JPH0649798U - 開放型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構 - Google Patents

開放型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構

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JPH0649798U
JPH0649798U JP9000592U JP9000592U JPH0649798U JP H0649798 U JPH0649798 U JP H0649798U JP 9000592 U JP9000592 U JP 9000592U JP 9000592 U JP9000592 U JP 9000592U JP H0649798 U JPH0649798 U JP H0649798U
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front boss
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spiral groove
crankshaft
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メカニカルシールから漏洩したオイルがフロ
ントボスのベアリングに到達するのを確実に阻止できる
開放型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止
機構を提供する。 【構成】 ハウジングのフロントボスを貫通してハウジ
ングの外方に延びるクランクシャフトを有する開放型コ
ンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構にお
いて、フロントボスのベアリングとメカニカルシールと
の間に延在するクランクシャフトの表面に螺旋溝を形成
し、クランクシャフトの表面から僅かの間隔を隔てて前
記螺旋溝を包囲する壁面を形成する手段を設け、前記螺
旋溝のメカニカルシール寄りの端部に隣接してフロント
ボスにオイル逃がし穴を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、開放型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構に関す るものである。
【0002】
【従来の技術】
ハウジングのフロントボスを貫通してハウジングの外方に延びるクランクシャ フトを有する開放型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構として 、図4に示すように、メカニカルシール115の摺動シール部115cとハウジ ングのフロントボス110cのベアリング113との間に延在するクランクシャ フト111aを包囲するフェルトリング130を設け、メカニカルシール115 の摺動シール部115cから漏れ出たオイルをフェルトリング130で吸収する ように構成した機構が知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上述の従来構造のメカニカルシールオイル漏れ防止機構にあっては、コンプレ ッサの運転時間が長くなるとフェルトリング130が吸収したオイルで飽和し、 フェルトリング130で吸収できないオイルがクランクシャフト111aを伝わ ってフロントボスのベアリング113に達し、ベアリング113のグリースを劣 化させ、ひいてはベアリング113の寿命を低下させるという問題があった。 本考案は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、メカニカルシールから漏 洩したオイルがフロントボスのベアリングに到達するのを確実に阻止できる開放 型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構を提供すること目的とす る。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案においては、ハウジングのフロントボスを 貫通してハウジングの外方に延びるクランクシャフトを有する開放型コンプレッ サのメカニカルシールオイル漏れ防止機構において、メカニカルシールの摺動部 とフロントボスのベアリングとの間に延在するクランクシャフトの表面に螺旋溝 が形成され、クランクシャフトの表面から僅かの間隔を隔てて前記螺旋溝を包囲 する壁面を形成する手段が設けられ、前記螺旋溝のメカニカルシール寄りの端部 に隣接してフロントボスにオイル逃がし穴が形成されている開放型コンプレッサ のメカニカルシールオイル漏れ防止機構を提供する。 本考案の好ましい態様においては、クランクシャフトの表面から僅かの間隔を 隔てて前記螺旋溝を包囲する壁面を形成する手段はフロントボスの内周面であり 、本考案の他の好ましい態様においては、クランクシャフトの表面から僅かの間 隔を隔てて前記螺旋溝を包囲する壁面を形成する手段はフロントボスに内嵌固定 された筒状部材である。
【0005】
【作用】
本考案にあっては、メカニカルシールから漏洩したオイルは、クランクシャフ トの表面と、該表面を包囲する壁面との間の僅かな隙間に侵入して該隙間を満た すが、クランクシャフトの回転に伴い、クランクシャフトの表面に形成された螺 旋溝に沿ってメカニカルシール寄りの螺旋溝の端部まで押し戻される。メカニカ ルシール寄りの螺旋溝の端部まで押し戻されたオイルは、該部においてフロント ボスに形成されたオイル逃がし穴を通って、ハウジングの外部に排出される。従 って、メカニカルシールから漏洩したオイルはフロントボスのベアリングに到達 しない。 クランクシャフトの表面から僅かの間隔を隔てて螺旋溝を包囲する壁面は、フ ロントボスの内周面によって形成しても良く、或いはフロントボスに筒状部材を 内嵌固定することによって形成しても良い。
【0006】
【実施例】
本考案の第1実施例を、図1に基づいて説明する。 図1において、10は圧縮機のハウジングである。ハウジング10は、大径の 有底円筒体から成るリアハウジング10aと、リアハウジング10aの開放端に 固定された環状のフロントエンドプレート10bと、一端に形成されたフランジ を介してフロントエンドプレート10bに固定された小径円筒体から成るフロン トボス10cとを備えている。リアハウジング10aとフロントエンドプレート 10bとフロントボス10cとは、同心状に配設されている。 ハウジング10の中心軸線X上に配設されたクランクシャフト11が、フロン トボス10cを通って、ハウジング10内に延びている。クランクシャフト11 は、フロントボス10cに包囲された小径部11aと、フロントエンドプレート 10bに包囲された大径部11bとを備えている。大径部11bには、図示しな い圧縮機構が連結されている。クランクシャフト11は、大径部11bがボール ベアリング12を介してフロントエンドプレート10bにより回転自在に支承さ れ、小径部11aがボールベアリング13を介してフロントボス10cにより回 転自在に支承されている。 フロントエンドプレート10bに隣接して電磁クラッチ14が配設されている 。電磁クラッチ14は、フロントボス10cに回転自在に外嵌すると共に、図示 しないVベルトを介して図示しない外部駆動源に接続されたプーリ14aと、フ ロントエンドプレート10bに固定された励磁コイル14bと、ハウジング10 の外部に突出するシャフト11の小径部11aの端部に固定された回転伝達板1 4cとを備えている。電磁クラッチ14を介して、図示しない外部駆動源により クランクシャフト11が回転駆動され、クランクシャフトの大径部11bに連結 された図示しない圧縮機構が作動して流体を圧縮する。クランクシャフト11は 、図1において左方から右方を見て時計方向に回転駆動される。
【0007】 クランクシャフトの小径部11aの端部近傍、より詳細には大径部11b寄り の端部近傍に、メカニカルシール15のシールリング15aが緊密に外嵌してい る。シールリング15aに隣接して、より詳細にはボールベアリング13寄りに 隣接して、メカニカルシール15のシールプレート15bがフロントボス10c に内嵌固定されている。クランクシャフトの小径部11aの端部、より詳細には 大径部11b寄りの端部に、筒状のスプリングケース16が外嵌固定されている 。スプリングケース16内には、クランクシャフトの小径部11aに外嵌するコ イルスプリング17が配設されている。コイルスプリング17は、クランクシャ フトの小径部11aに緊密に外嵌するスプリングホルダー18と、Oリング19 とを介して、シールリング15aをシールプレート15bに向けて押圧している 。シールリング15a、スプリングケース16、コイルスプリング17、スプリ ングホルダー18、Oリング19は、クランクシャフトの小径部11aと一体的 に回転する。シールリング15aとシールプレート15bとの当接面は、メカニ カルシール15の摺動シール部15cを形成する。 ベアリング13とメカニカルシール15との間に延在するクランクシャフト小 径部11aの表面に螺旋溝20が形成されている。螺旋溝20は、クランクシャ フト小径部11aの回転に伴って、ベアリング13に向かって進む態様で、形成 されている。フロントボス10cの、ベアリング13とメカニカルシール15と の間に延在する部分は厚肉に形成され、その内周面は、クランクシャフト小径部 11aの表面から僅かの間隔を隔てて螺旋溝20を包囲する壁面21を形成して いる。螺旋溝20のメカニカルシール15寄りの端部に隣接してフロントボス1 0cにオイル逃がし穴22が形成されている。
【0008】 第1実施例に係るメカニカルシールオイル漏れ防止機構によれば、メカニカル シール15の摺動シール部15cから漏れ出したオイルは、クランクシャフト小 径部11aの表面と、該表面を包囲する壁面21との間の僅かな隙間に侵入して 該隙間を満たすが、クランクシャフト小径部11aの回転に伴い、クランクシャ フト小径部11aの表面に形成された螺旋溝20に沿って螺旋溝20のメカニカ ルシール15寄りの端部まで押し戻される。螺旋溝20のメカニカルシール15 寄りの端部まで押し戻されたオイルは、該部においてフロントボス10cに形成 されたオイル逃がし穴22を通って、ハウジング10の外部に排出される。従っ て、メカニカルシール15の摺動シール部15cから漏れ出したオイルはフロン トボス10cのベアリング13に到達しない。これにより、ベアリング13のグ リースの劣化、ひいてはベアリング13の寿命の低下が阻止される。
【0009】 本考案の第2実施例を、図2に基づいて説明する。 図2においては、図1の要素と同様の要素には同一の参照番号が付されている 。 本実施例においては、クランクシャフト小径部11aの表面から僅かの間隔を 隔てて螺旋溝20を包囲するフロントボス10cの内周面によって形成される壁 面21のメカニカルシール15寄りの端部には、オイル逃がし穴22に向かう斜 面を形成する環状の面取り部21aが形成されている。また、螺旋溝20のベア リング13寄りの端部に隣接してフロントボス10cにオイル逃がし穴23が形 成されており、壁面21のベアリング13寄りの端部にも、面取り部21aと同 様の面取り部21bが形成されている。上記を除き、本実施例に係るメカニカル シールオイル漏れ防止機構は、第1実施例に係るメカニカルシールオイル漏れ防 止機構と同様の構成を有する。 本実施例に係るメカニカルシールオイル漏れ防止機構によれば、壁面21のメ カニカルシール15寄りの端部に、オイル逃がし穴22に向かう斜面が形成され ているので、螺旋溝20に沿って螺旋溝20のメカニカルシール15寄りの端部 まで押し戻されたオイルのオイル逃がし穴22への流入が容易になり、ひいては オイルのハウジング10からの排出が容易になる。また、螺旋溝20のベアリン グ13寄りの端部に隣接してフロントボス10cにオイル逃がし穴23が形成さ れ、オイル逃がし穴23によってもオイルがハウジング10から排出されるので 、オイルがベアリング13に到達する事態がより確実に阻止される。
【0010】 本考案の第3実施例を、図3に基づいて説明する。 図3においては、図1の要素と同様の要素には同一の参照番号が付されている 。 本実施例においては、クランクシャフト小径部11aの表面から僅かの間隔を 隔てて螺旋溝20を包囲する壁面21は、フロントボス10cに内嵌固定された 筒状部材24の内周面によって形成される。上記を除き、本実施例に係るメカニ カルシールオイル漏れ防止機構は、第1実施例に係るメカニカルシールオイル漏 れ防止機構と同様の構成を有する。 本実施例に係るメカニカルシールオイル漏れ防止機構によっても、第1実施例 に係るメカニカルシールオイル漏れ防止機構によるのと同様に、メカニカルシー ル15の摺動シール部15cから漏れ出したオイルのベアリング13への到達が 阻止される。本実施例によれば、フロントボス10cの内周面を複雑に切削加工 することなく、壁面21を形成できるというメリットが得られる。
【0011】
【効果】
以上説明したごとく、本考案にあっては、メカニカルシールから漏洩したオイ ルは、クランクシャフトの表面と、該表面を包囲する壁面との間の僅かな隙間に 侵入して該隙間を満たし、クランクシャフトの回転に伴い、クランクシャフトの 表面に形成された螺旋溝に沿って螺旋溝のメカニカルシール寄りの端部まで押し 戻され、該部においてハウジングのフロントボスに形成されたオイル逃がし穴を 通って、ハウジングの外部に排出される。従って、メカニカルシールから漏洩し たオイルはフロントボスのベアリングに到達しない。これにより、フロントボス ベアリングのグリースの劣化、ひいては前記ベアリングの寿命の低下が阻止され る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係る開放型コンプレッサ
のメカニカルシールオイル漏れ防止機構の側断面図であ
る。
【図2】本考案の第2実施例に係る開放型コンプレッサ
のメカニカルシールオイル漏れ防止機構の側断面図であ
る。
【図3】本考案の第3実施例に係る開放型コンプレッサ
のメカニカルシールオイル漏れ防止機構の側断面図であ
る。
【図4】従来構造の開放型コンプレッサのメカニカルシ
ールオイル漏れ防止機構の側断面図である。
【符号の説明】
10 ハウジング 10c フロントボス 11 クランクシャフト 11a クランクシャフトの小径部 13 フロントボスのベアリング 15 メカニカルシール 15c メカニカルシールの摺動シール部 20 螺旋溝 21 壁面 21a、21b 面取り部 22、23 オイル逃がし穴 24 筒状部材

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングのフロントボスを貫通してハ
    ウジングの外方に延びるクランクシャフトを有する開放
    型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構
    において、フロントボスのベアリングとメカニカルシー
    ルとの間に延在するクランクシャフトの表面に螺旋溝が
    形成され、クランクシャフトの表面から僅かの間隔を隔
    てて前記螺旋溝を包囲する壁面を形成する手段が設けら
    れ、前記螺旋溝のメカニカルシール寄りの端部に隣接し
    てフロントボスにオイル逃がし穴が形成されている開放
    型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機
    構。
  2. 【請求項2】 前記螺旋溝のフロントボスベアリング寄
    りの端部に隣接してフロントボスにオイル逃がし穴が形
    成されて請求項1に記載の開放型コンプレッサのメカニ
    カルシールオイル漏れ防止機構。
  3. 【請求項3】 前記壁面を形成する手段は、フロントボ
    スの内周面である請求項1又は2に記載の開放型コンプ
    レッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構。
  4. 【請求項4】 クランクシャフトの表面から僅かの間隔
    を隔てて螺旋溝を包囲する前記フロントボス内周面の端
    部には、オイル逃がし穴に向かう斜面を形成する環状の
    面取り部が形成されている請求項3に記載の開放型コン
    プレッサのメカニカルシールオイル漏れ防止機構。
  5. 【請求項5】 前記壁面を形成する手段は、フロントボ
    スに内嵌固定された筒状部材である請求項1又は2に記
    載の開放型コンプレッサのメカニカルシールオイル漏れ
    防止機構。
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