JP2927117B2 - 焦電型赤外線センサモジュール - Google Patents

焦電型赤外線センサモジュール

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JP2927117B2
JP2927117B2 JP4220771A JP22077192A JP2927117B2 JP 2927117 B2 JP2927117 B2 JP 2927117B2 JP 4220771 A JP4220771 A JP 4220771A JP 22077192 A JP22077192 A JP 22077192A JP 2927117 B2 JP2927117 B2 JP 2927117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐湿性、耐久性に優
れ、且つ安価な構成の焦電型赤外線センサモジュールに
関する。
【0002】
【従来の技術】物体から発せられる赤外線を検知して物
体の存在や通過等を検出する赤外線検出器が知られてい
る。このような赤外線検出器の一つに焦電型赤外線検出
器がある。これは、赤外線を受けると温度変化が生じ電
荷が誘起される焦電体エレメントと、この焦電体エレメ
ントで発生した電荷を電圧に変換するFETと、その電
圧だけでは信号として弱いのでこの信号を増幅したりし
て、他の作動源、例えばドアの開閉リレーを作動させる
回路の信号として用いられるようにする増幅回路等から
構成されている。
【0003】図5に従来の焦電型赤外線検出器の一例を
示す。この焦電型赤外線検出器は、赤外線センサ素子3
1と、回路を有する基板32からなり、赤外線センサ素
子31には焦電体エレメント、FET及び抵抗が電磁波
等の外乱から防止するための金属製のケースに収納され
ており、この赤外線センサ素子31を基板32にハンダ
付けにより接続させて構成したものである。
【0004】又図6に他の例を示す。この焦電型赤外線
検出器は、赤外線センサ素子の構成部品である焦電体エ
レメントとFET及び抵抗に加え、増幅器、及び信号処
理回路まで含んだ構成部品のすべてを基板33上に取り
付け、金属ケース34内に基板33ごと構成部品を封入
させた、いわゆるハーメチックシールと呼ばれるもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記赤
外線センサ素子31を用いた検出器の場合は、赤外線セ
ンサ素子31を個々に作成した後、更にこれを基板32
上にハンダ付けしなければならず、手間がかかりコスト
の上昇を招いていた。又、ハーメチックシール型の場合
には、金属ケース34で全体を覆うことから容積、重量
共に大きくなりコストがかかり、しかも高インピーダン
スのため金属でシールドが必要なのは、本来焦電体エレ
メント、FET及び抵抗までの部分であって、その他は
必ずしも必要とされるものではないため過剰に保護する
ものとなっていた。更に、焦電体エレメントは薄いセラ
ミック上に形成されていることから、基板を取り付ける
ねじ止めの際基板が変形して焦電体エレメントに破損が
生ずることがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するため赤外線センサモジュールを次のように構成
した。基板上に赤外線センサ素子の構成部品、すなわち
焦電体エレメント、FET及び抵抗を直接取り付け、こ
れら構成部品を、赤外線を透過する透過部材を備えた金
属キャップと基板との間を熱硬化型樹脂で封止し、且つ
この金属キャップの外周を取り囲んで基板に切欠きを形
成した構造としたのである。
【0007】
【作用】内部が金属キャップにより密封されていること
から耐湿性に優れ、且つ内部がシールドされていること
から電磁障害に対して優れている。又、周囲に切欠きが
形成してあることから、使用中あるいは穴にボルトを通
して固定するとき等に基板に無理な力が加わりゆがんだ
場合であっても、中央部には変形力が伝達されず焦電体
エレメントの破損を防止する。
【0008】
【実施例】本発明の赤外線センサモジュールの一実施例
について説明する。
【0009】図1は、赤外線センサモジュール1を示す
分解図である。赤外線センサモジュール1は、基板2
と、構成部品を覆う金属キャップ3と、基板2と金属キ
ャップ3との間を塞ぐ接着剤4等から構成されている。
【0010】基板2は、ガラスエポキシ樹脂を積層した
もので、四隅に基板取り付け用の穴8が設けてあり、更
にその内側にL字型の切欠き10が4か所形成してあ
り、この切欠き10に囲まれた中央部2aに焦電体エレ
メント5、FET6,抵抗7が装着してある。切欠き1
0は、細い連結部9を間に置いて方形に配置してあり、
中央部2aはこの連結部9によって周縁部2bと連結さ
れている。又中央部2aには、アース用の金属膜(図示
せず)が裏側全面に貼られ、更に表裏を連結させるスル
ーホール13、金属キャップ3の脚12を嵌め合わせる
穴14が形成してある。
【0011】焦電体エレメント5は、薄いセラミック板
からなり、表面に赤外線が照射されると温度変化が生じ
電荷が誘起されるようになっており、基板2への熱の伝
達を防ぐため両端にセラミックコンデンサからなる台が
設けられている。FET6と抵抗7は焦電体エレメント
5に接続してあり、焦電体エレメント5で発生した電流
を電圧に変えて出力するものである。
【0012】金属キャップ3は、全体が金属で形成さ
れ、上面に赤外線を透過するシリコンフィルタ11が嵌
め込まれており、下部には穴14に対応して脚12が設
けられている。接着剤4は、エポキシ系接着剤(東洋工
業社製メルトキュアエポキシ)で、金属キャップ3の外
周にちょうど適合する四角い環状の形状をしており、約
120度で溶けた後硬化するようになっている。
【0013】次に、この赤外線センサモジュール1の組
み立てについて述べる。基板2に焦電体エレメント5、
FET6及び抵抗7を取り付けた後、金属キャップ3の
脚12を穴14に差し入れ、脚12わ基板2の裏側でハ
ンダ付けして固定するとともにアース用の金属膜に導通
させる。次に接着剤4を金属キャップ3の周囲に嵌め合
わせ炉内で約120度に加熱する。すると、接着剤4は
溶けて金属キャップ3の外周面と基板表面に密着し、そ
の後硬化する。その際、金属キャップ3内の空気が膨張
するので、その膨張した空気はスルーホール13を通っ
て外部に排出される。そして、温度が常温に戻った後ス
ルーホール13にハンダを盛りつけスルーホール13を
封止する。なお、スルーホール13を封止する前にスル
ーホール13から窒素やアルゴン等の不活性ガスを注入
しても良い。図2に完成した赤外線センサモジュールを
示す。
【0014】したがつて、赤外線センサモジュール1
は、内部が金属キャップ3により密封されていることか
ら耐湿性に優れ、且つ表面の金属キャップと裏面の金属
膜が接続されて内部がシールドされていることから電磁
障害に対して優れ、しかも周囲に切欠き10が形成して
あることから、使用中あるいは穴8にボルト(図示せ
ず)を通して固定するとき等に基板2に無理な力が加わ
りゆがんだ場合であっても、中央部2aには変形力が伝
達されず焦電体エレメント5が破損するのを防止でき
る。更に、従来の赤外線センサ素子31を個別に作成し
基板に取り付けるものより部品点数、行程数を少なくで
き、コストを下げることができ、かつハーメチックシー
ル型のものより小型、軽量で安価なものとすることがで
きる。
【0015】図3に切欠き10に集光用レンズ16を取
り付けた実施例を示す。これは、上記赤外線センサモジ
ュール1に図4に示す集光用レンズ16を取り付けたも
のである。集光用レンズ16は、プラスチック部材から
なり、下方に脚17が設けられている。この集光用レン
ズ16のレンズ部分は、集光用レンズ16を赤外線セン
サモジュール1に取り付けたとき焦点がほぼ焦電体エレ
メント5に位置するようになっており、又脚17は切欠
き10に挿入できるように、切欠き10に合わせて配置
されている。
【0016】したがって、この例によれば集光用レンズ
16を切欠き10に嵌めて、脚17の先端を溶着もしく
は接着剤によって固定することにより、赤外光を焦電体
エレメント5に集光でき、前述した基板2のゆがみ等に
対して強く、かつ電磁障害に対しても優れるという効果
を有すると同時に切欠き10を利用して簡易な構成で感
度の良好な赤外線センサモジュール1を提供できる。
【0017】尚、切欠き10は、図1に示したように連
結部9を方形の一辺の途中に設けたが、切欠き10を直
線形状にして連結部9を方形の角に設けるようにしても
良い。
【0018】
【発明の効果】本発明の赤外線センサモジュールによれ
ば、基板に赤外線センサ素子の構成部品、焦電体エレメ
ント、FET及び抵抗を装着し、これらを赤外線透過部
材を有する金属キャップで覆ったうえでその周囲を熱硬
化型エポキシ樹脂で封止し、かつ切欠きを金属キャップ
の外周を取り囲んで形成して構成したので、基板に外力
が加わっても切欠きで吸収されて金属キャップの内部に
は影響が及ばず、耐湿性、強度及び電磁障害に対して優
れ、製造行程が簡略化でき、且つ小型で、軽量な赤外線
センサモジュールを安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる赤外線センサモジュールを示す
分解斜視図である。
【図2】本発明にかかる赤外線センサモジュールを示す
斜視図である。
【図3】他の実施例にかかる、集光レンズを取り付けた
赤外線センサモジュールを示す斜視図である。
【図4】集光レンズを示す斜視図である。
【図5】従来の赤外線センサ素子を用いた赤外線センサ
モジュールを示す分解斜視図である。
【図6】従来のハーメチックシール型の赤外線センサモ
ジュールを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 赤外線センサモジュール 2 基板 3 金属キャップ 4 接着剤 5 焦電体エレメント 6 FET 7 抵抗 8 穴 9 連結部 10 切欠き 16 集光レンズ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に焦電体エレメント、FET及び
    抵抗からなる赤外線センサ素子の構成部品を装着し、当
    該構成部品を覆い且つ前記焦電体エレメントの前面に赤
    外線を透過する透過部材を有する金属キャップを前記基
    板に取り付け、前記金属キャップの外周を取り囲んで前
    記基板に切欠きを形成したことを特徴とする焦電型赤外
    線センサモジュール。
  2. 【請求項2】 前記焦電体エレメントに赤外線を集光す
    るプラスチック集光レンズを前記切欠きを用いて取り付
    けてなる請求項1記載の赤外線センサモジュール。
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