対象物
の長さを前記演算手段で演算するように構成しても良
い。
【0017】
【作 用】対象物の移動経路に対して直角方向に配設し
た渦電流式近接センサから、この渦電流式近接センサの
感受領域にある対象物の端縁位置に応じて電圧の出力信
号が出力される。そして、ギャップが一定であれば、あ
る出力信号の電圧に対応して渦電流式近接センサから対
象物の端縁までの移動方向距離が定まる。そこで、この
出力信号の電圧と移動方向距離の対応を予め測定記憶し
ておくことで、渦電流式近接センサからの出力信号に応
じて端縁までの距離を演算し得る。
【0018】また、渦電流式近接センサの感受領域に対
象物の端縁が進入するときに、出力信号は電圧変化を発
生させ、また感受領域から対象物の端縁が離れるとき
に、出力信号の電圧変化が消滅される。そして、ギャッ
プが一定であれば、この出力信号の電圧に変化を発生さ
せまたは消滅させる移動方向距離は一定である。そこ
で、この移動方向距離を予め測定記憶しておくことで、
渦電流式近接センサからの出力信号の電圧が変化を発生
させまたは消滅させたときに、端縁までの移動方向距離
を演算し得る。
【0019】そして、請求項3記載のものにあっては、
予め種々の間隔のギャップにおいて、渦電流式近接セン
サと対象物の端縁の間の移動方向距離と出力信号の電圧
との関係データを予め測定記憶しているので、演算手段
により、まず渦電流式近接センサの感受領域を対象物が
満すときの最大変化幅の出力信号の電圧からギャップの
間隔を特定し、さらにこの特定されたギャップに対する
特性から、渦電流式近接センサからの出力信号に応じて
端縁までの移動方向距離を演算し得る。そこで、ギャッ
プの間隔が特定されない状態でも渦電流式近接センサに
対応する位置を対象物が通過してその端縁が離れるさい
の移動方向距離を演算し得る。また、予め渦電流式近接
センサに対応する位置を対象物が繰り返して通過してギ
ャップの間隔が特定できる状態であれば、渦電流式近接
センサに対象物の端縁が近づきまたは離れるさいのいず
れでも移動方向距離を演算し得る。
【0020】さらに、請求項4記載のものにあっては、
種々の間隔のギャップにおいて、出力信号の電圧に変化
を発生させまたは消滅させるときの端縁の移動方向距離
と、変化幅が最大となる出力信号の電圧を予め測定記憶
しているので、演算手段により、まず渦電流式近接セン
サの感受領域を対象物が満すときの最大変化幅の出力信
号の電圧からギャップの間隔を特定し、さらにこの特定
されたギャップに対する特性から、渦電流式近接センサ
からの出力信号に応じて端縁までの移動方向距離を演算
し得る。そこで、ギャップの間隔が特定されない状態で
も渦電流式近接センサに対応する位置を対象物が通過し
てその端縁が離れるさいに移動方向距離を演算し得る。
また、予め渦電流式近接センサに対応する位置を対象物
が繰り返し通過してギャップの間隔が特定できれば、渦
電流式近接センサに端縁が近づきまたは離れるいずれで
も移動方向距離を演算し得る。
【0021】そしてさらに、請求項5記載のものにあっ
ては、渦電流式近接センサの上流に副渦電流式近接セン
サを配設して前もってギャップを特定するので、渦電流
式近接センサに端縁が近づくときの移動方向距離を演算
し得る。
【0022】また、請求項6記載のものにあっては、所
定間隔のギャップであれば、渦電流式近接センサの出力
信号の時間幅から対象物のおおよその長さを演算し、さ
らに出力信号の電圧に変化を発生させまたは消滅させる
ときの渦電流式近接センサに対する移動方向距離を補正
することで、対象物の正確な長さを演算し得る。
【0023】そして、請求項7記載のものにあっては、
渦電流式近接センサの出力信号の時間幅から対象物のお
およその長さを演算し、また最大変化幅の出力信号の電
圧からギャップの間隔を特定し、さらに特定されたギャ
ップに対する特性から出力信号の電圧に変化を発生させ
または消滅させるときの渦電流式近接センサに対する移
動方向距離を演算して長さを補正することで、ギャップ
の間隔が特定されない状態でも対象物の正確な長さを演
算し得る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の対象物の端縁位置検出装置の
第1実施例を図1ないし図3を参照して説明する。図1
は、本発明の対象物の端縁位置検出装置の第1の実施例
のブロック構成図であり、図2は、ギャップgの間隔を
パラメータとした渦電流式近接センサの出力信号の電圧
と渦電流式近接センサの中心から対象物の端縁までの距
離とのグラフであり、図3は、対象物が通過するときの
渦電流式近接センサの出力信号の電圧の変化を示す図で
ある。
【0025】図1において、対象物10の移動経路に対
して、センサトップの面を直角方向に向け、センサトッ
プと対象物10との間が所定間隔のギャップgとなるよ
うに渦電流式近接センサ12が配設される。この渦電流
式近接センサ12から対象物10の通過にともない出力
される出力信号が増幅手段14に与えられて適宜に増幅
され、A/D変換手段16に与えられる。A/D変換手
段16で、増幅された出力信号が適宜にサンプリングさ
れてA/D変換され、演算手段18に与えられる。そし
て、演算手段18により、出力信号に応じて記憶手段2
0からデータが読み出され、渦電流式近接センサ12の
中心から対象物10の端縁までの距離dが表示手段22
に表示される。
【0026】ところで、図2に示すごとく、ギャップg
の間隔が一定であれば、渦電流式近接センサ12の出力
信号の電圧に対して、渦電流式近接センサ12の中心と
対象物10の端縁の距離dが定まる。そこで、渦電流式
近接センサ12が配設されるギャップgにおける渦電流
式近接センサ12の出力信号の電圧と距離dの関係デー
タを予め測定して記憶手段20に記憶する。そして、検
出時において、演算手段18で渦電流式近接センサ12
の出力信号の電圧に応じた距離dを記憶手段20から読
み出し表示する。すると、図3のごとく、対象物10の
前端縁が渦電流式近接センサ12に近づいて渦電流式近
接センサ12の出力信号の変化が発生し始めて最大変化
幅の電圧となるまでの期間Sと、後端縁が渦電流式近
接センサ12から離れて渦電流式近接センサ12の出力
信号が最大変化幅の電圧から定常値に戻り変化が終了す
るまでの期間Sとで、渦電流式近接センサ12の中心
と端縁までの距離dが、対象物10の移動に応じて表示
手段22によりリアルタイムで表示される。なお、距離
dは、渦電流式近接センサ12の中心を基準とするもの
に限られず、渦電流式近接センサ12の端部を基準とし
ても良い。
【0027】この本発明の対象物の端縁位置検出装置の
第1の実施例にあっては、渦電流式近接センサ12の中
心を対象物10が通過しようとするさいに、前端縁が近
づくのを前もってその距離dとともに検出でき、また後
端縁が離れるのをその距離dとともに検出できる。そこ
で、例えばロボット等の作動アームと対象物が相対的に
近づくときに、作動アームに設けられた渦電流式近接セ
ンサにより対象物の通過等を予見することができ、検出
された距離dに応じて作動アームの移動を適宜に停止さ
せ、または対象物に施す工程を予め準備する等に応用で
きる。また、ベルトコンベアで搬送される対象物に対し
て、前端縁が渦電流式近接センサの中心を通過する直前
から後端縁が通過した直後まで、距離dに応じた適宜な
工程を施す等も可能である。
【0028】次に、本発明の対象物の端縁位置検出装置
の第2の実施例を図4ないし図6を参照して説明する。
図4は、本発明の対象物の端縁位置検出装置の第2の実
施例のブロック構成図であり、図5は、対象物を渦電流
式近接センサに近づくよう移動させたときの渦電流式近
接センサの出力信号の電圧が変化をし始める渦電流式近
接センサの中心から対象物の端縁までの距離とギャップ
の間隔のグラフであり、図6は、対象物が通過するとき
の渦電流式近接センサの出力信号の電圧の変化とそれを
微分した微分出力を示す図である。図4において、図1
と同一または均等な回路ブロックには同一の符号を付け
て重複する説明を省略する。
【0029】図4において、図1の構成と相違するとこ
ろは、A/D変換手段16でA/D変換された出力信号
(図6(a))が、微分手段24に与えられて離散量に
対する数値微分がなされ、その微分出力(図6(b))
が演算手段18に与えられる、ことにある。そして、演
算手段18により、微分出力から出力信号の電圧の変化
が発生し始める時点Pおよび変化が終了する時点P
が判別され、これらの時点P,Pで記憶手段20か
らデータが読み出され、その時点における渦電流式近接
センサ12の中心から対象物10の端縁までの所定距離
dが表示手段22に表示される。
【0030】ここで、図5に示すごとく、ギャップgに
対して渦電流式近接センサ12の出力信号の電圧が変化
を開始するときの渦電流式近接センサ12の中心から対
象物10の端縁までの所定距離dが定まる。そこで、渦
電流式近接センサ12が配設されるギャップgにおける
渦電流式近接センサ12の出力信号の電圧が変化を開始
する所定距離dを予め測定して記憶手段20に記憶す
る。そして、演算手段18で出力信号の電圧が変化を開
始する時点Pおよび変化が終了する時点Pにおい
て、渦電流式近接センサ12が配設されたギャップgに
応じて所定距離dが表示手段22により表示される。
【0031】この本発明の対象物の端縁位置検出装置の
第2の実施例にあっても、渦電流式近接センサ12の中
心を対象物10が通過しようとするさいに、前端縁が所
定距離dまで近づいたことが検出され、また後端縁が所
定距離dだけ離れたことが検出される。そこで、第1の
実施例と同様に、これらの検出信号に応じて対象物10
端縁の位置を基準とする他の工程等を制御し得る。
【0032】また、本発明の対象物の端縁位置検出装置
の第3の実施例を図7ないし図9を参照して説明する。
図7は、本発明の対象物の端縁位置検出装置の第3の実
施例のブロック構成図であり、図8は、対象物を渦電流
式近接センサを通過するよう移動させたときのギャップ
の間隔と渦電流式近接センサの出力信号の最大変化の電
圧とのグラフであり、図9は、渦電流式近接センサの出
力信号の電圧変化を示す図である。図7において、図1
と同一または均等な回路ブロックには同一の符号を付け
て重複する説明を省略する。
【0033】図7において、図1の構成と相違するとこ
ろは、以下の点である。A/D変換手段16でA/D変
換された出力信号が、最大変化幅検出手段26と演算手
段18に与えられる。そして、最大変化幅検出手段26
は、図9の出力信号の電圧から最大変化幅を検出してこ
れを演算手段18に与える。
【0034】ここで、渦電流式近接センサ12の中心に
対象物10が所定以上の対向面積をもって臨む状態で
は、すなわち渦電流式近接センサ12の感受領域を対象
物10が十分に満す状態で、渦電流式近接センサ12の
出力信号の電圧の変化幅は最大となる。しかも、その最
大変化幅の電圧とギャップgの間隔は、図8のごとき関
係がある。この図8に示すギャップgの間隔と渦電流式
近接センサ12の出力信号の最大変化の電圧とを予め測
定して記憶手段20に記憶させる。また、図2に示すギ
ャップgをパラメータとした渦電流式近接センサ12の
出力信号の電圧と渦電流式近接センサ12の中心から対
象物10の端縁までの距離dとを予め測定して記憶手段
20に記憶させる。
【0035】そして、演算手段18は、最大変化幅検出
手段26からの出力信号の最大変化幅の電圧から、図8
の関係から渦電流式近接センサ12と対象物10とのギ
ャップgの間隔を特定し、さらに特定されたギャップg
の図2の関係から、対象物10の後端縁が渦電流式近接
センサ12から離れて渦電流式近接センサ12の出力信
号が最大変化幅の電圧から定常値に戻り変化が終了する
までの期間Sで、ギャップgの間隔が一定でなくても、
渦電流式近接センサ12の中心と後端縁までの距離d
が、対象物10の移動に応じて表示手段22によりリア
ルタイムで表示される。なお、対象物10が渦電流式近
接センサ12を同じギャップgの間隔で繰り返して通過
するならば、先に検出された出力信号の最大変化幅の電
圧からギャップgの間隔を特定することができるので、
渦電流式近接センサ12に近づく対象物10の端縁の距
離dを検出表示することができる。
【0036】この本発明の対象物の端縁位置検出装置の
第3の実施例にあっては、渦電流式近接センサ12と対
象物10の移動経路の間のギャップgが変動する状況、
すなわち対象物10の移動経路が僅かであるが変化する
等の状況であっても、対象物10の後端縁の距離dを基
準として他の工程等を制御し得る。
【0037】図10は、本発明の対象物の端縁位置検出
装置の第3の実施例を応用したロート弁の縦断面図であ
る。図10にあっては、弁ブッシュ50の下端縁の位置
と、弁ブッシュ50と胴体52に設けられたブッシュ5
4との間のギャップgを測定しようとするものであり、
渦電流式近接センサ12は、弁ブッシュ50に臨むよう
にブッシュ54を貫通して胴体52に配設されている。
【0038】ところで、ロート弁は、全閉状態では胴体
52のテーパ状の胴体シート56に弁体58に設けられ
たテーパ状の弁体シート60が当接されている。そし
て、弁を開くには、弁体58を弁軸62で上方に引き上
げつつ回転させる。また、弁を閉じるには、弁体58を
下方に下げつつ逆回転させる。これは、全閉状態でテー
パ状のシート56,60により密閉度を維持しているた
め、弁体58を上下動させずに回転させるとシート5
6,60の摩耗が生じ易く漏洩の要因となりまた弁体5
8を回転させるのに必要なトルクが大きくなるのを防ぐ
ためである。
【0039】そして、弁体58を下方に下げたときの位
置は、正確に制御されなければならない。弁体58を下
げすぎれば、シート56,60の接触が強くなり過ぎ、
回転トルクを大きく必要とする。また、弁体58の下げ
が少なすぎれば、シート56,60の接触が甘く、漏洩
を生じる。従来の弁体58を下げたときの位置制御は、
弁軸62の上部に設けられたリミットスイッチや、弁軸
62の上下駆動制御機構に適宜に設けられたリミットス
イッチ等からの信号に応じてなされていた。そこで、リ
ミットスイッチ等の設定が不正確であったり、上下駆動
制御機構のガタ等により、必らずしも精度良く行なうこ
とが困難であった。
【0040】図10に示す構成にあっては、予め種々の
ギャップgにおいて、図2および図8のごとき関係デー
タを測定記憶しておく。すると、ギャップgの変化は弁
ブッシュ50の摩耗によるものであり、急激に変化する
ことがなく、短期間内では前回の開閉動作時と同じとみ
なすことが可能である。そこで、演算手段は、先のギャ
ップgにおける出力信号の最大変化幅から図8における
関係データを用いてギャップgを特定し、さらに渦電流
式近接センサ12の出力信号に応じて、図2の関係デー
タを用いて渦電流式近接センサ12の中心から弁ブッシ
ュ50の下端までの距離を演算することができる。そこ
で、この演算された距離に基づいて、上下駆動制御機構
を適宜に調整することで、弁体58を下げた位置を精度
良く制御することができる。さらに、長期的には、渦電
流式近接センサ12からの出力信号の最大変化幅から図
8の関係データを用いてギャップgの変化を測定するこ
とができ、弁ブッシュ50の摩耗の程度を判別すること
ができる。
【0041】さらに、本発明の対象物の端縁位置検出装
置の第4の実施例を図11および図12を参照して説明
する。図11は、本発明の対象物の端縁位置検出装置の
第4の実施例のブロック構成図であり、図12は、渦電
流式近接センサの出力信号の電圧変化とそれを微分した
微分出力を示す図である。図11において、図1と図4
および図7と同一または均等な回路ブロックには同一の
符号を付けて重複する説明を省略する。
【0042】図11において、図7の構成と相違すると
ころは、以下の点である。A/D変換手段16でA/D
変換された出力信号が、最大変化幅検出手段26と微分
手段24に与えられる。そして、最大変化幅検出手段2
6は、図12(a)の出力信号の電圧から最大変化幅を
検出してこれが演算手段18に与えられ、微分手段24
は、図12(a)の出力信号を数値微分して図12
(b)のごとき微分出力が演算手段18に与えられる。
記憶手段20には、予め測定された図5のごとき対象物
10を渦電流式近接センサ12に近づくように移動させ
たときの渦電流式近接センサ12の出力信号の電圧が変
化し始めるときの渦電流式近接センサ12の中心と対象
物10の端縁の距離と、図8のごとき対象物10を渦電
流式近接センサ12を通過するように移動させたときの
ギャップgの間隔と渦電流式近接センサ12の出力信号
の最大変化の電圧、の関係データが記憶されている。そ
こで、演算手段18は、最大変化幅検出手段26からの
信号により記憶手段20から図8の関係データを読み出
してギャップgの間隔を特定するとともに、微分手段2
4からの信号により出力信号の電圧の変化が終了する時
点Pを判別し、特定されたギャップgに応じて記憶手段
20から図5のごとき対象物10を渦電流式近接センサ
12に近づくように移動させたときの渦電流式近接セン
サ12の出力信号の電圧が変化し始める渦電流式近接セ
ンサ12の中心と対象物10の端縁の距離の関係データ
を読み出して、時点Pにおける渦電流式近接センサ12
の中心から対象物10の後端縁までの所定距離dが表示
手段22に表示される。
【0043】この本発明の対象物の端縁位置検出装置の
第4の実施例にあっても、第3の実施例と同様に、ギャ
ップgが変化する状況にあっても、対象物10の後端縁
が所定距離dだけ渦電流式近接センサ12の中心から離
れたことを基準として他の工程等を制御し得る。
【0044】そしてまた、本発明の対象物の端縁位置検
出装置の第5の実施例を図13を参照して説明する。図
13は、本発明の対象物の端縁位置検出装置の第5の実
施例のブロック構成図である。
【0045】図13において、対象物10の移動経路に
対して直角方向に向けて、渦電流式近接センサ12がギ
ャップgの間隔だけ離して配設され、またその上流に同
じギャップgの間隔で副渦電流式近接センサ28が配設
される。渦電流式近接センサ12の出力信号は、増幅手
段14を介してA/D変換手段16に与えられ、A/D
変換された出力信号が演算手段18に与えられる。ま
た、副渦電流式近接センサ28の出力信号は、第2の増
幅手段30で適宜に増幅され、その増幅出力が第2のA
/D変換手段32に与えられ、A/D変換された出力信
号が最大変化幅検出手段26に与えられる。この最大変
化幅検出手段26により、副渦電流式近接センサ28の
出力信号の変化が最大となる電圧が検出されて演算手段
18に与えられる。なお、副渦電流式近接センサ28
は、渦電流式近接センサ12と同じ出力特性である。
【0046】ここで、記憶手段20には、図2のごとき
ギャップgの間隔をパラメータとした渦電流式近接セン
サ12の出力信号の電圧と渦電流式近接センサ12の中
心から対象物10の端縁までの距離と、図8のごとき対
象物10を渦電流式近接センサ12を通過するように移
動させたときのギャップgの間隔と渦電流式近接センサ
12の出力信号の最大変化の電圧の関係データが予め測
定されて、記憶手段20に記憶されている。そこで、演
算手段18は、まず最大変化幅検出手段26から与えら
れる最大変化幅の電圧により、図8のごとき対象物10
を渦電流式近接センサ12を通過するように移動させた
ときのギャップgの間隔と渦電流式近接センサ12の出
力信号の最大変化の電圧の関係データからギャップgの
間隔を特定する。次に、この特定されたギャップgに応
じた図2のごときギャップgの間隔をパラメータとした
渦電流式近接センサ12の出力信号の電圧と渦電流式近
接センサ12の中心から対象物10の端縁までの距離の
関係データから、渦電流式近接センサ12の出力信号に
応じて渦電流式近接センサ12の中心から対象物10の
端縁までの距離dが逐次表示手段22で表示される。
【0047】図13に示す第5の実施例にあっては、渦
電流式近接センサ12の上流に副渦電流式近接センサ2
8を配設して、先にギャップgの間隔が特定できるよう
にしたので、ギャップgの間隔が一定でなくても、渦電
流式近接センサ12の中心に近づきまたは離れる対象物
10の両端縁までの距離dを表示することができる。
【0048】そしてさらに、本発明の対象物の端縁位置
検出装置の第6の実施例を図14を参照して説明する。
図14は、本発明の対象物の端縁位置検出装置の第6の
実施例のブロック構成図である。
【0049】図14において、図13に示す第5の実施
例と相違する点は以下の通りである。A/D変換手段1
6でA/D変換された出力信号が、微分手段24に与え
られその微分出力が演算手段18に与えられる。
【0050】ここで、記憶手段20には、図5のごとき
対象物10を渦電流式近接センサ12に近づくように移
動させたときの渦電流式近接センサ12の出力信号の電
圧が変化し始める渦電流式近接センサ12の中心と対象
物10の端縁の距離と、図8のごとき対象物10を渦電
流式近接センサ12を通過するように移動させたときの
ギャップgの間隔と渦電流式近接センサ12の出力信号
の最大変化の電圧の関係データが予め測定されて、記憶
手段20に記憶されている。そこで、演算手段18は、
まず最大変化幅検出手段26から与えられる最大変化幅
の電圧により、図8のごとき対象物10を渦電流式近接
センサ12を通過するように移動させたときのギャップ
gの間隔と渦電流式近接センサ12の出力信号の最大変
化の電圧の関係データからギャップgの間隔を特定す
る。次に、この特定されたギャップgに応じた図5のご
とき対象物10を渦電流式近接センサ12に近づくよう
に移動させたときの渦電流式近接センサ12の出力信号
の電圧が変化し始める渦電流式近接センサ12の中心と
対象物10の端縁の距離の関係データから、渦電流式近
接センサ12の出力信号の電圧の変化が発生し始める時
点および変化が終了する時点における渦電流式近接セン
サ12の中心から対象物の両端縁までの距離dが表示手
段22に表示される。
【0051】図14に示す第6の実施例にあっては、渦
電流式近接センサ12の上流に副渦電流式近接センサ2
8を配設して、先にギャップgの間隔が特定できるよう
にしたので、ギャップgの間隔が一定でなくても、渦電
流式近接センサ12の出力信号の電圧の変化を開始する
時点と変化が終了する時点において、対象物10の前端
縁および後端縁までの距離dが表示手段22により表示
される。
【0052】これらの本発明の対象物の端縁位置検出装
置の第5および第6の実施例では、ギャップgが変化す
る状況であっても、対象物10の前端縁および後端縁の
いずれでも端縁の位置を基準として他の工程等を制御し
得る。
【0053】また、本発明の対象物の長さ測定装置の第
1の実施例を、図15および図16を参照して説明す
る。図15は、本発明の対象物の長さ測定装置の第1の
実施例のブロック構成図であり、図16は、渦電流式近
接センサの出力信号の電圧とそれを微分した微分出力を
示す図である。
【0054】図15において、長さLの対象物10の移
動経路に対して、直角方向にギャップgが所定間隔とな
るようにして、渦電流式近接センサ12が配設される。
この渦電流式近接センサ12からの出力信号(図16
(a))が増幅手段14で増幅され、さらにA/D変換
手段16でA/D変換されて計時手段34に与えられ
る。この計時手段34は、対象物10が渦電流式近接セ
ンサ12を通過することにより出力信号の電圧の変化が
開始される時点Pから変化が終了するまでの時点P
の時間幅を計時するもので、例えば図16(b)のごと
く出力信号の電圧を微分手段で数値微分し、これより時
間幅Tを計時する。なお、出力信号の変化を適宜なしき
い値を用いて計時するものであっても良い。そして、計
時手段34により計時された時間幅Tが演算手段18に
与えられる。また、記憶手段20には、所定間隔のギャ
ップgおける、対象物10を渦電流式近接センサ12に
近づくように移動させたときに、渦電流式近接センサ1
2の出力信号の電圧が変化を発生し始める渦電流式近接
センサ12と対象物10の端縁の距離dが予め測定記憶
される。そして、演算手段18には、対象物10の移動
速度vが与えられる。
【0055】ところで、渦電流式近接センサ12は、そ
の中心を対象物10の前端縁が通過する手前の所定距離
dの位置から出力信号の電圧の変化を始め、後端縁が通
過して離れた所定距離dの位置で出力信号の電圧の変化
を終了させる。そこで、対象物10の長さLは、 L=TXv−2d ……式1 で示される。
【0056】そこで、演算手段18は、計時手段34か
ら出力信号の時間幅Tが与えられると、記憶手段20か
ら所定距離dを読み出し、式1の演算により長さLを求
める。そして、この長さLが表示手段22で表示され
る。
【0057】この本発明の対象物の長さ測定装置の第1
の実施例にあっては、渦電流式近接センサ12を所定間
隔のギャップgをもって対象物10が通過すると、この
対象物10の長さを正確に測定することができる。な
お、対象物10の長さとして羽根車の羽根の厚さを測定
しても良いことは勿論である。
【0058】そして、本発明の対象物の長さ測定装置の
第2の実施例を、図17および図18を参照して説明す
る。図17は、本発明の対象物の長さ測定装置の第2の
実施例のブロック構成図であり、図18は、羽根の厚さ
を長さとして測定するための説明図である。
【0059】図17において、対象物としての羽根車3
6の羽根38の回転軌跡面に、ギャップgをもって直角
方向に渦電流式近接センサ12が配設される。この渦電
流式近接センサ12の出力信号が増幅手段14で増幅さ
れ、さらに、A/D変換手段16でA/D変換されて最
大変化幅検出手段26および計時手段34に与えられ
る。この最大変化幅検出手段26は、出力信号の最大変
化幅の電圧を演算手段18に与える。また、計時手段3
4は、羽根38の通過に伴なう出力信号の電圧の変化が
開始される時点から変化が終了するまでの時点の時間幅
Tを計時してこれを演算手段18に与える。演算手段1
8には、羽根車36の回転数r.p.mと渦電流式近接
センサ12が配設された回転半径rが予め与えられる。
さらに、記憶手段20には、図5のごとき対象物10を
渦電流式近接センサ12に近づくように移動させたとき
の渦電流式近接センサ12の出力信号の電圧が変化し始
める渦電流式近接センサ12の中心と対象物10の端縁
の距離と、図8のごとき対象物10を渦電流式近接セン
サ12を通過するように移動させたときのギャップgの
間隔と渦電流式近接センサ12の出力信号の最大変化の
電圧の関係データが予め測定記憶される。そして、演算
手段18により羽根38の厚さが演算されて表示手段2
2により表示される。
【0060】次に、演算手段18における演算につき説
明する。まず、出力信号の最大変化幅の電圧と図8のご
とき対象物10を渦電流式近接センサ12を通過するよ
うに移動させたときのギャップgの間隔と渦電流式近接
センサ12の出力信号の最大変化の電圧の関係データか
らギャップgの間隔が特定される。さらに、この特定さ
れたギャップgと図5のごとき対象物10を渦電流式近
接センサ12に近づくように移動させたときの渦電流式
近接センサ12の出力信号の電圧が変化し始める渦電流
式近接センサ12の中心と対象物10の端縁の距離の関
係データから出力信号の電圧の変化を発生させまた終了
させる距離mが演算される。そして、図18のごとく、
羽根車36が例えば反時計回りに回転され、羽根38が
回転方向に対して角度θだけ斜めに形成されるとすれ
ば、羽根38が相対的にA位置にある渦電流式近接セン
サ12に近づいて出力信号の電圧の変化が発生し始めれ
ば、A位置と羽根38の前端縁までの回転方向距離h
は、h=m/sinθで示される。また、羽根38が
渦電流式近接センサ12を通過して相対的にB位置にあ
る渦電流式近接センサ12まで離れて出力信号の電圧の
変化が終了したとすれば、B位置と羽根38の後端縁ま
での回転方向距離hは、h=m/sinθで示され
る。なお、渦電流式近接センサ12に近づくときの羽根
38の前端縁の傾きと、離れるときの羽根38の後端縁
の傾きは実際上は異なるが、両者の平均値の角度θで近
似するものとする。さらに、出力信号の時間幅Tと羽根
車36の回転数r.p.mと回転半径rとから、時間幅
Tで羽根38が移動する距離nが演算される。そしてま
た、羽根38の回転方向距離Lが、L=n−(h+h
)として示される。そしてさらに、この羽根38の回
転方向距離Lから羽根38の厚さWが、W=LXsin
θで示される。
【0061】この発明の対象物の長さ測定装置の第2の
実施例にあっては、渦電流式近接センサ12と対象物と
の間隔のギャップgが変動しても、対象物の長さを正確
に測定することができる。
【0062】なお、上記実施例における渦電流式近接セ
ンサ12は、回転軸等の横振れを検出するものと兼用で
きることは勿論である。また、渦電流式近接センサ12
の中心を基準として全ての上記実施例を説明したが、渦
電流式近接センサ12の一方の端等の距離dを測定する
のに好都合な適宜な位置を基準としてデータを測定し、
これに応じて演算手段18における演算を行なっても良
い。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の対象物の
端縁位置検出装置および長さ測定装置は構成されている
ので、以下のごとき格別な効果を奏する。
【0064】請求項1記載の対象物の端縁位置検出装置
にあっては、渦電流式近接センサと対象物のギャップg
が所定間隔であれば、対象物が渦電流式近接センサを通
過しようとするさいに、渦電流式近接センサの出力信号
により、対象物の前端縁が近づくのを前もってその距離
とともに検出でき、また後端縁が離れるのをその距離と
ともに検出できる。
【0065】また、請求項2記載の対象物の端縁位置検
出装置にあっては、渦電流式近接センサと対象物のギャ
ップgが所定間隔であれば、対象物が渦電流式近接セン
サを通過しようとするさいに、渦電流式近接センサの出
力信号の変化により、対象物の前端縁が所定距離まで近
づいたことが検出でき、また後端縁が所定距離だけ離れ
たことが検出できる。
【0066】そして、請求項3記載の対象物の端縁位置
検出装置にあっては、渦電流式近接センサと対象物のギ
ャップgの間隔が変動する状況であっても、渦電流式近
接センサを対象物が通過して後端縁が離れるのをその距
離とともに検出できる。
【0067】さらに、請求項4記載の対象物の端縁位置
検出装置にあっては、渦電流式近接センサと対象物のギ
ャップgが変動する状況であっても、渦電流式近接セン
サを対象物が通過して後端縁が所定距離だけ離れたこと
が検出できる。
【0068】そしてさらに、請求項5記載の対象物の端
縁位置検出装置にあっては、渦電流式近接センサの上流
に副渦電流式近接センサを配設することで、先に渦電流
式近接センサと対象物のギャップgの間隔を特定できる
ので、ギャップgが変動する状況であっても、渦電流式
近接センサを対象物が通過するときに近づく前端縁の距
離および離れる後端縁の距離をともに検出できる。ま
た、前端縁が所定距離まで近づいたことおよび後端縁が
所定距離だけ離れたことが検出できる。
【0069】また、請求項6記載の対象物の長さ測定装
置にあっては、渦電流式近接センサとこれを通過する対
象物のギャップgが所定間隔であれば、渦電流式近接セ
ンサの出力信号から対象物の前端縁から後端縁までの長
さを正確に測定することができる。
【0070】そして、請求項7記載の対象物の長さ測定
装置にあっては、渦電流式近接センサとこれを通過する
対象物のギャップgの間隔が変動する状況であっても、
渦電流式近接センサの出力信号から対象物の長さを正確
に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象物の端縁位置検出装置の第1の実
施例のブロック構成図である。
【図2】ギャップgの間隔をパラメータとした渦電流式
近接センサの出力信号の電圧と渦電流式近接センサの中
心から対象物の端縁までの距離とのグラフである。
【図3】対象物が通過するときの渦電流式近接センサの
出力信号の電圧の変化を示す図である。
【図4】本発明の対象物の端縁位置検出装置の第2の実
施例のブロック構成図である。
【図5】対象物を渦電流式近接センサに近づくよう移動
させたときの渦電流式近接センサの出力信号の電圧が変
化をし始める渦電流式近接センサの中心と対象物の端縁
の距離とギャップの間隔のグラフである。
【図6】対象物が通過するときの渦電流式近接センサの
出力信号の電圧の変化とそれを微分した微分出力を示す
図である。
【図7】本発明の対象物の端縁位置検出装置の第3の実
施例のブロック構成図である。
【図8】対象物を渦電流式近接センサを通過するよう移
動させたときのギャップの間隔と渦電流式近接センサの
出力信号の最大変化の電圧とのグラフである。
【図9】渦電流式近接センサの出力信号の電圧変化を示
す図である。
【図10】本発明の対象物の端縁位置検出装置の第3の
実施例を応用したロート弁の縦断面図である。
【図11】本発明の対象物の端縁位置検出装置の第4の
実施例のブロック構成図である。
【図12】渦電流式近接センサの出力信号の電圧変化と
それを微分した微分出力を示す図である。
【図13】本発明の対象物の端縁位置検出装置の第5の
実施例のブロック構成図である。
【図14】本発明の対象物の端縁位置検出装置の第6の
実施例のブロック構成図である。
【図15】本発明の対象物の長さ測定装置の第1の実施
例のブロック構成図である。
【図16】渦電流式近接センサの出力信号の電圧とそれ
を微分した微分出力を示す図である。
【図17】本発明の対象物の長さ測定装置の第2の実施
例のブロック構成図である。
【図18】羽根の厚さを長さとして測定するための説明
図である。
【符号の説明】
10 対象物 12 渦電流式近接センサ 18 演算手段 20 記憶手段 24 微分手段 26 最大変化幅検出手段 28 副渦電流式近接センサ 34 計時手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香田 理 静岡県三島市緑町10番24号 株式会社電 業社機械製作所三島事業所内 (56)参考文献 特開 昭61−80013(JP,A) 特開 平3−202706(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 7/00 - 7/34 G01B 21/00 - 21/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物の移動経路に対して直角方向に所
    定間隔のギャップをもって渦電流式近接センサを配設
    し、前記ギャップにおいて前記渦電流式近接センサと前
    記対象物の端縁の間の移動方向距離と前記渦電流式近接
    センサから出力される出力信号の電圧との関係データを
    予め測定して記憶手段に記憶させ、検出時において、前
    記対象物の移動に応じた前記渦電流式近接センサの出力
    信号の電圧と前記関係データとから前記渦電流式近接セ
    ンサに対する前記対象物の端縁の移動方向距離を演算手
    段により演算するように構成したことを特徴とする対象
    物の端縁位置検出装置。
  2. 【請求項2】 対象物の移動経路に対して直角方向に所
    定間隔のギャップをもって渦電流式近接センサを配設
    し、前記ギャップにおいて前記渦電流式近接センサが前
    記対象物により出力信号の電圧に変化を発生させまたは
    消滅させるときの前記渦電流式近接センサと前記対象物
    の端縁の間の移動方向距離を予め測定してその測定値を
    記憶手段に記憶し、検出時において、前記対象物の移動
    に応じて前記渦電流式近接センサの出力信号の電圧が変
    化を発生させまたは消滅させたときに前記渦電流式近接
    センサと前記対象物の端縁の間の移動方向距離が前記測
    定値であることを演算手段により演算するように構成し
    たことを特徴とする対象物の端縁位置検出装置。
  3. 【請求項3】 対象物の移動経路に対して直角方向にギ
    ャップをもって渦電流式近接センサを配設し、種々の間
    隔のギャップにおいて前記渦電流式近接センサと前記対
    象物の端縁の間の移動方向距離と前記渦電流式近接セン
    サから出力される出力信号の電圧との関係データを予め
    測定して記憶手段に記憶させ、検出時において、前記対
    象物の移動により変化幅が最大となる前記出力信号の電
    圧と前記関係データとから演算手段によりギャップの間
    隔を特定し、さらに前記出力信号の電圧とこの特定され
    たギャップの間隔に応じた関係データとから前記渦電流
    式近接センサに対する前記対象物の端縁の移動方向距離
    を前記演算手段により演算するように構成したことを特
    徴とする対象物の端縁位置検出装置。
  4. 【請求項4】 対象物の移動経路に対して直角方向にギ
    ャップをもって渦電流式近接センサを配設し、種々の間
    隔のギャップにおいて、前記渦電流式近接センサが前記
    対象物により出力信号の電圧の変化を発生させまたは消
    滅させるときの前記渦電流式近接センサと前記対象物の
    端縁の間の移動方向距離、および前記対象物の移動によ
    り変化幅が最大となる前記出力信号の電圧との関係デー
    タを予め測定して記憶手段に記憶させ、検出時におい
    て、前記対象物の移動により変化幅が最大となる前記出
    力信号の電圧と前記関係データとから演算手段によりギ
    ャップの間隔を特定し、さらにこの特定されたギャップ
    の間隔に応じた関係データから前記対象物の移動に応じ
    て前記出力信号の電圧の変化を発生させまたは消滅させ
    るときの前記渦電流式近接センサと前記対象物の端縁の
    間の移動方向距離を前記演算手段により演算するように
    構成したことを特徴とする対象物の端縁位置検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の対象物の端縁位
    置検出装置において、前記渦電流式近接センサより上流
    側に前記対象物に対して前記渦電流式近接センサのギャ
    ップと同一のギャップをもって副渦電流式近接センサを
    配設し、前記渦電流式近接センサに接近方向に移動する
    前記対象物に対して、前記副渦電流式近接センサの出力
    信号の電圧から前記演算手段により前記ギャップの間隔
    を特定するように構成したことを特徴とする対象物の端
    縁位置検出装置。
  6. 【請求項6】 対象物の移動経路に対して直角方向に所
    定間隔のギャップをもって渦電流式近接センサを配設
    し、前記ギャップにおいて前記渦電流式近接センサが前
    記対象物により出力信号の電圧の変化を発生させまたは
    消滅させるときの前記渦電流式近接センサと前記対象物
    の端縁の間の移動方向距離を予め測定してその測定値を
    記憶手段に記憶し、長さ測定時に、前記渦電流式近接セ
    ンサから出力される出力信号の時間幅を計時手段により
    計時し、この時間幅と前記対象物の移動速度と前記測定
    値とから前記対象物の長さを演算手段で演算するように
    構成したことを特徴とする対象物の長さ測定装置。
  7. 【請求項7】 対象物の移動経路に対して直角方向にギ
    ャップをもって渦電流式近接センサを配設し、種々の間
    隔のギャップにおいて、前記渦電流式近接センサが前記
    対象物により出力信号の電圧の変化を発生させまたは消
    滅させるときの前記渦電流式近接センサと前記対象物の
    端縁の間の移動方向距離、および前記対象物の移動によ
    り変化幅が最大となる前記出力信号の電圧との関係デー
    タを予め測定して記憶手段に記憶させ、長さ測定時に、
    前記渦電流式近接センサから出力される出力信号の時間
    幅を計時手段により計時し、前記対象物の移動により変
    化幅が最大となる前記出力信号の電圧と前記関係データ
    とから演算手段によりギャップの間隔を特定し、そして
    この特定されたギャップの間隔に応じた関係データから
    前記対象物の移動に応じて前記出力信号の電圧の変化を
    発生させまたは消滅させるときの前記渦電流式近接セン
    サと前記対象物の端縁の間の移動方向距離を前記演算手
    段により演算し、さらに前記時間幅と前記対象物の移動
    速度と演算された移動方向距離とから前記対象物の長さ
    を前記演算手段で演算するように構成したことを特徴と
    する対象物の長さ測定装置。
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