JP2573746Y2 - 開放型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構 - Google Patents

開放型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構

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JP2573746Y2
JP2573746Y2 JP1992090005U JP9000592U JP2573746Y2 JP 2573746 Y2 JP2573746 Y2 JP 2573746Y2 JP 1992090005 U JP1992090005 U JP 1992090005U JP 9000592 U JP9000592 U JP 9000592U JP 2573746 Y2 JP2573746 Y2 JP 2573746Y2
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mechanical seal
crankshaft
front boss
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、開放型コンプレッサの
メカニカルシールオイル漏れ防止機構に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ハウジングのフロントボスを貫通してハ
ウジングの外方に延びるクランクシャフトを有する開放
型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構
として、図4に示すように、メカニカルシール115の
摺動シール部115cとハウジングのフロントボス11
0cのベアリング113との間に延在するクランクシャ
フト111aを包囲するフェルトリング130を設け、
メカニカルシール115の摺動シール部115cから漏
れ出たオイルをフェルトリング130で吸収するように
構成した機構が知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上述の従来構造のメカ
ニカルシールオイル漏れ防止機構にあっては、コンプレ
ッサの運転時間が長くなるとフェルトリング130が吸
収したオイルで飽和し、フェルトリング130で吸収で
きないオイルがクランクシャフト111aを伝わってフ
ロントボスのベアリング113に達し、ベアリング11
3のグリースを劣化させ、ひいてはベアリング113の
寿命を低下させるという問題があった。本考案は、上記
の問題に鑑みてなされたものであり、メカニカルシール
から漏洩したオイルがフロントボスのベアリングに到達
するのを確実に阻止できる開放型コンプレッサのメカニ
カルシールオイル漏れ防止機構を提供すること目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案においては、ハウジングのフロントボスを貫
通してハウジングの外方に延びるクランクシャフトを有
する開放型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ
防止機構において、フロントボスのベアリングとメカニ
カルシールとの間に延在するクランクシャフトの表面に
螺旋溝が形成され、クランクシャフトの表面から僅かの
間隔を隔てて前記螺旋溝を包囲する壁面を形成する手段
が設けられ、前記螺旋溝のメカニカルシール寄りの端部
に隣接してフロントボスにオイル逃がし穴が形成され
前記壁面を形成する手段は、フロントボスに内嵌固定さ
れた筒状部材であることを特徴とする開放型コンプレッ
サのメカニカルシールオイル漏れ防止機構を提供する。
【0005】
【作用】本考案にあっては、メカニカルシールから漏洩
したオイルは、クランクシャフトの表面と、該表面を包
囲する壁面との間の僅かな隙間に侵入して該隙間を満た
すが、クランクシャフトの回転に伴い、クランクシャフ
トの表面に形成された螺旋溝に沿ってメカニカルシール
寄りの螺旋溝の端部まで押し戻される。メカニカルシー
ル寄りの螺旋溝の端部まで押し戻されたオイルは、該部
においてフロントボスに形成されたオイル逃がし穴を通
って、ハウジングの外部に排出される。従って、メカニ
カルシールから漏洩したオイルはフロントボスのベアリ
ングに到達しない。クランクシャフトの表面から僅かの
間隔を隔てて螺旋溝を包囲する壁面を、フロントボスに
内嵌固定された筒状部材で構成することにより、フロン
トボスの内周面を複雑に切削加工せずに、前記壁面を形
成することができる。
【0006】
【実施例】本考案の第1実施例を、図1に基づいて説明
する。図1において、10は圧縮機のハウジングであ
る。ハウジング10は、大径の有底円筒体から成るリア
ハウジング10aと、リアハウジング10aの開放端に
固定された環状のフロントエンドプレート10bと、一
端に形成されたフランジを介してフロントエンドプレー
ト10bに固定された小径円筒体から成るフロントボス
10cとを備えている。リアハウジング10aとフロン
トエンドプレート10bとフロントボス10cとは、同
心状に配設されている。ハウジング10の中心軸線X上
に配設されたクランクシャフト11が、フロントボス1
0cを通って、ハウジング10内に延びている。クラン
クシャフト11は、フロントボス10cに包囲された小
径部11aと、フロントエンドプレート10bに包囲さ
れた大径部11bとを備えている。大径部11bには、
図示しない圧縮機構が連結されている。クランクシャフ
ト11は、大径部11bがボールベアリング12を介し
てフロントエンドプレート10bにより回転自在に支承
され、小径部11aがボールベアリング13を介してフ
ロントボス10cにより回転自在に支承されている。フ
ロントエンドプレート10bに隣接して電磁クラッチ1
4が配設されている。電磁クラッチ14は、フロントボ
ス10cに回転自在に外嵌すると共に、図示しないVベ
ルトを介して図示しない外部駆動源に接続されたプーリ
14aと、フロントエンドプレート10bに固定された
励磁コイル14bと、ハウジング10の外部に突出する
シャフト11の小径部11aの端部に固定された回転伝
達板14cとを備えている。電磁クラッチ14を介し
て、図示しない外部駆動源によりクランクシャフト11
が回転駆動され、クランクシャフトの大径部11bに連
結された図示しない圧縮機構が作動して流体を圧縮す
る。クランクシャフト11は、図1において左方から右
方を見て時計方向に回転駆動される。
【0007】クランクシャフトの小径部11aの端部近
傍、より詳細には大径部11b寄りの端部近傍に、メカ
ニカルシール15のシールリング15aが緊密に外嵌し
ている。シールリング15aに隣接して、より詳細には
ボールベアリング13寄りに隣接して、メカニカルシー
ル15のシールプレート15bがフロントボス10cに
内嵌固定されている。クランクシャフトの小径部11a
の端部、より詳細には大径部11b寄りの端部に、筒状
のスプリングケース16が外嵌固定されている。スプリ
ングケース16内には、クランクシャフトの小径部11
aに外嵌するコイルスプリング17が配設されている。
コイルスプリング17は、クランクシャフトの小径部1
1aに緊密に外嵌するスプリングホルダー18と、Oリ
ング19とを介して、シールリング15aをシールプレ
ート15bに向けて押圧している。シールリング15
a、スプリングケース16、コイルスプリング17、ス
プリングホルダー18、Oリング19は、クランクシャ
フトの小径部11aと一体的に回転する。シールリング
15aとシールプレート15bとの当接面は、メカニカ
ルシール15の摺動シール部15cを形成する。ベアリ
ング13とメカニカルシール15との間に延在するクラ
ンクシャフト小径部11aの表面に螺旋溝20が形成さ
れている。螺旋溝20は、クランクシャフト小径部11
aの回転に伴って、ベアリング13に向かって進む態様
で、形成されている。フロントボス10cの、ベアリン
グ13とメカニカルシール15との間に延在する部分は
厚肉に形成され、その内周面は、クランクシャフト小径
部11aの表面から僅かの間隔を隔てて螺旋溝20を包
囲する壁面21を形成している。螺旋溝20のメカニカ
ルシール15寄りの端部に隣接してフロントボス10c
にオイル逃がし穴22が形成されている。
【0008】第1実施例に係るメカニカルシールオイル
漏れ防止機構によれば、メカニカルシール15の摺動シ
ール部15cから漏れ出したオイルは、クランクシャフ
ト小径部11aの表面と、該表面を包囲する壁面21と
の間の僅かな隙間に侵入して該隙間を満たすが、クラン
クシャフト小径部11aの回転に伴い、クランクシャフ
ト小径部11aの表面に形成された螺旋溝20に沿って
螺旋溝20のメカニカルシール15寄りの端部まで押し
戻される。螺旋溝20のメカニカルシール15寄りの端
部まで押し戻されたオイルは、該部においてフロントボ
ス10cに形成されたオイル逃がし穴22を通って、ハ
ウジング10の外部に排出される。従って、メカニカル
シール15の摺動シール部15cから漏れ出したオイル
はフロントボス10cのベアリング13に到達しない。
これにより、ベアリング13のグリースの劣化、ひいて
はベアリング13の寿命の低下が阻止される。
【0009】本考案の第2実施例を、図2に基づいて説
明する。図2においては、図1の要素と同様の要素には
同一の参照番号が付されている。本実施例においては、
クランクシャフト小径部11aの表面から僅かの間隔を
隔てて螺旋溝20を包囲するフロントボス10cの内周
面によって形成される壁面21のメカニカルシール15
寄りの端部には、オイル逃がし穴22に向かう斜面を形
成する環状の面取り部21aが形成されている。また、
螺旋溝20のベアリング13寄りの端部に隣接してフロ
ントボス10cにオイル逃がし穴23が形成されてお
り、壁面21のベアリング13寄りの端部にも、面取り
部21aと同様の面取り部21bが形成されている。上
記を除き、本実施例に係るメカニカルシールオイル漏れ
防止機構は、第1実施例に係るメカニカルシールオイル
漏れ防止機構と同様の構成を有する。本実施例に係るメ
カニカルシールオイル漏れ防止機構によれば、壁面21
のメカニカルシール15寄りの端部に、オイル逃がし穴
22に向かう斜面が形成されているので、螺旋溝20に
沿って螺旋溝20のメカニカルシール15寄りの端部ま
で押し戻されたオイルのオイル逃がし穴22への流入が
容易になり、ひいてはオイルのハウジング10からの排
出が容易になる。また、螺旋溝20のベアリング13寄
りの端部に隣接してフロントボス10cにオイル逃がし
穴23が形成され、オイル逃がし穴23によってもオイ
ルがハウジング10から排出されるので、オイルがベア
リング13に到達する事態がより確実に阻止される。
【0010】本考案の第3実施例を、図3に基づいて説
明する。図3においては、図1の要素と同様の要素には
同一の参照番号が付されている。本実施例においては、
クランクシャフト小径部11aの表面から僅かの間隔を
隔てて螺旋溝20を包囲する壁面21は、フロントボス
10cに内嵌固定された筒状部材24の内周面によって
形成される。上記を除き、本実施例に係るメカニカルシ
ールオイル漏れ防止機構は、第1実施例に係るメカニカ
ルシールオイル漏れ防止機構と同様の構成を有する。本
実施例に係るメカニカルシールオイル漏れ防止機構によ
っても、第1実施例に係るメカニカルシールオイル漏れ
防止機構によるのと同様に、メカニカルシール15の摺
動シール部15cから漏れ出したオイルのベアリング1
3への到達が阻止される。本実施例によれば、フロント
ボス10cの内周面を複雑に切削加工することなく、壁
面21を形成できるというメリットが得られる。
【0011】
【効果】以上説明したごとく、本考案にあっては、メカ
ニカルシールから漏洩したオイルは、クランクシャフト
の表面と、該表面を包囲する壁面との間の僅かな隙間に
侵入して該隙間を満たし、クランクシャフトの回転に伴
い、クランクシャフトの表面に形成された螺旋溝に沿っ
て螺旋溝のメカニカルシール寄りの端部まで押し戻さ
れ、該部においてハウジングのフロントボスに形成され
たオイル逃がし穴を通って、ハウジングの外部に排出さ
れる。従って、メカニカルシールから漏洩したオイルは
フロントボスのベアリングに到達しない。これにより、
フロントボスベアリングのグリースの劣化、ひいては前
記ベアリングの寿命の低下が阻止される。クランクシャ
フトの表面から僅かの間隔を隔てて螺旋溝を包囲する壁
面を、フロントボスに内嵌固定された筒状部材で構成す
ることにより、フロントボスの内周面を複雑に切削加工
せずに、前記壁面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係る開放型コンプレッサ
のメカニカルシールオイル漏れ防止機構の側断面図であ
る。
【図2】本考案の第2実施例に係る開放型コンプレッサ
のメカニカルシールオイル漏れ防止機構の側断面図であ
る。
【図3】本考案の第3実施例に係る開放型コンプレッサ
のメカニカルシールオイル漏れ防止機構の側断面図であ
る。
【図4】従来構造の開放型コンプレッサのメカニカルシ
ールオイル漏れ防止機構の側断面図である。
【符号の説明】
10 ハウジング 10c フロントボス 11 クランクシャフト 11a クランクシャフトの小径部 13 フロントボスのベアリング 15 メカニカルシール 15c メカニカルシールの摺動シール部 20 螺旋溝 21 壁面 21a、21b 面取り部 22、23 オイル逃がし穴 24 筒状部材

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングのフロントボスを貫通してハ
    ウジングの外方に延びるクランクシャフトを有する開放
    型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構
    において、フロントボスのベアリングとメカニカルシー
    ルとの間に延在するクランクシャフトの表面に螺旋溝が
    形成され、クランクシャフトの表面から僅かの間隔を隔
    てて前記螺旋溝を包囲する壁面を形成する手段が設けら
    れ、前記螺旋溝のメカニカルシール寄りの端部に隣接し
    てフロントボスにオイル逃がし穴が形成され、前記壁面
    を形成する手段は、フロントボスに内嵌固定された筒状
    部材であることを特徴とする開放型コンプレッサのメカ
    ニカルシールオイル漏れ防止機構。
JP1992090005U 1992-12-07 1992-12-07 開放型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構 Expired - Lifetime JP2573746Y2 (ja)

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JP5455294B2 (ja) * 2007-07-23 2014-03-26 三菱重工業株式会社 冷媒圧縮機
JP2009174376A (ja) * 2008-01-23 2009-08-06 Valeo Thermal Systems Japan Corp 圧縮機の軸封構造

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JPS5818134U (ja) * 1981-07-28 1983-02-04 本田技研工業株式会社 電磁クラツチにおけるオイル逃がし構造
JPS6392822U (ja) * 1986-12-09 1988-06-15

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