JP2927191B2 - Pto装置 - Google Patents

Pto装置

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JP2927191B2
JP2927191B2 JP25050394A JP25050394A JP2927191B2 JP 2927191 B2 JP2927191 B2 JP 2927191B2 JP 25050394 A JP25050394 A JP 25050394A JP 25050394 A JP25050394 A JP 25050394A JP 2927191 B2 JP2927191 B2 JP 2927191B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両に搭載され
ているエンジンから、作業装置を駆動するための動力を
取り出すPTO装置に関する。
【0002】
【従来の技術】消防車に搭載されているポンプ装置、ゴ
ミ収集車(ごみを圧縮して積み込む用途に用いられる車
両)に搭載されているゴミプレス機、ミキサー車に搭載
されているミキサーなどは、いずれも車両に搭載された
走行用エンジンから取り出された動力で駆動している。
【0003】この動力は、エンジンの出力軸にPTO装
置を接続して、作業装置の駆動に必要な動力の取り出し
を行っている。こうしたPTO装置には、ケース本体の
外壁の所定位置にそれぞれエンジンの出力軸と接続可能
な駆動軸,作業装置に接続される回転軸を設け、ケース
本体内に駆動軸から伝わるエンジン動力を回転軸へ伝え
るギヤ列(駆動軸に設けた駆動ギヤ,この駆動ギヤと噛
み合うアイドルギヤ,回転軸に設けたパワーテイクオフ
ギヤの組み合せから構成される)を収容した構造が用い
られている。
【0004】ところで、従来より、PTO装置は、組立
性を確保するために、図7あるいは図8にそれぞれ在る
実開平1−81331号公報,実公昭62−23642
号公報に開示されているような分割式のケース本体1、
図9および図10に示されるようなアイドルギヤ収容の
ための専用の開口部10を有したケース本体11を採用
して、歯車列を構成する駆動ギヤ2,アイドルギヤ3,
パワーテイクオフギヤ4を収容して、装置全体を組み立
てることが行われている。
【0005】すなわち、図7に示されるPTO装置は、
前後(厚み)方向に二分割した偏平なケース本体1を用
いた構造であり、同装置は、分割したケース片1a,1
bの片側の内面に、駆動ギヤ2を装着した駆動軸5、ア
イドルギヤ3を装着した支持軸6、パワーテイクオフギ
ヤ4を装着した回転軸7の端部の片側を、それぞれ軸受
8を介して嵌め込んだ後、ケース片1a,1bを互いに
突き合うようにして組み合わせて、ケース片1a,1b
の相互を固定することで組み上がる構造となっている。
【0006】また図8に示されるPTO装置は、上下方
向に二分割した偏平なケース本体1を用いた構造であ
り、同装置は、分割した上側のケース片1cに駆動ギヤ
2を装着した駆動軸5を組み込み、下側のケース片1d
にパワーテイクオフギヤ4を装着した回転軸7を組み込
んだ後、中間に在る合わせ部の内面にアイドルギヤ3を
装着した支持軸6の端部を嵌め込みつつ、互いにケース
片1c,1dを組み合わせて、ケース片1c,1dの相
互を固定することで組み上がる構造となっている。
【0007】残る図9および図10に示されるPTO装
置は、上側面にアイドルギヤ専用の開口部10が在る一
体形のケース本体11を用いた構造であり、同装置は、
例えば開口部10からアイドルギヤ3をケース本体11
内へ入れてケース中段の部位に配置した後、側部両側に
開口している一方の開口12から支持軸14をアイドル
ギヤ3の内周部に在る軸受15内へ挿入して、この支持
軸14を、他方の開口16を塞いでいる蓋体17にねじ
込んでケース本体11に固定し、その後、ケース本体1
1の下側に駆動ギヤ2を装着した駆動軸5を組み込み、
ケ−ス本体11の上側にパワーテイクオフギヤ4を装着
した回転軸7を組み込む構造となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】こうしたPTO装置
は、ギヤ列の噛み合い面を潤滑するために、ケース本体
内部には潤滑オイル18(図7しか図示していない)が
収容してあり、各ギヤによるはね掻けを利用してケース
本体11内に溜まる潤滑オイル18を噛み合い面に供給
している。図7中、Lはその潤滑オイル18の油面位置
を示す。
【0009】そこで、通常、PTO装置は、ケース本体
1,11の全ての接合面間にシール部材を設けて、潤滑
オイル18が外部へ洩れないよう、接合面間をシールす
ることが行われている。
【0010】ところで、ケース本体1,11のシール性
能は、シールする部位の大小はもちろん、シールする部
分が少なければ少ない程、信頼性の高い、安定した高い
シール性が堅持される。
【0011】すなわち、シールは、シールすべき部位が
大きい程、さらにはシールすべき部位の数が多い程、接
合面間からの油洩れに対して不利である。つまり、シー
ルすべき部位が大きい程、さらにはシールすべき部位の
数が多い程、潤滑オイル18がケース本体1,11内か
ら外部へしみ出しやすい傾向にある。
【0012】ところが、上記分割構造を採用したケース
本体1であると、構造上、接合面となる大きな開口をシ
ールすることが余儀なくされる。すなわち、前後方向に
分割したケース本体1では、接合面となるケース片1
a,1bの前後部に在る大きな開口を形成する開口縁間
に、ケース全周に渡るような大きな環状のシール部材
(図示しない)を設けないと、ケース片1a,1b間を
シールできない。
【0013】むろん、上下方向に分割したケース本体1
も、ケース片1a,1bの上下部に在る大きな開口の開
口縁間に、ケース全周に渡るような大きな環状のシール
部材(図示しない)を設けないと、シールできない。
【0014】またアイドルギヤ専用の開口部10が在る
一体形のケース本体11は、ケース全周に渡るようなシ
ール部材は不用になるものの、別途、ケース本体11に
大きく開口している開口部10の開口縁と、同開口10
を塞いでいる蓋体20との間をシール部材(図示しな
い)でシールしなければならない。しかも、アイドルギ
ヤ3の両側の開口を塞いでいる蓋体17,20の接合面
はシ−ル部材(図示しない)でシールする必要があり、
どうしてもシールすべき箇所が多くなる傾向にある。
【0015】このため、従来のPTO装置は、潤滑オイ
ル18に対するシール性の点で、安定した高いシール性
能を堅持できるとはいえず、この点の改善が望まれてい
る。本発明は上記事情に着目してなされたもので、その
目的とするところは、ケース本体のシール性を向上させ
たPTO装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、上記目的を達成するために、ケース本体は、同ケー
ス本体の壁面に出力軸が挿通可能な第1開口部を設け、
この第1開口部と対向するケース本体の壁面に駆動ギヤ
とアイドルギヤとのいずれか大径なギヤが挿入可能な形
状に開口させた第2開口部を設け、アイドルギヤの側面
と対向するケース本体の壁面のいずれか一方に支持軸が
挿通可能で、且つ同支持軸を支持する第3開口部を設
け、パワーテイクオフギヤの側面と対向するケース本体
の壁面のいずれか一方にパワーテイクオフギヤが挿入可
能な形状に開口させた第4開口部を設けて、ケース本体
全体を一体としたことにある。
【0017】請求項2に記載の発明は、さらに上記目的
に加え、アイドルギヤを容易に所定部位に装着させるた
めに、請求項1に記載のアイドルギヤは、内周部に軸受
を嵌合して、第2開口部からケース本体内に収容して第
3開口部と同一軸心に配した後、支持軸を軸受に挿通し
て支持させて装着したことにある。
【0018】請求項3に記載の発明は、さらに上記目的
に加え、簡単な構造で支持軸を固定するために、請求項
1又は請求項2に記載の支持軸を、同支持軸にボルトを
挿通して第3開口部と対向するケース本体の壁面に締結
することで固定したことにある。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【作用】請求項1に記載の発明によると、ケース本体の
外表面に在る開口としては、エンジンの出力軸と取り合
うための第1開口部、駆動ギヤとアイドルギヤとのいず
れもが挿入可能な第2開口部、支持軸を挿通して同支持
軸を支持する第3開口部、パワーテイクオフギヤを挿入
するための第4開口部といった最低数量の4か所だけと
なる。
【0023】これにより、ケース本体は、従来の分割
式,アイドルギヤ専用の開口をもつケース本体とは異な
り、最低必要な部位以外には、開口部が無い一体構造、
すなわち最低必要な部位以外はシールを全く必要としな
い構造となる。
【0024】このことは、ケース本体は、従来の分割
式,アイドルギヤ専用の開口をもつケース本体のような
ケース片の相互を合わせるような接合面、蓋体が接合す
るような接合面は不用となり、求められるシール面は少
なくてすむ。
【0025】しかも、アイドルギヤの支持に必要な開口
は、アイドルギヤを挟む片側のケース本体の壁面にだけ
にあり、しかも支持軸だけが挿通可能な、できる限り開
口面積を小さく抑制した第3開口部だけなので、シール
すべき部分の面積は小さくすむ。
【0026】こうしたシールする箇所、シールする面積
を抑制する工夫により、ケース本体に安定した高いシー
ル性能をもたらす。請求項2に記載の発明によると、ア
イドルギヤを支持させるときは、アイドルギヤの内周部
に軸受を嵌合し、この軸受を組み込んだアイドルギヤ
を、駆動ギヤを挿入する第2開口部を利用して、ケース
本体内に収容し、同ギヤを第3開口部と同一軸心となる
に配置する。
【0027】その後、支持軸を第3開口部から軸受の内
腔に向け挿入して、同支持軸を軸受に挿通させれば、ア
イドルギヤは支持される。こうした操作により、開口面
積を小さく抑制した第3開口部を用いて、アイドルギヤ
は容易に所定部位に装着される。
【0028】請求項3に記載の発明によると、支持軸
は、第3開口部からボルトを支持軸に挿通して同第3開
口部と対向するケース本体の壁面に締結するといった簡
単な構造で固定される。
【0029】
【0030】
【0031】
【実施例】以下、本発明を図1ないし図6に示す一実施
例にもとづいて説明する。図1はPTO装置の断面図、
図2は同PTO装置の矢印A−A線に沿う側面図を示し
ていて、図中30は例えば車両に搭載された走行用エン
ジン31の出力軸側に装着されたケース本体である。
【0032】ケース本体30は、全体が一体成形によっ
て形成されていて、内部には出力軸31aの軸心方向に
は偏平で、これと直角な上下方向には直線状に延びる帯
形の収容空間32が形成されている。このケース本体3
0の左側部が、走行用エンジン31の出力軸側の側部に
例えばボルト33を用いて固定してある。
【0033】このケース本体30の下部には、走行用エ
ンジン31の出力軸31aに接続される駆動軸34が同
出力軸31aと同方向に沿って配設されている。またケ
ース本体30の右側上部には作業装置(図示しない)と
接続可能な、クラッチ付の出力ユニット35が右側へ突
き出るようにして設けられている。なお、駆動軸35の
周りとなるケ−ス本体30の右側部分にはクラッチ装置
(図示しない)を接続するための円形なクラッチ取付部
30aが形成してある。
【0034】収容空間32の下部側には駆動ギヤ36が
収容され、上部側にはパワーテイクオフギヤ37が収容
され、中間部には同駆動ギヤ36とパワーテイクオフギ
ヤ37との両者と噛み合うアイドルギヤ38(中継のた
めのギヤ)が収容されている。いずれのギヤも駆動軸3
4の軸心と平行に配置してある。
【0035】駆動ギヤ36は、駆動軸36の外周部に一
体に形成され、パワーテイクオフギヤ37は出力ユニッ
ト35に装着されている。またアイドルギヤ37は支持
軸37aを介してケース本体30の内面に回転自在に支
持されていて、例えば走行用エンジン31からフライホ
イール31bへ伝わる出力(回転)を取り出し(分
岐)、駆動ギヤ36,アイドルギヤ38,パワーテイク
オフギヤ37の3つのギヤの組み合わせで構成されるギ
ヤ列39を通じて、出力ユニット35へ伝達できるよう
にしてある。
【0036】また収容空間32の内部の下方には、潤滑
オイル40が図1に示すように収容されている。こうし
たPTO装置のケース本体30には、本発明の要部とな
るシールする箇所、ならびにシールする面積を抑制する
工夫が施してある。
【0037】図3には、工夫した点を説明するためのP
TO装置の分解図が示されている。なお、図4は図3中
のB−B線に沿うケース本体30の単品の側面図を示し
ている。
【0038】工夫した点を説明すれば、ケース本体30
の上部側は、片側、例えば右側にだけに開口部50(第
4開口部に相当)を設けて、出力ユニット35を装着で
きるようにしてある。
【0039】ここで、ケース本体30の構造を説明する
前に出力ユニット35について説明すれば、これは油圧
駆動の多板クラッチ装置41を収容した例えば筒形のユ
ニットケース42を有していて、このユニットケース4
2の左側部中央からは入力側の回転軸43が突き出てい
る。またユニットケース42の右側部中央からは回転軸
43と同軸に出力側の回転軸44が突き出ている。回転
軸43および回転軸44は、多板クラッチ装置41の原
動側クラッチ板41a,従動側クラッチ板41b(接離
動作して動力伝達を入り切りするもの)を介して接続さ
れていて、そのうち回転軸44の先端には作業装置との
取り合いをなすフランジ状の接続部45が設けてある。
また回転軸43の先端側には、パワーテイクオフギヤ3
7が設けられている。このパワーテイクオフギヤ37を
挟む回転軸43の軸端には、回転軸43を回転自在に支
持するための軸受46a(アウタレース側がフリー)が
設けられ、これと反対側の軸部分にはアウタレース側が
ユニットケース42の壁部で支持された軸受46bが設
けてある。
【0040】出力ユニット35は、こうした構造によっ
て、パワーテイクオフギヤ37から入力された回転を多
板クラッチ装置41を介して接続部45へ伝える機能を
一つのユニットにしてある。なお、47はユニットケー
ス42の左側の外周部から突き出た据付用のブラケッ
ト、48は回転軸44を支持する軸受である。
【0041】つぎに、ケース本体30の構造を説明すれ
ば、パワーテイクオフギヤ37が収容される部位Xと向
き合うケース本体30の左側部の壁面には、出力ユニッ
ト35の軸端に在る軸受46bを受け止める嵌挿用の円
形な凹部49が形成してある。
【0042】また反対のケース本体30の右側部の壁面
には、開口部50(第4開口部に相当)が形成してあ
る。この開口部50は、出力ユニット35に装着して在
るパワーテイクオフギヤ37が挿通可能な円形な開口か
ら形成されていて、開口部50から出力ユニット35の
入力端側をケース本体30内へ挿入して、軸受46bを
凹部49に嵌挿、パワーテイクオフギヤ37を部位Xに
収めた後、ボルト51でブラケット47を開口部50の
周辺の壁面に固定しさえすれば、ケース本体30に出力
ユニット35を組み込めるようにしてある。
【0043】つまり、出力ユニット35の組み込みは、
パワーテイクオフギヤ37と対向する一方の壁面に在る
開口部50だけを利用して行えるようにしてある。また
ケース本体30の下部左右両側には開口部52,53
(第1開口部,第2開口に相当)が設けられている。さ
らにケース本体30の中段部の片側、例えばアイドルギ
ヤ38が収容される部位Yと対向する右側部分には、支
持軸37aが挿通可能な開口部54(第3開口部に相
当)に設けられている。そして、これら開口部52〜5
4を用いて、駆動ギヤ36,アイドルギヤ38をケース
本体30の片側から装着できるようにしてある。
【0044】詳しくは、駆動ギヤ36が収容される部位
Zと向き合うケース本体30の左側部の壁面には、走行
用エンジン31の出力軸31aが挿通可能な大きさに定
めた例えば円形な開口部52が設けられている。またこ
れと反対側となるケース本体30の右側部の壁面には、
駆動ギヤ36およびアイドルギヤ38のうちのいずれか
外径d1 ,d2 が大きなギヤが挿入可能な大きさに定め
た例えば円形な開口部53が設けられている。本実施例
では、「駆動ギヤ36の外径d1 ≧アイドルギヤ38の
外径d2 」なる関係があるとして、例えば開口部53の
径Dを駆動ギヤ36が挿通可能な大きさにしてある。
【0045】駆動ギヤ36は、この開口部53から、駆
動軸34と共にケース本体30内(収容空間32)へ収
納して、所定の部位Zに収めた後、駆動軸34の先端側
に回転自在に組み込んだフランジ状のシールホルダー5
5をボルト56で開口部53の周辺の壁面に固定するこ
とによって、ケース本体30に回転自在に支持される。
むろん、駆動軸34に設けてある通孔34aから、フラ
イホイール固定用のボルト66を出力軸端に開口してい
るねじ孔57に向かって螺挿することにより、駆動軸3
4はフライホイール31bと共に出力軸31aに接続さ
れる。
【0046】アイドルギヤ38は、この駆動ギヤ36が
組み付けられる前、開口部53からケース本体30内に
入れ、開口部54を用いて、支持軸37aでケース本体
30内に支持される。
【0047】詳しくは、支持軸37aは、基部側(右側
に向いた端部)が短柱状の大径部58をなし、先端側が
それより細径な円柱状の軸部59をなしていて、大径部
58の外周面にはOリング60(円環状のシール部材に
相当)が設けてある。また支持軸37aの軸心から偏心
した位置には、軸方向に貫通するボルト挿通孔61が形
成してある。
【0048】開口部54は、この支持軸37aの大径部
58の外径と対応した径寸法に設定してあり、同開口部
54から支持軸37aをケース本体30内へ挿入できる
ようにしてある。
【0049】また開口部54とは反対側の壁面には、軸
部59の端部が嵌まる凹部62が形成されている。凹部
62の深さは、支持軸37aの挿入を、大径部58の端
面が、周囲のケース本体30の外側面とほぼ面一となる
位置で規制する深さ寸法に設定されている。さらに凹部
62の底面には、ボルト挿通孔61の位置に対応して、
ねじ孔63が形成されている。なお、ねじ孔63はケー
ス本体30の左側部を貫通するまで形成してある。
【0050】アイドルギヤ38は、内周部に形成された
通孔部38aに軸受64が嵌め込まれてある。この軸受
64には、支持軸37aの軸部59が挿通可能な通孔6
4aが形成されていて、開口部54から通孔64aへ挿
入される支持軸37aによって、ケース本体30内に収
容したアイドルギヤ38を所定の部位Yに装着させる構
造にしてある。
【0051】すなわち、開口部53からケース本体30
内に収容したアイドルギヤ38は、開口部54に対して
同一軸心となるように位置決め、つぎに開口部54から
支持軸37aを凹部62に向け挿入して、アイドルギヤ
38をケース本体30に支持させた後、ボルト挿通孔6
1からねじ孔63へ向けボルト65を螺挿して、支持軸
37aを締結することによって、ケース本体30に固定
されるようになっている。この固定構造によって、支持
軸37aは、大径部58の外周面が開口部54の内周面
と重なり合うようにして、ケース本体30の支持され、
さらに同外周面と内周面との間にOリング60が挟み込
まれ、同接合面間をシールするようにしてある。
【0052】つまり、アイドルギヤ38の組込みは、駆
動ギヤ36を収容する開口部53をそのままアイドルギ
ヤ38の収容用の開口として利用、さらには支持軸37
aだけが挿通可能な開口部54を用いたケース本体3
0、すなわちシール箇所を必要最低限にし、シール面積
をできるだけ小さく抑えたケース本体30を用いること
によってなされるようにしてある。
【0053】しかして、このように構成されたPTO装
置を組み立てるときは、例えばアイドルギヤ38をケー
ス本体30に組み付けることから始める。これには、通
孔部38aに軸受64を嵌合させたアイドルギヤ38を
用意しておく。
【0054】作業者は、まず、図5に示されるようにこ
のアイドルギヤ38をケース本体30の下側で開口して
いる駆動ギヤ収容用の開口部53からケース本体30内
(収容空間32)に収容し、収容空間32の内面形状に
ならって、ケース本体30の中段部分に移していく。つ
いで、軸受64の内周部の通孔64aが、ケース本体3
0の中段部分に開口している円形の開口部54と同一軸
心となるよう、アイドルギヤ38を位置決める。
【0055】つぎに、作業者は、このアイドルギヤ38
を保持しながら、支持軸37aをケース本体外から開口
部54へ向けて挿入する。この挿入に伴い、支持軸37
aの軸部59は、軸受64の通孔64aを挿通し、その
先端部がケース本体30の内面に在る凹部62に嵌まっ
ていく。凹部62で規制されるまで支持軸37aが挿入
されると、支持軸37aの大径部58aは、開口部54
に嵌挿され、同開口部54を塞ぐ。
【0056】すると、支持軸37aの先端部は凹部62
で支持され、基端部は大径部58の外周面が開口部54
の内周面に重なり合うことによって支持される。これに
より、アイドルギヤ38の全体は所定の部位Yに支持さ
れる。この際、大径部58のOリング60は、大径部5
8の外周面と開口部54の内周面との接合面間に介装さ
れて、同接合面をシールする。
【0057】ついで、作業者は、ケース本体外からボル
ト65を、大径部58の端面に開口しているボルト挿通
孔61へ挿入して、ねじ孔63にねじ込み、支持軸37
aを締結する。これにより、図6に示されるように支持
軸37aはケース本体30に固定され、アイドルギヤ3
8を所定の部位Yに組み付ける。
【0058】アイドルギヤ38の組み付けを終えたなら
ば、出力ユニット35,駆動ギヤ36をケース本体30
に組み付ければよい。すなわち、出力ユニット35を組
み付けるときは、作業者は、ケース本体30の上段に開
口している開口部50から、出力ユニット35の入力端
をケース本体30内へ挿入する。先端にある軸受46a
がケース本体30の内面に在る凹部49に嵌挿されるま
で出力ユニット35が挿入されると、パワーテイクオフ
ギヤ37は、アイドルギヤ37と噛み合いつつ所定の部
位Xに収められる。
【0059】ついで、ボルト51で、ユニットケース4
2から張り出ているブラケット47を開口部50の周辺
の壁面に固定すれば、出力ユニット35はケース本体3
0に組込まれる。
【0060】また駆動ギヤ36を組付けるときは、作業
者は、先のアイドルギヤ38を収容したときの開口部5
3から、駆動ギヤ36を、シールホルダー55を組込ん
だ駆動軸34と共にケース本体30内へ挿入する。
【0061】これにより、駆動ギヤ36は、アイドルギ
ヤ38と噛み合いつつ、所定の部位Zに収容される。つ
いで、開口部53に嵌まるシールホルダー55の外周側
に在るフランジ部55aを、ボルト56で開口部53の
周辺の壁面に固定すれば、駆動ギヤ36は駆動軸34と
共にケース本体30に組込まれる。
【0062】このような出力ユニット35、駆動ギヤ3
6の組込みにより、PTO装置は図1および図2に示さ
れるように組み上げられる。但し、図1および図2中に
おいて、δは偏心した位置に取り付けられたボルト65
の偏心量を示す。
【0063】こうしたPTO装置の組込構造によると、
ケース本体30の外表面に在る開口としては、出力軸3
1aと取り合うための開口部52、駆動ギヤ36とアイ
ドルギヤ38とのいずれもが挿入可能な開口部53、支
持軸用の開口部54、パワーテイクオフギヤ37を挿入
するための開口部50といった最低数量の4か所だけで
すませることができる。
【0064】このことは、ケース本体30は、従来の分
割式,アイドルギヤ専用の開口をもつケース本体とは異
なり、最低必要な部位以外には、開口部が無い一体構
造、すなわち最低必要な部位以外はシールを全く必要と
しない構造となる。
【0065】つまり、ケース本体30は、従来の分割
式,アイドルギヤ専用の開口をもつケース本体のような
ケース片の相互を合わせるような接合面、蓋体が接合す
るような接合面は不用なので、求められるシール面は少
なくてすむ。
【0066】そのうえ、アイドルギヤ38の支持に必要
な開口は、片側のケース本体30の壁面だけにあり、し
かも支持軸37aだけが挿通可能な、できる限り開口面
積を小さくした開口部54だけなので、シールすべき部
分の面積も小さく少なくてすむ。
【0067】この結果、従来には見られない安定した高
いシール性能をケ−ス本体30にもたらすことができ
る。また、アイドルギヤ38の支持構造として、アイド
ルギヤ38の内周部に軸受64を嵌合し、この軸受64
を組み込んだアイドルギヤ38を、駆動ギヤ53を挿入
する開口部53を利用して、開口部54と同一軸心とな
るに配置した後、開口部54から軸受64へ支持軸37
aを挿入して支持させる構造を採用したので、開口面積
が小さい開口部54でも、容易にアイドルギヤ38を所
定部位Yに装着させることができる。
【0068】さらに、この支持軸37aの固定には、支
持軸37aにボルト65を挿通してケース本体30の壁
面に締結するといった構造が採用してあるので、固定構
造は簡単である。
【0069】しかも、このボルト65は、支持軸37a
の軸心から偏心した位置に挿通されているから、たとえ
支持軸37aがアイドルギヤ38の回転の影響を受けて
軸心を中心としても回るような力を受けても、支持軸3
7aはボルト65による規制によって不用意に回転せず
にすむ。
【0070】そのうえ、支持軸37aの外周面が開口部
54の内周面と重なり合せて、支持軸37aをケース本
体30に支持させる構造は、接合面間が支持軸37aの
軸心方向に沿って形成されるから、接合面間は、軸心方
向と直角方向の接合面のように高価なガスケットではな
く、Oリング60といった安価なシール部材でシールが
できる。
【0071】むろん、Oリング60は、重なり合う支持
軸37aの外周面と開口部54の内周面との接合面間の
全周に渡るような円環状をなしているから、同接合面間
を合理的にシールできる。
【0072】なお、一実施例では、駆動ギヤとパワーテ
イクオフギヤとの間に一つのアイドルギヤを設けたギヤ
列のPTO装置に本発明を適用したが、これに限らず、
駆動ギヤとパワーテイクオフギヤとの間に、アイドルギ
ヤが二つ、それ以上、配設される構造のPTO装置にも
適用できることはいうまでもない。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、ケース本体の外表面に在る開口としては、
エンジンの出力軸と取り合うための第1開口部、駆動ギ
ヤとアイドルギヤとのいずれもが挿入可能な第2開口
部、支持軸を挿通して同支持軸を支持する第3開口部、
パワーテイクオフギヤを挿入するための第4開口部とい
った最低数量の4か所だけで、しかもアイドルギヤの支
持に必要な第3開口部は支持軸だけが挿通可能な、でき
る限り開口面積を小さくした開口ですむ。
【0074】したがって、シールする箇所、さらにはシ
ールする面積の減少化により、ケ−ス本体のシ−ル性を
向上させることができる。請求項2に記載の発明によれ
ば、さらに請求項1の発明の効果に加え、小さい第3開
口部を用いて、アイドルギヤを容易に所定の部位に装着
させることができる。
【0075】請求項3に記載の発明によれば、さらに請
求項1又は請求項2の発明の効果に加え、簡単な構造で
支持軸を固定することができる。
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のPTO装置を示す断面図。
【図2】図1中のA−A線に沿うPTO装置の側面図。
【図3】PTO装置を分解した断面図。
【図4】図3中のB−B線に沿うケース本体の側面図。
【図5】ケ−ス本体にアイドルギヤを組込む手順を説明
するための断面図。
【図6】アイドルギヤの組込後、駆動ギヤ,パワーテイ
クオフギヤを組付けるときを説明するための断面図。
【図7】従来の前後分割式のケ−ス本体を採用したPT
O装置を示す断面図。
【図8】同じく上下分割式のケ−ス本体を採用したPT
O装置を示す断面図。
【図9】同じくアイドルギヤ収容のための専用の開口を
上部に有するケ−ス本体を採用したPTO装置を示す断
面図。
【図10】図9中のC−C線に沿うPTO装置の断面
図。
【符号の説明】 30…ケース本体 31…走行用エンジン
31a…出力軸 32…収容空間 34…駆動軸
36…駆動ギヤ 37…パワーテイクオフギヤ
37a…支持軸 38…アイドルギヤ 40…潤滑オイル 4
3,44…回転軸 50…開口部(第4開口部) 52…開口部(第1開口
部) 53…開口部(第2開口部) 54…開口部(第3開口
部) 60…Oリング(円環状のシール部材)
64…軸受 65…ボルト
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−86651(JP,U) 実開 昭55−132545(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 17/28 B60K 25/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力軸に接続可能な駆動軸に
    設けられた駆動ギヤと、支持軸に回転可能に支持される
    とともに上記駆動ギヤと噛合されたアイドルギヤと、作
    業装置に接続可能な回転軸に連結されるとともに上記ア
    イドルギヤと噛合されたパワーテイクオフギヤと、各部
    を潤滑する潤滑オイルと、を収容するケース本体を備え
    て構成されるPTO装置において、 上記ケース本体は、 上記ケース本体の壁面に上記出力軸が挿通可能に設けら
    れた第1開口部と、 上記第1開口部と対向する上記ケース本体の壁面に設け
    られ、上記駆動ギヤと上記アイドルギヤとのいずれか大
    径なギヤが挿入可能な形状に開口してなる第2開口部
    と、 上記アイドルギヤの側面と対向する上記ケース本体の壁
    面のいずれか一方に設けられ、上記支持軸が挿通可能
    で、且つ同支持軸を支持する第3開口部と、 上記パワーテイクオフギヤの側面と対向する上記ケース
    本体の壁面のいずれか一方に設けられ、上記パワーテイ
    クオフギヤが挿入可能な形状に開口してなる第4開口部
    と、 を有して、全体が一体に形成されてなることを特徴とす
    るPTO装置。
  2. 【請求項2】 上記アイドルギヤは、上記支持軸が挿通
    される内周部に軸受を嵌合した後に、上記第2開口部か
    ら上記ケース本体内に収容して上記第3開口部と同一軸
    心に配し、その後、上記支持軸が上記軸受に挿通されて
    支持されることを特徴とする請求項1に記載のPTO装
    置。
  3. 【請求項3】 上記支持軸は、ボルトが上記支持軸を挿
    通して上記第3開口部と対向する上記ケース本体の壁面
    に締結されて固定されることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載のPTO装置。
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